JPH09296220A

JPH09296220A - 棒線、管、形鋼圧延用保熱炉

Info

Publication number: JPH09296220A
Application number: JP11383596A
Authority: JP
Inventors: Akira Teramae; 昭寺前; Yoshitaka Nakamura; 吉孝中村; Yoshihiko Murata; 義彦村田; Kazumoto Tsukagoshi; 一基塚越; Ikuo Shiyoumoto; 育男庄本
Original assignee: Nittetsu Plant Designing Corp; Nippon Steel Corp
Current assignee: Nippon Steel Corp; Nippon Steel Plant Designing Corp
Priority date: 1996-05-08
Filing date: 1996-05-08
Publication date: 1997-11-18

Abstract

(57)【要約】【課題】次工程以降の作業トラブルにより生じる保熱
炉における作業に迅速且つ安全に対処できる棒線、管、
形鋼圧延用保熱炉を提供する。【解決手段】棒鋼、鋼線、鋼管または形鋼の圧延設備
の、加熱炉１と圧延機５の間に配設される保熱炉３にお
いて、温度補償手段としてバーナー燃焼式の加熱手段を
有するとともに、圧延素材のオシレーションを可能とす
る、圧延素材の長さよりも長い炉長と、炉内搬送テーブ
ル（ローラー）４と、圧延素材の先後端を検出する検出
手段１１と、前記搬送テーブルの回転を正逆回転制御す
る制御手段とを有することを特徴とする棒線、管、形鋼
圧延用保熱炉。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、棒鋼、鋼線、鋼管
または形鋼の圧延設備における加熱炉と圧延機の間に配
設される保熱炉に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、棒鋼、鋼線、鋼管または形鋼を圧
延する場合、圧延素材が小断面長尺であるため、圧延中
に圧延素材の長手方向で温度偏差が発生し、その結果、
製品の寸法精度や機械的性質等の品質に悪影響を及ぼし
ていた。この問題に対し、特開平３−２９４４２９号公
報には、加熱炉と圧延機の間に保熱炉を設置し、炉内の
搬送テーブルにて材料搬送状況に応じて速度制御するこ
とで、圧延素材の温度低下を防止しながら、次工程の圧
延機に搬送できる棒線多ストランドミル用加熱炉抽出装
置の発明が開示されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術では、保熱炉の次の工程である圧延機以降の工程
で作業トラブルが発生した場合に起こる、次のような問
題に対処できない。すなわち、加熱炉から保熱炉内に存
在する圧延素材は、そのまま放置されると、冷却されて
いるテーブルローラーが接触している部分で局部的な温
度低下を来たす。そのため、その後、設備が復旧して
も、このように温度低下した圧延素材は、次工程の圧延
で著しい品質不良を発生させることとなり、そのまま圧
延することはできないため、ウォーキングビーム式加熱
炉では逆送りすることで排除する必要があり、また、プ
ッシャー式加熱炉では逆送できないため重機などによる
非定常の作業（リジェクト作業）で排除する必要があ
る。その結果、大幅な時間と燃料の損失を生じていた。
特に、後者の、プッシャー式加熱炉を有するプロセス
の、バーナー構成が上下部式のバーナーまたはサイドバ
ーナーである従来技術の保熱炉に対する非定常の排除作
業では、搬送テーブルより上部の炉殼を容易に取り外す
ことができないため、狭い隙間で作業員がガス切断等に
よって圧延素材を分割して除去するといった危険な作業
を伴っていた。

【０００４】そこで、本発明は、上記課題を有利に解決
して、次工程の圧延機以降での作業トラブルに起因して
発生する保熱炉における作業に、迅速且つ安全に対処で
きる棒線、管、形鋼圧延用保熱炉を提供することを目的
とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、次の通
りである。（１）棒鋼、鋼線、鋼管または形鋼の圧延設備の、加熱
炉と圧延機の間に配設される保熱炉において、温度補償
手段としてバーナー燃焼式の加熱手段を有するととも
に、圧延素材のオシレーションを可能とする、圧延素材
の長さよりも長い炉長と、炉内搬送テーブル（ローラ
ー）と、圧延素材の先後端を検出する検出手段と、前記
搬送テーブルの回転を正逆回転制御する制御手段とを有
することを特徴とする棒線、管、形鋼圧延用保熱炉。（２）前記圧延素材の先後端の検出手段が、炉内検出器
であることを特徴とする上記（１）記載の棒線、管、形
鋼圧延用保熱炉。（３）前記圧延素材の先後端の検出手段が、搬送テーブ
ルの回転検出器であることを特徴とする上記（１）記載
の棒線、管、形鋼圧延用保熱炉。（４）前記バーナー燃焼式の加熱手段のバーナー取付け
位置を搬送テーブルより下部とし、且つ、保熱炉の搬送
テーブルより上部を取り外し可能に構成することを特徴
とする上記（１）ないし（３）のいずれか１項に記載の
棒線、管、形鋼圧延用保熱炉。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。図１は、加熱炉と棒鋼、鋼線、
鋼管または形鋼を圧延する圧延機５と加熱炉１の間に、
圧延素材の温度低下を防止するための保熱炉３を配置し
た平面図の一例である。保熱炉３の長さは、圧延素材の
オシレーションのために、圧延素材よりも１ｍ以上長い
ことが望ましい。同図中の加熱炉１は、プッシャー式加
熱炉、ウォーキングハース式加熱炉、ウォーキングビー
ム式加熱炉でも適用できる。また、図１は、１ストラン
ドの配置としているが、多ストランドで圧延機が配置さ
れていても同様である。

【０００７】図２は、本発明の一実施例における保熱炉
と搬送テーブルの関係を示すものであり、（ａ）はその
平面図、（ｂ）は炉の長手方向に直交する断面図であ
る。図２で、６は保熱炉鉄皮、７は断熱材の保熱炉耐火
物、４は搬送テーブル（ローラー）、８は搬送テーブル
駆動モーター、９は圧延素材を示す。ここでは、圧延素
材９は、丸ビレットの代表例で示したが、角ビレット、
ブルーム、中空丸ビレットでも良い。

【０００８】図３は、本発明の一実施例の保熱炉の長手
方向の断面説明図で、オシレーションの形態を説明する
図である。同図中の１０は保熱炉の炉殻、９は圧延素
材、４は搬送テーブル（ローラー）、１１は圧延素材９
の先後端を検出する、炉内に配置したセンサーである。
１１のセンサーによって圧延素材の先後端を検出する
と、搬送テーブルの回転を反転させる搬送テーブル正逆
回転制御を行って、圧延素材のオシレーションを行う。
オシレーションの距離は、炉長を短くするために片側５
００mmから６００mm程度が適当である。先後端検出セン
サー１１の機能は、テーブルローラー４の回転を検出す
るセンサーでも代替可能である。また、タイマー等で正
逆回転を制御することも可能である。なお、テーブルの
駆動は、独立駆動または一括駆動方式のいずれの場合で
も可能である。

【０００９】図４は、本発明の保熱炉のバーナー構成の
実施例を比較例とともに説明する保熱炉の平面図または
保熱炉の長手方向の断面図である。すなわち、同図
（ａ）は比較例のサイドバーナー方式の平面図、（ｂ）
は比較例の上下部バーナー方式の炉長手方向の断面図、
（ｃ）は本発明例の下部バーナー方式の炉長手方向の断
面図を示す。同図中の１０は炉殻、４は搬送テーブル、
１２はバーナーを示す。従来のバーナー構成である
（ａ）サイドバーナー方式、または（ｂ）上下部バーナ
ー方式では、共にバーナーへの燃料配管、空気配管がテ
ーブルよりも上部に配置されるため、テーブルより上部
で容易に炉殻を分割、取り外しできない構造となってい
る。一方、本発明の請求項４の発明に該当する（ｃ）の
テーブルの下部にバーナーを配置する方式では、テーブ
ルより上部にバーナーへの燃料配管、空気配管を配置す
ることがないため、テーブルより上部で容易に炉殻を分
割、取り外し可能である。なお、本発明では、バーナー
本数、バーナー型式は、特に規定するものではなく、い
ずれのものでも適用可能である。

【００１０】図５は、図４（ｃ）のバーナー構成を前提
とした、本発明の一実施例の保熱炉の上部炉殻につい
て、分割、取り外しの構造を説明する炉の長手方向の断
面図及び炉の長手方向に直交する断面図である。図５
（ａ）は、通常操業時の保熱炉の長手方向の断面図、
（ｂ）は（ａ）の上部の炉殻を取り外した状態、（ｃ）
は搬送テーブルより上部を分割、取り外した状態の、炉
の長手方向に直交する断面図を示す。図中１０は炉殻、
４は搬送テーブル（ローラー）、１２はバーナー、１３
は取り外した上部炉殻、１４は下部炉殻、１５は取り外
し用の吊りフック、１６はワイヤーを示す。なお、分割
位置、吊り方式等は、図５の方式に限定されるものでは
ない。

【００１１】保熱炉の次の工程である圧延機以降にて作
業トラブルが発生した場合、図３に示すように、保熱炉
内の圧延素材９をオシレーションすることにより、水冷
等で冷却されているテーブルローラー４との接触での局
部的な温度低下を防止し、且つ圧延機以降にて作業トラ
ブルが解消された場合、即時に保熱炉内でオシレーショ
ン中の圧延素材９を次工程の圧延機５にて圧延できるこ
とから、圧延機以降の作業トラブルが短時間で解消され
る場合、加熱炉への圧延素材の逆送や排除作業が不要と
なる。

【００１２】また、圧延機以降の作業トラブルが長時間
になった場合、保熱炉に圧延温度を維持できる加熱能力
を付与することは効率的でないため、保熱炉３に長時間
滞留した圧延素材９は、温度が低下し、上記のようにオ
シレーションしても、後続の圧延機５では圧延できなく
なる。したがって、プッシャー式加熱炉のような、圧延
素材９を逆送して加熱炉１で再加熱できない場合、保熱
炉内に滞留した圧延素材９は排除せざるを得ない。この
ような場合、本発明では、図４（ｃ）に示すように、保
熱炉のバーナー構成を下部バーナーのみとして、また、
図５に示すように、搬送テーブルより上部の保熱炉の炉
殼１３を分割して取り外し、保熱炉の搬送テーブル４上
から圧延素材９を吊り出し、排除する。これにより、オ
ペレーターのガス切断等の危険な作業なしで、容易に、
且つ安全に、圧延素材９の排除作業が可能となる。

【００１３】

【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。図１に示す設備構成で配置されたプロセスにおい
て、圧延機５以降の作業トラブルが発生した場合、図３
に示すように、保熱炉３内の圧延素材９をセンサー１１
にて先後端を検出して、搬送テーブルローラー４の回転
を正逆制御することにより、保熱炉３内にて圧延素材９
をオシレーションする構成を採用した。炉内センサー１
１は、非接触型の材料検出センサーを採用した。また、
搬送テーブル４は、正逆可能なモーター８を有し、炉内
センサー１１の信号にて、制御装置（図示せず）を介し
て、搬送テーブルローラー４の回転の正逆回転制御を行
う構成とした。オシレーションの距離は、炉長を短くす
るために片側５５０mmとして、炉長を設計した。

【００１４】図４（ｃ）は、バーナーを下部に配置した
例である。下部に軸流バーナー１２を２基配置してバー
ナーの燃焼にて圧延素材９の温度を保熱する。図５
（ｃ）は、バーナー１２を下部に配置して、且つ、搬送
テーブルより上部の炉殻を分割して上部の炉殻１３を取
り外し可能にした一例である。搬送テーブル４直上の炉
殻１３にて分割して、耐火物も含めて上部が取り外し可
能な構造となっている。また、上部の炉殻１３に吊りフ
ック１５を取付けワイヤー１６にて容易に上部の炉殻を
取り外すことができる。

【００１５】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の棒線、
管、形鋼圧延用保熱炉によれば、作業トラブルに対応し
た保熱炉での圧延素材の待機（保熱・待機）やトラブル
復旧後の迅速な圧延素材の供給が可能になり、作業停止
時間の短縮や局部温度低下材圧延による歩留り低下問題
の回避が可能になるとともに、さらには、温度低下圧延
素材の迅速な除去作業が可能になり、作業停止時間の短
縮及び非定常作業の安全性の確保が可能になり、工業的
価値の高い発明である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の適用される圧延設備列の全体構成を例
示する平面図である。

【図２】本発明の一実施例における保熱炉と搬送テーブ
ルの関係を示す平面図及び炉の長手方向に直交する断面
図である。

【図３】本発明の一実施例の保熱炉の長手方向の断面図
で、オシレーションの形態を説明する図である。

【図４】本発明の保熱炉のバーナー構成の実施例を比較
例とともに説明する保熱炉の平面図または保熱炉長手方
向の断面図である。

【図５】本発明の一実施例の保熱炉の上部炉殻につい
て、分割、取り外しの構造を説明する炉の長手方向の断
面図及び炉の長手方向に直交する断面図である。

【符号の説明】

１加熱炉２加熱炉抽出機３保熱炉４搬送テーブル（ローラー）５圧延機６保熱炉鉄皮７保熱炉耐火物８テーブル駆動モーター９圧延素材１０炉殻１１センサー１２バーナー１３上部炉殻１４下部炉殻１５吊りフック１６ワイヤー

フロントページの続き (72)発明者村田義彦福岡県北九州市戸畑区大字中原46−59 日鐵プラント設計株式会社内 (72)発明者塚越一基千葉県富津市新富20−１新日本製鐵株式会社技術開発本部内 (72)発明者庄本育男山口県光市大字島田3434番地新日本製鐵株式会社光製鐵所内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】棒鋼、鋼線、鋼管または形鋼の圧延設備
の、加熱炉と圧延機の間に配設される保熱炉において、
温度補償手段としてバーナー燃焼式の加熱手段を有する
とともに、圧延素材のオシレーションを可能とする、圧
延素材の長さよりも長い炉長と、炉内搬送テーブル（ロ
ーラー）と、圧延素材の先後端を検出する検出手段と、
前記搬送テーブルの回転を正逆回転制御する制御手段と
を有することを特徴とする棒線、管、形鋼圧延用保熱
炉。
【請求項２】前記圧延素材の先後端の検出手段が、炉
内検出器であることを特徴とする請求項１記載の棒線、
管、形鋼圧延用保熱炉。
【請求項３】前記圧延素材の先後端の検出手段が、搬
送テーブルの回転検出器であることを特徴とする請求項
１記載の棒線、管、形鋼圧延用保熱炉。
【請求項４】前記バーナー燃焼式の加熱手段のバーナ
ー取付け位置を搬送テーブルより下部とし、且つ、保熱
炉の搬送テーブルより上部を取り外し可能に構成するこ
とを特徴とする請求項１ないし請求項３のいずれか１項
に記載の棒線、管、形鋼圧延用保熱炉。