JPH10291016A - 熱間圧延設備列及び熱延鋼帯の圧延方法 - Google Patents

熱間圧延設備列及び熱延鋼帯の圧延方法

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JPH10291016A
JPH10291016A JP9109224A JP10922497A JPH10291016A JP H10291016 A JPH10291016 A JP H10291016A JP 9109224 A JP9109224 A JP 9109224A JP 10922497 A JP10922497 A JP 10922497A JP H10291016 A JPH10291016 A JP H10291016A
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JP
Japan
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rolling
hot
bar
temperature
rough
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Application number
JP9109224A
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English (en)
Inventor
Tooru Minote
徹 簑手
Yoshimichi Hino
善道 日野
Sadakazu Masuda
貞和 升田
Masaaki Yamamoto
雅明 山本
Takatomo Eda
尚智 江田
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/25Process efficiency

Abstract

(57)【要約】 【課題】粗バー長手方向先後端部の形状不良部分をクロ
ップシャーで切断した後、あるいは切断する前に、粗バ
ー長手方向先後端部の低温部分を、粗バーの搬送を停止
することなく確実に加熱することができる熱間圧延設備
列及び熱延鋼帯の圧延方法を提供する。 【解決手段】スラブを粗圧延機1で粗バー3となし、粗
バー3を仕上圧延機9で仕上圧延して熱延鋼帯とする熱
間圧延設備列において、粗圧延機1と仕上圧延機9の間
に、粗バー3長手方向先後端部の形状不良部分を切断す
るクロップシャー4、粗バー3の幅方向全体を加熱する
ソレノイド型誘導加熱装置8の順に設置、あるいはソレ
ノイド型誘導加熱装置8、クロップシャー4の順に設置
してなることを特徴とする熱間圧延設備列。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明の目的は、所定温度の
スラブを熱間圧延して熱延鋼帯を製造するための熱間圧
延設備列及び圧延方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より行われている熱延鋼帯の製造方
法においては、スラブを粗圧延してできた粗バーを仕上
圧延するに先立ち、粗バーの長手方向先後端部をクロッ
プシャーで切り落としている。
【0003】これには二つの目的がある。一つは粗バー
先後端部の形状不良部分を除去して、仕上圧延のミスロ
ールを防止することである。もう一つは先後端部の低温
部分を除去することである。
【0004】粗バー先後端部の低温部分については、良
好な材質を得るために必要な圧延仕上温度をフェライト
変態開始温度以上に保つことが困難であること、およ
び、仕上圧延中の荷重やトルクが大きくなり、圧延が不
可能になったり、圧延ロールに疵や肌荒れが発生する恐
れがあることが問題である。
【0005】ところが、粗バー先後端部の低温部分をす
べて除去すると、歩留りが低下してしまう。できれば、
クロップシャーで切断するのは形状不良部分のみにする
ことが望ましい。
【0006】そこで、特開平2−6002号公報のよう
な技術が提案されている。特開平2−6002号公報の
技術は、クロップシャーで粗バーの先後端部を切断した
後、加熱装置で粗バー先後端部の低温部分を加熱する方
法である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
2−6002号公報の技術には次のような問題がある。
粗バーの先端部を加熱する際に、粗バーを搬送テーブル
上に停止させる必要があるために、搬送ロールに接触し
ている部分とそうでない部分の温度差が著しく大きくな
り、熱延鋼帯の材質や形状が長手方向に変動してしま
う。搬送ロールの劣化も問題である。また、粗バー後端
部の加熱時には、粗バーは仕上圧延機に噛み込んでお
り、粗バーの搬送を停止して加熱に必要な時間をかせぐ
ことが不可能で、十分な温度補償がなされない。さら
に、切断部は低温であるため、クロップシャーによる切
断時の剪断荷重や剪断トルクが大きくなり、クロップシ
ャーの刃が劣化しやすく、頻繁な交換が必要である。
【0008】本発明の目的は、粗バー長手方向先後端部
の形状不良部分をクロップシャーで切断した後、あるい
は切断する前に、粗バー長手方向先後端部の低温部分
を、粗バーの搬送を停止することなく確実に加熱するこ
とができる熱間圧延設備列及び熱延鋼帯の圧延方法を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決し目的を
達成するために、本発明は以下に示す手段を用いてい
る。 (1)本発明の設備列は、スラブを粗圧延機で粗バーと
なし、粗バーを仕上圧延機で仕上圧延して熱延鋼帯とす
る熱間圧延設備列において、粗圧延機と仕上圧延機の間
に、粗バー長手方向先後端部の形状不良部分を切断する
クロップシャー、および粗バーの幅方向全体を加熱する
ソレノイド型誘導加熱装置を、順に設置してなることを
特徴とする熱間圧延設備列である。
【0010】(2)本発明の設備列は、スラブを粗圧延
機で粗バーとなし、粗バーを仕上圧延機で仕上圧延して
熱延鋼帯とする熱間圧延設備列において、粗圧延機と仕
上圧延機の間に、粗バーの幅方向全体を加熱するソレノ
イド型誘導加熱装置、および粗バー長手方向先後端部の
形状不良部分を切断するクロップシャーを、順に設置し
てなることを特徴とする熱間圧延設備列である。
【0011】(3)本発明の設備列は、ソレノイド型誘
導加熱装置を粗バー長手方向に沿って複数基設置するこ
とを特徴とする上記(1)または(2)に記載の熱間圧
延設備列である。
【0012】(4)本発明の方法は、上記(1)または
(3)に記載の熱間圧延設備列を用いて、粗バー長手方
向先後端部の形状不良部分をクロップシャーで切断した
後、粗バー長手方向先後端部をソレノイド型誘導加熱装
置で、圧延仕上温度がフェライト変態開始温度以上とな
る温度まで昇温してから仕上圧延することを特徴とす
る、熱延鋼帯の圧延方法である。
【0013】(5)本発明の方法は、上記(2)または
(3)に記載の熱間圧延設備列を用いて、粗バー長手方
向先後端部をソレノイド型誘導加熱装置で、圧延仕上温
度がフェライト変態開始温度以上となる温度まで昇温し
てから、粗バー長手方向先後端部の形状不良部分をクロ
ップシャーで切断した後、仕上圧延することを特徴とす
る、熱延鋼帯の圧延方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明者は、粗バー長手方向先後
端部の形状不良部分をクロップシャーで切断した後、あ
るいは切断する前に、粗バー長手方向先後端部の低温部
分を、粗バーの搬送を停止することなく確実に加熱する
ことができる熱間圧延設備列及び熱延鋼帯の圧延方法を
得るために鋭意研究を重ね、以下の知見を得た。
【0015】(1)本発明の第1実施形態に係る熱間圧
延設備列は、クロップシャーと仕上圧延機の間に、粗バ
ーを幅方向全体にわたって加熱することのできるソレノ
イド型誘導加熱装置を、単基または複数基備える。
【0016】クロップシャーで長手方向先後端部の形状
不良部分を切断された粗バーは、ソレノイド型誘導加熱
装置を通過する際に、停止させることなく長手方向先後
端部の低温部分を加熱され、圧延仕上温度がフェライト
変態開始温度以上となるような温度を与えられてから、
仕上圧延により熱延鋼帯となる。
【0017】(2)本発明の第2実施形態に係る熱間圧
延設備列は、粗圧延機とクロップシャーの間に、粗バー
を幅方向全体にわたって加熱することのできるソレノイ
ド型誘導加熱装置を、単基または複数基備える。粗バー
は、ソレノイド型誘導加熱装置を通過する際に、停止さ
せることなく長手方向先後端部の低温部分を加熱され、
圧延仕上温度がフェライト変態開始温度以上となるよう
な温度を与えられてから、クロップシャーで長手方向先
後端部の形状不良部分を切断された後、仕上圧延により
熱延鋼帯となる。
【0018】上記(1)及び(2)に記載の熱間圧延設
備列において、ソレノイド型誘導加熱装置単基の容量だ
けでは昇温量が足りない場合には、ソレノイド型誘導加
熱装置を粗バー長手方向に沿って複数基設置することに
より、十分な温度確保が可能となる。
【0019】以上の知見に基づき、本発明者は、粗圧延
機と仕上圧延機の間に、クロップシャーおよび単基また
は複数基のソレノイド型誘導加熱装置を順に設置し、粗
バー長手方向先後端部の形状不良部分をクロップシャー
で切断した後、粗バー長手方向先後端部をソレノイド型
誘導加熱装置で所定の温度まで昇温してから仕上圧延す
るようにして、粗バーの搬送を停止することなく、粗バ
ー長手方向先後端部の低温部分を確実に加熱することが
できる本発明の第1実施形態に係る熱間圧延設備列及び
熱延鋼帯の圧延方法を見出し、さらに粗圧延機と仕上圧
延機の間に、単基または複数基のソレノイド型誘導加熱
装置およびクロップシャーを順に設置し、粗バー長手方
向先後端部をソレノイド型誘導加熱装置で所定の温度ま
で昇温してから、粗バー長手方向先後端部の形状不良部
分をクロップシャーで切断した後、仕上圧延するように
して、粗バーの搬送を停止することなく、粗バー長手方
向先後端部の低温部分を確実に加熱することができる本
発明の第2実施形態に係る熱間圧延設備列及び熱延鋼帯
の圧延方法を見出し、本発明を完成した。すなわち、本
発明は、製造設備及び製造条件を下記範囲に限定するこ
とにより、粗バー長手方向先後端部の形状不良部分をク
ロップシャーで切断した後、あるいは切断する前に、粗
バー長手方向先後端部の低温部分を粗バーの搬送を停止
することなく確実に加熱することができる熱間圧延設備
列及び熱延鋼帯の圧延方法を得ることができる。
【0020】以下に本発明の製造設備の限定理由及び製
造条件の限定理由について説明する。 (1)熱間圧延設備列及び圧延方法 (1−1)第1実施形態 図1は本発明の第1実施形態に係る熱間圧延設備列の概
略側面図である。本発明の第1実施形態に係る熱間圧延
設備列は、粗圧延機1と仕上圧延機9の間に、クロップ
シャー4とソレノイド型誘導加熱装置8を設置したこと
をその特徴とする。
【0021】所定温度のスラブは粗圧延機1で粗圧延さ
れて粗バー3となる。粗バー3は搬送ロール2によって
搬送テーブル上を仕上圧延機9に送られる途中、クロッ
プシャー4で、その長手方向先後端部の形状不良部分を
切断される。これは仕上圧延中のミスロールを防止する
ために必要な処理である。図3に粗バー3の先端部の概
略を示す。フィッシュテールなどの形状不良部分に続い
て、低温部分が存在する。クロップシャー4で低温部分
まで切断することは、歩留りの低下を招くため好ましく
ない。本発明では、形状不良部分のみを除去する。
【0022】残った粗バー3の長手方向先後端部には、
温度補償が必要である。良好な材質の熱延鋼帯を製造す
るには、仕上圧延機出側温度計10で測定される圧延仕
上温度を、フェライト変態開始温度以上に確保しなけれ
ばならない。しかし、もともと温度の低い長手方向先後
端部では、これは困難である。また、低温部において
は、仕上圧延荷重やトルクが大きくなりやすく問題であ
る。圧延ロールの疵や肌荒れが発生しやすくなり、極端
な場合には圧延できなくなってしまう。
【0023】そこで、本発明の第1実施形態に係る熱間
圧延設備列は、粗バー3を幅方向全体にわたって加熱す
ることのできるソレノイド型誘導加熱装置8を備え、ク
ロップシャー4で粗バー3の長手方向先後端部の形状不
良部分を除去した後に残った低温部分を圧延仕上温度が
フェライト変態開始温度以上となる温度まで加熱する。
加熱は粗バー3がソレノイド型誘導加熱装置8のコイル
内を通過している間に行われ、粗バー3を停止させる必
要はない。
【0024】加熱制御は次のように行う。粗バー3の長
手方向先後端が粗バー先後端検出装置5を通過した時
刻、粗バー温度検出装置6で測定した粗バー3先後端の
温度、および搬送速度検出用テーブルロール2aの回転
速度から求めた粗バー3の搬送速度をもとに、制御装置
7はソレノイド型誘導加熱装置8の加熱制御を行う。す
なわち、粗バー3先後端の低温部分がソレノイド型誘導
加熱装置8に入るときに加熱を開始し、出るときに加熱
を終了する。加熱量は粗バー温度検出装置6で検出した
低温部分の温度と、目標温度の差をもとに決められる。
ソレノイド型誘導加熱装置8の単基容量が不足する場合
には、粗バー長手方向に沿って複数基設置することによ
り、目標温度まで昇温することができる。
【0025】ソレノイド型誘導加熱装置8で長手方向先
後端部を加熱された粗バー3は仕上圧延機9で仕上圧延
されて所定板厚の熱延鋼帯となる。上記のように、本発
明の第1実施形態に係る製造設備及びそれを用いた製造
方法によれば、クロップシャーで粗バー長手方向先後端
部の形状不良部分を切断した後、粗バー長手方向先後端
部の低温部分を粗バーの搬送を停止することなく確実に
加熱することができる。 (1−2)第2実施形態 図2は本発明の第2実施形態に係る熱間圧延設備列の概
略側面図である。本発明の第2実施形態に係る熱間圧延
設備列は、粗圧延機1と仕上圧延機9の間に、粗バー3
を幅方向全体にわたって加熱することのできるソレノイ
ド型誘導加熱装置8と、粗バー3の長手方向先後端を切
断するクロップシャー4を、粗圧延機1、ソレノイド型
誘導加熱装置8、クロップシャー4、仕上圧延機9の順
序で備える。
【0026】所定温度のスラブは粗圧延機1で粗圧延さ
れて粗バー3となる。上記した第1実施形態と同様図3
に示すように、粗バー3の長手方向先後端部には、フィ
ッシュテールなどの形状不良部分と、それを含む低温部
分が存在する。形状不良部分は、仕上圧延のミスロール
を誘発するため、除去しなければならない。低温部分も
問題である。良好な材質の熱延鋼帯を製造するには、仕
上圧延機出側温度計10で測定される圧延仕上温度を、
フェライト変態開始温度以上に確保しなければならな
い。しかし、仕上圧延前から温度の低い粗バー長手方向
先後端部では、これは困難である。また、低温部分にお
いては、仕上圧延の荷重やトルクが大きいためロールの
疵や肌荒れが発生しやすく、極端な場合には圧延不能と
なってしまう。
【0027】本発明の第2実施形態に係る熱間圧延方法
では、粗バー3を搬送ロール2で搬送しながら、粗バー
3先後端の低温部をソレノイド型誘導加熱装置8で加熱
して、圧延仕上温度がフェライト変態開始温度以上にな
るような所定の温度とした後、クロップシャー4で先後
端の形状不良部分のみを除去する。
【0028】本発明の第2実施形態に係る方法による
と、上記した第1実施形態と同様に加熱中も粗バー3の
搬送を停止する必要はなく、特開平2−6002号公報
にみられたような問題は生じない。また、形状不良部の
切断前に加熱を行うため、クロップシャーの剪断荷重や
剪断トルクを小さくすることができる。クロップシャー
の刃が長寿命化することにより、補修費の低減や生産性
の向上が得られる。加熱制御については上記した第1実
施形態と同様である。
【0029】クロップシャー4で長手方向先後端の形状
不良部を切断除去された粗バー3は、仕上圧延機9で仕
上圧延されて所定板厚の熱延鋼帯となる。上記のよう
に、本発明の第2実施形態に係る製造設備及びそれを用
いた製造方法によれば、粗バー長手方向先後端部の低温
部分を粗バーの搬送を停止することなく確実に加熱した
後、クロップシャーで粗バー長手方向先後端部の形状不
良部分を切断することができる。なお、本発明で用いる
加熱装置としては、加熱効率が高く制御応答性に優れた
誘導加熱装置が望ましい。誘導加熱方式には、磁束が粗
バー3の板厚方向と平行に発生するトランスバース・フ
ラックス方式と、磁束が粗バー3の長手方向と平行に発
生するソレノイド方式がある。トランスバース方式に
は、粗バー3のエッジ部が過加熱される恐れがあること
や、インダクターの形状が複雑で大電流を流すことがで
きないため、大容量の装置を作りにくいといった問題が
ある。加熱効率については、通常の粗バー3の厚さ30
〜50mmで比較すると、トランスバース・フラックス
方式が65%なのに対し、ソレノイド方式は75%とソ
レノイド方式の方が高い。設備投資額も、構造の単純な
ソレノイド方式の方が小さくて済む。以上のようなこと
から、本発明の加熱装置はソレノイド型誘導加熱装置8
となっている。以下に本発明の実施例を挙げ、本発明の
効果を立証する。
【0030】
【実施例】
(実施例1)図1に示す熱間圧延設備列を用いて、厚さ
30mmtの粗バーを仕上圧延して1.4mmtの熱延
鋼帯としたときの、長手方向先端部の圧延仕上温度を、
本発明例と従来例とで比較したのが図4である。実施例
の被圧延材は炭素鋼であり、良好な材質を得るための目
標温度は820℃である。点線で表される従来例の圧延
仕上温度は、熱延鋼帯先端から4mまで、目標温度を下
回っており、必要な材質が確保できなかった。これに対
し、実線で示される、粗バーの長手方向最先端部をソレ
ノイド型誘導加熱装置で50℃昇温した本発明例の圧延
仕上温度は、熱延鋼帯の先端部から目標温度を上回って
おり、良好な材質が得られた。
【0031】(実施例2)ステンレス鋼や高張力鋼のよ
うな変形抵抗の高い材料においては、圧延荷重やトルク
の増大が問題となる。ステンレス鋼SUS304の圧延
を例に、本発明の効果を説明する。図1に示す熱間圧延
設備列を用いて、厚さ28mm、幅1000mmの粗バ
ーを仕上圧延して、厚さ1.6mm、幅1000mmの
ステンレス鋼帯とした、このときの鋼帯先端と後端にお
ける仕上圧延機一段目の圧延荷重を、本発明例と従来例
とで比較したのが表1である。本発明例のデータは、ソ
レノイド型誘導加熱装置で粗バーの先後端部を80℃昇
温したものである。先後端ともに、本発明例により圧延
荷重が著しく低下しており、圧延ロールの疵や肌荒れ、
ミスロールの防止に有効であることは明らかである。
【0032】
【表1】
【0033】(実施例3)図2に示す熱間圧延設備列を
用いて、厚さ30mmtの粗バーを仕上圧延して1.6
mmtの熱延鋼帯としたときの、長手方向先端部の圧延
仕上温度を、本発明例と従来例とで比較したのが図5で
ある。実施例の被圧延材は炭素鋼であり、良好な材質を
得るための目標温度は810℃である。点線で表される
従来例の圧延仕上温度は、熱延鋼帯先端から5mの間、
目標温度を下回っており、必要な材質が確保できなかっ
た。これに対し、実線で示される、粗バーの長手方向最
先端部をソレノイド型誘導加熱装置で30℃昇温した本
発明例の圧延仕上温度は、熱延鋼帯の先端部から目標温
度を上回っており、良好な材質が得られた。
【0034】(実施例4)ステンレス鋼や高張力鋼のよ
うな変形抵抗の高い材料においては、圧延荷重やトルク
の増大が問題となる。ステンレス鋼SUS304の圧延
を例に、本発明の効果を説明する。図2に示す熱間圧延
設備列を用いて、厚さ28mm、幅1550mmの粗バ
ーを仕上圧延して、厚さ3mm、幅1550mmのステ
ンレス鋼帯とした。このときの鋼帯先端と後端における
仕上圧延機一段目の圧延荷重を、本発明例と従来例とで
比較したのが表2である。本発明例のデータは、ソレノ
イド型誘導加熱装置で粗バーの先後端部を80℃昇温し
たものである。先後端ともに、本発明例により圧延荷重
が著しく低下しており、圧延ロールの疵や肌荒れ、ミス
ロールの防止に有効であることは明らかである。
【0035】
【表2】
【0036】(実施例5)本発明により、クロップシャ
ー切断時の剪断荷重や剪断トルクを軽減することができ
る。図2に示す熱間圧延設備列を用いて、厚さ40m
m、幅1680mmの80キロ級高張力鋼の粗バー先端
を、クロップシャーで切断したときの剪断荷重を測定し
た。誘導加熱なしの場合が1119トンなのに対し、本
発明の方法により粗バー先端部を誘導加熱して80℃昇
温した場合は1051トンとなった。約70トンの軽減
である。本発明により、クロップシャーの刃の損耗が低
減された。従来、2週間に一度の交換を行っていたが、
2.5週間に一度となり、補修費が削減された。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、製造設備及び製造条件
を特定することにより、クロップシャーで形状不良部分
を切断した後、粗バー長手方向先後端部の低温部分を確
実に加熱することができ、あるいは、粗バー長手方向先
後端部の低温部分を誘導加熱してから、クロップシャー
で形状不良部分を切断した後に仕上圧延するため、次の
ような効果を生じる。
【0038】(1)熱延鋼帯の最先端、後端において
も、圧延仕上温度の確保が容易で、良好な材質が得ら
れ、歩留りが向上する。 (2)圧延荷重、トルクが軽減されるため、圧延ロール
の疵発生や肌荒れの度合いが減って、圧延ロールの長寿
命化が図れる。ミスロールも減少し、ライン停止が防止
されることにより、生産性が向上する。 (3)クロップシャー切断時の剪断荷重、剪断トルクが
軽減する。クロップシャーの刃の寿命が延長することに
より、補修費が削減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る熱間圧延設備列の
各装置の構成を示す概略側面図。
【図2】本発明の第2実施形態に係る熱間圧延設備列の
各装置の構成を示す概略側面図。
【図3】本発明の実施の形態に係る粗バー長手方向先端
部付近の状況を示す図。
【図4】本発明の第1実施形態前後で圧延仕上温度を比
較した図。
【図5】本発明の第2実施形態前後で圧延仕上温度を比
較した図。
【符号の説明】
1…粗圧延機 2…搬送ロール 2a…搬送速度検出用ロール 3…粗バー 4…クロップシャー 5…粗バー先後端検出装置 6…粗バー温度検出装置 7…制御装置 8…ソレノイド型誘導加熱装置 9…仕上圧延機 10…仕上圧延機出側温度計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H05B 6/10 381 H05B 6/10 381 (72)発明者 山本 雅明 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 江田 尚智 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スラブを粗圧延機で粗バーとなし、粗バ
    ーを仕上圧延機で仕上圧延して熱延鋼帯とする熱間圧延
    設備列において、 粗圧延機と仕上圧延機の間に、粗バー長手方向先後端部
    の形状不良部分を切断するクロップシャー、および粗バ
    ーの幅方向全体を加熱するソレノイド型誘導加熱装置
    を、順に設置してなることを特徴とする熱間圧延設備
    列。
  2. 【請求項2】 スラブを粗圧延機で粗バーとなし、粗バ
    ーを仕上圧延機で仕上圧延して熱延鋼帯とする熱間圧延
    設備列において、 粗圧延機と仕上圧延機の間に、粗バーの幅方向全体を加
    熱するソレノイド型誘導加熱装置、および粗バー長手方
    向先後端部の形状不良部分を切断するクロップシャー
    を、順に設置してなることを特徴とする熱間圧延設備
    列。
  3. 【請求項3】 ソレノイド型誘導加熱装置を粗バー長手
    方向に沿って複数基設置することを特徴とする請求項1
    または2に記載の熱間圧延設備列。
  4. 【請求項4】 請求項1または3に記載の熱間圧延設備
    列を用いて、 粗バー長手方向先後端部の形状不良部分をクロップシャ
    ーで切断した後、粗バー長手方向先後端部をソレノイド
    型誘導加熱装置で、圧延仕上温度がフェライト変態開始
    温度以上となる温度まで昇温してから仕上圧延すること
    を特徴とする、熱延鋼帯の圧延方法。
  5. 【請求項5】 請求項2または3に記載の熱間圧延設備
    列を用いて、 粗バー長手方向先後端部をソレノイド型誘導加熱装置
    で、圧延仕上温度がフェライト変態開始温度以上となる
    温度まで昇温してから、粗バー長手方向先後端部の形状
    不良部分をクロップシャーで切断した後、仕上圧延する
    ことを特徴とする、熱延鋼帯の圧延方法。
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