JPH09295530A - 車両用シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シートバック前倒時に、該シートバック高さ
以上の前後長からなる平面を客室内に形成することがで
きる車両用シートを提供する。 【解決手段】 シートクッション１０を車体フロア１２
に固定する。シートバック１１を、左右一対のレールガ
イド１３とローラー１４を介して車体フロア１２に固定
する。通常着座時には、シートバック１１の裏面下端
が、シートクッション１０の後端部と車体フロア１２の
隙間１５に挿入されている。シートバック１１を前倒さ
せる際には、ローラー１４をレールガイド１３に沿って
１４ｂの位置へ移動してシートバック１１を上昇させた
後、シートバック１１を、１４ｂの位置を中心に前方に
回動する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はシートバックとシー
トクッションからなる車両用シートに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、シートバックとシートクッション
からなる車両用シートとして、例えば図６に示すよう
に、後席シートバックを下部の回転中心によってシート
クッション上に前倒可能にし、シートバック裏面を客室
内で平面として利用可能にしたものがある。（特開平２
−１１４０３０号公報参照） これは、シートクッション４０とシートバック１，２と
を有する車両用シートにおいて、シートバック下部の所
定部分に水平方向の棒１６を設け、これを回転中心とし
てシートバック１，２を前方へ回動自在に固定する構成
となっている。

【０００３】従って、このような構成の車両用シートに
あっては、シートバック１，２前倒時には裏面側を荷物
などを載せる空間として利用することができる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
車両用シートにあっては、シートクッション４０後部上
にシートバック１，２があってシートバック１，２下部
で回動可能にしているため、通常状態でのシートバック
高さ相当が前倒時の前後長の限界となる。ここで通常状
態でのシートバック高さを大きくとることは後方視界の
妨げとなるため、結果として前倒時の前後長も制限さ
れ、広い平面を提供できないという問題があった。

【０００５】本発明は、このような従来の課題に鑑みて
なされたものであり、シートバック前倒時に、該シート
バック高さ以上の前後長からなる平面を客室内に形成す
ることができる車両用シートを提供することを目的とす
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
請求項１の発明にあっては、シートクッションとシート
バックとを有する車両用シートにおいて、通常着座時に
は前記シートバックの下部をシートクッションの後部に
挿入し、前倒時には前記シートバックを上昇かつ前方回
動させる機構を備えた。

【０００７】上記の構成により、シートクッションとシ
ートバックの表面側を凹凸あるいは硬さ柔らかさを部分
的に変えて乗員着座に適するようにするとともに、シー
トバック前倒時には、通常着座時での見かけのシートバ
ック高さ以上の前後長からなる平面を客室内に提供する
ことができる。

【０００８】また、請求項２の車両用シートにおいて
は、請求項１記載の車両用シートにあって、シートバッ
クを上昇かつ前方回動させる機構にガイドレールとロー
ラーを用いた。あるいは、請求項３の車両用シートにお
いては、請求項１記載の車両用シートにあって、シート
バックを上昇かつ前方回動させる機構にリンク機構を用
いた。

【０００９】すなわち、上記の請求項２または請求項３
の構成の構成にあっては、簡単な構造によって、請求項
１の場合と同様に、シートクッションとシートバックの
表面側を凹凸あるいは硬さ柔らかさを部分的に変えて乗
員着座に適するようにするとともに、シートバック前倒
時には、通常着座時での見かけのシートバック高さ以上
の前後長からなる平面を客室内に提供することができ
る。

【００１０】また、請求項４の車両用シートにおいて
は、請求項１，２又は３記載の車両用シートにあって、
荷室との隔壁部分に開閉可能な蓋を有する。

【００１１】このため、シートバックと蓋を前倒させた
状態では、客室から荷室に物を出し入れすることがで
き、蓋を起こすことで荷室に物が落ちることを防ぐこと
ができる。

【００１２】

【実施の形態】以下、この発明を図面に基づいて説明す
る。図１は、本発明の第１の実施の形態を示すものであ
る。

【００１３】図１は、本発明に係るシートの側面図であ
る。

【００１４】まず構造を説明すると、シートクッション
１０とシートバック１１からなるシートで、シートクッ
ション１０は車体フロア１２に固定され、シートバック
１１は左右一対のレールガイド１３とローラー１４を介
して車体フロア１２に固定されている。シートクッショ
ン１０の後端部と車体フロア１２の間には隙間１５が設
けられ、シートバック１１の裏面下端が挿入されてい
る。また、シートバック１１の裏面下端には、荷室５か
らのカーペット６とシートクッション１０後端部からの
布地７が取り付けられ、隙間１５への物落ちを防いでい
る。

【００１５】次に作用を説明する。

【００１６】シートバック１１を前倒させる場合は、ロ
ーラー１４が１４ａから１４ｂの位置へレールガイド１
３に沿って移動することによってシートバック１１を上
昇させた後、１４ｂの位置を中心にシートバック１１を
前方に回転させる。このときシートバック１１の裏面側
はシートクッション１０の後部に挿入されている分だけ
シートバック１１の表面側よりも長く、表面側の見かけ
のシートバック高さ以上の前後長からなる平面を客室４
内に提供することができる。

【００１７】また、前倒時のシートバック１１と前席シ
ート４２との隙間が少なくなり、シートバック１１から
物が落ちにくくすることができる。

【００１８】次に、図２及び図３は本発明の第２の実施
の形態を示す図である。

【００１９】図２は、本発明に係るシートの側面図であ
る。図３は、本発明に係るシート前倒機構の詳細図であ
る。

【００２０】まず構造を説明すると、シートバック１１
は、左右一対の四節リンク１６を介して車体フロア１２
に固定されている。シートクッション１０の後端部と車
体フロア１２の間には隙間１５が設けられ、シートバッ
ク１１の裏面下端が挿入されている。

【００２１】次に図３でリンク機構の動きについて説明
する。

【００２２】車体側ベース１７とシートバック固定部材
１８がＡリンク１９のａ点、ｂ点で、またＢリンク２０
のｃ点、ｄ点で固定されている。このときＡリンク１９
はＢリンク２０よりも長く、ａ点はｃ点よりも高く設定
されている。このためシートバック固定部材１８および
固定されたシートバック１１は上前方へ移動する過程で
前方へ回転する。

【００２３】次に図４及び図５は本発明の第３の実施の
形態、及び第４の実施の形態を示す図である。

【００２４】まず構造を説明すると、前倒されたシート
バック１１のほぼ背面高さにあって車体側に取り付けら
れた回転中心２２に、回動可能に固定された蓋２１が備
えられており、客室４と荷室５との隔壁を開閉可能とし
ている。

【００２５】このため、シートバック１１と蓋２１を前
倒させた状態では、客室４から荷室５に物を出し入れす
ることができ、蓋２１を起こすことで荷室５に物が落ち
ることを防ぐことができる。

【００２６】また、蓋２１を図５に示すような形状とし
て客室４と荷室５の空間の大きさを調節することができ
る。

【００２７】

【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の請求
項１の構成によれば、シートクッションとシートバック
とを有する車両用シートにおいて、通常着座時にはシー
トバックの裏面下部をシートクッションの後部に挿入
し、前倒時にはシートバックを上昇かつ前方回動させる
機構を備えているので、シートクッションとシートバッ
クの表面側を凹凸あるいは硬さ柔らかさを部分的変えて
乗員着座に適するようにするとともに、シートバック前
倒時には、通常着座での見かけのシートバック高さ以上
の前後長からなる平面を客室内に提供することができ
る。

【００２８】また、請求項２あるいは請求項３の車両用
シートにおいては、請求項１記載の車両用シートにあっ
て、シートバックを上昇かつ前方回動させる機構にガイ
ドレールとローラーを用いた、または、シートバックを
上昇かつ前方回動させる機構にリンク機構を用いたの
で、簡単な構造によって、請求項１の場合と同様に、シ
ートクッションとシートバックの表面側を凹凸あるいは
硬さ柔らかさを部分的に変えて乗員着座に適するように
するとともに、シートバック前倒時には、通常着座時で
の見かけのシートバック高さ以上の前後長からなる平面
を客室内に提供することができる。

【００２９】また、請求項４の車両用シートにおいて
は、請求項１，２又は３記載の車両用シートにあって、
荷室との隔壁部分に開閉可能な蓋を有するので、シート
バックと蓋を前倒させた状態では、客室から荷室に物を
出し入れすることができ、蓋を起こすことで荷室に物が
落ちることを防ぐことができる。

【００３０】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施の形態を示すシートの側面
図である。

【図２】第２の実施の形態を示すシートの側面図であ
る。

【図３】第２の実施の形態を示すシートの前倒機構の詳
細図である。

【図４】第３の実施の形態を示すシートの側面図であ
る。

【図５】第４の実施の形態を示すシートの側面図であ
る。

【図６】従来のシートの側面図である。

【符号の説明】

１０ シートクッション １１ シートバック １３ レールガイド １４ ローラー １６ 四節リンク ２１ 蓋

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シートクッションとシートバックとを有
   する車両用シートにおいて、 通常着座時には前記シートバックの下部をシートクッシ
   ョンの後部に挿入し、前倒時には前記シートバックを上
   昇かつ前方回動させる機構を備えたことを特徴とする車
   両用シート。
2. 【請求項２】 請求項１記載の車両用シートにあって、
   シートバックを上昇かつ前方回動させる機構にガイドレ
   ールとローラーを用いたことを特徴とする車両用シー
   ト。
3. 【請求項３】 請求項１記載の車両用シートにあって、
   シートバックを上昇かつ前方回動させる機構にリンク機
   構を用いたことを特徴とする車両用シート。
4. 【請求項４】 請求項１，２又は３記載の車両用シート
   にあって、荷室との隔壁部分に開閉可能な蓋を有するこ
   とを特徴とする車両用シート。