JPH0929515A - スローアウェイチップのクランプ機構 - Google Patents

スローアウェイチップのクランプ機構

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Publication number
JPH0929515A
JPH0929515A JP18308995A JP18308995A JPH0929515A JP H0929515 A JPH0929515 A JP H0929515A JP 18308995 A JP18308995 A JP 18308995A JP 18308995 A JP18308995 A JP 18308995A JP H0929515 A JPH0929515 A JP H0929515A
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JP
Japan
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hole
throw
tip
seat
mounting seat
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP18308995A
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English (en)
Inventor
Tatsuo Arai
辰夫 新井
Takanobu Saitou
貴宣 斉藤
Hiroaki Hayashizaki
弘章 林崎
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スローアウェイチップの取付精度の向上、位
置ずれの防止及び取付の簡便化を図ることができるスロ
ーアウェイチップのクランプ機構を提供する。 【解決手段】 チップ取付座32の嵌合孔33に筒状係
止部材36の基部36cを嵌合させ、基部36cに対し
て偏心した端部36dの外壁面の突き出し部36iと取
付座壁面32bとでシート35を挟持し、シート35に
着座されたスローアウェイチップ37は、嵌合孔底面3
3aのねじ穴34に螺着されるチップ取付ねじ38でク
ランプし、チップ取付ねじ38の中間部38cは、筒状
係止部材36の孔壁に形成された環状凸部36bにより
支持される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スローアウェイ式
のバイト、ボーリングバー、カッター、エンドミル等の
工具本体のチップ取付座にシートを介してスローアウェ
イチップを着脱自在に装着するためのスローアウェイチ
ップのクランプ機構に係わり、特に、スローアウェイチ
ップの取付精度の向上、位置ずれの防止及び取付の簡便
化を図ることができるスローアウェイチップのクランプ
機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のスローアウェイチップのクランプ
機構の一つには、図9に示すように、二重ねじを用いた
ものがある。即ち、工具本体1のチップ取付座2に取付
ねじ孔3を設け、チップ取付座2に、中央に係止孔5a
を有するシート5を、その係止孔5aがチップ取付座2
の取付ねじ孔3に一致するように着座させる。そこで、
内部に貫通したねじ孔6aを有するシート取付ねじ6
を、シート5の係止孔5aから取付ねじ孔3に挿通螺合
させて、まず、シート5をチップ取付座2にクランプし
て固定する。
【0003】次に、中央に係止孔7aを有するスローア
ウェイチップ7を、その係止孔7aがシート取付ねじ6
のねじ孔6aに一致するように、シート5上に着座させ
る。そこで、チップ取付ねじ8を、スローアウェイチッ
プ7の係止孔7aからシート取付ねじ6のねじ孔6aに
挿通螺合させ、スローアウェイチップ7をシート5上で
クランプして固定する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、そのよ
うなスローアウェイチップのクランプ機構では、工具本
体1の取付ねじ孔3にシート取付ねじ6を螺合させ、シ
ート取付ねじ6のねじ孔6aにチップ取付ねじ8を螺合
させる二重ねじとなっているため、シート取付ねじ6の
成形誤差及び取付誤差と、チップ取付ねじ8の成形誤差
及び取付誤差が累積されることとなる。よって、スロー
アウェイチップ7の取付精度を高めることが難しいとい
う不都合がある。また、スローアウェイチップ7の着脱
のためにシート取付ねじ6に対するチップ取付ねじ8の
着脱が行なわれる度に、シート取付ねじ6が取付ねじ孔
3に対してゆるんでくる場合があり、その場合には、特
にシート取付ねじ6の強度が低下する。従って、スロー
アウェイチップ7に過大な切削圧力が加わるとスローア
ウェイチップ7の位置ずれが生じてしまうという不都合
がある。
【0005】この問題解決のために、実開昭64−23
302公報に示されるようなスローアウェイチップのク
ランプ機構が提案されている。このスローアウェイチッ
プのクランプ機構は、図10に示すように、チップ取付
座12に有底の位置決め孔13が形成されその位置決め
孔13の底面13aに取付ねじ孔14が形成された工具
本体11と、チップ取付座12に載置され略中央に位置
決め孔13と略同径の係止孔15aが形成されたシート
15と、このシート15の係止孔15a及び位置決め孔
13に嵌合される筒状の係止部材16と、スローアウェ
イチップ17の係止孔17a及び係止部材16に挿通さ
れ、頭部がスローアウェイチップ17の係止孔17aに
係止されるとともに先端部が位置決め孔13の取付ねじ
孔14に螺合されてスローアウェイチップ17をシート
15を挟んでチップ取付座12に固定するチップ取付ね
じ18とからなる。
【0006】従って、このスローアウェイチップのクラ
ンプ機構では、シート15は係止部材16によりチップ
取付座12に装着し、スローアウェイチップ17はチッ
プ取付ねじ18によりチップ取付座12に固定するの
で、図9の二重ねじの場合のスローアウェイチップ7の
位置ずれ及び取付精度の問題を解決することができる。
【0007】ところが、このスローアウェイチップのク
ランプ機構では、図10に示すようにチップ取付座12
に有底の位置決め孔13を形成して係止部材16を嵌合
させるため、チップ取付座12より下がった位置決め孔
13の底面13aに、チップ取付ねじ18の先端部が螺
合する取付ねじ孔14が形成されている。そして、チッ
プ取付ねじ18の頭部は、係止部材16及びシート15
の上方に位置するスローアウェイチップ17の係止孔1
7aに係止させる。従って、スローアウェイチップ17
の係止孔17aと取付ねじ孔14との間隔が従来より長
くなる。そのため、このスローアウェイチップのクラン
プ機構では、高いクランプ強度を発揮することが難し
く、スローアウェイチップ17に過大な切削圧力が加わ
るとやはりスローアウェイチップ17の位置ずれを生ず
るという不都合を有している。
【0008】また、二重ねじに起因する問題を解決する
ものとしては実開昭64−23301公報に示されるよ
うなスローアウェイチップのクランプ機構も提案されて
いる。このスローアウェイチップのクランプ機構は、図
11に示すように、チップ取付座22に取付ねじ孔23
及び複数のシート取付ねじ孔24が形成された工具本体
21と、チップ取付座22に載置され取付ねじ孔23に
対応する位置に取付ねじ孔23より大径の貫通孔25a
を有し又シート取付ねじ孔24に対応する位置に係止孔
25bを有するシート25と、シート25の係止孔25
bと共にチップ取付座22のシート取付ねじ孔24に嵌
合されるピン26と、スローアウェイチップ27の係止
孔27a及びシート25の貫通孔25aに挿通され頭部
がスローアウェイチップ27の係止孔27aに係止され
先端部がチップ取付座22の取付ねじ孔23に螺合され
てスローアウェイチップ27をシート25を挟んでチッ
プ取付座22に固定するチップ取付ねじ28とからな
る。
【0009】従って、このスローアウェイチップのクラ
ンプ機構では、シート25は複数のピン26によりチッ
プ取付座22に係止し、スローアウェイチップ27はチ
ップ取付ねじ28によりチップ取付座22に固定するの
で、図9の二重ねじの場合のスローアウェイチップ7の
位置ずれ及び取付精度の問題を解決することができる。
また、図10に示されるようなスローアウェイチップの
クランプ機構に比して、図11のスローアウェイチップ
27の係止孔27aとチップ取付座22の取付ねじ孔2
3との間隔が短いので、切削圧力が大なるときのスロー
アウェイチップ27の位置ずれを防止することができ
る。
【0010】ところが、このスローアウェイチップのク
ランプ機構では、シート25を複数のピン26により係
止しているため、従来に比して部品点数が多く、また、
その部品は、細かなものとなる。このため、工具本体2
1へのスローアウェイチップ27の取付作業が煩雑であ
るという不都合を有している。
【0011】本発明は、上記事情に鑑み、スローアウェ
イチップの取付精度の向上、位置ずれの防止及び取付の
簡便化を図ることができるスローアウェイチップのクラ
ンプ機構を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のスローア
ウェイチップのクランプ機構は、工具本体のチップ取付
座にシートを介してスローアウェイチップを着座させ、
スローアウェイチップに形成された係止孔にチップ取付
ねじを挿通して螺着することによりスローアウェイチッ
プをチップ取付座側にクランプするようにしたスローア
ウェイチップのクランプ機構であって、チップ取付座
は、取付座底面と、取付座底面から屹立した取付座壁面
とからなり、取付座底面には、嵌合孔が形成され、嵌合
孔の底面には、ねじ穴が形成され、シートには、嵌合孔
に連通する貫通孔が形成され、シートの貫通孔とチップ
取付座の嵌合孔には、内部に貫通孔を有する筒状係止部
材が挿通され、筒状係止部材の基部は、取付座底面の嵌
合孔に嵌合され、筒状係止部材の端部の外壁面は、嵌合
孔の中心軸に対して取付座壁面側に偏心して形成され、
シートは、筒状係止部材の端部の外壁面の突き出し部と
取付座壁面との間に挟持され、スローアウェイチップを
クランプするチップ取付ねじは、筒状係止部材の貫通孔
の孔壁に嵌合支持されると共に嵌合孔底面のねじ穴に螺
着されることを前記課題の解決手段とした。
【0013】請求項2記載のスローアウェイチップのク
ランプ機構は、請求項1記載のスローアウェイチップの
クランプ機構であって、筒状係止部材の貫通孔の孔壁に
は、ぬすみが設けられていることを前記課題の解決手段
とした。
【0014】請求項3記載のスローアウェイチップのク
ランプ機構は、請求項1又は2記載のスローアウェイチ
ップのクランプ機構であって、筒状係止部材の端部の端
面には、締付穴が形成されていることを前記課題の解決
手段とした。
【0015】請求項4記載のスローアウェイチップのク
ランプ機構は、請求項1ないし3のいずれかに記載のス
ローアウェイチップのクランプ機構であって、スローア
ウェイチップの係止孔は、チップ取付座に着座した状態
で嵌合孔の中心軸に対して取付座壁面から離間する方向
に偏心していることを前記課題の解決手段とした。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づき説明する。図7は、本発明のスローアウェイチ
ップのクランプ機構が適用されたスローアウェイ式のエ
ンドミル100を示す図であり、エンドミル100の工
具本体31は、鋼材等から形成されて柱状をなしてい
る。工具本体31の基端部は図示しない工作機械のスピ
ンドル側に取り付けられるシャンク31aを形成してお
り、工具本体31の先端部31bの外縁側には、チップ
取付座32が形成されている。チップ取付座32は、エ
ンドミル100の回転軸心CTに平行な平坦面をなす図
1に示す取付座底面32aと、この取付座底面32aか
ら屹立して、図2に示すように工具本体31の先端側及
び外周側に向く取付座壁面32b、32bとからなって
いる。また、図1に示すように取付座底面32aの中央
部には、取付座底面32aに直交する嵌合孔33が形成
されており、嵌合孔33の底面33aの中央部には、嵌
合孔33の中心軸CT1と同軸のねじ穴34が形成され
ている。
【0017】チップ取付座32の取付座底面32aには
シート35が着座されており、このシート35は、超硬
合金やハイス等の硬質材料から形成されて、正方形の平
板状をなし、その下面がチップ取付座32の取付座底面
32aに着座される着座面35aとされ、その上面がス
ローアウェイチップ37を着座させるチップ着座面35
bとされている。また、シート35の側面35cはチッ
プ取付座32の取付座壁面32b、32bに当接してお
り、シート35の中央部には、チップ取付座32の嵌合
孔33に連通し且つこの嵌合孔33と略同径の貫通孔3
5dが形成されている。また、シート35の貫通孔35
dは、チップ取付座32の嵌合孔33に対して、図2に
示すように取付座壁面32b、32bの角隅から離間す
る方向に偏心しており、貫通孔35dの、取付座壁面3
2b、32bの角隅側の内壁面は、図1に示すように嵌
合孔33の内壁面より中心軸CT1側に位置している。
【0018】シート35の貫通孔35dからチップ取付
座32の嵌合孔33に渡る部分には、概略円筒状に形成
された筒状係止部材36が挿通されており、筒状係止部
材36の内部には、前記中心軸CT1を中心として貫通
孔36aが形成されている。また、貫通孔36aの孔壁
の下部には、孔壁を拡径するようにしてぬすみ36zが
形成されており、従って、その孔壁の上部には、環状凸
部36bが、図4に示すように中心軸CT1を中心とし
て形成されている。
【0019】図3に示す筒状係止部材36の基部36c
(図3下部分)は、図1に示すように取付座底面32a
の嵌合孔33に嵌合されており、筒状係止部材36の図
3上部、即ち、端部36dの外壁面は、図1に示すよう
に筒状係止部材36の中心軸CT1(即ち、嵌合孔33
の中心軸)に対して取付座壁面32b、32b側に偏心
して形成されている。図中直線CT2は、端部36dの
中心軸CT2を示しており、図2に示すように、端部3
6dの中心軸CT2は、筒状係止部材36の中心軸CT
1に対して、取付座壁面32b、32bの角隅側に距離
d1だけ偏心している。図5に示すように筒状係止部材
36の端部36dの端面36fには、図示しない六角レ
ンチが係合自在な締付穴である六角穴36gが形成され
ている。尚、この締付穴は、六角レンチ等のねじ回しが
係合し得る限りにおいて如何なるものであってもよく、
例えば図6に示すようにすりわり36hとしてもよい。
【0020】図2に示すようにシート35の、取付座壁
面32b、32bの角隅側の部分は、筒状係止部材36
の端部36dの外壁面において中心軸CT1から最も離
間した部分である突き出し部36iと前記取付座壁面3
2b、32bとの間に挟持されており、シート35に
は、図1に示すように、スローアウェイチップ37が着
座されている。スローアウェイチップ37は、本実施形
態では超硬合金等の硬質材料から形成されて、シート3
5よりも一回り大きな略正方形の平板状をなすものであ
り、この正方形をなす上面がすくい面37aとされると
ともに、このすくい面37aの反対側の下面が着座面3
7bとされ、さらに四つの側面がそれぞれ逃げ面37c
とされていて、これらの逃げ面37cに逃げ角が付され
たポジティブチップとされている。そして、上記すくい
面37aと各逃げ面37cとの交差稜線部に切削に供さ
れる切刃37dが形成されている。また、スローアウェ
イチップ37の四つの逃げ面37cの内二つは、チップ
取付座32の取付座壁面32b、32bに当接してい
る。
【0021】スローアウェイチップ37の中央部には、
筒状係止部材36の貫通孔36aに連通する係止孔37
eが貫通形成されており、係止孔37eの孔壁は、シー
ト35側に向けて徐々に縮径するテーパー面状に形成さ
れている。また、係止孔37eは、チップ取付座32の
嵌合孔33に対して、取付座壁面32b、32bの角隅
から離間する方向に僅かに偏心している。
【0022】スローアウェイチップ37の係止孔37e
には、チップ取付ねじ38が挿通されており、その頭部
38aは係止孔37eの孔壁に係合させており、チップ
取付ねじ38の先端部38bは、筒状係止部材36の貫
通孔36aを貫通して、嵌合孔33の底面33aのねじ
穴34に螺合されている。また、チップ取付ねじ38の
中間部38cは、嵌合孔33の中心に位置するように、
筒状係止部材36の貫通孔36aに形成された環状凸部
36bに支持されている。
【0023】本実施形態のスローアウェイチップのクラ
ンプ機構は、以上のような構成を有するので、以下のよ
うにして工具本体31へのスローアウェイチップ37の
装着固定を行なうことができる。
【0024】即ち、まず、図8に示すように、チップ取
付座32の嵌合孔33に筒状係止部材36を挿通させ
る。すると、その筒状係止部材36の基部36cは、図
1に示すように嵌合孔33に嵌合する。次に、図8の工
具本体31のチップ取付座32に、シート35を着座さ
せる。この際、図1に示すようにシート35の側面35
cは、取付座壁面32bに当接され、その貫通孔35d
には筒状係止部材36の端部36dが挿通される。
【0025】そこで、筒状係止部材36の端部36dの
端面36fに形成された図8に示す六角穴36gに図示
しないレンチを係合させて、筒状係止部材36を回転さ
せる。この筒状係止部材36の回転は、レンチにより行
なうことができるので簡便である。そして、偏心した端
部36dの外壁面の突き出し部36iを、図2に示すよ
うに取付座壁面32b、32bの角隅側に向ける。これ
により、シート35の前記角隅側の部分を突き出し部3
6iと取付座壁面32b、32bとの間で挟み付けるこ
とができる。よって、図1に示すシート35をチップ取
付座32に正確且つ確実に位置決めし、装着することが
できる。
【0026】また、上記のようにシート35の装着は、
シート35を、その貫通孔35dを筒状係止部材36の
基部36dに嵌合させるようにしてチップ取付座32に
着座させた後に、筒状係止部材36を回転するだけで行
なうことができるので、図11に示す従来例のように、
シート25をチップ取付座22に着座させた後、複数の
ピン26、26によりシート25をチップ取付座22に
装着する場合に比して、図1に示すシート35の装着を
簡便にすることができる。従って、シート35を介した
スローアウェイチップ37の取付の簡便化を図ることが
できる。また、その従来例に比しては、部品点数を減少
することができ、そのピン26、26のような細かな部
品が無いので尚更スローアウェイチップ37の取付が簡
便である。
【0027】次に、図8に示すスローアウェイチップ3
7を、図1に示すようにシート35に着座させて、スロ
ーアウェイチップ37の係止孔37eを筒状係止部材3
6の貫通孔36aに連通させ、且つ四つの逃げ面37c
の内二つをチップ取付座32の取付座壁面32b、32
bに当接させる。そこで、図8に示すチップ取付ねじ3
8を図1に示すように係止孔37eに挿通して、その頭
部38aを係止孔37eの孔壁に係合させ、チップ取付
ねじ38の先端部38bを筒状係止部材36の貫通孔3
6aを通じて、嵌合孔33の底面33aのねじ穴34に
螺着させる。これにより、工具本体31のチップ取付座
32にシート35を介してスローアウェイチップ37を
着脱自在にクランプすることができる。従って、スロー
アウェイチップ37は、チップ取付座32に正確且つ確
実に位置決めされたシート35上に着座されるので、ス
ローアウェイチップ37の取付精度の向上及び位置ずれ
防止効果の向上を図ることができる。
【0028】この際、スローアウェイチップ37の係止
孔37eは、チップ取付座32の嵌合孔33の中心軸C
T1(即ち、筒状係止部材36の中心軸)に対して取付
座壁面32b、32bから離間する方向に僅かに偏心し
ており、そのため、スローアウェイチップ37の係止孔
37eを通じてねじ穴38bに螺着されたチップ取付ね
じ38を締め付けていくと、チップ取付ねじ38の頭部
38aの取付座壁面32b、32b側が、スローアウェ
イチップ37の係止孔37eの取付座壁面32b、32
b側を押圧することとなる。これにより、スローアウェ
イチップ37の四つの逃げ面37cの内二つを、チップ
取付座32の取付座壁面32b、32bに押し付けるこ
とができるので、チップ取付座32へのスローアウェイ
チップ37の固定を強固にすることができる。よって、
スローアウェイチップ37の位置ずれは防止される。
【0029】従って、上記実施形態によれば、スローア
ウェイチップ37をクランプするチップ取付ねじ38を
工具本体31のねじ穴34に螺着させるので、図9に示
す従来例のように、チップ取付ねじ8を、工具本体1の
取付ねじ孔3に螺着されたシート取付ねじ6に螺着する
場合に比して、螺着により生じるガタつきを減少するこ
とができる。よって、図1のスローアウェイチップ37
の取付精度を高めることができると共にその位置ずれを
防止することができる。また、図9のシート取付ねじ6
に比して筒状係止部材38の強度を高めることができる
ので、耐久性を向上することができる。
【0030】また、図1のスローアウェイチップ37を
固定するチップ取付ねじ38の中間部38cは、筒状係
止部材36の貫通孔36aに形成された環状凸部36b
に嵌合され、支持されるので、図10の従来例のよう
に、チップ取付座12に係止部材16を装着する位置決
め孔13を形成し、その位置決め孔13の底面13aに
取付ねじ孔14を形成し、その取付ねじ孔14に、スロ
ーアウェイチップ17を固定するチップ取付ねじ18が
螺合される場合に比して、図1に示すチップ取付ねじ3
8の湾曲を防止することができる。これにより、スロー
アウェイチップ37の位置ずれの防止効果の向上を図る
ことができる。
【0031】また、筒状係止部材36の孔壁には、ぬす
み36zが形成されているので、チップ取付ねじ38を
筒状係止部材36の貫通孔36aに挿入する際には、そ
のチップ取付ねじ38の先端部38bは、環状凸部36
bに接触するだけでそれ以外の孔壁には必ずしも接触し
ない。よって、チップ取付ねじ38と孔壁との摩擦が低
減され、チップ取付ねじ38の装着を容易にすることが
できる。尚、必ずしも環状凸部36bである必要はな
く、中心軸CT1を中心として孔壁に複数の凸部が周設
された構成としてもよい。更に、ぬすみ36zを設けず
に、筒状係止部材36の孔壁の略全面でチップ取付ねじ
38の先端部38bを支持する構成としてもよい。
【0032】以上のように、上記実施形態によれば、ス
ローアウェイチップ37の取付精度の向上、位置ずれの
防止及び取付の簡便化を図ることができる。
【0033】また、チップ取付座32は平坦面をなして
いるため、加工精度が高い。よって、スローアウェイチ
ップ37の取付精度を一層向上することができる。
【0034】尚、上記実施形態においては、本発明のス
ローアウェイチップのクランプ機構をエンドミルに適用
した場合を示したが、本発明のスローアウェイチップの
クランプ機構は、スローアウェイ式のバイト、ボーリン
グバー、カッター等にも適用することができることは勿
論である。
【0035】
【発明の効果】請求項1記載のスローアウェイチップの
クランプ機構によれば、シートをチップ取付座に着座さ
せると共に、チップ取付座の嵌合孔に、筒状係止部材の
基部を挿通嵌合させ、その筒状係止部材を回転させて、
偏心した端部外壁面の突き出し部を、取付座壁面側に向
けることにより、シートを突き出し部と取付座壁面との
間で挟み付けることができる。これにより、シートをチ
ップ取付座に正確且つ確実に位置決めすることができ
る。
【0036】そして、スローアウェイチップをシートに
着座させた後、チップ取付ねじを、スローアウェイチッ
プの係止孔から挿入して、筒状係止部材の貫通孔を通じ
て、嵌合孔の底面のねじ穴に螺着させる。すると、スロ
ーアウェイチップは、シートを介してチップ取付座側に
クランプされることとなる。従って、スローアウェイチ
ップは、正確且つ確実に位置決めされたシート上に着座
されることとなるので、その取付精度及び位置ずれ防止
効果が向上される。
【0037】また、上述の筒状係止部材と嵌合孔を螺合
させた形の従来例(図9参照)に比して、螺着により生
じるガタつきを減少することができる。これによって
も、スローアウェイチップの取付精度を高めることがで
きると共にその位置ずれの防止を図ることができる。更
に、本発明の筒状係止部材に対応する従来例のシート取
付ねじに比して、筒状係止部材の強度を高めることがで
きる。
【0038】また、スローアウェイチップをクランプす
るチップ取付ねじは、筒状係止部材の孔壁により支持さ
れるので、図10の従来例のように、チップ取付座に筒
状係止部材を装着する位置決め孔を形成し、その位置決
め孔の底面に取付ねじ孔を形成し、その取付ねじ孔に、
スローアウェイチップをクランプするチップ取付ねじが
螺着される場合に比して、チップ取付ねじの湾曲を防止
することができる。これにより、スローアウェイチップ
の位置ずれの防止効果の向上を図ることができる。
【0039】更に、シートを複数のピンにより係止する
従来例(図11参照)に比しては、部品点数を減少する
ことができ、そのピンのように細かな部品が無いので、
シートを介したスローアウェイチップの取付が簡便であ
る。
【0040】従って、本発明によれば、スローアウェイ
チップの取付精度の向上、位置ずれの防止及び取付の簡
便化を図ることができる。
【0041】請求項2記載のスローアウェイチップのク
ランプ機構は、上記効果に加えて、筒状係止部材の孔壁
にはぬすみが設けられているので、チップ取付ねじを筒
状係止部材の貫通孔に挿入する際には、チップ取付ねじ
は、筒状係止部材の孔壁の凸部に接触するだけでそれ以
外の孔壁には接触しない。よって、チップ取付ねじと孔
壁との摩擦が低減され、チップ取付ねじの装着を容易に
することができる。
【0042】請求項3記載のスローアウェイチップのク
ランプ機構は、上記効果に加えて、筒状係止部材の端部
の端面に形成された締付穴を用いて、レンチ、ねじ回し
等により筒状係止部材を容易に回転させることができ
る。よって、筒状係止部材の端部外壁面の突き出し部と
取付座壁面とによるシートの挟み付けを簡便にすること
ができる。
【0043】請求項4記載のスローアウェイチップのク
ランプ機構によれば、上記効果に加えて、スローアウェ
イチップの係止孔がチップ取付座に着座した状態で嵌合
孔の中心軸に対して取付座壁面から離間する方向に偏心
していることにより、スローアウェイチップの係止孔を
通じて取付ねじ孔に螺着されたチップ取付ねじを締め付
けていくと、チップ取付ねじの頭部の取付座壁面側が、
スローアウェイチップの係止孔の取付座壁面側を押圧す
ることとなる。これにより、スローアウェイチップを取
付座壁面に押し付けることができるので、チップ取付座
へのスローアウェイチップの固定を更に強固にすること
ができる。よって、スローアウェイチップの位置ずれ防
止効果を更に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のスローアウェイチップのクランプ機
構の一実施形態を示す正面断面図である。
【図2】 図1のスローアウェイチップのクランプ機構
のA−A断面図である。
【図3】 図1のスローアウェイチップのクランプ機構
の筒状係止部材の外観を示す正面図である。
【図4】 図3の筒状係止部材の内部を示す正面断面図
である。
【図5】 図3の筒状係止部材の平面図である。
【図6】 図3の筒状係止部材の別の形態を示す平面図
である。
【図7】 図1のスローアウェイチップのクランプ機構
を適用したエンドミルを示す図である。
【図8】 図1のスローアウェイチップのクランプ機構
の分解図である。
【図9】 従来の二重ねじ機構を用いたスローアウェイ
チップのクランプ機構を示す図である。
【図10】 二重ねじ機構を用いない従来のスローアウ
ェイチップのクランプ機構の一例を示す図である。
【図11】 二重ねじ機構を用いない従来のスローアウ
ェイチップのクランプ機構の別の例を示す図である。
【符号の説明】
31…工具本体 32…チップ取付座 32a…取付座底面 32b…取付座壁面 33…嵌合孔 33a…底面 34…ねじ穴 35…シート 35d…貫通孔 36…筒状係止部材 36a…貫通孔 36c…基部 36d…端部 37f…端面 36g…六角穴(締付穴) 36h…すりわり(締付穴) 36i…突き出し部 36z…ぬすみ 37…スローアウェイチップ 37e…係止孔 38…チップ取付ねじ CT1…中心軸

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工具本体のチップ取付座にシートを介し
    てスローアウェイチップを着座させ、前記スローアウェ
    イチップに形成された係止孔にチップ取付ねじを挿通し
    て螺着することにより該スローアウェイチップを前記チ
    ップ取付座側にクランプするようにしたスローアウェイ
    チップのクランプ機構であって、 前記チップ取付座は、取付座底面と、該取付座底面から
    屹立した取付座壁面とからなり、 前記取付座底面には、嵌合孔が形成され、 前記嵌合孔の底面には、ねじ穴が形成され、 前記シートには、前記嵌合孔に連通する貫通孔が形成さ
    れ、 該シートの貫通孔と前記チップ取付座の嵌合孔には、内
    部に貫通孔を有する筒状係止部材が挿通され、 前記筒状係止部材の基部は、前記取付座底面の嵌合孔に
    嵌合され、 前記筒状係止部材の端部の外壁面は、前記嵌合孔の中心
    軸に対して前記取付座壁面側に偏心して形成され、 前記シートは、該筒状係止部材の端部の外壁面の突き出
    し部と前記取付座壁面との間に挟持され、 前記スローアウェイチップをクランプする前記チップ取
    付ねじは、前記筒状係止部材の貫通孔の孔壁に嵌合支持
    されると共に前記嵌合孔底面のねじ穴に螺着されること
    を特徴とするスローアウェイチップのクランプ機構。
  2. 【請求項2】 前記筒状係止部材の貫通孔の孔壁には、
    ぬすみが設けられていることを特徴とする請求項1記載
    のスローアウェイチップのクランプ機構。
  3. 【請求項3】 前記筒状係止部材の端部の端面には、締
    付穴が形成されていることを特徴とする請求項2又は3
    記載のスローアウェイチップのクランプ機構。
  4. 【請求項4】 前記スローアウェイチップの係止孔は、
    前記チップ取付座に着座した状態で前記嵌合孔の中心軸
    に対して前記取付座壁面から離間する方向に偏心してい
    ることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載
    のスローアウェイチップのクランプ機構。
JP18308995A 1995-07-19 1995-07-19 スローアウェイチップのクランプ機構 Withdrawn JPH0929515A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019141944A (ja) * 2018-02-19 2019-08-29 三菱マテリアル株式会社 切削インサートおよび切削インサートのネジ止め構造

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