JPH09295115A - 連続鋳造機の湯面レベル制御方法及び湯面レベル制御装置 - Google Patents

連続鋳造機の湯面レベル制御方法及び湯面レベル制御装置

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JPH09295115A
JPH09295115A JP11680496A JP11680496A JPH09295115A JP H09295115 A JPH09295115 A JP H09295115A JP 11680496 A JP11680496 A JP 11680496A JP 11680496 A JP11680496 A JP 11680496A JP H09295115 A JPH09295115 A JP H09295115A
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level
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reduction
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Masahiko Oka
正彦 岡
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一治 花崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 未凝固圧下装置の動作に伴って鋳型の内部に
生じる湯面レベルの変動を効果的に抑制して、この動作
中を含む操業の全般に亘って制御精度を良好に保ち、製
品歩留りの向上に寄与する。 【解決手段】 レベル制御部1は、目標レベルLr と、
鋳型Mの内部の湯面レベルの測定値Lとの偏差に基づく
PID演算によりスライディングノズル7の開度目標値
0 を演算するPID演算部10と、圧下位置センサ9bか
ら与えられる未凝固圧下装置の圧下位置xを用い、鋳片
内部の未凝固部の体積変化量Q、及び鋳片の断面積の変
化量Pとを算出する変化量演算部12と、この変化量演算
部12の出力に所定の制御ゲインを乗じて補正信号U2
出力する補正部13とを備え、補正部13から出力される補
正信号U2 により開度目標値U0 を補正し、制御指令u
としてシリンダ制御部2に与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続鋳造機の鋳込
み操業中に、鋳型内部の湯面レベルを所定の目標レベル
に一致せしめるべく制御する方法、及びその実施に用い
る湯面レベル制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】連続鋳造機の操業は、上下に開口を有す
る筒形の鋳型に溶融金属(溶湯)を注入し、該鋳型の水
冷された内壁に接触せしめて冷却し、外側を凝固シェル
にて被覆された鋳片を得て、これを鋳型の下側開口部か
ら連続的に引き抜きつつ更に冷却し、内側にまで凝固が
進行した後に所定の寸法に切断して、圧延等の後工程で
の素材となる製品鋳片を得る手順にて行われる。
【0003】この操業に際しては、鋳型からの溶湯の溢
出、ブレークアウトの発生等、安定操業を阻害する各種
の不都合を未然に防止して生産能率の向上を図ると共
に、鋳型内での冷却、凝固状態を安定化させ、製品鋳片
の品質向上を図るべく、鋳型の内部に滞留する溶湯の表
面レベル(湯面レベル)を予め定めた目標レベルに保つ
湯面レベル制御が行われている。
【0004】この湯面レベル制御は、一般的には、鋳型
内部の湯面レベルを検出し、この検出結果と目標レベル
との偏差に基づくPID演算により、鋳型への注湯のた
めのノズルの中途に配した注湯手段(スライディングノ
ズル、ストッパ装置等)の動作位置を求め、これを実現
すべく制御指令を発して前記注湯手段のアクチュエータ
(油圧シリンダ等)を動作させるフィードバック制御に
より行われている。
【0005】ところが、連続鋳造機の実際の操業におい
ては、前記注湯手段にアルミナ等の析出物が付着、脱落
する現象が繰り返し生じ、これに伴う注湯手段の流量ゲ
インの変化が湯面レベルの変動を引き起こし、また、鋳
型の下方に引き抜かれる鋳片の内部は、一般に引抜き経
路の十分下流側に至るまで未凝固状態にあるため、該鋳
片が引抜きのためのピンチロール間にて膨張及び収縮を
繰り返す現象(バルジング)が発生し、内部に残る未凝
固の溶湯が押上げ又は引下げられて湯面レベルの変動を
引き起こす等、湯面レベル制御を阻害する種々の外乱が
存在することから、特に、鋳込み速度の高速化が図られ
ている近年の連続鋳造機においては、前述したフィード
バック制御の実施により、鋳型内部の湯面レベルを高精
度にしかも高応答に制御することが難しくなっている。
【0006】そこで近年においては、例えば、特開平5
-31560号公報等に開示されている如く、前述したPID
演算の結果として得られた制御指令と、鋳型内部の湯面
レベルの検出値とを入力として前記外乱を推定するオブ
ザーバ(外乱観測器)を構成し、該オブザーバにより推
定された外乱を打ち消すべく求めた補正信号により前記
制御指令を補正することにより、前記外乱によるレベル
変動の抑制を図った制御方法が採用され、所定の効果が
得られている。
【0007】なお前記オブザーバは、制御対象と外乱と
をモデル化して構成されたものであり、このモデル化に
際して所定の誤差を伴うことが避けられないことから、
実際の制御においては、推定された外乱をそのまま用い
るのではなく、推定外乱の一部を利用して補正量を決定
している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで近年において
は、鋳型から引き抜かれる鋳片に、その内部に未凝固部
が残る段階にて所定の圧下を加える未凝固圧下が広く実
施されている。これは、凝固完了後の内部組織を均質化
して、製品鋳片の品質向上を図ると共に、鋳型サイズよ
りも薄厚の製品鋳片を得て、後工程となる圧延を含めた
工程の省略を図るために行われる。
【0009】未凝固圧下は、1チャージの操業の間、鋳
型から連続的に引き抜かれる鋳片の全てに対して均等に
行われることは少なく、一般的には、1チャージの操業
中、製品鋳片の要求仕様に応じて、圧下側及び圧下解放
側の動作の一方又は両方が行われることとなり、これら
の動作は、前記鋳型の内部における湯面レベルの変動を
引き起こす。
【0010】即ち、圧下側の動作がなされた場合、この
圧下位置にて鋳片の外側を覆う凝固シェルが押しつぶさ
れ、内部に残る未凝固溶湯が上流側に押し出される結
果、鋳型内部の湯面レベルは上昇し、逆に圧下の解放側
の動作がなされた、鋳片内部の未凝固溶湯は、拘束の緩
和により体積を増した凝固シェルの内部空間に流れ込も
うとして下流側に戻り、鋳型内部の湯面レベルは下降す
る。
【0011】未凝固圧下の実施に伴って以上の如く生じ
る湯面レベルの変動は、外乱として取り扱いが可能であ
り、前記特開平5-31560号公報に開示されているよう
に、未凝固圧下のための装置を含めてモデル化を行って
構成されたオブザーバによりレベル変動を推定し、この
推定結果を用いて注湯手段に与える制御指令を補正する
湯面レベル制御方法を採用することができる。
【0012】ところが、未凝固圧下に伴う湯面レベルの
変動は、注湯手段の流量ゲインの変化、バルジング等、
他の外乱によって生じる湯面レベルの変動に比較して、
その絶対量が大きい一方、オブザーバによる推定外乱は
モデル化誤差を含み、前述した如く、推定された外乱を
そのまま用いての補正が行われないことから、オブザー
バを利用した制御方法により、未凝固圧下又は圧下解放
に伴って生じる湯面レベルの変動を効果的に抑制するこ
とは難しく、湯面レベルが大きく変動して、未凝固圧下
又は圧下解放がなされた時点において得られる鋳片の品
質が局部的に低下し、製品鋳片としての利用に際し、品
質不良部として切り離される等、製品歩留りが低下する
という不都合を招来する。
【0013】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、未凝固圧下装置の動作に伴って鋳型の内部に生
じる湯面レベルの変動を効果的に抑制して、この動作中
を含む操業の全般に亘って制御精度を良好に保つことが
でき、製品歩留りの向上に寄与できる連続鋳造機の湯面
レベル制御方法、及び、その実施に用いる湯面レベル制
御装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係る連続鋳造機
の湯面レベル制御方法は、その内部に未凝固部を含む鋳
片に圧下を加える未凝固圧下装置を、鋳型からの前記鋳
片の引抜き経路の中途に備えた連続鋳造機の鋳込み操業
中に、前記鋳型内部の湯面レベルを検出し、この検出レ
ベルを所定の目標レベルと比較して、両者の偏差を解消
すべく定めた制御指令を注湯手段に与え、該注湯手段の
動作により前記鋳型への注湯量を調節する連続鋳造機の
湯面レベル制御方法において、前記未凝固圧下装置の圧
下位置を検出し、この検出結果に基づいて前記未凝固部
の体積変化量と前記鋳片の断面積の変化量とを算出し、
これらの算出結果に基づいて前記制御指令を補正するこ
とを特徴とする。
【0015】本発明においては、未凝固圧下装置の動作
に伴う湯面レベルの変動が、鋳片内部の未凝固部の体積
変化と、鋳片の断面積の変化とによって生じることに着
目して、体積変化量及び断面積の変化量を求める演算式
を予め定めておき、未凝固圧下装置の圧下位置を検出
し、圧下側又は圧下解放側への動作時に、この動作を動
作量と共に認識し、この時検出された圧下位置、これか
ら求められる圧下又は圧下解放速度を前記演算式に適用
して湯面レベルの変動量を直接的に算出し、この算出結
果に基づいて注湯手段に与える制御指令を補正する。
【0016】また本発明に係る連続鋳造機の湯面レベル
制御装置は、その内部に未凝固部を含む鋳片に圧下を加
える未凝固圧下装置を、鋳型からの前記鋳片の引抜き経
路の中途に備えた連続鋳造機の鋳込み操業中に、前記鋳
型内部の湯面レベルを検出し、この検出レベルを所定の
目標レベルと比較して、両者の偏差を解消すべく定めた
制御指令を注湯手段に与え、該注湯手段の動作により前
記鋳型への注湯量を調節する構成とした連続鋳造機の湯
面レベル制御装置において、前記未凝固圧下装置の圧下
位置を検出する圧下位置センサと、前記圧下位置センサ
の検出結果に基づいて前記未凝固部の体積変化量と前記
鋳片の断面積の変化量とを算出する変化量演算部と、該
変化量演算部の算出結果に基づいて前記制御指令の補正
量を決定する補正部とを具備することを特徴とする。
【0017】本発明においては、未凝固鋳片に圧下を加
える未凝固圧下装置の圧下位置を圧下位置センサにより
検出し、この検出結果を変化量演算部に与え、予め設定
された演算式に適用して、鋳片内部の未凝固部の体積変
化量と鋳片の断面積の変化量とを算出し、この結果を補
正部に与えて注湯手段に出力される制御指令の補正量を
決定する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下本発明をその実施例を示す図
面に基づいて詳述する。図1は本発明に係る連続鋳造機
の湯面レベル制御方法(以下本発明方法という)の実施
状態を示す模式的ブロック図である。
【0019】図中Tは、その内部に溶湯3を貯留するタ
ンディッシュである。該タンディッシュTの下方に適長
離隔した位置には上下に開口を有する鋳型Mが配してあ
る。鋳型Mの内部には、前記タンディッシュTの底面に
その基端を開口させた浸漬ノズル4が延設されており、
タンディッシュTの内部の溶湯3は、浸漬ノズル4を介
して鋳型Mに注入されるようになしてある。
【0020】鋳型Mの内壁は、図示しない冷却水の供給
により水冷されており、前記浸漬ノズル4を経て鋳型M
に注入された溶湯3は、前記内壁との接触により一次冷
却され、内部に未凝固部を有し、外側を凝固シェルにて
被覆された鋳片5となり、鋳型Mの下位置にて外面に転
接するピンチロール6,6の回転により、鋳型Mの下方
に連続的に引抜かれつつ更に冷却(二次冷却)され、内
側にまで凝固が進行した後に適宜の寸法に切断されて製
品鋳片となる。
【0021】浸漬ノズル4の中途には、これの長手方向
と略直交する面内でのゲート板の移動により、鋳型Mへ
の注湯量を調節するスライディングノズル(注湯手段)
7が配してある。スライディングノズル7のゲート板
は、ステッピングシリンダ8の出力ロッドに連結されて
おり、鋳型Mへの注湯量の調節は、ステッピングシリン
ダ8の進退動作によりスライディングノズル7のゲート
板を移動させ、浸漬ノズル4の中途を開閉して行われる
ようになしてある。
【0022】以上の如く調節されるスライディングノズ
ル7の開度は、ステッピングシリンダ8に付設された開
度検出器7aにより、出力ロッドの進退位置を媒介として
検出されている。また、鋳型Mの内部に滞留する溶湯3
の表面レベル(湯面レベル)は、該溶湯3の表面に臨ま
せて配されたレベル検出器3aにより検出されており、レ
ベル検出器3aの検出結果は、鋳型M内部の湯面レベルを
制御するためのレベル制御部1にフィードバックされて
いる。
【0023】レベル制御部1には、連続鋳造機の操業管
理のための上位のプロセスコントローラ(図示せず)か
ら、制御目標となる目標レベルLr が与えられており、
レベル制御部1は、レベル検出器3aにより検出される鋳
型M内部の現状の湯面レベルLと前記目標レベルLr
を比較し、該目標レベルLr を実現するために必要なス
ライディングノズル7の開度を後述する如くに演算し
て、この演算結果を制御指令uとしてシリンダ制御部2
に出力する動作をなす。
【0024】シリンダ制御部2は、レベル制御部1から
与えられる位置型の制御指令を速度型の制御指令に変換
し、スライディングノズル7のアクチュエータとして用
いられているステッピングシリンダ8に与える。該ステ
ッピングシリンダ8は、駆動源としてのパルスモータ8a
の回転により移動せしめられる制御スプールに応動する
直動形のアクチュエータであり、前記シリンダ制御部2
は、レベル制御部1から与えられた制御指令uを実現す
るために必要なパルスモータ8aの回転方向及び回転量を
決定し、この結果に対応する駆動パルスをパルスモータ
8aの駆動回路に出力する動作を行う。前記開度検出器7a
により検出されるスライディングノズル7の開度は、現
状の開度を示すフィードバック信号として、レベル制御
部1とシリンダ制御部2とに与えられている。
【0025】一方、鋳型Mの下方に引き抜かれる鋳片5
の引抜き経路の中途には、未凝固圧下装置9が配してあ
る。これは、引抜き方向に並ぶ複数(図においては3
つ)の圧下スタンド9a,9a…により前記鋳片5に圧下を
加え、該鋳片5の内部に残る未凝固部を押し潰して、良
好な内部組織を有する製品鋳片を得るべく動作する装置
であり、圧下及び解放(圧下の解除)の切り換え、並び
に圧下量の増減等、各圧下スタンド9a,9a…の動作は、
圧下制御部90から与えられる制御指令に従って行われ
る。なお、圧下制御部90からの制御指令は、前記プロセ
スコントローラから与えられる動作指令に従って発せら
れる。
【0026】未凝固圧下装置9の圧下スタンド9a,9a…
は、夫々の圧下位置を検出する圧下位置センサ9b,9b…
を備えている。これらは、例えば、各別の圧下スタンド
9a,9a…のアクチュエータとしての圧下シリンダに付設
され、夫々の出力ロッドの進退位置を媒介として圧下位
置を検出する構成とすることができる。圧下位置センサ
9b,9b…により検出される未凝固圧下装置9の圧下スタ
ンド9a,9a…の圧下位置は、レベル制御部1に与えられ
ている。
【0027】図2は、レベル制御部1の内部構成を示す
ブロック線図である。図示の如くレベル制御部1は、P
ID演算部10と、外乱推定部11、変化量演算部12及び補
正部13とを備えており、レベル制御部1に入力される目
標レベルLr と、レベル検出器3aによって検出される鋳
型M内部の湯面レベルの検出値Lとは、PID演算部10
の前段に配した加算器14に与えられ、該加算器14から出
力される両者の偏差Δ(=Lr −L)がPID演算部10
に与えられている。
【0028】PID演算部10は、前記偏差Δを零とする
ために必要なスライディングノズル7の開度目標値U0
を、予め定められた制御パラメータを用いたPID演算
により算出し、後段の加算器15に与える。この加算器15
には、外乱推定部11において推定演算される湯面レベル
の外乱推定値dが、所定の制御ゲインKG を乗じた補正
信号U1 として与えられ、また、変化量演算部12におい
て算出される未凝固圧下装置9の動作に伴う湯面レベル
の変動が、補正部13において所定の制御ゲインを乗じら
れた補正信号U2 として与えられており、これらを前記
開度目標値U0に加算して得られた制御指令uがレベル
制御部1の出力として発せられるようになしてある。
【0029】外乱推定部11は、スライディングノズル7
における流量ゲインの変化、鋳片5のバルジング等、定
常操業中の外乱を推定すべく構成されたオブザーバであ
り、レベル検出器3aにより検出された鋳型M内のレベル
検出値Lと共に、レベル制御部1から出力される制御指
令uがフィードバック信号として与えられている。外乱
推定部11の出力dは、前記外乱に起因して鋳型Mの内部
に生じるレベル変動の推定値であり、レベル制御部1か
ら出力される制御指令uと、この制御指令uに従うスラ
イディングノズル7の動作により鋳型Mの内部にて実際
に生じるレベル変化の実績としてのレベル検出値Lとを
用い、特開平5-31560号公報、本願出願人による特願平
6-291577号等に開示された手順により推定演算される。
【0030】なお、レベル検出器3aの出力は、鋳型Mの
オッシレーション(加振)に伴う振動成分を含んでお
り、PID演算部10及び外乱推定部11に夫々与えられる
レベル検出値Lは、フィルタ16により前記振動成分を除
去した値となっている。
【0031】一方、レベル制御部1への他の入力、即
ち、圧下位置センサ9b,9b…による未凝固圧下装置9の
圧下位置の検出結果は、変化量演算部12に与えられてい
る。変化量演算部12は、圧下位置センサ9bから与えられ
る各スタンド9aの圧下位置x、及びレベル検出器3aから
フィルタ16を介して与えられる鋳型M内部のレベル検出
値Lとを用い、予め設定された所定の手順に従って未凝
固圧下装置9の動作に伴って鋳型Mの内部に湯面レベル
の変動を引き起こす現象量、具体的には、鋳片5の内側
に残る未凝固部の体積変化量Qと、前記鋳片5の断面積
の変化量Pを算出し、これらの結果を補正部13に与え
る。補正部13は、変化量演算部12において算出されたレ
ベル変動を解消するために必要なスライディングノズル
7の開度補正量を求め、対応する補正信号U2 を前記加
算器15に与える。
【0032】変化量演算部12におけるQ及びPの算出、
及び補正部13における補正信号U2の算出は、未凝固圧
下装置9の圧下又は圧下解放動作に伴って以下の手順に
より行われる。
【0033】未凝固圧下装置9が圧下動作を行った場
合、鋳型Mの内部の湯面レベルは上昇し、また圧下の解
放(緩和を含む)動作を行った場合、鋳型Mの内部の湯
面レベルは下降する。図3は、未凝固圧下装置9の圧下
動作に伴う湯面レベル変動の発生メカニズムの説明図、
図4は、湯面レベル変動の発生状態を示すタイムチャー
トである。
【0034】図3に示す如く、鋳型Mの下方に配された
未凝固圧下装置9の圧下スタンド9aにおいて、最終圧下
量がxとなる圧下x(t)が鋳片5に加えられた場合、
この圧下位置において鋳片5の内部の未凝固部の体積変
化(減少)が生じ、この体積変化分が上流側に逆流し
て、鋳型Mの内部の湯面レベルが変化(上昇)する。こ
の変化量Qは、圧下位置x(t)、鋳片5(鋳型M)の
幅W、及び圧下セグメント長LS の積として、次式によ
り与えられる。
【0035】 Q=LS ×W×x(t) …(1)
【0036】(1)式中のLS 及びWは、未凝固圧下装
置9及び鋳型Mの仕様に応じて定まる既知の値であり、
未凝固部の体積変化量Qは、圧下位置センサ9bにより検
出される圧下位置x(t)を用いて逐次算出し得る。
【0037】未凝固部の体積変化に伴う鋳型M内部の湯
面レベルの変動は、該鋳型Mの下方に連続する鋳片5の
内部を前記体積変化量Qが逆流することにより、該体積
変化量Qの変化速度ΔQの関数として生じる外、未凝固
圧下装置9の動作開始、及び動作終了時点に、変化加速
度ΔΔQの関数として生じる。ΔQ及びΔΔQは、変化
量演算部12において、予め設定された制御周期n毎に次
式により算出される。図4は、未凝固圧下装置9の動作
に伴う変化速度ΔQ及び変化加速度ΔΔQの発生挙動を
示すタイムチャートである。
【0038】 ΔQ(n)=Q(n)−Q(n−1) …(2) ΔΔQ(n)=ΔQ(n)−ΔQ(n−1) …(3)
【0039】ΔQ及びΔΔQの算出結果は補正部13に与
えられ、補正部13においては、未凝固部の体積変化に伴
う鋳型M内部の湯面レベルの変動を解消するために必要
となるスライディングノズル7の開度補正量U2 ′を下
式により算出する。
【0040】 U2 ′(n)=−K1 ×KQ ×ΔQ(n)−K2 ×ΔΔQ(n) …(4)
【0041】式中のK1 ,K2 は、変化速度ΔQ及び変
化加速度ΔΔQの夫々に対して各別に設定された制御ゲ
インであり、KQ は、スライディングノズル7の流量ゲ
インである。(4)式の第1項が、圧下に伴う鋳片5内
部に生じる未凝固溶湯の逆流によるレベル変動を補正す
る補正項であり、第2項が、未凝固圧下装置9の動作開
始、及び動作終了時点に、圧下又は圧下解放に伴う未凝
固溶湯の急激な体積変化に対応する補正項である。
【0042】また一方、未凝固圧下装置9の圧下又は圧
下解放動作に伴う鋳型M内部での湯面レベルの変動は、
各圧下スタンド9aの圧下位置にて鋳片5の厚さが変化す
ることにより、圧下位置の下流側の鋳片5の断面積が変
化し、これに伴う上流側での溶湯の送出量の変化に起因
して生じる。断面積の変化量Pは、圧下位置センサ9bに
より検出される未凝固圧下装置9の圧下x(t)を用
い、変化量演算部12において、予め設定された制御周期
n毎に次式により算出される。
【0043】 P(n)=Δx(n)×W …(5)
【0044】式中、Δx(n)は、次式により得られる
圧下位置の変化率であり、Wは、前述した如く鋳片5の
幅(図3参照)である。
【0045】 Δx(n)=x(n)−x(n−1) …(6)
【0046】(5)式により算出される断面積の変化量
Pは、補正部13に与えられ、該補正部13においては、鋳
片5の断面積変化に伴う鋳型M内部の湯面レベルの変動
を解消するために必要となるスライディングノズル7の
開度補正量U2 ″が下式により算出される。
【0047】 U2 ″(n)=−K3 ×P(n)=−K3 ×Δx(n)×W …(7)
【0048】補正部13から出力される補正信号U2 は、
(4)式により求まる体積変化量に関連する補正項
2 ′と、(7)式により求まる断面積の変化に関連す
る補正項U2 ″との和であり、前記制御周期n毎に下式
により算出される。
【0049】 U2 (n)=U2 ′(n)+U2 ″(n) …(8)
【0050】図5及び図6は、以上の如く実施される本
発明方法の効果を確かめるべく行った連続鋳造機の実験
操業の結果を示す図である。これらは、図1に示す如
く、3つの圧延スタンド9a,9a…を有する未凝固圧下装
置9を備え、幅(=W)1000mm、厚さ(=T)100mm な
る鋳型Mを備える連続鋳造機の操業中に、各圧延スタン
ドにおいて夫々5mmの均等圧下(第1スタンド5mm、第
2スタンド10mm、第3スタンド15mm)、及びこの圧下の
解放動作を行わせ、この間に生じるスライディングノズ
ル7のノズル開度と、鋳型Mの内部の湯面レベルの変動
とを調べた結果を示すものであり、図5は本発明方法に
おける結果を、図6は従来法における結果を夫々示して
いる。
【0051】この実験操業において用いた鋼種は、C=
0.05%、Si<0.05%、Mn=0.01%、P<0.02%、S
<0.08%、Al=0.04%なる成分組成を有する低炭素鋼
であり、図中にVC として示す鋳造速度は、未凝固圧下
時において最大 2.7mm/minに保たれている。
【0052】両図に明らかな如く、鋳型Mの内部の湯面
レベルは、未凝固圧下の開始時及び未凝固圧下の解放時
に、他の期間におけるよりも大きく変動するが、この変
動量は、図6に示す従来法によった場合、未凝固圧下の
開始時において10mm、圧下解放時において−10mmである
のに対し、図5に示す本発明方法によった場合、前者に
おいて5mm、後者において−5mmに夫々止まっており、
本発明方法の実施により未凝固圧下に伴う湯面レベルの
変動を有効に抑制し得ることが明らかとなった。
【0053】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明においては、鋳
片の引抜き経路の中途に配した未凝固圧下装置の動作時
に、圧下位置の検出結果を予め定めた演算式に適用し
て、鋳片内部の未凝固部の体積変化量と鋳片の断面積の
変化量とを算出し、これらの算出結果に基づいて注湯手
段に与える制御指令を補正するから、未凝固圧下装置の
動作に伴って生じる湯面レベルの変動を効果的に抑制で
き、この変更動作中を含む操業全般に亘って制御精度を
良好に保つことが可能となり、製品歩留りの向上に寄与
できる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の実施状態を示す模式的ブロック図
である。
【図2】本発明方法に従って注湯手段の制御指令を演算
出力するレベル制御部の内部構成を示すブロック線図で
ある。
【図3】未凝固圧下装置の圧下動作に伴う湯面レベル変
動の発生メカニズムの説明図である。
【図4】未凝固圧下装置の動作に伴う未凝固部の体積変
化速度及び変化加速度の発生挙動を示すタイムチャート
である。
【図5】本発明方法の効果を確かめるべく行った連続鋳
造機の実験操業の結果を示す図である。
【図6】本発明方法の効果を確かめるべく行った連続鋳
造機の実験操業の結果を示す図である。
【符号の説明】
1 レベル制御部 2 シリンダ制御部 3 溶湯 3a レベル検出器 5 鋳片 7 スライディングノズル 7a 開度検出器 9 未凝固圧下装置 9a 圧下スタンド 9b 圧下位置センサ 10 PID演算部 11 外乱推定部 12 変化量演算部 13 補正部 90 圧下制御部 M 鋳型 T タンディッシュ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 その内部に未凝固部を含む鋳片に圧下を
    加える未凝固圧下装置を、鋳型からの前記鋳片の引抜き
    経路の中途に備えた連続鋳造機の鋳込み操業中に、前記
    鋳型内部の湯面レベルを検出し、この検出レベルを所定
    の目標レベルと比較して、両者の偏差を解消すべく定め
    た制御指令を注湯手段に与え、該注湯手段の動作により
    前記鋳型への注湯量を調節する連続鋳造機の湯面レベル
    制御方法において、前記未凝固圧下装置の圧下位置を検
    出し、この検出結果に基づいて前記未凝固部の体積変化
    量と前記鋳片の断面積の変化量とを算出し、これらの算
    出結果に基づいて前記制御指令を補正することを特徴と
    する連続鋳造機の湯面レベル制御方法。
  2. 【請求項2】 その内部に未凝固部を含む鋳片に圧下を
    加える未凝固圧下装置を、鋳型からの前記鋳片の引抜き
    経路の中途に備えた連続鋳造機の鋳込み操業中に、前記
    鋳型内部の湯面レベルを検出し、この検出レベルを所定
    の目標レベルと比較して、両者の偏差を解消すべく定め
    た制御指令を注湯手段に与え、該注湯手段の動作により
    前記鋳型への注湯量を調節する構成とした連続鋳造機の
    湯面レベル制御装置において、前記未凝固圧下装置の圧
    下位置を検出する圧下位置センサと、前記圧下位置セン
    サの検出結果に基づいて前記未凝固部の体積変化量と前
    記鋳片の断面積の変化量とを算出する変化量演算部と、
    該変化量演算部の算出結果に基づいて前記制御指令の補
    正量を決定する補正部とを具備することを特徴とする連
    続鋳造機の湯面レベル制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010017302A (ko) * 1999-08-10 2001-03-05 이구택 쌍롤형 박판 제조장치에서의 적응퍼지제어를 이용한 압하력 제어장치
CN102266927A (zh) * 2011-08-01 2011-12-07 东北大学 一种连铸机钢水浇铸顺序的控制方法

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