JP3582378B2 - 連続鋳造の湯面レベル制御方法及び連続鋳造の湯面レベル制御装置 - Google Patents

連続鋳造の湯面レベル制御方法及び連続鋳造の湯面レベル制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、底の無い鋳型に溶湯を供給し、その鋳型から鋳片を連続的に引き抜く連続鋳造機において、鋳型内の溶湯の湯面レベルを目標レベルに制御する連続鋳造の湯面レベル制御方法、及びその実施に使用する連続鋳造の湯面レベル制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鉄鋼業のスラブ連続鋳造において、未凝固鋳片をバルジングさせ、その後圧下を加え、中心偏析を改善する技術には種々の公知技術がある。
【0003】
例えば、特公昭62−34461号公報には、クレータエンドの前で鋳片の凝固シェルに積極的にバルジング力を作用させ、鋳片内未凝固層の厚さを増大させた後、液相〜固相のクレータエンド間で鋳片を圧下する方法が開示されている。
【0004】
バルジング増大時又はバルジング収縮時には、鋳型〜鋳片内の未凝固部の溶鋼量のマスバランスが変化する為、鋳型内の湯面が大きく変動するが、前記特公昭62−34461号公報は、この点には言及していない。
【0005】
通常、鋳型内湯面レベル制御に用いられている方法(例えば特開平6−610号公報に開示の方法)では、レベル計の検出結果に基づいてフィードバック制御を実施する為、バルジングが増大するとき、又は収縮するときのような大きな湯面変動には追従できない。
【0006】
また図7は、従来の連続鋳造の湯面レベル制御方法を用いた連続鋳造機の構成を説明する為のブロック図である。この連続鋳造機には取鍋(図示せず)から注がれた溶融金属(溶湯)を一時貯溜するタンディッシュ31が設けてあり、タンディッシュ31の底部には溶湯(溶鋼)33bを導通する浸漬ノズル35が連結してある。浸漬ノズル35の下端は筒状の鋳型32内に装入してある。浸漬ノズル35にはスライド式の溶鋼注入量調節ノズル34が介装してあり、溶鋼注入量調節ノズル34のゲート板をシリンダ式のノズル開度調節装置36によって進退させることによって溶鋼注入量調節ノズル34の開度を調整するようになっている。そして、浸漬ノズル35から鋳型32内へ溶湯33bを供給し、鋳型32の壁との接触によって冷却され周囲に凝固シェル33aが形成された鋳片33を鋳型から引き抜き、水冷により中心まで冷却を進めて連続的に鋳片を鋳造する。
【0007】
このような連続鋳造機にあっては、鋳型32内溶鋼表面の酸化防止及び鋳型32と鋳片との間の潤滑等の為に、鋳型32の内壁と溶湯33bとの間にパウダを供給しているが、鋳型内溶湯の湯面33cのレベルが変動した場合、パウダが溶湯内に巻き込まれ、鋳片33の表皮下欠陥を招来する為、湯面レベルを目標レベルに保持することが重要である。
【0008】
一般的に、鋳型内の湯面レベルの変動は、浸漬ノズル35内の溶鋼流量の時間的不均一、及び鋳片の引抜速度変動等の鋳型内の溶鋼流入量又は流出量の外乱が原因である。
その為、鋳型32内の溶湯33bに臨ませて湯面レベルを測定するレベルセンサ45aを設置し、減算器45bにより、目標レベル(レベル目標値)とレベルセンサ45aが測定した湯面レベルとの偏差を求め、フィードバック制御指令計算装置45が、その求めた偏差を零にすべく、PID演算によって溶鋼注入量調節ノズル34の開度変更量を算出し、それを開度指令としてノズル開度調節装置36に与えて、溶鋼注入量調節ノズル34のゲート板を進退させ、溶鋼注入量調節ノズル34の開度を調整していた。
【0009】
また、近年、鋳型32から引き抜かれた鋳片33に、その内部に未凝固部33bが残っている領域38(圧下ゾーン)において、セグメント40に支持されたロール40aにより所定の圧下を加える未凝固圧下が広く実施されている。これは、凝固完了後の鋳片33の中心偏析及びポロシティを防止する為に実施されるものである。
【0010】
この未凝固圧下が行われると、鋳片33内部の溶鋼33bが上流方向へ逆流し、鋳型32内の湯面レベルに変動が生じるが、特開平9−295115号公報には、その湯面レベルの変動を抑制する制御方法が開示されている。これは、未凝固圧下を行う各位置における鋳片33内部の未凝固体積の変化量と鋳片断面積の変化量とをそれぞれ算出し、それぞれの未凝固体積の変化量及び鋳片断面積の変化量に制御ゲインを乗じた値により、スライディングノズル(溶鋼注入量調節ノズル34)の開度指令を補正する方法である。
【0011】
ところが、近時、上述した未凝固圧下の効果を高める為に、圧下ゾーン38より上流の領域37(バルジングゾーン)において、鋳片33を保持するロール40aの圧力を開放して鋳片33をバルジング(膨張)させ、鋳片33を鋳型出口以上の厚みにした上で、未凝固圧下を行う方法が特開平9−314298号公報に開示されている。
【0012】
図8は、上述した未凝固圧下及びバルジングを行った場合に、従来の、レベルセンサ45aが測定した湯面レベルと目標レベルとの偏差を零にすべく、PID演算によって溶鋼注入量調節ノズル34の開度を調整する湯面レベル制御方法を行ったときの制御結果の例を示したグラフである。バルジングゾーン37に属する3つのセグメント40では、それぞれ5mm(上流側から第1セグメント5mm、第2セグメント5mm、第3セグメント5mm)の均等バルジングを行わせ、圧下ゾーン38に属する第4セグメントでは、15mmの均等圧下を行わせた。
【0013】
バルジングゾーン37に属する第1〜3セグメント40において、それぞれ5mmのバルジングが行われると(d)、溶鋼流出量変動速度qout (t)は約5000mm3 /s2に増加し(c)、湯面レベルは10mm下降し(a)、これを受けて、ノズル開度が約7mm拡大した(b)。これにより、湯面レベルは目標レベルに復帰した。
次いで、圧下ゾーン38に属する第4セグメント40において、15mmの均等圧下を行わせると(d)、溶鋼流出量変動速度qout (t)は約−3000mm3 /s2に減少し(c)、湯面レベルは15mm上昇し(a)、これを受けて、ノズル開度が約6mm縮小した(b)。これにより、湯面レベルは目標レベルに復帰した。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、鋳片を積極的にバルジングさせた後、圧下を行う連続鋳造方法において、鋳型内の湯面変動を解決する方法は従来開示されていなかった。
【0015】
また、未凝固圧下位置より上流においてバルジングさせると、バルジング進行に伴い、鋳型から引き抜き後の鋳片体積が変化するが、上述した、湯面レベルをPID制御する方法、及び未凝固体積の変化量と鋳片断面積の変化量とに制御ゲインを乗じた値により、スライディングノズルの開度指令を補正する方法(特開平9−295115号公報)では、バルジング進行による鋳片内湯面レベルの変動を抑制することはできない。
【0016】
上述したように鋳片をバルジングさせた上で、未凝固圧下を行う連続鋳造の方法では、バルジングゾーンに属する各ロールを支持する各セグメントの鋳込み方向に、鋳片の液相線クレータエンド(凝固終点)が到達した時点から、鋳片のバルジングが開始される。この後、鋳片のバルジングが進行して鋳片の厚みが所定量に到達し、また、鋳片の未凝固部において所定量の鋳片圧下が完了することにより、鋳片の厚みの、鋳型出口から鋳片切断点迄の分布が時間的に変化しなくなる迄は、引き抜かれた鋳片の体積は時間的に変化する。この鋳片体積変化速度を打ち消すように、鋳型への溶鋼注入量を増加させなければ、鋳型内の湯面レベルが下降する。
【0017】
また、未凝固圧下が進行して、鋳片の厚みが所定量に到達する迄は、圧下部において鋳片内溶鋼(未凝固部)の鋳型方向への逆流を打ち消すように、鋳型への溶鋼注入量を減じなければ、鋳型内の湯面レベルが上昇する。
また、上述したように、従来、鋳型内湯面レベルの制御では、鋳型内湯面レベルと目標湯面レベルとの偏差に基づいて溶鋼注入量を調節するフィードバック制御が行われているが、本来、この方法は予め検出し得ない外乱からの、湯面レベルへの影響を極力小さくすることを目的とするものである。
【0018】
ところが、バルジング進行又は未凝固圧下進行による溶鋼流出量変動は、引き抜き後の鋳片の体積変化速度に基づいて算出できる。従って、湯面レベルに鋳型からの溶鋼流出量変動の影響が全く現れないようにすることは可能である。
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであって、第1〜3発明では、バルジング及び未凝固圧下が行われても、鋳型内湯面レベルの変動を抑制できる連続鋳造の湯面レベル制御方法を提供することを目的とする。
【0019】
第4〜6発明では、バルジング及び未凝固圧下が行われても、鋳型内湯面レベルの変動を抑制できる連続鋳造の湯面レベル制御装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、前記の課題を解決すべく種々の実験、シミュレーション及び検討を行い、下記の知見を得た。
【0021】
(a) バルジング量の変動は主にバルジングゾーンの鋳片の変形により発生する。圧下ゾーンでは鋳片の凝固が進んでいる為、鋳片の変形がバルジング量の変動に及ぼす影響は少ない。従って、バルジングゾーンの鋳片挙動を把握すれば、バルジング及び圧下に伴う溶湯の変化量の推定が可能である。
【0022】
(b) バルジング及び圧下に伴う鋳片の体積の変化量 (バルジング変化量) は、ロールセグメントの位置の変化量と押付け力の変化量とから推定できる。
【0023】
(c) 鋳片の体積の変化量がわかれば、これを鋳型断面積で割って、湯面レベル変化量を推定できる。また、湯面レベル変化量に相当する量の溶鋼供給量を補償すれば湯面変動を抑制できる。
【0024】
(d) 溶鋼供給量を補償するには、従来の湯面レベル制御装置の設定値を変更するのではなく、溶鋼供給量を制御する溶鋼供給装置の開度、すなわち、ストッパの開度又はスライディングノズルの開度を直接制御するのが最も応答性がよい。
【0025】
上記の知見のもと、第1発明に係る連続鋳造の湯面レベル制御方法は、開度が制御されるノズルから鋳型内に溶湯を供給しつつ、鋳型から鋳片を連続的に引き抜き、引き抜いた鋳片をバルジングゾーンにてロールにより支持しながらバルジングさせた後、圧下ゾーンにてロールにより圧下する連続鋳造機で、前記鋳型内の湯面レベルを経時的に測定し、その測定値を湯面レベルの目標値と一致させるべく、前記ノズルの開度を制御する連続鋳造の湯面レベル制御方法において、前記バルジングゾーンに属する各ロール及び前記圧下ゾーンに属する各ロールをそれぞれ支持する各セグメントにおける、前記鋳片の厚みの予め定めてある基準量からの変動量を測定し、該変動量と前記鋳型の幅と前記鋳片を引き抜く速度とにより、前記鋳型からの溶鋼流出量変化速度を算出し、該溶鋼流出量変化速度に基づき、前記測定値を前記目標値と一致させるべく、前記鋳型からの溶鋼流出量の経時的変動を補償するフィードフォワード制御を行うことを特徴とする。
【0026】
第2発明に係る連続鋳造の湯面レベル制御方法は、開度が制御されるノズルから鋳型内に溶湯を供給しつつ、鋳型から鋳片を連続的に引き抜き、引き抜いた鋳片をバルジングゾーンにてロールにより支持しながらバルジングさせた後、圧下ゾーンにてロールにより圧下する連続鋳造機で、前記鋳型内の湯面レベルを経時的に測定し、その測定値を湯面レベルの目標値と一致させるべく、前記ノズルの開度を制御する連続鋳造の湯面レベル制御方法において、前記バルジングゾーンに属する各ロール及び前記圧下ゾーンに属する各ロールをそれぞれ支持する各セグメントの、前記鋳片の厚み方向の予め定めてある基準位置からの変位量を測定し、該変位量と前記鋳型の幅と前記鋳片を引き抜く速度とにより、前記鋳型からの溶鋼流出量変化速度を算出し、該溶鋼流出量変化速度に基づき、前記測定値を前記目標値と一致させるべく、前記鋳型からの溶鋼流出量の経時的変動を補償するフィードフォワード制御を行うことを特徴とする。
【0027】
第3発明に係る連続鋳造の湯面レベル制御方法は、開度が制御されるノズルから鋳型内に溶湯を供給しつつ、鋳型から鋳片を連続的に引き抜き、引き抜いた鋳片をバルジングゾーンにてロールにより支持しながらバルジングさせた後、圧下ゾーンにてロールにより圧下する連続鋳造機で、前記鋳型内の湯面レベルを経時的に測定し、その測定値を湯面レベルの目標値と一致させるべく、前記ノズルの開度を制御する連続鋳造の湯面レベル制御方法において、前記バルジングゾーン及び前記圧下ゾーンに属する各ロールをそれぞれ支持する各セグメントにてバルジング又は圧下が開始されてから、当該前記各セグメントの前記鋳片の厚み変化速度設定値を積分することにより、当該前記各セグメントにおける前記鋳片の厚み変動量を算出し、該厚み変動量と前記鋳型の幅と前記鋳片を引き抜く速度とにより、前記鋳型からの溶鋼流出量変化速度を算出し、該溶鋼流出量変化速度に基づき、前記測定値を前記目標値と一致させるべく、前記鋳型からの溶鋼流出量の経時的変動を補償するフィードフォワード制御を行うことを特徴とする。
【0028】
第4発明に係る連続鋳造の湯面レベル制御装置は、開度が制御されるノズルから鋳型内に溶湯を供給しつつ、鋳型から鋳片を連続的に引き抜き、引き抜いた鋳片をバルジングゾーンにてロールにより支持しながらバルジングさせた後、圧下ゾーンにてロールにより圧下する連続鋳造機で、前記鋳型内の湯面レベルを経時的に測定し、その測定値を湯面レベルの目標値と一致させるべく、前記ノズルの開度を制御する連続鋳造の湯面レベル制御装置において、前記バルジングゾーンに属する各ロール及び前記圧下ゾーンに属する各ロールをそれぞれ支持する各セグメントにおける、前記鋳片の厚みの予め定めてある基準量からの変動量を測定する鋳片厚み変動量測定装置と、前記鋳片を引き抜く速度から前記鋳片の鋳込速度を測定する鋳込速度測定装置と、前記変動量測定装置が測定した変動量と前記鋳型の幅と前記鋳込速度測定装置が測定した速度とにより前記鋳型からの溶鋼流出量変化速度を算出する溶鋼流出量計算装置と、該溶鋼流出量計算装置が算出した溶鋼流出量変化速度に基づき、前記測定値を前記目標値と一致させるべく、前記鋳型からの溶鋼流出量の経時的変動を補償するフィードフォワード制御を行うフィードフォワード制御指令計算装置とを備えることを特徴とする。
【0029】
第1発明に係る連続鋳造の湯面レベル制御方法及び第4発明に係る連続鋳造の湯面レベル制御装置では、鋳片厚み変動量測定装置が、バルジングゾーンに属する各ロール及び圧下ゾーンに属する各ロールをそれぞれ支持する各セグメントにおける、鋳片の厚みの予め定めてある基準量からの変動量を測定し、鋳込速度測定装置が、鋳片を引き抜く速度から鋳片の鋳込速度を測定する。溶鋼流出量計算装置は、鋳片厚み変動量測定装置が測定した変動量と鋳型の幅と鋳込速度測定装置が測定した速度とにより鋳型からの溶鋼流出量変化速度を算出する。フィードフォワード制御指令計算装置は、溶鋼流出量計算装置が算出した溶鋼流出量変化速度に基づき、鋳型内の湯面レベルの測定値をその目標値と一致させるべく、鋳型からの溶鋼流出量の経時的変動を補償するフィードフォワード制御を行う。
【0030】
これにより、バルジング及び未凝固圧下が行われても、鋳型内湯面レベルの変動を抑制でき、鋳片表皮下欠陥の要因となる溶鋼内への湯面上のパウダ巻き込みを防止できる。また、圧延後成品品質を向上させることができ、鋳型内湯面レベルの急上昇/急下降に起因するレベル制御範囲外れによる操業停止を未然に防止することができる。
【0031】
第5発明に係る連続鋳造の湯面レベル制御装置は、開度が制御されるノズルから鋳型内に溶湯を供給しつつ、鋳型から鋳片を連続的に引き抜き、引き抜いた鋳片をバルジングゾーンにてロールにより支持しながらバルジングさせた後、圧下ゾーンにてロールにより圧下する連続鋳造機で、前記鋳型内の湯面レベルを経時的に測定し、その測定値を湯面レベルの目標値と一致させるべく、前記ノズルの開度を制御する連続鋳造の湯面レベル制御装置において、前記バルジングゾーンに属する各ロール及び前記圧下ゾーンに属する各ロールをそれぞれ支持する各セグメントの、前記鋳片の厚み方向の予め定めてある基準位置からの変位量を測定するセグメント変位量測定装置と、前記鋳片を引き抜く速度から前記鋳片の鋳込速度を測定する鋳込速度測定装置と、前記セグメント変位量測定装置が測定した変位量と前記鋳型の幅と前記鋳込速度測定装置が測定した速度とにより前記鋳型からの溶鋼流出量変化速度を算出する溶鋼流出量計算装置と、該溶鋼流出量計算装置が算出した溶鋼流出量変化速度に基づき、前記測定値が前記目標値と一致させるべく、前記鋳型からの溶鋼流出量の経時的変動を補償するフィードフォワード制御を行うフィードフォワード制御指令計算装置とを備えることを特徴とする。
【0032】
第2発明に係る連続鋳造の湯面レベル制御方法及び第5発明に係る連続鋳造の湯面レベル制御装置では、セグメント変位量測定装置が、バルジングゾーンに属する各ロール及び圧下ゾーンに属する各ロールをそれぞれ支持する各セグメントの、鋳片の厚み方向の予め定めてある基準位置からの変位量を測定し、鋳込速度測定装置が、鋳片を引き抜く速度から鋳片の鋳込速度を測定する。溶鋼流出量計算装置は、セグメント変位量測定装置が測定した変位量と鋳型の幅と鋳込速度測定装置が測定した速度とにより鋳型からの溶鋼流出量変化速度を算出する。フィードフォワード制御指令計算装置は、溶鋼流出量計算装置が算出した溶鋼流出量変化速度に基づき、鋳型内の湯面レベルの測定値をその目標値と一致させるべく、鋳型からの溶鋼流出量の経時的変動を補償するフィードフォワード制御を行う。
【0033】
これにより、バルジング及び未凝固圧下が行われても、鋳型内湯面レベルの変動を抑制でき、鋳片表皮下欠陥の要因となる溶鋼内への湯面上のパウダ巻き込みを防止できる。また、圧延後成品品質を向上させることができ、鋳型内湯面レベルの急上昇/急下降に起因するレベル制御範囲外れによる操業停止を未然に防止することができる。
【0034】
第6発明に係る連続鋳造の湯面レベル制御装置は、開度が制御されるノズルから鋳型内に溶湯を供給しつつ、鋳型から鋳片を連続的に引き抜き、引き抜いた鋳片をバルジングゾーンにてロールにより支持しながらバルジングさせた後、圧下ゾーンにてロールにより圧下する連続鋳造機で、前記鋳型内の湯面レベルを経時的に測定し、その測定値を湯面レベルの目標値と一致させるべく、前記ノズルの開度を制御する連続鋳造の湯面レベル制御装置において、前記バルジングゾーン及び前記圧下ゾーンに属する各ロールをそれぞれ支持する各セグメントにてバルジング又は圧下が開始されたことを検出する各検出装置と、前記鋳片を引き抜く速度から前記鋳片の鋳込速度を測定する鋳込速度測定装置と、前記各検出装置がバルジング又は圧下が開始されたことを検出してから、当該前記各セグメントの前記鋳片の厚み変化速度設定値を積分することにより、当該前記各セグメントにおける前記鋳片の厚み変動量を算出し、該厚み変動量と前記鋳型の幅と前記鋳込速度測定装置が測定した速度とにより前記鋳型からの溶鋼流出量変化速度を算出する溶鋼流出量計算装置と、該溶鋼流出量計算装置が算出した溶鋼流出量変化速度に基づき、前記測定値を前記目標値と一致させるべく、前記鋳型からの溶鋼流出量の経時的変動を補償するフィードフォワード制御を行うフィードフォワード制御指令計算装置とを備えることを特徴とする。
【0035】
第3発明に係る連続鋳造の湯面レベル制御方法及び第6発明に係る連続鋳造の湯面レベル制御装置では、各検出装置がバルジング又は圧下が開始されたことを検出し、鋳込速度測定装置は、鋳片を引き抜く速度を測定する。溶鋼流出量計算装置は、各検出装置がバルジング又は圧下が開始されたことを検出してから、当該各セグメントの鋳片の厚み変化速度設定値を積分することにより、当該各セグメントにおける鋳片の厚み変動量を算出し、その算出した厚み変動量と鋳型の幅と鋳込速度測定装置が測定した速度とにより鋳型からの溶鋼流出量変化速度を算出する。フィードフォワード制御指令計算装置は、その算出した溶鋼流出量変化速度に基づき、鋳型内の湯面レベルの測定値をその目標値と一致させるべく、鋳型からの溶鋼流出量の経時的変動を補償するフィードフォワード制御を行う。
【0036】
これにより、バルジング及び未凝固圧下が行われても、鋳型内湯面レベルの変動を抑制でき、鋳片表皮下欠陥の要因となる溶鋼内への湯面上のパウダ巻き込みを防止できる。また、圧延後成品品質を向上させることができ、鋳型内湯面レベルの急上昇/急下降に起因するレベル制御範囲外れによる操業停止を未然に防止することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を、それを示す図面を参照しながら説明する。
実施の形態1.
図1は、第1発明に係る連続鋳造の湯面レベル制御方法及び第4発明に係る連続鋳造の湯面レベル制御装置の実施の形態を用いた連続鋳造機及び連続鋳造の湯面レベル制御装置の構成を示すブロック図である。この連続鋳造機及び連続鋳造の湯面レベル制御装置は、取鍋(図示せず)から注がれた溶融金属(溶湯)を一時貯溜するタンディッシュ31が設けてあり、タンディッシュ31内には溶湯が貯えられている。タンディッシュ31の底部に開設した穴には浸漬ノズル35が接続してあり、浸漬ノズル35は筒状の鋳型32内に所定長だけ挿入させてある。
【0038】
浸漬ノズル35のタンディッシュ31から適宜距離隔てた位置には、スライド式の溶鋼注入量調節ノズル34が介装してあり、溶鋼注入量調節ノズル34のゲート板をシリンダ式のノズル開度調節装置36によって進退させることによって溶鋼注入量調節ノズル34の開度を調整する。
タンディッシュ31内の溶湯は、浸漬ノズル35及び溶鋼注入量調節ノズル34を通り、鋳型32内に供給される。鋳型32内に供給された溶湯は、鋳型32内の壁との接触によって冷却され、周囲に凝固シェル33aが形成された鋳片33となって鋳型32の下端から引き抜かれる。
【0039】
鋳型32上には、鋳型32内に供給された溶湯に臨ませて、溶湯の湯面33cのレベルを測定するレベルセンサ45aが設けてある。レベルセンサ45aは、湯面レベルを経時的に測定し、その測定値を減算器45bに与える。減算器45bは、目標レベル(レベル目標値)と与えられた湯面レベルの測定値との偏差を演算し、演算した偏差をフィードバック制御指令計算装置45に与える。フィードバック制御指令計算装置45は、その与えられた偏差を零にすべく、PID演算によって溶鋼注入量調節ノズル34の開度変更量を算出し、その算出した開度変更量を溶鋼注入量調節ノズル34の開度指令u1 として、加算器45cに与える。
【0040】
鋳型32から引き抜かれた鋳片33は、その内部に未凝固部33bが残っている領域38(圧下ゾーン)において、セグメント40に支持されたロール40aにより、厚み方向に所定の圧下が加えられる(未凝固圧下)。
また、鋳型32から引き抜かれた鋳片33は、圧下ゾーン38より上流の領域37(バルジングゾーン)において、鋳片33を厚み方向に保持するロール40aの圧力が開放されてバルジング(膨張)し、鋳型出口以上の厚みにされる。バルジングゾーン37のロール40aも、それぞれのセグメント40に支持されている。
【0041】
圧下ゾーン38には、鋳片33を厚み方向に挟み込む2対のロール40aをそれぞれ支持する3対のセグメント40が設けられ、バルジングゾーン37には、鋳片33を厚み方向に挟み込む2対のロール40aを支持する1対のセグメント40が設けられている。各セグメント40には、図示しない位置制御装置が接続され、鋳片33の厚み方向の位置制御及び鋳片33の厚み方向へのロール40aを介しての加圧制御が行われる。
【0042】
各対セグメント40の片側セグメント40の各ロール40a近傍には、鋳片33の厚みの変動量を測定する鋳片厚み変動測定装置39が設けられ、鋳片厚み変動測定装置39が測定した鋳片厚み変動量は、それぞれ溶鋼流出量計算装置43に与えられる。
圧下ゾーン38の出口近傍には、ピンチロール41aの回転速度に基づき、鋳片33を引き抜く速度(鋳込速度)を測定する鋳込速度測定装置41が設けられ、鋳込速度測定装置41が測定した鋳込速度は、鋳込長計算装置42及びフィードフォワード制御指令計算装置44に与えられる。
鋳込長計算装置42は、与えられた鋳込速度と時間とから鋳込長を算出し、溶鋼流出量計算装置43に与える。
【0043】
溶鋼流出量計算装置43は、各鋳片厚み変動測定装置39から与えられた鋳片厚み変動量と鋳込長計算装置42から与えられた鋳込長とに基づいて、鋳型32から引き抜かれた鋳片量である溶鋼流出量の変動速度を計算し、フィードフォワード制御指令計算装置44に与える。
フィードフォワード制御指令計算装置44は、与えられた溶鋼流出量変動速度に基づいて、溶鋼注入量調節ノズル34の開度のフィードフォワード制御指令u2 を算出し、加算器45cに与える。
【0044】
加算器45cは、フィードバック制御指令計算装置45から与えられた溶鋼注入量調節ノズル34の開度指令u1 とフィードフォワード制御指令計算装置44から与えられた溶鋼注入量調節ノズル34の開度のフィードフォワード制御指令u2とを加算し、溶鋼注入量調節ノズル34の開度指令として、ノズル開度調節装置36に与える。
ノズル開度調節装置36は、与えられた開度指令に基づいて、溶鋼注入量調節ノズル34の開度を調整する。
【0045】
以下に、このような構成の連続鋳造の湯面レベル制御装置の動作を説明する。 鋳型32から引き抜かれた鋳片33は、バルジングゾーン37の対向するロール40aの間隔が調節されることにより、鋳片33内の未凝固溶鋼33bの静圧により所定の厚み迄バルジングされる。バルジングゾーン37より下流側に位置する圧下ゾーン38では、鋳片33は所定の厚みになるように未凝固圧下される。
フィードバック制御指令計算装置45は、レベルセンサ45aが測定した鋳型32内の湯面レベルと湯面レベルの目標値との偏差に基づき、湯面レベルを湯面レベルの目標値と一致させるように、例えばPID制御によりノズル開度指令u1 を算出し、加算器45cに与える。
【0046】
バルジングゾーン37及び圧下ゾーン38の各鋳片厚み変動測定装置39は、鋳片33の厚みの予め定められた基準値からの変動量を測定し、測定した鋳片厚み変動量を、それぞれ溶鋼流出量計算装置43に与える。
鋳込速度測定装置41は、鋳片33の引抜速度(鋳込速度)を測定し、測定した鋳込速度は、鋳込長計算装置42及びフィードフォワード制御指令計算装置44に与える。
鋳込長計算装置42は、与えられた鋳込速度を鋳込開始時から積分して鋳込長を算出し、溶鋼流出量計算装置43に与える。
【0047】
溶鋼流出量計算装置43は、各鋳片厚み変動測定装置39から与えられた鋳片厚み変動量と鋳込長計算装置42から与えられた鋳込長とを用いて、以下に記述する関係に基づき、溶鋼注入量調節ノズルの開度調節の周期Δt間の溶鋼流出量変動速度qout (t)を算出する。
時刻をt、鋳片33上の引抜方向の座標をx、鋳片厚みの引抜方向及び時間に関する分布をT(x,t)、鋳型32の幅をW、鋳込開始後引き抜かれた鋳片33の長さをX(t)とすると、鋳型32から引き抜かれた鋳片33の体積V(t)は、(1)式のように表される。
【0048】
【数1】
Figure 0003582378
【0049】
従って、鋳片33として引き抜かれることによる鋳型32からの溶鋼流出量Qout (t)は、前記V(t)の変化速度として、(2)式のように表される。
【0050】
【数2】
Figure 0003582378
【0051】
但し、鋳込速度vc は鋳片長さの増加速度に相当するので、vc =dX(t)/dtの関係を用いた。また、∂T(x,t)/∂tは鋳片厚みの座標xにおける変化速度である。
液相線クレータエンド又は圧下ゾーン38の出口の下流側では鋳片厚みは一定なので、バルジング進行と未凝固圧下進行とによる溶鋼流出量の変化は、バルジングゾーン37の入口から液相線クレータエンド(凝固終点)迄又は圧下ゾーン38の出口迄の短い方の範囲について考えれば良い。液相線クレータエンドの位置は、鋳片33とダミーバーとの結合位置から設備によって定まる長さだけ上流側に存在するので、鋳込速度を積分した鋳込長から推定できる。
【0052】
液相線クレータエンドの位置をL(t)、圧下ゾーン出口のメニスカス(鋳型32内の湯面33c)からの距離をLoとすると、鋳込開始直後、液相線クレータエンドが圧下ゾーン出口に到達していない場合、即ち、L(t)<Loの場合、X(t)=L(t)である。また、液相線クレータエンドが圧下ゾーン38を出た後、即ち、L(t)≧Loの場合、X(t)=Loである。
液相線クレータエンドより下流側では鋳片厚みは一定なので、液相線クレータエンドが圧下ゾーン出口に到達していない場合、バルジング進行及び未凝固圧下進行と液相線クレータエンドの位置変化とに伴う溶鋼流出量変化速度qout (t)は、(3)式のように表される。但し、鋳片引抜速度vCOは一定とする。
【0053】
【数3】
Figure 0003582378
【0054】
また、液相線クレータエンドが圧下ゾーン出口を通過している場合、バルジング進行及び未凝固圧下進行に伴う溶鋼流出量変化速度qout (t)は、(4)式のように表される。
【0055】
【数4】
Figure 0003582378
【0056】
フィードフォワード制御指令計算装置44は、溶鋼流出量計算装置43が、上述したように算出した溶鋼流出量変動速度qout (t)に基づき、鋳型32への溶鋼注入量調節ノズル34の開度のフィードフォワード制御指令u2を算出する。
溶鋼注入量調節ノズル34の開度の制御が一定の時間間隔Δt毎に周期的に行われているならば、フィードフォワード制御指令計算装置44は、鋳型32からの溶鋼流出量の内、バルジングゾーン37及び圧下ゾーン38における鋳片厚み変化による流出量と等しい流量の溶鋼が鋳型32に注入されるように、溶鋼注入量調節ノズル34の開度のフィードフォワード制御指令u2 を算出する。即ち、溶鋼注入量調節ノズル34の開度に対する流量係数をKf、浸漬ノズル35内の溶鋼流速をvf とすると、Kff2 =qout(t)Δtとなるように、即ち、
【0057】
【数5】
Figure 0003582378
【0058】
として算出する。フィードフォワード制御指令計算装置44は、算出した溶鋼注入量調節ノズル34の開度のフィードフォワード制御指令u2 を加算器45cに与える。
加算器45cは、フィードバック制御指令計算装置45から与えられた溶鋼注入量調節ノズル34の開度指令u1 と、フィードフォワード制御指令計算装置44から与えられた溶鋼注入量調節ノズル34の開度のフィードフォワード制御指令u2とを加算し、溶鋼注入量調節ノズル34の開度指令として、ノズル開度調節装置36に与える。
ノズル開度調節装置36は、与えられた開度指令に基づいて、溶鋼注入量調節ノズル34を操作して開度を調節し、鋳型32への溶鋼注入量を調節する。
【0059】
図2は、上述した連続鋳造の湯面レベル制御方法及び連続鋳造の湯面レベル制御装置によって湯面レベル制御を行ったときの制御結果の例を示したグラフである。バルジングゾーン37に属する3つのセグメント40では、それぞれ5mm(上流側から第1セグメント5mm、第2セグメント5mm、第3セグメント5mm)の均等バルジングを行わせ、圧下ゾーン38に属する第4セグメントでは、15mmの均等圧下を行わせた。
【0060】
バルジングゾーン37に属する第1〜3セグメント40において、それぞれ5mmのバルジングが行われると(d)、溶鋼流出量変動速度qout (t)は約5000mm3 /s2に増加し(c)、これを受けて、ノズル開度が約10mm拡大し(b)、この結果、湯面レベルは約3mm下降したにとどまり、その後、目標レベルに復帰した(a)。
【0061】
次いで、圧下ゾーン38に属する第4セグメント40において、15mmの均等圧下を行わせると(d)、溶鋼流出量変動速度qout (t)は約−3000mm3 /s2に減少し(c)、これを受けて、ノズル開度が約6mm縮小した(b)。これにより、湯面レベルは5mm上昇したにとどまり、その後、目標レベルに復帰した(a)。
以上により、図8に示した従来の制御方法による制御結果に比べて、同様な条件下において、湯面レベルの変動が例えば−10mm→−3mm,15mm→5mmのように抑制されることが判る。
【0062】
実施の形態2.
図3は、第2発明に係る連続鋳造の湯面レベル制御方法及び第5発明に係る連続鋳造の湯面レベル制御装置の実施の形態を用いた連続鋳造機及び連続鋳造の湯面レベル制御装置の構成を示すブロック図である。この連続鋳造機及び連続鋳造の湯面レベル制御装置は、各対セグメント40の片側セグメント40の、鋳片厚み方向の予め定めてある基準位置からの変位量を測定するセグメント変位量測定装置46と、各セグメント変位量測定装置46から与えられた変位量と鋳込長計算装置42から与えられた鋳込長とを用いて、溶鋼流出量変動速度を算出する溶鋼流出量計算装置43aとを備えている。その他の構成は、実施の形態1において説明した連続鋳造機及び連続鋳造の湯面レベル制御装置と同様であるので(但し、鋳片厚み変動測定装置39は存在しない)、説明を省略する。
【0063】
以下に、このような構成の連続鋳造の湯面レベル制御装置の動作を説明する。 鋳型32から引き抜かれた鋳片33は、バルジングゾーン37の対向するロール40aの間隔が調節されることにより、鋳片33内の未凝固溶鋼33bの静圧により所定の厚み迄バルジングされる。バルジングゾーン37より下流側に位置する圧下ゾーン38では、鋳片33は所定の厚みになるように未凝固圧下される。
フィードバック制御指令計算装置45は、レベルセンサ45aが測定した鋳型32内の湯面レベルと湯面レベルの目標値との偏差に基づき、湯面レベルが湯面レベルの目標値と一致するように、例えばPID制御によりノズル開度指令u1 を算出し、加算器45cに与える。
【0064】
バルジングゾーン37及び圧下ゾーン38の各セグメント変位量測定装置46は、各対セグメント40の片側セグメント40の、鋳片厚み方向の予め定めてある基準位置からの変位量を測定し、測定した変位量を、それぞれ溶鋼流出量計算装置43aに与える。
鋳込速度測定装置41は、鋳片33の引抜速度(鋳込速度)を測定し、測定した鋳込速度は、鋳込長計算装置42及びフィードフォワード制御指令計算装置44に与える。
鋳込長計算装置42は、与えられた鋳込速度を鋳込開始時から積分して鋳込長を算出し、溶鋼流出量計算装置43aに与える。
【0065】
溶鋼流出量計算装置43aは、各セグメント変位量測定装置46から与えられた変移量と鋳込長計算装置42から与えられた鋳込長とを用いて、以下に記述する関係に基づき、溶鋼注入量調節ノズルの開度調節の周期Δt間の溶鋼流出量変動速度qout (t)を算出する。
時刻をt、鋳片33上の引抜方向の座標をx、鋳片厚みの引抜方向及び時間に関する分布をT(x,t)、バルジングゾーン37及び圧下ゾーン38に属するn番目のセグメント40の時刻tにおける鋳片厚み方向の位置をYn (t)、鋳型32の幅をW、液相線クレータエンドの位置をL(t)とする。
【0066】
上述した実施の形態1と同様に、鋳型32から引き抜かれた鋳片33の体積V(t)は(1)式のように表され、鋳型32からの溶鋼流出量Qout (t)は、鋳片33の体積V(t)の変化速度として、(2)式のように表される。
バルジングゾーン37及び圧下ゾーン38に属するn番目のセグメント40における鋳片厚みの変化速度は、当該セグメント40の鋳片厚み方向の位置の変化速度dYn (t)/dtに等しい。従って、上述した実施の形態1の(3)式中の積分を、n番目のセグメント40の鋳片引抜方向の長さlnとdYn (t)/dtとを用いて近似する。
【0067】
液相線クレータエンドが圧下ゾーン出口に到達していない場合、液相線クレータエンドがバルジングゾーン37又は圧下ゾーン38内の任意の隣合うセグメント40間に存在するときは、溶鋼流出量変化速度qout (t)を(6)式のように算出する。
【0068】
【数6】
Figure 0003582378
【0069】
但し、N,N+1は液相線クレータエンドがその間に存在する隣合うセグメント40の番号である。
また、液相線クレータエンドがバルジングゾーン37又は圧下ゾーン38内の任意のセグメント40内に存在するときは、溶鋼流出量変化速度qout (t)を(7)式のように算出する。
【0070】
【数7】
Figure 0003582378
【0071】
但し、Nは液相線クレータエンドが存在するセグメント40の番号である。
液相線クレータエンドが圧下ゾーン出口を通過した後は、溶鋼流出量変化速度qout (t)を(8)式のように算出する。
【0072】
【数8】
Figure 0003582378
【0073】
但し、Nは圧下ゾーン38の最下流のセグメント40の番号である。
フィードフォワード制御指令計算装置44は、溶鋼流出量計算装置43aが、上述したように算出した溶鋼流出量変動速度qout (t)に基づき、上述した実施の形態1の(3)式及び(4)式を用いて、鋳型32への溶鋼注入量調節ノズル34の開度のフィードフォワード制御指令u2を算出する。
【0074】
溶鋼注入量調節ノズル34の開度の制御が一定の時間間隔Δt毎に周期的に行われているならば、フィードフォワード制御指令計算装置44は、鋳型32からの溶鋼流出量の内、バルジングゾーン37及び圧下ゾーン38における鋳片厚み変化による流出量と等しい流量の溶鋼が鋳型32に注入されるように、溶鋼注入量調節ノズル34の開度のフィードフォワード制御指令u2 を算出する。即ち、溶鋼注入量調節ノズル34の開度に対する流量係数をKf 、浸漬ノズル35内の溶鋼流速をvfとすると、Kff2 =qout (t)Δtとなるように、即ち、上述した実施の形態1の(5)式のように算出する。
【0075】
フィードフォワード制御指令計算装置44は、算出した溶鋼注入量調節ノズル34の開度のフィードフォワード制御指令u2 を加算器45cに与える。
加算器45cは、フィードバック制御指令計算装置45から与えられた溶鋼注入量調節ノズル34の開度指令u1 と、フィードフォワード制御指令計算装置44から与えられた溶鋼注入量調節ノズル34の開度のフィードフォワード制御指令u2とを加算し、溶鋼注入量調節ノズル34の開度指令として、ノズル開度調節装置36に与える。
ノズル開度調節装置36は、与えられた開度指令に基づいて、溶鋼注入量調節ノズル34を操作して開度を調節し、鋳型32への溶鋼注入量を調節する。
【0076】
図4は、上述した連続鋳造の湯面レベル制御方法及び連続鋳造の湯面レベル制御装置によって湯面レベル制御を行ったときの制御結果の例を示したグラフである。バルジングゾーン37に属する3つのセグメント40では、それぞれ5mm(上流側から第1セグメント5mm、第2セグメント5mm、第3セグメント5mm)の均等バルジングを行わせ、圧下ゾーン38に属する第4セグメントでは、15mmの均等圧下を行わせた。
【0077】
バルジングゾーン37に属する第1〜3セグメント40において、それぞれ5mmのバルジングが行われると(d)、溶鋼流出量変動速度qout (t)は約5000mm3 /s2に増加し(c)、これを受けて、ノズル開度が約10mm拡大し(b)、この結果、湯面レベルは約4mm下降したにとどまり、その後、目標レベルに復帰した(a)。
【0078】
次いで、圧下ゾーン38に属する第4セグメント40において、15mmの均等圧下を行わせると(d)、溶鋼流出量変動速度qout (t)は約−3000mm3 /s2に減少し(c)、これを受けて、ノズル開度が約5mm縮小した(b)。これにより、湯面レベルは約6mm上昇したにとどまり、その後、目標レベルに復帰した(a)。
以上により、図8に示した従来の制御方法による制御結果に比べて、同様な条件下において、湯面レベルの変動が例えば−10mm→−4mm,15mm→6mmのように抑制されることが判る。
【0079】
実施の形態3.
図5は、第3発明に係る連続鋳造の湯面レベル制御方法及び第6発明に係る連続鋳造の湯面レベル制御装置の実施の形態を用いた連続鋳造機及び連続鋳造の湯面レベル制御装置の構成を示すブロック図である。この連続鋳造機及び連続鋳造の湯面レベル制御装置は、各対セグメント40の片側セグメント40の各入口に、液相線クレータエンド(凝固終点)が当該セグメント40直下に進入したことを超音波により検出する液相線クレータエンド検出装置47(検出装置)を備えている。
【0080】
また、この連続鋳造機及び連続鋳造の湯面レベル制御装置は、各液相線クレータエンド検出装置47が、液相線クレータエンドが当該セグメント40直下に進入したことを検出してから、当該各セグメント40のセグメント位置制御装置48の鋳片厚みの変化速度の設定値を積分することにより、当該セグメント40における鋳片厚みの変動を算出し、算出した鋳片厚みの変動量と鋳込長計算装置42から与えられた鋳込長と液相線クレータエンドの位置とを用いて、溶鋼流出量変動速度を算出する溶鋼流出量計算装置43bを備えている。その他の構成は、実施の形態において説明した連続鋳造機及び連続鋳造の湯面レベル制御装置と同様であるので(但し、鋳片厚み変動測定装置39は存在しない)、説明を省略する。
【0081】
以下に、このような構成の連続鋳造の湯面レベル制御装置の動作を説明する。 鋳型32から引き抜かれた鋳片33は、バルジングゾーン37の対向するロール40aの間隔が調節されることにより、鋳片33内の未凝固溶鋼33bの静圧により所定の厚み迄バルジングされる。バルジングゾーン37より下流側に位置する圧下ゾーン38では、鋳片33は所定の厚みになるように未凝固圧下される。
ロール40aの間隔は、各ロール40aを保持する各セグメント40の位置が制御されることにより調節される。
フィードバック制御指令計算装置45は、レベルセンサ45aが測定した鋳型32内の湯面レベルと湯面レベルの目標値との偏差に基づき、湯面レベルが湯面レベルの目標値と一致するように、例えばPID制御によりノズル開度指令u1 を算出し、加算器45cに与える。
【0082】
バルジングゾーン37及び圧下ゾーン38の各液相線クレータエンド検出装置47は、液相線クレータエンド(凝固終点)が当該セグメント40直下に進入したことを検出し、その検出信号を溶鋼流出量計算装置43bに与える。
各セグメント位置制御装置48は、当該セグメント40の鋳片厚みの変化速度の設定値を、それぞれ溶鋼流出量計算装置43bに与える。
鋳込速度測定装置41は、鋳片33の引抜速度(鋳込速度)を測定し、測定した鋳込速度は、鋳込長計算装置42及びフィードフォワード制御指令計算装置44に与える。
鋳込長計算装置42は、与えられた鋳込速度を鋳込開始時から積分して鋳込長を算出し、溶鋼流出量計算装置43bに与える。
【0083】
溶鋼流出量計算装置43bは、液相線クレータエンド検出装置47が、液相線クレータエンドが当該セグメント40直下に進入したことを検出したタイミングを、バルジング又は未凝固圧下の開始時刻とし、逐次、その開始時刻以降の各セグメント40における鋳片厚みの変化速度の設定値を積分することにより、当該セグメント40における鋳片厚みの変動を算出し、鋳込長計算装置42から与えられた鋳込長と液相線クレータエンドの位置とを用いて、以下に記述する関係に基づき、溶鋼注入量調節ノズルの開度調節の周期Δt間の溶鋼流出量変動速度qout (t)を算出する。
時刻をt、鋳片33上の引抜方向の座標をx、鋳片厚みの引抜方向及び時間に関する分布をT(x,t)、鋳型32の幅をW、鋳込開始後引き抜かれた鋳片長さをX(t)とする。
【0084】
上述した実施の形態1と同様に、鋳型32から引き抜かれた鋳片33の体積V(t)は(1)式のように表され、鋳型32からの溶鋼流出量Qout (t)は、鋳片33の体積V(t)の変化速度として、(2)式のように表される。
バルジング進行と未凝固圧下進行とによる溶鋼流出量の変化は、バルジングゾーン入口から液相線クレータエンド迄又は圧下ゾーン出口迄の短い方の範囲を考えれば良い。従って、液相線クレータエンドの位置をL(t)、圧下ゾーン出口のメニスカス(鋳型32内の湯面33c)からの距離をLoとすると、鋳込開始直後、液相線クレータエンドが圧下ゾーン出口に到達していない場合、即ち、L(t)<Loの場合、X(t)=L(t)である。また、液相線クレータエンドが圧下ゾーン38を出た後、即ち、L(t)≧Loの場合、X(t)=Loである。
【0085】
液相線クレータエンドが圧下ゾーン出口に到達していない場合、バルジング進行及び未凝固圧下進行と液相線クレータエンドの位置変化とに伴う溶鋼流出量変化速度qout (t)は、上述した実施の形態1の(3)式のように表される。
また、液相線クレータエンドが圧下ゾーン出口を通過している場合、バルジング進行及び未凝固圧下進行と液相線クレータエンドの位置変化とに伴う溶鋼流出量変化速度qout (t)は、上述した実施の形態1の(4)式のように表される。
【0086】
バルジングゾーン37及び圧下ゾーン38に属するn番目のセグメント40における鋳片厚みの変化速度は、当該セグメント40の鋳片厚み方向の位置の変化速度dYn (t)/dtに等しい。従って、上述した実施の形態1の(3)式中の積分を、n番目のセグメント40の鋳片引抜方向の長さlnとdYn (t)/dtとを用いて近似する。
各セグメント40の予め定められた基準位置からの鋳片厚みの変動は、各セグメント40への液相線クレータエンドの進入時刻をtnとすると、(9)式のように表される。
【0087】
【数9】
Figure 0003582378
【0088】
液相線クレータエンドが圧下ゾーン出口に到達していない場合、液相線クレータエンドがバルジングゾーン37又は圧下ゾーン38内の任意の隣合うセグメント40間に存在するときは、溶鋼流出量変化速度qout (t)を(10)式のように算出する。
【0089】
【数10】
Figure 0003582378
【0090】
但し、N,N+1は液相線クレータエンドがその間に存在する隣合うセグメント40の番号である。
また、液相線クレータエンドがバルジングゾーン37又は圧下ゾーン38内の任意のセグメント40内に存在するときは、溶鋼流出量変化速度qout (t)を(11)式のように算出する。
【0091】
【数11】
Figure 0003582378
【0092】
但し、Nは液相線クレータエンドが存在するセグメント40の番号である。
液相線クレータエンドが圧下ゾーン出口を通過した後は、溶鋼流出量変化速度qout (t)を(12)式のように算出する。
【0093】
【数12】
Figure 0003582378
【0094】
但し、Nは圧下ゾーン38の最下流のセグメント40の番号である。
フィードフォワード制御指令計算装置44は、溶鋼流出量計算装置43bが、上述したように算出した溶鋼流出量変動速度qout (t)に基づき、上述した実施の形態1の(3)式及び(4)式を用いて、鋳型32への溶鋼注入量調節ノズル34の開度のフィードフォワード制御指令u2を算出する。
【0095】
溶鋼注入量調節ノズル34の開度の制御が一定の時間間隔Δt毎に周期的に行われているならば、フィードフォワード制御指令計算装置44は、鋳型32からの溶鋼流出量の内、バルジングゾーン37及び圧下ゾーン38における鋳片厚み変化による流出量と等しい流量の溶鋼が鋳型32に注入されるように、溶鋼注入量調節ノズル34の開度のフィードフォワード制御指令u2 を算出する。即ち、溶鋼注入量調節ノズル34の開度に対する流量係数をKf、浸漬ノズル35内の溶鋼流速をvf とすると、Kff2 =qout(t)Δtとなるように、即ち、(13)式のように算出する。
【0096】
【数13】
Figure 0003582378
【0097】
フィードフォワード制御指令計算装置44は、算出した溶鋼注入量調節ノズル34の開度のフィードフォワード制御指令u2 を加算器45cに与える。
加算器45cは、フィードバック制御指令計算装置45から与えられた溶鋼注入量調節ノズル34の開度指令u1 と、フィードフォワード制御指令計算装置44から与えられた溶鋼注入量調節ノズル4の開度のフィードフォワード制御指令u2とを加算し、溶鋼注入量調節ノズル34の開度指令として、ノズル開度調節装置36に与える。
ノズル開度調節装置36は、与えられた開度指令に基づいて、溶鋼注入量調節ノズル34を操作して開度を調節し、鋳型32への溶鋼注入量を調節する。
【0098】
尚、液相線クレータエンドがバルジングゾーン37又は圧下ゾーン38内に存在する場合には、その位置は鋳片とダミーバーとの結合位置より一定の長さだけ上流側になるので、液相線クレータエンドの位置は、鋳込長計算装置42が計算した鋳込長を用いて推定可能であり、液相線クレータエンド検出装置39は省略することもできる。但し、液相線クレータエンドの位置を検出した方が、当然、湯面レベルの制御変動幅を効果的に抑制できる。
【0099】
図6は、上述した連続鋳造の湯面レベル制御方法及び連続鋳造の湯面レベル制御装置によって湯面レベル制御を行ったときの制御結果の例を示したグラフである。バルジングゾーン37に属する3つのセグメント40では、それぞれ5mm(上流側から第1セグメント5mm、第2セグメント5mm、第3セグメント5mm)の均等バルジングを行わせ、圧下ゾーン38に属する第4セグメントでは、15mmの均等圧下を行わせた。
【0100】
バルジングゾーン37に属する第1〜3セグメント40において、それぞれ5mmのバルジングが行われると(d)、溶鋼流出量変動速度qout (t)は約5000mm3 /s2に増加し(c)、これを受けて、ノズル開度が約8mm拡大し(b)、この結果、湯面レベルは約3mm下降したにとどまり、その後、目標レベルに復帰した(a)。
【0101】
次いで、圧下ゾーン38に属する第4セグメント40において、15mmの均等圧下を行わせると(d)、溶鋼流出量変動速度qout (t)は約−3000mm3 /s2に減少し(c)、これを受けて、ノズル開度が約5mm縮小した(b)。これにより、湯面レベルは約5mm上昇したにとどまり、その後、目標レベルに復帰した(a)。
以上により、図8に示した従来の制御方法による制御結果に比べて、同様な条件下において、湯面レベルの変動が例えば−10mm→−3mm,15mm→5mmのように抑制されることが判る。
【0102】
【発明の効果】
第1〜3発明に係る連続鋳造の湯面レベル制御方法及び第4〜6発明に係る連続鋳造の湯面レベル制御装置によれば、バルジング及び未凝固圧下が行われても、鋳型内湯面レベルの変動を抑制でき、鋳片表皮下欠陥の要因となる溶鋼内への湯面上のパウダ巻き込みを防止できる。また、圧延後成品品質を向上させることができ、鋳型内湯面レベルの急上昇/急下降に起因するレベル制御範囲外れによる操業停止を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る連続鋳造の湯面レベル制御方法及び連続鋳造の湯面レベル制御装置の実施の形態1の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した連続鋳造の湯面レベル制御方法及び連続鋳造の湯面レベル制御装置による湯面レベル制御の制御結果の例を示したグラフである。
【図3】本発明に係る連続鋳造の湯面レベル制御方法及び連続鋳造の湯面レベル制御装置の実施の形態2の構成を示すブロック図である。
【図4】図3に示した連続鋳造の湯面レベル制御方法及び連続鋳造の湯面レベル制御装置による湯面レベル制御の制御結果の例を示したグラフである。
【図5】本発明に係る連続鋳造の湯面レベル制御方法及び連続鋳造の湯面レベル制御装置の実施の形態3の構成を示すブロック図である。
【図6】図5に示した連続鋳造の湯面レベル制御方法及び連続鋳造の湯面レベル制御装置による湯面レベル制御の制御結果の例を示したグラフである。
【図7】従来の連続鋳造の湯面レベル制御装置の構成例を示すブロック図である。
【図8】図7に示した連続鋳造の湯面レベル制御装置による湯面レベル制御の制御結果の例を示したグラフである。
【符号の説明】
31 タンディッシュ
32 鋳型
33 鋳片
33a 凝固シェル
33b 未凝固部(未凝固溶鋼)
34 溶鋼注入量調節ノズル
35 浸漬ノズル
36 ノズル開度調節装置
37 バルジングゾーン
38 圧下ゾーン
39 鋳片厚み変動測定装置
40 セグメント
40a ロール
41 鋳込速度測定装置
42 鋳込長計算装置
43,43a,43b 溶鋼流出量計算装置
44 フィードフォワード制御指令計算装置
45 フィードバック制御指令計算装置
45a レベルセンサ
45c 加算器
46 セグメント変位量測定装置
47 クレータエンド検出装置
48 セグメント位置制御装置

Claims (6)

  1. 開度が制御されるノズルから鋳型内に溶湯を供給しつつ、鋳型から鋳片を連続的に引き抜き、引き抜いた鋳片をバルジングゾーンにてロールにより支持しながらバルジングさせた後、圧下ゾーンにてロールにより圧下する連続鋳造機で、前記鋳型内の湯面レベルを経時的に測定し、その測定値を湯面レベルの目標値と一致させるべく、前記ノズルの開度を制御する連続鋳造の湯面レベル制御方法において、
    前記バルジングゾーンに属する各ロール及び前記圧下ゾーンに属する各ロールをそれぞれ支持する各セグメントにおける、前記鋳片の厚みの予め定めてある基準量からの変動量を測定し、該変動量と前記鋳型の幅と前記鋳片を引き抜く速度とにより、前記鋳型からの溶鋼流出量変化速度を算出し、該溶鋼流出量変化速度に基づき、前記測定値を前記目標値と一致させるべく、前記鋳型からの溶鋼流出量の経時的変動を補償するフィードフォワード制御を行うことを特徴とする連続鋳造の湯面レベル制御方法。
  2. 開度が制御されるノズルから鋳型内に溶湯を供給しつつ、鋳型から鋳片を連続的に引き抜き、引き抜いた鋳片をバルジングゾーンにてロールにより支持しながらバルジングさせた後、圧下ゾーンにてロールにより圧下する連続鋳造機で、前記鋳型内の湯面レベルを経時的に測定し、その測定値を湯面レベルの目標値と一致させるべく、前記ノズルの開度を制御する連続鋳造の湯面レベル制御方法において、
    前記バルジングゾーンに属する各ロール及び前記圧下ゾーンに属する各ロールをそれぞれ支持する各セグメントの、前記鋳片の厚み方向の予め定めてある基準位置からの変位量を測定し、該変位量と前記鋳型の幅と前記鋳片を引き抜く速度とにより、前記鋳型からの溶鋼流出量変化速度を算出し、該溶鋼流出量変化速度に基づき、前記測定値を前記目標値と一致させるべく、前記鋳型からの溶鋼流出量の経時的変動を補償するフィードフォワード制御を行うことを特徴とする連続鋳造の湯面レベル制御方法。
  3. 開度が制御されるノズルから鋳型内に溶湯を供給しつつ、鋳型から鋳片を連続的に引き抜き、引き抜いた鋳片をバルジングゾーンにてロールにより支持しながらバルジングさせた後、圧下ゾーンにてロールにより圧下する連続鋳造機で、前記鋳型内の湯面レベルを経時的に測定し、その測定値を湯面レベルの目標値と一致させるべく、前記ノズルの開度を制御する連続鋳造の湯面レベル制御方法において、
    前記バルジングゾーン及び前記圧下ゾーンに属する各ロールをそれぞれ支持する各セグメントにてバルジング又は圧下が開始されてから、当該前記各セグメントの前記鋳片の厚み変化速度設定値を積分することにより、当該前記各セグメントにおける前記鋳片の厚み変動量を算出し、該厚み変動量と前記鋳型の幅と前記鋳片を引き抜く速度とにより、前記鋳型からの溶鋼流出量変化速度を算出し、該溶鋼流出量変化速度に基づき、前記測定値を前記目標値と一致させるべく、前記鋳型からの溶鋼流出量の経時的変動を補償するフィードフォワード制御を行うことを特徴とする連続鋳造の湯面レベル制御方法。
  4. 開度が制御されるノズルから鋳型内に溶湯を供給しつつ、鋳型から鋳片を連続的に引き抜き、引き抜いた鋳片をバルジングゾーンにてロールにより支持しながらバルジングさせた後、圧下ゾーンにてロールにより圧下する連続鋳造機で、前記鋳型内の湯面レベルを経時的に測定し、その測定値を湯面レベルの目標値と一致させるべく、前記ノズルの開度を制御する連続鋳造の湯面レベル制御装置において、
    前記バルジングゾーンに属する各ロール及び前記圧下ゾーンに属する各ロールをそれぞれ支持する各セグメントにおける、前記鋳片の厚みの予め定めてある基準量からの変動量を測定する鋳片厚み変動量測定装置と、前記鋳片を引き抜く速度から前記鋳片の鋳込速度を測定する鋳込速度測定装置と、前記変動量測定装置が測定した変動量と前記鋳型の幅と前記鋳込速度測定装置が測定した速度とにより前記鋳型からの溶鋼流出量変化速度を算出する溶鋼流出量計算装置と、該溶鋼流出量計算装置が算出した溶鋼流出量変化速度に基づき、前記測定値を前記目標値と一致させるべく、前記鋳型からの溶鋼流出量の経時的変動を補償するフィードフォワード制御を行うフィードフォワード制御指令計算装置とを備え ることを特徴とする連続鋳造の湯面レベル制御装置。
  5. 開度が制御されるノズルから鋳型内に溶湯を供給しつつ、鋳型から鋳片を連続的に引き抜き、引き抜いた鋳片をバルジングゾーンにてロールにより支持しながらバルジングさせた後、圧下ゾーンにてロールにより圧下する連続鋳造機で、前記鋳型内の湯面レベルを経時的に測定し、その測定値を湯面レベルの目標値と一致させるべく、前記ノズルの開度を制御する連続鋳造の湯面レベル制御装置において、
    前記バルジングゾーンに属する各ロール及び前記圧下ゾーンに属する各ロールをそれぞれ支持する各セグメントの、前記鋳片の厚み方向の予め定めてある基準位置からの変位量を測定するセグメント変位量測定装置と、前記鋳片を引き抜く速度から前記鋳片の鋳込速度を測定する鋳込速度測定装置と、前記セグメント変位量測定装置が測定した変位量と前記鋳型の幅と前記鋳込速度測定装置が測定した速度とにより前記鋳型からの溶鋼流出量変化速度を算出する溶鋼流出量計算装置と、該溶鋼流出量計算装置が算出した溶鋼流出量変化速度に基づき、前記測定値が前記目標値と一致させるべく、前記鋳型からの溶鋼流出量の経時的変動を補償するフィードフォワード制御を行うフィードフォワード制御指令計算装置とを備えることを特徴とする連続鋳造の湯面レベル制御装置。
  6. 開度が制御されるノズルから鋳型内に溶湯を供給しつつ、鋳型から鋳片を連続的に引き抜き、引き抜いた鋳片をバルジングゾーンにてロールにより支持しながらバルジングさせた後、圧下ゾーンにてロールにより圧下する連続鋳造機で、前記鋳型内の湯面レベルを経時的に測定し、その測定値を湯面レベルの目標値と一致させるべく、前記ノズルの開度を制御する連続鋳造の湯面レベル制御装置において、
    前記バルジングゾーン及び前記圧下ゾーンに属する各ロールをそれぞれ支持する各セグメントにてバルジング又は圧下が開始されたことを検出する各検出装置と、前記鋳片を引き抜く速度から前記鋳片の鋳込速度を測定する鋳込速度測定装置と、前記各検出装置がバルジング又は圧下が開始されたことを検出してから、当該前記各セグメントの前記鋳片の厚み変化速度設定値を積分することにより、当該前記各セグメントにおける前記鋳片の厚み変動量を算出し、該厚み変動量と前記鋳型の幅と前記鋳込速度測定装置が測定した速度とにより前記鋳型からの溶鋼流出量変化速度を算出する溶鋼流出量計算装置と、該溶鋼流出量計算装置が算出した溶鋼流出量変化速度に基づき、前記測定値を前記目標値と一致させるべく、前記鋳型からの溶鋼流出量の経時的変動を補償するフィードフォワード制御を行うフィードフォワード制御指令計算装置とを備えることを特徴とする連続鋳造の湯面レベル制御装置。
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