JPH09293651A - ビーム評価用マーク及びその製造方法 - Google Patents

ビーム評価用マーク及びその製造方法

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JPH09293651A
JPH09293651A JP10743796A JP10743796A JPH09293651A JP H09293651 A JPH09293651 A JP H09293651A JP 10743796 A JP10743796 A JP 10743796A JP 10743796 A JP10743796 A JP 10743796A JP H09293651 A JPH09293651 A JP H09293651A
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JP
Japan
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substrate
mark
film
pattern
groove
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Application number
JP10743796A
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English (en)
Inventor
Tetsuo Nakasugi
哲郎 中杉
Jun Takamatsu
潤 高松
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マーク形状を微細に形成して、電子ビームの
分解能を高精度に評価することを可能とする。 【解決手段】 基板の表面部に設けられ、電子ビームの
走査により反射電子を放出して、ビーム分解能の測定に
供されるビーム評価用マークであって、Si基板10上
に堀り込まれた垂直な第1の溝部21と、第1の溝部2
1より深く形成され第1の溝部21の底部に対して広が
りを持つ第2の溝部22と、基板表面及び溝部の上部側
面に成膜された重金属膜30と備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子ビーム描画に
おけるビーム評価用マーク及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子ビーム描画においては、描画
精度を高めるためにビーム分解能を高める必要があり、
そのためにはビーム分解能を測定しなければならない。
ビーム分解能を測定するには、図14(a)に示すよう
な基板1上の凸型マーク2、又は同図(b)に示すよう
な凹型マーク3上にビームを走査し、この時に得られる
反射電子や2次電子信号を利用し、これらの信号の強度
からビーム分解能を測定する方法が多く用いられる。こ
の際、マークの段差が大きいほど反射電子のSN比が大
きくなり、高精度な測定が可能となる。また、マークと
基板の原子番号が異なる場合にも、SN比を高くするこ
とができる。
【0003】ビーム分解能の測定では、測定し得るビー
ム分解能はマーク寸法で決定されてしまう。即ち、図1
5(b)に示すように、マーク寸法がビームエッジでの
強度分布より十分小さい場合は、その強度分布を正確に
測定することが可能である。しかし、図15(a)に示
すように、マーク寸法がビームエッジでの強度分布より
も大きい場合には、ビームエッジの強度分布を測定する
ことはできない。この場合、測定し得るビームの分解能
はマーク寸法で決定されてしまう。なお、(a1)(b1)はマ
ークからの反射電子の強度分布4、(a2)(b2)は走査され
る電子ビームの強度分布5、(a3)(b3)はマーク部の断面
構造を示している。
【0004】従来、このようなビーム評価に用いるマー
クとしては、金粒やタングステンを利用した凸型マーク
が用いられていた。金粒マークは、ベリリウム基板上に
金粒を散らした構造をしている。金の原子番号は79で
あるのに対し、ベリリウムは4である。この2つの物質
は、電子の反射係数が大きく異なるため、ビーム評価の
際のSN比を大きく取ることができた。この際の金粒の
大きさは、0.3μm程度であった。一方、タングステ
ン・マークは、大きさ0.2〜0.3μmのタングステ
ン粒をSi基板上に形成したものである。タングステン
粒は、Si基板上に成膜したタングステンを、半導体リ
ソグラフィの露光技術及びエッチング技術を用いて、粒
状に加工する。
【0005】また、凸型マークに対して、凹型(溝型)
マークも、ビーム評価に用いることができる。電子ビー
ム露光における位置合わせマークには、溝型マークが一
般に用いられている。この場合の溝型マークは、マーク
位置を検出するものであるため、マーク幅は数μmある
のが一般的である。溝型マークを、0.1μm程度に小
さく作ることができれば、ビーム分解能の評価を行うこ
とができる。また、この場合には、入射した電子ビーム
の反射を抑制できるため、微細なマークを形成した場合
でも、SN比が低下することはない。
【0006】しかしながら、この種のビーム評価用マー
クにあっては次のような問題があった。金粒マークで
は、図16に示すように、ベリリウム基板6上に金粒7
のマークを所望の位置に形成することができなかった
り、大きさや形がまちまちであるという問題があった。
また、マークの大きさが0.3μm程度のため、さらに
小さなマークを作成しようとした場合、マークの高さも
小さくなりSN比が小さくなってしまうため、結果的に
高精度なビーム評価ができないという問題があった。
【0007】タングステン・マークにおいても、微細な
マークを作成しようとした場合に、以下のような問題が
あった。即ち、マークをエッチングによって、小さくす
るためには、マスクとなるレジストパターンを小さくす
る必要がある。レジストはアスペクト比で5程度が自立
できる限界である。0.1μmサイズのパターンを膜厚
0.5μmで形成した場合には、エッチングできるタン
グステンの膜厚は0.25μm程度が限界である。タン
グステンの膜厚が十分に厚いと、図17(b)に示すよ
うに十分な反射信号が得られるが、膜厚が薄いと、図1
7(a)に示すように十分な反射信号が得られず、高精
度なビーム評価は難しい。
【0008】また、SN比を稼ごうとして、重金属膜を
厚くした場合には、図18に示すように、レジスト9や
重金属膜8に対するサイドエッチングが起こってしま
う。このサイドエッチングはパターン上部から始まるた
め、最終的にはレジスト9がなくなってしまう。結果と
して、エッチングによる方法では、十分なマーク厚が得
られず、高精度なビーム評価に使用できるマークを形成
することができなかった。
【0009】これに対し、凹型でも次のような問題があ
った。溝型マークでは、入射した電子ビームの反射を抑
制できるため、微細なマークを形成した場合でも、SN
比が低下することはない。しかし、このような深い溝を
0.1μmサイズ程度の大きさで作ることは難しい。
【0010】また、図19に示すような単純な溝部の場
合、マーク寸法を0.1μm以下の微細なものにした場
合、マーク底部が斜めの形状を持つことが考えられる。
これは、エッチング時のマイクロ・ローディング効果と
言われるもので、マーク底部に近付くに伴うエッチング
速度の低下や、エッチング時に側壁についた副生成物に
よるものである。このような場合には、入射電子が溝側
壁部や溝底部に反射し、さらに基板を突き抜けて検出器
に到達し、測定の際のノイズとなる。また、このような
場合には、高精度なマーク測定を行うために必要なマー
ク段差を確保することが難しくなる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このように従来、ビー
ム評価用マークとして金粒,タングステン,凹型等の各
種のマークが用いられているが、これらにおいては、い
ずれも微細なパターンが形成できなかったり、十分な反
射信号が得られなかったりして、高精度なビーム評価が
できない、さらにエッチング加工が難しいという問題が
あった。
【0012】本発明は、上記の事情を考慮してなされた
もので、その目的とするところは、高精度なビーム分解
能の評価が可能となるビーム評価用マーク及びその製造
方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
(構成)上記課題を解決するために本発明は、次のよう
な構成を採用している。即ち、本発明(請求項1)は、
基板の表面部に設けられ、電子ビームの走査により反射
電子又は2次電子を放出して、ビーム分解能の測定に供
されるビーム評価用マークであって、前記基板上に堀り
込まれたほぼ垂直な溝部と、前記基板の表面及び前記溝
部の上部側面に成膜された重金属膜とを具備してなるこ
とを特徴とする。
【0014】また、本発明(請求項2)は、上記ビーム
評価用マークの製造方法において、基板上にビーム評価
用マークのマスクパターンを形成する工程と、前記マス
クパターンに応じて前記基板をエッチングして溝部を形
成する工程と、前記マスクパターンを除去した後に前記
基板の表面及び溝部の上部側面に重金属膜を形成する工
程とを含むことを特徴とする。
【0015】また、本発明(請求項3)は、基板の表面
部に設けられ、電子ビームの走査により反射電子又は2
次電子を放出して、ビーム分解能の測定に供されるビー
ム評価用マークであって、前記基板上に堀り込まれたほ
ぼ垂直な第1の溝部と、第1の溝部より深く形成され第
1の溝部の底部に対して広がりを持つ第2の溝部とを具
備してなることを特徴とする。ここで、基板上に重金属
膜が成膜されているのが望ましい。また、重金属膜は溝
部の幅をより短くするために溝部の上部側面にも形成さ
れるのが望ましい。
【0016】さらに本発明(請求項4)は、上記ビーム
評価用マークの製造方法において、基板上にビーム評価
用マークのマスクパターンを形成する工程と、前記マス
クパターンに応じて前記基板をエッチングする工程と、
前記エッチングにより形成された溝の上部側面に保護膜
を形成する工程と、再度のエッチングにより前記溝の底
部を広げる工程とを含むことを特徴とする。ここで、保
護膜を除去した後に基板上に重金属膜を成膜するのが望
ましい。また、重金属膜は溝部の幅をより短くするため
に溝部の上部側面にも形成されるのが望ましい。
【0017】また、本発明(請求項5)は、基板の表面
部に設けられ、電子ビームの走査により反射電子又は2
次電子を放出して、ビーム分解能の測定に供されるビー
ム評価用マークであって、前記基板上に溝パターンを有
する金属メッキ層を形成してなることを特徴とする。
【0018】また、本発明(請求項6)は、上記ビーム
評価用マークの製造方法において、基板上に金属メッキ
の下地となる膜を形成する工程と、前記基板上に柱状パ
ターンを形成する工程と、金属メッキを行い前記柱状パ
ターンの高さ以下の厚みで、基板上に金属膜を形成する
工程と、前記柱状パターンを除去する工程を含むことを
特徴とする。
【0019】ここで、本発明の望ましい実施態様として
は、次のものがあげられる。 (1) 柱状パターンは、カーボン形材料からなる。 (2) 柱状パターンは、電子ビームを用いて形成されたハ
イドロカーボン又はフロロカーボンからなる。 (3) 柱状パターンは、基板上にレジストを塗布した後
に、電子ビームを用いて露光することにより形成する。 (4) レジストからなる柱状パターンを、酸素アッシング
によって細らせること。
【0020】また本発明は、ビーム評価用マークの製造
方法において、基板上にメッキの下地となる第1の膜を
形成する工程と、第1の膜上に第2の膜を成膜する工程
と、第2の膜上にレジストを塗布し、露光により柱状パ
ターンを形成する工程と、形成されたレジストパターン
をマスクに第2の膜をエッチングする工程と、エッチン
グされた第2の膜を細らせる工程と、前記基板上にメッ
キを行い柱状パターンの高さ以下の厚みで該基板上に金
属膜を形成する工程と、柱状パターンを除去する工程を
含むことを特徴とする。
【0021】ここで、メッキの材料は金が好ましく、第
2の膜としてはSi酸化膜が好ましく、このSi酸化膜
を細らせる工程には、希弗酸若しくは希弗化アンモンを
用いると良い。また、露光法としては、電子ビーム露
光,イオンビーム露光,光露光等を用いることができ
る。
【0022】また本発明は、ビーム評価用マークの製造
方法において、基板上に軽元素を成膜する工程と、次い
でレジストを塗布した後に開口部を形成する工程と、メ
ッキ法により前記開口部にマークを形成する工程と、そ
の後にレジストを除去する工程とを含むことを特徴とす
る。ここで、マーク材料は金が好ましい。また、軽元素
としてはカーボンやボロン等を用いることができる。
【0023】また本発明は、ビーム評価用マークの製造
方法において、長方形の貫通穴を有する第1の基板と、
同様に長方形の貫通穴を有する第2の基板を重ね合わ
せ、この際に形成される開口部でマークを形成すること
を特徴とする。溝を重ね合わせる角度は、溝の長辺方向
が斜めでも良いが、お互いに垂直となる角度が最も好ま
しい。
【0024】また本発明は、ビーム評価用マークの製造
方法において、表面の面方位が(110)又は(10
0)のSi単結晶基板上に溝状のレジストパターンを形
成する工程と、形成されたレジストパターンをマスク
に、KOH水溶液を用いた異方性のウェットエッチング
により、基板を貫通するように開口部を設ける工程と、
その後にレジストを剥離する工程と、前記基板2枚を重
ね合わせる工程とを含むことを特徴とする。溝を重ね合
わせる角度は上記と同様に斜めの角度でも良いが、垂直
が最も好ましい。 (作用)本発明(請求項1,2)によれば、基板に掘り
込まれた溝部はほぼ垂直な形状をしており、従ってこの
溝部に入射したビームの反射は抑制される。これに加え
て、基板上に成膜された重金属膜により溝部の開口部が
狭められるため、微細な寸法のマークを実現することが
できる。さらに、基板上に成膜された重金属膜によって
測定時のSN比を向上させることができる。従って、本
発明のマークを用いることにより、高精度なビーム分解
能の評価が可能となる。
【0025】また本発明(請求項3,4)によれば、第
1の溝部の下に第1の溝部よりも広い第2の溝部を設け
ることにより、溝部に入射した電子の反射を極力抑制す
ることができる。つまり、溝からなるマークの底部を広
げることにより、入射した電子が多方向に散乱されるた
め、反射電子の数を抑制することができる。これによ
り、ビーム評価の際のSN比が向上し、ひいては高精度
なビーム評価を行うことが可能となる。また請求項1,
2と同様に、重金属膜の成膜により、溝の開口部をより
狭めることができ、測定時のSN比を更に向上させるこ
とができる。
【0026】また本発明(請求項5,6)によれば、メ
ッキ法を利用してマークを形成することにより、従来の
エッチング法を用いた場合よりも、十分な厚みを持った
微細なマークを実現することが可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細を図示の実施
形態によって説明する。 [実施形態1]図1は、本発明の第1の実施形態に係わ
るビーム評価用マークの構成を示す断面図である。Si
等の基板10の表面部に垂直に溝部21が掘り込まれ、
基板10の表面及び溝部21の上部側面には重金属膜3
0が成膜されている。
【0028】このような構成においては、溝部21はほ
ぼ垂直な形状を持つことにより、溝部21に入射したビ
ームの反射を抑制する。さらに、基板10上に成膜され
た重金属膜30によって、開口部が狭められているた
め、0.1μm以下の微細な寸法を実現できる。
【0029】スパッタ法によって成膜を行った場合に
は、マーク開口部でオーバーハング形状となる。これに
より、マーク開口部をマーク露光時よりさらに小さくす
ることができ、より微細なマークを形成することが可能
となる。また、基板上に成膜された重金属膜30によっ
て、測定時のSN比を向上させることができる。例え
ば、タングステンや金などの重金属膜を成膜した場合、
Si基板よりも反射電子の発生効率が高い。これに対
し、穴部に入射した場合には、殆どの反射電子が検出さ
れないために、大きなSN比を得ることができる。
【0030】次に、本実施形態の製造方法について説明
する。まず、図2(a)に示すように、Si基板10上
にSi酸化膜31を600nm形成する。電子ビーム用
ポジ型レジスト32を700nm厚さで塗布し、0.1
μm角の穴パターンを電子ビーム33によって露光す
る。その後、現像を行って、図2(b)に示すように、
0.1μm角の大きさを持つレジストパターンを形成す
る。
【0031】次いで、図2(c)に示すように、レジス
トパターンをマスクにRIEでSi酸化膜31を選択エ
ッチングし、酸化膜31に溝パターンを形成する。次い
で、図2(d)に示すように、酸化膜31をマスクにR
IEによってSi基板10を選択エッチングし、溝部2
1を形成する。ここで、溝部21の深さは5μmとし
た。
【0032】次いで、酸化膜31を除去した後、基板1
0上に重金属膜としてのタングステン膜30をコリメー
ションスパッタで10nm成膜することにより、前記図
1に示す構造が得られた。
【0033】上記方法によりマークを形成した結果、微
細なビーム評価用パターンを形成することができた。マ
ーク開口部の大きさは0.08μmであり、従来よりも
微細なマークを形成することができた。このマークを用
いた結果、従来よりも高精度にビーム分解能の評価を行
うことが可能となった。
【0034】なお、上記の実施形態では、重金属膜とし
てタングステンを用いたが、これは金等の他の重金属で
も構わない。また、上記実施形態では、電子ビームによ
りパターンの露光を行ったが、他の光露光やX線、イオ
ンビームを用いることもできる。その他、本発明の要旨
を逸脱しない範囲で、種々変形して用いることができ
る。 [実施形態2]図3は、本発明の第2の実施形態に係わ
るビーム評価用マークの構成を示す断面図である。
【0035】Si等の基板10の表面部に垂直に第1の
溝部21が掘り込まれ、第1の溝部21の底部に該溝2
1に対して広がりを持つ第2の溝部22が形成されてい
る。そして、基板10の表面及び第1の溝部21の側面
には重金属膜30が成膜されている。
【0036】このように構成においては、基板10上に
堀り込まれた第1の溝部21は、垂直な形状を持つこと
により、溝部21に入射したビームの反射を抑制する。
さらに、基板10上に成膜された重金属膜30によっ
て、溝部の開口部が狭められているため、0.1μm以
下の微細な寸法を実現できる。
【0037】また、第1の溝部21の底部とつながった
第2の溝部22は、第1の溝部21に対して、広がりを
持つことによって、入射した電子の反射を極力抑制する
ことができる。単純な溝部の場合、マーク寸法を0.1
μm以下の微細なものにすると、前記図19に示したよ
うにマーク底部が斜めの形状を持つことになり、入射電
子が溝底部に反射し、さらに基板を突き抜けて検出器に
到達し、測定の際のノイズとなる。また、高精度なマー
ク測定を行うための必要なマーク段差を確保することが
難しくなる。
【0038】これに対し本実施形態によれば、マーク底
部を広げることにより、入射した電子が多方向に散乱さ
れるため、反射電子の数を抑制することができる。これ
により、ビーム評価の際のSN比が向上し、ひいては高
精度なビーム評価を行うことが可能となる。
【0039】また、基板上に成膜された重金属膜によっ
て、測定時のSN比を向上させることができる。例え
ば、タングステンや金などの重金属を成膜した場合、S
i基板よりも反射電子の発生効率が高い。これに対し、
孔部に入射した場合には、殆ど反射電子が検出されない
ために、大きなSN比を得ることができる。また、スパ
ッタ法によって、成膜を行った場合には、マーク開口部
でオーバーハング形状となる。これにより、マーク開口
部を、マーク露光時よりさらに小さくすることができ、
より微細なマークを形成することが可能となる。なお、
SN比は低下するが、本実施形態において重金属を成膜
しないでも良い。
【0040】次に、本実施形態のマークの製造方法につ
いて説明する。まず、図4(a)に示すように、Si基
板10上にSi酸化膜31を600nm形成し、その上
に電子ビーム用ポジ型レジスト32を700nm厚で塗
布した後、0.1μm角の穴パターンを電子ビーム33
によって露光する。その後、現像を行って、図4(b)
に示すように0.1μm角の大きさを持つレジストパタ
ーンを形成する。
【0041】次いで、図4(c)に示すように、レジス
トパターンをマスクにSi酸化膜31をRIEでエッチ
ングして、酸化膜31に溝パターンを形成した後、必要
に応じてレジスト32を酸素アッシングにより除去す
る。この際、RIEには、エッチングガスとして、C4
8 +CO+Arを用いた。
【0042】次いで、図4(d)に示すように、Si酸
化膜31をマスクにRIEでSi基板10を選択エッチ
ングして、基板10に溝部21を形成する。この際、R
IEには、エッチングガスとして、CHF3 +COを用
いた。これにより、ほぼ垂直な形状を持つ第1の溝部2
1を形成することができる。
【0043】次いで、図4(e)に示すように、Si酸
化膜31を除去した後、溝部21の中間までレジスト3
4を埋めこむ。次いで、図4(f)に示すように、Si
基板10を熱酸化し、溝部21の上半分を熱酸化膜35
で保護する。熱酸化膜35の厚さは200nmであり、
この膜35を成膜するためには、800度/10分を酸
素アニールを行った。このように、溝下部をレジストで
保護した状態で熱工程を加えることによって、溝上部の
みを酸化することができる。
【0044】次いで、図4(g)に示すように、レジス
ト34を酸素アッシングで除去した後、CDEでSi基
板10をエッチングし、溝の底部を広げる。CDEは、
CHF3 +COをガスとして用いた。これにより、基板
10の露出している溝底部のみを広げた第2の溝部22
を形成することができる。溝上部は酸化膜によって保護
されているので、溝底部をエッチングによって広げる場
合でも、溝上部の寸法が広がることがなく、微細なマー
クを形成することが可能となる。
【0045】次いで、図4(h)に示すように、弗化ア
ンモニウム水溶液に5分漬けて、基板表面のSi酸化膜
35を除去する。この酸化膜35を除去することによ
り、ビーム評価の際のチャージアップを防止することが
できる。
【0046】次いで、基板10上に重金属膜としてのタ
ングステン膜30をコリメーションスパッタで10nm
成膜することにより、前記図3に示す構造が得られる。
このように本実施形態によれば、微細なビーム評価用マ
ークを形成することができた。このマークを用いた結
果、従来よりも高精度にビーム評価を行うことが可能と
なった。
【0047】なお、上記の実施形態では、重金属として
タングステンを用いたが、これは金等の他の重金属でも
かまわない。また、電子ビームによりパターンの露光を
行ったが、他の光露光やX線、イオンビームを用いるこ
ともできる。さらに、基板表面及び溝部上部側面に形成
するマスク層として、Si酸化膜35の代りに、タング
ステン等の重金属層を用いることができる。この場合、
タングステン等の重金属層をコリメーションスパッタで
溝部上部側面及び基板表面に成膜した後、シリコン等の
基板をタングステン等の重金属層に対して選択的にエッ
チングして、溝部22を形成した後、前記重金属層を残
置して、マークの一部として用いることが可能である。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形し
て実施することができる。 [実施形態3]図5は、本発明の第3の実施形態に係わ
るビーム評価用マークの構成を示す断面図である。
【0048】Si等の基板10上に、メッキの下地とし
てのTi膜42とPd膜43が成膜され、その上に金メ
ッキ層40が形成されている。そして、金メッキ層40
にはほぼ垂直な微細な溝部41が形成され、この溝部4
1がマークとして機能するものとなっている。
【0049】次に、本実施形態のマークの製造方法につ
いて説明する。まず、図6(a)に示すように、基板1
0上にTi膜42を100nm成膜し、続いてPd膜4
3を50nm成膜する。次いで、図6(b)に示すよう
に、Pd膜43上にSi酸化膜45を0.6μm形成し
た。
【0050】次いで、図6(c)に示すように、電子ビ
ーム用ネガ型レジスト46を1μm厚で塗布し、0.1
5μm角の柱状パターンを、電子ビーム47によって露
光する。電子ビームの加速電圧は100kVである。さ
らに、現像を行って、図6(d)に示すように0.15
μm角の大きさを持つレジストパターン46′を形成す
る。
【0051】次いで、図6(e)に示すように、レジス
トパターン46’をマスクに、Si酸化膜45のエッチ
ングを行った。エッチングガスにはC48 +CO+A
rを用いた。この結果、膜厚0.6μmで、パターンサ
イズ0.15μmのSi酸化膜パターン45′を形成す
ることができた。
【0052】次いで、図6(f)に示すように、基板を
希弗酸に漬けてウェットエッチングを行った。弗酸濃度
は、1/100である。20分間ウェットエッチングを
行ったところ、0.05μmの柱状酸化膜パターン4
5″を形成することができた。希弗酸の代わりに、希弗
化アンモンを用いてもよい。
【0053】次いで、図6(g)に示すように、Si酸
化膜パターン45″を鋳型に電解メッキを行い、金メッ
キ層40を形成した。メッキ溶液には、市販のメッキ液
を用いた。メッキ層40の厚さは、メッキ時間で調整し
た。
【0054】次いで、再度、基板10を希弗酸に漬けて
ウェットエッチングを行った。弗酸濃度は1/100で
ある。10分間ウェットエッチングを行ったところ、S
i酸化膜40を除去することができ、前記図5に示す構
造が得られた。このウェットエッチングは、必要に応じ
て行わなくても良い。
【0055】上記方法にて、マークを形成した結果、前
記図5に示すような微細なビーム評価用マークを形成す
ることができた。このマークを用いた結果、従来よりも
高精度にビーム評価を行うことが可能となった。
【0056】本実施形態では、金メッキの鋳型として、
Si酸化膜を用いている。エッチングで形成されたSi
酸化膜パターンは、図6(f)に示すように、希弗酸若
しくは希弗化アンモンによって細らせることができる。
この場合に、酸化膜はレジストパターンに対し、機械的
な強度が強いため、微細なパターンとしても、倒れるこ
とはない。例えば、膜厚1μmの酸化膜に、0.15μ
mサイズの柱状パターンを形成した場合を考える。この
パターンを希弗化アンモン溶液に漬けて、0.05μm
サイズまで細らせた場合でも、酸化膜の膜厚は細らせ量
の半分の0.05μmしか減らない。即ち、0.05μ
mのパターンを酸化膜厚約1μmで形成することができ
る。
【0057】このように本実施形態によれば、従来のエ
ッチング法を用いた場合よりも、厚みを持った微細なビ
ーム評価用マークを形成することができる。さらに、基
板上にメッキ法によって成膜された金は、アスペクト比
が高いため、従来よりも反射電子を効率良く反射する。
【0058】また、深い溝パターンを形成することがで
きるため、入射した電子が反射して、測定の際のノイズ
となることがない。このため、マーク自体を微細化した
場合でも、基板上に設けられた軽金属膜とのSN比が高
くすることができ、高精度なビーム分解能の評価が可能
となる。 [実施形態4]次に、本発明の第4の実施形態について
説明する。本実施形態のマークは、基板上に設けられた
凹型の電子ビーム評価用マークである。
【0059】図7は、本発明の第4の実施形態に係わる
ビーム評価用マスクの製造工程を示す断面図である。ま
ず、図7(a)に示すように、Si基板10上にTi膜
42を100nm成膜し、続いてPd膜43を50nm
成膜する。
【0060】次いで、図7(b)に示すように、加速電
圧100kVの電子ビーム48を基板10上の同一ポイ
ントに20分間照射した。このときの電子ビーム描画装
置の試料室内の真空度は、例えば10-4Torr台から10
-6Torr台とすればよい。この真空度においても、カーボ
ンからなる不純物は存在する。これによって、高さ0.
5μmで大きさ0.05μmのフロロカーボンやハイド
ロカーボン等からなる柱状パターン47を形成すること
ができた。電子ビームの代わりに集束イオンビームを用
いてもよい。電子ビーム等の荷電ビームを同一地点に長
時間照射した場合、ビームの入射地点には上記の生成物
が形成される。さらに続けて照射を行うと、柱状のパタ
ーンを形成することができる。
【0061】次いで、図7(c)に示すように、形成さ
れた柱状パターン47を鋳型に電解メッキを行い、金メ
ッキ層50を形成した。このとき、柱状パターン47の
高さ以下の厚みで金メッキを行うと、柱状のパターン4
7が金メッキ層50から少し頭を出したような状態にな
る。メッキ溶液には、市販のメッキ液を用いた。メッキ
は数分間行った。メッキ層の厚さは、メッキ時間で調整
した。
【0062】次いで、図7(d)に示すように、柱状パ
ターン47を酸素アッシングで除去した。酸素アッシン
グ20分間で、きれいに柱状のデポ物を除去することが
できた。柱状パターン47はフロロカーボンやハイドロ
カーボンを主成分とするため、酸素アッシング等の方法
で簡単に除去することができる。これにより、微細な穴
51を有する金メッキ層50を実現でき、これをビーム
評価用マークとして用いることが可能となる。
【0063】このように本実施形態によれば、基板上に
メッキ法によって成膜された金は、アスペクト比が高い
ため、従来よりも反射電子を効率良く反射する。また、
深い溝パターンを形成することができるため、入射した
電子が反射して、測定の際のノイズとなることがない。
従って、このマークを用いることにより、従来よりも高
精度にビーム評価を行うことが可能となった。
【0064】また、ビームデポ物を金メッキの鋳型に用
いているため、ビームデポに使用したビーム径程度のパ
ターンを得ることができる。例えば、加速電圧50kV
で、丸ビームの電子ビーム描画装置のビーム径は25n
m程度である。現在は、加速電圧100kVの電子描画
装置も市販されており、この装置ではビーム径は20n
m程度である。 [実施形態5]次に、本発明の第5の実施形態について
説明する。本実施形態のマークは、基板上に設けられた
凹型の電子ビーム評価用マークである。
【0065】図8は、本発明の第5の実施形態に係わる
ビーム評価用マークの製造工程を示す断面図である。ま
ず、図8(a)に示すように、Si基板10上にTi膜
42を100nm成膜し、続いてPd膜43を50nm
成膜する。
【0066】次いで、図8(b)に示すように、電子ビ
ーム用ネガレジスト46を0.5μm厚で塗布し、0.
15μm角の柱状パターンを電子ビーム46によって露
光する。電子ビームの加速電圧は100kVである。さ
らに、現像を行って、図8(c)に示すように、0.1
5μm角の大きさを持つ柱状パターン(レジストパター
ン)46′を形成する。
【0067】次いで、図8(d)に示すように、レジス
トパターン46′を鋳型に柱状パターンの高さ以下の厚
みで、金メッキを行って金メッキ層50を形成した。柱
状パターン46′の高さ以下の厚みで金メッキを行う
と、柱状のパターン46′が金メッキ層から少し頭を出
したような状態になる。メッキ溶液には、市販のメッキ
液を用いた。メッキはメッキ層の厚さは、メッキ時間で
調整した。
【0068】次いで、図8(e)に示すように、柱状パ
ターン46′を酸素アッシングで除去した。酸素アッシ
ング20分間で、きれいに柱状パターン46′を除去す
ることができた。柱状パターン46′はカーボンを主成
分とするため、酸素アッシング等の方法で簡単に除去す
ることができる。
【0069】上記方法にて、マークを形成した結果、図
8(e)に示すような微細なビーム評価用パターンを形
成することができた。このマークを用いた結果、従来よ
りも高精度にビーム評価を行なうことが可能となった。
【0070】本実施形態で形成されたマークは、図8
(e)に示す構造をしている。基板上にメッキ法によっ
て成膜された金は、アスペクト比が高いため、従来より
も反射電子を効率良く反射する。また、深い溝パターン
を形成することができるため、入射した電子が反射し
て、測定の際のノイズとなることがない。 [実施形態6]次に、本発明の第6の実施形態について
説明する。本実施形態のマークは、基板上に設けられた
凹型の電子ビーム評価用マークである。
【0071】図9は、本発明の第6の実施形態に係わる
ビーム評価用マークの製造工程を示す断面図である。ま
ず、図9(a)に示すように、Si等の基板10上にT
i膜42を100nm成膜し、続いてPd膜43を50
nm成膜した。
【0072】次いで、図9(b)に示すように、電子ビ
ーム用ネガ型レジスト46を1μm厚で塗布し、0.2
5μm角の柱状パターンを電子ビーム47によって露光
する。電子ビームの加速電圧は100kVである。さら
に、現像を行って、図9(c)に示すように、0.25
μm角の大きさを持つ柱状パターン(レジストパター
ン)46′を形成する。
【0073】次いで、図9(d)に示すように、基板に
酸素アッシングを行ってパターンを細らせたところ、
0.1μmの柱状レジストパターン46″を形成するこ
とができた。このときのレジスト膜厚は0.9μmであ
った。この酸素アッシング工程は、必要に応じて省略す
ることが可能である。
【0074】これにより、通常の露光技術を用いた場合
よりも、細いパターンを形成することができる。例え
ば、厚さ1μmのレジスト厚膜で、0.25μmのレジ
ストパターンを形成する。酸素アッシングによって、
0.15μm細らせる場合、レジストパターンは両側で
0.075μm削ればよい。このとき、レジスト膜厚は
0.075μmしか減らない。結果として、レジスト膜
厚約0.9μmで、0.1μmサイズの鋳型を形成する
ことができる。この場合のアスペクト比は約9であり、
通常の露光・現像方法では、作ることはできない。
【0075】次いで、図9(e)に示すように、レジス
トパターン46″を鋳型に、細らせた柱状パターンの高
さ以下の厚みで金メッキを行って金メッキ層50を形成
した。メッキ溶液には、市販のメッキ液を用いた。メッ
キ層の厚さは、メッキ時間で調整した。
【0076】次いで、図9(f)に示すように、レジス
トパターン46″を酸素アッシングで除去した。酸素ア
ッシング20分間で、きれいにレジストを除去すること
ができた。
【0077】上記方法にて、マークを形成した結果、図
9(f)に示すような微細なビーム評価用パターンを形
成することができた。このマークを用いた結果、従来よ
りも高精度にビーム評価を行うことが可能となった。
【0078】このように本実施形態によれば、高アスペ
クト比の金溝マークを形成することができる。即ち、従
来のエッチング法を用いた場合よりも、厚みを持った微
細なビーム評価用マークを形成することができる。
【0079】本実施形態で形成されたマークは、図9
(f)に示す構造をしている。基板上にメッキ法によっ
て成膜された金は、アスペクト比が高いため、従来より
も反射電子を効率よく反射する。また、深い溝パターン
を形成することができるため、入射した電子が反射し
て、測定の際のノイズとなることがない。 [実施形態7]図10は、本発明の第7の実施形態に係
わるビーム評価用マークの構成を示す図である。
【0080】第1の基板60aに長方形の貫通溝61a
が形成されており、第2の基板60bにも長方形の貫通
溝61bが形成されている。これらの基板60a,60
bを貫通溝61a,61bが互い垂直になるように張り
合わせれば、両方の開口部が重なりあった部分に微細な
開口部62を形成することができる。穴を深く掘り込む
ことは難しいが、溝であれば、基板を貫通することは容
易である。
【0081】本実施形態のマークにビームを走査し、フ
ァラデーカップで開口部を通過したビーム電流を測定す
れば、ビーム分解能を測定することができる。この場
合、ビーム電流を測定しているために、反射電子を測定
している従来の凹型マークよりもSN比が向上し、高精
度なビーム分解能の評価が可能となる。
【0082】次に、本実施形態のマークの製造方法につ
いて説明する。ここでは、表面の面方位が(110)の
Si基板を用いた。まず、図11(a)示すように、基
板60にレジストを膜厚0.7μmで塗布し、電子ビー
ム露光によって、開口部66の幅が0.2μmのレジス
トパターン65を形成する。
【0083】次いで、図11(b)に示すように、形成
されたレジストパターン65をマスクに、KOH水溶液
を用いた異方性のウェットエッチングにより、基板60
を貫通するように開口部61を設ける。(110)の基
板では、異方性エッチングで垂直な側壁を持つ溝を開け
ることができた。
【0084】次いで、図11(c)に示すように、上記
の工程で得られる2枚の基板60a,60bを用意し、
レジスト65を剥離した後に、2枚の基板60a,60
bを各々の貫通溝61a,61bが垂直になるように張
り合わせる。
【0085】上記方法によりマークを形成した結果、前
記図10に示す構造を得ることができた。このように本
実施形態によれば、厚い基板上に穴状の微細なビーム評
価用マークを形成することができる。このマークを用い
た結果、従来よりも高精度にビーム評価を行うことが可
能となった。 [実施形態8]次に、本発明の第8の実施形態について
説明する。本実施形態のマークは、基板上に成膜された
軽元素膜と、その膜上に形成された凸型形状の重金属マ
ークで構成される電子ビーム評価用マークである。
【0086】図12は、本発明の第8の実施形態に係わ
るビーム評価用マークの製造工程を示す断面図である。
まず、図12(a)に示すように、Si基板10上に軽
元素としてのカーボン71を500nm形成し、その上
にTi膜72及びPd膜73を成膜する。
【0087】次いで、図12(b)に示すように、電子
ビーム用ポジ型レジスト75を1μm厚で塗布し、0.
1μm角の穴パターンを電子ビーム76によって露光す
る。電子ビームの加速電圧は100kVである。さら
に、現像を行って、図12(c)に示すように、0.1
μm角の大きさの開口部77を持つレジストパターン7
5′を形成する。このとき、レジスト膜厚を所望のマー
ク高さと同じか、これよりよりも大きくする。
【0088】次いで、図12(d)に示すように、金メ
ッキにより、金パターン79をレジスト開口部77に形
成する。メッキ溶液には、市販のメッキ液を用いた。次
いで、図12(e)に示すように、レジストパターン7
5′を酸素アッシングで除去した。このとき、レジスト
を専用の剥離液や、酸素アッシングによって、除去すれ
ば、軽元素上に金マークを形成することができる。
【0089】本実施形態で形成されたマークは、図12
(e)に示す構造をしている。基板上に成膜されたカー
ボン等の軽元素膜は入射した電子ビームの反射を抑制す
る。さらに、基板上に成膜された重金属によるマーク
は、アスペクト比が高いため、従来よりも反射電子を効
率良く反射する。このため、マーク自体を微細化した場
合でも、基板上に設けられた軽元素膜とのSN比が高く
することができ、高精度なビーム分解能の評価を可能と
なる。
【0090】このように、本実施形態によれば、微細且
つ厚みを持った高アスペクト比の金マークを形成するこ
とができ、高精度なビーム評価が可能となる。本実施形
態では、金マークの形成に、金メッキを用いている。こ
の場合、マークの高さは、レジスト膜厚によって決定さ
れる。電子ビーム露光を用いれば、厚さ1μmのレジス
トに0.1μmサイズの開口部を形成することは可能で
ある。この場合、金マークの高さは最大1μmまで形成
することができる。このように本実施形態によれば、従
来のエッチング法を用いた場合よりも、厚みを持った微
細なビーム評価用マークを形成することができる。 [実施形態9]次に、本発明の第9の実施形態について
説明する。
【0091】図13は、本発明の第9の実施形態に係わ
るマークの製造工程を示す断面図である。ここでは、S
OIウェハと呼ばれる貼り合わせウェハ80を用いた。
このウェハ80は、2枚のSi基板81,83を酸化膜
等の絶縁膜82を介して張り合わせたものである。
【0092】まず、図13(a)に示すように、第1の
Si基板83にレジスト84を塗布する。続いて、電子
ビームを領域85に露光することにより0.1μm程度
の穴パターン85をレジスト84に形成する。
【0093】次いで、図13(b)に示すように、レジ
ストパターン84をマスクにプラズマエッチングによ
り、第1のSi基板83に穴パターン86を形成する。
このとき、穴が酸化膜82の界面に到達するようにエッ
チングする。
【0094】次いで、図13(c)に示すように、レジ
スト84を剥離した後、再度レジスト87と88を基板
80の両面に塗布する。次いで、図13(d)に示すよ
うに、裏面露光を行い、第2のSi基板81上のレジス
ト88に開口部89を形成する。
【0095】次いで、図13(e)に示すように、レジ
スト88をマスクにKOH水溶液によって、第2のSi
基板81を酸化膜界面までエッチングする。その後、図
13(f)に示すように、レジスト87,88を剥離
し、さらに酸化膜82を弗化アンモン溶液により除去す
る。
【0096】上記方法によりマークを形成した結果、図
13(f)に示す構造を得ることができた。このように
本実施形態によれば、厚い基板上に穴状の微細なビーム
評価用マークを形成することができる。このマークを用
いた結果、従来よりも高精度にビーム評価を行うこと可
能となった。なお、本発明は上述した各実施形態に限定
されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、種
々変形して実施することができる。
【0097】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、高
精度なビーム分解能の評価が可能となるビーム評価用マ
ーク及びその製造方法を実現することが可能となる。特
に、本発明(請求項1,2)によれば、基板の表面及び
溝部の上部側面に重金属膜を形成することにより、溝部
の開口部を狭めると共に、測定時のSN比を向上させる
ことができ、高精度なビーム分解能の評価が可能とな
る。
【0098】また本発明(請求項3,4)によれば、溝
からなるマークの底部を広げることにより、入射した電
子を多方向に散乱させて反射電子の数を抑制することが
でき、これによりビーム評価の際のSN比を向上させ、
高精度なビーム評価を行うことが可能となる。
【0099】また本発明(請求項5,6)によれば、メ
ッキ法を利用してマークを形成することにより、従来の
エッチング法を用いた場合よりも、十分な厚みを持った
微細なマークを実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係わるビーム評価用マークの
構成を示す断面図。
【図2】第1の実施形態の製造工程を示す断面図。
【図3】第2の実施形態に係わるビーム評価用マークの
構成を示す断面図。
【図4】第2の実施形態の製造工程を示す断面図。
【図5】第3の実施形態に係わるビーム評価用マークの
構成を示す断面図。
【図6】第3の実施形態の製造工程を示す断面図。
【図7】第4の実施形態に係わるビーム評価用マスクの
製造工程を示す断面図。
【図8】第5の実施形態に係わるビーム評価用マスクの
製造工程を示す断面図。
【図9】第6の実施形態に係わるビーム評価用マークの
製造工程を示す断面図。
【図10】第7の実施形態に係わるビーム評価用マーク
の構成を示す模式図。
【図11】第7の実施形態の製造工程を示す断面図と斜
視図。
【図12】第8の実施形態に係わるビーム評価用マーク
の製造工程を示す断面図。
【図13】第9の実施形態に係わるビーム評価用マーク
の製造工程を示す断面図。
【図14】従来のビーム評価用マークの構成を示す断面
図。
【図15】ビームエッジの強度分布に対してマーク寸法
が小さい場合と大きい場合を説明する図。
【図16】金粒マークにおける問題点を示す図。
【図17】凸型マークにおける加工上の問題点を示す
図。
【図18】Wマークにおける加工上の問題点を示す図。
【図19】微細な溝をエッチングで形成した場合の問題
点を示す図。
【符号の説明】
10…基板 21,22,41…溝部 30…重金属膜 31,45…Si酸化膜 32,34,46,65…レジスト 33…電子ビーム 35…熱酸化膜 40,50…金メッキ層 42…Ti膜 43…Pd膜 60…張り合わせウェハ 61…貫通溝

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板の表面部に設けられ、電子ビームの走
    査により反射電子又は2次電子を放出して、ビーム分解
    能の測定に供されるビーム評価用マークであって、 前記基板の表面部に堀り込まれたほぼ垂直な溝部と、前
    記基板の表面及び前記溝部の上部側面に成膜された重金
    属膜とを具備してなることを特徴とするビーム評価用マ
    ーク。
  2. 【請求項2】基板上にビーム評価用マークのマスクパタ
    ーンを形成する工程と、前記マスクパターンに応じて前
    記基板をエッチングして溝部を形成する工程と、前記マ
    スクパターンを除去した後に前記基板の表面及び溝部の
    上部側面に重金属膜を形成する工程とを含むことを特徴
    とするビーム評価用マークの製造方法。
  3. 【請求項3】基板の表面部に設けられ、電子ビームの走
    査により反射電子又は2次電子を放出して、ビーム分解
    能の測定に供されるビーム評価用マークであって、 前記基板上に堀り込まれたほぼ垂直な第1の溝部と、第
    1の溝部より深く形成され第1の溝部の底部に対して広
    がりを持つ第2の溝部とを具備してなることを特徴とす
    るビーム評価用マーク。
  4. 【請求項4】基板上にビーム評価用マークのマスクパタ
    ーンを形成する工程と、前記マスクパターンに応じて前
    記基板をエッチングする工程と、前記エッチングにより
    形成された溝の上部側面に保護膜を形成する工程と、再
    度のエッチングにより前記溝の底部を広げる工程とを含
    むことを特徴とするビーム評価用マークの製造方法。
  5. 【請求項5】基板の表面部に設けられ、電子ビームの走
    査により反射電子又は2次電子を放出して、ビーム分解
    能の測定に供されるビーム評価用マークであって、 前記基板上に溝パターンを有する金属メッキ層を形成し
    てなることを特徴とするビーム評価用マーク。
  6. 【請求項6】基板上に金属メッキの下地となる膜を形成
    する工程と、前記基板上に柱状パターンを形成する工程
    と、金属メッキを行い前記柱状パターンの高さ以下の厚
    みで前記基板上に金属膜を形成する工程と、前記柱状パ
    ターンを除去する工程を含むことを特徴とするビーム評
    価用マークの製造方法。
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