JPH09293184A - 火災検知器 - Google Patents

火災検知器

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Publication number
JPH09293184A
JPH09293184A JP10573596A JP10573596A JPH09293184A JP H09293184 A JPH09293184 A JP H09293184A JP 10573596 A JP10573596 A JP 10573596A JP 10573596 A JP10573596 A JP 10573596A JP H09293184 A JPH09293184 A JP H09293184A
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JP
Japan
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wavelength
fire
wavelength band
electromagnetic wave
vapor
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Application number
JP10573596A
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English (en)
Inventor
Makoto Kawamori
誠 河守
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Kokusai Gijutsu Kaihatsu Co Ltd
Original Assignee
Kokusai Gijutsu Kaihatsu Co Ltd
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Publication date
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  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
  • Photometry And Measurement Of Optical Pulse Characteristics (AREA)
  • Fire-Detection Mechanisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 精度よく火災を検知する。 【解決手段】 火災検知器は、開口部12を備えた筐体
14、筐体14内でかつ開口部12に接着剤18で固着
され、かつ、第3の部材が密着されたフィルタ16、及
びフィルタ16に接近して配置された検知手段26を備
えている。フィルタ16は、石英板で構成された第1の
部材に、第2の部材が真空蒸着により蒸着されて、構成
されている。第1の部材32により所定波長(一酸化炭
素の共鳴により放射される電磁波の波長より所定値大き
い波長)より大きい電磁波が遮断され、第2の部材34
及び第3の部材により所定波長(二酸化炭素の共鳴によ
り放射される電磁波の波長より所定値小さい波長)未満
の電磁波が遮断されるので、フィルタ16及び第3の部
材により、4.4[μm]及び4.7[μm]の波長を
含む所定波長帯の電磁波のみが透過される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、火災検知器に係
り、より詳しくは、所定波長帯の電磁波を検知して火災
を検知する火災検知器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、火災検知器は、火災の発生に
より生ずる特有な電磁波を検知して火災を検知する。こ
のため、火災検知器は、第1の部材に第2の部材を真空
蒸着により蒸着して構成され、かつ、上記特有な電磁波
を透過するフィルタを備えている。即ち、第1の部材は
上記特有の電磁波の波長を含む波長帯の長波長側の波長
以下の波長の電磁波を透過し、第2の部材は該波長帯の
短波長側の波長以上の波長の電磁波を透過する。よっ
て、フィルタは、上記特有の電磁波の波長を含む波長帯
の波長の電磁波を透過する。従って、火災検知器は、フ
ィルタを介して火災の発生により生ずる特有の電磁波を
検知することができ、これにより、火災を検知すること
ができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フィル
タの電磁波の透過率は上記波長帯の最小波長より小さい
波長側に渡って小さくなく、該最小波長より小さい波長
側に電磁波の透過率が大きな波長帯がある。即ち、該最
小波長より小さい波長側における第2の部材の電磁波の
透過率は、図6(b)に示すように、2.0[μm]以
上でかつ2.5[μm]以下にピーク(略0.3%)を
有し、1.3[μm]より大きく3.0[μm]より小
さい波長帯において、略0.1%より大きくなってい
る。
【0004】一方、1.3[μm]より大きく3.0
[μm]より小さい波長帯には、火災に無関係な、エネ
ルギーが大きい、例えば、太陽光や大型の白熱電球から
の光が含まれる。よって、この光が第2の部材を透過す
る。
【0005】また、第2の部材を透過した後のエネルギ
ーが大きい光の量は、火災の発生により生ずる特有の所
定波長帯の電磁波の第2の部材を透過した後の量と略同
じである。
【0006】よって、火災検知器は、火災に無関係な光
をフィルタを介して検知して、これにより、火災が発生
していると誤検知する。
【0007】本発明は、上記事実に鑑み成されたもの
で、精度よく火災を検知することが可能な火災検知器を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1記載の発明は、一酸化炭素の共鳴により放射さ
れる電磁波及び二酸化炭素の共鳴により放射される電磁
波の少なくとも一方の電磁波の波長を含む第1の波長帯
の電磁波、及び帯域が該第1の波長帯の最小波長より小
さい第2の波長帯の電磁波の各々に対する透過率が大き
いフィルタと、前記第2の波長帯の少なくとも1部分の
電磁波を略完全に遮断する遮断手段と、を備えている。
【0009】ここで、フィルタは、第1の波長帯、及び
帯域が該第1の波長帯の最小波長より小さい第2の波長
帯の電磁波の各々に対する透過率が大きいため、第1の
波長帯及び第2の波長帯の電磁波が透過される。
【0010】第1の波長帯には一酸化炭素の共鳴により
放射される電磁波及び二酸化炭素の共鳴により放射され
る電磁波の少なくとも一方の電磁波の波長を含むため、
フィルタは、火災に特有な、一酸化炭素の共鳴により放
射される電磁波及び二酸化炭素の共鳴により放射される
電磁波の少なくとも一方の電磁波を透過する。
【0011】即ち、炎が発生すると、燃焼ガス中の二酸
化炭素が励起されて共鳴し、ピーク波長が4.4[μ
m]の電磁波(赤外線)が放射される。なお、その分光
特性は、図4(a)に示すように、4.4[μm]より
短波長側から4.4[μm]にかけて急激に相対強度が
大きくなっている。よって、第1の波長帯に二酸化炭素
の共鳴により放射される電磁波の波長を含む場合、上記
フィルタは、火災に特有なピーク波長が4.4[μm]
の電磁波を透過する。
【0012】一方、例えば、火災が発生してから時間が
経つにつれて、図4(a)、図4(b)、図4(c)の
順に、4.4[μm]の波長の電磁波の強度が小さくな
る一方、4.7[μm]の波長の電磁波の強度が大きく
なる。これは、完全燃焼状態(炎が発生した状態)が時
間の経過により不完全燃焼状態(黒煙のみが発生した状
態)となり、一酸化炭素が励起されて共鳴し、ピーク波
長が4.7[μm]の電磁波(赤外線)の相対強度が強
くなるからである。また、燃焼しにくいものが燃焼する
火災が発生すると、火災発生初期の段階から、一酸化炭
素が励起されて共鳴し、ピーク波長が4.7[μm]の
電磁波が放射される。よって、第1の波長帯に一酸化炭
素の共鳴により放射される電磁波の波長を含む場合、上
記フィルタは、火災に特有なピーク波長が4.7[μ
m]の電磁波を透過する。このようにフィルタを、一酸
化炭素の共鳴により放射される電磁波の透過率が大きく
なるようにすれば、一酸化炭素の共鳴により放射される
電磁波がフィルタを介して検知され、一酸化炭素の共鳴
放射が生ずる状態の火災を検知することができる。
【0013】以上説明したように、フィルタは一酸化炭
素の共鳴により放射される電磁波及び二酸化炭素の共鳴
により放射される電磁波の少なくとも一方を透過するた
め、火災検知器は、火災に特有な電磁波をフィルタを介
して検知することができ、これにより、火災を検知する
ことができる。
【0014】しかしながら、フィルタは、帯域が第1の
波長帯の最小波長より小さい第2の波長帯の電磁波の透
過率が大きいため、第2の波長帯の電磁波を透過する。
この第2の波長帯には、火災に無関係な、エネルギーが
大きい、例えば、太陽光や大型の白熱電球からの光が含
まれる。よって、フィルタは、火災に無関係な電磁波を
透過する。
【0015】従って、火災検知器は、火災に無関係な電
磁波をフィルタを介して検知して、火災が発生している
と誤検知する。
【0016】そこで、請求項1記載の発明は、第2の波
長帯の少なくとも1部分の電磁波を略完全に遮断する遮
断手段を備えている。
【0017】このように、第2の波長帯には火災に無関
係な電磁波が含まれ、第2の波長帯の少なくとも1部分
の電磁波を略完全に遮断することから、該第2の波長帯
の少なくとも1部分でかつ火災に無関係な電磁波を略完
全に遮断することができる。
【0018】一方、請求項2記載の発明に係る遮断手段
により遮断される波長帯は、各々の波長帯の1部が他の
少なくとも1つの波長帯の1部と一致する複数の波長帯
によって定められている。
【0019】また、請求項3記載の発明に係る遮断手段
は、第2の波長帯全域の電磁波を略完全に遮断する。
【0020】このように、第2の波長帯全域の電磁波を
略完全に遮断するようにすれば、火災検知器は、火災に
特有な電磁波のみを検知でき、これにより、火災に無関
係な電磁波により火災が発生していると誤検知すること
を防止することができる。よって、精度よく火災を検知
することが可能となる。
【0021】このように、火災に無関係な電磁波が入射
しても遮断手段により遮断されるため、火災検知器を設
置する領域は該電磁波が入射しない領域に限定されな
い。よって、火災検知器の設置領域の自由度が向上す
る。
【0022】ここで、請求項4記載の発明に係る遮断手
段は、電磁波を99.9%以上遮断する。このように、
遮断手段により上記電磁波を99.9%以上遮断するこ
とから、火災に無関係な電磁波を略完全に遮断すること
ができる。即ち、火災に無関係な電磁波が遮断手段を透
過したとしても、遮断手段を透過した後の該電磁波量は
略0となるので、火災に無関係な電磁波により火災が発
生していると誤検知することを防止することができる。
【0023】また、請求項5記載の発明に係る遮断手段
を蒸着多層膜としている。更に、請求項6記載の発明に
係る蒸着多層膜を、ゲルマニューム及び硫化亜鉛を主成
分としている。
【0024】一方、第1の波長帯の長波長側の波長を石
英及びサファイアのいずれかを用いて決定してもよい。
石英及びサファイアは、一酸化炭素の共鳴により放射さ
れる電磁波の波長より所定値大きい波長を透過させない
性質をもっているからである。
【0025】また、火災の検知可能な領域を広げるた
め、火災検知器を、開口部を備えた筐体と、一酸化炭素
の共鳴により放射される電磁波及び二酸化炭素の共鳴に
より放射される電磁波の少なくとも一方の電磁波の波長
を含む第1の波長帯の電磁波、及び帯域が該第1の波長
帯の最小波長より小さい第2の波長帯の電磁波の各々に
対する透過率が大きいフィルタと、前記フィルタに密着
されかつ前記第2の波長帯の少なくとも1部分の電磁波
を略完全に遮断する遮断手段と、前記フィルタ及び前記
遮断手段に接近して配置されると共に前記フィルタ及び
前記遮断手段を透過した電磁波を検知する検知手段と、
を備えて構成するようにしてもよい。
【0026】なお、上記遮断手段により遮断される波長
帯を、各々の波長帯の1部が他の少なくとも1つの波長
帯の1部と一致する複数の波長帯によって定めるように
してもよい。また、上記遮断手段は、前記第2の波長帯
全域の電磁波を遮断するようにしてもよい。更に、上記
遮断手段は、前記電磁波を99.9%以上遮断するよう
にしてもよい。加えて、上記遮断手段を、蒸着多層膜と
してもよい。なお、この蒸着多層膜を、ゲルマニューム
及び硫化亜鉛を主成分としてもよい。
【0027】そして、火災検知器は、検知手段の検知範
囲を望みかつ該検知手段の法線を含む面で切られた角度
が120°以上となるように、前記開口部、前記フィル
タ、前記遮断手段、及び前記検知手段の位置関係を決定
するようにしてもよい。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して詳細に説明する。本形態に係る火災検知器
は、図1に示すように、開口部12を備えた筐体14、
及び筐体14内でかつ開口部12に接着剤18で固着さ
れ、かつ、第3の部材36が蒸着されたフィルタ16を
備えている。筐体14の底面には2本(2本に限定され
ない。なお、3本、4本、5本等であってもよい。)の
支柱20が固定され、2本の支柱20上端は、フィルタ
16の近くまで到達している。2本の支柱20上端には
支持部材22が固定され、支持部材22には基板24が
配置されており、基板24には、検知手段(例えば、赤
外線センサ)26が配置されている。これにより、検知
手段26は、フィルタ16に接近して配置されている。
【0029】次に、フィルタ16を説明する。フィルタ
16は、図2に示すように、第1の部材32に、第2の
部材34が真空蒸着により蒸着されて、構成されてい
る。なお、フィルタ16には、前述したように、第3の
部材36が蒸着されている。
【0030】ここで、第1の部材32は石英板で構成さ
れている。石英は、図5で実線で示すように、波長が
4.7[μm]より所定値大きい波長λ2 を境に電磁波
の透過率が急激に小さくなる性質を持っている。このよ
うに、第1の部材32を石英板で構成しているので、フ
ィルタ16は、波長が波長λ2 より大きい電磁波を遮断
する。なお、第1の部材32の2.5[μm]以上の波
長帯の電磁波の透過率は図5に、第1の部材32の3.
0[μm]以下の波長帯の電磁波の透過率は図6(a)
に、それぞれ示されている。
【0031】第2の部材34は、第1の部材32に蒸着
膜(例えば、各種、金属等)を多数回蒸着して、波長が
4.4[μm]より所定値小さい波長λ1 未満の電磁波
の透過率が急激に小さくなるように(図4(d)及び図
6(b)参照)、多層膜で形成されている。
【0032】しかしながら、第2の部材34の波長λ1
未満の電磁波の透過率は0でなく、波長λ1 より小さい
波長帯に電磁波の透過率が大きな波長帯がある。即ち、
第2の部材34の該波長帯の電磁波の透過率は、図6
(b)に示すように、2.0[μm]以上でかつ2.5
[μm]以下にピーク(略0.3%)を有し、1.3
[μm]より大きく3.0[μm]より小さい波長帯に
おいて、略0.1%より大きくなっている。
【0033】一方、1.3[μm]より大きく3.0
[μm]より小さい波長帯には、火災に無関係な、エネ
ルギーが大きい、例えば、太陽光や大型の白熱電球から
の光が含まれ、この光等が第2の部材34を透過する。
【0034】また、第2の部材34を透過した後のエネ
ルギーが大きい電磁波の量は、火災の発生により生ずる
特有の電磁波の第2の部材34を透過した後の量と略同
じである。
【0035】そこで、本形態は、上記波長帯(1.3
[μm]より大きく3.0[μm]より小さい波長帯)
の電磁波を遮断する第3の部材36を、第1の部材32
に蒸着している。
【0036】ここで、第3の部材36は、第1の蒸着多
層膜36a、第2の蒸着多層膜36b、及び第3の蒸着
多層膜36cで構成され(図3参照)、第1の蒸着多層
膜36a、第2の蒸着多層膜36b、及び第3の蒸着多
層膜36cにより遮断される波長帯は、各々の波長帯の
1部が他の少なくとも1つの波長帯の1部と一致する複
数の波長帯によって定められている(図6(c)、図6
(d)、及び図6(e)参照)。
【0037】即ち、第1の蒸着多層膜36a、第2の蒸
着多層膜36b、及び第3の蒸着多層膜36cの各々
は、ゲルマニューム(Ge)を主成分とした第1の物質
n1(Ge+x1 +x2 +・・・)を真空蒸着により蒸
着した第1の蒸着膜と、硫化亜鉛(ZnS)を主成分と
した第2の物質n2(ZnS+x1 +x2 +・・・)を
真空蒸着により蒸着した第2の蒸着膜と、を各々10層
交互に蒸着して構成されている。
【0038】ここで、第1の蒸着多層膜36aの第1の
蒸着膜及び第2の蒸着膜の厚さは各々所定長4mであ
り、第1の蒸着多層膜36aの厚さは全体として4L
(=4m×20)である。
【0039】また、第2の蒸着多層膜36bの第1の蒸
着膜及び第2の蒸着膜の厚さは各々所定長2mであり、
第2の蒸着多層膜36bの厚さは全体として2L(=2
m×20)である。
【0040】更に、第3の蒸着多層膜36cの第1の蒸
着膜及び第2の蒸着膜の厚さは各々所定長mであり、第
3の蒸着多層膜36cの厚さは全体としてL(=m×2
0)である。
【0041】なお、以上説明した第1の蒸着多層膜36
aの厚さは全体として4L、第2の蒸着多層膜36bの
厚さは全体として2L、第3の蒸着多層膜36cの厚さ
は全体としてLとしているが、これらの厚さ(4L、2
L、L)に限定されるものではない。
【0042】一方、第1の蒸着多層膜36a、第2の蒸
着多層膜36b、及び第3の蒸着多層膜36cの波長λ
1 未満の波長帯の電磁波の透過率は、それぞれ図6
(c)、図6(d)、及び図6(e)に示されている。
【0043】即ち、第1の蒸着多層膜36aの上記透過
率は、図6(c)に示すように、波長λ1 より小さく
3.0[μm]より大きい波長帯において略95%、
3.0[μm]以下でかつ2.2[μm]以上の波長帯
(幅0.8[μm])において0.1%以下、2.2
[μm]より小さくかつ1.3[μm]より大きい波長
帯において略40%、1.3[μm]以下の波長帯にお
いて0.1%以下となっている。
【0044】なお、厚さ4Lになるように、第1の物質
n1及び第2の物質n2が真空蒸着により蒸着されて、
第1の蒸着多層膜36aを形成しているので、第1の蒸
着多層膜36aの上記透過率を3.0[μm]以下でか
つ2.2[μm]以上の波長帯において0.1%以下に
することができる。
【0045】また、第2の蒸着多層膜36bの上記透過
率は、図6(d)に示すように、波長λ1 より小さく
2.6より大きい波長帯において略95%、2.6[μ
m]以下でかつ1.8[μm]以上の波長帯(幅0.8
[μm])において0.1%以下、1.8[μm]より
小さくかつ1.3[μm]より大きい波長帯において略
40%、1.3[μm]以下の波長帯において0.1%
以下となっている。
【0046】なお、厚さ2Lになるように、第1の物質
n1及び第2の物質n2が真空蒸着により蒸着されて、
第2の蒸着多層膜36bを形成しているので、第2の蒸
着多層膜36bの上記透過率を2.6[μm]以下でか
つ1.8[μm]以上の波長帯において0.1%以下に
することができる。
【0047】更に、第3の蒸着多層膜36cの上記透過
率は、図6(e)に示すように、波長λ1 より小さく
2.0より大きい波長帯において略95%、2.0[μ
m]以下の波長帯において0.1%以下となっている。
【0048】なお、厚さLになるように、第1の物質n
1及び第2の物質n2が真空蒸着により蒸着されて、第
3の蒸着多層膜36cを形成しているので、第3の蒸着
多層膜36cの上記透過率を2.0[μm]以下の波長
帯において0.1%以下にすることができる。
【0049】なお、第1の蒸着多層膜36a乃至第3の
蒸着多層膜36cの1.3[μm]以下の波長帯におけ
る電磁波の透過率が0.1%以下となるのは、第1の物
質n1が1.3[μm]以下の波長帯の電磁波を吸収す
るゲルマニューム(Ge)を主成分としているためであ
る。
【0050】以上説明したように、3.0[μm]以下
でかつ2.2[μm]以上の波長帯の電磁波の透過率
は、第2の部材34にあっては最大略0.3%である
が、第1の蒸着多層膜36aにあっては0.1%以下で
あるので、小さくなる。よって、この波長帯の電磁波を
略完全に遮断することができる。
【0051】また、2.6[μm]以下でかつ1.8
[μm]以上の波長帯の電磁波の透過率は、第2の部材
34にあっては最大略0.3%であるが、第2の蒸着多
層膜36bにあっては0.1%以下であるので、小さく
なる。よって、この波長帯の電磁波を略完全に遮断する
ことができる。
【0052】更に、2.0[μm]以下の波長帯の電磁
波の透過率は、第2の部材34にあっては最大略0.3
%であるが、第3の蒸着多層膜36cにあっては0.1
%以下であるので、小さくなる。よって、この波長帯の
電磁波を略完全に遮断することができる。
【0053】よって、第2の部材34及び第3の材36
により、1.3[μm]より大きく3.0[μm]より
小さい波長帯の電磁波を略完全に遮断することができ
る。
【0054】以上により、第1の部材32により波長λ
2 より大きい波長の電磁波が遮断され、第2の部材34
及び第3の部材36により波長λ1 より小さい波長の電
磁波が遮断されるので、フィルタ16及び第3の部材3
6は、図4(d)に示すように、4.4[μm]及び
4.7[μm]の波長を含む所定波長帯h1 (≒0.6
[μm]、λ1 ≦X≦λ2 )の電磁波(波長X)のみを
透過する。
【0055】一方、第1の部材32を、容易に薄くする
ことができる石英で構成したので、フィルタ16を全体
として薄くすることができる。本形態では、フィルタ1
6の厚みを0.3[mm]のように極めて薄くしてい
る。
【0056】また、開口部12の口径を5.2[m
m]、フィルタ16の長手方向の長さを7.3[mm]
とし、かつ、フィルタ16と検知手段26との距離が約
0.3[mm]となるように、検知手段26をフィルタ
16に接近して配置しているので、検知手段26の検知
範囲を望みかつ該検知手段26の法線nを含む面で切ら
れた角度(以下、監視角度という)θを120°とする
ことができる。なお、監視角度θを120°より大きく
してもよい。
【0057】次に、本形態の作用を説明する。火災検知
器の検知範囲内で、炎を伴う火災が発生した場合には、
ピーク波長が4.4[μm]の電磁波が放射され、この
電磁波が開口部12、フィルタ16及び第3の部材36
を介して、検知手段22に入射する。これにより、火災
が検知される。
【0058】一方、炎の極めて少ない黒煙の大変多い火
災が発生した場合、即ち、時間の経過により完全燃焼状
態が不完全燃焼状態となったり、燃えにくいものが不完
全燃焼したり、した場合には、ピーク波長が4.7[μ
m]の電磁波が放射され、この電磁波が開口部12、フ
ィルタ16及び第3の部材36を介して、検知手段22
に入射する。これにより、火災が検知される。
【0059】以上説明したように本形態によれば、開口
部に固着されかつ極めて薄いフィルタに検知手段を接近
して配置しているので、検知手段により検知可能な範囲
を広げることができる。
【0060】また、前述した実施の形態によれば、フィ
ルタは、4.4[μm]及び4.7[μm]の波長を含
む所定波長帯h1 の電磁波(波長X)のみを透過するフ
ィルタであるので、炎を伴う火災や、炎の極めて少ない
黒煙の大変多い火災が発生し、ピーク波長が4.4[μ
m]の電磁波、ピーク波長が4.7[μm]の電磁波の
いずれも検知することができる。よって、火災発生をも
れなく検知することができる。
【0061】更に、前述した実施の形態によれば、第1
の部材に第2の部材と第3の部材とを蒸着しているの
で、略完全に波長が4.4[μm]より所定値小さい波
長の電磁波を遮断することができる。よって、4.4
[μm]より所定値小さい波長の波長帯で太陽光のよう
に光のエネルギーが大きい電磁波が開口部に入射して
も、第3の部材により遮断されるため、太陽光等の検知
により火災が発生したと検知するような誤検知を防止す
ることができる。
【0062】以上説明した実施の形態では、第1の部材
32を石英板により構成しているが、本発明はこれに限
定されるものでなく、サファイア板により構成するよう
にしてもよい。なお、第1の部材32をサファイア板に
より構成すると、図5で点線で示すように、石英の透過
率(実線)より透過する電磁波の波長の範囲は広がる
が、少なくとも波長が4.7[μm]の電磁波を検知す
ることができるので、火災発生をもれなく検知すること
ができる。
【0063】また、前述した実施の形態では、所定波長
帯h1 の電磁波を透過するフィルタを備えているが、本
発明はこれに限定されるものでなく、図4(d)に示す
ように、二酸化炭素の共鳴放射により発生する電磁波の
ピーク波長(4.4[μm])含む第1の所定波長帯h
21(≒0.3[μm])の電磁波を透過する第1のフィ
ルタと、一酸化炭素共鳴放射により発生する電磁波のピ
ーク波長(4.7[μm])含む第2の所定波長帯h22
(≒0.3[μm])の電磁波を透過する第2のフィル
タと、を備えるようにしてもよい。
【0064】この場合、筐体14に2つの開口部12を
設け、一方の開口部12に第1のフィルタを固着すると
共に、他方の開口部12に第2のフィルタを固着しても
よい。そして、検知手段を2つ用いる場合には、第1の
フィルタ及び第2のフィルタの各々に接近するように配
置してもよい。検知手段を1つ用いる場合には、第1の
フィルタ及び第2のフィルタを透過した電磁波を、該検
知手段に案内する案内手段(例えば、金属板等の反射
板)を設けるようにしてもよい。
【0065】なお、以上の場合、第1のフィルタ及び第
2のフィルタの何れか一方に第3の部材を蒸着させる。
【0066】また、前述した実施の形態では、第3の部
材を、1.3[μm]以上でかつ3.0[μm]以下の
波長帯に、各々の波長帯の1部が他の少なくとも1つの
波長帯の1部と一致する複数の波長帯を定め、該定めた
波長帯の電磁波を遮断する3枚の蒸着多層膜を備えてい
るが、本発明はこれに限定されるものでなく、3より大
きい複数の蒸着多層膜を備えるようにしてもよい。
【0067】即ち、1.3[μm]以上でかつ3.0
[μm]以下の波長帯に、各々の波長帯の1部が他の少
なくとも1つの波長帯の1部と一致する3より大きい複
数の波長帯(幅は前述した実施の形態の波長帯の幅
(0.8[μm])と同じでも、短く、又は長くてもよ
い)を定め、該定めた波長帯の電磁波を遮断する3より
大きい複数の蒸着多層膜を備えるようにしてもよい。ま
た、1枚又は2枚の蒸着多層膜(例えば、前述した実施
の形態における第1の蒸着多層膜36a、第2の蒸着多
層膜36b、及び第3の蒸着多層膜36cのうちいずれ
か1枚又は2枚)を備えるようにしてもよい。
【0068】加えて、前述した実施の形態では、筐体内
でかつ開口部にフィルタを固着した例を説明したが、本
発明はこれに限定されるものでなく、筐体内又は筐体外
でかつ開口部近傍に配置するようにしてもよい。
【0069】以上説明した本形態に係る火災検知は駐車
場に配置することができる。即ち、図示しない駐車場に
各々所定距離離間する複数箇所に一対本形態に係る火災
検知を配置することができる。この場合、各検知手段2
4の上記監視角度θを120°以上とし、かつ、一対の
火災検知器を、一方の検知範囲の1部が他方の検知範囲
の1部と重なるように配置すれば、一対の火災検知器の
上記監視角度θの合計を180°にすることができる。
【0070】そして、フィルタ16を介して電磁波(ピ
ーク波長が4.4[μm]及び4.7[μm]の少なく
とも一方の電磁波)が入射したことを検知手段26が検
知すると、検知手段26は図示しない中央監視室のコン
ピュータに検知信号を出力する。これにより、コンピュ
ータは、駐車場に火災が発生したことを検知することが
できる。
【0071】即ち、コンピュータは、検知信号が0.1
〜10[Hz]の周波数で入力された場合、ピーク波長
が4.4[μm]の電磁波が発生する火災(炎を伴う火
災)や、ピーク波長が4.7[μm]の電磁波が発生す
る火災(炎の極めて少ない黒煙の大変多い火災)が駐車
場で発生したと検知される。
【0072】更に、検知信号と併せて火災検知器の識別
情報も出力するようにすれば、コンピュータは、駐車場
の火災が発生した箇所を検出することができる。
【0073】なお、本形態に係る火災検知は駐車場に配
置することに限定されるものでなく、家屋内、倉庫内、
ビル内、地下鉄が走る空間内等に配置するようにしても
よい。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、火災に無
関係な電磁波を遮断することができるため、火災の検知
の信頼性が向上する。
【0075】また、本発明は、火災に無関係な電磁波の
検知により火災が発生していると誤検知することを防止
することができるため、火災検知器を設置する領域は火
災に無関係な電磁波が入射しない領域に限定されず、火
災検知器の設置領域の自由度を向上させることができ
る、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本形態に係る火災検知器の断面図である。
【図2】フィルタ及び第3の部材の断面図である。
【図3】第3の部材の断面図である。
【図4】火災により発生する電磁波の相対強度と波長と
の関係を示した線図である。
【図5】フィルタの電磁波の透過する波長帯の長波長側
を示した線図である。
【図6】第1の部材、第2の部材、及び第3の部材の電
磁波の透過率と波長との関係を示した線図である。
【符号の説明】
12 開口部 14 筐体 16 フィルタ 36 第3の部材 36a 第1の蒸着多層膜 36b 第2の蒸着多層膜 36c 第3の蒸着多層膜 26 検知手段

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一酸化炭素の共鳴により放射される電磁
    波及び二酸化炭素の共鳴により放射される電磁波の少な
    くとも一方の電磁波の波長を含む第1の波長帯の電磁
    波、及び帯域が該第1の波長帯の最小波長より小さい第
    2の波長帯の電磁波の各々に対する透過率が大きいフィ
    ルタと、 前記第2の波長帯の少なくとも1部分の電磁波を略完全
    に遮断する遮断手段と、 を備えた火災検知器。
  2. 【請求項2】 前記遮断手段により遮断される波長帯
    は、各々の波長帯の1部が他の少なくとも1つの波長帯
    の1部と一致する複数の波長帯によって定められている
    ことを特徴とする請求項1記載の火災検知器。
  3. 【請求項3】 前記遮断手段は、前記第2の波長帯全域
    の電磁波を略完全に遮断することを特徴とする請求項1
    又は請求項2記載の火災検知器。
  4. 【請求項4】 前記遮断手段は、前記電磁波を99.9
    %以上遮断することを特徴とする請求項1乃至請求項3
    の何れか1項に記載の火災検知器。
  5. 【請求項5】 前記遮断手段は、蒸着多層膜であること
    を特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載
    の火災検知器。
  6. 【請求項6】 前記蒸着多層膜は、ゲルマニューム及び
    硫化亜鉛を主成分としたことを特徴とする請求項5記載
    の火災検知器。
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