JPH09292950A - 座標入力装置 - Google Patents

座標入力装置

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JPH09292950A
JPH09292950A JP10286396A JP10286396A JPH09292950A JP H09292950 A JPH09292950 A JP H09292950A JP 10286396 A JP10286396 A JP 10286396A JP 10286396 A JP10286396 A JP 10286396A JP H09292950 A JPH09292950 A JP H09292950A
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Hitoshi Koino
仁 濃野
健吾 ▲高▼濱
Kengo Takahama
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 座標検出速度を低下させることなく、良好な
S/Nを持つ座標検出信号を得て高精度な座標検出を行
う。複数の導電性の指示体(指など)による同時座標入
力を可能とする。 【解決手段】 スイッチ回路19にて1本ずつ(又は複
数本単位で)列電極を選択的に切り替えると共に、M系
列発生回路2にて発生させたM系列信号mを行電極駆動
回路4により順次遅延させて行電極群7に印加する。選
択されている列電極に誘起された電圧と、指示体8によ
る指示が行われていないときに列電極に誘起されるはず
の基本パターンV(t)との差分を検出し、その検出電
圧とM系列信号mとの相関演算を行うことによって座標
を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータやワ
ードプロセッサなどに使用される座標入力装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】コンピュータやワードプロセッサなどに
所定の入力を行うための入力装置の一つとして、ペンや
指などの指示により図形や文字認識、コマンド実行が行
えるタブレットが良く知られている。また、タブレット
がさらに進化したものとして、液晶パネル等の電極構造
や駆動回路を共用化して安価な構成とした表示一体型タ
ブレット装置が特開平5−53726号公報や特開平6
−314166号公報に開示されている。
【0003】このような座標入力装置に要求されること
は、高速かつ高精度の座標検出である。最近では、表示
装置の画素が小さくなっている、すなわち、表示が細か
くなっているなどの理由から座標検出のさらなる高精度
化が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、座標入
力装置の高速化と高精度化とは相反する効果であるた
め、従来の座標入力装置では高速な座標検出を維持した
まま座標検出精度をあげることができないという問題を
有している。すなわち、高速に座標検出を行う場合には
周波数帯域を広げないといけないので、精度が落ちてし
まう。
【0005】このような座標入力装置のうち、表示一体
型の装置においてはさらに以下の理由によって座標検出
精度が悪くなっている。例えば、上記特開平5−537
26号公報の構成は、表示期間と座標検出期間を時分割
で行うことにより、表示と座標検出機能の両立を図って
いる。このとき、座標検出動作が表示に影響を与えない
ように、座標検出期間を極力短く設定している。また検
出のための印加電圧は、表示の駆動ドライバーの耐圧で
制限されているため、あまり高い印加電圧は与えられな
い。さらに、デューティタイプの液晶表示装置と一体的
に設けられる座標入力装置の場合、片側(裏側)の透明
電極群はもう一方(表側)の電極群のすきまを通じて、
電子ペンの先端電極と静電結合するため、微小な検出電
圧しか得られない。これらの結果、上記表示一体型タブ
レット装置ではS/Nの悪い座標検出信号しか得ること
ができない。
【0006】また、上記特開平6−314166号公報
には、アドレッシング方式であるTFT液晶パネルにタ
ブレット機能を付加した構成が示されている。TFT液
晶は、表示品位の改善を行うべく、ゲート電極やソース
電極幅を狭くして画素電極の面積を広げて開口率を向上
させる方向にある。この場合も座標検出信号は電子ペン
の先端電極とゲート電極またはソース電極との間の結合
容量に比例して検出されるので、開口率の向上とともに
結合容量が小さくなり、検出信号のS/Nが悪化する。
なお、TFT液晶表示装置と一体的に設けられる座標入
力装置についても、表示に影響を与えないように、座標
検出期間を極力短くしなければならないのは言うまでも
ない。
【0007】さらに、従来の座標入力装置では、電子ペ
ンに電源を供給して座標検出信号を出力するために、電
子ペンの接続線は必須である。したがって、操作者が電
子ペンを操作する際にこの接続線が邪魔になり操作性を
著しく低下させていた。
【0008】なお、透明電極を2枚重ねて間に絶縁スペ
ーサを挿入し、ペン先や指で押圧することで、検出電極
間に流れる電流から指示した座標を知ることができる感
圧方式のタブレットも提案されている。しかしながら、
この構成では、透明電極の透過率や反射による視認性の
問題や、複数の指示具や指を同時に使用した入力操作は
できないなどの問題がある。
【0009】また、液晶の透明電極を交差させて、ペン
先や指との静電結合容量を測定することで、ペン入力機
能を実現する構成が米国特許USPat.463972
0に提案されている。しかしながら、この構成では、同
じ平面上に液晶電極を交差させるため、構造や駆動方法
が複雑になるという欠点がある。
【0010】本発明は、上記従来の問題点を解決するた
めになされたもので、その目的は、検出速度および検出
精度が高く、複数の指入力を同時に行うことができる座
標入力装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る座
標入力装置は、導電性の指示体が指示する面上の座標を
検出して座標データを出力するものであって、上記の目
的を達成するために、基板上に所定間隔で配列された第
1電極群と、第1電極群とは交差して所定間隔で配列さ
れると共に当該第1電極群と絶縁されて静電結合してい
る第2電極群と、座標検出期間を複数の単位期間に分割
し、各単位期間毎に第2電極群の電極を1本又は隣接す
る複数本単位で選択的に切り替える第2電極スイッチン
グ手段と、自己相関関数がパルス的な疑似ランダム信号
(例えばM系列信号)を発生する疑似ランダム信号発生
手段と、上記の各単位期間中に、第1電極群の各電極に
相互に位相の異なる疑似ランダム信号を順次印加する第
1電極駆動手段と、指示体が座標位置を指示していない
ときに第2電極群の1本又は隣接する複数本単位の電極
に誘起される電圧波形と略同波形の基本波形信号を出力
する基本波形出力手段と、第2電極スイッチング手段に
て選択されている第2電極群の電極に誘起された検出信
号と上記基本波形信号との差分信号を抽出する差分抽出
手段と、上記差分信号が所定値を越えたことを検出し、
これを検出したときに第2電極スイッチング手段にて選
択されている第2電極群の電極からx座標を検出するX
座標検出手段と、上記差分信号と上記疑似ランダム信号
との相関をとる相関検出手段と、上記相関検出手段の出
力の極値を求めてy座標を検出するY座標検出手段とを
備えていることを特徴としている。
【0012】上記の構成によれば、座標検出期間が複数
の単位期間に分割されて、各単位期間毎に第2電極群の
電極が所定単位(1本又は隣接する複数本単位)で第2
電極スイッチング手段によって選択的に切り替えられて
いる。
【0013】また、疑似ランダム信号発生手段で発生し
た疑似ランダム信号は第1電極駆動手段に入力されてい
る。そして、上記の各単位期間中においては、第1電極
駆動手段によって第1電極群の各電極に位相関係が異な
る疑似ランダム信号が順次印加される(例えば、シフト
レジスタにより疑似ランダム信号を順次時間遅延させな
がら各電極に供給することができる)。これにより、各
単位期間中においては、第1電極群における隣合う電極
には少しずつ位相の異なる電圧変化が現れることにな
る。
【0014】上記の第1電極群と第2電極群とは静電結
合しており、第1電極群の電位変化が第2電極群に誘起
される。もし、座標位置を指示する導電性の指示体(例
えば、使用者自身の指又は金属ケースを先端に有するコ
ードレスペンなど)を第1電極群に近づければ、指示体
と第1電極とは電気的に結合し、第2電極群に誘起され
た電位が変化する。逆に、指示体が座標位置を指示して
いないとき(すなわち、上記1および第2電極群から所
定距離離れて上記電気的結合が無視できるとき)、第2
電極群の所定単位(1本又は隣接する複数本単位)の電
極に誘起される電圧波形は一定となる。この電圧波形と
略同波形の基本波形信号が基本波形出力手段から出力さ
れている(尚、基本波形出力手段としては、メモリ内に
あらかじめ記憶された基本波形パターンを読み出す構成
や、第2電極群に平板導電体を近接させて当該平板導電
体に誘起される電圧を適切に増幅する構成などが考えら
れる)。
【0015】もし、第2電極スイッチング手段にて選択
されている第2電極群の電極付近に指示体がなければ、
当該電極に誘起された検出信号と上記基本波形信号との
差分は略ゼロとなる。一方、第2電極群の電極付近に指
示体があれば、上述のように電極に誘起された電位が変
化するのでその差分はゼロにはならない。この差分信号
が差分抽出手段にて抽出され、差分信号が所定値を越え
た時点で選択されている第2電極群の電極からx座標が
検出される。
【0016】複数の指示体が異なる第2電極群の電極上
に置かれている場合は、指示体が置かれている電極が第
2電極スイッチング手段にて選択されているときに差分
信号が所定値を越えることになり、複数の指示体が指示
するそれぞれのx座標を検出することができる。このx
座標検出処理はX座標検出手段にて行われる。
【0017】また、指示体が置かれている第2電極群の
電極が第2電極スイッチング手段にて選択されていると
きに上記の差分抽出手段によって得られる差分信号は、
当該指示体が置かれている第1電極群の電極に印加され
ている疑似ランダム信号に対応した波形パターンを示
す。この差分信号と上記疑似ランダム信号との相関をと
れば、指示体が置かれている第1電極群に印加されてい
る疑似ランダム信号の位相に応じた位置に相関出力の極
値があらわれ、上記のようにして検出されたx座標に対
応するy座標も検出することができる。このx座標検出
処理は相関検出手段およびY座標検出手段にて行われ
る。
【0018】複数の指示体が同一の第2電極上にある異
なる第1電極に置かれている場合は、相関出力の極値が
複数得られるので、x座標が重なっていても複数の指示
体が指示するそれぞれのy座標を検出することができ
る。
【0019】本発明のように、指や金属片などの導電性
の指示体に誘起した電圧を検出する方式では、指示体と
第1電極群あるいは第2電極群との結合は非常に小さ
く、検出できる電圧レベルも非常に小さい。しかしなが
ら、本発明の座標入力装置は駆動信号に疑似ランダム信
号を使用し、座標検出する際に相関演算を行うことで、
時間的に分散した信号エネルギーを圧縮して一点に集め
ている。これにより、他のランダムノイズのような信号
との抑圧比を飛躍的に高めることができ、高いS/Nを
得ることができる。この結果、検出速度を低下させるこ
となく、検出精度の高い座標入力が可能になる。
【0020】さらに、本発明では、第2電極群の各電極
を誘導電圧検出用の電極として使用し、第2電極スイッ
チング手段による第2電極群の電極切り替えを行ってい
るので、座標検出期間内において複数の座標を検出する
ことができ、複数の指示体による同時座標入力が可能と
なっている。
【0021】請求項2の発明に係る座標入力装置は、座
標検出期間中に導電性の指示体が指示する表示パネル上
の座標を検出すると共に、その後の表示期間中の表示制
御によって検出座標に応じた表示情報を表示パネル上に
表示する表示一体型の座標入力装置であって、上記の目
的を達成するために、表示パネル基板上に所定間隔で配
列された第1電極群と、第1電極群とは交差して所定間
隔で配列されると共に当該第1電極群と絶縁されて静電
結合している第2電極群と、上記第1電極群を駆動する
第1順次駆動手段と、上記第2電極群を駆動する第2順
次駆動手段と、検出座標に応じた表示情報に基づいて第
1および第2順次駆動手段を駆動するための表示制御信
号を発生する表示制御手段と、自己相関関数がパルス的
な疑似ランダム信号(例えばM系列信号)を発生する疑
似ランダム信号発生手段と、表示期間には上記表示制御
信号を選択すると共に、座標検出期間には上記疑似ラン
ダム信号を選択して、第1および第2順次駆動手段へ時
分割出力する出力切替手段と、座標検出期間を複数の単
位期間に分割し、各単位期間毎に第2電極群の電極を1
本又は隣接する複数本単位で選択的に切り替える第2電
極スイッチング手段と、上記の各単位期間中に、第1電
極群の各電極に相互に位相の異なる疑似ランダム信号が
順次印加されるように第1順次駆動手段を制御する制御
手段(例えば、クロックや初期化パルスを発生するタイ
ミング発生回路)と、指示体が座標位置を指示していな
いときに第2電極群の1本又は隣接する複数本単位の電
極に誘起される電圧波形と略同波形の基本波形信号を出
力する基本波形出力手段と、第2電極スイッチング手段
にて選択されている第2電極群の電極に誘起された検出
信号と上記基本波形信号との差分信号を抽出する差分抽
出手段と、上記差分信号が所定値を越えたことを検出
し、これを検出したときに第2電極スイッチング手段に
て選択されている第2電極群の電極からx座標を検出す
るX座標検出手段と、上記差分信号と上記疑似ランダム
信号との相関をとる相関検出手段と、上記相関検出手段
の出力の極値を求めてy座標を検出するY座標検出手段
とを備えていることを特徴としている。
【0022】本発明の座標入力装置は、上記請求項1に
係る座標入力装置と基本構成が同様の入力装置と表示パ
ネルとを一体的に構成してなる。したがって、座標検出
期間中の座標検出動作は請求項1に係る座標入力装置と
基本的には同じである。
【0023】本発明の座標入力装置では、出力切替手段
により、表示期間には表示制御手段が出力する表示制御
信号が選択され、その後の座標検出期間には疑似ランダ
ム信号発生手段が発生する疑似ランダム信号が選択さ
れ、選択された方の信号が第1および第2順次駆動手段
へ時分割で切替え出力されている。
【0024】そして、表示期間中は、第1および第2順
次駆動手段が、上記の表示制御信号に基づいて表示のた
めの第1および第2電極群の駆動を行う。一方、座標検
出期間中は、上記第1順次駆動手段が制御手段に制御さ
れて、第1電極群の各電極に相互に位相の異なる疑似ラ
ンダム信号を順次印加し、上記請求項1の第1電極駆動
手段と同様の動作を行う。その他の座標検出期間中の処
理は上述の通りである。
【0025】このように、表示動作と座標入力動作を行
うに際して、第1電極群、第2電極群および第1順次駆
動手段を共通の構成要素とし、時分割利用することで、
表示一体型の座標入力装置を簡単な構成とすることがで
き、小型化が図れる。
【0026】また、本発明に係る座標入力装置は、上記
請求項1の発明と同様、疑似ランダム信号を利用した相
関演算によって座標検出を行っているので、高いS/N
を得ることができ、検出速度を低下させることなく、検
出精度の高い座標入力が可能になる。
【0027】また、従来の表示一体型の座標入力装置で
は、座標検出動作が表示に影響を与えないように座標検
出期間を極力短く設定しているので、座標検出精度が低
下していたが、本発明の座標入力装置では上述のように
高速で精度の高い座標検出が可能であり、短い座標検出
期間でも良好な座標検出精度を得ることができる。
【0028】請求項3の発明に係る座標入力装置は、上
記請求項2の発明の構成において、上記の表示パネル
が、第1および第2電極群に接続される複数のスイッチ
ング素子と、該スイッチング素子が接続された複数の画
素電極がマトリクス状に配置された透明画素電極と、該
透明画素電極に対向して設けられた対向電極とを備え、
該スイッチング素子を駆動して該透明画素電極と対向電
極との間に封入された液晶の光学的性質を制御する液晶
表示パネルであることを特徴としている。
【0029】このように表示パネルとしてアクティブマ
トリクス液晶表示パネルを利用した場合、通常、画像表
示の開口率をあげるために第1電極群および第2電極群
の面積を極力狭くするので、第1電極群あるいは第2電
極群と指などの指示体との電気的結合が小さくなり、得
られる検出信号が非常に小さくなる傾向にあるが、本発
明の座標入力装置は、疑似ランダム信号による相関検出
によって表示の開口率をあげても精度の高い検出信号を
得ることができる。
【0030】請求項4の発明に係る座標入力装置は、上
記請求項2の発明の構成において、上記の表示パネル
が、対向して設けられた第1電極群と第2電極群との間
に封入された液晶の光学的性質を、第1電極群と第2電
極群との間の実効的印加電圧によって制御する液晶表示
パネルであることを特徴としている。
【0031】表示パネルとしてこの種の液晶表示パネル
を利用した場合、通常、表示の開口率をあげるため、第
1電極群と第2電極群が交差して液晶を封入する面積を
できるだけ大きくとるので、指示体との電気的結合が、
近接する表側の電極群とは大きな結合となるが、反対側
の電極群は表側の電極群のすきまを通して結合するため
非常に小さい結合となっている。しかしながら、この場
合でも本発明の座標入力装置は、疑似ランダム信号の相
関検出により、低い電圧駆動でも精度の高い座標検出が
可能である。
【0032】請求項5の発明に係る座標入力装置は、上
記請求項1、2、3または4の発明の構成において、上
記の疑似ランダム信号がM系列信号であることを特徴と
している。
【0033】上記構成によれば、疑似ランダム信号をM
系列信号としているので、回路規模の小さい疑似ランダ
ム信号発生手段を構成することができる。この結果、高
速で動作する消費電力の小さい携帯型の座標入力装置を
構成する際に有利となる。
【0034】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕本発明の実施の形態について図1ない
し図25に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0035】本実施の形態にかかる座標入力装置は、ス
ペクトラム拡散技術を利用して座標検出を行うものであ
る。
【0036】図1に示すように、上記座標入力装置は、
タイミング発生回路1、M系列(Maximum Length Code)
発生回路2、列電極駆動回路3、行電極駆動回路4、座
標入力パネル基板5、列電極群6、行電極群7、および
検出回路10を備えており、コンピュータやワードプロ
セッサなどの情報処理装置20に接続されている。
【0037】上記座標入力パネル基板5は、ガラス、フ
ェノール樹脂、ポリエチレンテレフタレート、またはア
クリルなどの電気的絶縁体をベースとした平板である。
上記座標入力パネル基板5の片面あるいは両面に互いに
直交するように列電極群(第1電極群)6と行電極群
(第2電極群)7が配置され、両電極群間は電気的に絶
縁されている。
【0038】上記列電極群6はn個の列電極からなり、
各列電極をS1〜Snで示す。また、上記行電極群7は
m個の行電極からなり、各行電極をG1〜Gmで示す。
なお、列電極と行電極との数は等しくても異なっていて
もよい。
【0039】上記タイミング発生回路1はシステム全体
を駆動するための各種の制御信号を発生させており、当
該制御信号をM系列発生回路2、列電極駆動回路3、行
電極駆動回路4、および検出回路10に供給している。
後述のように、このタイミング発生回路1で発生した制
御信号のタイミングに基づいてシステム全体が動作す
る。上記制御信号には、クロックck1・ck2、M系
列初期化パルスrm、座標検出サイクル信号d、検出期
間信号detなどがある。
【0040】上記M系列発生回路(疑似ランダム信号発
生手段)2は、上記制御信号に基づいて自己相関関数が
パルス的なM系列信号mを発生させる回路である。M系
列信号mは白色性の強いノイズで、時間差が0の時のみ
自己相関が“1”で、時間差が0以外の時には“0”と
なる関数である。
【0041】上記行電極駆動回路(第1電極駆動手段)
4は、上記M系列信号mをシフトレジスタにより遅延さ
せ、位相のみ異なるM系列信号mを各行電極G1〜Gm
に順次印加する。
【0042】座標の指示は、使用者自身の指または金属
ケースを先端に有するコードレスペンなどの導電性の指
示体8を、座標入力パネル基板5の上に置くことで行わ
れ、指示体8が置かれた位置座標は、上記検出回路10
によって検出される。この検出回路10は、後述の差動
増幅回路(差分抽出手段)11、A/D変換器12、相
関演算器(相関検出手段)13、LPF(ローパスフィ
ルタ)14、Y座標検出回路(Y座標検出手段)15、
出力回路16、基本パターン発生回路(基本波形出力手
段)17、X座標検出回路(X座標検出手段)18、お
よびスイッチ回路(第2電極スイッチング手段)19を
備えている。
【0043】上記情報処理装置20は、上記検出回路1
0で検出された座標値に基づいて、対応する位置のディ
スプレイ上の画素の表示色を変更してあたかもペンで絵
を描くような効果を得たり、座標値に基づいて対応する
アプリケーションプログラムを駆動したりする。
【0044】図2は本実施の形態の動作タイミングを示
す。
【0045】使用者自身の指などの指示体8が指示する
座標を検出する周期は、総合座標検出期間Tdで示さ
れ、これは個別の座標検出期間Td1〜Tdsにs分割
されている。各座標検出期間Tde(e=1〜s)の最
初のタイミングでは、M系列初期化パルスrmがタイミ
ング発生回路1から出力され、M系列発生回路2と行電
極駆動回路4に供給される。
【0046】M系列発生回路2にM系列初期化パルスr
mが入力されると、M系列発生回路2は初期化され、引
き続いてタイミング発生回路1から供給されるクロック
ck1に従って、M系列信号mを発生する。
【0047】M系列発生回路2から出力されたM系列信
号mは、座標検出期間Tdeには行電極駆動回路4に供
給され、行電極駆動回路4に内蔵されたシフトレジスタ
により、タイミング発生回路1から供給されるクロック
ck2に同期して遅延される。そして、遅延したM系列
信号mに対応した信号電圧gi(i=1〜m)は、順
次、行電極G1〜Gmに印加される。このように、座標
入力パネル基板5の上に形成された行電極群7にM系列
信号mの電位パターンが現れ、時間とともにそのパター
ンが移動していく。
【0048】次に、指などの指示体8によって座標入力
パネル基板5上の座標を指示したときの動作を説明す
る。
【0049】指示体8は導電体であり、座標入力パネル
基板5の上に設けられた保護パネル、空気層、透明基板
などの絶縁体(図示せず)を介して、列電極群6や行電
極群7と静電結合をしている。
【0050】図3に、指を用いて座標を指示したとき
の、指と列電極群6および行電極群7との電気的結合状
態を示す。ここでは、指はすべての行電極G1〜Gmお
よび列電極S1〜Snと同時に静電結合をしている。指
の位置が同図のような状態では、当該指が列電極S3お
よび行電極G1に最も近接しているので、これらの電極
との結合容量が最も大きくなる。
【0051】指を座標入力パネル基板5に近づけていな
いときの電気的結合状態を図4に、また、図3のような
状態で指を座標入力パネル基板5に近づけたときの電気
的結合状態を図5にそれぞれ模式的に示している。
【0052】1本の列電極S3と各行電極Gi(i=1
〜m)との電気的結合状態を見た場合、図4に示すよう
に、座標入力パネル基板5に指を近づけていないとき、
各行電極Giは当該列電極S3とCs3i(i=1〜
m)の結合容量で静電結合している。ここで、各行電極
Giの面積、および各行電極Giと列電極S3との距離
はほぼ一定に設定されているので、各結合容量Cs3i
もほぼ等しくなる。したがって、1本の列電極S3から
は、各行電極Giに印加されている各信号電圧giが重
畳された総和電圧Σgi(i=1〜m)に比例した検出
電圧V(t)が得られる。なお、同図では特に列電極S
3との結合部分のみを示しているが、任意の列電極Sj
(j=1〜n)についても同じことが言える。
【0053】図5に示すように、指を座標入力パネル基
板5に近づけた場合、前述のように指は全ての行電極G
iと結合容量Cgiで静電結合し、また列電極S3とは
結合容量Cs3で静電結合している。図5では特に列電
極S3との結合部分のみ示しているが、任意の列電極S
j(j=1〜n)についても同じことが言える。
【0054】このように指を座標入力パネル基板5に近
づけた場合、前述の行電極Giと列電極S3との結合容
量はCs3i’(Cs3i’<Cs3i)に減少する。
これは、指を座標入力パネル基板5に近づけることによ
って、行電極Giから発生する電気力線の一部が指に入
り、列電極S3に入る電気力線の本数が減るためであ
る。このことを、図6および図7を用いてさらに詳しく
説明する。
【0055】ここでは、説明を簡単にするために、1本
の行電極Gyと1本の列電極Sxのみを取り出して説明
する。
【0056】図6は、指を座標入力パネル基板5に近づ
けないときの様子であり、電気力線を破線で示してい
る。行電極Gyに電圧を印加すると、ほとんどの電気力
線は列電極Sxに向かって入る。一方、図7に示すよう
に、指などの導電体を列および行電極Sx・Gyに近づ
けると、行電極Gyから発生した電気力線の一部は指の
方に向かう。ここで電気力線の総本数が図6の場合と同
じとすると、列電極Sxに入る電気力線の本数は減少す
る。したがって、指などの導電体が近づいたときには行
電極Gyと列電極Sxの結合は弱まり、両者間の結合容
量は減少するのである。
【0057】実際には、座標入力パネル基板5上に多数
の行電極Gi(i=1〜m)および列電極Sj(j=1
〜n)が並んでおり、隣接する電極同士の影響もある
が、指などの導電体が近づくことによって行電極Giと
列電極Sj間の結合容量が減少することには変わりがな
い。そして、指からより近い位置にある電極ほど、その
減少の割合が大きい。これは、行電極Giと指との静電
結合が、その間の距離が短いほど強いので、逆に行電極
Giと列電極Sjとの間の結合が弱まるからである。
【0058】列電極Sjと各行電極Giとの結合容量の
例を図8に示す。同図は、横軸にy座標(行電極)、縦
軸に列電極S3と各行電極Giとの結合容量をとったグ
ラフである。この例では、行電極G1と列電極S3の交
点上に指があるものとしているので、行電極G1と列電
極S3との間の結合容量Cs31が最も小さくなってい
る。
【0059】任意の列電極Sj上でのy方向の、行電極
と列電極と間の結合容量Csjiを、 Csji(x)=hj(y) ………………(1) として、後に述べるようにモデルを連続系で扱うことに
する。
【0060】以上説明したように、指の置かれていない
列電極Sjには、各行電極Giの信号電圧giの総和電
圧Σgiに応じた検出電圧V(t)が誘起されており、
このV(t)を基本パターンとする。一方、指を電極に
近づけた場合、指に最も近い位置の列電極Sjにおいて
は、指に最も近い位置の行電極Gyからの誘導電圧が、
他の行電極からの誘導電圧に比べて小さくなるために、
その検出電圧は、基本パターンのV(t)から、行電極
Gyに印加される信号gy(M系列信号mに対応した信
号)の成分が少ない波形パターンVdy(t)となり、
指の置かれていない列電極の波形パターン(基本パター
ン)V(t)とは異なったものとなる。逆に、この検出
電圧の変化した電極を調べれば、指の置かれている位置
の列電極、すなわちx座標が分かるのである。
【0061】ここで、各行電極Giに印加される信号電
圧giは、行電極駆動回路4に内蔵されているシフトレ
ジスタによって、M系列信号mが、順次、遅延されたも
のであり、シフトレジスタの動作クロックck2の周期
ずつ位相が異なっている(図2参照)。クロックck2
の周期をΔt2 とすると、各行電極Giの信号電圧gi
は以下の式で表される。 gi(t)=m(t−Δt2 ×i) ………………(2) ただし、m(t)はM系列信号mを時間の関数として表
したもの、すなわち、M系列発生回路2の出力波形を示
す。
【0062】座標検出期間Tdeにおいては、行電極G
iにはy座標位置に対応して遅延したM系列信号mが印
加されており、図3の状態では各列電極Sjに誘導され
る検出電圧Vdj’(t)には、G1の電位パターンで
あるm(t−Δt2 ×1)の成分がもっとも少ない。
【0063】上記の(1)式および(2)式より、検出
電圧Vdj’(t)は以下のように表される。 Vdj’(t)=∫hj(y)・m(t−y)dy ………………(3) ただし、(3)式は実際には離散系なので∫はΣで表さ
れる。
【0064】ここで、基本パターンであるV(t)から
Vdj’(t)の差分をとれば、成分の少なくなってい
るパターンだけが再現できる。すなわち、指の置かれて
いる行電極Gyでの信号電圧gyによって誘導された誘
導電圧成分を多く含むパターンが検出できるのである。
【0065】ここで、M系列について説明する。M系列
は2値系列信号であり、例えば図12に示すように、シ
フトレジスタと排他的論理和とを用いて簡単に作ること
ができる。ただし、シフトレジスタの中間部分から取り
出されている帰還タップはレジスタのどの位置から取り
出してもよいわけでなく、特定の少数の組み合わせを使
った場合にのみ取り出されるデータ系列をM系列と呼
ぶ。
【0066】M系列は主に以下の3つの性質を有してい
る。 1周期に含まれる“0”と“1”の数の割合が一定
で、k段のシフトレジスタを使ったとすれば“1”の数
が2k-1 個、“0”の数が(2k-1 )−1個になる。す
なわち、“0”の数が1つ少ない。 系列中に“0”または“1”が連続して現れるとき
の連続の長さをLとすると、系列1周期中に長さLの連
続が発生する頻度は、長さL+1の頻度の2倍になる。 発生されたあるM系列と、レジスタの初期値だけが
違う同じM系列のデータを加算すると、もとのM系列を
時間的にずらせただけの同一の系列ができる。
【0067】したがって、の性質より自分自身とそれ
を時間的にずらせたものの積は再びM系列になるので、
の性質より相関値がほぼ“0”になる。ただし、2つ
の波形の時間ずれがないときは同一の波形であるので相
関値は“1”である。言い換えれば、相関値が“1”の
ときには2つの波形は完全に一致し、“0”のときには
2つの波形の各時刻における瞬間値に類似性が見られな
いことを意味する。
【0068】本実施の形態のM系列信号mは、nをシフ
トレジスタの段数、aiを係数、Xk-i を帰還タップか
らの出力とすると、M系列信号{Xk }(=m)は次式
で表される(図12参照)。 Xk =(a1×Xk-1 )∧(a2×Xk-2 )∧・・∧(an×Xk-n ) ………………(4) ただし、aiおよびXk-i は0又は1、∧は排他的論理
和である。
【0069】列電極Sjでの検出電圧Vdj’(t)
は、先ず、図1の検出回路10の中のスイッチ回路19
の入力端子に入力される。スイッチ回路19では、各列
電極Sj毎にひとつのスイッチを対応させ、タイミング
発生回路1からM系列初期化パルスrmが入力される毎
にそのスイッチ群から一つを順次選択し、後段の差動増
幅回路11に検出電圧Vdj’(t)を出力する。この
とき、隣り合う複数の列電極をまとめて一つのスイッチ
に対応させて、出力される検出電圧のレベルがある程度
大きくなるようにしてもよい。
【0070】また、図2に示すように、一つのスイッチ
を選択し続ける時間、すなわち座標検出期間Tdeは、
最初の行電極G1にM系列信号mを印加し始める時か
ら、最後の行電極GmへのM系列信号mの印加が終了す
るまでである。したがって、スイッチ回路19のスイッ
チがs個あるときには、各行電極Giにはs回のM系列
信号パターンが入力されることになる。
【0071】スイッチ回路19からの出力は、差動増幅
回路11の反転入力端子に入力される。一方、差動増幅
回路11の非反転入力端子には、基本パターン発生回路
17がタイミング発生回路1からのM系列初期化パルス
rmを基準にして発生した基本パターンV(t)が入力
されている。したがって、差動増幅回路11からは、両
入力の差分であるV(t)−Vdj’(t)を増幅した
電圧パターンVdj(t)が出力される。
【0072】上記の基本パターン発生回路17はメモリ
を含み、当該メモリにはあらかじめ基本パターンV
(t)の情報が格納されているので、M系列初期化パル
スrmを基準にしてそれを読み出すことによって基本パ
ターンV(t)を発生することができる。
【0073】次に、差動増幅回路11から出力された検
出電圧Vdj(t)は、A/D変換器12に入力されて
デジタル信号に変換される。そして、このA/D変換器
12の出力は、X座標検出回路18に入力される。
【0074】上記のX座標検出回路18は、A/D変換
された上記の検出電圧Vdj(t)が所定レベルを越え
たか否かを監視する。座標検出期間Tde中に、上記の
検出電圧Vdj(t)が所定レベルを越えるということ
は、当該座標検出期間Tdeにおいて選択されているス
イッチ回路19のスイッチに接続されている列電極の上
方に近接して指示体8が置かれていることを示してい
る。X座標検出回路18には、スイッチ回路19から、
選択中のスイッチを識別するためのスイッチ選択信号が
入力されており、X座標検出回路18は、上記の検出電
圧Vdj(t)が所定レベルを越えたときに入力されて
いるスイッチ選択信号から、指示体8が指示しているx
座標を検出する。そして、X座標検出回路18は、スイ
ッチ回路19から入力したスイッチ選択信号から得られ
たx座標信号XADRを、出力回路16に出力する。
【0075】また、A/D変換器12から出力された検
出電圧Vdj(t)は、相関演算器13の一方の入力端
子にも入力される。また、相関演算器13のもう一方の
端子には、タイミング発生器1から出力されているM系
列初期化パルスrmが供給されている。この相関演算器
13は、検出電圧Vdj(t)と、M系列発生回路2が
発生するM系列信号mと同じ次数のM系列との相関演算
を、M系列初期化パルスrmを基準にして行い、順次、
相関結果dj(τ)を出力してLPF14に供給する。
【0076】ここで、相関演算器13の出力dj(τ)
は、 dj(τ)=∫Vdj(t)・m(t−τ)dt ………………(5) で表され、(3)式より dj(τ)=∫∫hj(y)・m(t−y)・m(t−τ)dtdy ………………(6) となる。(6)式において、以下の(7)式 δ(τ)=∫m(t)・m(t−τ)dt ………………(7) を満足するm(t)を用いると、(6)式のdj(τ)
は、 dj(τ)=∫hj(y)・δ(τ−y)dy =hj(τ) ………………(8) が得られる。
【0077】(7)式は自己相関関数であり、これは比
較する2つの周期関数が同一である場合に自身の波形が
それを時間的にずらせたものとどの程度類似性を有する
かを示している。(8)式より、検出電圧Vdj(t)
とm(t)との相関をとると、行電極G1〜Gmと列電
極Sjとの静電結合分布関数である図8のhj(τ)そ
のものが復元できることになる。相関演算器13の出力
dj(τ)=hj(τ)なので、LPF14を介して求
められた関数dj(τ)の極値をとる位置τをY座標検
出回路15で検出することによって、そのτが指示体8
の指示した行電極方向の座標、すなわちy座標となる。
そして、Y座標検出回路15は、検出したy座標信号Y
ADRを、出力回路16に出力する。
【0078】上記のようにしてX座標検出回路18で検
出されたx座標“x”と、Y座標検出回路15で検出さ
れたy座標“y”とは、出力回路16を経由してコンピ
ュータなどの情報処理装置20に出力される。座標情報
を受け取った情報処理装置20は、その座標に対応する
位置のディスプレイ上の画素の表示色を変えたり、指示
する座標に対応したアプリケーションプログラムを作動
させる。
【0079】ところで、実際には、差動増幅回路11の
入力部では、熱雑音やショットノイズなどによるランダ
ムノイズが発生するので、検出結果に重大な影響を与え
る。発生したランダムノイズをnj(t)とすると、相
関演算器13の出力dj(τ)は、(8)式の代わり
に、 dj(τ)=hj(τ)+∫nj(t)・m(t−τ)dt ……………(9) と表される。
【0080】(9)式の第2項はランダムノイズがM系
列信号mでコンボルーション変換されたものを意味し、
変換されたものはあらゆる周波数成分を有するランダム
ノイズとなる。(9)式の第1項はhj(τ)であり、
図9に示すように、低域周波数成分を多く含む信号であ
る。したがって、実際の相関演算器13の出力dj
(τ)の周波数スペクトラムは、図9に示すhj(τ)
と∫nj(t)・m(t−τ)dtとを加算したものと
なる。この場合、LPF14を用いて、出力dj(τ)
に図10に示すような高域周波数成分を抑圧するフィル
タリング処理を施すと、図11のように高域のノイズの
みが多く抑圧され、S/Nの高い検出信号が得られる。
【0081】上記の説明では、特に複数の指示体8に対
する座標検出については述べていないが、これから説明
するように、それについても全く同様に扱える。
【0082】まず、複数の指示体8がそれぞれ異なる列
電極Sa〜Sz上に置かれた場合を考える。上述のよう
に、スイッチ回路19を用いて、総合座標検出期間Td
をs分割した各座標検出期間Tde毎にスイッチングし
ながら、列電極S1〜Snを1本ずつ(または隣接した
複数本ずつ)順次選択しており、指示体8が置かれた列
電極Sa〜Szがスイッチ回路19にて選択されている
ときのみ、上述のようにX座標検出回路18から列電極
Sa〜Szに対応するx座標信号XADRが出力され
る。すなわち、総合座標検出期間Td内においては、指
示体8が置かれている数だけx座標信号XADRが得ら
れ、複数のx座標xa〜xzが検出できる。また、求め
られた各x座標に対応した相関演算器13の出力から、
それぞれの列電極Sa〜Szでのy座標がY座標検出回
路15において求められるので、(xa,ya)〜(x
z,yz)の複数の座標値が得られる。
【0083】次に、複数の指示体8が同一の列電極Sa
上にある異なる行電極Ga〜Gzに置かれた場合を考え
る。x座標については、スイッチ回路19により列電極
Saが選択されているときに、X座標検出回路18から
列電極Saに対応するx座標信号XADRが出力され
る。すなわち、x座標xaが判明する。また、列電極S
aが選択されている場合の相関演算器13の出力da
(τ)は、次式で表される。
【0084】 da(τ)=ha(τ)+・・+hz(τ)dt +∫na(t)・m(t−τ)+・・+∫nz(t)・m(t−τ)dt ……………(10) 上記の関数da(τ)は、列電極Sa上に置かれた指示
体8の数と同数の極値を有する。LPF14を介して求
められた関数da(τ)の極値をとる位置τa〜τzを
Y座標検出回路15で検出すれば、そのτa〜τzが指
示体8の指示した行電極方向の座標、すなわちy座標で
ある。このように、(xa,ya)〜(xa,yz)の
複数の座標値が得られる。
【0085】以下に、上記座標入力装置を構成する各回
路について詳細に説明する。
【0086】(1)M系列発生回路2 M系列発生回路2の構成例を図12に示す。このM系列
発生回路2は、次数が6のM系列で26 −1=63の繰
り返し周期を持つM系列を発生するものであり、そのタ
イミングチャートを図13に示す。M系列発生回路2の
動作を、図12および図13を用いて説明する。
【0087】M系列発生回路2は、同期型セット端子付
きフリップフロップ21〜26と、排他的論理和27と
から構成される。フリップフロップ21と26の端子Q
は排他的論理和27の入力端子に接続される。排他的論
理和27の出力端子はフリップフロップ21の端子Dに
接続されているとともに、M系列発生回路2の出力端子
となっており、M系列信号mを出力する。各フリップフ
ロップの端子CKにはタイミング発生回路1からクロッ
クck1が供給され、各フリップフロップの端子Sには
M系列初期化パルスrmが供給される。
【0088】M系列初期化パルスrmが“0”から
“1”になるとクロックck1の立ち上がりで、フリッ
プフロップ21〜26の端子Dが“1”にセットされ
る。次のクロックck1の立ち上がりまでは、フリップ
フロップ21の端子Qとフリップフロップ26の端子Q
が“1”なので、排他的論理和27の出力は“0”とな
り、M系列信号mは“0”となる。クロックck1の次
の立ち上がりでは、フリップフロップ21には直前の排
他的論理和27の出力である“0”がセットされ、フリ
ップフロップ22〜26には直前にフリップフロップ2
1〜25に保持されていたデータが右方向へシフトして
“1”がセットされる。フリップフロップ21の端子Q
は“0”でフリップフロップ26の端子Qは“1”とな
っているので、排他的論理和27の出力は“1”とな
り、このクロックサイクルではM系列信号mは“1”と
なる。なお、図13の21Dないし26Dは、フリップ
フロップ21〜26の端子Dに入力される信号を示して
いる。
【0089】このように図12のM系列発生回路2は、
図13のように、“0101011001101110
110100100111000・・”で表されるM系
列信号mを、行電極駆動回路4に出力する。上記のパタ
ーンはクロックck1の63クロック周期で繰り返す。
【0090】なお、ここではM系列の次数を6とした例
で説明しているが、他の次数で構成するときは、下記の
表1に基づいて図12の構成を変えればよい。表1は他
の次数のM系列を発生させる場合のM系列発生回路2を
構成する際の指標になる係数表である。
【0091】
【表1】
【0092】(2)行電極駆動回路4 行電極駆動回路4は、図14に示すように、ANDゲー
ト100、a個のDフリップフロップ101〜10a、
およびa個のアナログスイッチ111〜11aから構成
される。
【0093】ANDゲート100には、タイミング発生
回路1からの検出期間信号detとM系列発生回路2か
らのM系列信号mとが入力されている。検出期間信号d
etは総合座標検出期間に“1”になり(図2参照)、
このときANDゲート100はM系列信号mを通過させ
て、フリップフロップ101の入力端子DにM系列信号
mを供給する。フリップフロップ101〜10aはシフ
トレジスタを構成しており、クロックck2に同期して
入力されたデータが右シフトしていく。各フリップフロ
ップの出力端子Qは次段のフリップフロップの入力端子
Dと接続されるとともにアナログスイッチ111〜11
aの制御端子Uにも接続されている。
【0094】アナログスイッチ111〜11aは、制御
端子Uに“0”が入力されるとa側に接続され、“1”
が入力されるとb側に接続される。したがって、フリッ
プフロップ101〜10aの出力が“0”の時にはa側
に接続されている電圧V0が、“1”の時にはb側に接
続されている電圧V1が行電極Gに印加される。シフト
レジスタには次々とM系列信号mがシフトされてくるの
で、M系列信号mに対応して電圧V0とV1の電位パタ
ーンが行電極Gに印加される。
【0095】(3)スイッチ回路19 図15にスイッチ回路19の構成例を示す。スイッチ回
路19は、列電極駆動回路3を介して各列電極S1〜S
nに接続された結線S1’〜Sn’にそれぞれ接続され
るスイッチSW1〜SWnを備えている。ここでは、説
明を簡単にするために、スイッチ回路19が6個のスイ
ッチSW1〜SW6から構成されているものとする。各
スイッチSW1〜SW6にはL端子とR端子があり、す
べてのL端子は基準電位につながれており、また、すべ
てのR端子は一つに結ばれて後段の差動増幅回路11に
接続されている。
【0096】上記のスイッチ回路19に、タイミング発
生回路1から座標検出サイクル信号d(図2参照)が入
力されると、すべてのスイッチSW1〜SW6はL端子
に接続され、したがって、すべての列電極は基準電位と
なる。次に、スイッチ回路19にM系列初期化パルスr
mが入力されると、先ず、スイッチSW1のみがR端子
側に接続される。これにより、列電極S1に誘導された
電圧が、結線S1’を通じてスイッチ回路19に入力
し、信号Vyとして差動増幅回路11へ出力される。さ
らに、座標検出期間Tdeが経過して次のM系列初期化
パルスrmが入力されると、スイッチSW1はL端子に
切り替わり、代わってスイッチSW2がR端子に接続さ
れる。これにより、列電極S2に誘導された電圧が、結
線S2’を通じてスイッチ回路19に入力し、信号Vy
として差動増幅回路11へ出力される。以下、同様にS
W6まで順次選択され、各列電極に誘導された電圧が、
差動増幅回路11に出力される。
【0097】また、スイッチ回路19は、検出期間信号
detの立ち上がりでリセットされ、座標検出期間Td
e毎に入力されるM系列初期化パルスrmの入力回数を
カンウトするカウンタ21を具備している。このカウン
タ21によって、総合座標検出期間TdにおけるM系列
初期化パルスrmの入力回数がカウントされ、スイッチ
回路19は、当該カウンタ21のカウント数をスイッチ
選択信号としてX座標検出回路18に出力する。
【0098】(4)相関演算器13 図16に相関演算器13の構成例を示す。相関演算器1
3は、kビットのn個のフリップフロップ31〜3n、
各中間出力を加算する加算器40・41、および2個の
加算器出力の差分を計算する減算器42から構成され
る。ただし、上記nはM系列の繰り返し周期以上の個数
であり、本実施の形態ではnは63である。
【0099】A/D変換器12から入力されたデジタル
データadoはフリップフロップ3nの端子Dに入力さ
れ、クロックck1によって順次後段のフリップフロッ
プにkビットのデータがシフトされていく。相関演算器
13の入力端子(フリップフロップ3nの端子D)に印
加されたデジタルデータをado(t)とすると、i番
目のフリップフロップの出力端子Qiに現れるデジタル
データはado(t−i)である。
【0100】一方、6次のM系列信号mは、前記(1)
M系列発生回路2の項目で示したように下記のように表
される。 {m1,m2,・・・・m63}={0,1,0,・・・1} …(11) 各フリップフロップの出力端子Qは、(11)式の
“1”に対応する端子が加算器40の入力端子に接続さ
れ、“0”に対応する端子が加算器41の入力端子に接
続される。
【0101】例えば、フリップフロップ31はm1=0
に対応しているので加算器41の入力端子に、フリップ
フロップ32はm2=1に対応しているので加算器40
の入力端子に接続される。このように接続すると、加算
器40の出力S1および加算器41の出力S2は、以下
の計算結果から得られる。
【0102】
【数1】
【0103】上記で得られた加算器40・41の出力S
1・S2は減算器42の入力端子に供給されており、減
算器42では、 dj(τ)=S1−S2 の計算を行い、dj(τ)として出力する。
【0104】図16の構成例による理想的なタイミング
チャートを図17に示す。クロックck1とM系列初期
化パルスrmはタイミング発生回路1から出力される制
御信号で、フリップフロップ31〜3nに供給されてい
る。M系列初期化パルスrmはクロックck1の1周期
分だけ“1”となるパルスで、フリップフロップ31〜
3nの同期リセット端子Rに入力され、クロックck1
の立ち上がりのタイミングで全フリップフロップの内容
が“0”になり、各フリップフロップのQ端子出力ad
o(t−i)はすべて“0”になる(ただし、i=1〜
63)。
【0105】指示体8が行電極G1に最も近接している
とすると、A/D変換器12を介した指示体8の検出出
力ado(t)は、図17の5段目のように行電極G1
の電位変化によく似た波形となる。フリップフロップ3
1〜3nに入力されたデジタルデータado(t)はク
ロックck1に同期して右シフトしていく。
【0106】このときフリップフロップ31〜3nの出
力はそれぞれ、図17の6段目から8段目のように、a
do(t−1)、・・・、ado(t−62)、ado
(t−63)と遅延したデータが現れる。もともと行電
極G1に印加された電圧はM系列信号m(t)から1ク
ロック分遅れた信号であるから、減算器42の出力には
M系列初期化パルスrmから1+63+1=65クロッ
ク遅れた位置でのみ“1”となる。これはM系列の自己
相関が時間差が0の時のみ“1”になる性質からくる。
【0107】実際には列電極S3と各行電極との結合容
量は図8のようになっているので、図17の検出出力a
do(t)の波形は空間的ローパスフィルタと等価な効
果を受け、図18のように滑らかな波形となる。したが
って、各フリップフロップの出力ado(t−i)も滑
らかな波形となる。この結果、減算器42から得られる
出力d3(τ)もM系列初期化パルスrmから1+63
+1=65クロック遅延した位置をピークとする滑らか
な波形となる。ここで得られる出力d3(τ)は(9)
式で与えられる。
【0108】また、複数本の指示体8が一本の列電極S
j上で、複数の行電極Ga〜Gzに近接しているときに
は、それぞれの行電極Ga〜Gzに印加された電圧は、
M系列発生回路2の出力m(t)からa、・・、zクロ
ック遅れた信号であるから、、減算器42の出力dj
(τ)は、M系列初期化パルスrmから1+63+a=
64+a、・・、64+zクロック遅れた位置を極値と
する滑らかな波形となるのである。このとき得られる出
力波形dj(τ)は(10)式で与えられる。
【0109】(5)LPF14 (10)式で表現されるように、相関演算器13の出力
dj(τ)には差動増幅回路11で発生するランダムノ
イズのM系列変換されたものが含まれており、出力dj
(τ)の成分はやはりあらゆる周波数成分を持つランダ
ムノイズになっている。出力dj(τ)のランダム成分
が大きいとき、Y座標検出回路15でピークの位置を見
つけるときに、検出誤差の増大や誤検出につながってし
まう。
【0110】しかしながら、(10)式の第1項のhj
(τ)で表される検出信号成分は、図9に掲げるように
低域周波数成分を多く持っており、第2項のランダムノ
イズ成分は低域から高域周波数成分に広がった信号であ
る。したがって、hj(τ)を主に通過させるローパス
フィルタを使用することでS/Nを向上させることがで
きる。
【0111】図19はLPF14の構成例である。LP
F14は、m−1個のkビットのフリップフロップ51
〜5m−1、m個の乗算器61〜6m、および加算器7
0を有する。
【0112】各フリップフロップの前段の出力端子Qは
後段の入力端子Dに接続され、フリップフロップ5m−
1の入力端子Dには相関演算器13の出力dj(τ)が
供給される。また、各フリップフロップには、タイミン
グ発生回路1からのクロックck1とM系列初期化パル
スrmが供給される。
【0113】乗算器61〜6m−1の入力端子Dには、
対応するフリップフロップ51〜5m−1の出力端子Q
がそれぞれ接続される。また、乗算器6mの入力端子D
には出力dj(τ)が入力される。乗算器61〜6mの
入力端子Kにはあらかじめ定められた係数k1 〜km
入力される。乗算器61〜6mは、それぞれ、 S=D×K ……………(14) で表される乗算結果を出力する。
【0114】乗算器61〜6mの各々の出力端子Sは加
算器70の入力端子l1〜lmと接続されているので、
加算器70はそれらの和を計算しdjs(τ)として出
力する。その結果djsは、 djs(τ)=Σdj(τ−i)×km-i ……………(15) で表される。ただし、i=0〜m−1である。
【0115】ここで、上記の係数ki として次式に掲げ
る係数を与えると、LPF14はマッチドフィルタとな
り、S/Nを最大にとることができる。
【0116】 ki =1−Csji/(Cs1i+Cs2i+・・・+Csmi) ……………(16) なお、回路規模を極力小さくするため、係数ki が小さ
いところは無視してフィルタリング回路を構成してもよ
い。
【0117】乗算器の個数mを5個とした場合の乗算係
数の指標例を表2を示す。各係数ki を0.1 、0.2 、0.
4 、0.2 、0.1 とすると、動作タイミングチャートは図
20の最下段のようになる。すなわち、LPF14の出
力djs(τ)は、M系列初期化パルスrmから1+6
3+1+2=67クロック遅れた位置にピーク(極値)
をもつ波形となる。なお、図20の61Dないし65D
は、乗算器61〜65の入力端子Dに入力される信号を
示している。
【0118】
【表2】
【0119】また、複数本の指示体8が一本の列電極S
j上で、複数の行電極Ga〜Gzに近接しているときに
は、LPF14の出力djs(τ)は、M系列初期化パ
ルスrmから1+63+a+2=66+a、・・、66
+zクロック遅れた位置を極値とする滑らかな波形とな
る。
【0120】このように、LPF14をマッチドフィル
タとすると、相関演算器13からの出力dj(τ)のS
/Nを最大にすることができる。また、理想的なマッチ
ドフィルタを使用したとき、指示体8が座標入力パネル
基板5の端を指示したときでもLPF14の出力djs
(τ)はτに対して対称な形となる関数になる。したが
って、座標決定する際にパルスとして検出し易く、ノイ
ズや検出出力の変動に対して安定な座標検出を行うこと
ができる。
【0121】なお、(16)式ではマッチドフィルタの
例を示したが、全体としてローパスフィルタの機能を果
たせば、回路規模を削減するため係数ki を“1”や
“0”といった単純な係数にしてもよい。また、このL
PF14の構成は上記FIR(有限インパルス)型だけ
ではなく、IIR(無限インパルス)型にすることもで
きる。この場合、さらに回路規模を削減し、なおかつS
/Nの改善効果を発揮することも可能である。
【0122】(6)Y座標検出回路15 Y座標検出回路15の具体的な動作を図21の構成例お
よび図22のタイミングチャートに基づいて説明する。
Y座標検出回路15は、同期リセット端子R付kビット
のフリップフロップ71・72、リセット端子Rおよび
イネーブル端子EN付のnビットのフリップフロップ7
3・74・75、比較器76、同期リセット端子R付f
ビットアップカウンタ77、イネーブル端子EN付のf
ビットフリップフロップ78、および補正回路79を有
する。
【0123】最初にタイミング発生回路1からのM系列
初期化パルスrmが供給されると、フリップフロップ7
1ないし75とアップカウンタ77とがリセットされ、
すべての出力端子Qからの出力は“0”となる。フリッ
プフロップ74の出力端子Qは比較器76の入力端子a
に、フリップフロップ71の出力端子Qは比較器76の
入力端子bに接続されているので、比較器76の出力端
子a<bからは“0”が出力される。したがって、フリ
ップフロップ73・74・75・78のイネーブル端子
ENが“0”となり、ディセーブル状態となる。
【0124】LPF14の出力djs(τ)はフリップ
フロップ71・73の入力端子Dに供給されているの
で、クロックck1に同期してフリップフロップ71・
72にデータがシフトしていく。フリップフロップ71
の出力端子Qには出力djs(τ)の1クロック周期だ
け遅延したデータが出力され、比較器76の入力端子b
に入力されている。フリップフロップ74は“0”を出
力しており、これが比較器76の入力端子aに入力して
いるので、フリップフロップ71が“0”より大きくな
るまで、比較器76の出力は“0”を保っている。
【0125】図22の5段目のように、フリップフロッ
プ71の出力71Q(b)が“0”より大きくなると、
比較器76の出力76a<b(EN)は“1”になり、
クロックck1の次の立ち上がりのタイミングで、フリ
ップフロップ73ないし75をイネーブルにして、フリ
ップフロップ73はdjs(τ)を、フリップフロップ
74はdjs(τ−△t2 )を、フリップフロップ75
はdjs(τ−2×△t2 )のデータをラッチする。
【0126】一方、アップカウンタ77はM系列初期化
パルスrmでリセットされた後、クロックck1によっ
てカウントアップしており、比較器76の出力76a<
b(EN)が“1”になると、アップカウンタ77の後
段に接続されたフリップフロップ78のイネーブル端子
ENも“1”になり、イネーブルとなってアップカウン
タ77のデータをラッチしてデータADRとして補正回
路79に出力する。
【0127】フリップフロップ74に記憶されたデータ
よりフリップフロップ71のデータdjs(τ−△
2 )が大きくなると、上述するように比較器76の出
力が“1”になり、フリップフロップ73ないし75の
データとフリップフロップ78のカウントデータが更新
されていく。もし、フリップフロップ74に記憶されて
いるデータより、フリップフロップ71のデータdjs
(τ−△t2 )が小さくなると、比較器76の出力は再
び“0”になり、フリップフロップ73・74・75・
78はディセーブルとなって、データを更新せず以前の
データを保持したままとなる。
【0128】すなわち、これらの動作が完了すると、d
js(τ)の極大値M2=djs(τmax )はフリップ
フロップ74に、その直前のデータM3=djs(τ
max −△t2 )はフリップフロップ75に、またその直
後のデータM1=djs(τma x +△t2 )はフリップ
フロップ73に保持され、補正回路79に供給される。
また、同時に、極大値M2が取り込まれたタイミングと
して、アップカウンタ77の値が座標値としてフリップ
フロップ78に保持され、データADRとして補正回路
79に供給される。
【0129】補正回路79では、次式にM1・M2・M
3のデータを代入することによって、入力されたデータ
ADRを補正して、さらに精度の高いf+αビットの出
力YADRを出力する。すなわち、入力データADR
は、下記の(17)式により出力YADRに補正され
る。
【0130】 YADR=ADR+(M3−M1)/(2×M2−M1−M3)/2 ……………(17) 補正回路79は、図23に示すように、2倍器90、減
算器91・92、加算器93・94、除算器95、1/
2倍器96により構成できる。なお、2倍器90および
1/2倍器96は結線によるビットシフトで構成しても
よい。
【0131】上述するように、補正回路79を構成する
ことで、(17)式に基づいて正確なピーク位置を検出
することができる。特に、LPF14にマッチドフィル
タを採用すると、LPF14の出力djs(τ)はτに
ついて対象な関数となるので、(17)式の2次曲線補
完による検出精度はさらに向上する。
【0132】(7)出力回路16 次に、出力回路16を図24の構成例および図25のタ
イミングチャートに基づいて説明する。出力回路16
は、f+αビットのイネーブル端子EN付フリップフロ
ップ97・98、および情報処理装置20とのインター
フェース99を有する。
【0133】フリップフロップ97のイネーブル端子E
Nには制御信号YEN、フリップフロップ98のイネー
ブル端子ENには制御信号XENがぞれぞれ入力され
る。制御信号YENおよびXENは、タイミング発生回
路1から供給され、個別の座標検出期間Tdeと周期を
同じくして座標検出期間Tdeの最後に発生するパルス
である。
【0134】座標検出期間Tdeでは、列電極がM系列
信号mで駆動され、列電極に静電誘導された信号を相関
演算器13で検出した後、LPF14を介し、信号のピ
ーク位置をY座標検出回路15が計算をする。この一連
の動作が完了すると、Y座標検出回路15の出力YAD
Rには検出したy座標が確定している。出力YADRは
フリップフロップ97の入力端子Dに入力されており、
制御信号YENは出力YADRが確定した後“1”とな
り、フリップフロップ97にその値が記憶され、Y座標
値YADRとしてインターフェース99に出力される。
【0135】一方、X座標検出回路18の出力XADR
には検出したx座標が確定している。この出力XADR
はフリップフロップ98の入力端子Dに入力されてお
り、制御信号XENは出力XADRが確定した後“1”
となり、フリップフロップ98にその値が記憶され、X
座標値XADRとしてインターフェース99に出力され
る。
【0136】コンピュータ15とのインターフェース9
9には、RS(Recommanded Standard) 232CやGP
IB (汎用インタフェースバス) などの各種規格に基づ
く方法や、情報処理装置20の入出力バスに直結する方
法がある。
【0137】尚、本実施の形態では、基本パターン発生
回路17の構成として、当該基本パターン発生回路17
が内蔵するメモリ内にあらかじめ基本パターンV(t)
の情報を記憶しておいて、その情報を読み出して基本パ
ターンV(t)を発生させる構成としたが、これに限定
されるものではない。例えば、座標入力パネル基板5の
全面あるいは一部に図示しない平板の導電体を密着(近
接)させ、その平板導電体に誘起される電圧を適切に増
幅したものを基本パターンV(t)として、差動増幅回
路11に入力してもよい。これは、指などの指示体8を
座標入力パネル基板5上に置くことによる誘導電圧の低
下はわずかなので、十分広い面積を持った平板導電体で
誘導電圧を拾えば、基本パターンV(t)が誘導される
からである。
【0138】以上のように、本実施の形態の座標入力装
置は、総合座標検出期間Tdを複数の座標検出期間Td
1〜Tdsにs分割し、各座標検出期間Tde毎にスイ
ッチ回路19にて1本ずつ(又は複数本単位で)列電極
を選択的に切り替えると共に、M系列発生回路2にて発
生させたM系列信号mを行電極走査信号として利用し、
各座標検出期間Tde中においては位相を変化させなが
らM系列信号mを行電極に順次印加し、選択されている
列電極に誘起された電圧と基本パターンV(t)との差
分を検出し、その検出電圧とM系列信号mとの相関演算
を行う構成である。
【0139】このように、走査信号として常に電位が変
化するM系列信号mを利用し、座標検出の際に相関演算
を行うことによって、時間的に散らばっていた信号エネ
ルギーを圧縮して一点に集めることができる。言い換え
れば、信号のエネルギー密度が高くなる。このとき、必
要な検出信号に対しては時間的に分散した信号エネルギ
ーを集め、ランダムノイズのような他の妨害信号に対し
ては信号エネルギーを集めないといった効果があるの
で、飛躍的に検出信号のS/Nを向上させることが可能
となる。
【0140】この結果、低い電源電圧で行電極をドライ
ブすることができる。これにより、座標入力装置の携帯
化が進む中での低電圧化の要求にも応じることが可能と
なる。また、光学的な高開口率を持つ細い行電極や列電
極を有する液晶パネル、プラズマディスプレイ、および
EL(エレクトロルミネッセンス)パネルに対しても、
実用に耐える座標検出ができる座標入力装置を提供する
ことが可能となる。
【0141】また、本実施の形態の座標入力装置は、上
述のように複数の指示体8によって指示された位置座標
を検出することができ、多用なアプリケーションに対応
する座標入力装置を提供することができる。
【0142】尚、以下に示すような表示一体型の座標入
力装置ではなく、座標入力機能のみを備えた座標入力装
置の場合は、列電極駆動回路3を省略しても動作可能で
ある。
【0143】〔実施の形態2〕本発明のその他の実施の
形態について図26ないし図29に基づいて説明すれ
ば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記の実
施の形態の図面に示した部材と同一の部材には同一の符
号を付記し、その説明を省略する。
【0144】本実施の形態にかかる座標入力装置は、T
FT(薄膜トランジタ)液晶表示装置に実施の形態1の
座標入力機能を付加した表示一体型座標入力装置であ
り、TFT液晶パネルの行電極(ゲート電極)群、列電
極(ソース電極)群、行電極駆動回路、および列電極駆
動回路を共用化している。
【0145】本実施の形態の上記座標入力装置では、図
26に示すように、実施の形態1の座標入力パネル基板
5がTFT液晶表示パネル(表示パネル)5’に置き代
わるとともに、表示制御回路(表示制御手段)201お
よび切り替え回路(出力切替手段)202が付加されて
いる。
【0146】上記TFT液晶表示パネル5’は、透明な
TFT基板203、対向基板205、および対向基板2
05の上に形成された透明な対向電極204から構成さ
れる。TFT基板203の対向電極204側には行電極
群7および列電極群6が互いに交差するように配置さ
れ、その交点にはTFT(スイッチング素子)206が
配置される。各TFT206のゲートは行電極と接続さ
れ、そのソースは列電極と接続され、そのドレインは画
素電極207と接続されている。列電極群6は列電極駆
動回路3に接続され、行電極群7は行電極駆動回路4に
接続されている。また、画素電極207と対向電極20
4との間には液晶が封入されている。
【0147】上記表示制御回路201は、情報処理装置
20から出力された表示データを、TFT液晶表示パネ
ル5’を表示デバイスとして駆動する制御信号および画
像データに変換する。この表示制御回路201は切り替
え回路202の一方の入力端子に接続されており、後述
する表示期間Tdspには表示制御回路201の出力を
行電極駆動回路4と列電極駆動回路3とに供給する。ま
た、M系列発生回路2は切り替え回路202のもう一方
の入力端子に接続されており、総合座標検出期間Tdに
はM系列発生回路2の出力を行電極駆動回路4に供給す
る。
【0148】図27は、図26の動作を示すタイミング
チャートである。なお、表示期間Tdspにおいてなさ
れるTFT液晶表示装置の表示駆動の方法についてはよ
く知られているので、表示についての動作は省略する。
【0149】システム全体の動作周期であるシステム動
作サイクルTcは、表示期間Tdspと前述の総合座標
検出期間Tdから構成される。システム動作サイクルT
cは垂直同期信号Vdに基づいて、表示期間Tdspお
よび座標検出期間Tdは検出期間信号detに基づいて
定められる。表示期間TdspにはTFT液晶表示パネ
ル5’が表示動作モードになり、総合座標検出期間Td
にはTFT液晶表示パネル5’が座標入力デバイスとし
て動作する。また、総合座標検出期間Tdは実施の形態
1と同様に、個別の指座標検出期間Tde(e=1〜
s)にs分割されている。
【0150】ここで、TFT液晶表示パネル5’で表示
機能と座標入力機能とを両立させるためには、以下に説
明するように、TFT206に印加する電圧の工夫が必
要となる。
【0151】図29に表示期間Tdspにおける動作波
形を示す。表示期間Tdspには、列電極S1によって
1列分の表示輝度に対応する電圧がTFT206に印加
される。それと同時に水平クロック信号chと同期し
て、行方向に順次行電極G1ないしGmが走査される。
それによって、各行電極に接続されるTFT206がO
Nとなって、列電極S1の表示データに対応する電圧が
画素電極207を介して液晶に充電される。なお、図2
9では、画素電極P1mは1列m行目の画素電極を意味
する。このようにして、すべての画素に充電を完了す
る。なお、列電極S1以外の他の列電極S2〜Snにつ
いても同様である。
【0152】図28にTFT206のドレイン電流対ゲ
ート電圧特性を示す。−Vf0および−Vf1はカット
オフになるゲート電圧で、Vnはオン時のゲート電圧で
ある。上述のように、表示期間Tdspに行電極群7を
順次走査していくと、表示データに対応する電位が全画
素に充電完了する。表示期間Tdspの後の総合座標検
出期間Tdにおいて、もしTFT206のゲートにVn
を印加すればTFT206はオンとなり、一方、当該ゲ
ートに−Vf0または−Vf1を印加すればTFT20
6にオフとなる。
【0153】総合座標検出期間Tdになると、指示体8
が指示している座標を検出するためのM系列信号mを行
電極群7に印加するのであるが、このときにTFT20
6がオンしないように電位を決定しなければならない。
なぜならば、もし総合座標検出期間TdにTFT206
がオンすることになれば、表示期間Tdspに画素に充
電した画像データに対応する電荷が放電により失われて
しまうからである。そこで、総合座標検出期間Tdにお
いては、列電極群6のすべてをを0Vにして、行電極群
7の電位を(例えば、図14のV0およびV1)−Vf
0と−Vf1に選ぶと、TFT206をオンさせずに行
電極群7を走査することができる。
【0154】上記構成によれば、総合座標検出期間Td
において、行電極群7に印加されたM系列信号mに起因
して列電極群6に誘導電圧が誘起される。検出回路10
はこれら検出信号とM系列信号mとの相関をとり、適当
なLPF14でノイズを除去し、指あるいは金属ケース
を先端に有するコードレスペン等の指示体8の指示座標
を検出する。
【0155】上記で検出された座標値は、情報処理装置
20に入力される。このとき情報処理装置20は、この
座標値に基づいてTFT液晶表示パネル5’上における
指示体8の先端位置に点画像を表示するための表示デー
タを生成し、これを表示制御回路201へ出力する。表
示制御回路201は、上記の表示データに基づいて表示
用の制御信号および画像データを生成する。総合座標検
出期間Tdの終了後、タイミング発生回路1が発生する
検出期間信号detに基づいて、切り替え回路202が
表示制御回路201を選択し、表示制御回路201が生
成した制御信号および画像データを、列電極駆動回路3
および行電極駆動回路4に供給する。そして、列電極駆
動回路3および行電極駆動回路4の動作によって、TF
T液晶表示パネル5’上における指示体8の先端位置に
点画像が表示される。
【0156】尚、本実施の形態において、請求項2に記
載の制御手段は、タイミング発生回路1によって構成さ
れている。
【0157】以上のように、本実施の形態の表示一体型
の座標入力装置は、M系列信号による相関検出手法を適
用して座標検出を行うとともに、表示機能も備えた構成
である。このとき、相関演算を行うことにより高いS/
Nを得ることができるので、検出精度が高くかつ検出ス
ピードも速くすることが可能となる。このため、総合座
標検出期間Tdを比較的短く設定することができ、表示
に影響を与えることもない。さらに、時分割で表示と座
標検出とを行うことによって、表示デバイスの構造や駆
動回路を座標検出のものと共通に利用しているので、構
成を簡単にすることができる。この結果、透過率が高く
視認性がよく、軽量薄型で安価な表示一体型の座標入力
装置を提供することができる。
【0158】また、上記のTFT液晶表示パネル5’の
場合、列電極群6および行電極群7の面積を極端に狭く
して開口率を大きくするのが通常であり、座標検出信号
が非常に小さくなる。しかしながら、本実施の形態の座
標入力装置は、M系列信号による相関検出により、低い
電圧駆動でも精度の高い検出信号を得ることができる。
【0159】なお、本実施の形態においても、前述のよ
うに、基本パターン発生回路17が内蔵するメモリ内に
あらかじめ基本パターンV(t)の情報を記憶しておい
て、その情報を読み出して基本パターンV(t)を発生
させる構成としてもよいが、これに限定されるものでは
ない。例えば、TFT液晶表示パネル5’の対向電極2
04に誘起される電圧を適切に増幅したものを基本パタ
ーンV(t)として、検出回路10における差動増幅回
路11に入力してもよい。これは、指などの指示体8を
TFT液晶表示パネル5’上に置くことによる誘導電圧
の低下はわずかなので、十分広い面積を持った対向電極
204で誘導電圧を拾えば、基本パターンV(t)が誘
導されるからである。
【0160】また、本実施の形態では液晶表示パネルを
TFT液晶パネルの例で説明したが、これに限定される
ものではなく、STN液晶パネルやMIM型液晶パネル
などの他の液晶表示パネル、あるいは液晶表示パネルに
限らず、ELパネルやプラズマディスプレイなどにも、
本実施の形態の座標入力装置を適用することができる。
すなわち、表示をするために電圧を印加する電極群とそ
の電極群を駆動するシフトレジスタとを、表示と座標入
力のために共用できる構成のものは、上記同様にM系列
信号による相関検出手法を適用することができる。
【0161】例えば、デューティタイプの液晶駆動の場
合は、列電極群が配置された透明基板と、この透明基板
に対向して設けられ行電極群が配置された透明基板とを
備え、2つの透明基板の間に液晶を挟入して、列電極群
と行電極群の実効的印加電圧で液晶の光学的性質を制御
する構成となる。この構成によれば、行および列電極群
の交差する領域で画素が形成される。そして、列電極群
をアクティブにして画素マトリクスの行を選択する一
方、行電極群に表示データに応じた信号を出力すること
によって、液晶表示が行われる。
【0162】このようなデューティタイプの液晶では、
通常、表示の開口率をあげるため、列電極群と行電極群
が交差して液晶を挟入する面積をできるだけ大きくとる
のが通常であるが、このとき座標を指示する指示体との
電気的結合が、近接する表側の電極群とは大きな結合と
なるが、反対側の電極群は表側の電極群のすきまを通し
て結合するため非常に小さい結合となっている。しかし
ながら、この場合でも本実施の形態の座標入力装置は、
M系列信号による相関検出により、低い電圧駆動でも精
度の高い検出信号を得ることができる。
【0163】なお、上記実施の形態1および2ではM系
列信号mを用いたがこれに限定されるものではなく、
(7)式を満足するような、自己相関関数がパルス的な
PN系列( Pseudo random noise )であればなんでもよ
い。このPN系列には2値関数とアナログ関数とがあ
る。
【0164】上記で説明したM系列は、“0”と“1”
との2値系列であるため、図12のように構成が単純で
回路規模が小さくなるというメリットがある。M系列以
外の2値系列の関数として、Gold系列、バーカーコ
ード、フランクコード、および相補系列コードなどがあ
り、これらを使ってもよい。但し、M系列はτ=0以外
の特性がすなおでありS/Nがよく、また上述のように
構成も簡単であるため、M系列の方がより望ましい。
【0165】また、アナログ関数としてはチャープ信号
およびホワイトノイズ信号を利用することができる。但
し、アナログ関数を用いる場合は、行電極駆動回路4と
してアナログ電圧をシフトさせることができる駆動回路
が必要となる。このような駆動回路としては、例えば、
CCDの各タップにバッファアンプをつけた構成が考え
られる。すなわち、CCDはアナログ電圧をサンプルホ
ールドしてシフトしていく働きがあるので、中間タップ
付きのアナログ遅延素子として動作する。このCCDの
各タップにバッファアンプを接続し、各バッファアンプ
にてバッファリングしている電圧を各行電極へ印加すれ
ば、ホワイトノイズ信号などのアナログ信号を遅延させ
ながら各行電極へ印加することができる。
【0166】上記のように、M系列信号mの代わりに
(7)式を満足する他の関数を採用したとき、検出回路
10における相関演算器13も採用した関数に対応する
回路にしなければならない。しかし、相関演算器13は
積和演算なので、図16に基づいて容易に構成すること
ができる。この場合もM系列のような2値系列を使用す
ると、相関演算器13の回路構成は、積の係数が±1の
積和であるため回路規模は小さく、また高速に演算する
ことができる。
【0167】また、上記実施の形態1および2では、行
電極にM系列信号mなどのPN系列信号を印加し、列電
極でこれを検出したが、これに限定されるものではな
く、逆に、列電極にM系列信号mなどのPN系列信号を
印加し、行電極でこれを検出してもよいことは言うまで
もない。
【0168】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明に係る座
標入力装置は、基板上に所定間隔で配列された第1電極
群と、第1電極群とは交差して所定間隔で配列されると
共に当該第1電極群と絶縁されて静電結合している第2
電極群と、座標検出期間を複数の単位期間に分割し、各
単位期間毎に第2電極群の電極を1本又は隣接する複数
本単位で選択的に切り替える第2電極スイッチング手段
と、自己相関関数がパルス的な疑似ランダム信号を発生
する疑似ランダム信号発生手段と、上記の各単位期間中
に、第1電極群の各電極に相互に位相の異なる疑似ラン
ダム信号を順次印加する第1電極駆動手段と、指示体が
座標位置を指示していないときに第2電極群の1本又は
隣接する複数本単位の電極に誘起される電圧波形と略同
波形の基本波形信号を出力する基本波形出力手段と、第
2電極スイッチング手段にて選択されている第2電極群
の電極に誘起された検出信号と上記基本波形信号との差
分信号を抽出する差分抽出手段と、上記差分信号が所定
値を越えたことを検出し、これを検出したときに第2電
極スイッチング手段にて選択されている第2電極群の電
極からx座標を検出するX座標検出手段と、上記差分信
号と上記疑似ランダム信号との相関をとる相関検出手段
と、上記相関検出手段の出力の極値を求めてy座標を検
出するY座標検出手段とを備えている構成である。
【0169】それゆえ、第1電極群の各々の電極が同時
に電位変化をおこしており、それによって誘起される電
圧の僅かな変化に対して相関をとることで、効率良くエ
ネルギーを集めることと等価になるので、ノイズの少な
い良好な座標信号が得られる。その結果、指示体と座標
入力装置との距離が離れていても、また、高速に走査し
ても良好な座標検出精度が得られるという効果を奏す
る。さらに、第2電極スイッチング手段による第2電極
群の電極切り替えを行っているので、座標検出期間内に
おいて複数の座標を検出することができ、複数の指示体
による同時座標入力が可能であるという効果を併せて奏
する。
【0170】以上のように、請求項2の発明に係る座標
入力装置は、表示パネル基板上に所定間隔で配列された
第1電極群と、第1電極群とは交差して所定間隔で配列
されると共に当該第1電極群と絶縁されて静電結合して
いる第2電極群と、上記第1電極群を駆動する第1順次
駆動手段と、上記第2電極群を駆動する第2順次駆動手
段と、検出座標に応じた表示情報に基づいて第1および
第2順次駆動手段を駆動するための表示制御信号を発生
する表示制御手段と、自己相関関数がパルス的な疑似ラ
ンダム信号を発生する疑似ランダム信号発生手段と、表
示期間には上記表示制御信号を選択すると共に、座標検
出期間には上記疑似ランダム信号を選択して、第1およ
び第2順次駆動手段へ時分割出力する出力切替手段と、
座標検出期間を複数の単位期間に分割し、各単位期間毎
に第2電極群の電極を1本又は隣接する複数本単位で選
択的に切り替える第2電極スイッチング手段と、上記の
各単位期間中に、第1電極群の各電極に相互に位相の異
なる疑似ランダム信号が順次印加されるように第1順次
駆動手段を制御する制御手段と、指示体が座標位置を指
示していないときに第2電極群の1本又は隣接する複数
本単位の電極に誘起される電圧波形と略同波形の基本波
形信号を出力する基本波形出力手段と、第2電極スイッ
チング手段にて選択されている第2電極群の電極に誘起
された検出信号と上記基本波形信号との差分信号を抽出
する差分抽出手段と、上記差分信号が所定値を越えたこ
とを検出し、これを検出したときに第2電極スイッチン
グ手段にて選択されている第2電極群の電極からx座標
を検出するX座標検出手段と、上記差分信号と上記疑似
ランダム信号との相関をとる相関検出手段と、上記相関
検出手段の出力の極値を求めてy座標を検出するY座標
検出手段とを備えている構成である。
【0171】それゆえ、上記の請求項1の発明と同様に
ノイズの少ない良好な座標信号が得られ、指示体と座標
入力装置との距離が離れていても、また、高速に走査し
ても良好な座標検出精度が得られると共に、複数の指示
体による同時座標入力が可能であるという効果を奏す
る。さらに、表示機能と座標検出機能との各構成要素を
時分割で共用しているので、簡単な構成で表示機能と高
精度な座標入力とが可能になるという効果を併せて奏す
る。
【0172】以上のように、請求項3の発明に係る座標
入力装置は、請求項2の発明の構成において、上記の表
示パネルが、第1および第2電極群に接続される複数の
スイッチング素子と、該スイッチング素子が接続された
複数の画素電極がマトリクス状に配置された透明画素電
極と、該透明画素電極に対向して設けられた対向電極と
を備え、該スイッチング素子を駆動して該透明画素電極
と対向電極との間に封入された液晶の光学的性質を制御
する液晶表示パネルである構成となっている。
【0173】この場合、液晶表示パネルの開口率を高め
るために第1および第2電極群の面積を極力減らした場
合でも、疑似ランダム信号の相関検出により、低い電圧
駆動でも高精度の座標検出が可能である。したがって、
この種の液晶表示パネルへの適用は非常に有効であると
いう効果を奏する。
【0174】以上のように、請求項4の発明に係る座標
入力装置は、請求項2の発明の構成において、上記の表
示パネルは、対向して設けられた第1電極群と第2電極
群との間に封入された液晶の光学的性質を、第1電極群
と第2電極群との間の実効的印加電圧によって制御する
液晶表示パネルである構成となっている。
【0175】この場合、液晶表示パネルの入力面から見
て裏側に位置する電極群に誘起される電圧が小さくなる
が、疑似ランダム信号の相関検出により、有効に検出エ
ネルギーを集めて良好な座標検出が可能である。したが
って、この種の液晶表示パネルへの適用は非常に有効で
あるという効果を奏する。
【0176】以上のように、請求項5の発明に係る座標
入力装置は、請求項1、2、3または4の発明の構成に
おいて、上記の疑似ランダム信号がM系列信号である構
成となっている。
【0177】そえゆえ、疑似ランダム信号(M系列信
号)を回路規模の小さい疑似ランダム信号発生手段にて
発生させることができるので、請求項1、2、3または
4の発明の効果に加えて、高速で動作する消費電力の小
さい携帯型の座標入力装置を構成する際に有利となると
いう効果を併せて奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る座標入力装置
の要部の構成を示すブロック図である。
【図2】上記座標入力装置の動作を示すタイミングチャ
ートである。
【図3】指示体としての指と行電極および列電極との静
電結合の状態を示す説明図である。
【図4】上記座標入力装置に指示体を近づけていないと
きの電気的結合状態を示す説明図である。
【図5】上記座標入力装置に指示体としての指を近づけ
たときの電気的結合状態を示す説明図である。
【図6】行電極と列電極との間の電気力線を示す説明図
である。
【図7】上記座標入力装置に指示体としての指を近づけ
たときの、指と行および列電極との間の電気力線を示す
説明図である。
【図8】Y軸方向における列電極S3と各行電極との結
合容量特性を示すグラフである。
【図9】上記座標入力装置における相関演算器の出力の
周波数スペクトラムを示すグラフである。
【図10】上記座標入力装置におけるLPFの信号伝達
特性を示すグラフである。
【図11】上記LPFの出力の周波数スペクトラムを示
すグラフである。
【図12】上記座標入力装置におけるM系列発生回路の
構成例を示す回路図である。
【図13】上記M系列発生回路の動作を示すタイミング
チャートである。
【図14】上記座標入力装置における行電極駆動回路の
構成例を示す回路図である。
【図15】上記座標入力装置におけるスイッチ回路の構
成例を示す回路図である。
【図16】上記座標入力装置における相関演算器の構成
例を示す回路図である。
【図17】理想的な検出波形の場合の上記相関演算器の
動作を示すタイミングチャートである。
【図18】空間的ローパスフィルタの効果を含めた実際
の検出波形の場合の上記相関演算器の動作を示すタイミ
ングチャートである。
【図19】LPFをFIR型ローパスフィルタとした場
合の構成例を示す回路図である。
【図20】上記FIR型ローパスフィルタの動作を示す
タイミングチャートである。
【図21】上記座標入力装置におけるY座標検出回路の
構成例を示す回路図である。
【図22】上記Y座標検出回路の動作を示すタイミング
チャートである。
【図23】上記Y座標検出回路における補正回路の構成
を示す回路図である。
【図24】上記座標入力装置における出力回路の構成を
示す回路図である。
【図25】上記出力回路の動作を示すタイミングチャー
トである。
【図26】本発明の第2の実施の形態にかかる表示一体
型の座標入力装置の要部の構成を示すブロック図であ
る。
【図27】上記表示一体型座標入力装置の動作を示すタ
イミングチャートである。
【図28】上記表示一体型座標入力装置におけるTFT
のドレイン電流対ゲート電圧特性を示すグラフである。
【図29】上記表示一体型座標入力装置の表示期間にお
ける表示動作を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 タイミング発生回路(制御手段) 2 M系列発生回路(疑似ランダム信号発生手段) 3 列電極駆動回路(第1電極駆動手段、第1順次駆
動手段) 4 行電極駆動回路(第2順次駆動手段) 5 座標入力パネル基板(基板) 5’ TFT液晶表示パネル(表示パネル) 6 列電極群(第1電極群) 7 行電極群(第2電極群) 8 指示体 10 検出回路 11 差動増幅回路(差分抽出手段) 12 A/D変換器 13 相関演算器(相関検出手段) 14 ローパスフィルタ 15 Y座標検出回路(Y座標検出手段) 16 出力回路 17 基本パターン発生回路(基本波形出力手段) 18 X座標検出回路(X座標検出手段) 19 スイッチ回路(第2電極スイッチング手段) 20 情報処理装置 201 表示制御回路(表示制御手段) 202 切り替え回路(出力切替手段) 206 TFT(スイッチング素子)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性の指示体が指示する面上の座標を検
    出して座標データを出力する座標入力装置であって、 基板上に所定間隔で配列された第1電極群と、 第1電極群とは交差して所定間隔で配列されると共に当
    該第1電極群と絶縁されて静電結合している第2電極群
    と、 座標検出期間を複数の単位期間に分割し、各単位期間毎
    に第2電極群の電極を1本又は隣接する複数本単位で選
    択的に切り替える第2電極スイッチング手段と、 自己相関関数がパルス的な疑似ランダム信号を発生する
    疑似ランダム信号発生手段と、 上記の各単位期間中に、第1電極群の各電極に相互に位
    相の異なる疑似ランダム信号を順次印加する第1電極駆
    動手段と、 指示体が座標位置を指示していないときに第2電極群の
    1本又は隣接する複数本単位の電極に誘起される電圧波
    形と略同波形の基本波形信号を出力する基本波形出力手
    段と、 第2電極スイッチング手段にて選択されている第2電極
    群の電極に誘起された検出信号と上記基本波形信号との
    差分信号を抽出する差分抽出手段と、 上記差分信号が所定値を越えたことを検出し、これを検
    出したときに第2電極スイッチング手段にて選択されて
    いる第2電極群の電極からx座標を検出するX座標検出
    手段と、 上記差分信号と上記疑似ランダム信号との相関をとる相
    関検出手段と、 上記相関検出手段の出力の極値を求めてy座標を検出す
    るY座標検出手段とを備えていることを特徴とする座標
    入力装置。
  2. 【請求項2】座標検出期間中に導電性の指示体が指示す
    る表示パネル上の座標を検出すると共に、その後の表示
    期間中の表示制御によって検出座標に応じた表示情報を
    表示パネル上に表示する表示一体型の座標入力装置であ
    って、 表示パネル基板上に所定間隔で配列された第1電極群
    と、 第1電極群とは交差して所定間隔で配列されると共に当
    該第1電極群と絶縁されて静電結合している第2電極群
    と、 上記第1電極群を駆動する第1順次駆動手段と、 上記第2電極群を駆動する第2順次駆動手段と、 検出座標に応じた表示情報に基づいて第1および第2順
    次駆動手段を駆動するための表示制御信号を発生する表
    示制御手段と、 自己相関関数がパルス的な疑似ランダム信号を発生する
    疑似ランダム信号発生手段と、 表示期間には上記表示制御信号を選択すると共に、座標
    検出期間には上記疑似ランダム信号を選択して、第1お
    よび第2順次駆動手段へ時分割出力する出力切替手段
    と、 座標検出期間を複数の単位期間に分割し、各単位期間毎
    に第2電極群の電極を1本又は隣接する複数本単位で選
    択的に切り替える第2電極スイッチング手段と、 上記の各単位期間中に、第1電極群の各電極に相互に位
    相の異なる疑似ランダム信号が順次印加されるように第
    1順次駆動手段を制御する制御手段と、 指示体が座標位置を指示していないときに第2電極群の
    1本又は隣接する複数本単位の電極に誘起される電圧波
    形と略同波形の基本波形信号を出力する基本波形出力手
    段と、 第2電極スイッチング手段にて選択されている第2電極
    群の電極に誘起された検出信号と上記基本波形信号との
    差分信号を抽出する差分抽出手段と、 上記差分信号が所定値を越えたことを検出し、これを検
    出したときに第2電極スイッチング手段にて選択されて
    いる第2電極群の電極からx座標を検出するX座標検出
    手段と、 上記差分信号と上記疑似ランダム信号との相関をとる相
    関検出手段と、 上記相関検出手段の出力の極値を求めてy座標を検出す
    るY座標検出手段とを備えていることを特徴とする座標
    入力装置。
  3. 【請求項3】上記の表示パネルは、第1および第2電極
    群に接続される複数のスイッチング素子と、該スイッチ
    ング素子が接続された複数の画素電極がマトリクス状に
    配置された透明画素電極と、該透明画素電極に対向して
    設けられた対向電極とを備え、該スイッチング素子を駆
    動して該透明画素電極と対向電極との間に封入された液
    晶の光学的性質を制御する液晶表示パネルであることを
    特徴とする請求項2記載の座標入力装置。
  4. 【請求項4】上記の表示パネルは、対向して設けられた
    第1電極群と第2電極群との間に封入された液晶の光学
    的性質を、第1電極群と第2電極群との間の実効的印加
    電圧によって制御する液晶表示パネルであることを特徴
    とする請求項2記載の座標入力装置。
  5. 【請求項5】上記の疑似ランダム信号は、M系列信号で
    あることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の
    座標入力装置。
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