JPH09292564A - 焦点調節装置 - Google Patents

焦点調節装置

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Publication number
JPH09292564A
JPH09292564A JP8102782A JP10278296A JPH09292564A JP H09292564 A JPH09292564 A JP H09292564A JP 8102782 A JP8102782 A JP 8102782A JP 10278296 A JP10278296 A JP 10278296A JP H09292564 A JPH09292564 A JP H09292564A
Authority
JP
Japan
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optical system
photographing optical
focus
feeding
speed
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Application number
JP8102782A
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English (en)
Inventor
Shozo Yamano
省三 山野
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、撮影光学系の一部もしくは全部を
繰り出すことにより、光学機器の焦点調節を行う焦点調
節装置に関し、焦点調節の応答性を保ちつつ、撮影光学
系が繰り出し端に衝突した際の衝撃を大幅に軽減するこ
とができる焦点調節装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 撮影光学系Zの焦点調節状態に対応する
焦点情報を検出する焦点検出手段1と、焦点検出手段1
により検出された焦点情報に基づいて、撮影光学系Zを
合焦位置まで繰り出す焦点調節手段2と、撮影光学系Z
が繰り出し端の近傍に位置するか否かを判定する端点判
定手段3と、端点判定手段3による判定結果が真である
ときは、撮影光学系Zの繰り出し速度を制限する速度制
限手段4とを備えて構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、撮影光学系の一部
もしくは全部を繰り出すことにより、光学機器の焦点調
節を行う焦点調節装置に関し、特に、撮影光学系が繰り
出し範囲の限界に近づいたことを判断し、繰り出し速度
を前もって制限する焦点調節装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、カメラなどの光学機器には、焦点
の自動調節を行うために、焦点調節装置が搭載されてい
る。この種の焦点調節装置では、公知の焦点検出方式
(位相差検出方式や外光パッシブ方式など)を用いて、
焦点情報(デフォーカス量や測距値など)の検出が行わ
れる。
【0003】通常、焦点調節装置は、この焦点情報に応
じて撮影光学系を可動範囲内で繰り出し、撮影光学系を
合焦位置に到達させる。しかしながら、撮影対象である
被写体が最短撮影距離よりも至近に位置するようなケー
スでは、撮影光学系は可動範囲内で停止せず、可動範囲
外に向けて駆動される。
【0004】このような場合、撮影光学系は、可動範囲
の両端(以下「繰り出し端」という)まで通常の速度で
駆動され、繰り出し端に突然衝突して急停止する。この
衝突状態で、焦点調節装置は、撮影光学系の移動停止を
所定時間にわたって確認した後、「繰り出し端に到達し
た」と判断して撮影光学系の駆動を停止する。
【0005】また、上述の焦点調節装置の一種として、
撮影光学系を至近側と無限側との間で強制的に移動しつ
つ(以下、このような動作を「走査駆動」という)、焦
点情報の検出を繰り返し実行するものが知られている。
この種の焦点調節装置では、被写体のコントラストが極
度に低かったり、焦点検出部の検出範囲外に被写体像面
が形成されているような状況下において、焦点情報を確
実に検出する目的から、走査駆動を実行する。
【0006】通常、このような走査駆動は、焦点情報が
正確に検出された時点で中断され、焦点調節装置は、上
述した焦点調節の動作に移行する。しかしながら、白壁
などのように均一輝度の被写体については、焦点検出が
極めて困難となるために走査駆動が中断されず、撮影光
学系は、繰り出し端に突然衝突して急停止する。
【0007】この衝突状態で、焦点調節装置は、撮影光
学系の移動停止を所定時間にわたって確認した後、撮影
光学系の走査駆動を停止する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の焦点調節装置で
は、上述のように、撮影光学系が繰り出し端に通常速度
で衝突するため、撮影光学系および繰り出し機構に与え
る衝撃が大きいという問題点があった。
【0009】そのため、撮影光学系および繰り出し機構
の耐久性を損なうおそれがあるという問題点があった。
また、撮影光学系に衝撃が継続的に加わることにより、
レンズ位置などに僅かなズレを生じるおそれがあり、光
学性能の低下を招くおそれがあるという問題点があっ
た。
【0010】さらに、焦点調節装置は、撮影光学系の衝
突後も、所定時間にわたって撮影光学系を全速駆動す
る。この期間中は、繰り出し機構の機械的な負荷が極端
に重くなるため、繰り出し機構の消費電力は極度に急増
する。そのため、内蔵バッテリーの使用可能時間が無効
に短縮されたり、内蔵バッテリの特性低下を早めるとい
う問題点があった。
【0011】また、撮影光学系が繰り出し端に通常速度
で衝突するため、大きな衝突音を生じるという問題点が
あった。このような衝突音は、音楽会のように静寂さを
要求される環境下の撮影においては、非常に問題となる
ものであった。一般的には、このような問題点を解決す
るために、焦点調節時および走査駆動時の繰り出し速度
を一律に遅くするという方策が考えられる。
【0012】しかしながら、このような方策に従って焦
点調節時の繰り出し速度を遅くすると、撮影光学系が合
焦位置に到達するまでの所要時間が長くなるため、焦点
調節の応答性低下が甚だしく、貴重なシャッタチャンス
を逃してしまうという問題点があった。さらに、走査駆
動時の繰り出し速度を遅くすると、焦点を検出するまで
の所要時間が長くなるため、焦点調節の開始が遅くなる
という問題点があった。
【0013】そこで、請求項1に記載の発明では、これ
らの問題点を解決するために、焦点調節の応答性を保ち
つつ、撮影光学系および繰り出し機構にかかる衝撃を大
幅に軽減することができる焦点調節装置を提供すること
を目的とする。請求項2に記載の発明では、走査駆動時
においても、撮影光学系および繰り出し機構にかかる衝
撃を大幅に軽減することができる焦点調節装置を提供す
ることを目的とする。
【0014】請求項3に記載の発明では、請求項1の目
的と併せて、焦点調節または走査駆動の応答性を一層早
めることができる焦点調節装置を提供することを目的と
する。請求項4に記載の発明では、請求項1の目的と併
せて、撮影光学系の繰り出し速度をより有効に制限する
ことにより、焦点調節の応答性を一層早めることができ
る焦点調節装置を提供することを目的とする。
【0015】請求項5に記載の発明では、請求項1の目
的と併せて、繰り出し端の位置が異なる撮影光学系が交
換装着される場合においても、撮影光学系を的確に速度
制限することができる焦点調節装置を提供することを目
的とする。請求項6に記載の発明では、請求項1の目的
と併せて、撮影光学系内部に絶対位置センサの類を一切
配置することなく、繰り出し端の近傍を簡便かつ確実に
検出することができる焦点調節装置を提供することを目
的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】図1は、請求項1に記載
の発明を説明する原理ブロック図である。請求項1に記
載の発明は、撮影光学系Zの焦点調節状態に対応する焦
点情報を検出する焦点検出手段1と、焦点検出手段1に
より検出された焦点情報に基づいて、撮影光学系Zを合
焦状態まで繰り出す焦点調節手段2と、撮影光学系Zが
繰り出し端の近傍に位置するか否かを判定する端点判定
手段3と、端点判定手段3による判定結果が真であると
きは、撮影光学系Zの繰り出し速度を制限する速度制限
手段4とを備えて構成する。
【0017】図2は、請求項2に記載の発明を説明する
原理ブロック図である。請求項2に記載の発明は、請求
項1に記載の焦点調節装置において、上述の焦点検出手
段1は、撮影光学系Zを強制的に繰り出す走査駆動手段
5と、走査駆動手段5により繰り出される撮影光学系Z
について焦点情報を順次検出する走査検出手段6とを備
えて構成する。
【0018】図3は、請求項3に記載の発明を説明する
原理ブロック図である。請求項3に記載の発明は、請求
項1または請求項2に記載の焦点調節装置において、撮
影光学系Zの繰り出し方向を判断する方向判断手段7を
備え、上述の端点判定手段3においては、繰り出し方向
の先に位置する繰り出し端について、その繰り出し端の
近傍に撮影光学系Zが位置するか否かを判定する。
【0019】図4は、請求項4に記載の発明を説明する
原理ブロック図である。請求項4に記載の発明は、請求
項1乃至3のいずれか1項に記載の焦点調節装置におい
て、撮影光学系Zが減速中か否かを判断する減速判断手
段8を備え、速度制限手段4においては、減速判断手段
8により減速中と判断されたときに、撮影光学系Zの繰
り出し速度を制限しない。
【0020】図5は、請求項5に記載の発明を説明する
原理ブロック図である。請求項5に記載の発明は、請求
項1乃至4のいずれか1項に記載の焦点調節装置におい
て、上述の端点判定手段3を、撮影光学系Zごとに個別
配置されかつ撮影光学系Zが繰り出し端の近傍に位置す
るか否かを検出する絶対位置センサ3aと、その絶対位
置センサ3aの出力情報を、撮影光学系Zのマウント部
を介して、速度制限手段4側に伝達する伝達機構3bと
から構成する。
【0021】図6は、請求項6に記載の発明を説明する
原理ブロック図である。請求項6に記載の発明は、請求
項1乃至4のいずれか1項に記載の焦点調節装置におい
て、上述の端点判定手段3を、撮影光学系Zが繰り出し
端に到達した際に、繰り出し位置を記憶する端点記憶手
段3cと、端点記憶手段3cに記憶された繰り出し位置
の近傍に、撮影光学系Zが位置するか否かを判定する相
対位置判定手段3dとから構成する。
【0022】(作用)請求項1にかかわる焦点調節装置
では、焦点検出手段1が、公知の焦点検出方式(例え
ば、位相差検出方式,外光パッシブ方式,外光アクティ
ブ方式など)に基づいて、撮影光学系Zの焦点状態と相
関する焦点情報(例えば、デフォーカス量や測距値な
ど)を検出する。
【0023】焦点調節手段2は、この焦点情報に基づい
て、撮影光学系Zを合焦位置まで繰り出す。このような
焦点調節中に、端点判定手段3により、撮影光学系Zが
繰り出し端の近傍に移動したと判定されると、速度制限
手段4は、撮影光学系Zの繰り出し速度を強制的に制限
する。
【0024】以上説明した動作により、繰り出し端の近
傍では、撮影光学系Zが繰り出し端に衝突する際の速度
が制限される。そのため、衝突時に、撮影光学系Zおよ
び繰り出し機構に生じる衝撃が格段に軽減される。その
一方、繰り出し端の近傍以外では、撮影光学系Zの繰り
出し速度は一切制限されない。そのため、この繰り出し
端の近傍以外では、焦点調節の応答性が損なわれること
がない。
【0025】また、撮影光学系Zおよび繰り出し機構に
かかる衝撃が従来と同じ程度でよい場合は、繰り出し端
の近傍で撮影光学系Zが減速される分だけ、通常の繰り
出し速度を増速することが可能となる。その結果、焦点
調節の応答性を向上させることができる。請求項2にか
かわる焦点調節装置では、走査駆動手段5が、撮影光学
系Zに対し走査駆動を実行する。この走査駆動と並行し
て、走査検出手段6は、焦点情報の繰り返し検出を行
う。
【0026】この走査駆動中に、端点判定手段3におい
て「撮影光学系Zが繰り出し端の近傍に移動した」と判
定されると、速度制限手段4は、撮影光学系Zの繰り出
し速度を強制的に制限する。このような動作により、走
査駆動によって撮影光学系Zが繰り出し端に衝突する際
の衝突速度が制限される。そのため、衝突時に、撮影光
学系Zおよび繰り出し機構に生じる衝撃が格段に軽減さ
れる。
【0027】その一方、繰り出し端の近傍以外では、撮
影光学系Zの走査駆動時の繰り出し速度は一切制限され
ない。そのため、撮影光学系Zの走査駆動を迅速に行う
ことができる。また、撮影光学系Zおよび繰り出し機構
にかかる衝撃が従来と同じ程度でよい場合は、繰り出し
端の近傍で撮影光学系Zが減速される分だけ、通常の走
査駆動時の繰り出し速度を増速することが可能となる。
その結果、走査駆動に所要する時間を短縮することがで
きる。
【0028】請求項3にかかわる焦点調節装置では、方
向判断手段7が、撮影光学系Zの繰り出し方向を判断す
る。端点判定手段3は、この繰り出し方向の先に位置す
る繰り出し端について、その繰り出し端の近傍に撮影光
学系Zが位置するか否かを判定する。この判定結果が真
の場合、速度制限手段4は、撮影光学系Zの繰り出し速
度を制限する。
【0029】以上のように、繰り出し方向の先に位置す
る繰り出し端について、その繰り出し端に撮影光学系Z
が近づいたか否かの判定が行われるので、繰り出し端に
衝突するか否かを的確に予測することができる。このよ
うな予測に従って、撮影光学系Zの減速が行われるの
で、撮影光学系Zおよび繰り出し機構にかかる衝撃が、
確実に軽減される。
【0030】また、撮影光学系Zが、繰り出し端の近傍
にたとえ位置していても、その繰り出し端から離れる方
向に繰り出される場合には、撮影光学系Zの速度制限は
行われない。その結果、焦点調節または走査駆動時の応
答性が高められる。特に、撮影光学系Zが繰り出し端に
衝突して停止した後、逆方向に始動される際に速度制限
がなされないので、素早く加速を行うことができる。し
たがって、焦点調節または走査駆動が格段に高速化さ
れ、その応答性を顕著に高めることができる。
【0031】請求項4にかかわる焦点調節装置では、減
速判断手段8が、撮影光学系Zが減速中か否かを判断す
る。速度制限手段4は、減速判断手段8により減速中と
判断されたときは、撮影光学系Zの繰り出し速度を制限
しない。一般的に、撮影光学系Zは、合焦位置に近づく
に従って減速される。このような減速状態においては、
特段の速度制限を行わなくとも、繰り出し端に衝突した
際に生じる衝撃は小さい。
【0032】そこで、上述のように、減速状態における
速度制限を省くことにより、必要以上の減速を防ぎ、撮
影光学系Zを迅速に合焦位置まで到達させることができ
る。請求項5にかかわる焦点調節装置では、絶対位置セ
ンサ3aを、撮影光学系Zごとに個別配置する。伝達機
構3bは、この絶対位置センサ3aの出力情報を、撮影
光学系Zのマウント部を介して速度制限手段4側に伝達
する。
【0033】このような構成により、撮影光学系個別に
端点判定が行われる。したがって、構造の異なる複数の
撮影光学系が交換使用されるような場合においても、使
用される撮影光学系ごとに端点判定が適切に行われる。
請求項6にかかわる焦点調節装置では、端点記憶手段3
cが、撮影光学系Zが繰り出し端に到達した際に、その
繰り出し位置を記憶する。
【0034】相対位置判定手段3dは、撮影光学系Zの
相対位置(この相対位置は、例えば繰り出し量の累積に
より算出される)が、「端点記憶手段3cに記憶された
繰り出し位置」に、再び近づくか否かを判定する このような判定により、撮影光学系Zが繰り出し端に一
旦到達した後は、その繰り出し端の位置を確実に捕捉
し、撮影光学系Zが繰り出し端の近傍に位置したか否か
を的確に判定することができる。
【0035】また、撮影光学系Zごとに新規の構成部品
を搭載する必要がないので、撮影光学系Z個々の構成が
複雑にならず、その上、従来の撮影光学系Zをそのまま
使用して、本発明を構成することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明にお
ける実施の形態を説明する。
【0037】図7は、第1の実施形態(請求項1〜5に
対応する)を示す図である。図において、カメラボディ
11にはボディマイコン12が搭載され、ボディマイコ
ン12の第1の入力端子には、A/D変換回路13を介
して、位相差検出方式の焦点検出部14が接続される。
ボディマイコン12の第1の出力端子(パルス幅変調出
力)には、ドライブ回路15を介してモータ16が接続
され、モータ16の駆動力は、連結部材17,18を介
して、レンズ鏡胴19側の繰り出し機構20に伝達され
る。
【0038】また、モータ16の駆動軸には回転量と回
転方向とに応じて2系統のパルスを発生するパルス発生
器21が取り付けられる。このパルス発生器21のパル
ス出力は、ボディマイコン12の第2の入力端子に入力
される。また、ボディマイコン12の電源端子には、D
C−DCコンバータ22を介して電池23が接続され、
ボディマイコン12のリセット端子には、電源電圧の立
ち上がりから所定の時間遅れて信号を出力するリセット
IC24が接続される。
【0039】ボディマイコン12の第3の入力端子に
は、レリーズ釦の半押しスイッチ25が接続され、ボデ
ィマイコン12の通信端子群26は、レンズマウント部
を介して、レンズ鏡胴19側のレンズマイコン30に接
続される。レンズ鏡胴19内部には、撮影光学系32が
可動自在に配置され、レンズマイコン30の入力端子に
は、撮影光学系32の繰り出し位置を検出する繰り出し
位置エンコーダ31が接続される。
【0040】この繰り出し位置エンコーダ31は、撮影
光学系32の回転筒部分にパターン配線された接地パタ
ーンと、その接地パターンと摺接する接片とから構成さ
れる。また、レンズマイコン30の電源端子は、レンズ
マウント部を介してDC−DCコンバータ22に接続さ
れ、レンズマイコン30のリセット端子は、電源端子の
電圧立ち上がりに所定の時間遅れて信号を出力するリセ
ットIC34が接続される。
【0041】なお、請求項1に記載の発明と第1の実施
形態との対応関係については、焦点検出手段1は焦点検
出部14およびボディマイコン12内の「デフォーカス
量の演算機能」に対応し、焦点調節手段2は、ドライブ
回路15,モータ16,繰り出し機構20,パルス発生
器21およびボディマイコン12内の「モータ駆動量の
演算機能」に対応し、端点判定手段3は、繰り出し位置
エンコーダ31およびレンズマイコン30内の「撮影距
離の換算機能」に対応し、速度制限手段4は、ボディマ
イコン12内の速度制限機能に対応する。
【0042】請求項2に記載の発明と第1の実施形態と
の対応関係については、走査駆動手段5はドライブ回路
15,モータ16,繰り出し機構20およびボディマイ
コン12内の「モータ駆動量の出力機能」に対応し、走
査検出手段6は焦点検出部14およびボディマイコン1
2内の「デフォーカス量の演算機能」に対応する。請求
項3に記載の発明と第1の実施形態との対応関係につい
ては、方向判断手段7が、ボディマイコン12内の「モ
ータ駆動方向の判断機能」に対応する。
【0043】請求項4に記載の発明と第1の実施形態と
の対応関係については、減速判断手段8が、ボディマイ
コン12内の「モータ駆動速度の判断機能」に対応す
る。請求項5に記載の発明と第1の実施形態との対応関
係については、絶対位置センサ3aが繰り出し位置エン
コーダ31に対応し、伝達機構3bがレンズマイコン3
0内のデータ通信機能に対応する。
【0044】図8〜11は、第1の実施形態の動作を示
す流れ図である。以下、これらの図を用いて、第1の実
施形態の動作を説明する。まず、レリーズ釦に連動する
半押しスイッチ25が押されると(ステップS1)、D
C−DCコンバータ22が動作を開始し、電源ラインに
電源電圧を供給する。電源電圧の立ち上がりに僅かに遅
れて、ボディマイコン12およびレンズマイコン30に
リセット入力が印加され、それぞれの内蔵ROMに記憶
されたプログラムの実行を開始する。
【0045】まず、ボディマイコン12は、フラグ類や
データ領域などの初期化処理を行った後、レンズマイコ
ン30側とのデータ通信を開始し、撮影光学系32に固
有のレンズ情報を順次取得する(ステップS2)。これ
らのレンズ情報には、開放F値,焦点距離,射出瞳位置
情報,最大絞り値,連結部材17の回転数とレンズの繰
り出し量との変換係数,レンズ識別信号,収差補正量,
距離信号情報などが含まれる。
【0046】このようなデータ通信に並行して、焦点検
出部14の内部では、焦点検出用CCDに対する光電荷
の蓄積が実行される(ステップS3)。焦点検出用CC
Dの受光面には、撮影光束を分割結像した一組の光像が
形成される。これらの光像は画像信号に順次変換され、
ボディマイコン12に取り込まれる。
【0047】ボディマイコン12では、これらの画像信
号について相関演算を行い、一組の光像について位相差
を算出する。この位相差に基づいて、ボディマイコン1
2は、被写体像面と撮像面とのズレ量に相当するデフォ
ーカス量を算出する(ステップS4)。次に、レンズ駆
動処理ルーチンが実行される。以下、図9を用いて、レ
ンズ駆動処理ルーチンを説明する。
【0048】まず、ボディマイコン12は、上述の画像
信号について相関演算を行った際に、デフォーカス量を
検出できる程度に、十分な相関があったか否かを判定す
る(ステップS11)。デフォーカス量を検出できる程
度の相関が得られた場合、ボディマイコン12は、デフ
ォーカス量の大きさが所定の合焦認定値より小さいか否
かを判定する(ステップS12)。
【0049】合焦認定値より小さなデフォーカス量が得
られた場合、ボディマイコン12は、撮影光学系32が
合焦状態にあると判断して合焦表示を行い(ステップS
13)、モータ16のハンチング動作を防止するために
サーボ駆動の目標値を更新せずに、レンズ駆動処理ルー
チンを終了する。また、合焦認定値を超えるデフォーカ
ス量が得られた場合、ボディマイコン12は、後述する
最大駆動速度判定を実施する(ステップS14)。
【0050】ここでの最大駆動速度判定により、焦点調
節時における速度制限の当否が決定される。続いて、ボ
ディマイコン12は、最新のデフォーカス量に基づい
て、モータ16のサーボ駆動に対する目標値の更新を行
い(ステップS15)、レンズ駆動処理ルーチンを終了
する。
【0051】一方、ステップS11において、デフォー
カス量を検出できないと判定されたときは、ボディマイ
コン12は、今回の被写体について「撮影光学系32の
走査駆動」が既に実施されているか否かを判断する(ス
テップS16)。
【0052】走査駆動が既に実施されている場合は、デ
フォーカス量の検出不可能な被写体であると判断できる
ので、ボディマイコン12は、走査駆動を行わずに、レ
ンズ駆動処理ルーチンを終了する。また、走査駆動が実
施されていない場合、ボディマイコン12は、後述する
最大駆動速度判定を実施する(ステップS17)。
【0053】ここでの最大駆動速度判定により、走査駆
動時における速度制限の当否が決定される。続いて、ボ
ディマイコン12は、走査駆動の開始に伴う処理、もし
くは継続に伴う処理を行い(ステップS18〜19)、
レンズ駆動処理ルーチンを終了する。以上述べた動作
(図8,図9)により、レリーズが半押しされている期
間に、「デフォーカス量の検出」,「サーボ駆動の目標
値更新」,「走査駆動の開始処理」などが適時に実行さ
れる。
【0054】以下、図10を用いて、上述した最大駆動
速度判定を説明する。レンズマイコン30側では、繰り
出し位置エンコーダ31の出力パターンを取り込む。レ
ンズマイコン30は、この出力パターンを、図12に示
すような変換テーブルを用いて、撮影光学系32の絶対
位置に相当する撮影距離に換算する。この撮影距離は、
カメラマウント部の通信端子群26を介して、ボディマ
イコン12側に順次伝達される(ステップS21)。
【0055】ボディマイコン12は、モータ16の駆動
方向に基づいて、撮影光学系32の繰り出し方向の先が
無限端側か否かを判定する(ステップS22)。撮影光
学系32が無限端側に繰り出されていると、ボディマイ
コン12は、撮影距離が「10.6m」以上か否かを判定す
る(ステップS23)。ここで、撮影距離が「10.6m」
以上ならば、ボディマイコン12は、撮影光学系32が
無限端に衝突すると予測して、速度制限フラグをセット
する(ステップS24)。
【0056】また、撮影距離が「10.6m」未満ならば、
ボディマイコン12は、撮影光学系32が無限端に衝突
しないと予測して、速度制限フラグをリセットする(ス
テップS25)。一方、ステップS22において、撮影
光学系32が至近端側に繰り出されていると、ボディマ
イコン12は、撮影距離が「0.50m」以下か否かを判定
する(ステップS26)。
【0057】ここで、撮影距離が「0.50m」以下なら
ば、ボディマイコン12は、撮影光学系32が至近端に
衝突すると予測して、速度制限フラグをセットする(ス
テップS24)。また、撮影距離が「0.50m」より上な
らば、ボディマイコン12は、撮影光学系32が至近端
に衝突しないと予測して、速度制限フラグをリセットす
る(ステップS25)。
【0058】なお、これらの閾値は、レンズ鏡胴19の
レンズ識別情報などに応じて適宜に変更される。これら
一連の動作(ステップS21〜26)により、最大駆動
速度判定が行われる。次に、図11を用いて、インター
バル割り込み処理を説明する。これは、一定時間ごとに
生じる割り込み処理であり、撮影光学系32を実際に繰
り出す動作に該当する。
【0059】まず、ボディマイコン12は、撮影光学系
32が繰り出し中であるか否かを判定する(ステップS
31)。ここで、繰り出し中でなければ、そのまま割り
込み処理を終了する。一方、繰り出し中であれば、ボデ
ィマイコン12は、走査駆動中あるいは焦点調節中のど
ちらかを判定する(ステップS32)。
【0060】焦点調節中であれば、ボディマイコン12
は、デフォーカス量からモータ16の残駆動量などを算
出し、残駆動量などの値に応じて、モータ16に対する
PWM出力のデューティ比を算出する(ステップS3
3)。次に、ボディマイコン12は、撮影光学系32が
合焦位置に近づいたために、モータ16が減速中か否か
を判定する(ステップS34)。
【0061】ここで、モータ16が減速中でない場合、
ボディマイコン12は、速度制限フラグがセット状態な
らば(ステップS35)、衝突寸前であると予測される
ので、PWM出力のデューティ比を60%程度に制限す
る(ステップS36)。一方、速度制限フラグがリセッ
ト状態ならば、衝突のおそれがないと予測されるので、
PWM出力のデューティ比をそのままで出力する(ステ
ップS37)。
【0062】一方、モータ16が減速中の場合、ボディ
マイコン12は、衝突時の衝撃が十分に小さいと予測さ
れるので、焦点調節の応答性の方を優先して、PWM出
力のデューティ比をそのまま出力する(ステップS3
7)。また、ステップS32において走査駆動中と判定
された場合、ボディマイコン12は、速度制限フラグが
セット状態ならば(ステップS35)、衝突寸前である
と予測されるので、走査駆動時における所定のPWM出
力のデューティ比を60%程度に制限する(ステップS
36)。一方、速度制限フラグがリセット状態ならば、
衝突のおそれがないと予測されるので、走査駆動時にお
ける所定のPWM出力のデューティ比をそのままで出力
する(ステップS37)。
【0063】ここで、ボディマイコン12は、パルス発
生器21の出力を計数し、30回以上のルーチン実行に
わたって、レンズパルスの計数値に変化がない場合は
(ステップS38,S39)、撮影光学系32が繰り出
し端に到達したと判断して、PWM出力を停止する(ス
テップS40)。以上説明した動作により、第1の実施
形態では、無限端もしくは至近端の近傍で、撮影光学系
32の繰り出し速度が確実に減速されるので、撮影光学
系32における衝突時の衝撃が大幅に軽減される。
【0064】そのため、撮影光学系32およびモータ1
6などの耐久性を一層高めることができる。さらに、撮
影光学系32は、衝突状態において減速駆動されるの
で、モータ16にかかる機械的な負荷が小さく、内蔵の
電池23の消耗を大幅に軽減することができる。そのた
め、内蔵の電池23の使用可能時間を延長することがで
きる。
【0065】また、撮影光学系32は、速度制限された
状態で衝突するため、衝突音を小さく抑えることができ
る。その一方、無限端および至近端以外では、撮影光学
系32の速度は一切制限されないので、焦点調節の応答
性を損なうことがないという利点がある。また、撮影光
学系32およびモータ16などにかかる衝撃が従来と同
じ程度でよい場合は、無限端および至近端で撮影光学系
32が減速される分だけ、通常の繰り出し速度を増速す
ることが可能となる。その結果、走査駆動時および焦点
調節時の応答性を一段と向上させることもできる。
【0066】さらに、繰り出し方向と繰り出し端との組
み合わせ条件に基づいて、撮影光学系32が繰り出し端
に衝突するか否かを的確に予測している。そのため、繰
り出し端から離れる方向については、速度制限が無駄に
なされない。また、撮影光学系32が繰り出し端の近傍
にたとえ位置していても、減速中には速度制限が行われ
ない。そのため、合焦位置まで撮影光学系32を迅速に
到達させることができる。
【0067】さらに、繰り出し位置エンコーダ31その
他の絶対位置センサを、レンズ鏡胴19ごとに個別配置
するので、レンズ鏡胴19内で繰り出し位置(絶対位
置)を求め、繰り出し端の近傍に位置するか否かを的確
に検出することができる。特に、図13,図14に示す
ように、構造が異なるレンズ鏡胴19についても、レン
ズ鏡胴個別に絶対位置センサ41,44を内蔵すること
により、撮影光学系40,43が繰り出し端の近傍に位
置するか否かを的確に検出することができる。
【0068】次に、別の実施形態について説明する。図
15は、第2の実施形態(請求項6に対応する)を示す
図である。第2の実施形態における構成上の特徴は、レ
ンズ鏡胴19内に絶対位置センサに該当するものがな
く、ボディマイコン12の代わりにボディマイコン12
aが配置された点である。
【0069】また、第1の実施形態と同じ構成要素につ
いては、同一の参照番号を付与して図15に示し、ここ
での説明を省略する。なお、請求項6に記載の発明と第
2の実施形態との対応関係については、端点記憶手段3
cが、ボディマイコン12aにおける「繰り出し端の記
憶機能」に対応し、相対位置判定手段3dが、ボディマ
イコン12aにおける「繰り出し端の判定機能」に対応
する。
【0070】図16は、第2の実施形態における割り込
み処理を示す流れ図である。図17は、第2の実施形態
における最大駆動速度の判定ルーチンを示す流れ図であ
る。以下、これらの図を用いて、第2の実施形態におけ
る動作上の特徴点を説明する。
【0071】まず、ボディマイコン12aは、撮影光学
系32が繰り出し中であるか否かを判定する(ステップ
S41)。ここで、繰り出し中でなければ、そのまま割
り込み処理を終了する。一方、繰り出し中であれば、ボ
ディマイコン12aは、走査駆動中あるいは焦点調節中
のどちらかを判定する(ステップS42)。
【0072】焦点調節中であれば、ボディマイコン12
aは、デフォーカス量からモータ16の残駆動量などを
算出し、残駆動量などの値に応じて、モータ16に対す
るPWM出力のデューティ比を算出する(ステップS4
3)。
【0073】次に、ボディマイコン12aは、撮影光学
系32が合焦位置に近づいたために、モータ16が減速
中か否かを判定する(ステップS44)。ここで、モー
タ16が減速中でない場合、ボディマイコン12aは、
速度制限フラグがセット状態ならば(ステップS4
5)、衝突寸前であると予測されるので、PWM出力の
デューティ比を60%程度に制限する(ステップS4
6)。一方、速度制限フラグがリセット状態ならば、衝
突のおそれがないと予測されるので、PWM出力のデュ
ーティ比をそのままで出力する(ステップS47)。
【0074】一方、モータ16が減速中の場合、ボディ
マイコン12aは、衝突時の衝撃が十分に小さいと予測
されるので合焦応答性の方を優先して、PWM出力のデ
ューティ比をそのまま出力する(ステップS47)。ま
た、ステップS42において走査駆動中と判定された場
合、ボディマイコン12aは、速度制限フラグがセット
状態ならば(ステップS45)、衝突寸前であると予測
されるので、走査駆動時における所定のPWM出力のデ
ューティ比を60%程度に制限する(ステップS4
6)。一方、速度制限フラグがリセット状態ならば、衝
突のおそれがないと予測されるので、走査駆動時におけ
る所定のPWM出力のデューティ比をそのままで出力す
る(ステップS47)。
【0075】ここで、ボディマイコン12aは、パルス
発生器21の出力を累積して計数し、30回以上のルー
チン実行にわたって、レンズパルスの計数値に変化がな
い場合は(ステップS48,S49)、撮影光学系32
が繰り出し端に到達したと判断して、PWM出力を停止
する(ステップS50)。次に、ボディマイコン12a
は、撮影光学系32が無限端側に繰り出されていた場合
(ステップS51)、現在の計数値を無限端を示すレン
ズ位置として記憶する(ステップS52)。また、撮影
光学系32が至近端側に繰り出されていた場合、現在の
計数値を至近端を示すレンズ位置として記憶する(ステ
ップS53)。
【0076】このように記憶された無限端もしくは至近
端について、図17に示すような最大駆動速度判定が行
われる。すなわち、ボディマイコン12は、電源投入時
のレンズ位置を原点とした相対的なレンズ位置として、
パルス発生器21の計数値を取得する(ステップS6
1)。次に、モータ16の駆動方向に基づいて、撮影光
学系32の繰り出し方向の先が無限端側か否かを判定す
る(ステップS62)。
【0077】撮影光学系32が無限端側に繰り出されて
いるときは、ボディマイコン12は、計数値が「無限端
を示す記憶値」に近いか否かを判定する(ステップS6
3)。ここで、計数値が「無限端を示す記憶値」に近い
場合、ボディマイコン12は、撮影光学系32が無限端
の近傍に位置すると判断して、速度制限フラグをセット
する(ステップS64)。
【0078】また、計数値が「無限端を示す記憶値」か
ら離れている場合、ボディマイコン12は、撮影光学系
32が無限端の近傍に位置しないと判断して、速度制限
フラグをリセットする(ステップS65)。一方、ステ
ップS62において、撮影光学系32が至近端側に繰り
出されているときは、ボディマイコン12は、計数値が
「至近端を示す記憶値」に近いか否かを判定する(ステ
ップS66)。
【0079】ここで、計数値が「至近端を示す記憶値」
に近い場合、ボディマイコン12は、撮影光学系32が
至近端の近傍に位置すると判断して、速度制限フラグを
セットする(ステップS64)。また、計数値が「至近
端を示す記憶値」から離れている場合、ボディマイコン
12は、撮影光学系32が至近端の近傍に位置しないと
判断して、速度制限フラグをリセットする(ステップS
65)。
【0080】これら一連の動作(ステップS61〜6
6)により、最大駆動速度判定が行われる。以上説明し
た動作により、第2の実施形態では、第1の実施形態と
ほぼ同様の効果を得ることができる。
【0081】さらに、第2の実施形態に特有な効果とし
ては、レンズ鏡胴19に絶対位置センサその他を一切配
置せずに、撮影光学系32が繰り出し端に衝突するか否
かを予測できる点である。したがって、レンズ鏡胴19
ごとに絶対位置センサその他を搭載する必要がないの
で、交換レンズの構成が複雑にならず、その上、従来の
交換レンズと組み合わせて、本発明を構成することがで
きる。
【0082】なお、上述した実施形態では、焦点情報と
してデフォーカス量を使用しているが、それに限定され
るものではなく、焦点状態を表す検出値もしくは算出値
であれば、焦点情報として使用することができる。例え
ば、被写体までの測距値,被写体像面の位置,外光パッ
シブ式の像間隔,レンズ合焦位置,外光アクティブ式の
受光角度または受光位置,被写体像のコントラスト量な
どを焦点情報として使用してもよい。
【0083】また、上述した実施形態では、焦点繰り出
し用のモータ16をカメラボディ11側に搭載している
が、それに限定されるものではなく、レンズ鏡胴19側
に搭載してもよい。さらに、上述した実施形態では、撮
影光学系32の繰り出し速度を制限するために、モータ
16に与えるPWM出力のデューティ比を低減している
が、それに限定されるものではない。例えば、モータ1
6に対し逆方向の操作量を加えることにより、繰り出し
速度を制限してもよい。また、モータ16の端子に負荷
抵抗を接続して発電作用を起こさせることにより、繰り
出し速度を制限してもよい。さらに、撮影光学系32ま
たは繰り出し機構などに機械的なブレーキなどを設ける
ことにより、繰り出し速度を制限してもよい。
【0084】また、第1の実施形態では、撮影光学系3
2の撮影距離に基づいて端点判定を行っているが、撮影
距離による端点判定に限定されるものではなく、「撮影
光学系32の絶対位置」もしくは「その絶対位置に換算
可能な値」に基づいて端点判定を行えばよい。
【0085】さらに、第1の実施形態では、ボディマイ
コン12のソフトウェアを用いて端点判定を行っている
が、それに限定されるものではなく、図13または図1
4に示すようなスイッチ回路を用いて端点判定を行って
もよい。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1にかかわ
る焦点調節装置では、繰り出し端の近傍において撮影光
学系の繰り出し速度が制限されるので、繰り出し端に衝
突する際の衝撃を大幅に軽減することができる。その結
果、撮影光学系および繰り出し機構の耐久性を一層高め
ることができる。
【0087】また、撮影光学系に強い衝撃が継続的に加
わることがなくなるので、レンズの位置精度が高く保た
れ、光学性能を極めて高い状態に長期間保つことができ
る。さらに、撮影光学系は、衝突状態において(駆動停
止されるまで)減速駆動される。したがって、従来のよ
うに衝突状態において全速駆動が行われていた場合に比
べ、この期間中に繰り出し機構にかかる機械的な負荷を
軽くすることができる。その結果、衝突状態における消
費電力が顕著に軽減され、内蔵バッテリーの使用可能時
間を大幅に延長することができる。
【0088】また、撮影光学系は、速度制限されて繰り
出し端に衝突するため、衝突音を小さくすることができ
る。したがって、音楽会などのように静寂さを要求され
る環境下においても、使用可能な焦点調節装置を実現す
ることができる。さらに、繰り出し端の近傍以外では、
撮影光学系の繰り出し速度は一切減速されない。そのた
め、繰り出し端の近傍以外では、焦点調節の応答性を損
なうことがない。
【0089】また、撮影光学系および繰り出し機構にか
かる衝撃が従来と同じ程度でよい場合には、繰り出し端
の近傍で撮影光学系が減速される分だけ、通常の繰り出
し速度を増速することが可能となる。その結果、焦点調
節の応答性を一段と向上させることができる。請求項2
にかかわる焦点調節装置では、走査駆動時においても、
請求項1と同様の速度制限が行われるので、走査駆動時
の衝突について衝撃を大幅に軽減することができる。
【0090】また、繰り出し端の近傍以外では、撮影光
学系の走査駆動時の繰り出し速度は一切減速されない。
そのため、繰り出し端の近傍以外では、高速な走査駆動
を実現することができる。また、撮影光学系および繰り
出し機構にかかる衝撃が従来と同じ程度でよい場合は、
繰り出し端の近傍で撮影光学系が減速される分だけ、通
常の走査駆動時の繰り出し速度を増速することが可能と
なる。その結果、走査駆動に所要する時間を一層短縮す
ることができる。
【0091】請求項3にかかわる焦点調節装置では、繰
り出し方向と繰り出し端との組み合わせ条件に基づい
て、撮影光学系の衝突を的確に予測する。このような予
測に従って撮影光学系を減速することにより、撮影光学
系および繰り出し機構にかかる衝撃を有効に軽減するこ
とができる。また、撮影光学系が、繰り出し端の近傍に
たとえ位置していても、その繰り出し端から離れる方向
に繰り出される場合には、撮影光学系の速度制限は行わ
れない。したがって、繰り出し端から離れる方向につい
ては、速度制限が無駄になされることがなく、撮影光学
系の繰り出しを迅速に行うことができる。
【0092】特に、撮影光学系が繰り出し端に衝突して
停止した後、逆方向に始動されるような際には、上述の
構成により素早い加速を行うことができる。したがっ
て、焦点調節または走査駆動を効率的に高速化し、応答
性を一層高めることができる。請求項4にかかわる焦点
調節装置では、撮影光学系が合焦位置に近づいて減速状
態に入ると、繰り出し端の近傍にたとえ位置していて
も、速度制限手段による速度制限は一切行われない。
【0093】したがって、撮影光学系が合焦位置に近づ
いて減速されているような場合に、焦点調節装置は、撮
影光学系を合焦位置まで迅速に到達させることができ
る。また、撮影光学系が減速中ならば、特段の速度制限
を行わなくとも、繰り出し端に衝突した際に生じる衝撃
は小さい。したがって、上述の構成により、必要以上の
速度制限を効率的に省くことができる。
【0094】請求項5にかかわる焦点調節装置では、絶
対位置センサ3aを撮影光学系ごとに配置するので、複
数の撮影光学系において、繰り出し端の位置が個々に異
なっている場合にも、一つ一つの撮影光学系について、
繰り出し端の近傍を個別に検出することができる。した
がって、複数の撮影光学系が随時に交換装着される光学
機器に対して、好適な焦点調節装置を実現することがで
きる。
【0095】請求項6にかかわる焦点調節装置では、撮
影光学系が繰り出し端に一旦到達することにより繰り出
し端の位置を記憶し、撮影光学系が、その繰り出し端に
再び近づくか否かを判定するこのような判定により、撮
影光学系に絶対位置センサその他を配置せずに、撮影光
学系が繰り出し端に近づいていることを検出することが
できる。
【0096】また、撮影光学系ごとに絶対位置センサそ
の他を配置する必要がないので、撮影光学系個々の構成
が複雑になることがない。その上、絶対位置センサその
他が配置されていない「従来の撮影光学系」と組み合わ
せて、本発明を構成することができる。以上述べたよう
に、本発明を適用した焦点調節装置においては、焦点調
節の応答性を十分に保ちつつ、撮影光学系および繰り出
し機構にかかる衝撃を大幅に軽減することができる。
【0097】特に、高い光学精度が要求される光学機器
にあっては、撮影光学系の極めて高い光学性能を長期間
にわたって維持するために、不可欠な焦点調節装置が実
現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に記載の発明を説明する原理ブロック
図である。
【図2】請求項2に記載の発明を説明する原理ブロック
図である。
【図3】請求項3に記載の発明を説明する原理ブロック
図である。
【図4】請求項4に記載の発明を説明する原理ブロック
図である。
【図5】請求項5に記載の発明を説明する原理ブロック
図である。
【図6】請求項6に記載の発明を説明する原理ブロック
図である。
【図7】第1の実施形態(請求項1〜5に対応する)を
示す図である。
【図8】第1の実施形態のメインフローチャートを示す
図である。
【図9】第1の実施形態におけるレンズ駆動処理ルーチ
ンを示す流れ図である。
【図10】第1の実施形態における最大駆動速度の判定
ルーチンを示す流れ図である。
【図11】第1の実施形態における割り込み処理を示す
流れ図である。
【図12】繰り出し位置エンコーダの出力パターンの一
例を示す図である。
【図13】絶対位置センサの一例を示す図である。
【図14】絶対位置センサの一例を示す図である。
【図15】第2の実施形態(請求項6に対応する)を示
す図である。
【図16】第2の実施形態における割り込み処理を示す
流れ図である。
【図17】第2の実施形態における最大駆動速度の判定
ルーチンを示す流れ図である。
【符号の説明】
1 焦点検出手段 2 焦点調節手段 3 端点判定手段 3a 絶対位置センサ 3b 伝達機構 3c 端点記憶手段 3d 相対位置判定手段 4 速度制限手段 5 走査駆動手段 6 走査検出手段 7 方向判断手段 8 減速判断手段 11 カメラボディ 12 ボディマイコン 12a ボディマイコン 13 A/D変換回路 14 焦点検出部 15 ドライブ回路 16 モータ 17 連結部材 18 連結部材 19 レンズ鏡胴 20 繰り出し機構 21 パルス発生器 22 DC−DCコンバータ 23 電池 24 リセットIC 25 半押しスイッチ 26 通信端子群 30 レンズマイコン 31 繰り出し位置エンコーダ 32 撮影光学系

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮影光学系の焦点調節状態に対応する焦
    点情報を検出する焦点検出手段と、 前記焦点検出手段により検出された焦点情報に基づい
    て、前記撮影光学系を合焦位置まで繰り出す焦点調節手
    段と、 前記撮影光学系が繰り出し端の近傍に位置するか否かを
    判定する端点判定手段と、 前記端点判定手段による判定結果が真であるときは、前
    記撮影光学系の繰り出し速度を制限する速度制限手段と
    を備えたことを特徴とする焦点調節装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の焦点調節装置におい
    て、 前記焦点検出手段は、 前記撮影光学系を強制的に繰り出す走査駆動手段と、 前記走査駆動手段により繰り出される前記撮影光学系に
    ついて焦点情報を順次検出する走査検出手段とを備えた
    ことを特徴とする焦点調節装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の焦点調
    節装置において、 前記撮影光学系の繰り出し方向を判断する方向判断手段
    を備え、 前記端点判定手段は、 前記繰り出し方向の先に位置する繰り出し端について、
    その繰り出し端の近傍に前記撮影光学系が位置するか否
    かを判定することを特徴とする焦点調節装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の
    焦点調節装置において、 前記撮影光学系が減速中か否かを判断する減速判断手段
    を備え、 前記速度制限手段は、 前記減速判断手段により減速中と判断されたときは、前
    記撮影光学系の繰り出し速度を制限しないことを特徴と
    する焦点調節装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の
    焦点調節装置において、 前記端点判定手段は、 前記撮影光学系ごとに個別配置され、かつ前記撮影光学
    系が繰り出し端の近傍に位置するか否かを検出する絶対
    位置センサと、 前記絶対位置センサの出力情報を、前記撮影光学系のマ
    ウント部を介して、前記速度制限手段側に伝達する伝達
    機構とを備えてなることを特徴とする焦点調節装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の
    焦点調節装置において、 前記端点判定手段は、 前記撮影光学系が繰り出し端に到達した際に、繰り出し
    位置を記憶する端点記憶手段と、 前記端点記憶手段に記憶された繰り出し位置の近傍に、
    前記撮影光学系が位置するか否かを判定する相対位置判
    定手段とを備えてなることを特徴とする焦点調節装置。
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