JPH0929252A - 逆浸透膜処理方法 - Google Patents

逆浸透膜処理方法

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JPH0929252A
JPH0929252A JP18687695A JP18687695A JPH0929252A JP H0929252 A JPH0929252 A JP H0929252A JP 18687695 A JP18687695 A JP 18687695A JP 18687695 A JP18687695 A JP 18687695A JP H0929252 A JPH0929252 A JP H0929252A
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JP
Japan
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raw water
reverse osmosis
osmosis membrane
water
air
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JP18687695A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Shibata
柴田敏幸
Hisao Taima
當間久夫
Shoichi Suehiro
末広章一
Takashi Fushida
孝 伏田
Hideyuki Matsumoto
松本英行
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 下水の逆浸透膜処理法における運転コスト、
設備占有面積の低減とメンテナンス性の向上。 【解決手段】 下水二次処理水を原水とし、これを逆浸
透膜を用いて高度処理する方法において、下水二次処理
水を前処理とする砂ろ過器でろ過された原水配管に設け
たエア混入口と原水流路を広くするためのスペーサーの
厚さを厚くしたスパイラル型逆浸透膜エレメントで構成
された処理装置を用い、砂ろ過された原水を前記逆浸透
膜に通水して処理する行程において原水配管にエアを混
入しながら処理することを特許とする下水の逆浸透膜処
理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、逆浸透膜を利用し
た下水や工場廃水の高度処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境保全とともに有効資源のリサ
イクルの気運が高まっており、この一環として下水処理
水や工場廃水の高度処理が求められている。即ち、従
来、河川や海に放流されていた下水二次処理水や工場廃
水を更に高度処理して環境汚染を防止することや、高度
処理した処理水を公園の噴水やせせらぎ等の親水に再利
用しようとするものである。
【0003】これらの高度処理には各種の方法がある
が、逆浸透膜を利用すれば溶解性の物質やウイルス等の
有害成分が除去でき極めて高度で安全性の高い処理水質
が得られる。
【0004】しかし、この処理法には一般的に厳密な前
処理が必要とされていたため、経済性、設置スペースの
面で普及の障害となっていた。
【0005】従来、逆浸透膜処理用原水の前処理法とし
ては、通常凝集沈殿砂ろ過法、凝集加圧浮上砂ろ過法等
が採用される場合が多く、この他、精密ろ過膜(MF
膜)を利用した前処理を採用している例もみられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような凝
集沈殿砂ろ過や精密ろ過膜を利用した前処理を採用する
と、設備面および凝集剤の消費など経済性の点で難点が
あり、また、広い設備スペースを要する課題があった。
【0007】本発明は、前処理を簡略化し、従来と同等
の処理水質および透過性能を得ることのできる経済性に
優れた逆浸透膜処理法を提供することを目的としたもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
する手段は、下記を要旨とする。
【0009】1.下水二次処理水または工場廃水を原水
とし、これを逆浸透膜を用いて高度処理する方法におい
て、原水を前処理する砂ろ過器と、砂ろ過器でろ過され
た原水にエアを混入するエア混入口と、原水流路を広く
するためスペーサーの厚さを厚くしたスパイラル型逆浸
透膜エレメントで構成された処理装置を用い、砂ろ過さ
れた原水を前記逆浸透膜に通水して処理する行程におい
て原水にエアを混入しながら処理することを特徴とする
逆浸透膜処理方法。
【0010】2.エアの混入を間欠的に行うことを特徴
とする前記1項記載の逆浸透膜処理方法。
【0011】
【発明の実施の形態】図1に示す本発明実施態様例の下
水二次処理水の逆浸透膜処理フロー図に基づいて本発明
を詳細に説明する。
【0012】下水二次処理水または工場廃水を原水と
し、これを逆浸透膜を用いて高度処理する方法におい
て、原水1を前処理する砂ろ過器2と、砂ろ過器2でろ
過された原水3にエア4を混入するエア混入口4aと、
原水流路を広くするためスペーサー5の厚さを厚くした
スパイラル型の逆浸透膜6で構成された処理装置7を用
い、砂ろ過された原水3を前記逆浸透膜6に通水して処
理する行程において原水3にエア4を連続的または間欠
的に混入しながら処理することを特徴とする逆浸透膜処
理方法である。
【0013】
【作用】即ち、前処理を砂ろ過のみに簡略化すると、従
来のような厳密に前処理をしたものより、原水3の水質
が悪い状態で逆浸透膜6に流入させることになるため、
そのままでは、透過性能の低下や圧力損失、目詰まりが
生じてしまう恐れがあるが本発明では、これらの問題点
が生じないように以下の対策を講じている。
【0014】逆浸透膜に流入する原水配管3aにエア
混入口4aを設け、膜面に供給する原水3にエア4を混
入させ、乱流効果を高めることにより膜面に汚れが蓄積
しないようにしている。なお、エア4の混入は、運転中
常時混入してもよいが、エア4が膜面に付着して見かけ
の膜面積を減少させ透過性能が若干悪くなるため、間欠
的に行った方が好ましい。混入するエア4の量は供給す
る原水3の水量の約20%程度とする。
【0015】また、エア4の混入は、原水3の汚れによ
る圧力損失の増大を防止する効果もある。
【0016】スパイラル型の逆浸透膜6の原水流路を
広くするためスペーサー5の厚さを厚くしている。前処
理の簡略化により、逆浸透膜に供給する原水3の水質が
悪くなると圧力損失の増大が予測される。この圧力損失
は、流路の広さが狭い程大きくなるため、スペーサー5
の厚さを厚くしてこれを広くしたものである。
【0017】通常のスパイラル型の逆浸透膜6のスペー
サーは0.6mm厚とされているが、本発明では、これ
を約2倍の厚さ(1〜1.5mm)1例として1.2m
mとしている。この結果、圧力損失の上昇を低減し、か
つ透過性能を安定して維持することができる。
【0018】また、逆浸透膜6の洗浄の際、従来の逆
浸透膜6では、スペーサー5が薄いため原水の流路が狭
く、流路やスペーサー5に付着した汚れがとれにくい
が、本発明のように流路を広くすることでこれを解消で
きる。実験例 以下、本発明の効果を検証するため行った実験について
述べる。
【0019】(1)実験フロー 図−2は、実験フローを示す。
【0020】実験フローは、図−2に示すよう、従来よ
り前処理法として採用されてきた凝集沈殿砂ろ過法等を
用いず砂ろ過器2単独とし、前処理した原水3を逆浸透
膜6に通水するものである。また、膜面の乱流効果を促
進させるために、原水3の配管3aにエア混入口4aを
設けた。逆浸透膜6は図−6に示すφ10cm×100
cmLのスパイラル型を採用し、原水の流路を大きくし
汚れに強い構造とするためスペーサー5の厚さを従来の
0.6[mm]から1.2[mm]に厚くした改造型6
(本発明用)と、従来型6aの2種を用いて比較実験を
行った。
【0021】(2)実験内容 実験は、上記した2種類の逆浸透膜6,6aについて、 基本特性の把握 最適透過水量負荷の把握 原水へのエア混入による乱流効果の確認 薬品洗浄効果の確認 従来処理フロー(凝集沈殿砂ろ過→逆浸透膜)との処
理水質の比較 を行い、本システムの可能性を確認した。
【0022】なお、前処理設備は、アンスラと砂を重ね
た2層式砂ろ過器を採用した。運転条件と処理用原水の
濁度、SSの平均値は表−1に示す通りである。
【0023】
【表1】
【0024】実験結果 (1)基本特性 実験に用いた逆浸透膜6,6aの製造時のメーカー検査
成績結果を表−2に示す。この2種の膜従来型6aと改
造型6の基本特性を別途用意したFI<4の水を用いて
確認した結果、透過水量の圧力依存性、透過係数の水温
依存性、透過水質の圧力依存性は、両者とも同等でメー
カー値と一致した。本発明用の改造型6では原水流路を
広くしたものは、従来型6aと比較し、圧力損失が低く
特性上の効果があった。図−3は本実験の結果得られた
圧力損失と原水流量の関係を示す。この結果より逆浸透
膜に供給する原水の水質が悪く圧力損失の増大が予測さ
れる場合は、改造型が有効であることが分かる。
【0025】
【表2】
【0026】(2)最適透過水量負荷の決定 本実験フローでは、前処理を砂ろ過器2のみに簡略化し
たため、逆浸透膜6,6aに供給する原水3の水質が悪
化し透過係数の低下率が大きくなると予想された。そこ
で、逆浸透膜の洗浄時期を透過係数が40%低下した時
点と設定し、各透過水量負荷で実験を行った。図4に透
過水量負荷と透過係数が40%低下するまでの運転時間
の関係を示す。膜洗浄間隔を1カ月(約720時間)と
考えると、安定して運転可能な透過水量負荷は改造型
6、従来型6a共に0.4[m3 /m2 ・日]程度であ
り両者の差はなかった。
【0027】(3)エア混入による乱流効果の確認 膜面の乱流効果を高め、膜面の汚れの蓄積を防ぐことを
目的に、逆浸透膜6,6aへの供給原水3にエア4を常
時混入(2 l/分、供給水量の10%)し、透過水量
負荷0.4[m3 /m2 ・日]における効果を確認し
た。図5はエア混入による透過係数の変化を示す。ここ
で、運転開始時の透過係数を100%とした。この結
果、エア4を連続的に混入すると運転経過に従い透過性
能に若干悪影響を与えるが約10%程度の低下であっ
た。この原因は、エアが膜面に付着し見かけ膜面積を減
少させているためと考えられる。しかし、間欠でエアを
混入すると、汚れにより上昇する圧力損失を低下させる
ことができる。例えば、運転中にエア量4 l/分(供
給水量の20%)で5分間エア混入を行った場合の圧力
損失は0.35kg/cm2 から0.25kg/cm2
に低下できた。よって、エア混入は、連続ではなく、1
回/数時間程度に間欠的に行うことが効果的である。
【0028】供給原水に混入するエア量は10〜30%
が好適である。
【0029】(4)薬品洗浄効果の確認 逆浸透膜の洗浄薬品として、蓚酸(pH=2)、EDT
A(pH=10)を用い、循環(60分)→浸漬(60
分)→循環(60分)で行った薬品洗浄効果を確認し
た。
【0030】実験開始前の透過係数値を基準(100
%)とし、各負荷実験終了時に行った薬品洗浄後の透過
係数を測定した結果、膜の性能を十分回復することがで
きた。また、本発明用改造膜6と従来型膜6aの透過係
数を比べると、従来型6aの回復性が悪い傾向であった
(90%程度までの回復)。これは、従来型6aは、ス
ペーサーが薄いため膜間に付着した汚れが改造型6に比
べ除去し難かったためと考えられる。よって、前処理水
水質が悪い場合は、洗浄に関しても本発明用膜が効果的
である。
【0031】(5)従来フローとの処理水質の比較 表−3に本発明による前処理簡略フローと従来フロー
(凝集沈殿→砂ろ過→RO膜)による処理水の水質分析
結果を示す。この結果に見られるように本発明の処理水
は従来の前処理による処理水と水質上の差はなく、膜処
理水質は常に安定して高品質であることが確認できた。
【0032】
【表3】
【0033】まとめ 前処理を砂ろ過のみに簡略化した本発明のスパイラル型
逆浸透膜を利用した処理法について実験を行った結果、
その実用性を確認できた。
【0034】
【実施例】図1は、本発明を下水の高度処理に適用した
実施例の逆浸透膜処理フロー図である。
【0035】まず、処理対象の原水1である下水二次処
理水は、原水槽1aに貯められNaOCl 1bにて殺
菌される。次に砂ろ過供給ポンプ2aにより、二層砂ろ
過器2に送られろ過処理による前処理が行われる。砂ろ
過器2は、砂とアンスラサイトの二層で形成されてい
る。運転方法は、各指針に示される標準的な方法を採用
する。前処理された原水3は、前処理水槽10に送ら
れ、次に供給ポンプ11により保安フィルタ12に送ら
れる。保安フィルタ12は、砂等の膜破損の原因となる
物質の除去のために設置する。この後、原水3は高圧ポ
ンプ13により加圧され、スペーサーの厚さを厚くした
本発明用逆スパイラル逆浸透膜6に通水され、溶解物質
が濃縮された濃縮水14と物質が除去された処理水15
に分離される。逆浸透膜6に加える圧力は、本発明用膜
6の場合、5〜10kg/cm2 程度となる。高圧ポン
プ13は、インバータにより流量を制御し、圧力は、濃
縮水側に設けられた圧力調整弁16の開閉により設定水
量が得られる値に制御される。濃縮水14は、逆洗水槽
17に送られ砂ろ過逆洗用水18として使用する。処理
水15は、噴水用水等の親水用水として再利用する。本
発明では逆浸透膜に供給する原水3が配管3aの途中に
エア混入口4aを設けている。間欠エア混入を行う場合
は、コンプレッサー20に接続されたエア供給弁19と
圧力調整弁16を開、排水弁16aをドレイン方向とす
る。この操作により膜面の乱流効果を高めたエア混合フ
ラッシングを行い、膜面に付着した汚れを除去、排水す
ることができる。その後、エア供給弁18を閉とし、水
フラッシングを行い残存するエア4を排除する。エア混
入はこの他処理運転中連続して行うこともできる。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、逆浸透膜処理用原水の
前処理を砂ろ過のみとして、また、原水にエアを混入し
た運転を行い、スパイラル型逆浸透膜のスペーサーを厚
くして、原水流路を広くしているため、圧力損失の上昇
を低減し、透過性能を安定して維持でき、従来式の前処
理と同等の処理水質と透過性能を得ることができる。こ
の結果前処理の簡略化により設備用の削減、凝集剤の不
要化等の面で経済的効果が大きい。また、凝集沈殿設備
等の前処理設備設置スペースが不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の下水二次処理水の逆浸透膜処
理フロー図。
【図2】本発明の実験フロー図。
【図3】実験結果における圧力損失と原水流量の関係を
示す図。
【図4】実験結果における透過水量負荷と運転時間の関
係を示す図。
【図5】エア混入による透過係数の変化を示す図。
【図6】本発明用スパイラル型逆浸透膜の説明図。
【符号の説明】
1…原水 1b…NaOCl 2…砂ろ過器 2a…砂ろ過供給
ポンプ 3…ろ過された原水 3a…ろ過された
原水配管 4…エア 4a…エア混入口 5…スペーサー 6…逆浸透膜(本
発明) 6a…逆浸透膜(従来型) 7…前処理装置 10…前処理水槽 11…供給ポンプ 12…保安フィルタ 13…高圧ポンプ 14…濃縮水 15…物質が除去
された処理水 16…圧力調整弁 16a…排水弁 17…逆洗水槽 18…砂ろ過逆洗
用水 19…エア供給弁 20…エアコンプ
レッサー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伏田 孝 東京都千代田区大手町2−6−3 新日本 製鐵株式会社内 (72)発明者 松本英行 東京都千代田区大手町2−6−3 新日本 製鐵株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下水二次処理水または工場廃水を原水と
    し、これを逆浸透膜を用いて高度処理する方法におい
    て、原水を前処理する砂ろ過器と、砂ろ過器でろ過され
    た原水にエアを混入するエア混入口と、原水流路を広く
    するためスペーサーの厚さを厚くしたスパイラル型逆浸
    透膜エレメントで構成された処理装置を用い、砂ろ過さ
    れた原水を前記逆浸透膜に通水して処理する行程におい
    て原水にエアを混入しながら処理することを特徴とする
    逆浸透膜処理方法。
  2. 【請求項2】 エアの混入を間欠的に行うことを特徴と
    する請求項1記載の逆浸透膜処理方法。
JP18687695A 1995-07-24 1995-07-24 逆浸透膜処理方法 Withdrawn JPH0929252A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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