JPH09292169A - 空気調和装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷媒回収時の使い勝手の向上と環境破壊の防
止を図るに好適な空気調和装置を提供する。 【解決手段】 圧縮機２と凝縮器３を接続する冷媒循環
通路６ａの途中に第１のバルブ７を設置し、第１のバル
ブ７から圧縮機２に至る区間の冷媒循環通路６ａには、
それより分岐してなる分岐路８を設け、この分岐路８に
は第２のバルブ１０を設置する。冷媒回路１内から冷媒
を抜くときは、第１のバルブ７により冷媒循環通路６ａ
を遮断し、第２のバルブ１０により分岐路８を開放し、
かつ圧縮機２の冷媒圧縮動作を開始する。圧縮機２が冷
媒圧縮動作を開始すると、遮断部より上流側の冷媒（凝
縮器３、膨張弁４、蒸発器５側にある冷媒）が圧縮機２
側に吸い寄せられ、これが冷媒循環通路６ａ及び分岐路
８を経て冷媒回収ボンベ１０内に回収充填されるものと
し、従来冷媒の抜取りに必要であった冷媒回収機の使用
を廃止する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、冷媒の圧縮、凝
縮、膨張、蒸発という状態変化を通じて室内の温湿度等
を調和させるための空気調和装置（エアコンシステム）
に関し、特に、冷媒回収の作業性の向上と作業時間の短
縮を図るに好適で、環境破壊の防止にも役立つようにし
たものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、この種の空気調和装置は図３
に示すような冷媒回路１を有し、冷媒回路１は冷媒循環
通路６を介して圧縮機２、凝縮器３、膨張弁４、蒸発器
５の順に冷媒が循環するように構成されている。

【０００３】このような冷媒回路１中の冷媒を抜く必要
が生じたときは、その冷媒を大気に放出する、あるいは
冷媒回収機（図示省略）により回収するものとしてい
る。なお、冷媒回収機は冷媒回収用の電動ポンプ、およ
び回収後の冷媒を貯溜するためのボンベ等から構成され
ている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ように、冷媒を大気に放出すると、冷媒がフルオロカー
ボン（Ｒ−１１、１２、１３４系、５０２、２２、３
２、１２５、４０７系、４１０系、５０７系、１２３等
であるときは、オゾン層の破壊、地球の温暖化等、環境
に悪影響を及ぼす。

【０００５】一方、冷媒回収機による冷媒の回収では、
第１に、ポンプやボンベ等からなる重い冷媒回収機を空
気調和装置の設置場所まで持ち歩かなければならず、こ
のような運搬作業が必要となることから、特に、高所
（建物の屋上等）や狭所（建物と建物の間等）での冷媒
回収作業において不便である。第２に、冷媒回収機の作
動用電源を確保しなければならず、このような電源確保
の手間もかかる点で、迅速な冷媒回収作業を行うことが
困難である。

【０００６】この発明は上述の事情に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは、冷媒回収の作業性の向
上と作業時間の短縮を図るに好適で、環境破壊の防止に
も役立つ便利な空気調和装置を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項１記載の発明は圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸
発器をその順に冷媒循環通路で接続してなるとともに、
この冷媒循環通路を介して圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸
発器の順に冷媒が循環する冷媒回路を備え、圧縮機では
冷媒を圧縮し、凝縮器では当該圧縮後の冷媒を凝縮さ
せ、膨張弁では当該凝縮後の冷媒を膨張させ、蒸発器で
は当該膨張後の冷媒を蒸発させる、空気調和装置におい
て、上記冷媒回路内から冷媒を抜く際、上記圧縮機の冷
媒圧縮動作を開始するとともに、上記圧縮機と凝縮器を
接続する冷媒循環通路を遮断し、その遮断部から圧縮機
に至る区間の冷媒循環通路を冷媒回収ボンベ側に接続開
放してなることを特徴とする。

【０００８】請求項２記載の発明は冷媒循環通路を遮断
するための遮断手段が、圧縮機と凝縮器を接続する冷媒
循環通路の途中に設けた第１のバルブからなり、冷媒循
環通路を冷媒回収ボンベ側に接続開放するための接続開
放手段が、上記第１のバルブから圧縮機に至る区間の冷
媒循環通路より分岐してなる分岐路と、上記分岐路に設
けた第２のバルブとからなることを特徴とする。

【０００９】この発明では、圧縮機の冷媒圧縮動作によ
り、遮断部より上流側の冷媒（凝縮器、膨張弁、蒸発器
側にある冷媒）が圧縮機側に吸い寄せられ、これが遮断
部の下流側から冷媒回収ボンベ内に回収充填される。つ
まり、冷媒抜取り時は本装置の一部を構成する圧縮機が
冷媒回収機として機能する。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、この発明に係る空気調和装
置の一実施形態について図１および図２を基に詳細に説
明する。

【００１１】この空気調和装置は図１に示すように冷媒
回路１を有し、冷媒回路１は圧縮機２、凝縮器３、膨張
弁４、蒸発器５をその順に冷媒循環通路６ａ〜６ｂで接
続してなるとともに、この冷媒循環通路６ａ〜６ｂを介
して圧縮機２、凝縮器３、膨張弁４、蒸発器５の順に冷
媒が循環するように構成されている。

【００１２】圧縮機２では冷媒を圧縮し、凝縮器３では
圧縮後の冷媒が凝縮し、膨張弁４では凝縮後の冷媒が膨
張し、蒸発器５では膨張後の冷媒が蒸発するように構成
されている。なお、圧縮機２、凝縮器３、膨張弁４、蒸
発器５におけるそれぞれの冷媒の状態は、圧縮機２では
低圧冷媒ガスから高圧冷媒ガスに、凝縮器３では高圧冷
媒ガスから高圧冷媒液に、膨張弁４では高圧冷媒液から
低圧冷媒液に、蒸発器５では低圧冷媒液から低圧冷媒ガ
スに変化する。

【００１３】圧縮機２と凝縮器３を接続する冷媒循環通
路６ａの途中には第１のバルブ７が設置されており、こ
の第１のバルブ７は、冷媒回路１内から冷媒を抜くとき
にのみ当該冷媒循環通路６ａを遮断し、それ以外の通常
運転時は当該冷媒循環通路６ａを開放するように構成さ
れている。

【００１４】このように、圧縮機２と凝縮器３を接続す
る冷媒循環通路６ａは、第１のバルブ７を境に上流と下
流とに区分され、その下流側の一定区間、すなわち第１
のバルブ７から圧縮機２に至る区間の冷媒循環通路６ａ
には、それより分岐してなる分岐路８が設けられ、この
分岐路８の先端には冷媒回収ボンベ９（図２参照）が着
脱自在に装着される。

【００１５】また、分岐路８には第２のバルブ１０が設
置されており、この第２のバルブ１０は冷媒回路１内か
ら冷媒を抜くときにのみ分岐路８を開放し、それ以外の
通常運転時は当該分岐路８を閉鎖するように構成されて
いる。

【００１６】次に、上記の如く構成された空気調和装置
の動作について図１及び図２を用いて説明する。

【００１７】この空気調和装置によれば、通常運転を行
う際は、図１に示すように第１のバルブ７を開いて冷媒
循環通路６ａを開放し、かつ第２のバルブ１０を閉じて
分岐路８を閉鎖した後、この状態で、圧縮機２を作動さ
せる。

【００１８】圧縮機２が作動すると、冷媒回路１中の冷
媒が冷媒循環通路６ａ〜６ｂを介して圧縮機２、凝縮器
３、膨張弁４、蒸発器５の順に循環し、その順に冷媒が
循環すると、冷媒の圧縮、凝縮、膨張、蒸発という状態
変化を通じて室内の温湿度等の調和が図られる。

【００１９】一方、空気調和装置のメンテナンスを行う
等のため、冷媒回路１中の冷媒を抜く必要が生じたとき
は、図２に示すように、第１のバルブ７を閉じて冷媒循
環通路６ａを閉鎖し、かつ第２のバルブ１０を開いて分
岐路８を開放し、さらに、分岐路８の先端に冷媒回収ボ
ンベ９を装着した後、この状態で、圧縮機２を作動させ
る。

【００２０】圧縮機２が作動し、圧縮機２での冷媒圧縮
動作がなされると、第１のバルブ７より上流の冷媒、す
なわち凝縮器３、膨張弁４、蒸発器５側にある冷媒のす
べてが圧縮機２側に吸い寄せられ、これがさらに第１の
バルブ７の下流側に位置する圧縮機２から冷媒循環通路
６ａ及び分岐路８を通過して冷媒回収ボンベ９側に圧送
される。このように、圧縮機２の冷媒圧縮動作により、
冷媒回路１中の冷媒が冷媒回収ボンベ９内に回収され、
冷媒回路１からの冷媒抜取り作業が完了する。

【００２１】この実施形態の空気調和装置によれば、冷
媒回路１内から冷媒を抜く際、圧縮機２が冷媒圧縮動作
を開始するとともに、圧縮機２と凝縮器３を接続する冷
媒循環通路６ａが遮断され、その遮断部から圧縮機３に
至る区間の冷媒循環通路６ａが冷媒回収ボンベ９側に接
続開放されるように構成したものである。このため、圧
縮機２の冷媒圧縮動作により、遮断部より上流側の冷媒
（凝縮器３、膨張弁４、蒸発器５側にある冷媒）が圧縮
機２側に吸い寄せられ、これが遮断部の下流側より冷媒
回収ボンベ１０内に回収充填される。このように、冷媒
抜取り時は本装置の一部を構成する圧縮機２が冷媒回収
機として機能することから、従来冷媒の抜取りに必要で
あった冷媒回収機を用いることなく冷媒の回収作業を行
うことができる。よって、そのような冷媒回収機を本装
置の設置場所まで持ち運ぶ必要もなく、高所や狭所にお
ける冷媒の回収作業が容易となり、冷媒回収の作業性に
優れる。

【００２２】また、この実施形態装置によると、上述の
ように従来の冷媒回収機が不要となることから、そのよ
うな冷媒回収機の作動用電源を別途確保する必要もな
く、電源確保の手間を省ける点で、冷媒回収の作業時間
の短縮をも図れる。さらに、回収した冷媒が冷媒回収ボ
ンベ１０内に充填されるので、環境破壊の防止にも役立
つ。

【００２３】

【発明の効果】この発明に係る空気調和装置にあって
は、冷媒回路内から冷媒を抜く際、圧縮機が冷媒圧縮動
作を開始するとともに、圧縮機と凝縮器を接続する冷媒
循環通路が遮断され、その遮断部から圧縮機に至る区間
の冷媒循環通路が冷媒回収ボンベ側に接続開放されるよ
うに構成したものである。このため、圧縮機の冷媒圧縮
動作により、遮断部より上流側の冷媒（凝縮器、膨張
弁、蒸発器側にある冷媒）が圧縮機側に吸い寄せられ、
これが遮断部の下流側より冷媒回収ボンベ内に回収充填
される。このように、冷媒抜取り時は本装置の一部を構
成する圧縮機が冷媒回収機として機能することから、従
来のように冷媒回収機を用いることなく冷媒の回収作業
を行うことができる。よって、そのような冷媒回収機を
本装置の設置場所まで持ち運ぶ必要もなく、高所や狭所
における冷媒の回収作業が容易となり、冷媒回収の作業
性の向上を図れる。また、上述のように従来の冷媒回収
機が不要となることから、そのような冷媒回収機の作動
用電源を別途確保する手間を省ける点で、冷媒回収の作
業時間の短縮をも図れる。さらに、回収した冷媒が冷媒
回収ボンベ内に充填されるので、環境破壊の防止にも役
立つ。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係る空気調和装置の一実施形態を示
す説明図。

【図２】図１に示す空気調和装置の動作説明図。

【図３】従来の空気調和装置の説明図。

【符号の説明】

２ 圧縮機 ３ 凝縮器 ４ 膨張弁 ５ 蒸発器 ６ａ〜６ｄ 冷媒循環路 ７ 第１のバルブ ８ 分岐路 ９ 冷媒回収ボンベ １０ 第２のバルブ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器をその
   順に冷媒循環通路で接続してなるとともに、この冷媒循
   環通路を介して圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器の順に
   冷媒が循環する冷媒回路を備え、圧縮機では冷媒を圧縮
   し、凝縮器では当該圧縮後の冷媒を凝縮させ、膨張弁で
   は当該凝縮後の冷媒を膨張させ、蒸発器では当該膨張後
   の冷媒を蒸発させる、空気調和装置において、 上記冷媒回路内から冷媒を抜く際、上記圧縮機の冷媒圧
   縮動作を開始するとともに、上記圧縮機と凝縮器を接続
   する冷媒循環通路を遮断し、その遮断部から圧縮機に至
   る区間の冷媒循環通路を冷媒回収ボンベ側に接続開放し
   てなることを特徴とする空気調和装置。
2. 【請求項２】 冷媒循環通路を遮断するための遮断手段
   が、 圧縮機と凝縮器を接続する冷媒循環通路の途中に設けた
   第１のバルブからなり、 冷媒循環通路を冷媒回収ボンベ側に接続開放するための
   接続開放手段が、 上記第１のバルブから圧縮機に至る区間の冷媒循環通路
   より分岐してなる分岐路と、 上記分岐路に設けた第２のバルブとからなることを特徴
   とする請求項１記載の空気調和装置。