JPH09291855A - 蒸発燃料処理装置 - Google Patents

蒸発燃料処理装置

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JPH09291855A
JPH09291855A JP13140896A JP13140896A JPH09291855A JP H09291855 A JPH09291855 A JP H09291855A JP 13140896 A JP13140896 A JP 13140896A JP 13140896 A JP13140896 A JP 13140896A JP H09291855 A JPH09291855 A JP H09291855A
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pressure
valve
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Takashi Isobe
高志 磯部
Hirofumi Muto
浩文 武藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両の悪路走行等に起因してフロート弁が閉
弁することによる誤判定を防止し、より正確な燃料タン
クの異常判定を行うことができる蒸発燃料処理装置を提
供する。 【解決手段】 タンク系減圧処理中において、圧力セン
サ出力PTANKの変化量DPTANKの絶対値が所定
変化量CUTOFFG以上となったときは(S43)、
タンク系異常判定終了フラグFDONE90Aを「1」
に設定して(S44)、以後のタンク系異常判定処理を
行わないようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料タンクより発
生する蒸発燃料を貯蔵して適時内燃エンジンの吸気系へ
放出する蒸発燃料処理装置に関し、特にその異常判定が
可能な蒸発燃料処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料タンクと、該燃料タンク内に発生す
る蒸発燃料を吸着するキャニスタと、該キャニスタと前
記燃料タンクとを連通するチャージ通路と、前記キャニ
スタと内燃エンジンの吸気系とを連通するパージ通路
と、前記キャニスタを大気に開放する大気通路と、前記
チャージ通路を開閉するチャージ制御弁と、前記パージ
通路を開閉するパージ制御弁と、前記大気通路を開閉す
るベントシャット弁と、前記チャージ通路の前記チャー
ジ制御弁より燃料タンク側に設けられ内部圧力を検出す
る圧力センサとを備えた蒸発燃料処理装置において、以
下のようにして燃料タンクの異常を判定する手法が従来
より知られている(例えば特開平6−288307号公
報): 1)パージ制御弁及びチャージ制御弁を開弁し、ベント
シャット弁を閉弁して燃料タンク内を所定の負圧状態と
し(減圧処理)、 2)パージ制御弁及びチャージ制御弁を閉弁し、その状
態での前記圧力センサ検出値の変化率が所定以上のと
き、燃料タンクの異常と判定する(リークチェック処
理)。
【0003】図10(a)はこの手法を説明するための
図であり、同図の実線は圧力センサ出力PTANK、破
線は正常時のタンク内圧力、一点鎖線は異常時のタンク
内圧力を示す。尚、図示の例の減圧処理では、圧力セン
サ出力PTANKに応じてパージ制御弁の開弁デューテ
ィを増減させ、実際のタンク内圧を目標圧まで減圧する
手法を採用している。
【0004】減圧処理終了後(t1)にチャージ制御弁
を閉弁すると、燃料タンクの正常時は圧力センサ出力P
TANKはほとんど上昇しない(実線)のに対し、リー
クがあるときは圧力センサ出力PTANKは上昇する
(一点鎖線)ので、上記手法により燃料タンクの異常を
判定することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の手法では、チャージ通路が燃料タンクに開口する部
分に、液体の燃料がチャージ通路に流出するのを防止す
るためのフロート弁が設けられている場合には、次のよ
うな問題があった。すなわち、上記減圧処理中に車両の
悪路走行等に伴って燃料タンクが上下に振動すると、こ
の振動と減圧の圧力とによって前記フロート弁が、閉弁
する場合があり、このような場合には、図10(b)に
示すように圧力センサ出力PTANKは急激に減少する
ため、減圧処理が完了したものと誤判断して、リークチ
ェック処理を開始する。ところが実際のタンク内圧は、
同図に破線で示すように十分低下していないため、リー
クがあっても時刻t4からt5までの間のPTANK値
の平均変化率は小さくなる。その結果、正常時との区別
が困難となり、正確なリークチェックを行うことができ
ないという問題があった。
【0006】また、減圧処理開始前に前記フロート弁が
閉弁し、そのまま減圧処理を開始した場合も減圧処理が
短時間で終了してしまうため、上記と同様の問題が生ず
る。本発明は上述した点に着目してなされたものであ
り、車両の悪路走行等に起因してフロート弁が閉弁する
ことによる誤判定を防止し、より正確な燃料タンクの異
常判定を行うことができる蒸発燃料処理装置を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1の発明は、燃料タンクと、該燃料タンク内に発
生する蒸発燃料を吸着するキャニスタと、該キャニスタ
と前記燃料タンクとを連通するチャージ通路と、前記キ
ャニスタと内燃エンジンの吸気系とを連通するパージ通
路と、前記キャニスタを大気に開放する大気通路と、前
記チャージ通路を開閉するチャージ制御弁と、前記パー
ジ通路を開閉するパージ制御弁と、前記大気通路を開閉
するベントシャット弁と、前記チャージ通路の前記チャ
ージ制御弁より燃料タンク側に設けられ内部圧力を検出
する圧力センサと、前記チャージ通路が前記燃料タンク
に開口する部分に設けられたフロート弁とを有する蒸発
燃料処理装置において、前記エンジンの所定の運転状態
で前記パージ制御弁及びチャージ制御弁を開弁し、前記
ベントシャット弁を閉弁することにより、前記燃料タン
ク内が所定の負圧状態となるまで減圧を行う減圧手段
と、前記圧力センサの検出値に基づいて前記燃料タンク
内が前記所定の負圧状態になったことを判定する減圧完
了判定手段と、前記減圧完了と判定したときに前記パー
ジ制御弁及びチャージ制御弁を閉弁し、その後の前記圧
力センサの検出値に基づいて異常を判定する異常判定手
段と、前記減圧手段の作動中に前記圧力センサの検出値
の変化量が所定変化量を越えたときは、前記フロート弁
の閉弁作動と判定し、前記異常判定手段による異常判定
を禁止する禁止手段とを備えるようにしたものである。
【0008】また請求項2の発明は、燃料タンクと、該
燃料タンク内に発生する蒸発燃料を吸着するキャニスタ
と、該キャニスタと前記燃料タンクとを連通するチャー
ジ通路と、前記キャニスタと内燃エンジンの吸気系とを
連通するパージ通路と、前記キャニスタを大気に開放す
る大気通路と、前記チャージ通路を開閉するチャージ制
御弁と、前記パージ通路を開閉するパージ制御弁と、前
記大気通路を開閉するベントシャット弁と、前記チャー
ジ通路の前記チャージ制御弁より燃料タンク側に設けら
れ内部圧力を検出する圧力センサと、前記チャージ通路
が前記燃料タンクに開口する部分に設けられたフロート
弁とを有する蒸発燃料処理装置において、前記エンジン
の所定の運転状態で前記パージ制御弁及びチャージ制御
弁を開弁し、前記ベントシャット弁を閉弁することによ
り、前記燃料タンク内が所定の負圧状態となるまで減圧
を行う減圧手段と、前記圧力センサの検出値に基づいて
前記燃料タンク内が前記所定の負圧状態になったことを
判定する減圧完了判定手段と、前記減圧完了と判定した
ときに前記パージ制御弁及びチャージ制御弁を閉弁し、
その後の前記圧力センサの検出値に基づいて異常を判定
する異常判定手段と、前記減圧完了判定時点から所定時
間内に、前記圧力センサの検出値が前記チャージ制御弁
の閉弁直前の検出値から所定値以上上昇したときは、前
記フロート弁の閉弁作動中と判定し、前記異常判定手段
による異常判定を禁止する禁止手段とを備えるようにし
たものである。
【0009】請求項1の蒸発燃料処理装置によれば、燃
料タンクの減圧実行中の圧力センサ検出値の変化量が所
定変化量以下のときは、減圧完了後の圧力センサ検出値
に基づいて異常判定が行われ、減圧実行中に圧力センサ
検出値が所定変化量を越えたときは、フロート弁の閉弁
作動と判定され、異常判定が禁止される。
【0010】請求項2の蒸発燃料処理装置によれば、燃
料タンク内の減圧完了判定時点から所定時間内に、圧力
センサの検出値がチャージ制御弁の閉弁直前の検出値か
ら所定値以上上昇したときは、フロート弁の閉弁作動中
と判定され、異常判定が禁止される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を
参照して説明する。
【0012】図1は本発明の実施の一形態に係る内燃エ
ンジン及び蒸発燃料排出抑止装置並びにそれらの制御装
置の全体構成図である。
【0013】図中、1は例えば4気筒を有する内燃エン
ジン(以下、単に「エンジン」という)であって、該エ
ンジン1の吸気管2の途中にはスロットル弁3が配され
ている。また、スロットル弁3にはスロットル弁開度
(θTH)センサ4が連結されており、当該スロットル
弁3の開度に応じた電気信号を出力して電子コントロー
ルユニット(以下「ECU」という)5に供給する。
【0014】燃料噴射弁6は、吸気管2の途中であって
エンジン1とスロットル弁3との間の図示しない吸気弁
の少し上流側に各気筒毎に設けられている。また、各燃
料噴射弁6は燃料供給管7を介して燃料タンク9に接続
されており、燃料供給管7の途中には燃料ポンプ8が設
けられている。燃料噴射弁6はECU5に電気的に接続
され、該ECU5からの信号により燃料噴射弁6の開弁
時間が制御される。
【0015】吸気管2の前記スロットル弁3の下流側に
は吸気管内絶対圧PBAを検出する吸気管内絶対圧(P
BA)センサ13及び吸気温TAを検出する吸気温(T
A)センサ14が装着されており、これらのセンサの検
出信号はECU5に供給される。
【0016】エンジン1のシリンダブロックの冷却水が
充満した気筒周壁にはサーミスタ等からなるエンジン水
温(TW)センサ15が挿着され、該TWセンサ15に
より検出されたエンジン冷却水温TWは電気信号に変換
されてECU5に供給される。
【0017】エンジン1の図示しないカム軸周囲または
クランク軸周囲にはエンジン回転数(NE)センサ16
が取り付けられている。NEセンサ16はエンジン1の
クランク軸の180度回転毎に所定のクランク角度位置
で信号パルス(以下、「TDC信号パルス」という)を
出力し、該TDC信号パルスはECU5に供給される。
【0018】排気管12の途中には、排気濃度センサと
してのO2センサ32が装着されており、排気ガス中の
酸素濃度を検出してその検出値VO2に応じた信号を出
力しECU5に供給する。排気管12のO2センサ32
の下流には、排気ガス浄化装置である三元触媒33が設
けられている。
【0019】またECU5には、エンジン1が搭載され
た車両の走行速度VPを検出する車速センサ17、バッ
テリ電圧VBを検出するバッテリ電圧センサ18及び大
気圧PAを検出する大気圧センサ19が接続されてお
り、これらのセンサの検出信号はECU5に供給され
る。
【0020】次に燃料タンク9、チャージ通路20、キ
ャニスタ25、パージ通路27等から構成される蒸発燃
料排出抑止系(以下「排出抑止系」という)31につい
て説明する。
【0021】燃料タンク9はチャージ通路20を介して
キャニスタ25に接続されており、チャージ通路20は
エンジンルーム内に設けられた第1及び第2の分岐部2
0a,20bを有する。そして、この分岐部20a,2
0bと燃料タンク9との間のチャージ通路20には、チ
ャージ通路20内の圧力(この圧力は定常状態において
は燃料タンク9内の圧力とほぼ等しいので、以下「タン
ク内圧」という)PTANKを検出する圧力センサ11
が取り付けられている。
【0022】燃料タンク9は、フィラーキャップ42が
設けられた給油管41を有し、さらに給油時用チャージ
通路44(一部のみ図示)を介してキャニスタ25に接
続されている。給油時用チャージ通路44は、前記チャ
ージ通路20より断面積が大きく、給油時に発生する大
量の蒸発燃料をキャニスタ25に供給するために設けら
れている。チャージ通路44の途中には、ダイヤフラム
弁45が設けられており、ダイヤフラム弁45は通路4
3を介して給油管41の給油口近傍に接続され、給油時
のみ開弁するように構成されている。
【0023】チャージ通路20及び44が燃料タンク9
に開口する部分には、第1及び第2のフロート弁46、
47が設けられており、これらのフロート弁46、47
は、燃料タンク9の満タン時や、燃料タンク9が傾いた
ときに閉弁し、液体の燃料がチャージ通路20又は44
内に流入するのことを防止するために設けられている。
【0024】第1の分岐部20aには二方向弁23が設
けられている。二方向弁23は、タンク内圧PTNKが
大気圧より20mmHg程度高くなったとき開弁する正
圧弁23a及びタンク内圧PTANKが二方向弁23の
キャニスタ25側の圧力より所定圧だけ低くなったとき
に開弁作動する負圧弁23bより構成されている機械式
の弁である。
【0025】第2の分岐部20bには、バイパス弁24
が設けられている。バイパス弁24は、通常は閉弁状態
とされ、後述する異常判定実行中開閉される電磁弁であ
り、その作動はECU5により制御される。
【0026】キャニスタ25は、燃料蒸気を吸着する活
性炭を内蔵し、通路26aを介して大気に連通する吸気
口(図示せず)を有する。通路26aの途中には、ベン
トシャット弁26が設けられている。ベントシャット弁
26は、通常は開弁状態に保持され、後述する異常判定
実行中、一時的に閉弁される電磁弁であり、その作動は
ECU5により制御される。
【0027】キャニスタ25は、パージ通路27を介し
て吸気管2のスロットル弁3の下流側に接続されてお
り、パージ通路27にはパージ制御弁30が設けられて
いる。パージ制御弁30は、その制御信号のオン−オフ
デューディ比を変更することにより流量を連続的に制御
することができるように構成された電磁弁であり、その
作動はECU5により制御される。
【0028】ECU5は、上述の各種センサからの入力
信号波形を整形して電圧レベルを所定レベルに修正し、
アナログ信号値をデジタル信号値に変換する等の機能を
有する入力回路と、中央演算処理回路(以下「CPU」
という)と、該CPUで実行する演算プログラムや演算
結果等を記憶する記憶回路と、前記燃料噴射弁6、バイ
パス弁24及びパージ制御弁30に駆動信号を供給する
出力回路とを備えている。
【0029】ECU5は上述の各種エンジンパラメータ
信号に基づいて、O2センサ32により検出される排ガ
ス中の酸素濃度に応じたフィードバック(O2フィード
バック)制御運転領域やオープンループ制御運転領域等
の種々のエンジン運転状態を判別するとともに、エンジ
ン運転状態に応じ、次式(1)に基づき、前記TDC信
号パルスに同期する燃料噴射弁6の燃料噴射時間Tou
tを演算する。
【0030】 Tout=Ti×K1×KO2+K2 …(1) ここに、Tiは燃料噴射弁6の噴射時間Toutの基準
値であり、エンジン回転数NEと吸気管絶対圧PBAに
応じて設定されたTiマップから読み出される。
【0031】KO2は空燃比補正係数であってフィード
バック制御時、O2センサ32により検出される排気ガ
ス中の酸素濃度に応じて設定され、更にフィードバック
制御を行わない複数のオープンループ制御運転領域では
各運転領域に応じた値に設定される係数である。
【0032】K1及びK2は夫々各種エンジンパラメータ
信号に応じて演算される他の補正係数及び補正変数であ
り、エンジン運転状態に応じた燃費特性、エンジン加速
特性等の諸特性の最適化が図られるような所定値に設定
される。
【0033】以上の構成において、排出抑止系31の異
常判定処理はECU5のCPUで実行される。図2及び
3はこの異常判定処理の全体構成を示すフローチャート
であり、本処理は所定時間毎(例えば80msec毎)
に実行される。
【0034】先ずステップS1では、圧力センサ(PT
ANKセンサ)11の零点補正を行う。具体的には、エ
ンジン始動時の吸気温TA及びエンジン水温TWが所定
範囲内にありかつ両温度の差が小さい場合(いわゆるコ
ールドスタートの場合)に、ベントシャット弁26を開
弁状態、パージ制御弁30を閉弁状態として、バイパス
弁24を閉弁状態から開弁させたときの、圧力センサ1
1の出力値の変化に基づいて、センサ11の出力値の零
点補正を行う。
【0035】ステップS2では、タンク系モニタ実施条
件(タンク系の異常判定実施条件)が成立するか否かの
判断を行う。ここで、タンク系は、排出抑止系31のバ
イパス弁24より燃料タンク側の部分を意味し、後述す
るキャニスタ系はバイパス弁24よりキャニスタ側の部
分を意味する。このタンク系モニタ実施条件は、例えば
パージ制御弁30を開弁したパージ実行中であり、かつ
エンジン運転状態が所定の定常的な状態にあり、かつ車
速VPの変化が小さいクルージング中であり、かつ空燃
比補正係数KO2が所定値以上であってパージ燃料の影
響が小さいとき、成立する。タンク系モニタ実施条件が
成立したときは、タンク系モニタ実施許可フラグFMC
ND90A及びモニタ実施許可フラグFEVPLKMが
ともに「1」に設定され、不成立のときはタンク系モニ
タ実施許可フラグFMCND90Aは「0」に設定され
る。モニタ実施許可フラグFEVPLKMは、以下に述
べるキャニスタ系モニタ実施条件が成立していれば、
「1」に設定されている。なお、キャニスタ系のモニタ
実施中は、タンク系モニタ実施条件は不成立とする。
【0036】ステップS3では、キャニスタ系モニタ実
施条件(キャニスタ系の異常判定実施条件)が成立する
か否かの判断を行う。このキャニスタ系モニタ実施条件
は、タンク系モニタ実施条件と同様に、パージ実行中で
あり、かつエンジン運転状態が所定の定常的な状態にあ
り、かつ車速VPの変化が小さいクルージング中であ
り、かつ空燃比補正係数KO2が所定値以上であってパ
ージ燃料の影響が小さいとき、成立する。キャニスタ系
モニタ実施条件が成立したときは、キャニスタ系モニタ
実施許可フラグFMCND90B及びモニタ実施許可フ
ラグFEVPLKMがともに「1」に設定され、不成立
のときはキャニスタ系モニタ実施許可フラグFMCND
90Bは「0」に設定される。モニタ実施許可フラグF
EVPLKMは、タンク系モニタ実施条件が成立してい
れば、「1」に設定されている。なお、タンク系のモニ
タ実施中は、キャニスタ系モニタ実施条件は不成立とす
る。
【0037】続くステップS4では、モニタ実施許可フ
ラグFEVPLKMが「1」か否かを判別し、FEVP
LKM=0であって、タンク系モニタ実施条件及びキャ
ニスタ系モニタ実施条件がともに不成立のときは、ステ
ップS8に進み、タンク内圧PTANKの常時監視処理
を実行する。
【0038】この常時監視処理においては、タンク内圧
PTANKの変動が小さい状態でのPTANK値の平均
値が、大気圧近傍に停滞した場合にタンク系に異常があ
ると判定する。この判定手法は、タンク系が正常である
ときは、タンク内圧PTANKは、大気圧より所定以上
高いか又は所定以上低い状態となる頻度が高いという事
実に基づいている。なお、この判定は、圧力センサ11
の零点補正終了後であって、ステップS10に示すよう
にバイパス弁24は閉弁状態、ベントシャット弁26は
開弁状態、パージ制御弁30はデューティ制御されてい
る通常制御状態で実行する。
【0039】次いで図3のステップS9に進み、圧力セ
ンサ11の零点ずれ算出処理実行中か否かを判別する。
この零点ずれ算出処理実行中は、バイパス弁11が開弁
状態、パージ制御弁30が閉弁状態とされる(ベントシ
ャット弁26は開弁状態)ので、ステップS10をとば
して直ちにステップS11に進み、実行中でなければス
テップS10に進み、通常制御モードとする。すなわ
ち、バイパス弁11を閉弁状態、ベントシャット弁26
を開弁状態とし、パージ制御弁30のデューティ制御を
行って、エンジン吸気系への蒸発燃料の供給量を制御す
る。
【0040】ステップS11では、ステップS14の大
気開放モード処理の最長の実行時間を制御するための大
気開放タイマ(ダウンカウントタイマ)tmPATMに
所定時間TPATM(例えば15秒)をセットしてスタ
ートさせる。
【0041】ステップS12では、本処理で使用する各
種フラグのリセットを行う。すなわち、大気開放モード
が終了したことを「1」で示す大気開放モード終了フラ
グFPATM、タンク系の減圧モード処理(ステップS
22)を実行することを「1」で示すタンク系減圧モー
ドフラグFPTDEC、タンク系リークチェックモード
処理(ステップS23)を実行することを「1」で示す
タンク系リークチェックモードフラグFTKLKCH
K、タンク系減圧モードにおけるフィードバック減圧の
実施許可を「1」で示すフィードバック減圧実施許可フ
ラグFPTFB、圧力復帰モード処理(ステップS2
7)を実行することを「1」で示す圧力復帰モード処理
フラグFPCNCL、補正チェックモード処理(ステッ
プS28)を実行することを「1」で示す補正チェック
モードフラグFPTREV、キャニスタ系の減圧モード
処理(ステップS16)を実行することを「1」で示す
キャニスタ系減圧モードフラグFPCDEC、内圧安定
モード(ステップS17)を実行することを「1」で示
す内圧安定モードフラグFPCBALA、キャニスタ系
リークチェックモード処理(ステップS18)を実行す
ることを「1」で示すキャニスタ系リークチェックモー
ドフラグFPCLK、及びタンクモニタまたはキャニス
タモニタ実施途中(圧力復帰モード)でモニタを中止す
ることを「1」で示すモニタ中止フラグFMCNDNG
を、いずれも「0」に設定する。
【0042】続くステップS13では、検出した今回の
タンク内圧PTANKを、初期圧PATM0として記憶
し、本処理を終了する。
【0043】タンク系モニタ実施条件またはキャニスタ
系モニタ実施条件が成立し、モニタ実施許可フラグFE
VPLKMが「1」になると、ステップS4からステッ
プS5に進み、モニタ中止フラグFMCNDNGが
「1」か否かを判別する。そして、FMCNDNG=1
であるときは、後述するステップS26でセットされる
タンク系圧力復帰タイマ(ダウンカウントタイマ)tm
PTCNCL及びキャニスタ系圧力復帰タイマ(ダウン
カウントタイマ)tmPCCNCLの値がともに「0」
であるか否かを判別する(ステップS6)。その結果、
tmPTCNCL>0またはtmPCCNCL>0であ
るときは、ステップS27に進み、tmPTCNCL=
0且つtmPCCNCL=0であるときは、モニタ実施
許可フラグFEVPLKMを「0」に設定して(ステッ
プS7)、前記ステップS8に進む。
【0044】ステップS5でFMCNDNG=0であっ
て、タンク系またはキャニスタ系のモニタ実施条件が成
立しているときは、大気開放モード処理を実行する(ス
テップS14)。具体的には、パージ制御弁30を閉弁
し、バイパス弁24及びベントシャット弁26を開弁し
て、キャニスタ系及びタンク系を所定時間大気開放状態
とする。そして、所定時間経過後、タンク系モニタ実施
許可フラグFMCND90Aが「1」であるときは、タ
ンク系減圧モードフラグFPTDECを「1」に設定す
るとともに、タンク系減圧処理モードで参照されるダウ
ンカウントタイマtmPRTANKにオープン減圧用所
定時間TPRGOP(例えば10秒)をセットしてスタ
ートさせ、大気開放モード処理を終了する。一方、キャ
ニスタ系モニタ実施許可フラグFMCND90Bが
「1」であるときは、キャニスタ系減圧モードフラグF
PCDECを「1」に設定するとともに、キャニスタ系
減圧モード処理(ステップS16)で参照されるダウン
カウントタイマtmPRGに所定時間TPRGをセット
してスタートさせ、大気開放モード処理を終了する。
【0045】続くステップS15ではキャニスタ系モニ
タ実施許可フラグFMCND90Bが「1」か否かを判
別し、FMCND90B=1であるときは、ステップS
16以下のキャニスタ系の異常判定処理を実行する。
【0046】先ずステップS16では、キャニスタ系減
圧モード処理を行う。具体的には、バイパス弁24を開
弁状態としたまま、ベントシャット弁26を閉弁し、パ
ージ制御弁30のデューティ制御を行うことにより、タ
ンク内圧PTANKを所定圧まで減圧する処理を行う。
【0047】続くステップS17では、内圧安定モード
処理を行う。具体的には、ベントシャット弁25を閉弁
状態としたまま、バイパス弁24及びパージ制御弁30
をともに閉弁し、所定時間TPCBALAその状態を維
持する。
【0048】次いで、キャニスタ系リークチェックモー
ド処理を実行する(ステップS18)。具体的には、ベ
ントシャット弁26及びパージ制御弁30を閉弁状態と
したまま、バイパス弁24を開弁し、所定時間TPCL
K経過後のタンク内圧PTANKの、リークチェックモ
ード開始時のタンク内圧PCBALAからの減少量(P
CBALA−PTANK)が、所定値DPCANIより
小さいとき、キャニスタ系の異常と判定する。また、所
定時間TPCLK経過前に前記減少量が所定値DPCA
NI以上となったときは、正常と判定して直ちにキャニ
スタ系リークチェックモード処理を終了する。キャニス
タ系が正常であれば、内圧安定モード終了時のキャニス
タ系内の圧力は例えば−40mmHg程度まで低下する
ので、バイパス弁24開弁後のタンク内圧PTANKは
その影響で所定値DPCANI以上低下するからであ
る。
【0049】続くステップS20では、ステップS6で
参照するキャニスタ系圧力復帰タイマtmPCCNCL
に所定時間TPCCNCL(例えば0.1秒)をセット
してスタートさせ、ステップS27に進む。
【0050】前記ステップS15でFMCND90B=
0であるときは、タンク系モニタ実施許可フラグFMC
ND90Aが「1」か否かを判別し、FMCND90A
=0であるときは、直ちにステップS27に進む。FM
CND90A=1であるときは、ステップS22(タン
ク系減圧モード処理)及びステップS23(タンク系リ
ークチェック処理)のタンク系の異常判定処理を実行す
る。
【0051】図4及び5は、図3のステップS22で実
行されるタンク系減圧モード処理のフローチャートであ
る。
【0052】ステップS31では、タンク系減圧モード
フラグFPTDECが「1」か否かを判別し、FPTD
EC=0であるときは直ちに本処理を終了する。FPT
DEC=1であるときは、タンク系減圧処理の終了を
「1」で示すタンク系減圧終了フラグFTANKGEN
(ステップS49参照)が「1」か否かを判別し(ステ
ップS32)、当初はFTANKGEN=0であるの
で、ステップS33に進み、タンク系のフィードバック
減圧を実行することを「1」で示すフィードバック減圧
フラグFPTFB(ステップS40参照)が「1」か否
かを判別する。当初はFPTFB=0であるので、大気
開放モード処理(図2、ステップS14)でスタートし
たタイマtmPRGTANKの値が「0」か否かを判別
し、tmPRGTANK>0である間は、ステップS3
5に進む。なお、ステップS40でフィードバック減圧
フラグFPTFBが「1」に設定された後は、ステップ
S33から直ちにステップS35に進む。
【0053】ステップS35では、バイパス弁24を開
弁状態としたまま、ベントシャット弁26を閉弁すると
ともにパージ制御弁30を開弁し、燃料タンク内の減圧
(オープン減圧)を行う。このときパージ制御弁30の
開弁デューティは、時間経過に伴って徐々に減少するよ
うに制御する。続くステップS38(図5)では、フィ
ードバック減圧フラグFPTFBが「1」か否かを判別
し、FPTFB=0である間(オープン減圧中)は、タ
ンク内圧PTANKが所定下限圧POBJL(例えば−
30mmHg)より高いか否かを判別する(ステップS
39)。当初はPTANK>POBJLであるので、ス
テップS41に進み、大気圧PATMとタンク内圧PT
ANKとの差圧(PATM−PTANK)が所定差圧D
PURGOK(例えば−3mmHg)より小さいか否か
を判別する。当初は(PATM−PTANK)<DPU
RGOKであるので、直ちに本処理を終了し、PTAN
K値が低下して(PATM−PTANK)≧DPURG
OKとなると、減圧OKフラグFPURGOKを「1」
に設定して(ステップS42)、本処理を終了する。
【0054】またPTANK値が低下し、ステップS3
9で、PTANK≦POBJLとなると、ステップS4
0に進み、フィードバック減圧フラグFPTFBを1に
設定し、タイマtmPRGTANKに所定フィードバッ
ク減圧時間TPRGFBをセットしてスタートさせると
ともに、ダウンカウントタイマtmPFBに所定時間T
PFBをセットしてスタートさせ、本処理を終了する。
【0055】一方PTANK<POBJLとなる前に、
所定時間TPRGOPが経過してtmPRGTANK=
0をなったときは、ステップS34からステップS36
に進み、減圧OKフラグFPURGOKが「1」か否か
を判別する。
【0056】そして、FPURGOK=0であって減圧
がほとんどできないときは(PATM−PTANK<D
PURGOK)、図6(タンク系リークチェック処理)
のステップS75で参照される、ダウンカウントタイマ
tmTANKLKに「0」をセットし(ステップS3
7)、タンク系減圧モードフラグFPTDECを「0」
に設定するとともにタンク系リークチェックモードフラ
グFTKLKCHKを「1」に設定して(ステップS5
0)、本処理を終了する。すなわち、この場合(ステッ
プS34でtmPRGTANK=0となったときFPU
RGOK=0であるとき)は、直ちにタンク系減圧モー
ド処理を終了し、タンク系リークチェックモード処理に
移行する。タンク系リークチェックモード処理では、後
述するようにタンク系減圧不可の異常有りと直ちに判定
してタンク系の異常判定処理を終了する(図6、ステッ
プS75→図8、ステップS101→S102→S10
9→S111)。
【0057】ステップS36でFPURGOK=1であ
るときは、前記ステップS40に進み、以後フィードバ
ック減圧を実行する。フィードバック減圧では、圧力セ
ンサ出力PTANKが所定の上下限圧の範囲内に入るよ
うにパージ制御弁30の開弁デューティを増減させ、実
際の燃料タンク内圧が徐々に目標負圧となるように制御
する(ステップS35)。
【0058】フィードバック減圧フラグFPTFB=1
となると、ステップS38からステップS43に進み、
圧力センサ出力の変化量DPTANK(PTANK(今
回値)−PTANK(前回値))の絶対値が、所定変化
量CUTOFFG(例えば9.8mmHg)より小さい
か否かを判別する。そして、|DPTANK|≧CUT
OFFGであるときは、タンク系モニタ終了フラグFD
ONE90Aを「1」に設定し(ステップS44)、以
後タンク系の異常判定処理を行わないこととしてステッ
プS45に進み、|DPTANK|<CUTOFFGで
あるときは、直ちにステップS45に進む。
【0059】ステップS43、S44により、減圧処理
中のPTANK値の変化量DPTANKが所定変化量C
UTOFFG以上のときには(図10(b)、t3参
照)、減圧処理中にフロート弁46が閉弁したと判定
し、タンク系モニタ終了フラグFDONE90Aを
「1」に設定し、以後の異常判定が行わないようにした
ので、減圧処理中のフロート弁46の閉弁作動に起因す
る誤判定を防止することができる。
【0060】ステップS45では、ステップS40でス
タートしてタイマtmPFBの値が「0」か否かを判別
し、tmPFB>0である間は、タイマtmPRGTA
NKの値が「0」か否かを判別し(ステップS46)、
tmPRGTANK>0である間は直ちに本処理を終了
する。ここで、タイマtmPFBは、図示しないパージ
制御弁30のデューティ制御処理においても所定時間T
PFBのセット及びスタートが行われ、圧力センサ出力
PTANKと実際のタンク内圧とがほぼ一致したと判定
された時点から、所定時間TPFB経過後にtmPFB
=0となる。
【0061】タイマtmPRGTANK>0である間に
tmPFB=0となると、燃料タンク内が所定の負圧状
態となった(減圧完了)と判定し、タンク系減圧終了フ
ラグFTANKGENを「1」に設定して(ステップS
49)、本処理を終了する。
【0062】一方、タイマtmPFB>0である間にt
mPRGTANK=0となると、ステップS46からス
テップS47に進み、減圧完了前に所定時間TPRGF
Bが経過したことを「1」で示す減圧未完了フラグFC
UPを「1」に設定し、次いでダウンカウントタイマt
mCUPに所定時間TCUP(例えば2秒)をセットし
てスタートさせ(ステップS48)、前記ステップS4
9に進む。
【0063】減圧終了フラグFTANKGENが「1」
に設定されると、ステップS32からステップS38に
進み、そのときの圧力センサ出力PTANKを減圧処理
終了圧PGENATUとして記憶し、次いでタンク系リ
ークチェックモード処理(図6から8)で参照されるダ
ウンカウントタイマtmCUTOFF,tmMIND,
tmPLKHLD及びtmTANKLKにそれぞれ所定
時間TCUTOFF(例えば2秒),TMIND(例え
ば0.5秒),TPLKHLD(例えば8秒)及びTT
ANKLK(例えば25.5秒)をセットしてスタート
させ(ステップS39)、前記ステップS50に進む。
【0064】図6から8は、図3のステップS23にお
けるタンク系リークチェックモード処理をフローチャー
トである。
【0065】図6のステップS61では、タンク系リー
クチェックフラグFTKLKCHKが「1」か否かを判
別し、FTKLKCHK=0であるときは直ちに本処理
を終了する。FTKLKCHK=1であるときは、減圧
未完了フラグFCUPが「1」か否かを判別し(ステッ
プS62)、FCUP=0であるときは、図4のステッ
プS39でスタートしたタイマtmCUTOFFの値が
「0」か否かを判別する(ステップS66)。当初はt
mCUTOFF>0であるので、タンク内圧PTANK
が所定圧PTCUTOFF(例えば−1mmHg)より
低いか否かを判別する(ステップS67)。通常はPT
ANK<PTCUTOFFであるので、ステップS68
に進み、減圧処理(図4、5)終了後所定遅延時間TM
IND後の圧力センサ出力PTANKを初期圧PMIN
として記憶したことを「1」で示す(ステップS74参
照)初期圧記憶フラグFPMINが「1」か否かを判別
する。当初はFPMIN=0であるので、ステップS6
8からS70に進み、圧力センサ出力PTANKと減圧
処理終了圧PGENATUとの差圧(PTANK−PG
ENATU)が所定差圧DPCUTOFF(例えば1
3.7mmHg)より小さいか否かを判別する。
【0066】(PTANK−PGENATU)<DPC
UTOFFであるときは直ちにステップS72に進む一
方、(PTANK−PGENATU)≧DPCUTOF
Fであるときは、リークチェック開始直後の圧力増加量
が大きいので(図9(a)参照)、フロート弁46の閉
弁中(減圧処理開始前から閉弁していた)と判定し、タ
ンク系モニタ終了フラグFDONE90A及びキャニス
タ系モニタ終了フラグFDONE90Bをともに「1」
に設定して、ステップS72に進む。これにより、タン
ク系減圧処理の開始前からフロート弁46が閉弁作動し
ている場合には、以後の異常判定処理が行われなくなる
ので、正常であるのに異常と誤判定することを防止する
ことができる。
【0067】なお、タイマtmCUTOFFが「0」と
なる前にPTANK≧PTCUTOFFとなったとき
(ステップS67の答が否定(NO))、又は圧力セン
サ出力PTANKと初期圧PMINとの差圧(PTAN
K−PMIN)が所定差圧DPMIN(例えば3mmH
g)以上となったとき(ステップS69の答が否定(N
O))も、ステップS71が実行され、以後の異常判定
処理が行われなくなる。ここで、ステップS69の判別
は、次の理由で設けられている。すなわち、パージ制御
弁30の開弁時の流量が低下した場合には、フロート弁
46が閉弁作動中でも、ステップS70で(PTANK
−PGENATU)≧DPCUTOFFとならないこと
があるので、そのような場合でもフロート弁46の閉弁
作動中を検知するため設けたものであり、所定時間TC
UTOFF内に(PTANK−PMIN)≧DPMIN
となったときは、フロート弁46の閉弁作動中と判定し
て、以後の異常判定処理を行わないようにしている。
【0068】タイマtmCUTOFFが「0」となると
ステップS66から直ちにステップS72に進む。
【0069】ステップS72では、タイマtmMIND
の値が「0」か否かを判別し、当初はtmMIND>0
であるので、直ちにステップS81(図7)に進む一
方、tmMIND=0となると、初期圧記憶フラグFP
MINが「1」か否かを判別し(ステップS73)、最
初はFPMIN=0であるので、そのときの圧力センサ
出力PTANKを初期圧PMINとして記憶し、初期圧
記憶フラグFPMINを「1」に設定して(ステップS
74)、ステップS75に進む。その後はステップS7
3から直ちにステップS75に進む。
【0070】ステップS75では、リークチェック時間
TTANKLKが設定されたタイマtmTANKLKの
値が「0」か否かを判別し、tmTANKLK>0であ
る間は、ステップS81(図7)に進む。
【0071】ステップS81では、後述する変化率PV
ARIBの算出式の分母となる変化率算出時間tTAN
KLKRを前記リークチェック時間TTANKLKに設
定し、圧力センサ出力PTANKが第1の所定負圧PT
ANKLKH(例えば−5mmHg)より低いか否かを
判別する(ステップS82)。PTANK<PTANK
LKHであるときは、PTANK値が前記第1の所定負
圧PTANKLKLより低い第2の所定負圧PTANK
LKL(例えば−10mmHg)より低いか否かを判別
する(ステップS83)。そして、ステップS82でP
TANK≧PTANKLKHであるときは、変化率算出
時間tTANKLKRを変更することを「0」で示す変
化率算出時間変更フラグFPLKLHLDを「0」に設
定して(ステップS85)、またステップS83でPT
ANK<PTANKLKLであるときは変化率算出時間
変更フラグFPLKLHLDを「1」に設定して(ステ
ップS84)、ステップS87に進む。
【0072】また、ステップS82の答が肯定(YE
S)でステップS83の答が否定(NO)、すなわちP
TANKLKL≦PTANK<PTANKLKHである
ときは、変化率算出時間変更フラグFPLKLHLDを
「0」に設定し、ステップS89で参照されるタイマt
mPLKHLD(図4、ステップS39参照)に前記所
定時間TPLKHLDをセットしてスタートさせ(ステ
ップS88)、ステップS93に進む。
【0073】ステップS87では、圧力センサ出力PT
ANKの変化量DPTANKの絶対値が「0」であるか
否かを判別し、|DPTANK|>0であるときは前記
ステップS88に進み、|DPTANK|=0であると
きはタイマtmPLKHLDの値が「0」か否かを判別
する(ステップS89)。そして、tmPLKHLD>
0である間は、直ちにステップS93に進み、tmPL
KHLD=0となると、前記変化率算出時間変更フラグ
FPLKLHLDが「1」か否かを判別する(ステップ
S90)。FPLKLHLD=1であるとき(PTAN
K<PTANKLKL且つ|DPTANK|=0である
状態が所定時間TPLKHLD継続したとき)は、ステ
ップS101(図8)に進み、FPLKLHLD=0で
あるときは、下記式により変化率算出時間tTANKL
KRを変更する。
【0074】tTANKLKR=TTANKLK−tm
TANKLK−TPLKHLD ここでtmTANKLKは、この時点におけるタイマt
mTANKLKの値を意味する。このように変更するの
は、実際にPTANK値が変化した時間(PTANK値
が一定である時間を除いた時間)を、変化率算出式の分
母とするためである。なお、FPLKLHLD=1のと
きは、タンク系にリークは無いと考えられるので、変化
率PVARIBが実際より小さな値となっても問題ない
ため、tTANKLKLR=TTANKLKのままとし
ている。
【0075】続くステップS92では、タイマtmTA
NKLKの値を「0」に設定して、ステップS93に進
む。ステップS93では、ベントシャット弁26を閉弁
状態のままとし、バイパス弁24及びパージ制御弁30
を閉弁して、本処理を終了する。そして、リークチェッ
ク開始から所定時間TTANKLKが経過すると、ステ
ップS75からステップS101(図8)に進む。
【0076】ステップS101では、タンク系減圧終了
フラグFTANKGENが「1」か否かを判別し、FT
ANKGEN=0であって十分な減圧ができなかったと
き(図4のステップS36からS37を経由してステッ
プS50に至ったとき)は、ステップS102に進み、
結果パラメータM6ERT10及び基準パラメータM6
ELT10をそれぞれ、差圧(PATM−PTANK)
及び所定差圧DPURGOKに設定する(図5、ステッ
プS41参照)とともに、タンク系チェックパラメータ
M6ECHAを「4」に設定する。M6ECHA=4
は、タンク系減圧不可であったことを示す。タンク系減
圧不可の原因としては、配管はずれ、圧力センサ11の
出力異常、バイパス弁24が開弁作動せずといったこと
が考えられる。なお、これらのパラメータM6ERT1
0,M6ELR10及びM6ECHAは、図示しない他
の処理で参照される。
【0077】続くステップS109では、タンク系に異
常があることを「1」で示すタンク系異常フラグFFS
D90Aを「1」に設定し、タンク系が正常であること
を「1」で示すタンク系正常フラグFOK90Aを
「0」に設定し、次いでタンク系モニタ終了フラグFD
ONE90Aを「1」に設定し(ステップS111)、
さらにタンク系リークチェックフラグFTKLKCHK
を「0」に設定し、圧力復帰モードフラグFPCNCL
を「1」に設定して(ステップS112)、本処理を終
了する。
【0078】ステップS101で、FTANKGEN=
1であって減圧ができたときは、そのときの圧力センサ
出力PTANKを終了圧PENDとして記憶し(ステッ
プS103)、下記式により変化率PVARIBを算出
する(ステップS104)。
【0079】PVARIB=(PEND−PMIN)/
tTANKLKR 次いで変化率PVARIBが負の値か否かを判別し(ス
テップS105)、PVARIB<0であるときはPV
ARIB=0として(ステップS106)、またPVA
RIB≧0であるときは直ちにステップS107に進
む。
【0080】ステップS107では、結果パラメータM
6ERT11及び基準パラメータM6ELT11をそれ
ぞれ、変化率PVARIB及び所定変化率PVARI0
(ステップS108参照)に設定するとともに、タンク
系チェックパラメータM6ECHAを「5」に設定し
て、ステップS108に進む。M6ECHA=5は、タ
ンク系リークチェックが終了したことを示す。なお、こ
れらのパラメータM6ERT11,M6ELR11及び
M6ECHAは、図示しない他の処理で参照される。
【0081】ステップS108では、変化率PVARI
Bが所定変化率PVARI0より大きいか否かを判別
し、PVARIB>PVARI0であるときは、異常有
りと判定して前記ステップS109へ進む。
【0082】PVARIB≦PVARI0であるとき
は、タンク系OKフラグFOK90Aを「1」に設定し
て(ステップS110)、前記ステップS111へ進
む。
【0083】図6に戻り、ステップS62でFCUP=
1であって所定時間TPRGFB内にフィードバック減
圧が終了しなかったときは、タイマtmCUPの値が
「0」か否かを判別し(ステップS63)、tmCUP
>0である間は、圧力センサ出力PTANKと減圧終了
圧PGENATUとの差圧(PTANK−PGENAT
U)が、所定差圧DPCUP(例えば8.8mmHg)
より大きいか否かを判別する(ステップS64)。そし
て、(PTANK−PGENATU)>DPCUPであ
るときは、フィラーキャップはずれのような大きなリー
クがあると判定し、結果パラメータM6ERT12及び
基準パラメータM6ELT12をそれぞれ、差圧(PT
ANK−PGENATU)及び所定差圧DPCUPに設
定するとともに、タンク系チェックパラメータME6C
HAを「6」に設定して(ステップS65)、前記ステ
ップS109(図8)に進む。ME6CHA=6は、タ
ンク系に大きなリークがあると判定したことを示す。な
お、これらのパラメータM6ERT12,M6ELR1
2及びM6ECHAは、図示しない他の処理で参照され
る。
【0084】ステップS64で(PTANK−PGEN
ATU)≦DPCUPであるときは、又は所定時間TC
UP経過後は前記ステップS72に進む。
【0085】上記ステップS62、S63及びS64並
びにステップS72以下の処理により、タンク系の減圧
が所定時間内に完了しなかった場合(FCUP=0の場
合)でも、タンク系リークチェックが実行されるので、
パージ制御弁の経時劣化等に起因して燃料タンク内圧の
減圧速度が低下した場合でも、正確な燃料タンクの異常
判定を行うことができる。すなわち、リークチェックモ
ード処理開始後所定時間TCUP内に、圧力センサ出力
PTANKと減圧処理終了時(バイパス弁24に閉弁直
前)の圧力センサ出力PGENATUとの差圧が所定圧
DPCUPを越えたときは、異常有り(大きなリークあ
り)と判定されるので(ステップS63→S64→S6
5、図9(b)参照)、大きなリークがあるために減圧
が所定時間内に完了しなかった異常を正確に検知するこ
とができる。また、単にパージ制御弁の経時劣化等に起
因して燃料タンク内圧の減圧速度が低下した場合では、
ステップS72以下の処理が実行され、正常であればP
VARIB≦PVARI0となるので(図9(c)参
照)、正常であることの判定も正確に行うことができ
る。
【0086】図3に戻り、続くステップS25では、圧
力復帰処理モードフラグFPCNCLまたは補正チェッ
クモードフラグFPTREVが「1」か否かを判別す
る。タンク系リークチェックモードが終了するまでは、
FPCNL=FPTREV=0であるので、ステップS
26でタンク系圧力復帰タイマtmPTCNCLに所定
時間TPTCNCL(例えば0.1秒)をセットしてス
タートさせ、ステップS27に進む。一方、タンク系リ
ークチェックモードが終了すると、圧力復帰モード処理
フラグFPCNCLが「1」に設定されるので、ステッ
プS25から直ちにステップS27に進む。
【0087】ステップS27では、圧力復帰モード処理
を実行する。具体的には、バイパス弁24を開弁状態、
パージ制御弁30を閉弁状態としたまま、ベントシャッ
ト弁26を開弁し、キャニスタ系及びタンク系に大気を
導入する。このとき、タンク内圧PTANKの変化の態
様に応じて、タンク系の異常判定を行う。そして、異常
または正常との判定が確定したときは、補正チェックモ
ード処理を行うことなく本処理を終了し、判定が確定し
ないときは、圧力復帰モードフラグFPCNCLを
「0」、補正チェックモードフラグFPTREVを
「1」に設定して、補正チェックモードに移行する。
【0088】ステップS28では、補正チェックモード
処理を実行する。具体的には、ベントシャット弁26を
開弁状態、パージ制御弁30を閉弁状態としたまま、バ
イパス弁24を閉弁し、所定時間内のPTANK値の変
化率PVARICを検出する。そして、ステップS23
で検出した変化率PVARIBと本ステップで検出した
変化率PVARICとに基づいてタンク系の異常判定を
行う。
【0089】ステップS28の処理の実行後、本処理を
終了する。
【0090】なお、図2及び3の処理は、イグニッショ
ンスイッチがオンされると所定時間毎に実行されるが、
エンジンが始動されて上述した一連の判定処理(ステッ
プS14〜S28)が終了し、異常若しくは正常の判定
が確定したときは、異常判定処理は実行されなくなる。
その後、エンジンが停止され、再度始動されると上述し
た処理が再度実行される。すなわち、イグニッションス
イッチがオンされてから、エンジンが始動され、停止す
るまでの期間を1運転期間とすると、1運転期間に1回
異常判定処理が実行される。また、異常判定処理実行中
にタンク系モニタ終了フラグFDONE90Aが「1」
に設定されたときは、以後当該運転期間中はタンク系の
異常判定処理は実行されなくなり、キャニスタ系モニタ
終了フラグFDONE90Bが「1」に設定されたとき
は、以後当該運転期間中はキャニスタ系の異常判定処理
は実行されなくなる。そして、本実施の形態では、異常
ありとの判定が2運転期間に亘って連続してなされたと
き、運転者に警告を発するようにしている。
【0091】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1の蒸発燃料
処理装置によれば、燃料タンクの減圧実行中の圧力セン
サ検出値の変化量が所定変化量以下のときは、減圧完了
後の圧力センサ検出値に基づいて異常判定が行われ、減
圧実行中に圧力センサ検出値の変化量が所定変化量を越
えたときは、フロート弁の閉弁作動と判定され、異常判
定が禁止されるので、車両の悪路走行等によりフロート
弁が閉弁することに起因する誤判定を防止し、より正確
な燃料タンクの異常判定を行うことができる。
【0092】請求項2の蒸発燃料処理装置によれば、燃
料タンク内の減圧完了判定時点から所定時間内に、圧力
センサの検出値がチャージ制御弁の閉弁直前の検出値か
ら所定値以上上昇したときは、フロート弁の閉弁作動中
と判定され、異常判定が禁止されるので、車両の悪路走
行等によりフロート弁が閉弁することに起因する誤判定
を防止し、より正確な燃料タンクの異常判定を行うこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る内燃エンジン及び
蒸発燃料排出抑止装置並びにそれらの制御装置の全体構
成図である。
【図2】蒸発燃料排出抑止系の異常判定を行う処理の全
体構成を示すフローチャートである。
【図3】蒸発燃料排出抑止系の異常判定を行う処理の全
体構成を示すフローチャートである。
【図4】図3のタンク系減圧モード処理を詳細に示すフ
ローチャートである。
【図5】図3のタンク系減圧モード処理を詳細に示すフ
ローチャートである。
【図6】図3のタンク系リークチェックモード処理を詳
細に示すフローチャートである。
【図7】図3のタンク系リークチェックモード処理を詳
細に示すフローチャートである。
【図8】図3のタンク系リークチェックモード処理を詳
細に示すフローチャートである。
【図9】異常判定処理を説明するための図である。
【図10】従来技術の問題点を説明するための図であ
る。
【符号の説明】
5 電子コントロールユニット(ECU) 9 燃料タンク 11 圧力センサ 20 チャージ通路 24 バイパス弁 25 キャニスタ 26 ベントシャット弁 26a 大気通路 27 パージ通路 30 パージ制御弁 46 フロート弁

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料タンクと、該燃料タンク内に発生す
    る蒸発燃料を吸着するキャニスタと、該キャニスタと前
    記燃料タンクとを連通するチャージ通路と、前記キャニ
    スタと内燃エンジンの吸気系とを連通するパージ通路
    と、前記キャニスタを大気に開放する大気通路と、前記
    チャージ通路を開閉するチャージ制御弁と、前記パージ
    通路を開閉するパージ制御弁と、前記大気通路を開閉す
    るベントシャット弁と、前記チャージ通路の前記チャー
    ジ制御弁より燃料タンク側に設けられ内部圧力を検出す
    る圧力センサと、前記チャージ通路が前記燃料タンクに
    開口する部分に設けられたフロート弁とを有する蒸発燃
    料処理装置において、 前記エンジンの所定の運転状態で前記パージ制御弁及び
    チャージ制御弁を開弁し、前記ベントシャット弁を閉弁
    することにより、前記燃料タンク内が所定の負圧状態と
    なるまで減圧を行う減圧手段と、 前記圧力センサの検出値に基づいて前記燃料タンク内が
    前記所定の負圧状態になったことを判定する減圧完了判
    定手段と、 前記減圧完了と判定したときに前記パージ制御弁及びチ
    ャージ制御弁を閉弁し、その後の前記圧力センサの検出
    値に基づいて異常を判定する異常判定手段と、 前記減圧手段の作動中に前記圧力センサの検出値の変化
    量が所定変化量を越えたときは、前記フロート弁の閉弁
    作動と判定し、前記異常判定手段による異常判定を禁止
    する禁止手段とを備えることを特徴とする蒸発燃料処理
    装置。
  2. 【請求項2】 燃料タンクと、該燃料タンク内に発生す
    る蒸発燃料を吸着するキャニスタと、該キャニスタと前
    記燃料タンクとを連通するチャージ通路と、前記キャニ
    スタと内燃エンジンの吸気系とを連通するパージ通路
    と、前記キャニスタを大気に開放する大気通路と、前記
    チャージ通路を開閉するチャージ制御弁と、前記パージ
    通路を開閉するパージ制御弁と、前記大気通路を開閉す
    るベントシャット弁と、前記チャージ通路の前記チャー
    ジ制御弁より燃料タンク側に設けられ内部圧力を検出す
    る圧力センサと、前記チャージ通路が前記燃料タンクに
    開口する部分に設けられたフロート弁とを有する蒸発燃
    料処理装置において、 前記エンジンの所定の運転状態で前記パージ制御弁及び
    チャージ制御弁を開弁し、前記ベントシャット弁を閉弁
    することにより、前記燃料タンク内が所定の負圧状態と
    なるまで減圧を行う減圧手段と、 前記圧力センサの検出値に基づいて前記燃料タンク内が
    前記所定の負圧状態になったことを判定する減圧完了判
    定手段と、 前記減圧完了と判定したときに前記パージ制御弁及びチ
    ャージ制御弁を閉弁し、その後の前記圧力センサの検出
    値に基づいて異常を判定する異常判定手段と、 前記減圧完了判定時点から所定時間内に、前記圧力セン
    サの検出値が前記チャージ制御弁の閉弁直前の検出値か
    ら所定値以上上昇したときは、前記フロート弁の閉弁作
    動中と判定し、前記異常判定手段による異常判定を禁止
    する禁止手段とを備えることを特徴とする蒸発燃料処理
    装置。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113490789A (zh) * 2019-03-01 2021-10-08 爱三工业株式会社 蒸发燃料处理装置

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