JP4103185B2 - 圧力センサの異常診断装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料タンク内に発生した蒸発燃料をエンジンの吸気通路に供給する蒸発燃料供給経路に配置され該蒸発燃料供給経路内の圧力を検出する圧力センサの異常診断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両に搭載されるエンジンの燃料タンクの上面とエンジンの吸気通路とを連通する蒸発燃料供給経路を設け、該経路にキャニスタを配設し、キャニスタと吸気通路との間にパージバルブを設けて、燃料タンク内で発生した蒸発燃料を上記キャニスタに一旦吸着させ、所定の運転領域で上記パージバルブを開いて吸気負圧でキャニスタ内の蒸発燃料を大気開放通路からの外気とともに吸気通路に供給するようにした蒸発燃料供給装置が従来から知られている。
【0003】
そして、この蒸発燃料供給装置の故障診断の手法として、診断時に、パージバブルを開き、蒸発燃料供給経路内に吸気負圧を引き込んで、経路内圧力が所定負圧まで下がるかどうかによって蒸発燃料供給経路の接続不良やバージバルブの閉じ不良等に起因する重度の漏れ(ラージリーク)を診断し、また、経路内圧力が所定負圧まで下がった状態でパージバルブを閉じ、蒸発燃料供給経路を密閉して、密閉後の蒸発燃料供給経路内の圧力の戻り具合で蒸発燃料供給経路の亀裂等による軽度の漏れ(スモールリーク)を診断することが行われている。
【0004】
また、そうした故障診断のための経路内圧力(タンク内圧力)を検出する圧力センサが正常に機能しているかどうかを診断する装置として、特開平5−195895号公報に記載されているように、エンジン始動後所定時間内におけるセンサ出力値の変化が所定値より小さいときに圧力センサの異常と判定する装置が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記蒸発燃料供給装置の故障診断では、蒸発燃料供給経路に配置された圧力センサが正常に機能していないと正確な診断ができない。そして、その圧力センサは、センサ出力値が殆ど一定値に張り付いて動かなくなる固着故障を生じることがある。そのため、圧力センサにこのような固着故障等の異常が生じていないかどうかの診断を行うことが必要である。そこで、上記蒸発燃料供給経路のラージリーク及びスモールリークの診断を実行する時に、同時に、圧力センサ出力値の変化度合が所定値以上かどうかによってセンサ異常診断を行うことが考えられる。エンジン始動後所定時間内におけるセンサ出力値の変化が所定値より小さいときに圧力センサの異常と判定する上記従来の手法では、エンジン始動後の運転状態によって蒸発燃料供給経路内圧力の変化度合にばらつきが大きいため、センサ異常と判定するしきい値を設定することが困難で、結局、固着故障等のセンサ異常を正確に判定することはできない。
【0006】
ところで、蒸発燃料供給経路の異常診断は、エンジンの所定の運転状態で、まず、パージバルブを通常のパージ制御の開度から更に大きく開いて、蒸発燃料供給経路内への吸気負圧の引き込みを強め、そのときの経路内圧力の下がり具合によってラージリークを診断するものであって、アイドル時のように吸気負圧が高い状態で、パージ制御でパージバルブが若干開いて蒸発燃料供給経路内の圧力がかなり下がっているときにこれを行うと、経路内圧力が下がり過ぎ、負圧が大きくなり過ぎて、燃料タンクが凹む等の問題が生ずる。そこで、そういった元々蒸発燃料供給経路内の圧力が低い状態では経路異常診断を実行せず、蒸発燃料供給経路内の圧力がある程度高い状態となったときに実行するようにしている。そのため、蒸発燃料供給経路の異常診断と同時に圧力センサの異常診断を行う場合は、経路異常診断のための通常の実行条件が成立するまでは、圧力センサについても異常診断を実行できない。
【0007】
しかしながら、圧力センサについては、経路異常を正確に診断するには圧力センサが正常であることが不可欠であるため、本来は経路異常診断の前に圧力センサの異常診断を行うべきものであって、経路異常診断を待つことなく圧力センサの異常診断を早急に実行したいという要求がある。
【0008】
そこで、経路異常診断とは別に、蒸発燃料供給経路内に吸気負圧を引き込んで経路内圧力を下げ、そのときの圧力センサ出力値の変化度合に基づいてセンサ異常判定を行うことが考えられるが、この場合も、吸気負圧が高く蒸発燃料供給経路内の圧力がかなり下がっている状態で、更に吸気負圧を引き込んだのでは、負圧が大きくなり過ぎて燃料タンクが凹む等の問題が生ずる事情に変わりがなく、結局は、蒸発燃料供給経路内が高負圧状態で、経路異常判定が実行されないようなときにはセンサ異常判定も実行できない。
【0009】
したがって、蒸発燃料供給経路内が高負圧状態で経路異常診断が実行されないようなときでも該蒸発燃料供給経路に配置された圧力センサの異常診断を実行できるようにすることが課題である。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る装置は、燃料タンク内に発生した蒸発燃料をエンジンの吸気通路に供給する蒸発燃料供給経路に配置され該蒸発燃料供給経路内の圧力を検出する圧力センサと、所定の判定条件が成立したときに蒸発燃料経路内の圧力を所定期間変化させるよう蒸発燃料供給経路内への吸気負圧の導入及び大気圧の導入を調整する経路内圧力調整手段と、前記所定期間あるいは該期間経過後の圧力センサ出力値の変化度合に基づいて圧力センサの異常を判定するセンサ異常判定手段とを備えた圧力センサの異常診断装置であって、所定条件が成立した時の経路内圧力の検出値が所定値より大きい負圧であるときには、予め経路内圧力が負圧減少方向に変化するよう調整し、所定条件が成立した時の経路内圧力の検出値が所定値より大きい負圧であるときには、経路内圧力が負圧減少方向に変化するよう調整した期間あるいは該期間後の圧力センサ出力値の変化度合が所定度合より小さいときに、圧力センサが異常であると判定するようにしたものである。
【0011】
この装置によれば、エンジン始動後、エンジンの運転状態(回転数,負荷,水温等)がパージバルブの開度等の変化に蒸発燃料供給経路内圧力の変化度合が略対応する状態となったときに、センサ異常判定の条件が成立したと判断される。そして、その判定条件が成立した時の経路内圧力の検出値(圧力センサ出力値)が所定値より大きい負圧であるときには、その負圧が減少する方向に蒸発燃料供給経路内への吸気負圧の導入及び大気圧の導入の調整がなされ、その調整期間あるいは該期間後の圧力センサ出力値の変化度合が所定度合より小さいときに、圧力センサが異常であると判定される。この場合、蒸発燃料供給経路内が高負圧状態で更に吸気負圧を引き込んだのでは負圧が大きくなり過ぎて燃料タンクが凹む等の問題が生ずるため経路異常診断が実行されないようなときでも、圧力センサ異常判定のための経路内圧力の調整が、負圧を減少させる方向に行われるので、負圧が大きくなり過ぎて燃料タンクが凹む等の問題を伴わずに、始動後早急に圧力センサの異常診断を実行できる。
【0012】
そして、特に請求項1に係る装置は、経路内圧力が負圧減少方向に変化するよう調整する期間の圧力センサ出力値の変化度合に基づいてセンサ異常判定を行うようにしたものである。上記経路内圧力が負圧減少方向に変化するよう調整する期間は、パージバルブ等の調整により蒸発燃料供給経路内圧力を強制的に変化させるので、圧力センサの固着故障等による異常判定のためのセンサ出力値の変化度合のしきい値の設定が容易であり、正確なセンサ異常判定を早急に行うことができる。
【0013】
また、特に請求項2に係る装置は、前記所定条件が成立した時の経路内圧力の検出値が所定値以下の負圧であるとき、あるいは、所定条件が成立した時の経路内圧力の検出値が所定値より大きい負圧で、経路内圧力が一旦負圧減少方向に変化するよう調整することにより経路内圧力の検出値が所定値以下の負圧となったときに、経路内圧力が第2の所定値以上の負圧まで負圧増大方向に変化するよう調整した後、負圧を所定期間保持するよう調整するととともに、所定条件が成立した時の経路内圧力の検出値が所定値以下の負圧であるときには、経路内圧力を負圧増大方向に変化させる調整動作の開始から、経路内圧力の負圧を所定期間保持させる調整動作の終了までの期間における圧力センサ出力値の変化度合に基づいて、センサ異常判定を行い、所定条件が成立した時点の経路内圧力の検出値が所定値より大きい負圧であるときには、経路内圧力を一旦負圧減少方向に変化させる調整動作の開始から、経路内圧力を負圧増大方向に変化させ、その後負圧を所定期間保持させる調整動作の終了までの期間における圧力センサ出力値の変化度合に基づいて、センサ異常判定を行うようにしたものである。
【0014】
この装置によれば、所定条件が成立した時の経路内圧力の検出値(圧力センサ出力値)が所定値以下の負圧であるときには、経路内圧力が第2の所定値以上の負圧まで負圧増大方向に変化するよう調整が行われ、その後、負圧が所定期間保持されるよう調整が行われて、その経路内圧力が負圧増大方向に変化するよう調整する調整動作の開始から、負圧が所定期間保持されるよう調整する調整動作の終了までの期間における圧力センサ出力値の変化度合に基づいて、センサ異常判定が行われ、圧力センサ出力値の変化度合が所定度合より小さいときに圧力センサが異常であると判定される。この場合、蒸発燃料供給経路内は燃料タンクが凹む等の問題を生じる程の高負圧状態にならない範囲でセンサ異常診断のための圧力変化をつくり出し、正確なセンサ異常判定を行うようにできる。
【0015】
また、所定条件が成立した時の経路内圧力の検出値が所定値より大きい負圧であるときには、一旦負圧が減少する方向に蒸発燃料供給経路内への吸気負圧の導入及び大気圧の導入の調整がなされた後、経路内圧力が第2の所定値以上の負圧まで負圧増大方向に変化するよう調整が行われ、その後、負圧が所定期間保持されるよう調整が行われて、その経路内圧力を一旦負圧減少方向に変化させる調整動作の開始から、経路内圧力を負圧増大方向に変化させ、その後負圧を所定期間保持させる調整動作の終了までの期間における圧力センサ出力値の変化度合に基づいて、センサ異常判定を行われ、圧力センサ出力値の変化度合が所定度合より小さいときに圧力センサが異常であると判定される。この場合、一旦負圧が減少する方向に調整がなされることによって、やはり、蒸発燃料供給経路内が燃料タンクが凹む等の問題を生じる程の高負圧状態とならない範囲でセンサ異常診断のための圧力変化をつくり出し、正確なセンサ異常判定を行うようにできる。
【0016】
請求項3に係る装置は、請求項2に係る上記圧力センサの異常診断装置において、経路内圧力の検出値が所定値以下の負圧である状態から、経路内圧力を負圧増大方向に変化させ、その後負圧を保持させるよう調整する期間の圧力センサ出力値の変化度合に基づいて、センサ異常判定とともに、蒸発燃料供給経路の異常判定を行うようにしたものである。その経路内圧力を負圧増大方向に変化させる調整を行う期間において、経路内圧力が所定負圧まで下がるかどうかによって蒸発燃料供給経路のラージリークを診断することができ、その後負圧を保持させるよう調整する期間において、蒸発燃料供給経路内の圧力の戻り具合で蒸発燃料供給経路のスモールリークを診断することができる。
【0017】
請求項4に係る装置は、請求項1又は2に係る上記圧力センサの異常診断装置において、センサ異常判定のための圧力センサ出力値のモニタを、エンジン始動直後から開始するようにしたものである。こうしてエンジン始動直後からセンサモニタを開始することにより、モニタ範囲が拡がり、見落としによる誤判定を防止できる。
【0018】
なお、蒸発燃料供給経路の異常診断装置は、燃料タンク内に発生した蒸発燃料をエンジンの吸気通路に供給する蒸発燃料供給経路に配置され該蒸発燃料供給経路内の圧力を検出する圧力センサと、エンジンの運転状態が所定条件を満たした時に蒸発燃料経路内の圧力を所定期間変化させるよう蒸発燃料供給経路内への吸気負圧の導入及び大気圧の導入を調整する経路内圧力調整手段と、前記所定期間あるいは該期間経過後の圧力センサ出力値の変化度合に基づいて蒸発燃料供給経路の異常を判定する経路異常判定手段とを備えた蒸発燃料供給経路の異常診断装置であって、所定条件が成立した時の経路内圧力の検出値が所定値より大きい負圧であるときには、予め経路内圧力を負圧減少方向に変化するよう調整し、所定条件が成立した時点での経路内圧力の検出値が所定値より大きい負圧であるときには、経路内圧力が負圧減少方向に変化するよう調整された後、前記所定期間において経路異常判定を行うようにしたものであるのがよい
【0019】
この装置によれば、エンジンの運転状態が所定条件を満たした時に、その所定条件成立時の経路内圧力の検出値が所定値より大きい負圧であるときには、経路内圧力が予め負圧減少方向に変化するよう吸気負圧の導入及び大気圧の導入が調整された後、異常判定のため所定期間変化するよう調整され、その調整期間において経路異常判定が行われる。この場合、蒸発燃料供給経路内が高負圧状態で更に吸気負圧を引き込んだのでは負圧が大きくなり過ぎて燃料タンクが凹む等の問題が生ずるためそのままでは経路異常診断を行えないが、予め負圧を減少させる方向に調整が行われるので、負圧が大きくなり過ぎて燃料タンクが凹む等の問題を伴わずに、始動後早急に蒸発燃料供給経路の異常診断を実行できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
図1は本発明が適用されるエンジンの概略システムを示している。この図において、1はシリンダを有するエンジン本体であり、そのシリンダの燃焼室2には吸気弁によって開閉される吸気ポート3及び排気弁によってによって開閉される排気ポート4が開口し、燃焼室2頂部には点火プラグ18が配置されている。
【0022】
上記吸気ポート3には吸気通路5が接続され、排気ポート4には排気通路13が接続されている。そして、吸気通路5には、その上流側から順にエアクリーナ6,エアフローセンサ7,スロットル弁8及びサージタンク9が設けられるとともに、吸気ポート5の近傍に、燃料を噴射するインジェクタ(燃料噴射弁)10が設けられている。さらに、上記スロットル弁8をバイパスするISC通路11が設けられ、このISC通路11には、アイドル回転数制御のためにこの通路11の空気流量を調節するISCバルブ12が設けられている。一方、排気通路13にはO2センサ14,触媒装置15等が設けられている。また、吸気通路5には、スロットル弁8の開度を検出するスロットル開度センサ16が設けられ、エンジン本体1には、エンジンの図示しないクランクシャフトの回転角を検出するクランクアングルセンサ17と、エンジンの冷却水の温度を検出する水温センサ19が設けられている。
【0023】
上記インジェクタ10に対して燃料を供給する燃料系は、燃料タンク20,燃料ポンプ21,燃料供給通路22及びリターン通路23を備え、上記燃料ポンプ21により燃料タンク20から燃料供給通路22を通してインジェクタ10に燃料が送られるようになっている。上記燃料供給通路22にはフューエルフィルタ24が介設されている。また、上記リターン通路23には、吸気圧に応じて燃圧を調整するプレッシャレギュレータ25が設けられている。また、燃料タンク20内には、燃料の液面に浮上するフロートの位置に基づいて燃料の残量を検出するよう燃料タンク20の上面にフロートタイプの残量センサ(油面センサ)26が配置されている。
【0024】
また、上記燃料タンク20内で発生した蒸発燃料を吸気側に供給する蒸発燃料供給系が設けられている。この蒸発燃料供給系は、蒸発燃料供給経路を構成するパージ通路30を備えており、このパージ通路30は、上流端が燃料タンク20の上部に接続されるとともに、下流端が吸気通路5のサージタンク9に接続されている。そして、このパージ通路30の途中には蒸発燃料を吸着するキャニスタ31が介設されており、このキャニスタ31に大気開放通路32が接続されている。
【0025】
燃料タンク20とキャニスタ31との間のパージ通路30には、燃料タンク20内の圧力が高くなったときにタンク内圧をキャニスタ31側へ逃がすチェックバルブ33が設けられるとともに、これと並列にソレノイドバルブからなる開閉バルブ(以下TPCVバルブと称する)34が設けられている。また、上記大気開放通路32には、エアフィルタ35及びチェックバルブ36が設けられるとともに、ソレノイドバルブからなる開閉バルブ(以下CDCVバルブと称する)37が設けられている。
【0026】
上記キャニスタ31とサージタンク9との間のパージ通路30には、蒸発燃料を含むパージガスの供給量(パージ量)を調節ためのデューティソレノイドバルブからなるパージバルブ38が設けられている。また、蒸発燃料供給系には、パージバルブ38よりも燃料タンク20側におけるパージ通路30の圧力として燃料タンク20内の圧力を検出する燃料タンク内圧力センサ(以下FTPセンサと称する)39が設けられている。これらパージバルブ38、TPCVバルブ34およびCDCVバルブ37はエンジンコントロールユニット(ECU)40によって制御される。
【0027】
ECU40には、エアフローメータ7,O2センサ14,スロットル開度センサ16,クランクアングルセンサ17,水温センサ19,残量センサ26,FTPセンサ39,大気圧を検出する大気圧センサ41等の検出信号が入力される。そして、ECU40はこれら入力された情報に基づいてインジェクタ10,点火プラグ18,ISCバルブ12等を制御し、また、パージバルブ38,TPCVバルブ34,CDCVバルブ37等を制御して、キャニスタ31に吸着された燃料をエンジンの特定運動領域で吸気通路5に供給するパージ制御を行うとともに、パージ通路30等のパージ系の異常診断の処理を行い、また、FTPセンサ39の異常診断の処理を行う。
【0028】
パージ系の異常診断では、エンジン始動後、エンジン回転数,充填効率,水温等による所定の判定条件が成立した時に、パージ通路内30に吸気通路5の負圧を導入し、さらにパージ通路30を密閉した状態で、予め設定された診断時間内、例えば25秒間におけるパージ通路30の圧力上昇度合を上記FTPセンサ39の検出信号に基づいて演算する。すなわち、図2に実線で示すようにTPCVバルブ34およびパージバルブ38を開放し、CDCVバルブ37を閉止することにより、燃料タンク20と吸気通路5との間で上記パージ通路30を開通させ、大気側開放通路32を遮断して、パージ通路30内に吸気通路5の負圧を導入して、パージ通路30の内部圧力(経路内圧力)を−200mmAq程度の負圧まで下げ、次いで、上記パージバルブ38を閉止してパージ通路30を負圧状態で密閉する。そして、パージバルブ38を開放してから所定の基準時間(例えば、25秒)が経過した時のFTPセンサ39の出力値である検出圧力(第1検出圧力)と、その後、所定の診断時間が経過した時の検出圧力(第2検出圧力)をそれぞれ読み込み、上記第2検出圧力から上記第1検出圧力を減算することにより、上記診断時間e内におけるパージ通路30の圧力上昇度合を求める。そして、上記診断時間e内における圧力上昇度合の演算値と、運転状態に応じて設定された基準値とを比較し、上記圧力上昇度合が基準値よりも大きいときは、パージ通路30内の負圧を適正に維持することができない故障、例えばパージ通路30に亀裂が形成される等の軽度の故障(スモールリーク)があると判定する。
【0029】
但し、上記判定条件が成立した時のFTPセンサ39によって検出されたパージ通路30の内部圧力ftp(圧力センサ出力値)が例えば所定値(−190mmAq〜−150mmAq)より大きい負圧であるときには、図2に破線で示すようにCDCVバルブ37を所定期間開状態に保持したまま、TPCVバルブ34を開放し、パージバルブ38を全閉にして、パージ通路30内の圧力(経路内圧力)を一旦上記所定値以下の負圧とする。そして、その後、再びパージバルブ38を開放し、CDCVバルブ37を閉止して、経路内圧力を−200mmAq程度の負圧まで下げ、パージ通路30を密閉して、上記スモールリークの判定を行う。
【0030】
また、経路内圧力を−200mmAq程度の負圧まで下げるようパージバルブ38を開放し、CDCVバルブ37を閉止した時、パージ通路30内を所定の負圧状態とするのに要した時間を測定して、この測定時間が予め設定された基準時間(例えば、30秒)よりも長い場合には、パージ通路30の接続不良等に起因する重度の故障(ラージリーク)があると判定するとともに、パージバルブ38を開放してから上記基準時間が経過した時点におけるFTPセンサ39の第1検出圧力と、運転状態に応じて設定された基準圧力とを比較して、第1検出圧力が基準圧力よりも高いときは、パージバルブ38を全閉状態とすることができないバルブ故障によるラージリークが発生したと判定する。
【0031】
また、蒸発燃料供給系の故障診断時に上記診断時間よりも短い時間に設定されたサンプリング時間、例えば後述する故障診断時の制御サイクル、またはこの制御サイクルとは関係なく1秒程度に設定されたサンプリング毎に、パージ通路30の圧力変化量をFTPセンサ39の検出信号に基づいて演算し、また、診断時間内におけるパージ通路30の圧力上昇度合と、所定の係数とを掛け合わせる等により、上記圧力上昇度合が増大するのに従って大きな値となるよう揺れ度合判別用のしきい値を設定する。そして、上記診断時間内においてサンプリング時間毎に演算された各圧力変化量のうち最大値を求め、この最大値と、上記揺れ度合判別用のしきい値とを比較して、このしきい値よりも圧力変化量の最大値が大きいときは、燃料タンク20内において大きな油面の揺れが生じているため燃料の気化が促進され易い状態にあるとして、蒸発燃料供給系の故障判定を中止する。また、残量センサ26の出力信号に基づいて油面の揺れが大きいか否かを判定し、油面の揺れが大きいときは、燃料の気化が促進され易い状態にあると判断して、蒸発燃料供給系の故障判定を中止する。
【0032】
また、上記FTPセンサ39の異常診断は、FTPセンサ39のセンサ出力値が動かなくなる固着故障を検出するものであって、エンジン始動後、FTPセンサ39のセンサ出力値のモニタを開始する。そして、上記判定条件が成立し、その時点で圧力センサ出力値ftpが例えば−190mmAq〜−150mmAqに設定された上記所定値より高くて、図2に実線で示すようにTPCVバルブ34及びパージバルブ38が開放され、CDCVバルブ37が閉止されて、直ちにラージリーク判定のモニタが開始された後、あるいは、上記判定条件が成立した時の圧力センサ出力値ftpが例えば上記所定値より低くて、図2に破線で示すようにCDCVバルブ37が開状態に保持されたままTPCVバルブ34が開放されてパージバルブ38が全閉とされた後で、圧力センサ出力値ftpの変化度合が所定度合以上かどうかによってFTPセンサ39の固着故障を判定する。
【0033】
上記固着故障の判定は、図2に示すエンジン始動後のa’の期間にモニタしたセンサ出力値ftpの最大値ftpmaxと最小値ftpminの差が所定値(所定度合)S以上であるかどうかを図2に示すaの期間において判定するものであり、最大値ftpmaxと最小値ftpminの差が所定値Sより小さいときに、FTPセンサ39が異常であると判定する。なお、この場合、上記固着故障の判定のためのモニタは、図2に示すaの期間に入ってから実行してもよい。少なくとも上記aの期間でのモニタ値を基に、最大値ftpmaxと最小値ftpminの差が所定値Sより小さいとき、FTPセンサ39が異常であると判定できる。
【0034】
また、上記FTPセンサ39の異常判定は、図2に示すb’の期間、すなわち、エンジン始動からパージ系のリーク判定終了までの期間のセンサ出力値ftpのモニタ値に基づいて行うものであってもよい。この場合、エンジン始動後、FTPセンサ39のセンサ出力値ftpのモニタを開始し、ラージリーク判定のモニタ開始後、図2に示すbの期間において、少なくともラージリーク判定が終了するまでの期間、更にモニタを行って、その後、センサ出力値ftpの最大値ftpmaxと最小値ftpminの差が所定値Sより小さいときに、FTPセンサ39が異常であると判定する。なお、この場合、上記固着故障の判定のためのモニタは、図2に示すbの期間に入ってから実行してもよい。少なくとも上記bの期間でのモニタ値を基に、最大値ftpmaxと最小値ftpminの差が所定値Sより小さいとき、FTPセンサ39が異常であると判定できる。
【0035】
図3〜図7は、蒸発燃料供給系の異常診断の処理を実行するフローチャートであって、スタートすると、ステップS1においてエンジンが作動状態にあるか否かを判定し、YESと判定したときは、ステップS2においてパージ通路30内を負圧状態とする基準時間dをカウントするための減圧タイマTpgonのカウント値を0にリセットする。
【0036】
次に、ステップS3においてスロットル開度tvoの検出値が予め設定された基準開度aよりも小さいか否かを判定する。この基準開度aは、スロットル弁8を20〜25%程度開放したエンジンの軽負荷運転時に対応した値に設定されるものである。そして、ステップS3の判定がNOのときは、エンジンが高負荷運転状態にあって、吸気流量が多く、蒸発燃料供給系の故障診断のためにパージ通路30内を所定の負圧状態とすることができない場合があるということで、ステップS4においてTPCVバルブ34を閉止し、次いで、ステップS5においてCDCVバルブ37を開放し、ステップS2にリターンする。
【0037】
ステップS3の判定がYESのときは、エンジンが所定の軽負荷運転状態にあるということで、この場合は、ステップS6においてエンジン運転状態を検出する各センサの検出値を入力し、次いで、ステップS7において蒸発燃料供給系に重度の故障(ラージリーク)が生じているか否かを判定するための負圧の判定基準となる基準圧力bを、水温および大気圧の検出値に基づいて設定する。基準圧力bは、−200mmAq程度の負圧に設定され、高地走行時にエンジン回転数が低下傾向をなることに起因してパージ通路の負圧が十分に確保されないことによる故障誤判定を防止するよう、大気圧が低い程絶対値の小さい負圧、つまり高い圧力に設定される。
【0038】
次ぎに、ステップS8及びステップS9で、異常診断の判定条件が成立したか否かを判定する。すなわち、ステップS8でエンジン回転数Neが所定範囲Ne1〜Ne2にあるかどうかを判定し、エンジン回転数Neが所定範囲にあれば、次いで、ステップS9で充填効率Ceが所定範囲Ce1〜Ce2にあるかどうかを判定し、ステップS8の判定およびステップS9の判定が共にYESのときは、判定条件が成立し、ラージリーク判定のためのモニタを開始するということで、ステップS10へ進んで、モニタフラグFmoを1にセットする。また、ステップS8の判定およびステップS9の判定のいずれかがNoのときは、判定条件不成立ということで、ステップS4に進む。
【0039】
そして、判定条件成立ということでステップS10でモニタフラグFmoを1にセットしたときは、次に、ステップS11で、FTPセンサ39によって検出されたパージ通路30の内部圧力ftp(圧力センサ出力値)が所定範囲PA〜PB(PAは、−190mmAq〜−150mmAqの値であり、PBは0mmAqである。)の値かどうか、つまりPA(−190mmAq〜−150mmAq)以下の負圧であるかどうかを判定する。そして、ステップS11の判定がYESで、ftpが所定値PA以下の負圧であるときは、そのまま異常診断が可能ということで、後述のステップS16へ進む。
【0040】
また、ステップS11の判定がNoで、ftpが所定値PAより大きい負圧であるときは、そのままでは異常診断ができない高負圧状態ということで、次いでステップS12で、所定範囲の高負圧状態かどうかを圧力センサ出力値ftpが所定範囲PC〜PA(PCは、例えば−400mmAqである。)の値かどうかによって判定する。そして、所定範囲PC〜PAより更に高負圧側であるときは、ステップS4へリターンし、所定範囲PC〜PAの高負圧状態のときは、負圧を一旦下げる処理として、ステップS13においてCDCVバルブ37を所定期間開状態に保持し、ステップS14においてTPCVバルブ34を開放し、ステップS15においてパージバルブ38を全閉にする。そして、ステップS6へリターンする。この間、CDCVバルブ37が開保持され、TPCVバルブ34が開放され、パージバルブ38が全閉にされることにより、吸気負圧の導入が停止され、大気圧が導入されて、パージ通路30内の負圧が下がる。そして、ステップS11の判定がYESになったところでステップS16へ進む。
【0041】
ステップS16へ進むと、CDCVバルブ37を閉止し、その後、ステップS17においてパージバルブ38を開放し、更に、ステップS18においてTPCVバルブ34を開放する。こうしてCDCVバルブ37が閉止され、パージバルブ38およびTPCVバルブ34が開放されると、吸気通路5内の負圧がパージ通路30内に導入され、パージ通路30の内部圧力が次第に低下する。
【0042】
その後、ステップS19において減圧タイマTpgonのカウント値を1だけ加算し、次いで、ステップS20においてスロットル開度tvoの検出値が基準開度aよりも小さいか否かを再び判定する。
【0043】
そして、ステップS20の判定がNOで、スロットル開度tvoが上記基準開度aよりも大きいというときは、ステップS21においてタイマTtvdによりスロットル開度ディレィ時間のカウントを行い、ステップS22においてタイマTtvdのカウント値と、予め設定された1秒程度の基準時間cとを比較してタイマTtvdがタイムアップしたか否かを判定し、判定がYESで、タイムアップしていないというときは、ステップS6に戻って上記制御動作を繰り返す。
【0044】
また、ステップS22の判定がNOで、タイマTtvdがタイムアップしたときは、スロットル開度tvoが基準開度aよりも大きい状態が所定時間に亙って継続されたということで、この場合は、パージ通路30内の負圧が十分得られないことに起因する誤判定を防止するため、ステップS23においてタイマTtvdのカウント値を0にリセットした後、ステップS4にリターンする。
【0045】
また、上記ステップS20の判定がYES、つまり、スロットル開度tvoの検出値が上記基準開度aより小さい、あるいは上記基準時間c内にスロットル開度tvoの検出値が基準開度aよりも小さくなったという場合は、ステップS24において、FTPセンサ39によって検出されたパージ通路30の内部圧力(圧力センサ出力値)ftpがステップS7で設定された基準圧力bよりも低いか否かを判定する。そして、ステップS24でNO、つまりftpが基準圧力bよりも高いと判定したときは、ステップS25において減圧タイマTpgonのカウント値が予め設定された30秒程度の基準時間d以上となったか否かを判定し、ステップS25の判定がNOのときは、ステップS6にリターンして上記制御動作を繰り返す。
【0046】
また、ステップS25の判定がYESで、上記基準時間dが経過した時点でもftpが上記基準圧力bよりも低くなっていないというときは、蒸発燃料供給系に重度の故障(ラージリーク)があるということで、ステップS26で故障が発生したことを表示する信号を出力して制御動作を終了する。
【0047】
そして、ステップS24の判定がYESで、ftpが基準圧力bよりも低くなった場合は、ステップS27においてパージ通路30の圧力上昇度合を測定するための診断時間eをカウントする負圧保持タイマTpgofを0にリセットし、次いで、ステップS28において記憶手段に記憶された圧力変化量の最大値ftbrmaxの記憶値を0にリセットする。
【0048】
次に、ステップS29においてパージバルブ38を閉止してパージ通路30を密閉する。そして、上記基準時間dが経過した時点で、ステップS30においてFTPセンサ39により検出されたパージ通路30の内部圧力(圧力センサ出力値)を第1検出圧力ftp1として記憶した後、ステップS31においてパージバルブ38の故障を判定するための基準圧力P1を、水温および大気圧の検出値に基づいて設定する。上記基準圧力P1は、通常の運転状態では、例えば−130mmAq程度の値に設定される。
【0049】
そして、ステップS32において上記第1検出圧力ftp1が基準圧力P1よりも大きいか否かを判定し、このステップS25の判定がYESのときは、蒸発燃料供給系に中度の故障(リーク)が生じた状態であるということで、ステップS33において蒸発燃料供給系に中度の故障(リーク)が発生したことを表示させる信号を出力して制御動作を終了する。
【0050】
また、上記ステップS32でNOと判定したときは、ステップS34においてエンジンの運転状態を検出する各センサの検出値を入力した後、ステップS35において蒸発燃料供給系に軽度の故障(スモールリーク)が生じているか否かの判定基準となる圧力上昇度合の基準値Prを、水温および大気圧の検出値に基づいて設定し、次いで、ステップS36において、蒸発燃料供給系の故障判定条件が成立しているか否かを再度判定する。そして、ステップS36の判定がNOのときは、ステップS4へ進む。
【0051】
ステップS36の判定がYESで、蒸発燃料供給系の故障判定条件が成立しているというときは、ステップS37において減圧タイマTpgonのカウント値を1だけ加算した後、ステップS38において、残量センサ26の検出信号に基づいて油面の揺れが大きいか否かを判定する。そして、ステップS38の判定がYESで、油面の揺れが大きいというときは、蒸発燃料供給系の故障判定を実行すべき状態にないということで、ステップS4へ進む。
【0052】
また、上記ステップS38の判定がNOのときは、ステップS39において、FTPセンサ39により検出された今回のパージ通路30の内部圧力(圧力センサ出力値)ftpの前回値との偏差を求めることにより今回の制御時における圧力変化量ftprを演算し、次いで、ステップS40において、上記圧力変化量ftprを記憶値と比較して、大きい方を最大値ftprmaxとして記憶手段に記憶させる。
【0053】
次に、ステップS41において上記タイマTpgofのカウント値を予め設定された25秒程度の診断時間eと比較して、タイマTpgofがタイムアップした否かを判定し、判定がNOで、タイムアップしていないというときは、ステップS34に戻って上記制御動作を繰り返す。そして、ステップS41の判定がYESで、上記診断時間eが経過したというときは、ステップS42において、FTPセンサ39により検出されたパージ通路30の内部圧力(圧力センサ出力値)ftpを第2検出圧力ftp2として記憶し、次いで、ステップS43において、第2検出圧力ftp2から第1検出圧力ftp1を減算することにより、診断時間e内におけるパージ通路30の圧力上昇度合(ftp2−ftp1)を求める。
【0054】
次に、ステップS44において、診断時間e内におけるパージ通路30の圧力上昇度合(ftp2−ftp1)の絶対値と、予め設定された係数Kとを掛け合わせた値(k×|ftp2−ftp1|)を、揺れ度合判別用のしきい値Aとして設定する。
【0055】
そして、ステップS45において、上記ステップS40で求めた圧力変化量の最大値ftprmaxが上記揺れ度合判別用のしきい値Aよりも小さいか否かを判定し、その判定がNOで、燃料タンク20内の燃料の油面の揺れが大きく、燃料の気化が促進されることにより、パージ通路30の内部圧力が短時間で大きく上昇し易い状態にあるという場合は、故障判定を実施せず、ステップS4にリターンする。
【0056】
また、ステップS45の判定がYESで、燃料タンク20内の燃料の油面の揺れが小さいというときは、ステップS46において、上記圧力上昇度合の絶対値|ftp2−ftp1|が第2基準値Prよりも小さいか否かを判定する。
【0057】
そして、ステップS46の判定がNOで、パージ通路30の圧力上昇度合の絶対値|ftp2−ftp1|が第2基準値Pr以上のときは、ステップS47において、パージ通路30に亀裂が形成される等の故障が発生したことを表示させる信号を出力する。
【0058】
また、上記ステップS46の判定がYESで、パージ通路30の圧力上昇度合の絶対値|ftp2−ftp1|が上記第2基準値Prよりも小さいときは、正常ということで、ステップS48においてCVDVバルブ37を開放し、次いで、ステップS49でTPCVバルブ34を閉止する。そして、ステップS50でモニタフラグFmoを0にリセットし、制御処理を終了する。
【0059】
図8及び図9は、上記図2に示すa’の期間におけるモニタ値に基づいてセンサ異常判定を行う場合の、FTPセンサ39の異常診断の処理を実行するフローチャートであって、スタートし、ステップS101においてエンジンが作動したかどうかを判定し、エンジンが作動したらステップS102において圧力センサ出力値の最大値ftpmaxおよび最小値ftpminをそれぞれ0にリセットする。
【0060】
そして、ステップS103において、FTPセンサ39のセンサ出力値ftpを入力する。そして、ステップS104〜107において圧力センサ出力値の最大値ftpmaxおよび最小値ftpminを求める。すなわち、ステップS103において、今回の圧力センサ出力値ftpがそれまでに記憶された最大値ftpmaxより大きいか否かを判定して、判定がYESで、今回の圧力センサ出力値ftpがそれまでの最大値ftpmaxより大きいときは、ステップS105において今回の圧力センサ出力値ftpを新たな最大値ftpmaxとして記憶した後、ステップS106へ進み、判定がNOで、今回の圧力センサ出力値ftpがそれまでの最大値ftpmax以下のときは、ステップS105をスキップしてそのままステップS106へ進む。そして、ステップS106において今回の圧力センサ出力値ftpがそれまでの最小値ftpminより小さいか否かを判定し、判定がYESで、今回の圧力センサ出力値ftpがそれまでの最小値ftpminより小さいときは、ステップS107で今回のセンサ出力値ftpを新たな最小値ftpminとして記憶した後、ステップS108へ進み、判定がNOで、今回の圧力センサ出力値ftpがそれまでの最小値ftpmin以上というときは、ステップS107をスキップしてそのままスキップS108へ進む。
【0061】
ステップS108では、図3〜図7のフローチャートのステップS10及び50において設定されるモニタフラグFmoの設定が0(ゼロ)になっているかどうかを判定する。そして、判定がYESで、モニタフラグFmoの設定が0というときは、ラージリーク判定のモニタ開始点に達していないということで、ステップS103へリターンする。
【0062】
そして、ステップS108の判定がNOで、モニタフラグFmoが1になっているというときは、ステップS109において前回のモニタフラグFmoが0であったかどうか判定し、判定がNOで、前回も1のときは、ステップS103へリターンする。
【0063】
そして、ステップS109の判定がYESで、前回のモニタフラグFmoが0であったときは、ラージリーク判定のモニタ開始点、すなわち経路内圧力を変化させる期間(例えば図2のaの期間)の開始点に入ったということで、ステップS110において、圧力センサ出力値の変化度合、すなわち記憶された圧力センサ出力値の最大値ftpmaxと最小値ftpminの差が所定値(所定度合)S以上かどうか判定する。そして、変化度合が所定度合S以上のときは、FTPセンサ39に固着故障はないということで、診断を終了し、変化度合が所定度合Sより小さいときは、ステップS111においてFTPセンサ39に固着故障による異常が生じていると判定し、それを記憶する。なお、ステップS110で現時点でのftp信号ftp1と、ftpmaxとの差(ftp1−ftpmax)及びftpminとの差(ftp1−ftpmin)が、所定値以上かどうかを判定し、どちらとも所定値より小さいときに、ステップS111へ進んで故障と判定してもよい。
【0064】
また、上記図2に示すb’の期間におけるモニタ値に基づいてセンサ異常判定を行う場合の、FTPセンサ39の異常診断の処理を実行するフローチャートは、図8及び図9に示す上記フローチャートにおいて、ステップS108〜111の部分を、図10に示すステップS208〜212のように変更したものに相当する。この場合、ステップS104〜107において圧力センサ出力値の最大値ftpmax及び最小値ftpminを求めた後、ステップS208でモニタフラグFmoの設定が1かどうかを判定し、判定がNOで、モニタフラグFmoが0というときは、ラージリーク判定のモニタ開始点に達していないということで、ステップS103へリターンする。
【0065】
そして、ステップS208の判定がYESで、モニタフラグFmoが1というときは、ラージリーク判定のモニタ開始点に入り、図2にbで示す期間に入ったということで、ステップS209において、センサ異常判定までの時間を計測するタイマTmoをスタートさせ、ステップS210においてタイマTmoが所定値Tmooに達したかどうかを判定して、タイマTmoが所定値Tmooに達していなければステップS103へリターンして最大値ftpmax及び最小値ftpminの更新とタイマTmoの加算を繰り返す。そして、タイマTmoが所定値Tmooに達したら、ステップS210において、圧力センサ出力値の変化度合、すなわち記憶された圧力センサ出力値の最大値ftpmaxと最小値ftpminの差が所定値(所定度合)S以上かどうか判定する。そして、変化度合が所定度合S以上のときは、FTPセンサ39に固着故障はないということで、診断を終了し、変化度合が所定度合Sより小さいときは、ステップS212においてFTPセンサ39に固着故障による異常が生じていると判定し、それを記憶する。
【0066】
図11はパージ制御のフローチャートであって、所定時間毎にスタートし、ステップS301で各種情報を入力する。そして、ステップS302で、エンジン始動後の所定期間かどうかを判定し、判定がYESで、始動後の所定期間というときは、ステップS303においてパージバルブ38の開度を全閉に設定し、ステップS309へ進んで設定開度全閉でパージバルブ38を駆動する。
【0067】
また、ステップS302において判定がNOで、エンジン始動後所定期間が経過したというときは、ステップS304においてパージバルブ38の基本開度を設定し、ステップS305において補正値を設定し、ステップS306で最終開度を設定する。
【0068】
そして、ステップS307において、パージ系モニタ中かどうか、つまり、モニタフラグFmoが1かどうかを判定し、判定がYESで、パージ系モニタ中というときは、ステップS308においてパージ系モニタによるパージバルブ38の設定開度を入力して、ステップS309へ進み、モニタによる設定開度によりパージバルブ38を駆動する。また、ステップS308の判定がNOで、パージ系モニタ中でないというときは、ステップS308をスキップしてステップS309へ進み、ステップS306で設定した開度でパージバルブ38を駆動する。
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、蒸発燃料供給経路内が高負圧状態で、そのままでは経路異常診断が実行されないようなときでも、該蒸発燃料供給経路に配置された圧力センサの異常診断を実行でき、圧力センサの固着による異常状態を早急かつ正確に判定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るエンジンのシステム図である。
【図2】蒸発燃料供給経路及び該経路に配置された圧力センサの異常診断の処理を示すタイムチャートである。
【図3】蒸発燃料供給系異常診断の処理のフローチャートの一部である。
【図4】蒸発燃料供給系異常診断の処理のフローチャートの一部である。
【図5】蒸発燃料供給系異常診断の処理のフローチャートの一部である。
【図6】蒸発燃料供給系異常診断の処理のフローチャートの一部である。
【図7】蒸発燃料供給系異常診断の処理のフローチャートの一部である。
【図8】センサ異常診断の処理のフローチャートの一部である。
【図9】センサ異常診断の処理のフローチャートの一部である。
【図10】他の例によるセンサ異常診断の処理のフローチャートの一部である。
【図11】パージ制御のフローチャートである。
【符号の説明】
7 エアフローセンサ
17 クランクアングルセンサ
19 水温センサ
20 燃料タンク
34 PCTVバルブ
37 CDCVバルブ
38 パージバルブ
39 FTPセンサ(圧力センサ)
40 ECU(エンジンコントロールユニット)

Claims (4)

  1. 燃料タンク内に発生した蒸発燃料をエンジンの吸気通路に供給する蒸発燃料供給経路に配置され該蒸発燃料供給経路内の圧力を検出する圧力センサと、
    所定の判定条件が成立したときに前記蒸発燃料経路内の圧力を所定期間変化させるよう前記蒸発燃料供給経路内への吸気負圧の導入及び大気圧の導入を調整する経路内圧力調整手段と、
    前記所定期間の圧力センサ出力値の変化度合に基づいて前記圧力センサの異常を判定するセンサ異常判定手段とを備えた圧力センサの異常診断装置であって、
    前記経路内圧力調整手段は、前記所定条件が成立した時の前記経路内圧力の検出値が所定値より大きい負圧であるときには、予め前記経路内圧力が負圧減少方向に変化するよう前記吸気負圧の導入及び前記大気圧の導入を調整するものであり、
    前記センサ異常判定手段は、前記経路内圧力調整手段により前記経路内圧力が負圧減少方向に変化するよう前記吸気負圧の導入及び前記大気圧の導入を調整する期間の前記圧力センサ出力値の変化度合に基づいて、センサ異常判定を行うものであり、前記所定条件が成立した時の前記経路内圧力の検出値が所定値より大きい負圧であるときには、前記経路内圧力調整手段により前記経路内圧力が負圧減少方向に変化するよう前記吸気負圧の導入及び前記大気圧の導入を調整した期間の前記圧力センサ出力値の変化度合が所定度合より小さいときに、前記圧力センサが異常であると判定するものであることを特徴とする圧力センサの異常診断装置。
  2. 燃料タンク内に発生した蒸発燃料をエンジンの吸気通路に供給する蒸発燃料供給経路に配置され該蒸発燃料供給経路内の圧力を検出する圧力センサと、
    所定の判定条件が成立したときに前記蒸発燃料経路内の圧力を所定期間変化させるよう前記蒸発燃料供給経路内への吸気負圧の導入及び大気圧の導入を調整する経路内圧力調整手段と、
    前記所定期間あるいは該期間経過後の圧力センサ出力値の変化度合に基づいて前記圧力センサの異常を判定するセンサ異常判定手段とを備えた圧力センサの異常診断装置であって、
    前記経路内圧力調整手段は、前記所定条件が成立した時の前記経路内圧力の検出値が所定値より大きい負圧であるときには、予め前記経路内圧力が負圧減少方向に変化するよう前記吸気負圧の導入及び前記大気圧の導入を調整し、前記所定条件が成立した時の前記経路内圧力の検出値が前記所定値以下の負圧であるとき、あるいは、前記所定条件が成立した時の前記経路内圧力の検出値が前記所定値より大きい負圧で、前記経路内圧力が一旦負圧減少方向に変化するよう前記吸気負圧の導入及び前記大気圧の導入を調整することにより、前記経路内圧力の検出値が前記所定値以下の負圧となったときに、前記経路内圧力が第2の所定値以上の負圧まで負圧増大方向に変化するよう前記吸気負圧の導入及び前記大気圧の導入を調整した後、前記経路内圧力の負圧を所定期間保持するよう前記吸気負圧の導入及び前記大気圧の導入を調整するものであり、
    前記センサ異常判定手段は、前記所定条件が成立した時の前記経路内圧力の検出値が前記所定値以下の負圧であるときには、前記経路内圧力調整手段により前記経路内圧力が負圧増大方向に変化するよう前記吸気負圧の導入及び前記大気圧の導入を調整する調整動作の開始から、前記経路内圧力の負圧を所定期間保持するよう前記吸気負圧の導入及び前記大気圧の導入を調整する調整動作の終了までの期間における前記圧力センサ出力値の変化度合に基づいて、センサ異常判定を行い、前記所定条件が成立した時の前記経路内圧力の検出値が前記所定値より大きい負圧であるときには、前記経路内圧力調整手段により前記経路内圧力が一旦負圧減少方向に変化するよう前記吸気負圧の導入及び前記大気圧の導入を調整する調整動作の開始から、前記経路内圧力を負圧増大方向に変化させ、その後前記経路内圧力の負圧を所定期間保持するよう前記吸気負圧の導入及び前記大気圧の導入を調整する調整動作の終了までの期間における前記圧力センサ出力値の変化度合に基づいて、センサ異常判定を行い、前記圧力センサ出力値の変化度合が所定度合より小さいときに、前記圧力センサが異常であると判定するものであることを特徴とする圧力センサの異常診断装置。
  3. 前記経路内圧力調整手段により、前記経路内圧力の検出値が前記所定値以下の負圧である状態から、前記経路内圧力を負圧増大方向に変化させ、その後保持させるよう前記吸気負圧の導入及び前記大気圧の導入を調整する期間の前記圧力センサ出力値の変化度合に基づいて、前記センサ異常判定とともに、蒸発燃料供給経路の異常判定を行う請求項2記載の圧力センサの異常診断装置。
  4. 前記センサ異常判定のための前記圧力センサ出力値のモニタは、エンジン始動直後から開始する請求項1又は2記載の圧力センサの異常診断装置。
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