JPH09291643A - 建材用耐火パネル - Google Patents
建材用耐火パネルInfo
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- JPH09291643A JPH09291643A JP12903696A JP12903696A JPH09291643A JP H09291643 A JPH09291643 A JP H09291643A JP 12903696 A JP12903696 A JP 12903696A JP 12903696 A JP12903696 A JP 12903696A JP H09291643 A JPH09291643 A JP H09291643A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 構成が単純で加工数が少なく、軽量で作業性
が良好で、小規模な設備で製造でき、しかも製造時や燃
焼時に有害な物質を発生することのない木質系建材用耐
火パネルを提供する。 【解決手段】 接着層3を介して互いに積層・接着され
た複数の木質板材2または木質板材5および他の材質の
板材5から成り、接着層3の少なくとも1層が、接着剤
と無機質フィラーとガラス繊維5との複合体によって構
成されている。
が良好で、小規模な設備で製造でき、しかも製造時や燃
焼時に有害な物質を発生することのない木質系建材用耐
火パネルを提供する。 【解決手段】 接着層3を介して互いに積層・接着され
た複数の木質板材2または木質板材5および他の材質の
板材5から成り、接着層3の少なくとも1層が、接着剤
と無機質フィラーとガラス繊維5との複合体によって構
成されている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、戸、壁や天井など
に用いられる木質系の耐火パネルに関し、さらに詳しく
は、ホテル、マンション、一般住宅、集合住宅や公共施
設などに用いられる木質系の建材用耐火パネルに関する
ものである。
に用いられる木質系の耐火パネルに関し、さらに詳しく
は、ホテル、マンション、一般住宅、集合住宅や公共施
設などに用いられる木質系の建材用耐火パネルに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】ホテル、マンション、一般住宅、集合住
宅や公共施設などに従来から用いられる建材用耐火パネ
ルは、本来的に耐火性に優れた鉄などの金属で構成され
た金属製耐火パネルがほとんどである。しかし、金属製
耐火パネルは冷たく硬い印象を与えるため、これと対照
的な好ましい印象を与える木質系の建材用耐火パネルの
開発が期待されている。この場合、木質材は可燃材であ
るため、これを使用しつつ、所要の耐火性能を確保する
必要がある。
宅や公共施設などに従来から用いられる建材用耐火パネ
ルは、本来的に耐火性に優れた鉄などの金属で構成され
た金属製耐火パネルがほとんどである。しかし、金属製
耐火パネルは冷たく硬い印象を与えるため、これと対照
的な好ましい印象を与える木質系の建材用耐火パネルの
開発が期待されている。この場合、木質材は可燃材であ
るため、これを使用しつつ、所要の耐火性能を確保する
必要がある。
【0003】従来の木質系建材用耐火パネルとして、
木材、パーティクルボードや合板などの木質板材に、リ
ン系やハロゲン系などの防火薬剤またはケイ素化合物や
ホウ素化合物などの無機物を含浸したもの、あるいはこ
れらを積層したもの、木材、パーティクルボードや合
板などの木質板材で構成された基材の両面に、石膏ボー
ド、ケイ酸カルシウム板や木質セメント板などの無機質
不燃板を積層したもの、などが一般的に用いられてい
る。
木材、パーティクルボードや合板などの木質板材に、リ
ン系やハロゲン系などの防火薬剤またはケイ素化合物や
ホウ素化合物などの無機物を含浸したもの、あるいはこ
れらを積層したもの、木材、パーティクルボードや合
板などの木質板材で構成された基材の両面に、石膏ボー
ド、ケイ酸カルシウム板や木質セメント板などの無機質
不燃板を積層したもの、などが一般的に用いられてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の建材用耐火パネルには、それぞれ次のような問
題がある。の耐火パネルについては、 (1) 木質板材に防火薬剤や無機物などの薬液を含浸する
ための大規模な設備が必要である。 (2) 木質板材の種類、比重、厚さや繊維方向などによっ
て、含浸率が異なりやすいため、得られる耐火性能にも
ばらつきが生じやすい。 (3) 薬液の乾燥に長い時間と広いスペースが必要であ
り、乾燥後には木質板材に反りやねじれが生じたり、木
質板材から薬液がしみ出すなどの欠点がある。また、得
られた耐火パネルが過度の吸湿性を有するという問題も
ある。 (4) 高性能の防火薬剤として、リン系やハロゲン系など
の薬剤を使用した場合には、製造時または燃焼時に人体
に有害な物質が発生するおそれがある。
た従来の建材用耐火パネルには、それぞれ次のような問
題がある。の耐火パネルについては、 (1) 木質板材に防火薬剤や無機物などの薬液を含浸する
ための大規模な設備が必要である。 (2) 木質板材の種類、比重、厚さや繊維方向などによっ
て、含浸率が異なりやすいため、得られる耐火性能にも
ばらつきが生じやすい。 (3) 薬液の乾燥に長い時間と広いスペースが必要であ
り、乾燥後には木質板材に反りやねじれが生じたり、木
質板材から薬液がしみ出すなどの欠点がある。また、得
られた耐火パネルが過度の吸湿性を有するという問題も
ある。 (4) 高性能の防火薬剤として、リン系やハロゲン系など
の薬剤を使用した場合には、製造時または燃焼時に人体
に有害な物質が発生するおそれがある。
【0005】の耐火パネルについては、 (1) 珪酸カルシウム板などの無機質不燃板が硬質で脆い
ため、その切削加工や切断加工は困難である。 (2) 無機質不燃板にねじ保持力がないため、耐火パネル
に金具を取り付けたり、他の部材を連結したりする場合
には、金属製または含浸により耐火処理を施した木製の
枠組や桟組が必要となり、そのための製造工程が余分に
付加され、生産効率が低下してしまう。 (3) 木質板材と無機質不燃板の間で熱膨張係数や熱収縮
率が異なるため、燃焼時に長時間、火にさらされると、
無機質不燃板自体に破裂や爆裂が起きたり、木質板材と
無機質不燃板との間の接着剤が熱分解することによっ
て、無機質不燃板が脱落するおそれがある。
ため、その切削加工や切断加工は困難である。 (2) 無機質不燃板にねじ保持力がないため、耐火パネル
に金具を取り付けたり、他の部材を連結したりする場合
には、金属製または含浸により耐火処理を施した木製の
枠組や桟組が必要となり、そのための製造工程が余分に
付加され、生産効率が低下してしまう。 (3) 木質板材と無機質不燃板の間で熱膨張係数や熱収縮
率が異なるため、燃焼時に長時間、火にさらされると、
無機質不燃板自体に破裂や爆裂が起きたり、木質板材と
無機質不燃板との間の接着剤が熱分解することによっ
て、無機質不燃板が脱落するおそれがある。
【0006】さらに、金属製耐火パネルの場合は、耐火
性能には優れているものの、熱伝導率や熱膨張係数が大
きいため、長時間、火にさらされると、破裂や爆裂が起
こるおそれがある他、重量が大きいため、作業性が悪い
という問題がある。
性能には優れているものの、熱伝導率や熱膨張係数が大
きいため、長時間、火にさらされると、破裂や爆裂が起
こるおそれがある他、重量が大きいため、作業性が悪い
という問題がある。
【0007】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものであり、構成が単純で加工数が少な
く、軽量で作業性が良好で、小規模な設備で製造でき、
しかも製造時や燃焼時に有害な物質を発生することのな
い木質系建材用耐火パネルを提供することを目的とす
る。
めになされたものであり、構成が単純で加工数が少な
く、軽量で作業性が良好で、小規模な設備で製造でき、
しかも製造時や燃焼時に有害な物質を発生することのな
い木質系建材用耐火パネルを提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、請求項1の建材用耐火パネルは、接着層を介して互
いに積層・接着された複数の木質板材または木質板材お
よび他の材質の板材から成り、接着層の少なくとも1層
が、接着剤と無機質フィラーとガラス繊維との複合体に
よって構成されていることを特徴とする。
め、請求項1の建材用耐火パネルは、接着層を介して互
いに積層・接着された複数の木質板材または木質板材お
よび他の材質の板材から成り、接着層の少なくとも1層
が、接着剤と無機質フィラーとガラス繊維との複合体に
よって構成されていることを特徴とする。
【0009】この構成によれば、複数の木質板材同士
を、または木質板材と他の材質の板材を互いに接着する
接着層が、接着剤と無機質フィラーとガラス繊維との複
合体で構成されているので、接着剤によって接着が行わ
れるとともに、ガラス繊維と無機質フィラーによって所
要の耐火性能が確保される。また、この建材用耐火パネ
ルは、接着層を介して、板材同士を積層しただけの非常
に単純な構成であり、これらを積層し、使用する接着剤
に応じて加温、加圧などを行うだけで、容易に効率良く
耐火パネルを製造することができる。したがって、薬液
含浸タイプの耐火パネルを製造するのに必要とされる含
浸用の大規模な設備や、乾燥のために必要な長い時間
や、広いスペースは不要になる。また、高性能の防火薬
剤として、リン系やハロゲン系などの薬剤などを使用す
る必要がなくなり、製造時や燃焼時に有害な物質が発生
することがない。
を、または木質板材と他の材質の板材を互いに接着する
接着層が、接着剤と無機質フィラーとガラス繊維との複
合体で構成されているので、接着剤によって接着が行わ
れるとともに、ガラス繊維と無機質フィラーによって所
要の耐火性能が確保される。また、この建材用耐火パネ
ルは、接着層を介して、板材同士を積層しただけの非常
に単純な構成であり、これらを積層し、使用する接着剤
に応じて加温、加圧などを行うだけで、容易に効率良く
耐火パネルを製造することができる。したがって、薬液
含浸タイプの耐火パネルを製造するのに必要とされる含
浸用の大規模な設備や、乾燥のために必要な長い時間
や、広いスペースは不要になる。また、高性能の防火薬
剤として、リン系やハロゲン系などの薬剤などを使用す
る必要がなくなり、製造時や燃焼時に有害な物質が発生
することがない。
【0010】また、ねじ保持力のない無機質不燃板は不
要となるので、他の材質の板材をねじ保持力を有するも
のとすることにより、耐火パネルへの金具の取付けや他
の部材との連結をねじ止めだけで行うことが可能とな
る。このため、従来の無機質不燃板を積層したタイプの
耐火パネルで必要とされていた特別な枠組や桟組は不要
になり、耐火パネルの製造がより容易になる。
要となるので、他の材質の板材をねじ保持力を有するも
のとすることにより、耐火パネルへの金具の取付けや他
の部材との連結をねじ止めだけで行うことが可能とな
る。このため、従来の無機質不燃板を積層したタイプの
耐火パネルで必要とされていた特別な枠組や桟組は不要
になり、耐火パネルの製造がより容易になる。
【0011】この場合、接着剤と無機質フィラーの配合
割合が10:1〜5:1であることが、好ましい。この
構成によれば、接着剤が主成分であるため、通常と同様
の方法で接着作業を行えることにより、作業性良く、容
易に且つ効率良く製造できるとともに、無機質フィラー
を含有することにより、高い耐火性能が確保される。
割合が10:1〜5:1であることが、好ましい。この
構成によれば、接着剤が主成分であるため、通常と同様
の方法で接着作業を行えることにより、作業性良く、容
易に且つ効率良く製造できるとともに、無機質フィラー
を含有することにより、高い耐火性能が確保される。
【0012】この場合、少なくとも2層の接着層が、複
合体で構成されていることが、好ましい。この構成によ
れば、ガラス繊維および無機質フィラーを含んだ接着層
が、少なくとも2層、すなわち多段に配置されるので、
耐火性能が効果的に発揮されるとともに、板材が少なく
とも3枚の多層構成になり、板材の一枚あたりの厚さが
薄くなることにより、燃焼時に発生する板材のひび割れ
が小さくなる。
合体で構成されていることが、好ましい。この構成によ
れば、ガラス繊維および無機質フィラーを含んだ接着層
が、少なくとも2層、すなわち多段に配置されるので、
耐火性能が効果的に発揮されるとともに、板材が少なく
とも3枚の多層構成になり、板材の一枚あたりの厚さが
薄くなることにより、燃焼時に発生する板材のひび割れ
が小さくなる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の建材用耐火パネルの好適な実施形態を詳細に説明す
る。
明の建材用耐火パネルの好適な実施形態を詳細に説明す
る。
【0014】図1は、本発明の建材用耐火パネル(以
下、単に「耐火パネル」という)を示す斜視図、図2は
その分解図である。両図に示すように、耐火パネル1
は、5枚の木質板材2を4層の接着層3で順次、接着し
た積層板で構成されている。木質板材2の片面または両
面には、接着剤に無機質フィラーを添加することにより
構成された合成接着剤4が塗布されるとともに、隣り合
う各2枚の木質板材2、2間には、ガラス繊維5が介在
している。すなわち、木質板材2、2間の各接着層3
は、合成接着剤4の成分である接着剤および無機質フィ
ラーとガラス繊維5との複合体で構成されている。この
耐火パネル1は、使用する接着剤に応じた加温、加圧条
件下で積層・接着することによって製造される。
下、単に「耐火パネル」という)を示す斜視図、図2は
その分解図である。両図に示すように、耐火パネル1
は、5枚の木質板材2を4層の接着層3で順次、接着し
た積層板で構成されている。木質板材2の片面または両
面には、接着剤に無機質フィラーを添加することにより
構成された合成接着剤4が塗布されるとともに、隣り合
う各2枚の木質板材2、2間には、ガラス繊維5が介在
している。すなわち、木質板材2、2間の各接着層3
は、合成接着剤4の成分である接着剤および無機質フィ
ラーとガラス繊維5との複合体で構成されている。この
耐火パネル1は、使用する接着剤に応じた加温、加圧条
件下で積層・接着することによって製造される。
【0015】木質板材2としては、単板、無垢板、パー
ティクルボード、ファイバーボード、合板や集成材など
のあらゆる木質材料が使用可能であり、入手しやすさや
コストなどの観点から選択される。また、5枚の木質板
材2は、すべて同じ種類の材料および同じ厚さとしても
よく、2種類以上の異種の材料を適宜、組み合わせるこ
とや、表層に薄い化粧単板を用いることも可能である。
ティクルボード、ファイバーボード、合板や集成材など
のあらゆる木質材料が使用可能であり、入手しやすさや
コストなどの観点から選択される。また、5枚の木質板
材2は、すべて同じ種類の材料および同じ厚さとしても
よく、2種類以上の異種の材料を適宜、組み合わせるこ
とや、表層に薄い化粧単板を用いることも可能である。
【0016】また、木質板材2のうちの何枚かを、他の
材質の板材とすることもできる。この場合、例えば、普
通紙や樹脂含浸紙などの紙類、あるいは布や樹脂含浸布
などの布類などが使用可能であるが、フェノール含浸紙
やフェノールバッカーなどの樹脂含浸紙を用いること
が、それら自身がもつ耐火性によって耐火パネル1の耐
火性能を向上させるという観点から好ましい。
材質の板材とすることもできる。この場合、例えば、普
通紙や樹脂含浸紙などの紙類、あるいは布や樹脂含浸布
などの布類などが使用可能であるが、フェノール含浸紙
やフェノールバッカーなどの樹脂含浸紙を用いること
が、それら自身がもつ耐火性によって耐火パネル1の耐
火性能を向上させるという観点から好ましい。
【0017】合成接着剤4の接着剤としては、レゾルシ
ノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂などの熱硬化性
樹脂や、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、
水性高分子イソシアネート樹脂などの熱可塑性樹脂や、
でんぷん、大豆グルー、グアーガムなどの天然樹脂や、
水ガラスなどの無機系接着剤が挙げられる。この中でも
特に、耐火性、安全性、作業性や耐久性などの観点か
ら、水性高分子イソシアネート樹脂が好ましい。
ノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂などの熱硬化性
樹脂や、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、
水性高分子イソシアネート樹脂などの熱可塑性樹脂や、
でんぷん、大豆グルー、グアーガムなどの天然樹脂や、
水ガラスなどの無機系接着剤が挙げられる。この中でも
特に、耐火性、安全性、作業性や耐久性などの観点か
ら、水性高分子イソシアネート樹脂が好ましい。
【0018】また、無機質フィラーとしては、炭素粉、
パーライト粉、硼砂、珪砂、コージェライト粉やアルミ
ナ粉末などの使用が可能である。また、無機質フィラー
の粒径については、特に限定されるものではないが、樹
脂とのぬれ性などを考慮すると細かい方が望ましく、
0.15〜1.0mm程度が好ましい。
パーライト粉、硼砂、珪砂、コージェライト粉やアルミ
ナ粉末などの使用が可能である。また、無機質フィラー
の粒径については、特に限定されるものではないが、樹
脂とのぬれ性などを考慮すると細かい方が望ましく、
0.15〜1.0mm程度が好ましい。
【0019】ガラス繊維5としては、ガラスクロス、ガ
ラス組布、ガラス三軸組布やガラス不織布などのあらゆ
るガラス繊維の使用が可能である。特に、ガラス組布を
用いた場合、縦横の繊維が接着されているため、取扱い
が容易な上、耐火性能にばらつきの少ない耐火パネル1
を容易に製造できるという利点を有する。また、所要の
耐火性能を確保するためには、ガラス繊維5をある程
度、密にする必要があり、ガラス織布やガラス組布の場
合には、同方向の繊維間相互の間隔を所定値以下、例え
ば5.0mm以下とすることが好ましい。
ラス組布、ガラス三軸組布やガラス不織布などのあらゆ
るガラス繊維の使用が可能である。特に、ガラス組布を
用いた場合、縦横の繊維が接着されているため、取扱い
が容易な上、耐火性能にばらつきの少ない耐火パネル1
を容易に製造できるという利点を有する。また、所要の
耐火性能を確保するためには、ガラス繊維5をある程
度、密にする必要があり、ガラス織布やガラス組布の場
合には、同方向の繊維間相互の間隔を所定値以下、例え
ば5.0mm以下とすることが好ましい。
【0020】次に、表1を参照しながら、比較試験1に
ついて説明する。この比較試験1は、図1の材料構成を
基本とする耐火パネル1の試験体を、8種類の実施例1
〜8により作製して、比較例とともに燃焼試験を行った
ものである。
ついて説明する。この比較試験1は、図1の材料構成を
基本とする耐火パネル1の試験体を、8種類の実施例1
〜8により作製して、比較例とともに燃焼試験を行った
ものである。
【0021】
【表1】
【0022】実施例1〜8の耐火パネル1は、いずれも
5枚の木質板材2からなり、各木質板材2は、いずれも
厚さ2.5mmで含浸の施されていないラワン単板と
し、その木質繊維が互いに直交するように積層した。
5枚の木質板材2からなり、各木質板材2は、いずれも
厚さ2.5mmで含浸の施されていないラワン単板と
し、その木質繊維が互いに直交するように積層した。
【0023】表1に示すように、接着剤は、すべての実
施例1〜8で水性ビニルウレタンを使用した。また、ガ
ラス繊維5は、すべての実施例1〜8において、各2枚
の木質板材2、2間に、すなわち計4枚、介在させた。
また、ガラス繊維5は、すべての実施例でガラス組布と
した。
施例1〜8で水性ビニルウレタンを使用した。また、ガ
ラス繊維5は、すべての実施例1〜8において、各2枚
の木質板材2、2間に、すなわち計4枚、介在させた。
また、ガラス繊維5は、すべての実施例でガラス組布と
した。
【0024】さらに、接着剤に添加する無機質フィラー
としては、実施例1が炭素粉(ベイツガ木粉を600℃
で炭化焼成したもの)、実施例2がパーライト粉、実施
例3がコージェライト粉、実施例4がアルミナ粉、実施
例5がガラスCS(チョップドストランド)、実施例6
がガラスPF(ミルドファイバー)、実施例7が珪砂
(粗粉末)、実施例8が珪砂(微粉末)を用いた。ま
た、その配合割合は、接着剤に対して重量比で5%とし
た。
としては、実施例1が炭素粉(ベイツガ木粉を600℃
で炭化焼成したもの)、実施例2がパーライト粉、実施
例3がコージェライト粉、実施例4がアルミナ粉、実施
例5がガラスCS(チョップドストランド)、実施例6
がガラスPF(ミルドファイバー)、実施例7が珪砂
(粗粉末)、実施例8が珪砂(微粉末)を用いた。ま
た、その配合割合は、接着剤に対して重量比で5%とし
た。
【0025】これに対して、比較例1は、ガラス繊維を
実施例1〜4と同様に計4枚、介在させ、接着剤に無機
質フィラーを添加しないもの、比較例2は、ガラス繊維
および無機質フィラーのいずれも使用しないで作製した
通常の合板、比較例3は、ガラス繊維を用いず、接着剤
に無機質フィラーとして炭素粉を添加して合板構成とし
たものである。
実施例1〜4と同様に計4枚、介在させ、接着剤に無機
質フィラーを添加しないもの、比較例2は、ガラス繊維
および無機質フィラーのいずれも使用しないで作製した
通常の合板、比較例3は、ガラス繊維を用いず、接着剤
に無機質フィラーとして炭素粉を添加して合板構成とし
たものである。
【0026】そして、図3に示すように、以上の構成の
実施例1〜8および比較例1〜3の各試験体6の表面中
心部に、ブタンガスバーナーの炎7を当て、試験体6の
表面温度が1200℃になるように調整しながら、貫通
時間を測定した。なお、この場合の「貫通」は、表面に
亀裂が生じることとして定義した。
実施例1〜8および比較例1〜3の各試験体6の表面中
心部に、ブタンガスバーナーの炎7を当て、試験体6の
表面温度が1200℃になるように調整しながら、貫通
時間を測定した。なお、この場合の「貫通」は、表面に
亀裂が生じることとして定義した。
【0027】貫通時間は表1に示されており、この試験
結果から次のことがわかる。 実施例1〜8は、無機質フィラーを含有しない比較
例1と比較して、全体として貫通時間が延びており、木
質板材(ラワン単板)2、2間の接着剤に無機質フィラ
ーを添加し、ガラス繊維5を介在させるという簡単な構
成で優れた耐火性能が得られる。 また、接着剤に無機質フィラーを添加した比較例3
は、添加していない比較例2と比較して、耐火性能が大
幅に向上している。これは、無機質フィラーの添加によ
り、接着層自体が耐火性を有するものとなり、接着層が
火炎を遮断し酸素の供給を減少させるためである。
結果から次のことがわかる。 実施例1〜8は、無機質フィラーを含有しない比較
例1と比較して、全体として貫通時間が延びており、木
質板材(ラワン単板)2、2間の接着剤に無機質フィラ
ーを添加し、ガラス繊維5を介在させるという簡単な構
成で優れた耐火性能が得られる。 また、接着剤に無機質フィラーを添加した比較例3
は、添加していない比較例2と比較して、耐火性能が大
幅に向上している。これは、無機質フィラーの添加によ
り、接着層自体が耐火性を有するものとなり、接着層が
火炎を遮断し酸素の供給を減少させるためである。
【0028】次に、表2および表3を参照しながら、比
較試験2について説明する。この比較試験2は、耐火パ
ネル1として防火戸を想定し、厚さ36mmの試験体を
1つの実施例9により作製して、燃焼試験を行ったもの
である。
較試験2について説明する。この比較試験2は、耐火パ
ネル1として防火戸を想定し、厚さ36mmの試験体を
1つの実施例9により作製して、燃焼試験を行ったもの
である。
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】表2から分かるように、実施例9の耐火パ
ネル1は、表裏対称の構成になっており、表裏各半部
が、外側から順に、0.6mm厚の1枚の化粧単板(オ
ーク単板)、1.25mm厚の添芯材としての1枚のラ
ワン単板、および2.0mm厚の3枚のラワン単板で構
成されている。また、中心の芯材として、22mm厚の
パーティクルボード(PB)を用いている。ガラス繊維
5は、ガラス組布とし、化粧単板と添芯材のラワン単板
との間の接着層3以外の全ての接着層3に複合させた。
その結果、ガラス繊維5の複合枚数は8枚となる。ま
た、接着剤として水性ビニルウレタン樹脂を使用し、そ
の中に無機質フィラーとして炭素粉5%を添加した。
ネル1は、表裏対称の構成になっており、表裏各半部
が、外側から順に、0.6mm厚の1枚の化粧単板(オ
ーク単板)、1.25mm厚の添芯材としての1枚のラ
ワン単板、および2.0mm厚の3枚のラワン単板で構
成されている。また、中心の芯材として、22mm厚の
パーティクルボード(PB)を用いている。ガラス繊維
5は、ガラス組布とし、化粧単板と添芯材のラワン単板
との間の接着層3以外の全ての接着層3に複合させた。
その結果、ガラス繊維5の複合枚数は8枚となる。ま
た、接着剤として水性ビニルウレタン樹脂を使用し、そ
の中に無機質フィラーとして炭素粉5%を添加した。
【0032】これに対して、比較例4の試験体は、ガラ
ス繊維5をまったく用いず、接着剤に無機質フィラーを
添加しないこと以外は、実施例9と同じ構成である。ま
た、比較例5は、接着剤に無機質フィラーを添加しない
こと以外は、実施例9と同じ構成であり、ガラス繊維5
の複合枚数および挿入箇所は実施例9も同様である。
ス繊維5をまったく用いず、接着剤に無機質フィラーを
添加しないこと以外は、実施例9と同じ構成である。ま
た、比較例5は、接着剤に無機質フィラーを添加しない
こと以外は、実施例9と同じ構成であり、ガラス繊維5
の複合枚数および挿入箇所は実施例9も同様である。
【0033】そして、これらの試験体について、比較試
験1と同様の方法で貫通時間を測定した。その試験結果
は、表3に示すとおりであり、ガラス繊維5を用い、さ
らに接着剤に無機質フィラーを添加した実施例9は、比
較例4、5と比較して、貫通時間が長くなっており、耐
火性能が大幅に向上していることが分かる。
験1と同様の方法で貫通時間を測定した。その試験結果
は、表3に示すとおりであり、ガラス繊維5を用い、さ
らに接着剤に無機質フィラーを添加した実施例9は、比
較例4、5と比較して、貫通時間が長くなっており、耐
火性能が大幅に向上していることが分かる。
【0034】なお、本発明は、前述した実施形態に限定
されるものではない。例えば、板材の枚数や種類や厚さ
などは、実施例に示したものに限らず、耐火パネルの用
途や必要な耐火性能などに応じて、適宜変更できる。
されるものではない。例えば、板材の枚数や種類や厚さ
などは、実施例に示したものに限らず、耐火パネルの用
途や必要な耐火性能などに応じて、適宜変更できる。
【0035】また、実施例では、隣接する板材の間にガ
ラス繊維5を介在させるとともに、板材の接着面に無機
質フィラーを添加した接着剤を塗布することによって、
ガラス繊維5をもった接着層を複合体を形成している
が、この複合体の形成方法は任意である。例えば、ガラ
ス織布やガラス組布のようなガラス繊維で、繊維間の間
隔が広いものについては、ガラス繊維を挟む両方の板材
に無機質フィラーを添加した接着剤を塗布する必要はな
く、いずれか一方の板材にそれを塗布するだけで、複合
体を形成することができる。
ラス繊維5を介在させるとともに、板材の接着面に無機
質フィラーを添加した接着剤を塗布することによって、
ガラス繊維5をもった接着層を複合体を形成している
が、この複合体の形成方法は任意である。例えば、ガラ
ス織布やガラス組布のようなガラス繊維で、繊維間の間
隔が広いものについては、ガラス繊維を挟む両方の板材
に無機質フィラーを添加した接着剤を塗布する必要はな
く、いずれか一方の板材にそれを塗布するだけで、複合
体を形成することができる。
【0036】あるいは、ガラス織布やガラス組布のよう
なガラス繊維で、繊維間の間隔が狭いものや、ガラス不
織布のようなものについては、ガラス繊維に無機質フィ
ラーを添加した接着剤を含浸させたプリプレグを板材の
間に挟み込んだ後、含浸させた接着剤に応じて加温、加
圧することによって、接着剤の塗布作業を行うことな
く、接着・積層と複合体の形成を行うようにしてもよ
い。さらには、ガラス繊維の単繊維および無機質フィラ
ーを添加した接着剤を用いることによって、これを塗布
するだけで、複合効果を得るようにしてもよい。その
他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、細部の構成を適
宜、変更することができる。
なガラス繊維で、繊維間の間隔が狭いものや、ガラス不
織布のようなものについては、ガラス繊維に無機質フィ
ラーを添加した接着剤を含浸させたプリプレグを板材の
間に挟み込んだ後、含浸させた接着剤に応じて加温、加
圧することによって、接着剤の塗布作業を行うことな
く、接着・積層と複合体の形成を行うようにしてもよ
い。さらには、ガラス繊維の単繊維および無機質フィラ
ーを添加した接着剤を用いることによって、これを塗布
するだけで、複合効果を得るようにしてもよい。その
他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、細部の構成を適
宜、変更することができる。
【0037】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、次のような効果を有する。すなわち、接着
層の少なくとも1層が、接着剤と無機質フィラーとガラ
ス繊維との複合体によって構成されているため、高い耐
火性を有する。また、接着剤と無機質フィラーの配合割
合を10:1〜5:1とすることにより、通常と同様の
方法で接着作業を行えるため、作業性良く、容易に且つ
効率良く製造できる。さらに、少なくとも2層の接着層
が前記複合体で構成されることにより、構成が単純で、
小規模な設備で製造でき、しかも製造時や燃焼時に有害
な物質を発生することがないという効果を有する。
ているので、次のような効果を有する。すなわち、接着
層の少なくとも1層が、接着剤と無機質フィラーとガラ
ス繊維との複合体によって構成されているため、高い耐
火性を有する。また、接着剤と無機質フィラーの配合割
合を10:1〜5:1とすることにより、通常と同様の
方法で接着作業を行えるため、作業性良く、容易に且つ
効率良く製造できる。さらに、少なくとも2層の接着層
が前記複合体で構成されることにより、構成が単純で、
小規模な設備で製造でき、しかも製造時や燃焼時に有害
な物質を発生することがないという効果を有する。
【図1】本発明の建材用耐火パネルの一実施形態を示す
斜視図である。
斜視図である。
【図2】図1の耐火パネルの分解図である。
【図3】比較試験の方法を概略的に示す図である。
1 耐火パネル 2 木質板材 3 接着層 4 合成接着剤 5 ガラス繊維
Claims (3)
- 【請求項1】 接着層を介して互いに積層・接着された
複数の木質板材または木質板材および他の材質の板材か
ら成り、前記接着層の少なくとも1層が、接着剤と無機
質フィラーとガラス繊維との複合体によって構成されて
いることを特徴とする建材用耐火パネル。 - 【請求項2】 前記接着剤と前記無機質フィラーの配合
割合が10:1〜5:1であることを特徴とする、請求
項1に記載の建材用耐火パネル。 - 【請求項3】 少なくとも2層の前記接着層が、前記複
合体で構成されていることを特徴とする、請求項1また
は2に記載の建材用耐火パネル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12903696A JPH09291643A (ja) | 1996-04-25 | 1996-04-25 | 建材用耐火パネル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12903696A JPH09291643A (ja) | 1996-04-25 | 1996-04-25 | 建材用耐火パネル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09291643A true JPH09291643A (ja) | 1997-11-11 |
Family
ID=14999527
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12903696A Withdrawn JPH09291643A (ja) | 1996-04-25 | 1996-04-25 | 建材用耐火パネル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09291643A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010242331A (ja) * | 2009-04-02 | 2010-10-28 | Shimizu Corp | 集成木造部材 |
CN102635173A (zh) * | 2012-05-14 | 2012-08-15 | 陈云玲 | 一种外墙防火保温复合板 |
CN113684725A (zh) * | 2021-09-09 | 2021-11-23 | 永清霍尔茨门业有限公司 | 一种防火板封边带生产工艺 |
-
1996
- 1996-04-25 JP JP12903696A patent/JPH09291643A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010242331A (ja) * | 2009-04-02 | 2010-10-28 | Shimizu Corp | 集成木造部材 |
CN102635173A (zh) * | 2012-05-14 | 2012-08-15 | 陈云玲 | 一种外墙防火保温复合板 |
CN113684725A (zh) * | 2021-09-09 | 2021-11-23 | 永清霍尔茨门业有限公司 | 一种防火板封边带生产工艺 |
CN113684725B (zh) * | 2021-09-09 | 2023-05-12 | 永清霍尔茨门业有限公司 | 一种防火板封边带生产工艺 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20030701 |