JPH09291416A - 消臭性アクリル系合成繊維、その製造方法及びそれを用いた消臭繊維製品 - Google Patents
消臭性アクリル系合成繊維、その製造方法及びそれを用いた消臭繊維製品Info
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- JPH09291416A JPH09291416A JP26560196A JP26560196A JPH09291416A JP H09291416 A JPH09291416 A JP H09291416A JP 26560196 A JP26560196 A JP 26560196A JP 26560196 A JP26560196 A JP 26560196A JP H09291416 A JPH09291416 A JP H09291416A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】本発明の目的は耐洗濯性を有し、かつ優れた消
臭効果と抗菌効果を併せ持つと共にアクリル系合成繊維
の繊維性能、風合いをそのまま保持する消臭性アクリル
系合成繊維、その製造方法及びそれを用いた消臭繊維製
品を提供することにある。 【解決手段】アクリロニトリルを主要な構成単位とする
共重合体(A)と、該共重合体(A)と混和性がありか
つ非相溶性の重合体(B)1〜40重量%からなるアク
リル系合成繊維において、重合体(B)が相分離状態で
存在しており、かつ平均粒径0.5〜10μmのケイ酸
金属塩又はアルミノケイ酸金属塩を有効成分とする微粉
末を0.5〜20重量%含有し、かつ、アミノ化合物を
0.1〜10重量%含有している事を特徴とする消臭性
アクリル系合成繊維、その製造方法及びこれを用いた消
臭繊維製品。
臭効果と抗菌効果を併せ持つと共にアクリル系合成繊維
の繊維性能、風合いをそのまま保持する消臭性アクリル
系合成繊維、その製造方法及びそれを用いた消臭繊維製
品を提供することにある。 【解決手段】アクリロニトリルを主要な構成単位とする
共重合体(A)と、該共重合体(A)と混和性がありか
つ非相溶性の重合体(B)1〜40重量%からなるアク
リル系合成繊維において、重合体(B)が相分離状態で
存在しており、かつ平均粒径0.5〜10μmのケイ酸
金属塩又はアルミノケイ酸金属塩を有効成分とする微粉
末を0.5〜20重量%含有し、かつ、アミノ化合物を
0.1〜10重量%含有している事を特徴とする消臭性
アクリル系合成繊維、その製造方法及びこれを用いた消
臭繊維製品。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐久性に優れ、か
つ日常生活で発生する代表的悪臭であるアンモニア、ア
ミン類、硫化水素、メルカプタン類、酢酸、アルデヒド
類等の各種悪臭に対して良好な消臭性能を有するアクリ
ル系合成繊維、その製造方法及びこれを用いた消臭繊維
製品に関するものである。
つ日常生活で発生する代表的悪臭であるアンモニア、ア
ミン類、硫化水素、メルカプタン類、酢酸、アルデヒド
類等の各種悪臭に対して良好な消臭性能を有するアクリ
ル系合成繊維、その製造方法及びこれを用いた消臭繊維
製品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アクリル系合成繊維は衣料、寝装、イン
テリア用途に幅広く用いられているが、近年サニタリー
分野で利用される毛布、モケット、マットやカーペット
類、靴下肌着、シーツ、カーテン等の編織物製品に消臭
性を有する物が強く要望されてきている。また、室内環
境においてもたばこの喫煙によって生じる悪臭が近年の
禁煙者、嫌煙者の増加、嫌煙権の拡大等により問題視さ
れてきている。これらの生活環境下における臭いの成分
は、単一成分ではなく、酸性系成分や塩基性成分、また
中性系成分を含む複数の化合物の混合物であることがほ
とんどである。
テリア用途に幅広く用いられているが、近年サニタリー
分野で利用される毛布、モケット、マットやカーペット
類、靴下肌着、シーツ、カーテン等の編織物製品に消臭
性を有する物が強く要望されてきている。また、室内環
境においてもたばこの喫煙によって生じる悪臭が近年の
禁煙者、嫌煙者の増加、嫌煙権の拡大等により問題視さ
れてきている。これらの生活環境下における臭いの成分
は、単一成分ではなく、酸性系成分や塩基性成分、また
中性系成分を含む複数の化合物の混合物であることがほ
とんどである。
【0003】従来から、悪臭として問題視されている臭
気を消す機能を繊維製品に付与する方法としては、繊維
への酸性基を有するビニルモノマーのグラフト加工(特
公平3−77308号公報、特公平2−58392号公
報、特開昭62−142562号公報など)、銅化合物
(特開昭61−231202号公報、特開昭62−69
78号公報)や、各種消臭剤(特開昭61−25807
6号公報、特開昭56−100060号公報)を繊維表
面へ付着する方法などが知られている。また、繊維へ消
臭機能を有するビニルモノマーを導入する方法として、
酸性基を有するビニルモノマーを共重合し、その重合体
を繊維化する方法が挙げられる。
気を消す機能を繊維製品に付与する方法としては、繊維
への酸性基を有するビニルモノマーのグラフト加工(特
公平3−77308号公報、特公平2−58392号公
報、特開昭62−142562号公報など)、銅化合物
(特開昭61−231202号公報、特開昭62−69
78号公報)や、各種消臭剤(特開昭61−25807
6号公報、特開昭56−100060号公報)を繊維表
面へ付着する方法などが知られている。また、繊維へ消
臭機能を有するビニルモノマーを導入する方法として、
酸性基を有するビニルモノマーを共重合し、その重合体
を繊維化する方法が挙げられる。
【0004】しかしながら、これらの方法のうち、グラ
フト加工は繊維の風合いが変化したり、均一な反応効率
が得られず消臭効果が充分に発揮できなかったり、ま
た、染色工程と類似したグラフト反応を行わねばなら
ず、工程数の増加、又その際の処理液による加工機、排
水の汚染等の問題が生じてしまう。また、酸性基を有す
るビニルモノマーであれば、塩基性の悪臭に対してのみ
の効果であることが多く、充分な消臭性能とは言い難
い。
フト加工は繊維の風合いが変化したり、均一な反応効率
が得られず消臭効果が充分に発揮できなかったり、ま
た、染色工程と類似したグラフト反応を行わねばなら
ず、工程数の増加、又その際の処理液による加工機、排
水の汚染等の問題が生じてしまう。また、酸性基を有す
るビニルモノマーであれば、塩基性の悪臭に対してのみ
の効果であることが多く、充分な消臭性能とは言い難
い。
【0005】消臭効果のある微粉末を繊維表面へ付着さ
せる後処理加工及び繊維製品に消臭効果のある溶液を浸
漬、塗布、散布するといった後処理加工では、繊維独自
の風合いの低下や、水洗やドライクリーニングによって
剤が脱落し洗濯耐久性が不足する等の欠点がある。
せる後処理加工及び繊維製品に消臭効果のある溶液を浸
漬、塗布、散布するといった後処理加工では、繊維独自
の風合いの低下や、水洗やドライクリーニングによって
剤が脱落し洗濯耐久性が不足する等の欠点がある。
【0006】また、繊維に消臭機能を有するビニルモノ
マーを導入する方法として、重合時に酸性基を有するビ
ニルモノマーを共重合し、その重合体を繊維化する方法
があるが、この方法は、消臭効果のある酸性基を有する
ビニルモノマーが繊維表面よりも繊維内部に多く存在す
る為、酸性基を有するビニルモノマーの導入率の割には
悪臭に直接接触する率が小さく、消臭効果が不十分であ
ること、繊維物性の低下、風合いの悪化等の欠点があっ
た。更に、酸性基を有するビニルモノマーで有るため、
前述のグラフト加工時と同様の効果となり、充分な消臭
性能とは言い難い。
マーを導入する方法として、重合時に酸性基を有するビ
ニルモノマーを共重合し、その重合体を繊維化する方法
があるが、この方法は、消臭効果のある酸性基を有する
ビニルモノマーが繊維表面よりも繊維内部に多く存在す
る為、酸性基を有するビニルモノマーの導入率の割には
悪臭に直接接触する率が小さく、消臭効果が不十分であ
ること、繊維物性の低下、風合いの悪化等の欠点があっ
た。更に、酸性基を有するビニルモノマーで有るため、
前述のグラフト加工時と同様の効果となり、充分な消臭
性能とは言い難い。
【0007】たばこの喫煙によって生じる悪臭は数千か
ら数万の化合物の混合物であり、臭いの主成分はアンモ
ニア、ニコチン等の塩基性成分、酢酸、アルデヒド等の
酸性系成分、中性系成分に分けられると言われている。
この中でも塩基性悪臭及び酸性悪臭の一部に対する消臭
は前記方法等により行われているが充分ではない。ま
た、アルデヒドに対して充分な消臭性能及び耐久性を持
つものはほとんど無く、アルデヒドの消臭方法に関して
は活性炭をpH7以上に酸性調整したもの(特開昭54
−74268号公報)、スピネル型の金属酸化物を含有
させた活性炭組成物(特開昭48−38291号公報)
等が知られているが、常温での効果、耐久性、加工方
法、コスト等の点で問題が有る。また、アミノ化合物を
用いて臭気を消す方法としては、ポリアルキレンイミン
を用いた消臭用高分子(特開平3−218766号公
報)等が知られているが、アルデヒドに対する消臭性能
は有するが洗濯耐久性の不足や塩基性の悪臭には効果が
得られない等の欠点を有する。
ら数万の化合物の混合物であり、臭いの主成分はアンモ
ニア、ニコチン等の塩基性成分、酢酸、アルデヒド等の
酸性系成分、中性系成分に分けられると言われている。
この中でも塩基性悪臭及び酸性悪臭の一部に対する消臭
は前記方法等により行われているが充分ではない。ま
た、アルデヒドに対して充分な消臭性能及び耐久性を持
つものはほとんど無く、アルデヒドの消臭方法に関して
は活性炭をpH7以上に酸性調整したもの(特開昭54
−74268号公報)、スピネル型の金属酸化物を含有
させた活性炭組成物(特開昭48−38291号公報)
等が知られているが、常温での効果、耐久性、加工方
法、コスト等の点で問題が有る。また、アミノ化合物を
用いて臭気を消す方法としては、ポリアルキレンイミン
を用いた消臭用高分子(特開平3−218766号公
報)等が知られているが、アルデヒドに対する消臭性能
は有するが洗濯耐久性の不足や塩基性の悪臭には効果が
得られない等の欠点を有する。
【0008】これらの加工方法は、ほとんどがアミン類
やアンモニア等の塩基性悪臭、酢酸等の酸性悪臭、又は
硫化水素、メルカプタン類等の悪臭のいづれかにのみ効
果を持ち、塩基性及び酸性の両悪臭及び硫化水素、メル
カプタン類、たばこ煙に多く含まれるといわれるアルデ
ヒド類等多種にわたる臭いに対して効果的に作用し、工
業的に安全且つ安価に繊維の生産に利用できるものはほ
とんど知られていない。
やアンモニア等の塩基性悪臭、酢酸等の酸性悪臭、又は
硫化水素、メルカプタン類等の悪臭のいづれかにのみ効
果を持ち、塩基性及び酸性の両悪臭及び硫化水素、メル
カプタン類、たばこ煙に多く含まれるといわれるアルデ
ヒド類等多種にわたる臭いに対して効果的に作用し、工
業的に安全且つ安価に繊維の生産に利用できるものはほ
とんど知られていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は耐洗濯
性を有し、かつ優れた消臭効果を持ちアクリル系合成繊
維の繊維性能、風合いをそのまま保持する消臭性アクリ
ル系合成繊維、その製造方法及びこれを用いた消臭繊維
製品を提供することにある。
性を有し、かつ優れた消臭効果を持ちアクリル系合成繊
維の繊維性能、風合いをそのまま保持する消臭性アクリ
ル系合成繊維、その製造方法及びこれを用いた消臭繊維
製品を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、アクリロニトリルを主要な構成単位とする共重合
体(A)と、該共重合体(A)と混和性がありかつ非相
溶性の重合体(B)1〜20重量%からなるアクリル系
合成繊維において、重合体(B)が相分離状態で存在し
ており、かつ、平均粒径0.5〜10μmのケイ酸金属
塩又はアルミノケイ酸金属塩を有効成分とする微粉末を
0.5〜20重量%含有し、かつ、アミノ化合物を0.
1〜10重量%含有している事を特徴とする消臭性アク
リル系合成繊維である。又、アクリル系合成繊維を製造
するに際し、該重合体(A)と混和性がありかつ非相溶
性の重合体(B)5〜40重量%を有機溶剤に溶解させ
た溶液と平均粒径0.5〜10μmのケイ酸金属塩又は
アルミノケイ酸金属塩を有効成分とする微粉末5〜40
重量%を有機溶媒に均一分散させた分散液をアクリロニ
トリルを主要な構成単位とする共重合体(A)の有機溶
剤溶液に添加し、これを湿式紡糸して得られた繊維を延
伸水洗後、ゲル膨潤状態にある前記繊維へアミノ化合物
を付与後、乾燥緻密化を行い、繊維重量に対して該アミ
ノ化合物を0.1〜10重量%含有させること及び/又
は乾燥緻密化後の前記繊維へアミノ化合物を繊維重量に
対して0.1〜10重量%含有させることを特徴とする
消臭性アクリル系合成繊維の製造方法である。さらに、
上記方法によって得られる消臭性アクリル系合成繊維を
5重量%以上含有することを特徴とする消臭繊維製品を
提供することにある。
ろは、アクリロニトリルを主要な構成単位とする共重合
体(A)と、該共重合体(A)と混和性がありかつ非相
溶性の重合体(B)1〜20重量%からなるアクリル系
合成繊維において、重合体(B)が相分離状態で存在し
ており、かつ、平均粒径0.5〜10μmのケイ酸金属
塩又はアルミノケイ酸金属塩を有効成分とする微粉末を
0.5〜20重量%含有し、かつ、アミノ化合物を0.
1〜10重量%含有している事を特徴とする消臭性アク
リル系合成繊維である。又、アクリル系合成繊維を製造
するに際し、該重合体(A)と混和性がありかつ非相溶
性の重合体(B)5〜40重量%を有機溶剤に溶解させ
た溶液と平均粒径0.5〜10μmのケイ酸金属塩又は
アルミノケイ酸金属塩を有効成分とする微粉末5〜40
重量%を有機溶媒に均一分散させた分散液をアクリロニ
トリルを主要な構成単位とする共重合体(A)の有機溶
剤溶液に添加し、これを湿式紡糸して得られた繊維を延
伸水洗後、ゲル膨潤状態にある前記繊維へアミノ化合物
を付与後、乾燥緻密化を行い、繊維重量に対して該アミ
ノ化合物を0.1〜10重量%含有させること及び/又
は乾燥緻密化後の前記繊維へアミノ化合物を繊維重量に
対して0.1〜10重量%含有させることを特徴とする
消臭性アクリル系合成繊維の製造方法である。さらに、
上記方法によって得られる消臭性アクリル系合成繊維を
5重量%以上含有することを特徴とする消臭繊維製品を
提供することにある。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に使用するアクリロニトリルを主要な構成単位と
する共重合体(A)は、少なくとも40重量%のアクリ
ロニトリルを含有するアクリロニトリル系共重合体より
なり、他に共重合可能ないかなる単量体をもあわせ用い
ることが可能である。例えば、アクリル酸メチル、アク
リル酸エチル等のアクリル酸アルキルエステル、メタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチル等のメタクリル酸ア
ルキルエステル、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、
塩化ビニリデン、ビニルエチルエーテル、メタクリロニ
トリル等の中性単量体、アクリル酸、メタクリル酸、ア
リルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スチレンスルホ
ン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフ
ォン酸等の酸性単量体及びこれら単量体のアンモニウム
塩、アルカリ金属塩等を適宜組み合わせたものを60重
量%以下の割合で共重合せしめたものが挙げられる。こ
のアクリル系共重合体は懸濁重合、溶液重合、乳化重合
等、如何なる方法によって製造されたものでも良い。
本発明に使用するアクリロニトリルを主要な構成単位と
する共重合体(A)は、少なくとも40重量%のアクリ
ロニトリルを含有するアクリロニトリル系共重合体より
なり、他に共重合可能ないかなる単量体をもあわせ用い
ることが可能である。例えば、アクリル酸メチル、アク
リル酸エチル等のアクリル酸アルキルエステル、メタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチル等のメタクリル酸ア
ルキルエステル、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、
塩化ビニリデン、ビニルエチルエーテル、メタクリロニ
トリル等の中性単量体、アクリル酸、メタクリル酸、ア
リルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スチレンスルホ
ン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフ
ォン酸等の酸性単量体及びこれら単量体のアンモニウム
塩、アルカリ金属塩等を適宜組み合わせたものを60重
量%以下の割合で共重合せしめたものが挙げられる。こ
のアクリル系共重合体は懸濁重合、溶液重合、乳化重合
等、如何なる方法によって製造されたものでも良い。
【0012】本発明で用いられる重合体(B)は、重合
体(A)と混和性がありかつ非相溶性であることが必須
の条件である。混和性があるとは、重合体同士または、
重合体溶液同士が凝集又はゲル化することなく良く混合
できる性質をいい、また非相溶性とは共重合体(A)の
溶液と重合体(B)の溶液とを混合した時、両者が互い
に溶解せずに相分離しているか、又は脱溶剤、成形中に
共重合体(A)と重合体(B)が相分離する事、もしく
は共重合体(A)と重合体(B)を混合溶融混練したの
ちも互いに均一ブレンドされず相分離している事を意味
する。相分離状態としては一般に重合体(B)が球状又
は回転楕円球状であることが好ましく、更に好ましくは
より均一な大きさを有する球状を呈することである。重
合体(B)は2種以上の重合体を使用することも可能で
あるが、この場合も重合体(A)と混和性がありかつ非
相溶性である事が必要である。共重合体(A)の溶液と
重合体(B)の溶液とを混合した際の相分離の確認は、
一般的な方法、例えば、位相差光学顕微鏡等で行うこと
ができ、溶液状態で相分離していれば良い。
体(A)と混和性がありかつ非相溶性であることが必須
の条件である。混和性があるとは、重合体同士または、
重合体溶液同士が凝集又はゲル化することなく良く混合
できる性質をいい、また非相溶性とは共重合体(A)の
溶液と重合体(B)の溶液とを混合した時、両者が互い
に溶解せずに相分離しているか、又は脱溶剤、成形中に
共重合体(A)と重合体(B)が相分離する事、もしく
は共重合体(A)と重合体(B)を混合溶融混練したの
ちも互いに均一ブレンドされず相分離している事を意味
する。相分離状態としては一般に重合体(B)が球状又
は回転楕円球状であることが好ましく、更に好ましくは
より均一な大きさを有する球状を呈することである。重
合体(B)は2種以上の重合体を使用することも可能で
あるが、この場合も重合体(A)と混和性がありかつ非
相溶性である事が必要である。共重合体(A)の溶液と
重合体(B)の溶液とを混合した際の相分離の確認は、
一般的な方法、例えば、位相差光学顕微鏡等で行うこと
ができ、溶液状態で相分離していれば良い。
【0013】重合体(B)としては共重合体(A)と混
和性がありかつ非相溶性であれば特に限定されないが、
アセチルセルローズ、アセチルプロピオニルセルロー
ズ、アセチルブチルセルローズ等のセルローズ誘導体、
ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等のポリ
ビニルアセタール、シアノエチル化ポリビニルアルコー
ル等のポリビニルアルコール誘導体、ポリ酢酸ビニル、
酢酸ビニル−エチレン共重合体などの酢酸ビニル系共重
合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−
アクリロニトリル共重合体等の塩化ビニル系重合体、ポ
リスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン
共重合体等のスチレン系重合体、ポリメタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸メチルを主成分とする共重合体などで
あり、特にセルローズ誘導体又はポリビニルアルコール
系誘導体が好ましい。
和性がありかつ非相溶性であれば特に限定されないが、
アセチルセルローズ、アセチルプロピオニルセルロー
ズ、アセチルブチルセルローズ等のセルローズ誘導体、
ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等のポリ
ビニルアセタール、シアノエチル化ポリビニルアルコー
ル等のポリビニルアルコール誘導体、ポリ酢酸ビニル、
酢酸ビニル−エチレン共重合体などの酢酸ビニル系共重
合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−
アクリロニトリル共重合体等の塩化ビニル系重合体、ポ
リスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン
共重合体等のスチレン系重合体、ポリメタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸メチルを主成分とする共重合体などで
あり、特にセルローズ誘導体又はポリビニルアルコール
系誘導体が好ましい。
【0014】本発明において重合体(B)は共重合体
(A)に対して1〜20重量%好ましくは2〜15重量
%含有せしめる。重合体(B)の量が1重量%未満では
良好なる相分離状態が得られず、また20重量%を越え
ると繊維性能が低下するとともに、工業的容易にかつ安
価に製造することが困難となる。
(A)に対して1〜20重量%好ましくは2〜15重量
%含有せしめる。重合体(B)の量が1重量%未満では
良好なる相分離状態が得られず、また20重量%を越え
ると繊維性能が低下するとともに、工業的容易にかつ安
価に製造することが困難となる。
【0015】本発明で用いられる微粉末としては、酸化
物として表わした3成分組成比で SiO2 :5〜80モル% MOn/2 :5〜65モル% Al2 O3 :0〜60モル% (Mは亜鉛、銅、銀、コバルト、ニッケル、鉄、チタ
ン、バリウム、スズ、マグネシウム又はジルコニウムか
ら選ばれる少なくとも一種の金属を、nは金属の原子価
を表わす)に相当するケイ酸金属塩又はアルミノケイ酸
金属塩を有効成分とするものである。かかる金属塩は、
その結晶に固体酸、固体塩基の両性質を持ち、かつ、互
いに中和しあうことなく1つの固体粒子表面に独立して
存在し、両性の吸着面を形成している事から、塩基性悪
臭、酸性悪臭に対し化学的吸着作用による優れた消臭効
果を有し、また、比表面積が大きく悪臭との接触効率に
優れ、物理吸着作用も併せ持つ為、効果的に消臭できる
ものと考えられる。また、抗菌性能に関しては定かでは
ないが、微粉末の少なくとも一部に保持した金属イオン
に基づくものと考えられる。
物として表わした3成分組成比で SiO2 :5〜80モル% MOn/2 :5〜65モル% Al2 O3 :0〜60モル% (Mは亜鉛、銅、銀、コバルト、ニッケル、鉄、チタ
ン、バリウム、スズ、マグネシウム又はジルコニウムか
ら選ばれる少なくとも一種の金属を、nは金属の原子価
を表わす)に相当するケイ酸金属塩又はアルミノケイ酸
金属塩を有効成分とするものである。かかる金属塩は、
その結晶に固体酸、固体塩基の両性質を持ち、かつ、互
いに中和しあうことなく1つの固体粒子表面に独立して
存在し、両性の吸着面を形成している事から、塩基性悪
臭、酸性悪臭に対し化学的吸着作用による優れた消臭効
果を有し、また、比表面積が大きく悪臭との接触効率に
優れ、物理吸着作用も併せ持つ為、効果的に消臭できる
ものと考えられる。また、抗菌性能に関しては定かでは
ないが、微粉末の少なくとも一部に保持した金属イオン
に基づくものと考えられる。
【0016】本発明で用いられるケイ酸金属塩又はアル
ミノケイ酸金属塩を有効成分とする微粉末の平均粒径は
粒度分布にもよるが、0.1〜10μm、好ましくは1
〜7μmである。微粉末の平均粒径が0.1μm未満で
は凝集が起こりやすく、特殊な分散装置、分散剤を用い
なければ均一分散が困難であり、また、10μmを超え
ると紡糸時の濾過圧上昇、糸切れ等が起こり操業上好ま
しくない。
ミノケイ酸金属塩を有効成分とする微粉末の平均粒径は
粒度分布にもよるが、0.1〜10μm、好ましくは1
〜7μmである。微粉末の平均粒径が0.1μm未満で
は凝集が起こりやすく、特殊な分散装置、分散剤を用い
なければ均一分散が困難であり、また、10μmを超え
ると紡糸時の濾過圧上昇、糸切れ等が起こり操業上好ま
しくない。
【0017】本発明で用いるケイ酸金属塩又はアルミノ
ケイ酸金属塩を有効成分とする微粉末のBET比表面積
は、100m2 /g以上であり、特に150m2 /g以
上であることが好ましい。このBET比表面積が100
m2 /gより低い場合は悪臭との接触効率が低下し、十
分は消臭能力を発揮できない。
ケイ酸金属塩を有効成分とする微粉末のBET比表面積
は、100m2 /g以上であり、特に150m2 /g以
上であることが好ましい。このBET比表面積が100
m2 /gより低い場合は悪臭との接触効率が低下し、十
分は消臭能力を発揮できない。
【0018】本発明で用いられるケイ酸金属塩又はアル
ミノケイ酸金属塩を有効成分とする微粉末の添加量は上
記アクリルニトリル系共重合体に対して、0.5〜20
重量%、好ましくは1〜15重量%含有せしめる。微粉
末の含有量が0.5重量%未満では十分な消臭性能を付
与出来ず、また20重量%を超えると紡糸における可紡
性、繊維品質及び紡績性が低下し好ましくない。
ミノケイ酸金属塩を有効成分とする微粉末の添加量は上
記アクリルニトリル系共重合体に対して、0.5〜20
重量%、好ましくは1〜15重量%含有せしめる。微粉
末の含有量が0.5重量%未満では十分な消臭性能を付
与出来ず、また20重量%を超えると紡糸における可紡
性、繊維品質及び紡績性が低下し好ましくない。
【0019】本発明の繊維は相分離した重合体(B)の
中に微粉末が局在化することにより消臭・抗菌効果は著
しく向上する。その理由は定かではないが、相分離した
重合体(B)により形成されたマクロボイドは、その一
部は表面に開口した空孔が内部の空孔と連通し、悪臭物
質がアクリル繊維中に入り込み易くなり、微粉末との接
触面積が増えることによって消臭効果が向上するからと
考えられる。この局在化の確認は、相分離を確認する方
法と同様に行うことができる。また、得られた空孔は、
アミノ化合物を含有させる際に内部まで付与しやすくな
ること及び微細な空孔内に保持されたアミノ化合物は洗
濯等への耐久性を更に向上させるものと考えられ、更に
空孔内部へ保持されたアミノ化合物は、微粉末の場合と
同様に悪臭との接触面積を増加し、消臭効果を向上させ
る。
中に微粉末が局在化することにより消臭・抗菌効果は著
しく向上する。その理由は定かではないが、相分離した
重合体(B)により形成されたマクロボイドは、その一
部は表面に開口した空孔が内部の空孔と連通し、悪臭物
質がアクリル繊維中に入り込み易くなり、微粉末との接
触面積が増えることによって消臭効果が向上するからと
考えられる。この局在化の確認は、相分離を確認する方
法と同様に行うことができる。また、得られた空孔は、
アミノ化合物を含有させる際に内部まで付与しやすくな
ること及び微細な空孔内に保持されたアミノ化合物は洗
濯等への耐久性を更に向上させるものと考えられ、更に
空孔内部へ保持されたアミノ化合物は、微粉末の場合と
同様に悪臭との接触面積を増加し、消臭効果を向上させ
る。
【0020】本発明で用いられるアミノ化合物とはその
構造中にアミノ基を持つ化合物であり、一般式
構造中にアミノ基を持つ化合物であり、一般式
【化1】R−NH2 (Rはアルキル基又はアリール基)で表せられる脂肪族
第一アミン、芳香族アミン及び一般式
第一アミン、芳香族アミン及び一般式
【化2】R−(NH2 )2 (Rはアルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル
基、アラルキル基又はアリール基)で表せられるジアミ
ン化合物及び一般式
基、アラルキル基又はアリール基)で表せられるジアミ
ン化合物及び一般式
【化3】R−CONH2 (Rはアルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル
基、アラルキル基又はアリール基)で表せられるアミド
化合物及び一般式
基、アラルキル基又はアリール基)で表せられるアミド
化合物及び一般式
【化4】R−(CONH2 )2 (Rはアルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル
基、アラルキル基又はアリール基)で表せられるジアミ
ド化合物及び一般式
基、アラルキル基又はアリール基)で表せられるジアミ
ド化合物及び一般式
【化5】R−CONHNH2 (Rはアルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル
基、アラルキル基又はアリール基)で表せられるヒドラ
ジド化合物及び一般式
基、アラルキル基又はアリール基)で表せられるヒドラ
ジド化合物及び一般式
【化6】R−(CONHNH2 )2 (Rはアルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル
基、アラルキル基又はアリール基)で表せられるジヒド
ラジド化合物及び一般式
基、アラルキル基又はアリール基)で表せられるジヒド
ラジド化合物及び一般式
【化7】R−(CONHNH2 )2 (Rはアルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル
基、アラルキル基又はアリール基)で表せられるトリヒ
ドラジド化合物及び一般式
基、アラルキル基又はアリール基)で表せられるトリヒ
ドラジド化合物及び一般式
【化8】H2 N−(CH2 ーCH2 −NH)n −H (但しnは1以上の整数)又は
【化9】 で表せられるアルキレンイミン、又はポリアルキレンイ
ミン類及びヒドラジン、アルキルヒドラジン誘導体、ヒ
ドラジン塩類等があげられる。脂肪族第一アミンとして
は、デシルアミン、ウンデシルアミン、トリデシルアミ
ン、セチルアミン等、芳香族アミンとしては、ベンジル
アミン、ナフチルアミン等、ジアミン化合物としては、
一般式H2 N(CH2 )n NH2 (但しnは2以上の整
数)で表せられるエチレンジアミン、ヘキサメチレンジ
アミン、オクタメチレンジアミン等の脂肪族ジアミンや
フェニレンジアミン等の芳香族ジアミン、アミド化合物
としては、ラウリン酸アミド、アゼラインアミド、セバ
シンモノアミド等、ジアミド化合物としては、アジピン
酸アミド、セバシンジアミド、アゼライン酸ジアミド
等、ヒドラジド化合物としては、ベンズヒドラジド、ア
セトヒドラジド等、ジヒドラジド化合物としては、カー
ボジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セパシン酸
ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、イソフタル
酸ヒドラジド、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジヒド
ラジド等、アルキレンイミン類等としては、ジエチレン
トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレン
ペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等、ポリアルキ
レンイミン類等としては、ポリエチレンイミン、ポリプ
ロピレンイミン、ポリ(2−エチルアジリディン)等、
ヒドラジン及びアルキルヒドラジン誘導体としては、水
加ヒドラジン、モノメチルヒドラジン、ジメチルヒドラ
ジン、ターシャリブチルヒドラジン塩類、ベンゾフェノ
ンヒドラゾン、アセトンチオセミカルバゾン、塩酸セミ
カルバジド等、ヒドラジン塩類としては、硫酸ヒドラジ
ン、炭酸ヒドラジン、一塩酸ヒドラジン、二塩酸ヒドラ
ジン、リン酸ヒドラジン、ブローム酸ヒドラジン等があ
げられるが、これに限定するものでは無い。
ミン類及びヒドラジン、アルキルヒドラジン誘導体、ヒ
ドラジン塩類等があげられる。脂肪族第一アミンとして
は、デシルアミン、ウンデシルアミン、トリデシルアミ
ン、セチルアミン等、芳香族アミンとしては、ベンジル
アミン、ナフチルアミン等、ジアミン化合物としては、
一般式H2 N(CH2 )n NH2 (但しnは2以上の整
数)で表せられるエチレンジアミン、ヘキサメチレンジ
アミン、オクタメチレンジアミン等の脂肪族ジアミンや
フェニレンジアミン等の芳香族ジアミン、アミド化合物
としては、ラウリン酸アミド、アゼラインアミド、セバ
シンモノアミド等、ジアミド化合物としては、アジピン
酸アミド、セバシンジアミド、アゼライン酸ジアミド
等、ヒドラジド化合物としては、ベンズヒドラジド、ア
セトヒドラジド等、ジヒドラジド化合物としては、カー
ボジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セパシン酸
ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、イソフタル
酸ヒドラジド、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジヒド
ラジド等、アルキレンイミン類等としては、ジエチレン
トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレン
ペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等、ポリアルキ
レンイミン類等としては、ポリエチレンイミン、ポリプ
ロピレンイミン、ポリ(2−エチルアジリディン)等、
ヒドラジン及びアルキルヒドラジン誘導体としては、水
加ヒドラジン、モノメチルヒドラジン、ジメチルヒドラ
ジン、ターシャリブチルヒドラジン塩類、ベンゾフェノ
ンヒドラゾン、アセトンチオセミカルバゾン、塩酸セミ
カルバジド等、ヒドラジン塩類としては、硫酸ヒドラジ
ン、炭酸ヒドラジン、一塩酸ヒドラジン、二塩酸ヒドラ
ジン、リン酸ヒドラジン、ブローム酸ヒドラジン等があ
げられるが、これに限定するものでは無い。
【0021】本発明で用いられるアミノ化合物の含有量
は繊維に対して0.1〜10重量%、好ましくは0.5
〜7重量%である。アミノ化合物の種類にもよるが含有
量が0.1重量%未満では十分な消臭性能を付与出来
ず、また10重量%を超えると、繊維品質及び紡績性が
低下し好ましくない。
は繊維に対して0.1〜10重量%、好ましくは0.5
〜7重量%である。アミノ化合物の種類にもよるが含有
量が0.1重量%未満では十分な消臭性能を付与出来
ず、また10重量%を超えると、繊維品質及び紡績性が
低下し好ましくない。
【0022】本発明に使用する溶媒としては、アクリロ
ニトリル系共重合体を溶解し得る溶媒ならばいずれを使
用しても良い。例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、アセトン等の
有機溶媒が挙げられ、溶解性、溶剤回収、取扱いの点で
好ましい。
ニトリル系共重合体を溶解し得る溶媒ならばいずれを使
用しても良い。例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、アセトン等の
有機溶媒が挙げられ、溶解性、溶剤回収、取扱いの点で
好ましい。
【0023】本発明において重合体(B)の有機溶剤溶
液の濃度は5〜40重量%、好ましくは10〜30重量
%である。この濃度が5重量%未満では、紡糸原液の濃
度が下がり可紡性が低下すると共に、繊維物性が低下す
る。また、40重量%を越えると、粘度の上昇により微
粉末の均一分散が困難になるばかりではなく、可紡性が
低下し工業的容易に製造する事が困難になる。
液の濃度は5〜40重量%、好ましくは10〜30重量
%である。この濃度が5重量%未満では、紡糸原液の濃
度が下がり可紡性が低下すると共に、繊維物性が低下す
る。また、40重量%を越えると、粘度の上昇により微
粉末の均一分散が困難になるばかりではなく、可紡性が
低下し工業的容易に製造する事が困難になる。
【0024】本発明においてケイ酸金属塩又はアルミノ
ケイ酸金属塩を有効成分とする微粉末の有機溶剤の分散
濃度は5〜40重量%、好ましくは10〜35重量%で
ある。この濃度が5重量%未満であると紡糸原液の濃度
が下がり、可紡性が低下するとともに繊維物性が低下す
る。また、40重量%を超えると、良好な分散状態が得
られず工業的に容易に製造することが困難となる。
ケイ酸金属塩を有効成分とする微粉末の有機溶剤の分散
濃度は5〜40重量%、好ましくは10〜35重量%で
ある。この濃度が5重量%未満であると紡糸原液の濃度
が下がり、可紡性が低下するとともに繊維物性が低下す
る。また、40重量%を超えると、良好な分散状態が得
られず工業的に容易に製造することが困難となる。
【0025】アクリロニトリル系共重合体(A)に、重
合体(B)及びケイ酸金属塩又はアルミノケイ酸金属塩
を有効成分とする微粉末を添加、混合し紡糸原液を得る
方法としては、共重合体(A)を有機溶媒に溶解した溶
液に重合体(B)及びケイ酸金属塩又はアルミノケイ酸
金属塩を有効成分とする微粉末を有機溶媒に分散させた
分散液を紡糸直前に添加、混合すれば良い。本発明で用
いられる重合体(B)及びケイ酸金属塩又はアルミノケ
イ酸金属塩を有効成分とする微粉末を有機溶媒に分散、
溶解させる方法、及び、その調製溶液をアクリロニトリ
ル系共重合体を含む紡糸原液に添加、混合する方法とし
ては、通常の混合機で充分に混合できる。
合体(B)及びケイ酸金属塩又はアルミノケイ酸金属塩
を有効成分とする微粉末を添加、混合し紡糸原液を得る
方法としては、共重合体(A)を有機溶媒に溶解した溶
液に重合体(B)及びケイ酸金属塩又はアルミノケイ酸
金属塩を有効成分とする微粉末を有機溶媒に分散させた
分散液を紡糸直前に添加、混合すれば良い。本発明で用
いられる重合体(B)及びケイ酸金属塩又はアルミノケ
イ酸金属塩を有効成分とする微粉末を有機溶媒に分散、
溶解させる方法、及び、その調製溶液をアクリロニトリ
ル系共重合体を含む紡糸原液に添加、混合する方法とし
ては、通常の混合機で充分に混合できる。
【0026】得られた紡糸原液は通常の口金より紡出さ
れる。紡出方法についてはあらゆる公知の湿式紡糸方法
が適用可能であり、通常のアクリル系合成繊維と同様の
条件で行えば良い。より好ましくは、湿熱で3倍以下の
二次延伸を行うことで繊維へ効果的にマクロボイドを付
与することができ、消臭性能を向上することができる。
れる。紡出方法についてはあらゆる公知の湿式紡糸方法
が適用可能であり、通常のアクリル系合成繊維と同様の
条件で行えば良い。より好ましくは、湿熱で3倍以下の
二次延伸を行うことで繊維へ効果的にマクロボイドを付
与することができ、消臭性能を向上することができる。
【0027】アミノ化合物を繊維へ含有させる方法とし
ては、紡糸原液を湿式紡糸により口金より紡出後、一次
延伸して得られた繊維を水洗後、ゲル膨潤状態にある前
記繊維をアミノ化合物溶液へ浸積及びアミノ化合物溶液
を噴霧等の方法で付与した後、乾燥緻密化を行い、繊維
重量に対して該アミノ化合物を0.1〜10重量%含有
させること及び又は乾燥緻密化後の繊維をアミノ化合物
の溶液へ浸積及びアミノ化合物の溶液を噴霧し、乾燥好
ましくは熱処理し、アミノ化合物を繊維重量に対して
0.1〜10重量%含有させる方法がある。また、アミ
ノ化合物が紡糸時の濾過圧上昇へ影響しない程度の微粒
子であり、紡糸操業性への影響がなければケイ酸金属塩
又はアルミノケイ酸金属塩の微粒子と同様に練り混むこ
とも可能であるが、練り混みにおいては繊維内部に存在
するアミノ化合物と悪臭物質との接触効率が低下する
為、より効果的な方法としては前記方法が好ましい。こ
れらの方法においては、アミノ化合物を用いること以外
は通常の工程と同様に行えば良い。
ては、紡糸原液を湿式紡糸により口金より紡出後、一次
延伸して得られた繊維を水洗後、ゲル膨潤状態にある前
記繊維をアミノ化合物溶液へ浸積及びアミノ化合物溶液
を噴霧等の方法で付与した後、乾燥緻密化を行い、繊維
重量に対して該アミノ化合物を0.1〜10重量%含有
させること及び又は乾燥緻密化後の繊維をアミノ化合物
の溶液へ浸積及びアミノ化合物の溶液を噴霧し、乾燥好
ましくは熱処理し、アミノ化合物を繊維重量に対して
0.1〜10重量%含有させる方法がある。また、アミ
ノ化合物が紡糸時の濾過圧上昇へ影響しない程度の微粒
子であり、紡糸操業性への影響がなければケイ酸金属塩
又はアルミノケイ酸金属塩の微粒子と同様に練り混むこ
とも可能であるが、練り混みにおいては繊維内部に存在
するアミノ化合物と悪臭物質との接触効率が低下する
為、より効果的な方法としては前記方法が好ましい。こ
れらの方法においては、アミノ化合物を用いること以外
は通常の工程と同様に行えば良い。
【0028】本発明の特性を損なわない範囲で通常使用
される酸化チタン、難燃剤、耐光剤、蓄熱剤、顔料、収
縮性を向上させる目的で使用されるポリマー等を添加す
ること、染色、難燃性の付与等を目的としたゲルトウ加
工及び油剤の付与等は任意である。また、本発明の特性
を損なわない範囲でケイ酸金属塩又はアルミノケイ酸金
属塩を有効成分とする微粉末を製造する際に添加物を使
用することや、微粉末の分散性改良の為に添加物を使用
することは任意である。
される酸化チタン、難燃剤、耐光剤、蓄熱剤、顔料、収
縮性を向上させる目的で使用されるポリマー等を添加す
ること、染色、難燃性の付与等を目的としたゲルトウ加
工及び油剤の付与等は任意である。また、本発明の特性
を損なわない範囲でケイ酸金属塩又はアルミノケイ酸金
属塩を有効成分とする微粉末を製造する際に添加物を使
用することや、微粉末の分散性改良の為に添加物を使用
することは任意である。
【0029】本発明において繊維製品とは、特に限定さ
れるものではなく、繊維を材料として用いた一般的な製
品を指すものである。すなわち、不織布、織布、編布な
どの布帛、およびこれからなる衣料、毛布、モケット、
マットやカーペット類、靴下、肌着、シーツ、カーテン
などを含む。これら製品の製造は本発明の消臭性アクリ
ル系合成繊維を用いること以外は一般に用いられる加工
方法を用いて行えば良く、染色、プリント等の加工も行
うことができる。また、繊維製品の機械的特性、例えば
強度、面積、通気度、耐熱性、耐薬品性等は用いられる
用途により異なるので適当に素材、厚み、組織等選択す
べきであり、特に限定しない。本発明の繊維製品は、本
発明の消臭性アクリル系合成繊維のみを用いても良い
が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポ
リウレタン、ナイロン、アクリル、ビニロン、アラミド
等の合成繊維、アセテート、レーヨン、キュプラ等の再
生繊維、木綿、羊毛、麻等の天然繊維と混合し、繊維製
品に加工される。本発明の消臭繊維と他繊維との混合率
は特に限定はしないが、他繊維の風合いや機能、例えば
難燃性、保温性、吸湿性等を重視する場合には5%〜5
0%程度、より好ましくは5%〜30%程度であれば良
く、得られた繊維製品は充分な消臭性能を有することが
出来る。
れるものではなく、繊維を材料として用いた一般的な製
品を指すものである。すなわち、不織布、織布、編布な
どの布帛、およびこれからなる衣料、毛布、モケット、
マットやカーペット類、靴下、肌着、シーツ、カーテン
などを含む。これら製品の製造は本発明の消臭性アクリ
ル系合成繊維を用いること以外は一般に用いられる加工
方法を用いて行えば良く、染色、プリント等の加工も行
うことができる。また、繊維製品の機械的特性、例えば
強度、面積、通気度、耐熱性、耐薬品性等は用いられる
用途により異なるので適当に素材、厚み、組織等選択す
べきであり、特に限定しない。本発明の繊維製品は、本
発明の消臭性アクリル系合成繊維のみを用いても良い
が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポ
リウレタン、ナイロン、アクリル、ビニロン、アラミド
等の合成繊維、アセテート、レーヨン、キュプラ等の再
生繊維、木綿、羊毛、麻等の天然繊維と混合し、繊維製
品に加工される。本発明の消臭繊維と他繊維との混合率
は特に限定はしないが、他繊維の風合いや機能、例えば
難燃性、保温性、吸湿性等を重視する場合には5%〜5
0%程度、より好ましくは5%〜30%程度であれば良
く、得られた繊維製品は充分な消臭性能を有することが
出来る。
【0030】
【実施例】次に実施例を示して、本発明を具体的に説明
する。実施例中の部、%は特に断らない限り、「重量
部」、「重量%」を示す。 [消臭性]繊維製品の消臭性能の評価は、日常生活の悪
臭の代表として、塩基性の悪臭であるアンモニア臭(肉
類の腐敗臭、たばこ煙の成分、汗・尿の分解物等)、ト
リメチルアミン臭(魚類の腐敗臭等)、メルカプタン臭
(野菜類の腐敗臭等)、酸性の悪臭である酢酸臭(汗成
分の分解による体臭、たばこ煙の成分等)、アセトアル
デヒド(たばこ煙の成分等)について以下の方法により
行った。
する。実施例中の部、%は特に断らない限り、「重量
部」、「重量%」を示す。 [消臭性]繊維製品の消臭性能の評価は、日常生活の悪
臭の代表として、塩基性の悪臭であるアンモニア臭(肉
類の腐敗臭、たばこ煙の成分、汗・尿の分解物等)、ト
リメチルアミン臭(魚類の腐敗臭等)、メルカプタン臭
(野菜類の腐敗臭等)、酸性の悪臭である酢酸臭(汗成
分の分解による体臭、たばこ煙の成分等)、アセトアル
デヒド(たばこ煙の成分等)について以下の方法により
行った。
【0031】1.トリメチルアミン(以下TMAと記
す)除去率測定法 テドラーバッグ(フッ化ビニリデンフィルム製、5l)
に繊維試料3gを入れ密封し、さらに窒素ガス3lを入
れる。次いで、TMAを10ppmの濃度になるよう封
入し、1時間放置した後に検知管でガス濃度を測定し
た。対照として空のテドラーバッグにTMAを10pp
mの濃度になるよう封入し、1時間放置した後に検知管
でガス濃度を測定し、濃度の減少率からTMAの除去率
を算出した。
す)除去率測定法 テドラーバッグ(フッ化ビニリデンフィルム製、5l)
に繊維試料3gを入れ密封し、さらに窒素ガス3lを入
れる。次いで、TMAを10ppmの濃度になるよう封
入し、1時間放置した後に検知管でガス濃度を測定し
た。対照として空のテドラーバッグにTMAを10pp
mの濃度になるよう封入し、1時間放置した後に検知管
でガス濃度を測定し、濃度の減少率からTMAの除去率
を算出した。
【0032】2.アンモニア除去率測定法 テドラーバッグ(フッ化ビニリデンフィルム製、5l)
に繊維試料3gを入れ密封し、さらに窒素ガス3lを入
れる。次いで、アンモニアを40ppmの濃度になるよ
う封入し、1時間放置した後に検知管でガス濃度を測定
した。対照として空のテドラーバッグにアンモニアを4
0ppmの濃度になるよう封入し、1時間放置した後に
検知管でガス濃度を測定し、濃度の減少率からアンモニ
アの除去率を算出した。
に繊維試料3gを入れ密封し、さらに窒素ガス3lを入
れる。次いで、アンモニアを40ppmの濃度になるよ
う封入し、1時間放置した後に検知管でガス濃度を測定
した。対照として空のテドラーバッグにアンモニアを4
0ppmの濃度になるよう封入し、1時間放置した後に
検知管でガス濃度を測定し、濃度の減少率からアンモニ
アの除去率を算出した。
【0033】3.エチルメルカプタン(以下EMPと記
す)除去率測定法 テドラーバッグ(フッ化ビニリデンフィルム製、5l)
に繊維試料3gを入れ密封し、さらに窒素ガス3lを入
れる。次いで、EMPを20ppmの濃度になるよう封
入し、1時間放置した後に検知管でガス濃度を測定し
た。対照として空のテドラーバッグにEMPを20pp
mの濃度になるよう封入し、1時間放置した後に検知管
でガス濃度を測定し、濃度の減少率からEMPの除去率
を算出した。
す)除去率測定法 テドラーバッグ(フッ化ビニリデンフィルム製、5l)
に繊維試料3gを入れ密封し、さらに窒素ガス3lを入
れる。次いで、EMPを20ppmの濃度になるよう封
入し、1時間放置した後に検知管でガス濃度を測定し
た。対照として空のテドラーバッグにEMPを20pp
mの濃度になるよう封入し、1時間放置した後に検知管
でガス濃度を測定し、濃度の減少率からEMPの除去率
を算出した。
【0034】4.酢酸除去率測定法 テドラーバッグ(フッ化ビニリデンフィルム製、5l)
に繊維試料3gを入れ密封し、さらに窒素ガス3lを入
れる。次いで、酢酸を20ppmの濃度になるよう封入
し、1時間放置した後に検知管でガス濃度を測定した。
対照として空のテドラーバッグに酢酸を20ppmの濃
度になるよう封入し、1時間放置した後に検知管でガス
濃度を測定し、濃度の減少率から酢酸の除去率を算出し
た。
に繊維試料3gを入れ密封し、さらに窒素ガス3lを入
れる。次いで、酢酸を20ppmの濃度になるよう封入
し、1時間放置した後に検知管でガス濃度を測定した。
対照として空のテドラーバッグに酢酸を20ppmの濃
度になるよう封入し、1時間放置した後に検知管でガス
濃度を測定し、濃度の減少率から酢酸の除去率を算出し
た。
【0035】5.アセトアルデヒド除去率測定法 テドラーバッグ(フッ化ビニリデンフィルム製、5l)
に繊維試料3gを入れ密封し、さらに窒素ガス3lを入
れる。次いでアセトアルデヒドを25ppmの濃度にな
るよう封入し、1時間放置した後に検知管でガス濃度を
測定した。対照として空のテドラーバッグにアセトアル
デヒドを25ppmの濃度になるよう封入し、1時間放
置した後に検知管でガス濃度を測定し、濃度の減少率か
らアセトアルデヒドの除去率を算出した。
に繊維試料3gを入れ密封し、さらに窒素ガス3lを入
れる。次いでアセトアルデヒドを25ppmの濃度にな
るよう封入し、1時間放置した後に検知管でガス濃度を
測定した。対照として空のテドラーバッグにアセトアル
デヒドを25ppmの濃度になるよう封入し、1時間放
置した後に検知管でガス濃度を測定し、濃度の減少率か
らアセトアルデヒドの除去率を算出した。
【0036】[耐洗濯性]耐洗濯性試験は、JIS L
1018の「家庭用電気洗濯法」に準じて行った。
1018の「家庭用電気洗濯法」に準じて行った。
【0037】[空孔率]本発明において、重合体(B)
により得られるマクロボイドの評価は、表面に開口した
マクロボイドが内部のマクロボイドと連通し吸水性能が
向上することから、便宜的に吸水率による評価とし、以
下の方法によって測定した。綿0.5gを純水に5分浸
積後、遠心分離機を用いて2分間処理し、繊維間の水分
を除去し、重量(W0)を測定し、さらにこの綿を乾燥
し、乾燥重量(W1)を測定し下記式で吸水率を計算す
る事により算出した。
により得られるマクロボイドの評価は、表面に開口した
マクロボイドが内部のマクロボイドと連通し吸水性能が
向上することから、便宜的に吸水率による評価とし、以
下の方法によって測定した。綿0.5gを純水に5分浸
積後、遠心分離機を用いて2分間処理し、繊維間の水分
を除去し、重量(W0)を測定し、さらにこの綿を乾燥
し、乾燥重量(W1)を測定し下記式で吸水率を計算す
る事により算出した。
【数1】 吸水率(%)=(W0−W1)/W1×100※
【0038】実施例1〜5及び比較例1〜3 アクリロニトリル系共重合体の製造は、アクリロニトリ
ル(以下ANと記す)/メチルアクリレート/2−アク
リルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ソーダ(以
下SAMと記す)=91.2/8.0/0.8からなる
アクリロニトリル系共重合体を、ジメチルホルムアミド
(以下DMFと記す)中にてアゾビスイソブチロニトリ
ルを開始剤として重合し、残存モノマーの除去を行い、
その後、共重合体濃度を20〜30%に調製した。
ル(以下ANと記す)/メチルアクリレート/2−アク
リルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ソーダ(以
下SAMと記す)=91.2/8.0/0.8からなる
アクリロニトリル系共重合体を、ジメチルホルムアミド
(以下DMFと記す)中にてアゾビスイソブチロニトリ
ルを開始剤として重合し、残存モノマーの除去を行い、
その後、共重合体濃度を20〜30%に調製した。
【0039】重合体(B)はセルローズ誘導体であるア
セチルセルローズを用い、DMFに20〜30%となる
ように調製した。
セチルセルローズを用い、DMFに20〜30%となる
ように調製した。
【0040】微粉末は、その有効成分であるアルミノケ
イ酸金属塩の組成比がSiO2 :58モル%,Al2 O
3 :7モル%,ZnO:35モル%であり、平均粒径が
3.5μm、比表面積が200m2 /gであるものを使
用し、DMFに20〜25%となるように調整した。
イ酸金属塩の組成比がSiO2 :58モル%,Al2 O
3 :7モル%,ZnO:35モル%であり、平均粒径が
3.5μm、比表面積が200m2 /gであるものを使
用し、DMFに20〜25%となるように調整した。
【0041】アミノ化合物はアジピン酸ジヒドラジドを
用い、蒸留水に1〜20%となるように調製した。
用い、蒸留水に1〜20%となるように調製した。
【0042】得られたアセチルセルローズのDMF溶液
と上記微粉末の分散液を、上記アクリロニトリル系共重
合体に表1に示す添加率で添加、混合し、紡糸原液とし
た。
と上記微粉末の分散液を、上記アクリロニトリル系共重
合体に表1に示す添加率で添加、混合し、紡糸原液とし
た。
【0043】上記紡糸原液を22℃,58%DMF水溶
液中に紡出し、脱溶媒をさせながら3段階で6倍に一次
延伸した後、60℃の水で水洗し、DMFを除去した。
その後、ゲル膨潤状態にある繊維をアミノ化合物溶液へ
浸積した後、緊張下ヒーターローラーにて130℃で乾
燥を行い、100℃の湿熱下で二次延伸を1.2倍で行
いクリンプ付与後に湿熱105℃にて湿熱処理を行っ
た。得られた繊維の紡糸操業性の結果の判定は、実施例
記載の条件で製造した際の濾過圧、単糸切れ、ローラー
巻き付き、繊維への歩留まり等を総合して「○(良
好)」,「△(やや不良)」,「×(不良)」の三段階
で行った。また、繊維品質においては、それぞれの実施
例の繊維の強度、伸度、耐光性、染色性等を通常のアク
リル系合成繊維と比較して、「○(良好)」,「×(不
良)」の2段階で評価を行った。
液中に紡出し、脱溶媒をさせながら3段階で6倍に一次
延伸した後、60℃の水で水洗し、DMFを除去した。
その後、ゲル膨潤状態にある繊維をアミノ化合物溶液へ
浸積した後、緊張下ヒーターローラーにて130℃で乾
燥を行い、100℃の湿熱下で二次延伸を1.2倍で行
いクリンプ付与後に湿熱105℃にて湿熱処理を行っ
た。得られた繊維の紡糸操業性の結果の判定は、実施例
記載の条件で製造した際の濾過圧、単糸切れ、ローラー
巻き付き、繊維への歩留まり等を総合して「○(良
好)」,「△(やや不良)」,「×(不良)」の三段階
で行った。また、繊維品質においては、それぞれの実施
例の繊維の強度、伸度、耐光性、染色性等を通常のアク
リル系合成繊維と比較して、「○(良好)」,「×(不
良)」の2段階で評価を行った。
【0044】なお、比較例1〜5は、アクリロニトリル
系共重合体に実施例1〜5で用いた重合体(B)及び微
粉末及びアミノ化合物を範囲外の比率で添加及び付与し
たものであり、各工程、各評価は実施例1〜5と同様に
行った。
系共重合体に実施例1〜5で用いた重合体(B)及び微
粉末及びアミノ化合物を範囲外の比率で添加及び付与し
たものであり、各工程、各評価は実施例1〜5と同様に
行った。
【0045】実施例6 アミノ化合物として、イソフタル酸ヒドラジドを用いる
以外は実施例1〜5と同様の方法により繊維を得たもの
であり、各工程、各評価は実施例1〜5と同様に行っ
た。以上の結果をまとめて表1に示す。
以外は実施例1〜5と同様の方法により繊維を得たもの
であり、各工程、各評価は実施例1〜5と同様に行っ
た。以上の結果をまとめて表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】表1から明らかな様に、実施例品は比較例
品に比べて優れた消臭性能及び抗菌性能を有しているこ
とがわかる。上記共重合体(B)をアクリロニトリル系
重合体への微粉末の添加率を範囲外に多くした比較例1
の場合は、紡糸時の濾過圧上昇、糸切れが起こり紡糸で
きなかった。また、比較例2の如く微粉末の添加率を範
囲外に少なくしたものは、紡糸操業性、繊維品質は良好
であり、吸水率も高くマクロボイドも形成されていた
が、十分な消臭性能は得られなかった。微粉末の添加率
を範囲外に多くした比較例3においては紡糸時の濾過圧
上昇、糸切れが起こり紡糸できなかった。アミノ化合物
の含有率を範囲外に少なくした比較例4においては、ア
セトアルデヒドに対する消臭性能が不十分であり、満足
な性能を満たせなかった。また、アミノ化合物の含有率
を範囲外に多くした比較例5においては、良好な消臭性
能であったが、紡績性の低下が起こり充分な繊維性能を
持つことができなかった。
品に比べて優れた消臭性能及び抗菌性能を有しているこ
とがわかる。上記共重合体(B)をアクリロニトリル系
重合体への微粉末の添加率を範囲外に多くした比較例1
の場合は、紡糸時の濾過圧上昇、糸切れが起こり紡糸で
きなかった。また、比較例2の如く微粉末の添加率を範
囲外に少なくしたものは、紡糸操業性、繊維品質は良好
であり、吸水率も高くマクロボイドも形成されていた
が、十分な消臭性能は得られなかった。微粉末の添加率
を範囲外に多くした比較例3においては紡糸時の濾過圧
上昇、糸切れが起こり紡糸できなかった。アミノ化合物
の含有率を範囲外に少なくした比較例4においては、ア
セトアルデヒドに対する消臭性能が不十分であり、満足
な性能を満たせなかった。また、アミノ化合物の含有率
を範囲外に多くした比較例5においては、良好な消臭性
能であったが、紡績性の低下が起こり充分な繊維性能を
持つことができなかった。
【0048】実施例7〜9、比較例6〜7 比較例4で用いた消臭性アクリル系合成繊維を38mm
定長カットした後、表2に記載の付着量になるようにア
ミノ化合物の溶液に浸積、脱水し、100℃で熱処理を
行った。得られた綿の消臭性能評価、繊維品質の評価を
表2に示した。尚、比較例6〜7においては付着量を範
囲外にしたものであり、その他の方法は実施例1〜6と
同様に行った。
定長カットした後、表2に記載の付着量になるようにア
ミノ化合物の溶液に浸積、脱水し、100℃で熱処理を
行った。得られた綿の消臭性能評価、繊維品質の評価を
表2に示した。尚、比較例6〜7においては付着量を範
囲外にしたものであり、その他の方法は実施例1〜6と
同様に行った。
【0049】
【表2】
【0050】表2より明らかな様に、比較例6で示した
アミノ化合物を付与しないものは、アセトアルデヒドに
対する消臭性能が不十分であり、満足な性能を満たせな
かった。また、アミノ化合物の付着量を範囲外に多くし
た比較例7においては、良好な消臭性能であったが、紡
績性の低下が起こり充分な繊維品質ではなかった。
アミノ化合物を付与しないものは、アセトアルデヒドに
対する消臭性能が不十分であり、満足な性能を満たせな
かった。また、アミノ化合物の付着量を範囲外に多くし
た比較例7においては、良好な消臭性能であったが、紡
績性の低下が起こり充分な繊維品質ではなかった。
【0051】実施例10〜11 実施例1で得られた消臭性アクリル系合成繊維(C)を
51mm定長カットした後、ポリエステル3デニール5
1mm(D)と表3記載の割合で混合し加工された目付
160gr/m2 のニードルパンチ不織布を作成し、消
臭性能及び風合い評価を行った。
51mm定長カットした後、ポリエステル3デニール5
1mm(D)と表3記載の割合で混合し加工された目付
160gr/m2 のニードルパンチ不織布を作成し、消
臭性能及び風合い評価を行った。
【0052】実施例12〜13 実施例3で得られた消臭性アクリル系合成繊維(C)を
51mm定長カットした後、この繊維を用いて、通常の
綿紡績を行い、40/1番手の紡績糸を得た。次に直径
11インチ、22Gの丸編み機を用いて、フライス組織
の生機をつくり、順次精錬、漂白、乾燥、仕上げ、セッ
トを行い丸編みを作成し、消臭性能及び風合い評価を行
った。
51mm定長カットした後、この繊維を用いて、通常の
綿紡績を行い、40/1番手の紡績糸を得た。次に直径
11インチ、22Gの丸編み機を用いて、フライス組織
の生機をつくり、順次精錬、漂白、乾燥、仕上げ、セッ
トを行い丸編みを作成し、消臭性能及び風合い評価を行
った。
【0053】実施例14〜15 実施例6で得られた消臭性アクリル系合成繊維(C)を
76mm定長カットした後、梳綿機を通してカードスラ
イバーを得た。一方、3デニールのアクリル繊維(D)
(カネボウアクリルXQ3)65万デニールをトウリア
クターを通してスライバー収縮率22%のトウスライバ
ーを得た。更に上記アクリル繊維(C)と(D)とを表
3記載の混紡率で練条機混合した後、通常の梳毛紡紡績
を行い2/28番手の紡績糸を得た。次に、パイル地に
上記紡績糸を用い、挿入糸と鎖糸にポリエステルフィラ
メント150d/48f、200d/48fを用いて、
16ゲージ、釜幅26mmのダブルラッセル機によりマ
イヤー毛布生地(挿入糸4000本,鎖糸4000本,
パイル糸1000本,140cm幅,550g/m 2 )
を得た。次いで、毛布の表については、スクリーンプリ
ント、毛布の裏については連続無地染色を行い、各々連
続スチーミング機により、98℃×20分熱処理を行っ
た。さらに、順次水洗、柔軟加工、乾燥、毛さばき(2
連式毛割機,4m/分,4パス),ポリッシャー(エレ
クトロポリッシャー,8m/分,170℃と150℃の
2パス),シャーリング(シャーリングマシーン,8m
/分,2パス),裁断,縫製を行い、マイヤー毛布作成
し、消臭性能及び風合い評価を行った。
76mm定長カットした後、梳綿機を通してカードスラ
イバーを得た。一方、3デニールのアクリル繊維(D)
(カネボウアクリルXQ3)65万デニールをトウリア
クターを通してスライバー収縮率22%のトウスライバ
ーを得た。更に上記アクリル繊維(C)と(D)とを表
3記載の混紡率で練条機混合した後、通常の梳毛紡紡績
を行い2/28番手の紡績糸を得た。次に、パイル地に
上記紡績糸を用い、挿入糸と鎖糸にポリエステルフィラ
メント150d/48f、200d/48fを用いて、
16ゲージ、釜幅26mmのダブルラッセル機によりマ
イヤー毛布生地(挿入糸4000本,鎖糸4000本,
パイル糸1000本,140cm幅,550g/m 2 )
を得た。次いで、毛布の表については、スクリーンプリ
ント、毛布の裏については連続無地染色を行い、各々連
続スチーミング機により、98℃×20分熱処理を行っ
た。さらに、順次水洗、柔軟加工、乾燥、毛さばき(2
連式毛割機,4m/分,4パス),ポリッシャー(エレ
クトロポリッシャー,8m/分,170℃と150℃の
2パス),シャーリング(シャーリングマシーン,8m
/分,2パス),裁断,縫製を行い、マイヤー毛布作成
し、消臭性能及び風合い評価を行った。
【0054】実施例16〜17 実施例8で得られた消臭性アクリル系合成繊維(E)の
38mm定長カットした後、通常の1.5デニールのア
クリル繊維(カネボウアクリルXQ3)(D)を表57
に示した割合で混打綿混合して、以後通常の綿紡績を行
い、40番手の紡績糸を得た。この紡績糸からなる経1
26本/inch、緯80本/inchの密度で打ち込
んだ平織物を作成し、消臭性能及び風合い評価を行っ
た。以上の結果をまとめて表3に示す。
38mm定長カットした後、通常の1.5デニールのア
クリル繊維(カネボウアクリルXQ3)(D)を表57
に示した割合で混打綿混合して、以後通常の綿紡績を行
い、40番手の紡績糸を得た。この紡績糸からなる経1
26本/inch、緯80本/inchの密度で打ち込
んだ平織物を作成し、消臭性能及び風合い評価を行っ
た。以上の結果をまとめて表3に示す。
【0055】
【表3】
【0056】表3から明らかなように、実施例品は優れ
た消臭効果を有した。
た消臭効果を有した。
【0057】実施例18〜20及び比較例8〜10 AN/塩化ビニリデン/SAM=57/40/3からな
るアクリロニトリル系共重合体を、DMF中にてアゾビ
スイソバレロニトリルを開始剤として重合し、残存モノ
マーの除去を行い、その後、共重合体濃度を20〜30
%に調製した。
るアクリロニトリル系共重合体を、DMF中にてアゾビ
スイソバレロニトリルを開始剤として重合し、残存モノ
マーの除去を行い、その後、共重合体濃度を20〜30
%に調製した。
【0058】重合体(B)はポリビニルブチラールを用
い、DMFに20〜30%となるように調製した。
い、DMFに20〜30%となるように調製した。
【0059】微粉末は実施例1〜5と同様のものを使用
し、DMFに15〜20%となるように調整した。
し、DMFに15〜20%となるように調整した。
【0060】アミノ化合物はセバシンジアミドを用い、
蒸留水に1〜20%となるように調製した。
蒸留水に1〜20%となるように調製した。
【0061】得られたポリビニルブチラールのDMF溶
液と上記微粉末の分散液を、上記アクリロニトリル系共
重合体に表5に示す添加率で添加、混合し、紡糸原液と
した。
液と上記微粉末の分散液を、上記アクリロニトリル系共
重合体に表5に示す添加率で添加、混合し、紡糸原液と
した。
【0062】上記紡糸原液を18℃,57%DMF水溶
液中に紡出し、脱溶媒をさせながら3段階で5.9倍に
延伸した後、60℃の水で水洗しDMFを除去した。そ
の後、ゲル膨潤状態にある繊維をアミノ化合物溶液へ浸
積した後、緊張下ヒーターローラーにて130℃で乾燥
を行い、100℃の湿熱下で二次延伸を1.2倍で行い
クリンプ付与後に湿熱105℃にて湿熱処理を行った。
得られた繊維の紡糸操業性の結果の判定は、実施例記載
の条件で製造した際の濾過圧、単糸切れ、ローラー巻き
付き、繊維への歩留まり等を総合して「○(良好)」,
「△(やや不良)」,「×(不良)」の三段階で行っ
た。また、繊維品質においては、それぞれの実施例の繊
維の強度、伸度、耐光性、染色性等を通常アクリル系合
成繊維と比較して、「○(良好)」,「×(不良)」の
2段階で評価を行った。
液中に紡出し、脱溶媒をさせながら3段階で5.9倍に
延伸した後、60℃の水で水洗しDMFを除去した。そ
の後、ゲル膨潤状態にある繊維をアミノ化合物溶液へ浸
積した後、緊張下ヒーターローラーにて130℃で乾燥
を行い、100℃の湿熱下で二次延伸を1.2倍で行い
クリンプ付与後に湿熱105℃にて湿熱処理を行った。
得られた繊維の紡糸操業性の結果の判定は、実施例記載
の条件で製造した際の濾過圧、単糸切れ、ローラー巻き
付き、繊維への歩留まり等を総合して「○(良好)」,
「△(やや不良)」,「×(不良)」の三段階で行っ
た。また、繊維品質においては、それぞれの実施例の繊
維の強度、伸度、耐光性、染色性等を通常アクリル系合
成繊維と比較して、「○(良好)」,「×(不良)」の
2段階で評価を行った。
【0063】なお、比較例8〜11は上記アクリロニト
リル系共重合体に実施例18〜20で使用した重合体
(B)及び微粉末を範囲外の比率で添加したもの、比較
例12はアミノ化合物の付着量を範囲外にしたものであ
り、各工程、各評価は実施例と同様に行った。
リル系共重合体に実施例18〜20で使用した重合体
(B)及び微粉末を範囲外の比率で添加したもの、比較
例12はアミノ化合物の付着量を範囲外にしたものであ
り、各工程、各評価は実施例と同様に行った。
【0064】実施例21 微粉末として、その有効成分であるアルミノケイ酸金属
塩の組成比がSiO2:55モル%,Al2 O3 :17
モル%,CuO:28モル%であり、平均粒径が3.0
μm、比表面積が185m2 /gであるものを使用する
以外は実施例18〜20と同様の方法で繊維を得たもの
であり、各工程、各評価は実施例18〜20と同様に行
った。
塩の組成比がSiO2:55モル%,Al2 O3 :17
モル%,CuO:28モル%であり、平均粒径が3.0
μm、比表面積が185m2 /gであるものを使用する
以外は実施例18〜20と同様の方法で繊維を得たもの
であり、各工程、各評価は実施例18〜20と同様に行
った。
【0065】実施例22 微粉末として、その有効成分であるアルミノケイ酸金属
塩の組成比がSiO2:67モル%,Al2 O3 :13
モル%,Ag2 O:20モル%であり、平均粒径が3.
3μm、比表面積が193m2 /gであるものを使用す
る以外は実施例18〜20と同様の方法で繊維を得たも
のであり、各工程、各評価は実施例18〜20と同様に
行った。
塩の組成比がSiO2:67モル%,Al2 O3 :13
モル%,Ag2 O:20モル%であり、平均粒径が3.
3μm、比表面積が193m2 /gであるものを使用す
る以外は実施例18〜20と同様の方法で繊維を得たも
のであり、各工程、各評価は実施例18〜20と同様に
行った。
【0066】実施例23 アミノ化合物としてポリエチレンイミン(日本触媒化学
社製 SP−003)であるものを使用する以外は実施
例18〜20と同様の方法により繊維を得たものであ
り、各工程、各評価は実施例18〜20と同様に行っ
た。
社製 SP−003)であるものを使用する以外は実施
例18〜20と同様の方法により繊維を得たものであ
り、各工程、各評価は実施例18〜20と同様に行っ
た。
【0067】比較例12 微粉末の有効成分がケイ酸金属塩又はアルミノケイ酸金
属塩でない場合として、シリカアルミナ系微粉末で組成
比がSiO2 :81モル%,Al2 O3 :19モル%で
あり、平均粒径が3.3μm、比表面積が220m2 /
gであるものを使用する以外は実施例18〜20と同様
の方法で繊維を得たものであり、各工程、各評価は実施
例18〜20と同様に行った。以上の結果をまとめて表
4に示す。
属塩でない場合として、シリカアルミナ系微粉末で組成
比がSiO2 :81モル%,Al2 O3 :19モル%で
あり、平均粒径が3.3μm、比表面積が220m2 /
gであるものを使用する以外は実施例18〜20と同様
の方法で繊維を得たものであり、各工程、各評価は実施
例18〜20と同様に行った。以上の結果をまとめて表
4に示す。
【0068】
【表4】
【0069】表4から明らかな様に、実施例品は比較例
品に比べて優れた消臭性能を有していることがわかる。
上記共重合体(B)のアクリロニトリル系重合体への添
加率を範囲外に多くした比較例8の場合は、紡糸時に糸
切れが起こり紡糸できなかった。微粉末の添加率を範囲
外に少なくした比較例9の場合は微粉末の添加率を範囲
外に少なくしたものは、紡糸操業性、繊維品質は良好で
あり、吸水率も高くマクロボイドも形成されていたが、
アセトアルデヒドに対する消臭性能が不十分であり、満
足な性能を満たせなかった。アミノ化合物の付着量を範
囲外に少なくした比較例10においては、アセトアルデ
ヒドに対する消臭性能が不十分であり、満足な性能を満
たせなかった。重合体(B)の添加率を範囲外に少なく
した比較例11においては、微粉末の添加量及びアミノ
化合物の付着量は範囲内であるが重合体の添加率が範囲
以下である為マクロボイドの形成が不十分であり充分な
消臭性能を得ることができなかった。また、比較例12
の如くケイ酸金属塩及びアルミノケイ酸金属塩の微粉末
を使用しない場合、十分な消臭性能が得られないことが
わかる。これに対し、実施例では消臭性能、耐久性、繊
維品質に於いて満足すべき結果を得た。
品に比べて優れた消臭性能を有していることがわかる。
上記共重合体(B)のアクリロニトリル系重合体への添
加率を範囲外に多くした比較例8の場合は、紡糸時に糸
切れが起こり紡糸できなかった。微粉末の添加率を範囲
外に少なくした比較例9の場合は微粉末の添加率を範囲
外に少なくしたものは、紡糸操業性、繊維品質は良好で
あり、吸水率も高くマクロボイドも形成されていたが、
アセトアルデヒドに対する消臭性能が不十分であり、満
足な性能を満たせなかった。アミノ化合物の付着量を範
囲外に少なくした比較例10においては、アセトアルデ
ヒドに対する消臭性能が不十分であり、満足な性能を満
たせなかった。重合体(B)の添加率を範囲外に少なく
した比較例11においては、微粉末の添加量及びアミノ
化合物の付着量は範囲内であるが重合体の添加率が範囲
以下である為マクロボイドの形成が不十分であり充分な
消臭性能を得ることができなかった。また、比較例12
の如くケイ酸金属塩及びアルミノケイ酸金属塩の微粉末
を使用しない場合、十分な消臭性能が得られないことが
わかる。これに対し、実施例では消臭性能、耐久性、繊
維品質に於いて満足すべき結果を得た。
【0070】
【発明の効果】本発明の消臭性アクリル系合成繊維は、
従来より用いられているアクリロニトリル系共重合体
(A)に、該共重合体(A)と混和性がありかつ非相溶
性の重合体(B)及びケイ酸金属塩又はアルミノケイ酸
金属塩を有効成分とする微粉末を混合し、更にアミノ化
合物を含有させることで得られる繊維であり、本来の繊
維性能を低下させることなく、耐洗濯性のある優れた消
臭性能を付与された繊維である。また、本発明のアクリ
ル系合成繊維の製造方法は、かかる繊維を通常のアクリ
ル系合成繊維の製造装置及び条件で工業的に、容易かつ
安価に製造することを可能にした。本発明によって得ら
れた繊維は、通常のアクリル系合成繊維、ポリエステ
ル、ナイロン、羊毛、綿等他の繊維に混合して使用する
ことも可能で、消臭性能を有する衣料、毛布、カーペッ
ト、マット、靴下、シーツ、布団、カーテン等幅広い用
途に使用することが出来る為、産業上極めて有意義なも
のである。
従来より用いられているアクリロニトリル系共重合体
(A)に、該共重合体(A)と混和性がありかつ非相溶
性の重合体(B)及びケイ酸金属塩又はアルミノケイ酸
金属塩を有効成分とする微粉末を混合し、更にアミノ化
合物を含有させることで得られる繊維であり、本来の繊
維性能を低下させることなく、耐洗濯性のある優れた消
臭性能を付与された繊維である。また、本発明のアクリ
ル系合成繊維の製造方法は、かかる繊維を通常のアクリ
ル系合成繊維の製造装置及び条件で工業的に、容易かつ
安価に製造することを可能にした。本発明によって得ら
れた繊維は、通常のアクリル系合成繊維、ポリエステ
ル、ナイロン、羊毛、綿等他の繊維に混合して使用する
ことも可能で、消臭性能を有する衣料、毛布、カーペッ
ト、マット、靴下、シーツ、布団、カーテン等幅広い用
途に使用することが出来る為、産業上極めて有意義なも
のである。
Claims (3)
- 【請求項1】 アクリロニトリルを主要な構成単位とす
る共重合体(A)と、該共重合体(A)と混和性があり
かつ非相溶性の重合体(B)1〜20重量%からなるア
クリル系合成繊維において、重合体(B)が相分離状態
で存在しており、かつ、平均粒径0.5〜10μmのケ
イ酸金属塩又はアルミノケイ酸金属塩を有効成分とする
微粉末を0.5〜20重量%含有し、かつ、アミノ化合
物を0.1〜10重量%含有している事を特徴とする消
臭性アクリル系合成繊維。 - 【請求項2】 アクリル系合成繊維を製造するに際し、
該重合体(A)と混和性がありかつ非相溶性の重合体
(B)5〜40重量%を有機溶剤に溶解させた溶液と平
均粒径0.5〜10μmのケイ酸金属塩又はアルミノケ
イ酸金属塩を有効成分とする微粉末5〜40重量%を有
機溶媒に均一分散させた分散液をアクリロニトリルを主
要な構成単位とする共重合体(A)の有機溶剤溶液に添
加し、これを湿式紡糸して得られた繊維を延伸水洗後、
ゲル膨潤状態にある前記繊維へアミノ化合物を付与後、
乾燥緻密化を行い、繊維重量に対して該アミノ化合物を
0.1〜10重量%含有させること及び/又は乾燥緻密
化後の前記繊維へアミノ化合物を繊維重量に対して0.
1〜10重量%含有させることを特徴とする消臭性アク
リル系合成繊維の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1の消臭性アクリル系合成繊維を
5重量%以上含有することを特徴とする消臭繊維製品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26560196A JPH09291416A (ja) | 1996-02-22 | 1996-09-13 | 消臭性アクリル系合成繊維、その製造方法及びそれを用いた消臭繊維製品 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8-62071 | 1996-02-22 | ||
JP6207196 | 1996-02-22 | ||
JP26560196A JPH09291416A (ja) | 1996-02-22 | 1996-09-13 | 消臭性アクリル系合成繊維、その製造方法及びそれを用いた消臭繊維製品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09291416A true JPH09291416A (ja) | 1997-11-11 |
Family
ID=26403136
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26560196A Pending JPH09291416A (ja) | 1996-02-22 | 1996-09-13 | 消臭性アクリル系合成繊維、その製造方法及びそれを用いた消臭繊維製品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09291416A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6866931B2 (en) | 2001-07-11 | 2005-03-15 | Mitsubishi Rayon Co., Ltd. | Acrylic based composite fiber and method for production thereof, and fiber composite using the same |
-
1996
- 1996-09-13 JP JP26560196A patent/JPH09291416A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6866931B2 (en) | 2001-07-11 | 2005-03-15 | Mitsubishi Rayon Co., Ltd. | Acrylic based composite fiber and method for production thereof, and fiber composite using the same |
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