JPH09289730A - 絶縁電力ケーブルの接続部の絶縁シートおよびその巻き付け方法 - Google Patents

絶縁電力ケーブルの接続部の絶縁シートおよびその巻き付け方法

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JPH09289730A
JPH09289730A JP8100310A JP10031096A JPH09289730A JP H09289730 A JPH09289730 A JP H09289730A JP 8100310 A JP8100310 A JP 8100310A JP 10031096 A JP10031096 A JP 10031096A JP H09289730 A JPH09289730 A JP H09289730A
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洋 新延
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 絶縁電力ケーブルの接続において、補強絶縁
層の形成作業時間を短縮して現場施工性を向上させると
共に、巻き手の熟練度による品質のばらつきをなくし、
それと共に、架橋剤入り未架橋EPゴムテープの絶縁層
と外部半導電層の一括モールドができるようにする絶縁
電力ケーブルの接続部の絶縁シートおよびその巻き付け
方法を提供する。 【解決手段】 接続部Aの絶縁シート10は、シート厚
さ、および巻き付け部位の間隔、および目標の巻姿に基
づき、シート幅(SL1等)がシート巻き付け方向に沿
って変化しかつ巻姿が目標のものになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、架橋ポリエチレン
絶縁電力ケーブル(CVケーブル)をモールド接続する
接続部に用いるの好適な絶縁電力ケーブルの接続部の絶
縁シートおよびその巻き付け方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、高圧以上の電力送電・配電に用
いる架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの接続は、例え
ば図14に示すように、両電力ケーブルa,aの該端部
a1,a1から導体b,bを露出させるために、該端部
a1,a1それぞれの内部半導電層c,c、架橋ポリエ
チレン絶縁体d,d、外部半導電層e,e、金属遮蔽層
f,f、ケーブルシースg,gを適切に剥ぎ取る。特に
絶縁体d,dは、先端側を細径にするペンシリングを行
う。
【0003】そして、前記導体b,b同士を導体接続管
hで圧縮接続しており、その圧縮接続した導体b,bお
よび導体接続管hからなる接続箇所表面部に接続部半導
電層i等を形成しさらにその上に補強絶縁層jを形成し
て絶縁を施す。なお、補強絶縁層j外周面に外部半導電
層kを形成したのちに保護体で接続部全体を覆う。
【0004】前記補強絶縁層jは、その絶縁性能がケー
ブル接続部の電気的性能を左右する重要な部分であり、
その絶縁の形成方法についての技術は、従来、種々に開
発され実用化されている。
【0005】従来、66〜220kVクラスの架橋ポリ
エチレン絶縁電力ケーブルの接続方法として採用されて
いる技術としては、自己融着性のゴムテープを巻いて接
続部分の絶縁を形成するジョイント方法(テープ式ジョ
イント)、架橋剤入りの未架橋ポリエチレンテープを巻
いた後に、これをモールドして接続部分の絶縁を形成す
るジョイント方法(TMJ)、架橋剤入り未架橋ポリエ
チレン樹脂を押し出した後に、これをモールドして接続
部分の絶縁を形成するジョイント方法(EMJ)、予め
工場で製造されたゴムストレスコーン(プレモールド絶
縁体)とエポキシ絶縁ユニットを現場で組み合わせて接
続部分の絶縁を形成するジョイント方法(PJ)等があ
る。
【0006】また、架橋剤入り未架橋EP(エチレン・
プロピレン)ゴムテープを巻いた後に、これを加熱・加
圧可能な金型に入れ、モールドして接続部分の絶縁を形
成するジョイント方法(EPRモールドジョイント)が
あり、TMJに比べコスト面で若干優位性はあるものの
品質面で劣るため現在は、前記TMJにシエアを奪われ
ている状況にある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、154
kV以上の架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルにおいて
は、絶縁性能の面から主に前記TMJが採用されている
が、施工環境面や施工時間の面で以下の欠点がある。す
なわち、架橋剤入り未架橋ポリエチレンテープを巻くた
めには、施工環境のクリーン度を厳しく管理することが
必要である。このため、未架橋ポリエチレンテープを巻
く作業は1ないし2時間しか要しないにも拘わらず、ク
リーンルームの設置などで絶縁施工環境を整えるのに半
日以上(TMJ)を要していた。また、架橋剤入り未架
橋ポリエチレンテープ巻き層のモールド時には、加熱冷
却の制御(特に徐冷が必要である)に連続する長い作業
時間が必要である。したがって、前記電力ケーブルの接
続作業全体の時間やコストがかかり過ぎていた。
【0008】一方、66〜77kVクラスの架橋ポリエ
チレン絶縁電力ケーブルでは、施工環境による制約が比
較的厳しくなく、施工時間が短くコスト面で最も優れて
いるテープ式ジョイントが広く採用されているが、この
ジョイントでは、テープ同士が粘着層で張り付いている
だけ等の理由から絶縁性能面で154kVクラス以上の
ものに適用するのは難しかった。
【0009】なお、前記EPRモールドジョイントは次
のように施工性に優れた面がある。すなわち、架橋剤入
り未架橋EPゴムテープとケーブル絶縁体との接着条件
が架橋剤入りポリエチレンよりも容易であり、しかも、
冷却時の徐冷が不要であるので、施工時間が短くて済
む。また、異物混入についても顕著な特性低下が見られ
ないので、作業環境のクリーン度の管理が厳しくない。
したがって、クリーンルームの設置などは不要であるの
で絶縁施工環境を整えるの簡易かつ短時間に行える。よ
って、施工環境面や施工時間面で前記TMJに比較して
有利である。
【0010】しかしながら、従来の架橋剤入り未架橋E
Pゴムテープは、巻き付け機を用いて機械巻きすること
ができず、手巻きを採用するため、巻き込む空気量にバ
ラツキが大きく、巻き手の熟練度が要求される上に、テ
ープ巻き層はモールド後に外周面に段差ができやすく、
ストレスコーン立ち上がり部などの整形作業が必要であ
った。そのため、絶縁層と外部半導電層の一括モールド
ができないという問題点があった。
【0011】さらに、従来の絶縁テープでは、テープ幅
が一定のために絶縁テープ巻き付けに際して、該テープ
を電力ケーブル軸方向に何回も移動させる必要があり、
それと共に、補強絶縁層に必要な断面積および形状を得
るには非常に多数回の絶縁テープを回さなければならず
作業時間が長いものである。また、テープ層間に空気の
巻き込みの生じないように適切に巻き付けるには熟練を
要し、巻き手の熟練度に応じて品質のばらつきが生じや
すいなどの問題点を有していた。
【0012】本発明は、前記従来の問題点を解消するべ
くなされたものであって、絶縁電力ケーブルの接続にお
いて、補強絶縁層の形成作業時間を短縮して現場施工性
を向上させると共に、巻き手の熟練度による品質のばら
つきをなくし、それと共に、架橋剤入り未架橋EPゴム
テープの絶縁層と外部半導電層の一括モールドができる
ようにする絶縁電力ケーブルの接続部の絶縁シートおよ
びその巻き付け方法を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するため次の構成を有する。請求項1の発明は、絶縁
電力ケーブル同士を接続する接続部であって、接続する
両電力ケーブルの導体を口出しし、外部半導電層を剥ぎ
取り、ケーブル絶縁体を先細状に仕上げ、各導体同士を
導体接続管で接続したものの外周面部に接続部内部半導
電層を形成した状態で、ケーブル絶縁体および内部半導
電層の外周面部に巻き付ける接続部絶縁シートにおい
て、接続部絶縁シートは、シート厚さ、および巻き付け
部位の間隔、および目標の巻姿に基づき、シート幅がシ
ート巻き付け方向に沿って変化し、かつ巻姿が目標のも
のになることを特徴とする絶縁電力ケーブルの接続部の
絶縁シートである。
【0014】請求項2の発明は、接続部絶縁シートは、
内部半導電層およびケーブル絶縁体の間の第1の谷部に
巻き付けるものであって、該谷部における斜面間に幅に
対応してシート幅を変化させかつ巻姿が内部半導電層と
ほぼ同径になる第1の絶縁シート部と、内部半導電層お
よび巻き付けられた第1の絶縁シート部の外周面と電力
ケーブルの絶縁体斜面とで形成する第2の谷部に、両電
力ケーブルの絶縁体の斜面間の幅に対応してシート幅を
変化させかつ巻姿が該絶縁体とほぼ同径になる第2の絶
縁シート部と、ケーブル絶縁体、および巻き付けられた
第2の絶縁シート部の外周面に巻き付けるものであっ
て、接続部で目標とされる補強絶縁部巻姿に対応してシ
ート幅を変化させた第3の絶縁シート部を有することを
特徴とする請求項1に記載の絶縁電力ケーブルの接続部
の絶縁シートである。
【0015】請求項3の発明は、接続部絶縁シートは、
第1の絶縁シート部、第2の絶縁シート部、および第3
の絶縁シート部が連続する一体化したシートに形成され
ていることを特徴とする請求項2に記載の絶縁電力ケー
ブルの接続部の絶縁シートである。
【0016】請求項4の発明は、接続部絶縁シートは、
架橋剤配合の未架橋あるいは、半架橋のEPゴム、ポリ
エチレン等のポリオレフィン層単体で形成されているも
の、または、架橋されたEPゴム層、または、非架橋、
あるいは半架橋、あるいは架橋ポリエチレン等の、非架
橋、あるいは半架橋、あるいは架橋ポリオレフィン層の
少なくとも一面に架橋剤入りの未架橋EPゴム層を貼り
合わせた層構造のものであって、巻つけ後にモールドす
るものであることを特徴とする請求項1ないし3のうち
のいずれかに記載の絶縁電力ケーブルの接続部の絶縁シ
ートである。
【0017】請求項5の発明は、絶縁電力ケーブル同士
を接続する接続部であって、接続する両電力ケーブルの
導体を口出しし、外部半導電層を剥ぎ取り、ケーブル絶
縁体を先細状に仕上げ、各導体同士を導体接続管で接続
したものの外周面部に接続部内部半導電層を形成した状
態で、ケーブル絶縁体および内部半導電層の外周面部に
巻き付ける接続部絶縁シートの巻き付け方法において、
内部半導電層およびケーブル絶縁体の間の第1の谷部
に、該谷部における斜面間に幅に対応してシート幅を変
化させた第1の絶縁シート部を巻き付けて巻姿が内部半
導電層とほぼ同径にする第1の谷部巻き付け工程と、内
部半導電層および巻き付けられた第1の絶縁シートの外
周面と電力ケーブルの絶縁体斜面とで形成する第2の谷
部に、両電力ケーブルの絶縁体の斜面間の幅に対応して
シート幅が変化する第2の絶縁シート部を巻き付けて巻
姿が該絶縁体とほぼ同径にする第2の谷部巻き付け工程
と、ケーブル絶縁体、および巻き付けられた第2の絶縁
シートの外周面に、接続部で目標とされる補強絶縁部巻
き姿に対応してシート幅を変化させた第3の絶縁シート
部を巻き付けて巻き姿を目標補強絶縁部巻き姿にする補
強絶縁部巻き付け工程を有することを特徴とする絶縁電
力ケーブルの接続部の絶縁シート巻き付け方法である。
【0018】請求項6の発明は、接続部絶縁シートは、
第1の絶縁シート部、第2の絶縁シート部、および第3
の絶縁シート部が連続する一体化したシートに形成され
ていることを特徴とする請求項4に記載の絶縁電力ケー
ブルの接続部の絶縁シート巻き付け方法である。
【0019】発明者は、架橋ポリエチレン絶縁電力ケー
ブルなどの絶縁電力ケーブルの接続において、現場施工
性を向上させるべく種々に考察したものであって、請求
項1(好ましくは請求項2、請求項5)の発明によれ
ば、接続部補強絶縁層を絶縁シートの巻き付けで施工す
るに際して、現場施工性を重視するため、巻き付ける接
続部絶縁シートは、シート厚さ、および巻き付け部位の
間隔、および目標の巻姿に基づき、シート幅がシート巻
き付け方向に沿って変化しかつ巻姿が目標のものにす
る。
【0020】このように、接続部に絶縁シートを巻き付
けていけば、そのまま補強絶縁層に必要な形状、断面積
を得ることができるので、少ない回数だけ絶縁シートを
巻き付ければ済み作業時間が短縮化する。
【0021】また、絶縁シートを接続部に対して巻き付
ければ、絶縁シートのケーブル軸方向の巻き付け位置を
移動させることなく自然にシート巻付け作業が完了す
る。したがって、同一幅の絶縁テープを用いたときのよ
うに巻き手が巻き付け位置を軸方向に移動させることな
く巻き付けるだけで、絶縁シートを自然に段差を生じる
ことなく隙間なく必要な部位に巻き付けることができ
る。よって、巻付けのときに絶縁シートが密着しやす
く、空気巻き込み量が一定になるので、巻手の熟練度に
よる品質のバラツキがなくなる。
【0022】また、絶縁シートは、好ましくは、請求項
3または請求項6のように、連続する一体化したシート
に形成すれば、連続巻付けが容易に可能になり、さらに
作業性が向上する。
【0023】また、絶縁シートは、好ましくは、請求項
4のように絶縁シートとして、前述のGPPジョイント
の利点を生かして架橋剤配合の未架橋あるいは、半架橋
のEPゴム、ポリエチレン等のポリオレフィン層単体で
形成されているもの、または、未架橋EPゴムテープを
含むシートを用いる構成のものとする。例えば絶縁シー
トは、架橋されたEPゴム層と架橋剤入りの未架橋EP
ゴム層とを貼り合わせた2層構造のモールド用絶縁シー
トである。また、絶縁シートは、架橋されたEPゴム層
の両面に架橋剤入りの未架橋EPゴム層を貼り合わせた
3層構造のモールド用絶縁シートである。
【0024】また、絶縁シートは、非架橋、または半架
橋、または架橋ポリエチレン等の、非架橋、または半架
橋、または架橋ポリオレフィン層と架橋剤入りの未架橋
EPゴム層とを貼り合わせた2層構造のモールド用絶縁
シートである。また、絶縁シートは、非架橋、または半
架橋、または架橋ポリエチレン等の、非架橋、または半
架橋、または架橋ポリオレフィン層の両面に架橋剤入り
の未架橋EPゴム層を貼り合わせた3層構造のモールド
用絶縁シートである。
【0025】請求項4の発明によれば、架橋剤入りの未
架橋EPゴムシートを用いて、絶縁層と外部半導電層の
一括モールドができるものであるので、従来のTMJと
GPPジョイントとを比較した場合の施工性におけるG
PPジョイントの欠点を解決するものである。また、本
発明による接続部は、66〜77kVクラスに採用され
ているテープ式ジョイントより安定した電気的性能が得
られるので、154kVクラスに十分に適用可能であ
る。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図1〜図3は、本発明の実
施形態に係る架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの接続
部Aの説明図であって、接続工程にしたがって示されて
いる。
【0027】図1に示すように、端部同士が接続される
架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブル1,1は、中心部に
ケーブル導体2,2があり、そのケーブル導体2,2の
外周部にはケーブル内部半導電層3,3、架橋ポリエチ
レンからなるケーブル絶縁体(絶縁層)4、ケーブル外
部半導電層5、ケーブル金属遮蔽層6が順に設けられ、
さらに遮蔽層6,6の外周部はケーブルシース7,7で
保護される。
【0028】接続部Aにおける架橋ポリエチレン絶縁電
力ケーブル1,1の各接続端部1a,1aでは、それぞ
れのケーブル導体2,2を口出しし、ケーブル外部半導
電層5,5をはぎ取り、ケーブル絶縁体4,4をペンシ
ル状に仕上げた(ペンシリングした)後に、ケーブル導
体2,2同士を導体接続管8で圧縮接続する。この導体
接続管8および導体2,2の露出部からなる導体接続箇
所に半導電性収縮チューブを被せることにより、接続部
内部半導電層9を形成する。
【0029】次いで、前記両接続端部1a,1aのケー
ブル外部半導電層5,5の間に未架橋層を含むモールド
用絶縁シート10を軸周方向に回転移動させて巻き付け
る。この場合、主に絶縁シート10をリールに巻いて手
巻きするが、機械巻でも可能である。また、巻き付ける
絶縁シート10は、シート厚さ、および巻き付け部位の
間隔、および目標の巻姿に基づき、シート幅がシート巻
き付け方向に沿って変化しかつ巻姿が目標のものになる
ものである。この絶縁シート10の好適例および巻き付
け状態については、図4〜図11に基づき詳細に後述す
る。
【0030】以上のモールド用絶縁シート10の巻き付
けにより、図2に示すように、接続部には未架橋状態の
補強絶縁層(モールド用絶縁シート10巻き層)12を
形成し、その後、この上に、半導電性収縮チューブ等を
被せて接続部外部半導電層13を形成する。
【0031】上述の手順で形成した未架橋の接続部Aに
は、図3に示すように、加熱ヒータ14付きの圧力容器
(架橋金型)15(ただし加熱ヒータと圧力容器はセパ
レートタイプを含む)とを装着し、ガスシール部16で
この圧力容器15の気密を保った状態でガス注入口15
aから容器15内にN2などのガスを注入して、加圧
(3〜15kgf/cm2)範囲で、加熱ヒータ14に通電す
ることにより、接続部Aの絶縁シート10を加熱(15
0〜300℃の温度範囲)して未架橋層に架橋反応を起
こさせてモールドする。
【0032】次に、モールド絶縁シート10の好適例お
よびその巻付け手順を詳細に説明する。まず、図4に示
すように、接続部内部半導電層9およびケーブル絶縁体
4の間の第1の谷部17に第1の絶縁シート101を巻
き付けるものである。この第1の絶縁シート101は、
該谷部17におけるシート101巻き付け量に応じて変
化する斜面(内部半導電層9側斜面17a,ケーブル絶
縁体4側斜面17b間の幅L1に対応してシート幅SL1
を変化させており、先端が幅狭で尾端が幅広の平面視で
ほぼ台形形状を呈している。それと共に、図5に示すよ
うに、第1の絶縁シート101の巻姿が接続部内部半導
電層9とほぼ同径の外周面円柱形状になる。
【0033】そして、図6に示すように、内部半導電層
9および巻き付けられた第1の絶縁シート101の外周
面と電力ケーブル1の絶縁体4斜面4aとで形成する第
2の谷部18に、第2の絶縁シート102を巻き付ける
ものである。第2の絶縁シート102は、両電力ケーブ
ル1,1の絶縁体4の斜面4a,4a間の幅L2に対応
してシート幅SL2を変化させているものであって、先
端より尾端がやや幅広の平面視ほぼ台形形状を呈してい
る。それと共に、図7に示すように、第2の絶縁シート
102の巻姿が該絶縁体4とほぼ同径の外周面円柱形状
になる。
【0034】次いで、図8に示すように、ケーブル絶縁
体4、および巻き付けられた第2の絶縁シート102
外周面に第3の絶縁シート103を巻き付ける。第3の
絶縁シート103は、接続部Aで目標とされる補強絶縁
層12の巻姿に対応してシート幅SL3を変化させてい
るものであって、先端から尾端にかけて絞り込むように
幅狭になる平面視ほぼ台形形状を呈しているものであ
る。そして、図9に示すように、第3の絶縁シート10
3の巻姿は、補強絶縁層12の巻姿であって、中央部が
太径で左右の細くなる糸巻き形状である。その後、補強
絶縁層12表面部には、前記図2,図3に示すように、
接続部外部半導電層13を被せて、モールドする。
【0035】なお、上記の実施の形態では、前記絶縁シ
ート10は前記のように、第1の絶縁シート101、第
2の絶縁シート102、第3の絶縁シート103が別体に
使用れていたが、本発明は絶縁シートを別体にすること
に限定されるものではなく、図10に示す第2の実施の
形態のようにこれら別体の各シートと同様の部分を連続
して一体化して絶縁シート100を形成することができ
る。そして、巻き付けたあとの巻姿は、図11に示すよ
うに、目標の補強絶縁層12の巻姿になる。この第2実
施形態によれば、絶縁シート10の巻き付けに際してシ
ートをいちいち取り替えて巻き付けることなく一つのリ
ールで連続巻付けができるので作業が容易になり、さら
に作業性が向上する。
【0036】ここで、未架橋層を含む前記モールド用絶
縁シート10には、図12の(a)に示すように、テー
プ厚0.8mm未満であって、かつ、架橋されたEPゴ
ム層10aと架橋剤入りの未架橋EPゴム層10bとを
貼り合わせた(ラミネートした)2層構造のモールド用
絶縁シート10Aを用いることができる。また、図12
(b)に示すように、テープ厚0.8mm未満であっ
て、かつ、架橋されたEPゴム層10aの両面に架橋剤
入りの未架橋EPゴム層10b,10bを貼り合わせた
3層構造のモールド用絶縁シート10Bを用いることが
できる。
【0037】また、モールド用絶縁シート10には、図
13の(a)に示すように、テープ厚0.8mm未満で
あって、かつ、非架橋、または半架橋、または架橋ポリ
エチレン等の、非架橋、または半架橋、または架橋ポリ
オレフィン層10cと架橋剤入りの未架橋EPゴム層1
0bとを貼り合わせた2層構造のモールド絶縁シート1
0Cを用いることができる。また、モールド用絶縁シー
ト10には図13の(b)に示すように、テープ厚0.
8mm未満であって、かつ、非架橋、または半架橋、ま
たは架橋ポリエチレン等の、非架橋、または半架橋、ま
たは架橋ポリオレフィン層10cの両面に架橋剤入りの
未架橋EPゴム層10bを貼り合わせた3層構造のモー
ルド用絶縁シート10Dを用いることができる。
【0038】加熱モールド前において、補強絶縁層12
の絶縁シート10は、架橋されたEPゴム層10aや非
架橋等のポリオレフィン層10cと未架橋層10bが柔
軟であり、かつ、谷部16,17の形状および目標の補
強絶縁層12の巻姿に適合して幅が変化しているので、
容易に均一に絶縁シート10を巻き付けることができ
る。このため、絶縁シート10の巻き姿は外表面が確実
にほぼ平坦にできる。すなわち、例えば図9に示すよう
に、補強絶縁層12の外表面で円筒形状部分12aは絶
縁シート10の外面に面一になる。補強絶縁層12の左
右でなだらかに細径になる箇所12b,12bでもしも
若干の凹凸があるとしても、それは接続部外部半導電層
13を被せて張り付けることができる範囲での凹凸にで
きる。したがって、接続部外部半導電層13を加熱モー
ルド前に張り付けることができ、また、前記GPPジョ
イントのように、モールド後に整形作業は不要である。
【0039】そして、加熱モールド後には、その凹凸が
鈍り外表面が滑らかになるので、その外表面に被せてあ
る接続部外部半導電層13と十分に密着した状態でモー
ルドできる。
【0040】なお、本発明に係る絶縁シートには、もち
ろん、架橋剤配合の未架橋あるいは半架橋のEPゴム、
ポリエチレン等のポリオレフィン層単体で形成されてい
るものをも用いることができる。
【0041】
【発明の効果】以上説明した通り本発明によれば、絶縁
電力ケーブルの接続において、補強絶縁層の形成作業時
間を短縮して現場施工性を向上させると共に、巻き手の
熟練度による品質のばらつきをなくし、また、架橋剤入
り未架橋EPゴムテープの絶縁層と外部半導電層の一括
モールドができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る架橋ポリエチレン絶縁
電力ケーブルの接続部の説明図であって、モールド用絶
縁シートを着付けるまでの接続工程を説明する断面図で
ある。
【図2】接続部おけるモールド用絶縁シートを巻き付け
た後の外部半導電層を設けた状態を説明する断面図であ
る。
【図3】図2の接続部を加圧下で加熱モールドを説明す
る断面図である。
【図4】絶縁シートの好適例の説明図であって、第1の
絶縁シートおよびその巻き付け状態の説明図である。
【図5】第1の絶縁シートの巻姿の例を示す断面図であ
る。
【図6】第2の絶縁シートおよびその巻き付け状態の説
明図である。
【図7】第2の絶縁シートの巻姿の例を示す断面図であ
る。
【図8】第3の絶縁シートおよび巻き付け状態の説明図
である。
【図9】第3の絶縁シートの巻姿の例を示す断面図であ
る。
【図10】第2実施形態にかかる連続して一体化した絶
縁シートおよび巻き付け状態の説明図である。
【図11】図10の絶縁シートの巻姿の例を示す断面図
である。
【図12】モールド用絶縁シートの一例を説明する断面
図であり、(a)は2層を、(b)は3層の例をそれぞ
れ示す。
【図13】モールド用絶縁シートの他の例を説明する断
面図であり、(a)は2層を、(b)は3層の例をそれ
ぞれ示す。
【図14】一般の接続部の説明断面図である。
【符号の説明】
1 架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブル 1a 加熱ポリエチレン絶縁電力ケーブルの接続端部 2 ケーブル導体 4 ケーブル絶縁体 5 ケーブル外部半導電層 8 導体接続管 9 接続部内部半導電層 10 モールド用絶縁シート 101〜103 第1〜第3の絶縁シート 100 連続して一体化した絶縁シート 10A〜10D 絶縁シート 10a 架橋されたEPゴム層 10b 架橋剤入りの未架橋EPゴム層 10c 非架橋、または半架橋、または架橋ポリオレフ
ィン層 12 補強絶縁層 13 接続部外部半導電層 14 加熱ヒータ 15 圧力容器 17 第1の谷部 18 第2の谷部 SL1〜SL3 絶縁シートの幅
フロントページの続き (72)発明者 光山 安一 千葉県富津市新富42番1 株式会社フジク ラ富津工場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁電力ケーブル同士を接続する接続部
    であって、接続する両電力ケーブルの導体を口出しし、
    外部半導電層を剥ぎ取り、ケーブル絶縁体を先細状に仕
    上げ、各導体同士を導体接続管で接続したものの外周面
    部に接続部内部半導電層を形成した状態で、ケーブル絶
    縁体および内部半導電層の外周面部に巻き付ける接続部
    絶縁シートにおいて、 接続部絶縁シートは、シート厚さ、および巻き付け部位
    の間隔、および目標の巻姿に基づき、シート幅がシート
    巻き付け方向に沿って変化し、かつ巻姿が目標のものに
    なることを特徴とする絶縁電力ケーブルの接続部の絶縁
    シート。
  2. 【請求項2】 接続部絶縁シートは、内部半導電層およ
    びケーブル絶縁体の間の第1の谷部に巻き付けるもので
    あって、該谷部における斜面間に幅に対応してシート幅
    を変化させかつ巻姿が内部半導電層とほぼ同径になる第
    1の絶縁シート部と、 内部半導電層および巻き付けられた第1の絶縁シート部
    の外周面と電力ケーブルの絶縁体斜面とで形成する第2
    の谷部に、両電力ケーブルの絶縁体の斜面間の幅に対応
    してシート幅を変化させかつ巻姿が該絶縁体とほぼ同径
    になる第2の絶縁シート部と、 ケーブル絶縁体、および巻き付けられた第2の絶縁シー
    ト部の外周面に巻き付けるものであって、接続部で目標
    とされる補強絶縁部巻姿に対応してシート幅を変化させ
    た第3の絶縁シート部を有することを特徴とする請求項
    1に記載の絶縁電力ケーブルの接続部の絶縁シート。
  3. 【請求項3】 接続部絶縁シートは、第1の絶縁シート
    部、第2の絶縁シート部、および第3の絶縁シート部が
    連続する一体化したシートに形成されていることを特徴
    とする請求項2に記載の絶縁電力ケーブルの接続部の絶
    縁シート。
  4. 【請求項4】 接続部絶縁シートは、架橋剤配合の未架
    橋あるいは、半架橋のEPゴム、ポリエチレン等のポリ
    オレフィン層単体で形成されているもの、または、架橋
    されたEPゴム層、または、非架橋、あるいは半架橋、
    あるいは架橋ポリエチレン等の、非架橋、あるいは半架
    橋、あるいは架橋ポリオレフィン層の少なくとも一面に
    架橋剤入りの未架橋EPゴム層を貼り合わせた層構造の
    ものであって、巻つけ後にモールドするものであること
    を特徴とする請求項1ないし3のうちのいずれかに記載
    の絶縁電力ケーブルの接続部の絶縁シート。
  5. 【請求項5】 絶縁電力ケーブル同士を接続する接続部
    であって、接続する両電力ケーブルの導体を口出しし、
    外部半導電層を剥ぎ取り、ケーブル絶縁体を先細状に仕
    上げ、各導体同士を導体接続管で接続したものの外周面
    部に接続部内部半導電層を形成した状態で、ケーブル絶
    縁体および内部半導電層の外周面部に巻き付ける接続部
    絶縁シートの巻き付け方法において、 内部半導電層およびケーブル絶縁体の間の第1の谷部
    に、該谷部における斜面間に幅に対応してシート幅を変
    化させた第1の絶縁シート部を巻き付けて巻姿が内部半
    導電層とほぼ同径にする第1の谷部巻き付け工程と、 内部半導電層および巻き付けられた第1の絶縁シート部
    の外周面と電力ケーブルの絶縁体斜面とで形成する第2
    の谷部に、両電力ケーブルの絶縁体の斜面間の幅に対応
    してシート幅が変化する第2の絶縁シート部を巻き付け
    て巻姿が該絶縁体とほぼ同径にする第2の谷部巻き付け
    工程と、 ケーブル絶縁体、および巻き付けられた第2の絶縁シー
    ト部の外周面に、接続部で目標とされる補強絶縁部巻き
    姿に対応してシート幅を変化させた第3の絶縁シート部
    を巻き付けて巻き姿を目標補強絶縁部巻き姿にする補強
    絶縁部巻き付け工程を有することを特徴とする絶縁電力
    ケーブルの接続部の絶縁シート巻き付け方法。
  6. 【請求項6】 接続部絶縁シートは、第1の絶縁シート
    部、第2の絶縁シート部、および第3の絶縁シート部が
    連続する一体化したシートに形成されていることを特徴
    とする請求項5に記載の絶縁電力ケーブルの接続部の絶
    縁シート巻き付け方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH11341642A (ja) * 1998-05-22 1999-12-10 Tokyo Electric Power Co Inc:The テープ巻き式直線接続部

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