JPH09289434A - 平衡型弾性表面波フィルタ - Google Patents

平衡型弾性表面波フィルタ

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JPH09289434A
JPH09289434A JP10001296A JP10001296A JPH09289434A JP H09289434 A JPH09289434 A JP H09289434A JP 10001296 A JP10001296 A JP 10001296A JP 10001296 A JP10001296 A JP 10001296A JP H09289434 A JPH09289434 A JP H09289434A
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surface acoustic
acoustic wave
resonator
wave filter
resonators
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JP10001296A
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Yutaka Taguchi
豊 田口
Kazuo Eda
和生 江田
Shunichi Seki
関  俊一
Keiji Onishi
慶治 大西
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 広い帯域にわたって大きな減衰量が得られる
平衡型弾性表面波フィルタを提供する。 【解決手段】 直列腕の共振子101と並列腕の共振子
102をそれぞれ2個ずつ用いて対称格子型の第1の弾
性表面波フィルタを作製する。直列腕の共振子103と
並列腕の共振子104をそれぞれ2個ずつ用いて対称格
子型の第2の弾性表面波フィルタを作製する。第1の弾
性表面波フィルタと第2の弾性表面波フィルタを縦続に
接続する。直列腕の共振子101の反共振周波数と並列
腕の共振子102の共振周波数をほぼ一致させ、直列腕
の共振子103の反共振周波数と並列腕の共振子104
の共振周波数をほぼ一致させる。第1段目の弾性表面波
フィルタの等価並列容量比(直列腕の共振子の等価並列
容量/並列腕の共振子の等価並列容量)と第2段目の弾
性表面波フィルタの等価並列容量比を異ならせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平衡型弾性表面波
フィルタに関し、特に、高周波領域で使用される平衡型
弾性表面波フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、フィルタに使用するために、弾性
表面波素子の研究が盛んに行なわれてきた。特に、最近
の移動体通信の発達、及び高周波化により、弾性表面波
素子、特に弾性表面波フィルタの開発が盛んに行なわれ
ている。従来、弾性表面波素子によって高周波帯、特に
数100MHzのフィルタを構成する方法として、種々
の方法が提案されている。その代表的なものとしては、
特開昭52−19044号公報に示されるような弾性表
面波共振子を複数個使用してフィルタを構成する『ラダ
ー型』といわれるもの、特開昭58−154917号公
報に示されるような『多電極型』といわれるもの、特開
平3−222512号、特開昭61−230419号、
特開平1−231417号の各公報に示されるような弾
性表面波共振器を隣接して配置し、共振子間の結合を利
用した、いわゆる『縦モード型』といわれるものなどが
ある。これらのフィルタは全て不平衡型の信号を取り扱
うものであり、また特性インピーダンスも使用する側か
らの要求によりそのほとんどが50Ωに設定されてい
る。一方、平衡型フィルタに関する先行文献としては、
特開平7−288442号公報などがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】平衡型フィルタの開発
は、最近の高周波回路の高性能化のために回路を平衡化
しようという動きに対応したものであり、平衡型フィル
タには高い特性精度が要求される。
【0004】特に、携帯電話等の高周波回路部に使用さ
れる平衡型フィルタに要求される特性精度は非常に高
い。従来、携帯電話等の高周波回路部における第1中間
周波数は70MHz付近と低かったためにイメージ周波
数などが比較的通過帯域の近傍にあったので、この周波
数帯を減衰する特性が主として要求されていた。しか
し、最近では、第1中間周波数が100〜200MHz
と高周波化し、イメージ周波数が通過帯域から離れてき
たが、送信フィルタであれば受信周波数の関係は変わら
ず、受信フィルタであれば送信周波数の関係は変わら
ず、しかも送信周波数と受信周波数は比較的近接して設
定されているために、通過帯域の近傍と通過帯域から離
れた領域の双方の周波数帯を減衰する特性が要求される
場合が多くなっている。図13に、従来のフィルタの特
性例を示す。図13に示すように、通過帯域近傍の減衰
量と通過帯域から離れた領域の減衰量の両方を両立させ
ることは困難である。
【0005】また、従来は高周波回路部のインピーダン
スのほとんどが50Ωに設定されていたが、最近では平
衡型回路の採用に伴ってさまざまな値が要求されるよう
になってきた。しかし、回路の入出力インピーダンスと
平衡型弾性表面波フィルタの入出力インピーダンスが相
違する場合には、信号反射や特性劣化等を引き起こすお
それがある。
【0006】そこで、本発明者等は、対称格子型フィル
タにおいて上記のような周波数特性を確保する手段につ
いて検討を重ねた。対称格子型フィルタの特性、特に減
衰特性は、1段のフィルタを構成する第1及び第2の2
種類の弾性表面波共振子のうち、第1の弾性表面波共振
子の反共振周波数と第2の弾性表面波共振子の共振周波
数をほぼ一致させた場合の、第1の弾性表面波共振子の
等価並列容量と第2の弾性表面波共振子の等価並列容量
の比によって決定される。ここで、等価並列容量とは、
弾性表面波共振子を等価回路で表した場合の並列容量で
ある。第1の弾性表面波共振子の等価並列容量と第2の
弾性表面波共振子の等価並列容量の比(第1の弾性表面
波共振子の等価並列容量/第2の弾性表面波共振子の等
価並列容量)の値が1よりも小さく、かつ、1に近い場
合、通過帯域から離れた周波数における減衰量は確保で
きるが、通過帯域近傍の周波数における減衰量はそれほ
ど大きくない。逆に、(第1の弾性表面波共振子の等価
並列容量/第2の弾性表面波共振子の等価並列容量)の
値が0に近い場合、通過帯域近傍の周波数における減衰
量は確保できるが、通過帯域から離れた周波数における
減衰量はそれほど大きくない。
【0007】以上の検討の結果、本発明者等は、異なっ
た等価並列容量比を有する対称格子型フィルタを縦続に
接続すれば、通過帯域近傍の減衰量と通過帯域から離れ
た領域の減衰量の両方の要求を満たすことができると考
え、本発明をするに至った。また、本発明者等は、回路
の入出力インピーダンスと平衡型弾性表面波フィルタの
入出力インピーダンスが相違する場合にも信号反射や特
性劣化等を引き起こすことのない条件を見い出し、本発
明をするに至った。
【0008】本発明は、従来技術における前記課題に鑑
みてなされたものであり、平衡化された高周波回路のフ
ィルタとして好適な平衡型弾性表面波フィルタを提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る平衡型弾性表面波フィルタの第1の構
成は、弾性表面波共振子を対称格子型に接続し、この対
称格子型回路を少なくとも2つ縦続に接続した平衡型弾
性表面波フィルタであって、各段の対称格子型回路は第
1及び第2の2種類の弾性表面波共振子を備え、前記第
1の弾性表面波共振子の反共振周波数と前記第2の弾性
表面波共振子の共振周波数はほぼ一致し、前記第1の弾
性表面波共振子の等価並列容量は前記第2の弾性表面波
共振子の等価並列容量よりも小さく、前記第1の弾性表
面波共振子の等価並列容量と前記第2の弾性表面波共振
子の等価並列容量の比は各段の対称格子型回路ごとに異
なることを特徴とする。この平衡型弾性表面波フィルタ
の第1の構成によれば、通過帯域の近傍と通過帯域から
離れた領域の双方に減衰極が現れる。その結果、通過帯
域の近傍と通過帯域から離れた領域の双方の周波数帯を
減衰する特性が要求される平衡型高周波回路に好適な平
衡型弾性表面波フィルタが得られる。
【0010】また、本発明に係る平衡型弾性表面波フィ
ルタの第2の構成は、弾性表面波共振子を対称格子型に
接続した平衡型弾性表面波フィルタであって、この対称
格子型回路は第1及び第2の2種類の弾性表面波共振子
を備え、前記第1の弾性表面波共振子の反共振周波数と
前記第2の弾性表面波共振子の共振周波数はほぼ一致
し、前記第1の弾性表面波共振子の等価並列容量は前記
第2の弾性表面波共振子の等価並列容量よりも小さく、
第1の弾性表面波共振子の並列容量と第2の共振子の並
列容量の相乗平均をC、入出力インピーダンスをZ、通
過中心周波数をF、補正係数をKとした場合に、下記
(数2)の関係が成立し、前記補正係数Kが0.6以上
1.8以下であることを特徴とする。
【0011】
【数2】Z・K=1/2πFC この平衡型弾性表面波フィルタの第2の構成によれば、
通過帯域内リップルを低く抑えることができると共に、
回路の入出力インピーダンスと平衡型弾性表面波フィル
タの入出力インピーダンスが相違することによる信号反
射や特性劣化等を防止することができる。その結果、平
衡型回路の採用に伴って平衡型弾性表面波フィルタの入
出力インピーダンスを適宜変更することができるので、
平衡型高周波回路に好適な平衡型弾性表面波フィルタが
得られる。
【0012】また、前記本発明の第2の構成の平衡型弾
性表面波フィルタを少なくとも2つ縦続に接続し、第1
の弾性表面波共振子の等価並列容量と第2の弾性表面波
共振子の等価並列容量の比が各段の対称格子型回路ごと
に異なるのが好ましい。この好ましい例によれば、広い
周波数範囲にわたって大きな減衰量が得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態を用いて本発明
をさらに具体的に説明する。 〈第1の実施の形態〉図1は本発明に係る平衡型弾性表
面波フィルタの第1の実施の形態を示す等価回路図であ
る。
【0014】圧電基板として36°回転YカットX伝搬
のタンタル酸リチウム(LiTaO 3 )基板を使用し、
電極材料としてアルミニウム(Al)を使用して弾性表
面波共振子101、102、103、104を形成し
た。図1に示すように、直列腕の共振子101と並列腕
の共振子102をそれぞれ2個ずつ用いて対称格子型に
接続することにより、第1段目の弾性表面波フィルタを
作製した。また、直列腕の共振子103と並列腕の共振
子104をそれぞれ2個ずつ用いて対称格子型に接続す
ることにより、第2段目の弾性表面波フィルタを作製し
た。そして、第1段目の弾性表面波フィルタと第2段目
の弾性表面波フィルタを縦続に接続した。図1中、10
5、106は入力端子であり、107、108は出力端
子である。また、109はそれぞれの弾性表面波共振子
を接続している接続ラインを等価的にインダクタで表し
たものである。ここで、第1段目の弾性表面波フィルタ
において、直列腕の共振子101の反共振周波数と並列
腕の共振子102の共振周波数はほぼ一致している。ま
た、第2段目の弾性表面波フィルタにおいて、直列腕の
共振子103の反共振周波数と並列腕の共振子104の
共振周波数はほぼ一致している。
【0015】図2に、弾性表面波共振子のインピーダン
スの周波数特性の虚数部を示す。ここでは、第1段目の
弾性表面波フィルタを例に挙げて説明するが、第2段目
の弾性表面波フィルタについても同様である。図2に示
すように、直列腕の共振子101の反共振周波数と並列
腕の共振子102の共振周波数はほぼ一致している。す
なわち、直列腕の共振子101の共振周波数は並列腕の
共振子102の共振周波数よりも低く設定されている。
また、直列腕の共振子101のインピーダンスと並列腕
の共振子102のインピーダンスが同じになる周波数
(図2中黒丸の点の周波数)において、フィルタの伝送
特性は図3に示すように減衰極を有する。このようにフ
ィルタの伝送特性が減衰極を有するのは、次の理由によ
る。すなわち、対称格子型は回路的にはホイートストー
ンブリッジであり、直列腕の共振子101のインピーダ
ンスの自乗と並列腕の共振子102のインピーダンスの
自乗が等しくなる周波数、つまり直列腕の共振子101
のインピーダンスと並列腕の共振子102のインピーダ
ンスが等しくなる周波数において出力が出なくなるから
である。
【0016】図2から分かるように、フィルタの伝送特
性が減衰極を有するのは、直列腕の共振子101の等価
並列容量が並列腕の共振子102の等価並列容量よりも
小さい場合に限られる。その理由を以下に述べる。
【0017】直列腕の共振子101のインピーダンスを
Imag(Z101 )、並列腕の共振子102のインピー
ダンスをImag(Z102 )で表すと、フィルタの伝送
特性が減衰極を有する条件、すなわち直列腕の共振子1
01のインピーダンスと並列腕の共振子102のインピ
ーダンスが等しくなる条件は、共振周波数、反共振周波
数の近傍以外でImag(Z101 )<Imag
(Z102 )を満足することである。なぜなら、共振子1
01、102のインピーダンスImag(Z)は、その
共振周波数まで単調に増加し、直列腕の共振子101の
共振周波数は並列腕の共振子102の共振周波数よりも
低く設定されているので、Imag(Z101 )<Ima
g(Z102 )であれば、確実にImag(Z101 )とI
mag(Z102 )が同じ値をとる周波数があるからであ
る。ここで、Z=1/jωCであるから、Imag
(Z)=−1/ωCとなるので、Imag(Z101 )<
Imag(Z10 2 )を満足するためにはC101 <C102
(C101 、C102 はそれぞれ直列腕の共振子101の等
価並列容量、並列腕の共振子102の等価並列容量であ
る。)となる。
【0018】この場合、直列腕の共振子101の等価並
列容量と並列腕の共振子102の等価並列容量の比(直
列腕の共振子の等価並列容量/並列腕の共振子の等価並
列容量)が1に近ければ、図3に示すように通過帯域
(900MHz帯)から離れた領域に減衰極が現れ、
(直列腕の共振子の等価並列容量/並列腕の共振子の等
価並列容量)が0に近ければ、図4に示すように通過帯
域(900MHz帯)の近傍に減衰極が現れる。
【0019】上記のような異なった等価並列容量比を有
する2つの対称格子型弾性表面波フィルタを縦続に接続
したところ、図5に示すように、通過帯域(900MH
z帯)の近傍と通過帯域から離れた領域の双方に減衰極
が現れた。従って、本実施の形態によれば、通過帯域の
近傍と通過帯域から離れた領域の双方の周波数帯を減衰
する特性が要求される平衡型高周波回路に好適な平衡型
弾性表面波フィルタが得られる。
【0020】尚、本実施の形態においては、弾性表面波
フィルタを2段に縦続接続した場合を例に挙げて説明し
たが、弾性表面波フィルタを3段以上に縦続接続した場
合にも同様の効果が得られた。
【0021】〈第2の実施の形態〉本実施の形態では、
対称格子型を使用した平衡型弾性表面波フィルタの入出
力インピーダンスを制御して、平衡型弾性表面波フィル
タの通過損失の周波数特性を改善する場合について説明
する。図6は本発明に係る平衡型弾性表面波フィルタの
第2の実施の形態を示す等価回路図である。
【0022】上記第1の実施の形態と同様に、圧電基板
として36°回転YカットX伝搬のLiTaO3 基板を
使用し、電極材料としてAlを使用して弾性表面波共振
子201、202を形成した。図6に示すように、直列
腕の共振子201と並列腕の共振子202をそれぞれ2
個ずつ用いて対称格子型に接続することにより、平衡型
弾性表面波フィルタを作製した。図6中、203、20
4は入力端子であり、205、206は出力端子であ
る。また、207はそれぞれの弾性表面波共振子を接続
している接続ラインを等価的にインダクタで表したもの
である。ここで、直列腕の共振子201の反共振周波数
と並列腕の共振子202の共振周波数はほぼ一致してい
る。また、直列腕の共振子201の等価並列容量は並列
腕の共振子102の等価並列容量よりも小さい。
【0023】直列腕の共振子201の等価並列容量と並
列腕の共振子202の等価並列容量の相乗平均をC、平
衡型弾性表面波フィルタの入出力インピーダンスをZ、
平衡型弾性表面波フィルタの通過中心周波数をF、補正
係数をKとした場合に、下記(数3)の関係が成立する
とする。
【0024】
【数3】Z・K=1/2πFC 図7に、補正係数Kを1とした場合の上記平衡型弾性表
面波フィルタの通過損失の周波数特性を示す。図7に示
すように、補正係数Kを1とした場合の上記平衡型弾性
表面波フィルタの通過損失は非常にきれいな周波数特性
を示している。また、図8に、補正係数Kを0.6とし
た場合の上記平衡型弾性表面波フィルタの通過損失の周
波数特性を示し、図9に、補正係数Kを1.8とした場
合の上記平衡型弾性表面波フィルタの通過損失の周波数
特性を示す。また、図10に、補正係数Kを0.5とし
た場合の上記平衡型弾性表面波フィルタの通過損失の周
波数特性を示し、図11に、補正係数Kを2.2とした
場合の上記平衡型弾性表面波フィルタの通過損失の周波
数特性を示す。ここでは、900MHz帯の平衡型弾性
表面波フィルタを用いた。図8、図10に示すように、
補正係数Kが0.6以下になると、通過帯域内リップル
が大きくなり、通過帯域よりも低い周波数側に大きなリ
ップルが現われる。また、図9、図11に示すように、
補正係数Kが1.8以上になると、通過帯域内リップル
が大きくなり、通過帯域よりも高い周波数側に大きなリ
ップルが現われる。従って、補正係数Kが0.6以上
1.8以下であれば、通過帯域内リップルを低く抑える
ことができる。
【0025】補正係数Kを導入し、この補正係数Kを制
御して平衡型弾性表面波フィルタの入出力インピーダン
スを制御することにより、平衡型弾性表面波フィルタの
通過損失の周波数特性を改善するようにしたのは、平衡
型弾性表面波フィルタの入出力インピーダンスZは必ず
しも回路の入出力インピーダンスと一致している必要は
ないからである。極端な例を挙げれば、入出力インピー
ダンスZが40Ωに設定された平衡型弾性表面波フィル
タを、入出力インピーダンスが50Ωに設定された回路
に接続した場合でも、要求される特性を満足させること
は可能である。しかし、回路の入出力インピーダンスと
平衡型弾性表面波フィルタの入出力インピーダンスZが
相違することによる信号反射や特性劣化等を考慮した場
合、補正係数Kはある範囲に収まっている必要がある。
補正係数Kが、上記したように、0.6以上1.8以下
の範囲にあれば、回路の入出力インピーダンスと平衡型
弾性表面波フィルタの入出力インピーダンスZが相違す
ることによる信号反射や特性劣化等を防止することがで
き、使用に十分耐え得る平衡型弾性表面波フィルタが得
られる。
【0026】以上のように、本実施の形態によれば、通
過帯域内リップルを低く抑えることができると共に、回
路の入出力インピーダンスと平衡型弾性表面波フィルタ
の入出力インピーダンスが相違することによる信号反射
や特性劣化等を防止することができる。その結果、平衡
型回路の採用に伴って平衡型弾性表面波フィルタの入出
力インピーダンスZを適宜変更することができるので、
平衡型高周波回路に好適な平衡型弾性表面波フィルタが
得られる。
【0027】〈第3の実施の形態〉本実施の形態では、
直列腕の共振子201の等価並列容量と並列腕の共振子
202の等価並列容量の比が異なる上記第2の実施の形
態の弾性表面波フィルタを2個用意し、これらを縦続に
接続した。
【0028】図12に、上記のような構成を備えた弾性
表面波フィルタの通過損失の周波数特性を示す。図12
に示すように、この平衡型弾性表面波フィルタにおいて
は、広い周波数範囲にわたって大きな減衰量が得られ
た。
【0029】尚、本実施の形態においては、弾性表面波
フィルタを2段に縦続接続した場合を例に挙げて説明し
たが、弾性表面波フィルタを3段以上に縦続接続した場
合にも同様の効果が得られた。
【0030】また、上記第1〜第3の実施の形態におい
ては、弾性表面波共振子を形成する圧電基板として36
°回転YカットX伝搬のLiTaO3 基板を使用した
が、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えばニ
オブ酸リチウム(LiNbO3)基板や水晶基板を使用
しても同様の効果が得られる。
【0031】また、上記第1〜第3の実施の形態におい
ては、弾性表面波共振子の構成について特に示していな
いが、電気的に共振特性が得られるものであればよい。
また、上記第1〜第3の実施の形態においては、900
MHz帯の弾性表面波フィルタを用いた場合を例に挙げ
て説明したが、必ずしもこの周波数帯の弾性表面波フィ
ルタに限定されるものではない。
【0032】また、上記第1〜第3の実施の形態におい
ては、図1、図6に示すように、第1の弾性表面波共振
子として101、103、201のように接続し、第2
の弾性表面波共振子として102、104、202のよ
うに接続した場合を例に挙げて説明したが、回路の対称
性を考えると、第1の弾性表面波共振子として102、
104、202のように接続し、第2の弾性表面波共振
子として101、103、201のように接続してもよ
い。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
大きな減衰量を広い帯域にわたって得ることのできる平
衡型弾性表面波フィルタが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る平衡型弾性表面波フィルタの第1
の実施の形態を示す等価回路図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に用いた弾性表面波
共振子の周波数特性図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における等価並列容
量比が1に近い場合の周波数特性図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における等価並列容
量比が0に近い場合の周波数特性図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における2段に縦接
接続した平衡型弾性表面波フィルタの周波数特性図であ
る。
【図6】本発明に係る平衡型弾性表面波フィルタの第2
の実施の形態を示す等価回路図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態において補正係数を
1とした場合の周波数特性図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態において補正係数を
0.6とした場合の周波数特性図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態において補正係数を
1.8とした場合の周波数特性図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態において補正係数
を0.5とした場合の周波数特性図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態において補正係数
を2.2とした場合の周波数特性図である。
【図12】本発明に係る平衡型弾性表面波フィルタの第
3の実施の形態における周波数特性図である。
【図13】従来技術の平衡型弾性表面波フィルタにおけ
る周波数特性図である。
【符号の説明】
101、103 直列腕の弾性表面波共振子 102、104 並列腕の弾性表面波共振子 105、106 入力端子 107、108 出力端子 109 インダクタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大西 慶治 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弾性表面波共振子を対称格子型に接続
    し、この対称格子型回路を少なくとも2つ縦続に接続し
    た平衡型弾性表面波フィルタであって、各段の対称格子
    型回路は第1及び第2の2種類の弾性表面波共振子を備
    え、前記第1の弾性表面波共振子の反共振周波数と前記
    第2の弾性表面波共振子の共振周波数はほぼ一致し、前
    記第1の弾性表面波共振子の等価並列容量は前記第2の
    弾性表面波共振子の等価並列容量よりも小さく、前記第
    1の弾性表面波共振子の等価並列容量と前記第2の弾性
    表面波共振子の等価並列容量の比は各段の対称格子型回
    路ごとに異なることを特徴とする平衡型弾性表面波フィ
    ルタ。
  2. 【請求項2】 弾性表面波共振子を対称格子型に接続し
    た平衡型弾性表面波フィルタであって、この対称格子型
    回路は第1及び第2の2種類の弾性表面波共振子を備
    え、前記第1の弾性表面波共振子の反共振周波数と前記
    第2の弾性表面波共振子の共振周波数はほぼ一致し、前
    記第1の弾性表面波共振子の等価並列容量は前記第2の
    弾性表面波共振子の等価並列容量よりも小さく、第1の
    弾性表面波共振子の並列容量と第2の共振子の並列容量
    の相乗平均をC、入出力インピーダンスをZ、通過中心
    周波数をF、補正係数をKとした場合に、下記(数1)
    の関係が成立し、前記補正係数Kが0.6以上1.8以
    下であることを特徴とする平衡型弾性表面波フィルタ。 【数1】Z・K=1/2πFC
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の平衡型弾性表面波フィ
    ルタを少なくとも2つ縦続に接続し、第1の弾性表面波
    共振子の等価並列容量と前記第2の弾性表面波共振子の
    等価並列容量の比が各段の対称格子型回路ごとに異なる
    平衡型弾性表面波フィルタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2010177770A (ja) * 2009-01-27 2010-08-12 Fujitsu Ltd フィルタ、デュープレクサ、通信モジュール
JP2011072047A (ja) * 1998-12-30 2011-04-07 Nokia Corp フィルタ構造

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US8648670B2 (en) 2009-01-27 2014-02-11 Taiyo Yuden Co., Ltd. Filter, duplexer and communication module
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