JPH09289141A - 固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサの製造方法

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JPH09289141A
JPH09289141A JP8122250A JP12225096A JPH09289141A JP H09289141 A JPH09289141 A JP H09289141A JP 8122250 A JP8122250 A JP 8122250A JP 12225096 A JP12225096 A JP 12225096A JP H09289141 A JPH09289141 A JP H09289141A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】陽極金属多孔質体の表面に厚く且つエッジ部分
にもくまなく効率的にポリアニリンを形成する。 【解決手段】皮膜形成金属多孔質体を、高温・高濃度の
アニリン・プロトン酸塩の溶液に浸漬し、その後さらに
該多孔質体を上記溶液の溶解温度以下に冷却することに
より該多孔質体表面にアニリン・プロトン酸塩結晶を析
出させ、その後、該多孔質体を、酸化剤溶液に浸漬す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は固体電解コンデンサ
の製造方法に関し、特にポリアニリンを固体電解質に用
いた固体電解コンデンサの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアニリン等の導電性高分子を固体電
解質とする固体電解コンデンサは、二酸化マンガンなど
の無機電解質を固体電解質としたものに比べ、特に高周
波領域において低インピーダンスであるという特徴を有
しており、近年盛んに研究・開発が進められるに至って
おり、例えば、ポリピロールを固体電解質に用いた固体
電解コンデンサなどが実用化されている。
【0003】ポリアニリン等の導電性高分子を固体電解
質に用いた固体電解コンデンサの従来の製造方法として
は、アニリン、ピロールなどのモノマーを皮膜形成金属
の表面酸化皮膜上に重合させることによりポリアニリン
あるいはポリピロールを該表面酸化皮膜上に形成する方
法や、予め合成したポリアニリン、ポリピロール等の導
電性高分子の溶融液あるいは溶液を皮膜形成金属の表面
酸化皮膜上に導入して形成する方法などが、提案されて
いる。
【0004】例えば、特開昭64−24410号公報に
は、モノマーと酸化剤を上記表面酸化皮膜に順次導入し
て、酸化皮膜の表面上で反応させ、導電性高分子層を形
成する方法が提案されている。すなわち、同公報には、
誘電体酸化皮膜上に誘電性高分子化合物よりなる固体電
解質層を形成してなる固体電解コンデンサの製造方法に
おいて、誘電体酸化皮膜上に誘電性高分子化合物のモノ
マーを液相で導入した後(図3のステップ201)、有
機酸又はその塩を共存させた酸化剤溶液を導入する(図
3のステップ202)ことにより、誘電体酸化皮膜上に
誘電性高分子化合物を生成させる方法が提案されてい
る。
【0005】また、特開平6−271655号公報に
は、タンタル焼結体電極等の微細な空孔を有する多孔質
体電極内部に、導電性高分子を生成するモノマーと支持
電解質を含有させた溶液を含浸させ、これを支持電解質
中で電解酸化させることにより多孔質体電極内全表面に
導電性高分子被膜を形成する方法が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の方法を用い
て皮膜形成金属多孔質体の表面酸化皮膜上にポリアニリ
ンを形成した場合、現状ではいくつかの問題点がある。
【0007】その第1の問題点は、ポリアニリンを前記
多孔質体表面上に形成する際、厚く形成することが困難
であるため、ポリアニリン形成工程の繰り返し回数が多
くなり生産性が良くないということである。
【0008】固体電解コンデンサの製造工程において
は、皮膜形成金属多孔質体の表面酸化皮膜上に固体電解
質を形成した後、カーボンペーストや銀ペーストなどに
よる電極取り出し、および外装樹脂による封止が行われ
るが、これらの工程で酸化皮膜を損傷しないためには、
多孔質体外側にある程度以上(5μm以上)の膜厚の固
体電解質層が形成されていなければならない。
【0009】しかしながら、従来の方法では、一連の操
作1サイクル当たりで形成できるポリアニリンの膜厚は
薄く、所望の膜厚を得るためには多数回の工程の繰り返
しが必要とされることになる。
【0010】例えば、上記特開昭64−24410号公
報の実施例の記載において、多孔質体にまずアニリンモ
ノマーを導入し、その後、酸化剤・プロトン酸混合溶液
を導入することにより多孔質体にポリアニリンを形成す
る方法が記載されているが(図3参照)、この方法を実
際に行ってみると、一連の操作1サイクルで多孔質体表
面に形成されるポリアニリンの膜厚は1μm以下であっ
た。
【0011】このように従来の方法では、一連の操作1
サイクルで形成できるポリアニリンの膜厚が薄く制限さ
れていた。そのため、多層化して十分な膜厚を得るため
に多数回のサイクルが必要となり、生産性が悪かった。
【0012】次に第2の問題点として、多孔質体のエッ
ジ部分(例えば、直方体形の多孔質体ならば辺や頂点部
分)にポリアニリンを形成することが困難であり、多孔
質体エッジ部分の酸化皮膜の損傷によるコンデンサ製造
不良が発生しやすいということである。
【0013】前述の固体電解質形成後の外装樹脂による
封止等の工程において、酸化皮膜を損傷させないために
は、多孔質体のエッジ部分にも固体電解質が形成されて
いる必要がある。
【0014】しかし、従来の方法では、多孔質体エッジ
部分にポリアニリンを形成することは難しかった。
【0015】すなわち、従来の方法においては、ポリア
ニリン形成工程を繰り返すことにより、多孔質体の平坦
部分のポリアニリンを所望の膜厚とすることができて
も、多孔質体エッジ部分には、殆どポリアニリンを形成
することができなかった。例えば上記の特開昭64−2
4410号公報の記載の実施例においては、一連の操作
を5サイクル繰り返しても多孔質体のエッジ部分に形成
されるポリアニリンの膜厚は0.5μm以下であった。
【0016】従って、本発明は、上記事情に鑑みてなさ
れたものであって、その目的は、ポリアニリン固体電解
コンデンサの効率の良い製造方法を提供することにあ
る。
【0017】本発明の他の目的は、コンデンサの電気特
性上の不良発生率の低いポリアニリン固体電解コンデン
サの製造方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】前記目的は、本発明によ
れば、皮膜形成金属の多孔質体の陽極酸化皮膜を誘電体
とし、ポリアニリンを固体電解質とする固体電解コンデ
ンサの製造方法において、(a)溶解温度以上の温度に
保たれたアニリン・プロトン酸塩の溶液に、前記多孔質
体を浸漬し、(b)その後、さらに該多孔質体を前記溶
解温度以下に冷却することにより該多孔質体表面にアニ
リン・プロトン酸塩の結晶を析出させ、(c)その後、
該多孔質体を酸化剤を含む溶液に浸漬する、前記各工程
を含むことを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法
により達成される。
【0019】本発明の原理を以下に説明する。本発明者
らは、高温・高濃度のアニリン・プロトン酸塩溶液に、
多孔質体を浸漬し常温で乾燥させることにより、多量の
アニリン・プロトン酸塩結晶を多孔質体表面にエッジま
でくまなく析出させることができ、そのまま多孔質体を
酸化剤を含む溶液に浸漬することにより、膜厚が厚くエ
ッジ部分まで被覆したポリアニリンを多孔質体表面に形
成できることを全く新たに見いだし、かかる知見を基に
本発明を完成するに至った。
【0020】また、液温70℃以上、重量濃度40%以
上のアニリン・スルホン酸水溶液に多孔質体を浸漬し、
常温で乾燥させた後、酸化剤を含む溶液に浸漬すること
により、これ以下の温度、またはこれ以下の濃度のアニ
リン・プロトン酸塩水溶液を用いた場合と比較し、特
に、膜厚が厚くエッジ部分までくまなく被覆するポリア
ニリンを形成できることを見いだし、かかる知見を基に
本発明を完成するに至った。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の好適な実施の形態及び実
施例を以下に説明する。
【0022】本発明の実施の形態に係る固体電解コンデ
ンサの製造方法は、皮膜形成金属の多孔質体の陽極酸化
皮膜を誘電体とし、ポリアニリンを固体電解質とする固
体電解コンデンサの製造方法であって、溶解温度以上の
温度に保たれたアニリン・プロトン酸塩の溶液に、この
多孔質体を浸漬し(図1のステップ101)、その後さ
らに該多孔質体を上記溶解温度以下に冷却し(図1のス
テップ102)、その後、該多孔質体を酸化剤を含む溶
液に浸漬する(図1のステップ103)、以上各工程か
らなる。
【0023】また、本発明は、その実施の形態におい
て、好ましくは、70℃以上の温度に保たれた、重量濃
度40%以上のアニリン・プロトン酸塩水溶液に、皮膜
形成金属多孔質体を浸漬し、その後さらに該多孔質体を
好ましくは70℃以下に冷却して、その後、該多孔質体
を、酸化剤を含む溶液に浸漬する工程を含むことを特徴
としている。図1は、上記工程を流れ図にて示したもの
である。
【0024】本発明において、溶解温度とは、溶質成分
が完全に溶解している溶液の温度を下げていき、溶液中
に溶質成分が析出し始める温度、または溶解しきれない
溶質成分がある程度析出している溶液の温度を上げてい
き、溶質成分が完全に溶解する温度を指している。
【0025】本発明において、皮膜形成金属の多孔質体
を浸漬する時のアニリン・プロトン酸塩水溶液の温度
は、この溶液の溶解温度以上であれば特に限定されない
が、しかし、アニリン・プロトン酸塩水溶液の温度が高
すぎると、水分が蒸発し易くなり、扱いにくくなるた
め、溶質成分が析出しない範囲でなるべく低い方が好ま
しい。このため、皮膜形成金属の多孔質体を浸漬する時
のアニリン・プロトン酸塩水溶液の温度は、さらに好ま
しくは70℃〜95℃の範囲とされる。
【0026】本発明において、アニリン、プロトン酸塩
水溶液の濃度は、特に限定されないが、できるだけ濃い
方が好ましい。さらに好ましくは、アニリンとプロトン
酸の重量の和は、溶液の全重量の40%以上とするのが
よい。
【0027】そして、このような濃度のアニリン・プロ
トン酸塩水溶液を、析出物のない均一溶液として得るの
は、常温においては、通常難しく、必然的に加温する必
要がある。また、さらに好ましくは溶解温度が70℃〜
95℃の範囲に入るように溶液濃度を設定するのがよ
い。
【0028】本発明において、アニリン・プロトン酸塩
水溶液中のアニリンとプロトン酸のモル濃度比は特に限
定しないが、プロトン酸モル濃度に対しアニリンモル濃
度がプロトン酸の価数倍以下となるのが好ましい。アニ
リン濃度が過剰だと、アニリンそのものが水に不溶であ
るために、均一溶液となり難くなるからである。ただ
し、アニリンの濃度を下げすぎると、本発明の目的であ
る効率的なポリアニリン形成という効果が得られにくく
なる。
【0029】本発明において、多孔質体をアニリン・プ
ロトン酸塩水溶液に浸漬した後冷却する温度について
は、上記アニリン・プロトン酸水溶液の溶解温度以下で
あれば特に限定されないが、水が凍結しないように、0
℃以上とすることが好ましい。
【0030】本発明に用いられるプロトン酸は、特に限
定されないが、良好な特性を持つ固体電解コンデンサを
得るためにはスルホン酸化合物が好ましい、例として
は、アルキルスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン
酸、アルキルナフタレンスルホン酸、ベンゾキノンスル
ホン酸、ナフトキノンスルホン酸、アントラキノンスル
ホン酸、アルキルジスルホン酸、ベンゼンジスルホン
酸、ナフタレンジスルホン酸、アントラキノンジスルホ
ン酸、フェノールスルホン酸、スルホ安息香酸、スルホ
フタル酸、フェニルメタンスルホン酸、キシリレンジス
ルホン酸等や、それらの誘導体が挙げられる。また、二
種類以上のプロトン酸を用いてもよい。
【0031】本発明に用いる酸化剤を含む溶液として
は、酸化剤の種類や溶媒に限定はない。酸化剤として例
えば、過硫酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素、三価の鉄
塩が挙げられる。溶媒としては、水単独、あるいは水と
アルコール類との混合溶媒などが例として挙げられる。
また、酸化剤以外の成分を溶解していてもよく、好まし
くはポリアニリンのドーパントとなるプロトン酸を適量
溶解させておくことが望ましい。
【0032】本発明において、酸化剤に多孔質体を浸漬
させ、重合反応を行わせるタイミングとしては、多孔質
体を酸化剤溶液中に浸漬している間でもよく、あるいは
多孔質体を酸化剤溶液から取り出した後でもよい。前者
の場合、多孔質体表面のモノマーを充分反応させるため
に、ある程度長時間多孔質体を酸化剤溶液に浸漬させて
おくことが好ましい。一方、後者の場合、多孔質体を酸
化剤溶液から取り出した後、しばらく大気中などに放置
することにより、重合反応を進行させる等の方法が考え
られる。重合反応の後は水洗などにより余分な反応生成
物を除去することが好ましい。
【0033】さらに、請求項1又2記載の本発明以外の
別の方法により、予め多孔質体表面にポリアニリンを形
成した後、請求項1又は2記載の本発明を適用すること
もできる。たとえば、多孔質体細孔内部には、別方法で
ポリアニリンを形成し、多孔質体外表面に、本発明の方
法により、ポリアニリンを形成する等が考えられる。
【0034】本発明は、ポリアニリン以外の材料と組み
合わせた固体電解コンデンサに対しても適用できる。た
とえば、多孔質体内部にポリピロールをある程度形成し
た後で、本発明の手段を適用してポリアニリンを形成す
るなどが考えられる。
【0035】本発明の方法によれば、固体電解コンデン
サの製造過程において、以下の作用効果が認められる。
【0036】高温・高濃度のアニリン・プロトン酸塩水
溶液に多孔質体を浸漬し、冷却することにより、多量の
アニリン・プロトン酸塩結晶を多孔質体表面にエッジま
でくまなく析出させることができる。この多孔質体をさ
らに酸化剤溶液に浸漬することにより、膜厚が厚いポリ
アニリンを形成させることができることに加えて、多孔
質体のエッジ部分にもポリアニリンを形成させることが
できる。
【0037】上記した本発明の実施の形態を更に詳細に
説明すべく、本発明の実施例を以下に説明する。
【0038】[実施例1]図2は、本発明の一実施例に
よって作製した固体電解コンデンサの構造を模式的に示
したものである。
【0039】1gあたり粉末CV値(容量μFと化成電
圧の積)30000のタンタル微粉末を用いた1mm四
方の立方体型タンタル微粉末焼結体ペレットを、0.0
5重量%燐酸水溶液中で48.5Vで陽極酸化し、洗浄
及び乾燥した。
【0040】一方、75℃の水にアニリンおよびパラト
ルエンスルホン酸をモル比1:1で溶解し、アニリンと
パラトルエンスルホン酸の重量の和が溶液の全重量の5
5%となるようにした(重量比アニリン:パラトルエン
スルホン酸:水=93:190:346)。
【0041】次に、上記焼結体ペレット(図2中、皮膜
形成金属多孔質体1参照)を、75℃に保温した前記ア
ニリン溶液に気温75℃の下で浸漬することにより、ア
ニリン溶液に焼結体ペレットを含浸し、25℃の雰囲気
において自然乾燥させた。
【0042】続いて、焼結体ペレットを過硫酸アンモニ
ウム10重量%水溶液に5秒間浸漬してから、25℃雰
囲気に30分自然放置するという工程を3回繰り返し、
重合反応を起こさせた。
【0043】次いで、室温において95g/lの濃度の
パラトルエンスルホン酸水溶液に焼結体ペレットを10
分間浸漬し、不要な副生成物を洗い流した後、85℃で
10分間乾燥させた。
【0044】以上のアニリン溶液含浸から水洗までの工
程を2回繰り返すことにより、焼結体ペレット表面にポ
リアニリン(図2中、符号2参照)を形成した。
【0045】走査電子顕微鏡による焼結体ペレットの断
面観察により、焼結体ペレット外側の平坦部分に30μ
m、エッジ部分に10μmの膜厚のポリアニリンが形成
されていることが確認された。
【0046】この焼結体ペレットにカーボンペーストを
塗布、乾燥させ、グラファイト層を形成した(図2中、
符号3参照)。
【0047】次いで銀ペーストを塗布、乾燥させてから
電極リードを取り出し(図2中、符号4、5参照)、焼
結体ペレットからも電極を取り出した(図2中、符号
6)。
【0048】最後にエポキシ樹脂で封止してコンデンサ
を完全させた。このコンデンサの120Hzにおける静
電容量は2.9μF、100kHzにおける等価直列抵
抗は200mΩであった。
【0049】[実施例2]本発明の第2の実施例を以下
に説明する。
【0050】アニリン溶液として、75℃の水にアニリ
ンおよびメタキシリレンジスルホン酸をモル比2:1で
溶解し、アニリンとメタキシリレンジスルホン酸の重量
の和が溶液の全重量の42%(重量比アニリン:メタキ
シリレンジスルホン酸:水=93:133:312)と
なるように調製した溶液を用い、重合反応後の洗浄溶液
として純水を用いた。これ以外は、前記実施例1と同様
な方法で、焼結体ペレットにポリアニリンを形成した。
【0051】焼結体ペレットの断面観察により、焼結体
ペレット外側の平坦部分に20μm、縁部分に7μmの
膜厚のポリアニリンが形成されていることが確認され
た。
【0052】また、前記実施例1と同様にして、コンデ
ンサを完成させ、特性評価したところ、このコンデンサ
の120Hzにおける静電容量は2.7μF、100k
Hzにおける等価直列抵抗は250mΩであった。
【0053】[実施例3]アニリン溶液として、75℃
の水にアニリンおよびメタベンゼンジスルホン酸をモル
比2:1で溶解し、アニリンとメタベンゼンジスルホン
酸の重量の和が溶液の全重量の53%(重量比アニリ
ン:メタベンゼンジスルホン酸:水=93:119:1
86)となるように調製した溶液を用い、重合反応後の
洗浄溶液として純水を用いた。これ以外は前記実施例1
と同様な方法で、焼結体ペレットにポリアニリンを形成
した。
【0054】焼結体ペレットの断面観察により、焼結体
ペレット外側の平坦部分に15μm、縁部分に7μmの
膜厚のポリアニリンが形成されていることが確認され
た。
【0055】また、前記実施例1と同様にして、コンデ
ンサを完成させ、特性評価したところ、このコンデンサ
の120Hzにおける静電容量は2.9μF、100k
Hzにおける等価直列抵抗は190mΩであった。
【0056】[比較例]前記実施例1で用いたタンタル
微粉末焼結体ペレットを、前記実施例1と同様に陽極酸
化したものを用意した。これを、まずアニリン100%
原液に室温で10分間浸漬し、次いで過硫酸アンモニウ
ム20wt%とパラトルエンスルホン酸10wt%を含
む水溶液を室温で30分浸漬することによりポリアニリ
ンを形成させた。次に、室温において95g/lの濃度
のパラトルエンスルホン酸水溶液に焼結体ペレットを1
0分間浸漬し、不要な副生成物を洗い流した後、85℃
で10分間乾燥させた。この時点での焼結体ペレットを
断面観察したところ、焼結体ペレット外側の平坦部分の
ポリアニリン膜厚は1μmであり、エッジ部分にはポリ
アニリンは殆ど形成されていなかった。
【0057】また、上記のアニリン浸漬から洗浄・乾燥
までの操作を5回繰り返した場合には、焼結体ペレット
外側の平坦部分のポリアニリン膜厚は4μmであり、エ
ッジ部分のポリアニリン膜厚は0.5μmであった。
【0058】また、上記した、アニリン浸漬から洗浄・
乾燥までの操作を、5回繰り返した後、前記実施例1と
同様にコンデンサを完成させ、特性評価したところ、こ
のコンデンサの120Hzにおける静電容量は2.1μ
F、100kHzにおける等価直列抵抗は550mΩで
あった。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る固体
電解コンデンサの製造方法によれば下記記載の効果が得
られる。
【0060】本発明の第1の効果は、製造コストが低減
されるということである。これは、本発明においては、
一連の工程サイクルによって、効率的にポリアニリンを
形成することが可能とされ、このため工程サイクル数を
低減できることによる。
【0061】本発明の第2の効果は、コンデンサの電気
特性における不良発生率が低減されるということであ
る。これは、本発明においては、多孔質体のエッジ部分
にもポリアニリンを形成することが可能とされており、
外装封止工程などにおいて、この部分での酸化皮膜の損
傷を抑えることができるからである。
【0062】本発明の第3の効果は、コンデンサのイン
ピーダンス特性を改善できるということである。これ
は、本発明においては、導電率の高いポリアニリンを多
孔質体の周囲に厚く形成することが可能とされ、このた
め多孔質体内部の固体電解質層と外側電極の間の抵抗を
減少することができることによる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る製造方法を説明する
ためのフローチャートである。
【図2】本発明の一実施例における固体電解コンデンサ
の構造を示す模式図である。
【図3】従来の固体電解コンデンサの製造方法の一例を
示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 皮膜形成金属多孔質体 2 ポリアニリン 3 グラファイト層 4 電極 5 電極リード 6 電極リード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 深海 隆 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】皮膜形成金属の多孔質体の陽極酸化皮膜を
    誘電体とし、ポリアニリンを固体電解質とする固体電解
    コンデンサの製造方法において、 (a)溶解温度以上の温度に保たれたアニリン・プロト
    ン酸塩の溶液に、前記多孔質体を浸漬し、 (b)その後、さらに該多孔質体を前記溶解温度以下に
    冷却することにより該多孔質体表面にアニリン・プロト
    ン酸塩の結晶を析出させ、 (c)その後、該多孔質体を酸化剤を含む溶液に浸漬す
    る、 前記各工程を含むことを特徴とする固体電解コンデンサ
    の製造方法。
  2. 【請求項2】皮膜形成金属の多孔質体の陽極酸化皮膜を
    誘電体とし、ポリアニリンを固体電解質とする固体電解
    コンデンサの製造方法において、 (a)溶解温度以上すなわち70℃以上の温度に保たれ
    た、重量濃度40%以上のアニリン・プロトン酸塩水溶
    液に、前記多孔質体を浸漬し、 (b)その後、さらに該多孔質体を前記溶解温度以下に
    冷却することにより該多孔質体表面にアニリン・プロト
    ン酸塩の結晶を析出させ、 (c)その後、該多孔質体を酸化剤を含む溶液に浸漬す
    る、 前記各工程を含むことを特徴とする固体電解コンデンサ
    の製造方法。
  3. 【請求項3】皮膜形成金属の多孔質体に導電性高分子を
    生成するモノマーを少なくとも含む溶融液を融解状態で
    含浸させた後に温度を下げて固体化させ、さらに酸化剤
    溶液に含浸してモノマーを重合させる一連の工程により
    前記多孔質体のエッジ部分にも導電性高分子が形成され
    るようにしたことを特徴とする固体電解コンデンサの製
    造方法。
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