JPH09289077A - 誘導加熱コイル及び曲げ加工方法 - Google Patents

誘導加熱コイル及び曲げ加工方法

Info

Publication number
JPH09289077A
JPH09289077A JP12261096A JP12261096A JPH09289077A JP H09289077 A JPH09289077 A JP H09289077A JP 12261096 A JP12261096 A JP 12261096A JP 12261096 A JP12261096 A JP 12261096A JP H09289077 A JPH09289077 A JP H09289077A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heating
web
coil
section steel
induction heating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP12261096A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3701740B2 (ja
Inventor
Tsugio Yamauchi
次男 山内
Daisuke Minohara
大介 蓑原
Keiji Shimoyama
啓次 下山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Ichi High Frequency Co Ltd
Original Assignee
Dai Ichi High Frequency Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Ichi High Frequency Co Ltd filed Critical Dai Ichi High Frequency Co Ltd
Priority to JP12261096A priority Critical patent/JP3701740B2/ja
Publication of JPH09289077A publication Critical patent/JPH09289077A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3701740B2 publication Critical patent/JP3701740B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • General Induction Heating (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 肉厚の薄いウェブ部を有するH形鋼の長手方
向の一部領域を均等に効率良く加熱可能な誘導加熱コイ
ルを提供する。 【解決手段】 H形鋼1を取り囲むように配置したコイ
ル本体13のうち、薄いウェブ部1Aの両側に位置する
第一ウェブ加熱部13Aと第二ウェブ加熱部13Bを、
それぞれの加熱領域がH形鋼1の長手方向にずれるよう
に配置し、相互の干渉を防止して効率良くウェブ部を加
熱可能とする。また、第一ウェブ加熱部13Aと第二ウ
ェブ加熱部13Bを、フランジ部1Bを加熱するフラン
ジ加熱部13Cと同じ幅内に配置し、ウェブ部1Aとフ
ランジ部1BをH形鋼1の長手方向の同じ幅に均一に加
熱可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄肉部を備えた条
材或いは板材に対して曲げ加工などの熱間加工を施すた
めにこれらの部材を誘導加熱する誘導加熱コイルに関
し、特にH形鋼の加熱に好適な誘導加熱コイルに関す
る。また、本発明は、その誘導加熱コイルを用いた熱間
曲げ加工方法にも関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、鋼管を曲げ加工する方法とし
て、鋼管を包囲するようにセットされた環状の誘導加熱
コイルによって、鋼管の長手方向の狭い領域を環状に加
熱し、その誘導加熱コイルを鋼管の長手方向に相対的に
移動させて加熱された部分を移動させて行くと共にその
鋼管に曲げモーメントを作用させて曲げて行き、同時に
その誘導加熱コイルで加熱され曲げられた部分の下流に
冷却水を吹き付けて冷却、固化させる熱間曲げ加工方法
が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】最近、一定の曲率に湾
曲させたH形鋼の用途が開発されている。そこで、本発
明者等は、真っ直ぐなH形鋼に、上記した鋼管に対する
曲げ加工方法を適用して曲げ加工を行うことにより、湾
曲したH形鋼を製造することができると考え、図6〜図
8に示すように、H形鋼1を取り囲む形状の且つ断面が
中空矩形状の誘導加熱コイル2を作成し、これを用いて
曲げテストを行った。すなわち、誘導加熱コイル2を定
位置に固定し、その中にH形鋼1を通し、誘導加熱コイ
ル2による加熱を行った状態でH形鋼1を矢印X方向に
移動させながらそのH形鋼1の先端に旋回アーム3によ
って曲げモーメントを作用させ、同時に誘導加熱コイル
2の一端角部に形成している冷却水噴射孔4から冷却水
5をH形鋼1に噴射して、誘導加熱コイル2により加熱
され且つ曲げ変形を生じた部分6の後端を冷却し、H形
鋼1を連続的に曲げ加工した。
【0004】ところが、この誘導加熱コイル2でH形鋼
を加熱する際に問題のあることが判明した。すなわち、
H形鋼1は中央のウェブ部1Aと両端のフランジ部1B
を有しているが、通常、ウェブ部1Aは厚さが薄く、例
えば、250mmHのH形鋼1では、フランジ部1Bの
厚さが14mmに対してウェブ部1Aの厚さは9mm程
度である。また、これよりも大きいH形鋼であっても、
フランジ部1Bの厚さは厚くなるが、ウェブ部1Aの厚
さはあまり増加しない。このように薄いウェブ部1Aの
両側に誘導加熱コイル2を配置して誘導加熱すると、誘
導加熱コイル2のウェブ部1Aの両側にそれぞれ位置す
るウェブ加熱部2A、2Bが互いに干渉して加熱効率を
低下させてしまう。例えば、誘導加熱コイル2への印加
周波数として2.4KHzを使用すると誘導電流の浸透
深さは約10mmであるので、ウェブ部1Aの上方に位
置するウェブ加熱部2Aによる誘導電流はウェブ部1B
の下面においてもかなり生じており、これが下方に位置
するウェブ加熱部2Bによって発生させられる誘導電流
の一部を打ち消してしまい、結局、発熱効率が低下す
る。このため、ウェブ部1Aの昇温が困難で、肉厚が厚
くて加熱効率の良いフランジ部1Bとのバランスが悪く
なり、加工スピードを遅くしなければ温度バランスが保
てず、結局、加工スピードを低くせざるを得なかった。
【0005】また、図6から分かるように、H形鋼1を
フランジ部1Bと直角方向に曲げたところ、ウェブ部と
フランジ部との温度バランスを取って曲げ加工を行った
にもかかわらず、薄いウェブ部1Aが波状に変形してし
まい、形状不良となるという問題もあった。
【0006】本発明は、かかる問題点に鑑みて為された
もので、H形鋼のウェブ部のように、肉厚が薄くて両側
に配置した誘導加熱コイルが干渉しあうような薄肉部を
有する条材或いは板材を、効率良く加熱することの可能
な誘導加熱コイルを提供することを目的とする。
【0007】また、本発明はウェブ部に波状に変形を生
じることなくH形鋼を曲げ加工することを可能とする曲
げ加工方法を提供することも目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願の第一の発明は、肉
厚の薄い薄肉部の両側にそれぞれ位置する誘導加熱コイ
ルの部分同士の干渉を避けるため、各側に位置する誘導
加熱コイルの部分による加熱領域を長手方向にずらせる
構成としたものである。この構成により、ウェブが誘導
電流の浸透深さより薄くても、ウェブ部の片側に位置す
る誘導加熱コイルの部分による誘導電流と、反対側に位
置する誘導加熱コイルの部分による誘導電流が打ち消し
あうということがほとんどなく、効率良く加熱すること
が可能となる。
【0009】本願の第二の発明は、H形鋼の曲げ加工時
にウェブ部に生じる波状の変形を防止するため、曲げ変
形させるために加熱した領域のうち、ウェブ部の中央部
分の温度を低くしたものである。このようにウェブ部の
中央部分の温度を低くすると、その部分が変形しにくく
なり、曲げ変形させた時に波状にならず、良好な曲げ加
工が可能となる。なお、ウェブ部の中央部分は曲げ加工
時の中立面及びその近傍であるので、変形量は小さく、
この部分の剛性が高くても曲げ変形に支障はない。
【0010】
【発明の実施の形態】本願請求項1の発明になる誘導加
熱コイルは、肉厚の薄い薄肉部を有する条材又は板材の
表裏に亘る全周面に沿った形状のコイル本体を備え、そ
のコイル本体が、前記薄肉部をはさんで配置される第一
加熱部と第二加熱部を有すると共に、その第一加熱部と
第二加熱部が前記薄肉部の長手方向にずれた位置を加熱
する構成としたものである。この構成とすると、第一加
熱部と第二加熱部とによって薄肉部に生じる誘導電流
は、主として長手方向にずれた領域に生じるため、肉厚
が薄くてもその誘導電流同士が打ち消し合うことがほと
んどなく、このため、効率良く薄肉部を加熱することが
できる。本発明の誘導加熱コイルは、薄いウェブ部を備
えたH形鋼の加熱に好適であるが、これに限らず、L形
鋼、溝形鋼などの他の形状の条材、或いは薄い板材の加
熱にも使用可能である。更に、本発明の誘導加熱コイル
は、丸パイプ或いは角パイプ等の断面が閉じた形状の条
材に対しても使用可能である。ただし、この場合には、
条材の周面が内外に別れているので、コイル本体は、パ
イプ状の条材の外周面に沿った形状の外側コイル本体
と、条材の内周面に沿った形状の内側コイル本体の二つ
の部品で構成されることとなり、この外側コイル本体
(第一加熱部を形成する)と内側コイル本体(第二加熱
部を形成する)が条材の長手方向にずれた位置を加熱す
るように配置されることとなる。
【0011】請求項2の発明になる誘導加熱コイルはH
形鋼を加熱するためのもので、H形鋼の表裏に亘る全周
面に沿った形状のコイル本体を備え、そのコイル本体
が、H形鋼のウェブ部の一方の面に対向配置される第一
ウェブ加熱部と、ウェブ部の他方の面に対向配置される
第二ウェブ加熱部と、H形鋼のフランジ部に対向配置さ
れるフランジ加熱部を有すると共に、前記第一ウェブ加
熱部と第二ウェブ加熱部が前記ウェブ部の長手方向にず
れた位置を加熱する構成であり、且つ前記第一ウェブ加
熱部と第二ウェブ加熱部とによるH形鋼の長手方向の加
熱領域が、前記フランジ加熱部によるH形鋼の長手方向
の加熱領域にほほぼ一致する構成であることを特徴とす
るものある。
【0012】この構成により、薄いウェブ部を効率良く
加熱することが可能となり、薄いウェブ部も厚いフラン
ジ部と同様に加熱でき、更に、H形鋼のフランジ部とウ
ェブ部の長手方向のほぼ同じ領域を敏速且つ均等に加熱
することができる。
【0013】上記構成の誘導加熱コイルは、H形鋼など
の条材或いは板材の曲げ加工を行うための加熱に好適に
使用できるが、この他にも、条材或いは板材の長手方向
の一部領域を加熱する必要のある用途に、例えば、熱処
理のための加熱、圧縮変形させるための加熱等にも使用
可能である。
【0014】請求項3の発明になる曲げ方法は、H形鋼
を取り囲むように上記構成の誘導加熱コイルをセット
し、その誘導加熱コイルでH形鋼を局部的に加熱しなが
ら、その誘導加熱コイルをH形鋼の長手方向に相対的に
移動させることで加熱された部分をH形鋼の長手方向に
移動させて行き、同時にその加熱された部分の下流側の
ほぼ全周を冷却すると共に上流側のウェブ部の中央部分
を冷却し、同時に前記誘導加熱コイルで加熱された部分
に曲げモーメントを作用させて曲げ加工を行うことを特
徴とする。
【0015】この構成により、H形鋼の長手方向の一部
領域のフランジ部及びウェブ部を比較的均一に且つ敏速
に加熱して曲げ加工を行うことができ、しかも、ウェブ
部の中央部分は加熱前に冷却されるため他の部分に比べ
て温度が低く、変形しにくくなっており、曲げ変形させ
た時に波状に変形することがなく、良好な形状の曲げを
行うことができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を説明する。図
1は本発明の一実施例による誘導加熱コイルを用いてH
形鋼の曲げ加工を行う状態を示す概略断面図、図2は図
1のA−A矢視概略図、図3は図2のB−B矢視概略
図、図4は図2のC−C矢視概略図、図5は誘導加熱コ
イルの概略斜視図であり、1はH形鋼、1AはそのH形
鋼のウェブ部、1Bはフランジ部である。3はH形鋼1
に曲げモーメントを作用させるための旋回アーム、12
はH形鋼1の長手方向の小領域を加熱すると共に加熱し
た領域の一端を冷却する冷却手段を兼ねた誘導加熱コイ
ルであり、本実施例では定位置に設けられている。
【0017】この誘導加熱コイル12は、図2から良く
分かるように、H形鋼1の表裏に亘る全周面に沿った形
状のコイル本体13を備えており、そのコイル本体13
は導電性材料で中空構造に作られており、H形鋼1のウ
ェブ部1Aの中央に対向する位置に端部があって接続導
管14A、14Bに接続されている。この接続導管14
A、14Bは電源装置及び冷却水供給源に(図示せず)
に連結され、コイル本体13に電流と冷却水を供給する
ようになっている。なお、接続導管14A、14Bの間
には絶縁体が配置されている。
【0018】コイル本体13は、肉厚の薄い薄肉部であ
るウェブ部1Aの片側に位置する第一ウェブ加熱部13
Aと、反対側に位置する第二ウェブ加熱部13Bと、フ
ランジ部1Bを取り囲んだフランジ加熱部13Cからな
る。図3から良く分かるように、H形鋼1のウェブ部1
Aの片側に位置する第一ウェブ加熱部13Aは、ウェブ
部1Aに対向する第一平坦面13aを、反対側に位置す
る第二ウェブ加熱部13Bは、ウェブ1Aに対向する第
二平坦面13bを有している。この第一平坦面13a及
び第二平坦面13bの幅W1 、W2 は、それぞれコイル
本体13の最大幅Wの半分よりも少し小さく設定されて
おり、且つ第一平坦面13a及び第二平坦面13bはH
形鋼1の長手方向にずれるように配置されている。更に
具体的に述べると、第一平坦面13aはコイル本体13
の一端側に寄せて配置し、第二平坦面13bはコイル本
体13の他端側に寄せて配置している。これにより、第
一ウェブ加熱部13Aによるウェブ部1Aの加熱領域
と、第二ウェブ加熱部13Bによるウェブ部1Aの加熱
領域とがH形鋼1の長手方向にずれており、肉厚の薄い
ウェブ部1Aを両側から誘導加熱しても、相互に干渉し
あうことがほとんどなくなる。
【0019】フランジ加熱部13Cは、図4から良く分
かるように矩形断面に作られており、コイル本体13の
フランジに対向する第三平坦面13cを有している。こ
の第三平坦面13cの幅はコイル本体13の最大幅Wに
等しく設定されており、従って、フランジ加熱部13C
によるH形鋼1の長手方向の加熱領域はコイル本体13
の最大幅Wにほぼ等しく、第一ウェブ加熱部13A及び
第二ウェブ加熱部13BによるH形鋼1の長手方向の加
熱領域にほぼ一致する。この構成により、このコイル本
体13は、H形鋼1のウェブ部1A及びフランジ部1B
の長手方向の同一領域をほぼ一定幅に加熱することがで
きる。
【0020】コイル本体13の第一ウェブ加熱部13A
及びフランジ加熱部13Cには、それぞれ一端側の角部
に噴射孔15が形成され、冷却水16をH形鋼1に吹き
付け、H形鋼1の加熱された部分17の端部(加熱され
た部分17のH形鋼1に対する進行方向に関して下流側
の端部)を冷却するようになっている。また、第二ウェ
ブ加熱部13Bの隣接位置には、水冷用ジャケット20
が設けられ、その角部に形成された噴射孔21から冷却
水16を噴射して加熱された部分17の端部を冷却する
ようになっている。この構成により、H形鋼1は全周に
渡って、噴射された冷却水16によって冷却されること
となる。
【0021】コイル本体13の噴射孔15を設けた側と
は反対側には、予備冷却ジャケット25が設けられ、そ
れに設けている噴射孔26から冷却水27をH形鋼1の
加熱される前の領域に吹き付けて予備冷却するようにな
っている。この予備冷却ジャケット25はウェブ部13
Aの中央部分のみを冷却するように、例えば、ウェブ長
さが約600mmに対して中央の100〜150mm幅
程度の領域を冷却するように配置されている。
【0022】次に、上記構成の誘導加熱コイル12を用
いたH形鋼1の曲げ加工方法を説明する。誘導加熱コイ
ル12でH形鋼1を局部的に塑性変形容易な温度に、例
えば赤熱状態に加熱し且つその加熱された部分の前後に
冷却水16、27を吹き付けた状態で、H形鋼1を矢印
X方向(図1参照)に押し、旋回アーム3によってH形
鋼1に曲げモーメントを作用させる。これにより、誘導
加熱コイル12で局部的に加熱された部分17が曲げら
れると共にその直後が冷却水16で冷却、固化され、連
続的に曲げ加工が行われる。この曲げ加工中において、
ウェブ部1Aの両側に配置した第一ウェブ加熱部13A
と第二ウェブ加熱部13Bが薄いウェブ1Aを誘導加熱
するが、図3から良く分かるように、それぞれによる加
熱領域がH形鋼1の長手方向にずれているため、相互に
干渉することが少なく、このため効率良く加熱可能であ
る。従って、ウェブ部1Aとフランジ部1Bを敏速に且
つ均等に加熱でき、高速で曲げ加工を行うことができる
と共に消費電力を削減できる。例えば、図7、図8に示
す誘導加熱コイル2を用いて250mmHのH形鋼1を
曲げ加工した際には、加工速度が1.0〜1.5mm/
s程度であったが、本実施例では、約3.0mm/sで
の加工が可能であり、消費電力も約2割削減できた。
【0023】次に、予備冷却ジャケット25はH形鋼1
の加熱される前の領域に、且つウェブ部1Aの中央部分
に冷却水27を吹き付けて冷却している。このため、ウ
ェブ部1Aの中央部分のみは、冷却水27で冷却されて
他の部分よりも温度が低くなり、塑性変形しにくくなっ
ている。このため、曲げ加工した際に不安定な変形が阻
止され、ウェブ部1Aに波状の変形が生じることがな
く、良好な形状の製品を得ることができる。
【0024】なお、上記実施例では、H形鋼1の冷却に
冷却水16、27を吹き付けて冷却しているが、冷却水
に代えて他の冷却媒体例えば冷却油、冷却ガス等を吹き
付ける構成としてもよい。また、上記実施例では、ウェ
ブ部1Aの中央部分に冷却水27を吹き付けて、中央部
分の温度を他の部分に比べて低くしているが、この代わ
りに、誘導加熱コイル12として、ウェブ中央部分の加
熱熱量が小さくものを用い、それによってウェブの中央
部分の温度を低くする構成としてもよい。
【0025】更に、上記実施例では、H形鋼1をフラン
ジ部1Bに直角な方向に曲げる場合を説明したが、本発
明の実施例による誘導加熱コイル12はH形鋼1をウェ
ブ部1Aに直角方向に曲げる場合にも使用可能である。
更に、この誘導加熱コイル12はH形鋼の曲げ加工に限
らず、他の処理或いは加工のための加熱に利用できるこ
とは言うまでもない。
【0026】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の誘導加
熱コイルは、肉厚の薄い薄肉部を有する条材又は板材の
表裏に亘る全周面に沿った形状のコイル本体の、前記薄
肉部をはさんで配置される第一加熱部と第二加熱部を、
前記薄肉部の長手方向にずれた位置を加熱する構成とし
たことにより、第一加熱部と第二加熱部とによって薄肉
部に生じる誘導電流が、主として長手方向にずれた領域
に生じ、肉厚が薄くてもその誘導電流同士が打ち消し合
うことがほとんどなく、このため、薄肉部を効率良く加
熱することができるという効果を有している。
【0027】また、その誘導加熱コイルのコイル本体を
H形鋼の表裏に亘る全周面に沿った形状とし、そのコイ
ル本体の、H形鋼のウェブ部をはさんで配置される第一
ウェブ加熱部と第二ウェブ加熱部とを前記ウェブ部の長
手方向にずれた位置を加熱する構成とすると、薄いウェ
ブ部を効率良く加熱することができ、厚いフランジ部と
同様に均一に且つ敏速に加熱することが可能となり、し
かも、その第一ウェブ加熱部と第二ウェブ加熱部とによ
るH形鋼の長手方向の加熱領域を、フランジ部を加熱す
るためのフランジ加熱部によるH形鋼の長手方向の加熱
領域にほほぼ一致させる構成とすることにより、H形鋼
のフランジ部とウェブ部の長手方向のほぼ同じ領域を敏
速且つ均等に加熱することができるという効果を有して
いる。
【0028】本発明の曲げ加工方法は、H形鋼の長手方
向の一部領域を上記構成の誘導加熱コイルで加熱しなが
ら、その誘導加熱コイルをH形鋼の長手方向に相対的に
移動させて加熱された部分をH形鋼の長手方向に移動さ
せ、同時に加熱された部分の下流側のほぼ全周を冷却す
ると共に上流側のウェブ部の中央部分を冷却し、同時に
前記誘導加熱コイルで加熱された部分に曲げモーメント
を作用させて曲げ加工を行う構成としたことにより、H
形鋼のウェブ部、フランジ部を均一に且つ効率良く加熱
して敏速な曲げ加工を行うことができ、しかもウェブ部
の中央部分を他の部分に比べて低い温度とし、変形しに
くい状態で曲げ加工することができ、ウェブ部に波状の
変形が生じることを防止し、良好な形状に曲げた製品を
得ることができるという効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による誘導加熱コイルを用い
てH形鋼の曲げ加工を行う状態を示す概略断面図
【図2】図1のA−A矢視概略図
【図3】図2のB−B矢視概略図
【図4】図2のC−C矢視概略図
【図5】図1の実施例の誘導加熱コイルの概略斜視図
【図6】本発明者らが先に試作した誘導加熱コイルを用
いてH形鋼の曲げ加工を行う状態を示す概略断面図
【図7】図6のD−D矢視概略図
【図8】図7のE−E矢視概略図
【符号の説明】
1 H形鋼 1A ウェブ部 1B フランジ部 2 誘導加熱コイル 3 旋回アーム 12 誘導加熱コイル 13 コイル本体 14A、14B 接続導管 13A 第一ウェブ加熱部 13B 第二ウェブ加熱部 13C フランジ加熱部 13a 第一平坦面 13b 第二平坦面 13c 第三平坦面 15 噴射孔 16 冷却水 17 加熱された部分 20 水冷用ジャケット20 21 噴射孔 25 予備冷却ジャケット 26 噴射孔 27 冷却水

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 肉厚の薄い薄肉部を有する条材又は板材
    の表裏に亘る全周面に沿った形状のコイル本体を備え、
    そのコイル本体が、前記薄肉部をはさんで配置される第
    一加熱部と第二加熱部を有すると共に、その第一加熱部
    と第二加熱部が前記薄肉部の長手方向にずれた位置を加
    熱する構成であることを特徴とする誘導加熱コイル。
  2. 【請求項2】 H形鋼の表裏に亘る全周面に沿った形状
    のコイル本体を備え、そのコイル本体が、H形鋼のウェ
    ブ部の一方の面に対向配置される第一ウェブ加熱部と、
    ウェブ部の他方の面に対向配置される第二ウェブ加熱部
    と、H形鋼のフランジ部に対向配置されるフランジ加熱
    部を有すると共に、前記第一ウェブ加熱部と第二ウェブ
    加熱部が前記ウェブ部の長手方向にずれた位置を加熱す
    る構成であり、且つ前記第一ウェブ加熱部と第二ウェブ
    加熱部とによるH形鋼の長手方向の加熱領域が、前記フ
    ランジ加熱部によるH形鋼の長手方向の加熱領域にほほ
    ぼ一致する構成であることを特徴とするH形鋼加熱用の
    誘導加熱コイル。
  3. 【請求項3】 H形鋼を取り囲むように請求項1又は2
    に記載の誘導加熱コイルをセットし、その誘導加熱コイ
    ルでH形鋼を局部的に加熱しながら、その誘導加熱コイ
    ルをH形鋼の長手方向に相対的に移動させ、同時に前記
    誘導加熱コイルで加熱した部分の下流側のほぼ全周を冷
    却すると共に上流側のウェブ部の中央部分を冷却し、同
    時に前記誘導加熱コイルで加熱された部分に曲げモーメ
    ントを作用させて曲げ加工を行うことを特徴とするH形
    鋼の曲げ加工方法。
JP12261096A 1996-04-19 1996-04-19 誘導加熱コイル及び曲げ加工方法 Expired - Fee Related JP3701740B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12261096A JP3701740B2 (ja) 1996-04-19 1996-04-19 誘導加熱コイル及び曲げ加工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12261096A JP3701740B2 (ja) 1996-04-19 1996-04-19 誘導加熱コイル及び曲げ加工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09289077A true JPH09289077A (ja) 1997-11-04
JP3701740B2 JP3701740B2 (ja) 2005-10-05

Family

ID=14840214

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12261096A Expired - Fee Related JP3701740B2 (ja) 1996-04-19 1996-04-19 誘導加熱コイル及び曲げ加工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3701740B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP3701740B2 (ja) 2005-10-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN102791395B (zh) 弯曲构件的制造方法及制造装置
JP5985141B2 (ja) 誘導加熱コイル、熱処理装置、及び熱処理方法
JPS62292279A (ja) 溶接管製造装置
US3015018A (en) Heating apparatus
JPH09289077A (ja) 誘導加熱コイル及び曲げ加工方法
JP2002263870A (ja) 突き合わせ溶接された鋼板または鋼帯の製造装置及び製造方法
JPH11290931A (ja) ストリップエッジの誘導加熱装置の加熱電力制御方法および加熱電力制御装置
JPS58210123A (ja) クラツド鋼管の熱処理方法
JP3250970B2 (ja) 電縫鋼管の冷却装置
JP3761328B2 (ja) 誘導加熱コイル
GB2104106A (en) Heat treatment of weld seams
JPS6397373A (ja) 高周波電縫管の溶接方法とその装置
JPH0938712A (ja) 金属板の誘導加熱方法
JPH08215872A (ja) 高炭素鋼帯の溶接方法及びその装置
JP3651279B2 (ja) シーム加工温調設備列
JPS6323913Y2 (ja)
JP2002161311A (ja) 大型球面の誘導加熱焼入方法及び加熱コイル
JPS6213218A (ja) 高周波加熱による管曲げ装置
JPH11170019A (ja) 金属の連続鋳造方法及び装置
JPS62292281A (ja) 溶接管製造用ロ−ラ
JPS591635A (ja) 電縫鋼管の製造方法
JPH01240622A (ja) 容器溶接部の残留応力改善方法
JPH046768B2 (ja)
JP3548518B2 (ja) クランクシャフトの高周波加熱コイル体
JP5886992B2 (ja) 誘導加熱焼入装置及び誘導加熱焼入方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050223

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050419

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050617

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050712

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050714

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080722

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090722

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100722

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110722

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110722

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120722

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130722

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140722

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees