JPH09288288A - 光機能素子 - Google Patents

光機能素子

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JPH09288288A
JPH09288288A JP9973196A JP9973196A JPH09288288A JP H09288288 A JPH09288288 A JP H09288288A JP 9973196 A JP9973196 A JP 9973196A JP 9973196 A JP9973196 A JP 9973196A JP H09288288 A JPH09288288 A JP H09288288A
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JP
Japan
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light
branch
input
optical
refractive index
Prior art date
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JP9973196A
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English (en)
Inventor
Mitsuharu Matsumoto
光晴 松本
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Sanyo Electric Co Ltd
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Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光双安定特性を有し、かつ作製が容易な光機
能素子を提供することである。 【構成】 光機能素子は非線形Y分岐光導波路からな
り、入力側の分枝aおよび出力側の分枝b,cを有す
る。GaAs基板1上に、Ga0.5 Al0.5 Asからな
るクラッド層2およびGa0.8 Al0.2 Asからなる導
波層3が順に形成されている。導波層3上にはGa0.5
Al0.5 Asからなるクラッド層4がY形状に形成さ
れ、一方の出力側の分枝bにおけるクラッド層4上にG
0.87Al0.13Asからなる可飽和吸収層5が形成され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光双安定特性を有
する光機能素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、非線形光学効果を利用した光機能
素子が注目を集めている。例えば、電子情報通信学会技
術報告,光量子エレクトロニクス,Vol.9,No.
68,第13頁〜18頁,OQE90−15および19
90年電子情報通信学会春季全国大会予稿集,第4−2
74頁,C−219には、光屈折率効果(光カー効果)
を用いた非線形Y分岐光導波路および非線形X分岐光導
波路が提案されている。
【0003】図12および図13はそれぞれ上記の文献
に提案されている非線形Y分岐光導波路および非線形X
分岐光導波路を示す図である。図12において、入力側
の分枝11および出力側の分枝12,13はそれぞれ単
一モード光導波路からなる。分枝11および分枝12は
線形媒質により形成され、分枝13は非線形媒質により
形成されている。非線形媒質とは、一般に、屈折率が電
界によって変化する媒質をいう。ここで用いる非線形媒
質は光強度(光電力)の増加に伴って屈折率が上昇す
る。分枝13の幅は分枝12の幅に比べて狭くなってい
る。それにより、光強度が弱く非線形屈折率効果による
屈折率変化が小さい範囲では、分枝13の等価屈折率は
分枝12に比べて低くなっている。
【0004】入力光ILを分枝11より入力する。入力
光ILの光強度が弱いときには、その入力光ILは等価
屈折率の高い分枝12へ伝搬する。このとき、入力光I
Lの一部は分枝13へ漏れている。
【0005】入力光ILの光強度を増加させると、非線
形屈折率効果により分枝13の等価屈折率が上昇する。
さらに入射光ILの光強度を増加させると、ある値の光
強度で分枝13の等価屈折率が分枝12の等価屈折率よ
りも高くなる。これにより、入力光ILは等価屈折率の
高い分枝13へ伝搬するようになる。
【0006】このように、入力光ILの光強度を変化さ
せることによりその入力光ILの分枝12,13への出
力を切り換えることができる。すなわち、図12の非線
形Y分岐光導波路は光双安定特性を有する光スイッチと
して動作する。
【0007】次に、図13において、入力側の分枝2
1,22および出力側の分枝23,24はそれぞれ単一
モード光導波路からなる。分枝21,22,23は線形
媒質により形成され、分枝24は非線形媒質により形成
されている。分枝21,22の幅は等しく、分枝23は
分枝24に比べて広くなっている。それにより、光強度
が弱く非線形屈折率効果による屈折率変化が小さい範囲
では、分枝23の等価屈折率は分枝24の等価屈折率に
比べて高くなっている。
【0008】信号光SLを分枝21より入力し、制御光
CLを分枝22より入力する。制御光CLの光強度が弱
いときには、信号光SLおよび制御光CLは等価屈折率
の高い分枝23へ伝搬する。
【0009】制御光CLの光強度を増加させると、非線
形屈折率効果により分枝24の等価屈折率が上昇する。
さらに制御光CLの光強度を増加させると、ある値の光
強度で分枝24の等価屈折率が分枝23の等価屈折率よ
りも高くなる。それにより、信号光SLは等価屈折率の
高い分枝24へ伝搬し、制御光CLは等価屈折率の低い
分枝23へ伝搬する。
【0010】このように、制御光CLの光強度を変化さ
せることにより信号光SLの分枝23,24への出力を
切り換えることができる。すなわち、図12の非線形X
分岐光導波路も光双安定特性を有する光スイッチとして
動作する。
【0011】また、信号光SLによる分枝24の屈折率
変化が十分大きければ、その後制御光CLの光強度が低
下しても信号光SLは分枝24への伝搬し続ける。すな
わち、図12の非線形X分岐光導波路は光メモリとして
も動作する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記の文献には、非線
形Y分岐光導波路および非線形X分岐光導波路における
非線形媒質として半導体ドープガラスまたは多重量子井
戸構造光導波路を用いることが記載されている。しかし
ながら、線形媒質からなる光導波路と同一平面の一部分
に異なる材料の半導体ドープガラスまたは多重量子井戸
構造光導波路を作製することは非常に困難である。
【0013】本発明の目的は、光双安定特性を有し、か
つ作製が容易な光機能素子を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段および発明の効果】第1の
発明に係る光機能素子は、入力側光導波路と、入力側光
導波路から分岐する複数の出力側光導波路と、複数の出
力側光導波路のいずれかに沿って設けられた可飽和吸収
層とを備える。
【0015】ここで、可飽和吸収層とは、所定の波長の
光に対して可飽和吸収特性を有する層をいう。第1の発
明に係る光機能素子において、可飽和吸収層が設けられ
た出力側光導波路の等価屈折率は、他の出力側光導波路
に比べて高くなる。入力側光導波路への入力光の光強度
が低い場合には、可飽和吸収層の吸収係数が高いので、
可飽和吸収層を有する出力側光導波路における光の吸収
損失が大きくなる。したがって、入力光は、吸収損失の
小さい他の出力側光導波路へ伝搬する。
【0016】入力光の光強度を増加させた場合、ある値
の光強度で可飽和吸収層の吸収係数が急激に低下し、可
飽和吸収層を有する出力側光導波路における光の吸収損
失が小さくなる。それにより、入力光は、可飽和吸収層
を有する等価屈折率の高い出力側光導波路へ伝搬する。
【0017】このように、入力光の光強度を変化させる
ことによりその入力光が出力される出力側光導波路を切
り換えることができる。すなわち、光機能素子は光双安
定特性を有する光スイッチとして動作する。
【0018】また、入力光が可飽和吸収層を有する出力
側光導波路に切り換わった後には、可飽和吸収層に既に
十分な光が吸収されているので、入力光の光強度をある
程度減少させても、可飽和吸収層の吸収係数が低く保た
れ、入力光は可飽和吸収層を有する出力側光導波路へ伝
搬し続ける。すなわち、光機能素子は光メモリとしても
動作する。
【0019】さらに、出力側光導波路に沿って可飽和吸
収層を設けることにより、同一平面の一部分に異なる材
料からなる光導波路を作製する必要がなくなり、光機能
素子を容易に製造することができる。
【0020】第2の発明に係る光機能素子は、互いに合
流する複数の入力側光導波路と、複数の入力側光導波路
の合流部から分岐する複数の出力側光導波路と、複数の
出力側光導波路のいずれかに沿って設けられた可飽和吸
収層とを備える。
【0021】第2の発明に係る光機能素子において、可
飽和吸収層が設けられた出力側光導波路の等価屈折率
は、他の出力側光導波路に比べて高くなる。1つの入力
側光導波路への入力光の光強度が低い場合には、可飽和
吸収層の吸収係数が高いので、可飽和吸収層を有する出
力側光導波路における光の吸収損失が大きくなる。した
がって、他の入力側光導波路への入力光は、吸収損失の
小さい他の出力側光導波路へ伝搬する。
【0022】上記の1つの入力光の光強度を増加させた
場合、ある値の光強度で可飽和吸収層の吸収係数が急激
に低下し、可飽和吸収層を有する出力側光導波路におけ
る光の吸収損失が小さくなる。それにより、上記の他の
入力光は、可飽和吸収層を有する等価屈折率の高い出力
側光導波路へ伝搬する。
【0023】このように、1つの入力側光導波路への入
力光の光強度を変化させることにより他の入力側光導波
路への入力光が出力される出力側光導波路を切り換える
ことができる。すなわち、光機能素子は光双安定特性を
有する光スイッチとして動作する。
【0024】また、他の入力側光導波路への入力光が可
飽和吸収層を有する出力側光導波路に切り換わった後に
は、可飽和吸収層に既に十分な光が吸収されているの
で、1つの入力側光導波路への入力光の光強度をある程
度減少させても、可飽和吸収層の吸収係数が低く保た
れ、他の入力側光導波路への入力光は可飽和吸収層を有
する出力側光導波路へ伝搬し続ける。すなわち、光機能
素子は光メモリとしても動作する。
【0025】さらに、出力側光導波路に沿って可飽和吸
収層を設けることは容易であるので、光機能素子を容易
に製造することができる。第3の発明に係る光機能素子
は、第1または第2の発明に係る光機能素子の構成にお
いて、可飽和吸収層が、入力側光導波路への入力光のエ
ネルギーとほぼ等しいエネルギーのバンドギャップを有
するものである。
【0026】これにより、入力光が可飽和吸収層に吸収
されるので、入力光の光強度を変化させて可飽和吸収層
を有する出力側光導波路における光の吸収損失を変化さ
せることにより、入力光が出力される出力側光導波路を
確実に切り換えることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】図1は本発明の第1の実施例によ
る光機能素子の模式的斜視図である。図1の光機能素子
は非線形Y分岐光導波路からなり、入力側の分枝aおよ
び出力側の分枝b,cを有する。
【0028】GaAs基板1上に、厚さ1μmのGa
0.5 Al0.5 Asからなるクラッド層2および厚さ0.
1μmのGa0.8 Al0.2 Asからなる導波層3が順に
形成されている。導波層3上には、厚さ0.3μmのG
0.5 Al0.5 Asからなるクラッド層4がY形状に形
成され、一方の出力側の分枝bにおけるクラッド層4上
に厚さ0.02μmのGa0.87Al0.13Asからなる可
飽和吸収層5が形成されている。クラッド層4の各分枝
a,b,cの幅Wは例えば4μmである。
【0029】光源として例えば波長780nmのレーザ
光を出射する半導体レーザが使用され、入力側の分枝a
に入力光ILが入力される。可飽和吸収層5は、入力光
ILの波長に相当するエネルギーとほぼ等しいエネルギ
ーのバンドギャップを有する。
【0030】図2は図1の光機能素子の出力側の分枝
b,cの断面図である。ここで、光機能素子の周囲の媒
質の屈折率をn0 とし、可飽和吸収層5の屈折率をnSA
とし、クラッド層4の屈折率をnC1とする。また、導波
層3の屈折率をnWGとし、クラッド層2の屈折率をnC2
とする。
【0031】導波層3の屈折率nWGが最も高く、可飽和
吸収層5の屈折率nSAは周囲の媒質(例えば空気)の屈
折率n0 よりも高い。図2に示すように、分枝b,cに
おけるクラッド層4の下部の導波層3にそれぞれ光導波
路WGが形成される。
【0032】この光機能素子では、出力側の分枝bにお
けるクラッド層4上に周囲の媒質の屈折率n0 よりも高
い屈折率nSAを有する可飽和吸収層5が設けられている
ので、分枝bの光導波路WGの等価屈折率が分枝cの光
導波路WGの等価屈折率よりも高くなっている。
【0033】図3に可飽和吸収層5における光強度と吸
収係数との関係を示す。可飽和吸収層5は、そのバンド
ギャップのエネルギーにほぼ相当する波長の光を吸収す
るが、ある量以上の光を吸収すると、それ以上光を吸収
することができなくなる。したがって、可飽和吸収層5
の吸収係数は、入力光の光強度が小さい範囲では高くな
っているが、光強度がある値を越えると吸収係数が急激
に低下する。すなわち、可飽和吸収層5は、所定の波長
の入力光の光強度がある値を越えると、その入力光を吸
収せず、入力光に対して透明になる。
【0034】次に、図4を参照しながら図1の光機能素
子の動作を説明する。上記のように、分枝bには可飽和
吸収層5が設けられているので、分枝bの等価屈折率は
分枝cの等価屈折率に比べて高くなっている。
【0035】図4(a)に示すように、入力光ILを分
枝aより入力する。入力光ILの光強度が小さいときに
は、分枝bの可飽和吸収層5の吸収係数が高いので、分
枝bにおいて光の吸収損失が生じる。そのため、入力光
ILは、吸収損失の小さい分枝cへ伝搬する。このと
き、入力光ILの一部は分枝bにも漏れている。
【0036】入力光ILの光強度を増加させると、図3
に示したように、ある値の光強度で可飽和吸収層5の吸
収係数が急激に低下し、分枝bにおける光の吸収損失が
急激に減少する。その結果、入力光ILは等価屈折率の
高い分枝bへ伝搬する。
【0037】図5(a),(b)は分枝bおよび分枝c
における入力光強度と出力光強度との関係を示す図であ
る。図5(a)に示すように、分枝bでは、入力光強度
を増加させた場合、光強度I2 で出力光強度が急峻に上
昇する。その後入力光強度を減少させた場合、光強度I
2 よりも低い光強度I1 で出力光強度が急峻に低下す
る。一方、図5(b)に示すように、分枝cでは、入力
光強度を増加させた場合、光強度I2 で出力光強度が急
峻に低下する。その後入力光強度を減少させた場合、光
強度I1 で出力光強度が急峻に上昇する。すなわち、入
力光強度によって分枝b,cの出力比が切り換わる。
【0038】このように、入力光ILの光強度を変化さ
せることによりその入力光ILの分枝b,cへの出力を
切り換えることができる。すなわち、図1の光機能素子
は光双安定特性を有する光スイッチとして動作する。
【0039】また、入力光ILの光強度がI1とI2の
間に設定されている場合、出力が分枝bへ切り換わった
後には、分枝bの可飽和吸収層5には既に十分な光が吸
収されているので、入力光ILの光強度をある程度減少
させても可飽和吸収層5の吸収係数が低く保たれ、入力
光ILは分枝bへ伝搬し続ける。すなわち、図1の光機
能素子は光メモリとしても動作する。
【0040】このような光スイッチおよび光メモリの動
作は、外部からの制御光によっても実現可能である。す
なわち、入力光ILの光強度を一定とし、可飽和吸収層
の部分に例えばその上部側から、または基板が制御光を
透過する場合は基板の裏面側から、あるいはこれら2つ
の側から等、適宜外部から制御光を照射することによ
り、出力を分枝cから分枝bへ切り換えることができ
る。入力光ILの光強度をI1とI2の間に設定した場
合、光メモリとして動作する。
【0041】可飽和吸収層5はクラッド層2、導波層3
およびクラッド層4と同様にMOCVD法(有機金属気
相成長法)、MBE法(分子線エピタキシャル成長法)
等によりGaAs基板上に連続的に成長させることがで
きるので、作製が容易である。
【0042】図6は本発明の第2の実施例による光機能
素子の模式的斜視図である。図6の光機能素子は非線形
X分岐光導波路からなり、入力側の分枝A,Bおよび出
力側の分枝C,Dを有する。
【0043】GaAs基板1上にクラッド層2および導
波層3が順に形成されている。導波層3上にはクラッド
層4がX形状に形成され、一方の出力側の分枝Cにおけ
るクラッド層4上に可飽和吸収層5が形成されている。
クラッド層2、導波層3、クラッド層4および可飽和吸
収層5の材料および厚さは図1の光機能素子と同様であ
る。
【0044】信号光SLおよび制御光CLとしては第1
の実施例と同様に780nmの半導体レーザ光を使用し
た。本実施例の光機能素子では、出力側の分枝Cにおけ
るクラッド層4上に周囲の媒質よりも高い屈折率を有す
る可飽和吸収層5が設けられているので、分枝Cの光導
波路の等価屈折率が分枝Dの光導波路の等価屈折率より
も高くなっている。
【0045】次に、図7を参照しながら図6の光機能素
子の動作の一例を説明する。ここでは、分枝Bの等価屈
折率が分枝Aの等価屈折率に比べて高いものとする。図
7(a)に示すように、信号光SLを分枝Bより入力
し、制御光CLを分枝Aより入力する。制御光CLの光
強度が小さいときには、図3に示したように、可飽和吸
収層5の吸収係数が高く、分枝Cにおいて光の吸収損失
が生じる。そのため、信号光SLは吸収損失の小さい分
枝Dへ伝搬する。
【0046】制御光CLの光強度を増加させると、ある
値の光強度で可飽和吸収層5の吸収係数が急激に低下
し、分枝Cにおける光の吸収損失が小さくなる。その結
果、図7(b)に示すように、信号光SLは、等価屈折
率の高い分枝Cへ伝搬する。
【0047】このように、制御光CLの光強度を変化さ
せることにより信号光SLの分枝C,Dへの出力を切り
換えることができる。すなわち、図6の光機能素子は双
安定特性を有する光スイッチとして動作する。
【0048】また、信号光SLが分枝Cへ切り換わった
後には、分枝Cの可飽和吸収層5には既に十分な光が吸
収されているので、制御光CLの光強度をある程度減少
させても可飽和吸収層5の吸収係数が低く保たれ、信号
光SLは分枝Cへ伝搬し続ける。すなわち、図6の光機
能素子は光メモリとしても動作する。
【0049】なお、図6の光機能素子を光スイッチとし
て用いる場合には、可飽和吸収層5が制御光CLに対し
て可飽和吸収特性を示せばよいが、図6の光機能素子を
光メモリとして用いる場合には、可飽和吸収層5が信号
光SLおよび制御光CLの両方に対して可飽和吸収特性
を示す必要がある。
【0050】次に、図8および図9を参照しながら図6
の光機能素子の動作の他の例を説明する。ここでは、分
枝A,Bの等価屈折率が等しいものとする。また、上記
のように、出力側の分枝Cにおけるクラッド層4上には
可飽和吸収層5が設けられているので、分枝Cの光導波
路の等価屈折率が分枝Dの光導波路の等価屈折率よりも
高くなっている。
【0051】図8(a)に示すように、分枝Aおよび分
枝Bに波長が例えば780nmと等しく、同相の光L
1,L2をそれぞれ入力すると、分枝A,Bに偶モード
が励振され、結合光導波路で基本モード(0次モード)
に変換される。
【0052】通常、結合光導波路に生じる偶モードは等
価屈折率の高い光導波路に大きな山を有し、結合光導波
路に生じる奇モードは等価屈折率の低い光導波路に大き
な山を有する。したがって、基本モードの光は等価屈折
率の高い光導波路に出力され、1次モードの光は等価屈
折率の低い光導波路に出力される。
【0053】しかしながら、本実施例の光機能素子で
は、光L1,L2の光強度が小さいときに可飽和吸収層
5により分枝Cにおける光の吸収損失が大きくなるた
め、図8(a)に示すように、基本モードの光のほとん
どが吸収損失の小さい分枝Dに伝搬し、出力光L3とし
て出力される。
【0054】光L1,L2の光強度を増加させると、あ
る値の光強度で可飽和吸収層5の吸収係数が急激に低下
し、分枝Cにおける光の吸収損失が小さくなる。その結
果、図8(b)に示すように、基本モードの光のほとん
どが等価屈折率の高い分枝Cへ伝搬し、出力光L3とし
て出力される。
【0055】一方、図9(a)に示すように、分枝Aお
よび分枝Bに波長の等しい逆相の光L1,L2をそれぞ
れ入力すると、分枝A,Bに奇モードが励振され、結合
光導波路で1次モードに変換される。そのため、光強度
が小さいときには吸収損失の小さい分枝Dに出力光L3
として出力される。光強度を増加させると、可飽和吸収
層の吸収係数は急激に低下するが、この場合も等価屈折
率の小さい分枝Dに出力光L3として出力される。すな
わち、光強度にかかわらず分枝Dに出力されることにな
る。光L1,L2の光強度を増加させると、ある値の光
強度で可飽和吸収層5の吸収係数が急激に低下し、図9
(b)に示すように、1次モードの光のほとんどが等価
屈折率の低い分枝Dへ伝搬し、出力光L3として出力さ
れる。
【0056】この結果、次のような動作が可能になる。
図10において、光L1の光強度を図中Pとする。最初
光L2がない状態で、出力光は分枝Dに出力されている
とする(図10(a)参照)。ここに光L1と同相で光
強度が同程度の光L2を制御光として入力すると、合計
の光強度が図中I2を越えるため、出力は分枝Cに切り
換わる(図10(b)参照)。光L2を再びなくして
も、光強度はI1以下にならないため、分枝Cに出力さ
れたままになる(図10(c)参照)。この状態で、光
L2を光L1と逆相で入力すると、出力は分枝Dに切り
換わる(図10(d)参照)。光L2をなくしても、や
はり出力は分枝Dのままである(図10(e)参照)。
すなわち、光L1を変化させることなく、光L2の位相
によって出力を分枝Cと分枝Dの間で切り換え、光L2
がないときには状態を記憶するという光メモリとして動
作する。
【0057】また、第1の実施例と同様に、外部光によ
る制御も可能である。なお、上記第1および第2の実施
例では、可飽和吸収層5が分枝b,Cにおけるクラッド
層4上のみに形成されているが、これに限らず、例えば
図10に示すように、可飽和吸収層5を分枝bのクラッ
ド層4を含む矩形の領域に形成してもよい。
【0058】また、上記第1および第2の実施例の光機
能素子では、可飽和吸収層5が光導波路の上部に設けら
れているが、可飽和吸収層5を光導波路の下部に設けて
もよく、あるいは可飽和吸収層5を光導波路の側部に設
けてもよい。なお、導波層3下のクラッド層2を設けな
くてもよい。
【0059】さらに、上記第1および第2の実施例の光
機能素子では、光導波路および可飽和吸収層がGaAl
As系半導体により形成されているが、光導波路および
可飽和吸収層の材料はこれに限定されず、例えば、In
GaAlP系、InGaAsP系、ZnSSe系、Ga
AlN系、InGaAlN系等の種々の半導体およびこ
れらの混晶や量子井戸を用いてもよい。さらに、ガラス
やLiNbO3 、LiTaO3 等の誘電体材料を光導波
路として用い、可飽和吸収層として半導体ドープガラス
を用いてもよい。
【0060】上記第2の実施例の光機能素子において、
信号光SLおよび制御光CLとして780nmの半導体
レーザ光を使用したが、信号光SLと制御光CLの波長
が等しい必要はなく、それぞれ可飽和吸収層のバンドギ
ャップにほぼ等しいエネルギーを持つ波長の光であれば
よい。また、それぞれインコヒーレント光であっても構
わない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による光機能素子の模式
的斜視図である。
【図2】図1の光機能素子の出力側の分枝の断面図であ
る。
【図3】図1の光機能素子の可飽和吸収層における光強
度と吸収係数との関係を示す図である。
【図4】図1の光機能素子の動作の一例を示す図であ
る。
【図5】図1の光機能素子の入力光強度と2つの出力側
の分枝の出力光強度との関係を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施例による光機能素子の模式
的斜視図である。
【図7】図6の光機能素子の動作の一例を示す図であ
る。
【図8】図6の光機能素子の動作の他の例を示す図であ
る。
【図9】図6の光機能素子の動作の他の例を示す図であ
る。
【図10】図9の動作における入力光強度と出力光強度
との関係を示す図である。
【図11】可飽和吸収層の他の例を示す平面図である。
【図12】従来の非線形Y分岐光導波路を示す図であ
る。
【図13】従来の非線形X分岐光導波路を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 GaAs基板 2,4 クラッド層 3 導波層 5 可飽和吸収層 a,b,c,A,B,C,D 分枝

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力側光導波路と、 前記入力側光導波路から分岐する複数の出力側光導波路
    と、 前記複数の出力側光導波路のいずれかに沿って設けられ
    た可飽和吸収層とを備えたことを特徴とする光機能素
    子。
  2. 【請求項2】 互いに合流する複数の入力側光導波路
    と、 前記複数の入力側光導波路の合流部から分岐する複数の
    出力側光導波路と、 前記複数の出力側光導波路のいずれかに沿って設けられ
    た可飽和吸収層とを備えたことを特徴とする光機能素
    子。
  3. 【請求項3】 前記可飽和吸収層は、前記入力側光導波
    路への入力光のエネルギーとほぼ等しいエネルギーのバ
    ンドギャップを有することを特徴とする請求項1または
    2記載の光機能素子。
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