JPH09287570A - オイルフリー二段往復圧縮機の連接棒小端部 - Google Patents

オイルフリー二段往復圧縮機の連接棒小端部

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JPH09287570A
JPH09287570A JP12246196A JP12246196A JPH09287570A JP H09287570 A JPH09287570 A JP H09287570A JP 12246196 A JP12246196 A JP 12246196A JP 12246196 A JP12246196 A JP 12246196A JP H09287570 A JPH09287570 A JP H09287570A
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JP
Japan
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piston
pressure side
connecting rod
grease
small end
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JP12246196A
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English (en)
Inventor
Shigemi Sato
繁美 佐藤
Shigeo Takada
重男 高田
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Anest Iwata Corp
Original Assignee
Anest Iwata Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 無給油式往復圧縮機を、圧縮効率の高い、オ
イルフリー二段往復圧縮機とするために、ピストンを駆
動する連接棒小端部の軸受け部に付設する潤滑グリス封
入型ニードルベアリングの耐久性を向上させて、オイル
フリー二段往復圧縮機の長寿命化を図ることを目的とす
るものである。 【構成】 二段往復圧縮機の低圧側ピストンのピストン
ピンに、グリス封入型保持器付ニードルベアリングを嵌
合付設し、高圧側ピストンのピストンピンにグリス封入
型総コロニードルベアリングを嵌合付設したオイルフリ
ー二段往復圧縮機の連接棒小端部の構成である。又、高
圧側ピストンの連接棒小端部に付設する潤滑グリス封入
型の総コロニードルベアリングは、連接棒の揺動によっ
て誘起する、ニードルベアリング臨界半角αが、ピスト
ンピンの摺動範囲の揺動半角βより、揺動角度が小(α
<β)となるようにしたオイルフリー二段往復圧縮機の
連接棒小端部の構成である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】無給油式往復圧縮機に、圧縮効率
の高い二段圧縮機構を採用するために、ピストンを駆動
する連接棒小端部の軸受け構造を改良して、耐久性のあ
るオイルフリー二段往復圧縮機を新たに提供しようとす
るものである。
【0002】
【従来の技術】往復圧縮機には、給油式のものと、無給
油式のオイルフリー型がある。給油式の場合は、クラン
クケースに貯留される潤滑油が、連接棒下方に付設され
るオイル掻き羽根の掻き揚げによって、常にピストン部
やピストンピン部に給油されることからピストンピン部
には、開放型のニードルベアリングが使われるのが一般
的である。オイルフリー型往復圧縮機では給油がないこ
とから連接棒小端部の摺動部は、自己潤滑を行なわなけ
ればならない。そのため、連接棒小端部には潤滑グリス
封入型のニードルベアリングが使用されている。そし
て、前記ニードルベアリングに封入されている潤滑グリ
スによって長期の耐久性を保持しなければならない。
【0003】二段往復圧縮機は、0.8〜1.5MPa
の圧縮空気を作る効率の良い機構であり、給油式往復圧
縮機では、広く一般的に採用されている公知の圧縮機で
ある。ところが、オイルフリー往復圧縮機では、軸受け
その他摺動部の潤滑の問題があり、耐久性等の機械の信
頼性が低くなることから、無給油式のオイルフリー型で
の二段圧縮機は殆ど製作されていないのが現状である。
このオイルフリー二段往復圧縮機において、問題となる
最大の課題として、連接棒小端部の潤滑耐久性が劣る問
題があり、具体的には、通常の潤滑グリス封入型のニー
ドルベアリングを使用しても、尚耐久性の向上が図れな
い問題がある。
【0004】二段往復圧縮機は、シリンダ径の大きい低
圧側の気筒で、数気圧に一段圧縮された圧縮空気が、中
間冷却されて、高圧側気筒に供給され二段圧縮される。
この二段圧縮の機構において、低圧側の一段圧縮では、
大気を吸込むピストンの下降行程では、吸込負圧によっ
て、ピストンに働く力はシリンダカバー側、すなわち、
上方に働き、反対に、ピストンの上昇行程では、吸込ん
だ空気を数気圧に一段圧縮するとき、ピストンに働く力
は、連接棒側、すなわち、下方に働く。したがって、低
圧側の一段圧縮では、連接棒小端部のピストンピンに加
えられる力は、上方下方の交番荷重となる。一方高圧側
の二段圧縮では、数気圧に圧縮された空気が供給される
ことから、高圧側ピストンに働く力は常に下方向の連接
棒側に働き、ピストンピンにはピストンの上昇、下降行
程共に常に下方向の荷重が加えられていることになる。
【0005】上記ピストンピンに加わる荷重において、
ピストンピンに潤滑グリス封入型のニードルベアリング
を嵌合して潤滑を保持しようとするとき、低圧側気筒で
はピストンのシリンダ内の上下摺動に従って、連接棒が
比較的狭い角度で揺動する連接棒の揺動によって、ピス
トンピンはニードルベアリングのコロに対して揺動摺動
する。そして、揺動摺動する位置は、ピストンピンの上
昇時、下降時の交番荷重と、ピストン下降時ピストンピ
ンに加わる力が殆ど無負荷状態になることによって、ピ
ストンピンは徐々にどちらかに回転する。したがって、
ピストンピンと、ニードルベアリングのコロとの摺動位
置は徐々に移動し、コロ間に封入される潤滑グリスもコ
ロ間を移動して潤滑が保持される。
【0006】一方高圧側気筒においても、ピストンの上
下摺動に従って、連接棒が低圧側と略同じ角度で揺動す
る。したがって、連接棒の揺動によってピストンピン
は、ニードルベアリングのコロに対して揺動摺動する。
そして、揺動摺動するとき、高圧側ピストンの連接棒小
端部のピストンピンには常に下方向の荷重が加わってい
るために、低圧側のような自由な回転作用が抑制され、
ピストンピンと、コロが長時間略一定位置で揺動摺動す
る、この一定位置で揺動摺動するために、常に荷重を受
ける部分でグリス切れを起こし、ピストンピンに相対的
な繰り返し微小滑りを生じて摩耗する現象すなわちフレ
ッティングが発生し、長期の耐久性が維持されなくなる
と共に、最悪状態では、ニードルベアリングのコロ若し
くは、ニードルベアリングの保持器まで摩耗し、小端部
が破損する問題となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
本発明は無給油式往復圧縮機を、圧縮効率の高いオイル
フリー二段往復圧縮機とするとき、圧縮機のピストンを
駆動する連接棒小端部のピストンピンに嵌合付設する潤
滑グリス封入型ニードルベアリングが、短寿命の問題が
あることより、該潤滑グリス封入型ニードルベアリング
を、二段圧縮機の高圧側、低圧側気筒の作動条件に合わ
せて、改良された適正条件の前記潤滑グリス封入型ニー
ドルベアリングを選択付設することによって、連接棒小
端部軸受け構造の長寿命化を図ることを目的とするもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、低圧側気筒と
高圧側気筒をもって、無給油で二段階のガス圧縮を行う
オイルフリー二段往復圧縮機であって、該圧縮機のピス
トンを駆動する連接棒小端部のピストンピンに嵌合付設
する潤滑グリス封入型コロ軸受けとして、低圧側ピスト
ンに、グリス封入型保持器付ニードルベアリングを付設
し、高圧側ピストンに、グリス封入型総コロニードルベ
アリングを付設したオイルフリー二段往復圧縮機の連接
棒小端部である。また、本発明は、往復圧縮機の連接棒
小端部のピストンピンに嵌合付設する潤滑グリス封入型
コロ軸受けにおいて、高圧側ピストンの連接棒小端部に
付設する潤滑グリス封入型総コロニードルベアリング
は、連接棒の揺動によって誘起する、ニードルベアリン
グ臨界半角αが、ピストンピンの摺動範囲の揺動半角β
より、揺動角度が小(α<β)となるようにした、オイ
ルフリー二段往復圧縮機の連接棒小端部である。
【0009】さらに、本発明は、低圧側気筒と高圧側気
筒をもって、無給油で二段階のガス圧縮を行うオイルフ
リー二段往復圧縮機であって、ピストンを駆動する連接
棒小端部の、ピストンピンに嵌合付設する潤滑グリス封
入型コロ軸受けとして、低圧側ピストンおよび、高圧側
ピストンに、潤滑グリス封入型総コロニードルベアリン
グを共に付設したオイルフリー二段往復圧縮機の連接棒
小端部である。
【0010】
【作用】シリンダ径大の低圧側気筒と、低圧側気筒内で
数気圧に圧縮された空気をシリンダ径小の高圧側気筒に
供給して二段圧縮を行う二段圧縮機は、気筒内での圧力
作用が異なり、低圧側気筒では吸込行程と圧縮行程時
に、ピストンに加わる空気圧力によって、連接棒小端部
のピストンピンに加えられる荷重が、往復圧縮機の1サ
イクル毎に、反対方向の交番荷重がかかるのに対して、
高圧側気筒では低圧側気筒で数気圧に圧縮された空気が
供給されることから、高圧側気筒内では連接棒小端部の
ピストンピンに加えられる荷重は、同一方向の脈動荷重
がかかっている。
【0011】上記二段往復圧縮機の作用において、連接
棒小端部に潤滑油が供給されない無給油式のオイルフリ
ー二段往復圧縮機では、潤滑グリス封入型のニードルベ
アリングが使用される。潤滑グリス封入型のニードルベ
アリングは、通常標準的な保持器付ニードルベアリング
が使用される。保持器付ニードルベアリングは、ニード
ルベアリングに一定のコロ間隔を持たせ、コロ間隔を保
持器によって支えている。そして、間隔をもたせたコロ
間に潤滑グリスが封入され一定のグリス量を保持してい
る。
【0012】この保持器付ニードルベアリングを低圧側
気筒の連接棒小端部のピストンピンに嵌合付設した場合
に、低圧側気筒では、前記したように、交番荷重がかか
り、ピストン下降行程時の無負荷状態の作動現象によっ
て、保持器付ニードルベアリングのコロおよび、ピスト
ンピンは、どちらかに徐々に回転して、保持器内に貯留
される潤滑グリスが順次補給されると共に、連接棒揺動
範囲に加わる最大荷重の摺動部分に当接するピストンピ
ンおよび、ニードルベアリングのコロの位置も徐々に移
動して、結果的に平均的に接触摺動して、長期の耐久性
が維持される。
【0013】一方高圧側気筒においては、前記したよう
に、数気圧の圧力が加わっている状態からの圧縮行程と
なるため、連接棒小端部のピストンピンに働く力は、一
定方向の脈動荷重となる。したがって、低圧側のような
コロやピスンピンの徐々の回転作用は殆ど誘起されず、
ピストンピンおよび、ニードルベアリングのコロは殆ど
定位置で揺動摺動が繰返される。そのため、コロ間隔内
に貯留される潤滑グリスの補給が部分的となり、潤滑グ
リス切れを起こし、ピストンピンおよび、ニードルベア
リングのコロ等にフレッテングにより部分的磨耗が発生
する。
【0014】本発明は、上記問題を解決するために、ニ
ードルベアリングのコロ同志が接触する潤滑グリス封入
型の総コロニードルベアリングを使用する。総コロニー
ドルベアリングは、保持器付ニードルベアリングに比較
して封入される潤滑グリス量が少ないが、コロ同志の接
触回転によって潤滑グリスの移動補充が行われ、ニード
ルベアリング全周の隙間に貯留される潤滑グリスが活用
されることによって潤滑の耐久性が保持される。
【0015】そして、前記総コロニードルベアリング
は、連接棒の揺動によって誘起されるピストンピンの摺
動範囲、すなわち、ピストンピンの揺動摺動角度に対し
て、ニードルベアリングが揺動する臨界角度が、小さい
角度となるものを選択することである。仮に、ニードル
ベアリングの臨界角度がピストンピンの揺動角度より大
きくなると、ニードルベアリングのコロの回転が不十分
となり、接触するコロ同志の潤滑グリスの移動が行われ
なくなる。
【0016】以上説明したように、低圧側ピストンの連
接棒小端部のピストンピンにグリス封入型保持器付ニー
ドルベアリングを嵌合付設し、高圧側ピストンのピスト
ンピンにグリス封入型総コロニードルベアリング付設し
て、オイルフリー二段往復圧縮機の連接棒小端部の耐久
性を維持するものであるが、上記組合わせに関連して、
低圧側の前記ピストンピンにグリス封入型総コロニード
ルベアリングを嵌合付設することも可能である。グリス
封入型総コロニードルベアリングは、前記したように、
封入する潤滑グリスの絶対量が少ない問題と、グリス封
入型総コロニードルベアリングが特殊仕様となることに
よるコストアップの問題があるが、オイルフリー二段往
復圧縮機の耐久性を維持する機構となることから、請求
項3に記載する構造を含めるものである。
【0017】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明
する。図1は、低圧側ピストンにグリス封入型保持器付
ニードルベアリングを、高圧側ピストンにグリス封入型
総コロニードルベアリングを嵌合付設したオイルフリー
二段往復圧縮機の連接棒小端部の、ニードルベアリング
直径方向の断面図を示し、図2は、高圧側、低圧側ピス
トンの、ニードルベアリングに嵌挿されるピストンピン
の長さ方向の断面図を示したものである。
【0018】図2によって、ピストンを駆動する連接棒
小端部の構造を説明する。連接棒小端部の構造は、低圧
側、高圧側共に基本構成は同じで、異なる点は低圧側は
ピストン径が大きく、したがって、ピストンに嵌挿され
るピストンピンの長さがピストン径に応じて長くなって
いるので、低圧側ピストンを代表例として、その符号を
付して説明する。ピストン1にピストンリング溝1aに
ピストリング7が低圧側が1本、高圧側が2本とりつけ
られている。ピストンリング溝1aの下にピストンピン
2を嵌挿する貫通孔1bが穿孔されている。ピストンピ
ン2はピストン1に対して回転可能に嵌挿され、ピスト
ンピン2がピストン1の直径方向への移動を押さえるた
めのOリング3がピストン1に穿設されるOリング溝に
嵌入されている。したがって、ピストンピン2は、その
両端面のいずれかがOリングに当接して、横移動が押さ
えられている。連接棒小端部4にニードルベアリング5
が嵌合され、ニードルベアリング5の内周面がピストン
ピン2の外周面に嵌合してセットされる。そして、ニー
ドルベアリング5のコロ間の間隙に潤滑グリスが充填さ
れ、オイルシール6によって、ニードルベアリング5の
両端部が密閉され、潤滑グリスが封入されている。
【0019】図1において、連接棒小端部4は、ピスト
ン1の上下摺動によって揺動する。揺動する角度は、ピ
ストン1のストロークと、図示しないクランク軸と小端
部4の間隔、すなわち連接棒の長さによって定まるもの
であるが、圧縮機の設計上1サイクルの適正なピストン
排除容積を得る適正な関係寸法としていて、連接棒4a
の揺動角度は、25°前後以下の比較的小さい揺動角度
となっている。そして、この比較的小さい揺動角度であ
ることからピストンピン2に働く力は部分的に集中し、
ニードルベアリングを回転させる範囲も狭い範囲となっ
ている。低圧側ピストン1のピストンピン2に嵌合付設
するグリス封入型保持器付ニードルベアリング5は、コ
ロ5aを適正間隔で配置し、コロ5a間に保持器5bに
よって間隔を保持している。そして、保持器5bの間隙
部に潤滑グリスが充填されている。
【0020】低圧側気筒では、作用の項で説明したよう
に、ピストン1の上昇行程では圧縮荷重で小端部4の上
方に力が加わり、ピストン下降行程では、ピストン1の
上に生じる負圧によって、ピストン1が上方に引き上げ
られ、小端部4の下方に力が加わる。この交番荷重の方
向が替わる死点では荷重が0となり、ピストンピン2お
よび、グリス封入型保持器付ニードルベアリング5は、
その時点で、フリーの状態となって、どちらかの方向に
回転する。そして、この作動が繰返されることによっ
て、ピストンピン2および、グリス封入型保持器付ニー
ドルベアリングの荷重を受ける位置が少しずつ替わると
共に、保持器に充填封入されている潤滑グリスも全周平
均的に使用され、連接棒小端部の耐久性が維持される。
【0021】ピストン径が小径の高圧側ピストン11に
嵌挿するピストンピン12および、連接棒小端部14の
断面は略同一寸法形状で形成されている。そして、連接
棒14aの揺動角度は、低圧側と同じ角度又は、小さい
角度となっている。小端部14に嵌合されるコロ軸受け
が、グリス封入型総コロニードルベアリング15で、コ
ロ15aが互いに接触して全周に配設され、コロ15a
間の隙間15bに潤滑グリスが充填されている。したが
って、グリス封入型総コロニードルベアリング15に封
入される潤滑グリスの量は、低圧側のグリス封入型保持
器付ニードルベアリング5に比較して少ない容量となっ
ている。
【0022】上記構成において、高圧側気筒の挙動は、
作用の項で述べたように、ピストン11上に、低圧側で
一段圧縮された数気圧の空気圧力によって、ピストン1
1には常に下方向に力が加わり、小端部14の上部に荷
重がかかっている。そして、上昇、下降行程共に同一方
向の荷重がかかるために、低圧側のようなフリー状態と
なる死点がなく、ピストンピン12および、グリス封入
型総コロニードルベアリング15は殆ど回転せず、圧縮
運転中は摺動部が一定位置で荷重を受けている。そのた
め、潤滑切れの現象が起きやすい問題が発生する。
【0023】高圧側ピストンに嵌合付設するグリス封入
型総コロニードルベアリング15は、コロ15aの本数
が多いことによって、狭いピストンピン12の摺動位置
で荷重を受けるコロ15aの数が多くなり、より高い荷
重に耐える効果をもつと共に、コロ15a同志が接触回
転し、コロ15aの揺動摺動時に、隣接するコロに対し
て、互いに潤滑グリスを押し合い、隣接するコロの潤滑
性を保持し合う特性によって、全周に封入される潤滑グ
リスが移動し、充填量は少ないが、全周の潤滑グリスを
使用することによって耐久性が維持されるものである。
【0024】図3(a)(b)は、低圧側ピストンに付
設するグリス封入型保持器付ニードルベアリング5と、
高圧側ピストンに付設するグリス封入型総コロニードル
ベアリング15によって、特にグリス封入型総コロニー
ドルベアリング15の付設条件を説明するための図であ
る。図3(a)は標準的に製作されている潤滑グリス封
入型保持器付ニードルベアリング5で、コロ5aが保持
器5bによって一定間隔で保持され、その間隔内に潤滑
グリスが充填されている。そして、符号2βは、連接棒
の揺動によって誘起されるピストンピンの摺動範囲を示
し、βは計算上のピストンピンの揺動半角の記号であ
る。αはニードルベアリングの臨界半角を示し、2αは
ニードルベアリングの臨界角度を示したものである。グ
リス封入型保持器付ニードルベアリング5では、揺動半
角βより臨界半角αが大きな角度となっている。これに
反し、図3(b)の高圧側に付設するグリス封入型総コ
ロニードルベアリング15においては、臨界半角が揺動
半角βより小となる角度、すなわち、α<βの条件を満
足するニードルベアリングのコロ径又は、コロ数が選択
されなければならない。これはコロ15aの接触回転に
よって、潤滑グリスの移動伝達補給を行うために、コロ
15aの回転をスムースに行うための条件となってい
る。
【0025】
【発明の効果】本発明は、オイルフリー二段往復圧縮機
の低圧側ピストンの連接棒小端部に、グリス封入型保持
器付ニードルベアリングを付設し、高圧側ピストンの連
接棒小端部に、グリス封入型総コロニードルベアリング
を付設する、組合わせによって、比較的低コストで、フ
レッテングによるピストンピンの摩耗がなくなりその結
果前記圧縮機の耐久性が向上し、長寿命の無給油式のオ
イルフリー二段往復圧縮機を得ることができる。
【0026】又、高圧側ピストンに付設するグリス封入
型総コロニードルベアリングに、設定条件(α<β)を
付したことによって、充填封入されるニードルベアリン
グ全周の潤滑グリスが、隣接するコロに対して、互いに
潤滑グリスを押し合い隣接するコロの潤滑性を保持し合
う特性によって使用されるようになり、十分な耐久性維
持が可能となる。
【0027】さらに、低圧側ピストンおよび、高圧側ピ
ストン共にグリス封入型総コロニードルベアリングを付
設することによって、より高寿命なオイルフリー二段往
復圧縮機の連接棒小端部が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のオイルフリー二段往復圧縮機の低圧側
ピストンの連接棒小端部に、グリス封入型保持器付ニー
ドルベアリングを付設し、高圧側ピストンの連接棒小端
部に、グリス封入型総コロニードルベアリングを付設し
たピストン構成の断面図である。
【図2】図1の前記両ニードルベアリングを、連接棒小
端部に嵌合付設するピストン構成の側面断面図である。
【図3】本発明のグリス封入型保持器付ニードルベアリ
ングと、グリス封入型総コロニードルベアリングの相違
を説明する両ニードルベアリングの模式的断面図であ
る。
【符号の説明】
1,11 ピストン 2,12 ピストンピン 3 Oリング 4,14 連接棒小端部 4a 連接棒 5 グリス封入型保持器付ニードルベアリ
ング 5a,15a コロ 6 オイルシール 7 ピストンリング 15 グリス封入型総コロニードルベアリン
グ 15b 隙間

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低圧側気筒と高圧側気筒をもって、無給
    油で二段階のガス圧縮を行うオイルフリー二段往復圧縮
    機であって、該圧縮機のピストンを駆動する連接棒小端
    部の、ピストンピンに嵌合付設する潤滑グリス封入型コ
    ロ軸受けとして、低圧側ピストンに、グリス封入型保持
    器付ニードルベアリングを付設し、高圧側ピストンに、
    グリス封入型総コロニードルベアリングを付設したオイ
    ルフリー二段往復圧縮機の連接棒小端部。
  2. 【請求項2】 往復圧縮機の連接棒小端部のピストンピ
    ンに嵌合付設する潤滑グリス封入型コロ軸受けにおい
    て、高圧側ピストンの連接棒小端部に付設するグリス封
    入型総コロニードルベアリングは、連接棒の揺動によっ
    て誘起する、ニードルベアリング臨界半角αが、ピスト
    ンピンの摺動範囲の揺動半角βより、揺動角度が小(α
    <β)となる請求項1記載のオイルフリー二段往復圧縮
    機の連接棒小端部。
  3. 【請求項3】 低圧側気筒と高圧側気筒をもって、無給
    油で二段階のガス圧縮を行うオイルフリー二段往復圧縮
    機であって、ピストンを駆動する連接棒小端部の、ピス
    トンピンに嵌合付設する潤滑グリス封入型コロ軸受けと
    して、低圧側ピストンおよび、高圧側ピストンに、潤滑
    グリス封入型総コロニードルベアリングを共に付設した
    オイルフリー二段往復圧縮機の連接棒小端部。
JP12246196A 1996-04-19 1996-04-19 オイルフリー二段往復圧縮機の連接棒小端部 Pending JPH09287570A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011220287A (ja) * 2010-04-14 2011-11-04 Hitachi Industrial Equipment Systems Co Ltd 往復動圧縮機
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JP2017110815A (ja) * 2011-11-07 2017-06-22 Ntn株式会社 パラレルリンク機構、等速自在継手、およびリンク作動装置
US9976603B2 (en) 2011-11-04 2018-05-22 Ntn Corporation Parallel link mechanism, constant velocity universal joint, and link actuator

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