JPH0928734A - ストレッチャー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 横臥状態の患者を支持する載置台を下降させ
るときに、その載置台が障害物等に引っ掛かると自動的
にモーターが停止するストレッチャーとする。 【解決手段】 昇降装置４は等長のリンク１３，１４を
その中間交差部で軸着したＸ型リンク機構からなり、当
該リンク１３，１４は一端側をそれぞれ台車２と載置台
３に軸着し、他端側をそれぞれ載置台３と台車２に前後
方向移動可能に連結してこのＸ型リンク機構の開閉によ
り載置台３が昇降するよう構成し、一方、台車２には、
両端部を回転自在に支持しその一端に正・逆回転可能な
モーター１１を連結したねじ軸９を前後方向に設け、該
ねじ軸９にはねじ筒１２を螺合し、ねじ筒１２とリンク
１３とを押上アーム２２により連結してねじ筒１２の前
後移動によってＸ型リンク機構が開閉作動するよう設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、主に病院や施設等で患
者を搬送するときに使用するストレッチャーに関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】病院や施設等で患者を搬送する手段とし
て、ストレッチャーが広く用いられている。そしてこの
ストレッチャーには、上面に患者を載置する載置台の高
さを無段階に調節できるように昇降装置が設けられてい
るのが一般的である。これは、特に患者の載せ替え時
に、あらゆる高さのベッドに対応できるようにするため
である。しかしながら、ストレッチャーの載置台を上昇
位置から下降させる途中に載置台がベッドやテーブル等
に引っ掛かった場合、昇降操作が引き続いていれば昇降
装置も継続して下降駆動が行われ、したがって、載置台
が下降せずに下方の台車が次第に浮き上がり不安定にな
り、最終的にはストレッチャーが転倒するといった極め
て危険な状態になる可能性があった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、載置
台が何らかの障害物に引っ掛かって下降しなくなったと
きに昇降装置の下降駆動が自動的に停止するように構成
したストレッチャーとすることを課題としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、床面上を移動自在な台車２と、該台車２の
上部で横臥状態の患者等を上面に支持する載置台３と、
該載置台３を適宜昇降可能な昇降装置４とからなるスト
レッチャー１において、前記昇降装置４は等長のリンク
１３，１４をその中間交差部で軸着したＸ型リンク機構
からなり、当該リンク１３，１４は一端側をそれぞれ台
車２と載置台３に軸着し、他端側をそれぞれ載置台３と
台車２に前後方向移動可能に連結してこのＸ型リンク機
構の開閉により載置台３が昇降するよう構成し、一方、
前記台車２には、両端部を回転自在に支持しその一端に
正・逆回転可能なモーター１１を連結したねじ軸９を前
後方向に設け、該ねじ軸９にはねじ筒１２を螺合し、該
ねじ筒１２と前記リンク１３とを押上アーム２２により
連結して前記ねじ筒１２の前後移動によってＸ型リンク
機構が開閉作動するよう設け、さらに、前記押上アーム
２２は筒部２２ａと該筒部２２ａに嵌合する軸部２２ｂ
とで伸縮可能に構成し、当該押上アーム２２の収縮状態
で電気回路を閉路し、伸長状態で開路するリミットスイ
ッチＬＳ３を設けたことを特徴とするストレッチャーと
した。

【０００５】

【作用】本発明によるストレッチャーは、載置台の下降
時に、その載置台がベッド等の障害物に引っ掛かり下降
しなくなり、かつ、操作している人がそれに気付かなか
った場合、ねじ筒とＸ型リンク機構とを連結する伸縮可
能な押上アームが、Ｘ型リンク機構は停止しているがね
じ筒は螺進を継続するので、通常は圧縮されて収縮状態
にある押上アームが伸長する。この押上アームには、収
縮状態で電気回路を閉じ、伸長すると電気回路を開くリ
ミットスイッチが設けられているので、上述のように押
上アームが伸長すると自動的にモーターが停止する。こ
の状態からモーターを逆回転させると、ねじ筒が逆方向
に移動して押上アームが収縮すると共にＸ型リンク機構
を閉じて、載置台が上昇する。そして、障害物を取り除
き再び載置台を下降させればよい。

【０００６】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づき詳細
に説明する。１はストレッチャーであり、床面上を何れ
の方向にも移動自在な台車２と、上面に患者を載置する
載置台３と、前記台車２と載置台３との間に介装され
て、載置台３を適宜昇降可能な昇降装置４とから構成さ
れる。

【０００７】前記台車２は、左右に平行離間した一対の
縦フレーム５，５の前後両端部に横フレーム６，６を一
体的に設け、平面視Ｈ型に枠組み構成されている。そし
て、前記横フレーム６の左右両端部には、転動自在なキ
ャスター転輪７，７が取り付けられており、この台車２
が床面上を移動自在に設けられている。また、前記縦フ
レーム５，５間には、前後両端部をそれぞれ軸受体８，
８により回転自在に支持したねじ軸９を設け、さらにこ
のねじ軸９の一端には軸継手１０を介して正・逆回転操
作可能なモーター１１が連結されている。１２は前記ね
じ軸９に螺合するねじ筒であり、ねじ軸９が回転するこ
とによって、このねじ軸に沿って前後移動するようにな
っている。

【０００８】次に、昇降装置４について説明する。この
昇降装置４は、中央部で交差した２本のリンク１３，１
４を、その交差部でピン１５により枢着し、このリンク
１３，１４は、一端をそれぞれ台車２側と載置台３側と
にピン１６，１７を介して前後方向揺動自在に連結し、
他端にはローラー１８，１９をそれぞれ設けて、このロ
ーラー１８，１９が載置台３側と台車２側にそれぞれ設
けられた断面コ字状のレール２０，２１に沿って前後方
向に転動するように設け、リンク１３，１４の開閉によ
り載置台３を昇降させるＸ型リンク機構を基本構成とし
ている。

【０００９】２２は押上アームであり、一端を前記リン
ク１３のピン１５とピン１６の中間部に固着されたブラ
ケット２３にピン２４を介して枢着し、他端には前記台
車２側に設けられたレール２１に沿って転動自在なロー
ラー２５を左右に設けると共に突設ブラケット２６を一
体的に取り付けている。そして、前記突設ブラケット２
６の先端部とねじ筒１２とを連結リンク２７により連結
し、図４及び図５に示すように、ねじ筒１２の前後移動
によって押上アーム２２を介してリンク１３がピン１６
を軸心として起伏回動されるように設けられている。こ
れは、すなわちＸ型リンク機構の開閉作動となり、載置
台３が昇降されることになる。

【００１０】図中、ＬＳ１及びＬＳ２はそれぞれ載置台
３の上昇端と下降端位置において作動するｂ接点型のリ
ミットスイッチを示す。すなわち、リミットスイッチＬ
Ｓ１は図５に示すように、載置台３が上昇端に位置した
ときにねじ筒１２の端面がリミットスイッチＬＳ１に接
触して電気回路が開くように設けられ、またリミットス
イッチＬＳ２は図４に示すように、載置台３が下降端に
位置したときにローラー１９の軸１９ａがリミットスイ
ッチＬＳ２に接触して電気回路が開くように設けられて
いる。

【００１１】前記押上アーム２２は、図６、図７及び図
８に示すように、筒部２２ａと軸部２２ｂとからなり、
筒部２２ａの先端部から軸部２２ｂを嵌合させて摺動自
在としている。そして、前記筒部２２ａの先端上部に
は、スリット２８ａを穿設した規制板２８を固着し、一
方の軸部２２ｂには前記スリット２８ａ部によって摺動
及び回転が規制されるようにボルト２９を螺着してい
る。また３０は、軸部２２ｂに固着されたストッパーリ
ングであり、筒部２２ａの先端部に当接してこの押上ア
ーム２２の最短長さを設定するものである。つまり、こ
の押上アーム２２の短縮状態では、ボルト２９ではなく
ストッパーリング３０により支持されるようになってい
る。ＬＳ３はａ接点型のリミットスイッチであり、図６
及び図７に示す押上アーム２２の最短状態では軸部２２
ｂの先端部と接触して電気回路を閉じ、図８に示すよう
に軸部２２ｂが摺動して押上アーム２２が伸長するとリ
ミットスイッチＬＳ３と軸部２２ｂの接触が解かれて電
気回路が開くように設けられている。

【００１２】３１は、モーター１１の正・逆回転を適宜
操作する手元操作スイッチであり、押しボタンスイッチ
ＰＢ１，ＰＢ２を備えている。なお、この押しボタンス
イッチＰＢ１，ＰＢ２はａ接点型のスイッチである。こ
こで電気回路について説明すると、図１１に示すように
押しボタンスイッチＰＢ１，ＰＢ２とリミットスイッチ
ＬＳ１，ＬＳ２，ＬＳ３とモーター１１とからなり、モ
ーター１１には正転側端子Ｘと逆転側端子Ｙが設けられ
ている。そして、押しボタンスイッチＰＢ１を押すと正
転側端子Ｘ側の回路が閉じてモーター１１が正転し、逆
に押しボタンスイッチＰＢ２を押すと逆転側端子Ｙ側の
回路が閉じてモーター１１が逆転するようになってい
る。

【００１３】押しボタンスイッチＰＢ１を押してモータ
ー１１を正転させると、ねじ筒１２が反モーター１１側
に螺進し載置台３が上昇していく。載置台３が上昇端に
位置したところでねじ筒１２とリミットスイッチＬＳ１
が接触し、回路が開いてモーター１１が停止する。逆に
押しボタンスイッチＰＢ２を押してモーター１１を逆転
させると、ねじ筒１２がモーター１１側に螺進し載置台
３が下降していく。下降端に達したところでローラー１
９の軸１９ａがリミットスイッチＬＳ２と接触し、回路
が開いてモーター１１が停止する。

【００１４】載置台３の下降途中、すなわち図９に示す
状態で載置台３がベッドやテーブル等の障害物に引っ掛
かると、載置台３はそれ以上下降しなくなる。しかし、
モーター１１は継続して回転しており、ねじ筒１２はさ
らにモーター１１側に螺進していく。すると、押上アー
ム２２は図１０に示すように伸長して、リミットスイッ
チＬＳ３と軸部２２ｂの接触が解かれて回路が開き、モ
ーター１１が停止する。この状態から再び押しボタンス
イッチＰＢ１を押して載置台３を上昇させて前記の障害
物を取り除き、押しボタンスイッチＰＢ２を押せば、載
置台３は通常の下降を行う。したがって、リミットスイ
ッチＬＳ３の作動によって昇降装置４は非常時に自動的
に停止するようになっている。

【００１５】

【発明の効果】以上のように本発明にかかるストレッチ
ャーは、載置台の下降中、この載置台がベッド等の障害
物に引っ掛かった場合に、モーターが自動的に停止する
ように設けたから、従来にようにモーターが継続して回
転駆動することによって相対的に台車側が浮き上がるよ
うな危険な状態を未然に回避することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかるストレッチャーの全体側面図

【図２】その正断面図

【図３】台車の平面図

【図４】昇降装置の下降状態を示す側断面図

【図５】昇降装置の上昇状態を示す側断面図

【図６】押上アームの側面図

【図７】その平面図

【図８】押上アームの伸長状態を示す一部破断の側面図

【図９】昇降装置の作用説明図

【図１０】昇降装置の作用説明図

【図１１】電気回路図

【符号の説明】

１ ストレッチャー ２ 台車 ３ 載置台 ４ 昇降装置 ９ ねじ軸 １１ モーター １２ ねじ筒 １３，１４ リンク ２２ 押上アーム ２２ａ 筒部 ２２ｂ 軸部 ＬＳ３ リミットスイッチ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 床面上を移動自在な台車２と、該台車２
   の上部で横臥状態の患者等を上面に支持する載置台３
   と、該載置台３を適宜昇降可能な昇降装置４とからなる
   ストレッチャー１において、前記昇降装置４は等長のリ
   ンク１３，１４をその中間交差部で軸着したＸ型リンク
   機構からなり、当該リンク１３，１４は一端側をそれぞ
   れ台車２と載置台３に軸着し、他端側をそれぞれ載置台
   ３と台車２に前後方向移動可能に連結してこのＸ型リン
   ク機構の開閉により載置台３が昇降するよう構成し、一
   方、前記台車２には、両端部を回転自在に支持しその一
   端に正・逆回転可能なモーター１１を連結したねじ軸９
   を前後方向に設け、該ねじ軸９にはねじ筒１２を螺合
   し、該ねじ筒１２と前記リンク１３とを押上アーム２２
   により連結して前記ねじ筒１２の前後移動によってＸ型
   リンク機構が開閉作動するよう設け、さらに、前記押上
   アーム２２は筒部２２ａと該筒部２２ａに嵌合する軸部
   ２２ｂとで伸縮可能に構成し、当該押上アーム２２の収
   縮状態で電気回路を閉路し、伸長状態で開路するリミッ
   トスイッチＬＳ３を設けたことを特徴とするストレッチ
   ャー。