JPH09286297A - エアバッグ装置 - Google Patents

エアバッグ装置

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JPH09286297A
JPH09286297A JP8124097A JP12409796A JPH09286297A JP H09286297 A JPH09286297 A JP H09286297A JP 8124097 A JP8124097 A JP 8124097A JP 12409796 A JP12409796 A JP 12409796A JP H09286297 A JPH09286297 A JP H09286297A
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JP
Japan
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bag body
occupant
inflator
bag
contact
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JP8124097A
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English (en)
Inventor
Munemasa Shimamura
宗正 嶋村
Masaaki Kobayashi
雅明 小林
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エアバッグ装置において、袋体が乗員に接触
する直後に乗員が無駄に袋体に侵入することを防止する
とともに、ドアの厚みを大きくすることなく、乗員の衝
撃度を押える。 【解決手段】 袋体2の一部に、解除可能に重ね合わさ
れた圧力吸収部3,3を設ける。乗員と接触する袋体2
の接触領域2aに質量体を塗布する。圧力吸収部3,3
に、インフレータ1から離れる方向に沿って複数の結合
部を設ける。複数の結合部における結合力をインフレー
タ1から離れるに従い順次低下させる。袋体2が接触し
た時点で乗員に発生する加速度は従来よりも高くなが、
その持続時間は従来よりも短くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定の荷重作用時
に作動するエアバッグ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エアバッグ装置としては、例えば
図14に示すようなものがある(実開平6−44654
号参照)。このエアバッグ装置100は、車室内側部の
ドア内に設けられるものであって、特定の荷重作用時に
作動するインフレータ101と、インフレータから供給
されるガスにより乗員へ向けて膨出される袋体102と
を有している。袋体102は上布103と下布104と
からなり、両布103,104が部分的に重ね合わせて
縫製されることにより袋体102の一部には圧力吸収部
105が設けられており、この圧力吸収部105の外側
の下布104にはガス抜き孔が形成されている。また、
袋体102は、インフレータ101がガスを発生し、そ
のガスが袋体102に充填され、袋体102の内部が所
定の圧力になると、楕円体に類した形状になるよう形成
されている。
【0003】そして、かかるエアバッグ装置100で
は、袋体102の膨出初期には袋体102の容積が見か
け上小さく膨出時間が短縮される。また、その後に乗員
の衝突によって内圧が上昇すると圧力吸収部105が破
断して拡がり、袋体102の容積が実質的に増加して内
圧の急激な上昇が抑えられる。これにより、衝突エネル
ギーがスムーズに吸収されるのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のエアバッグ装置100の袋体102において
は、袋体102に乗員が接触し侵入することにより袋体
102の内部の圧力が上昇した後、圧力が所定の圧力以
上になると圧力吸収部105が破断することにより、乗
員に発生する反力を押えながら乗員の運動エネルギーを
吸収する機構となっていた。このため、第1に、袋体1
02に充填されていたガスが所定の圧力に達した後、乗
員が袋体102に接触する直後において、袋体102か
ら乗員に作用する反力が十分でなく、乗員を加速するに
至らず、乗員が無駄に袋体102に侵入する。第2に、
乗員が袋体102に侵入する過程の中で、乗員に作用す
る荷重は一定であり、衝突力とその継続時間との積で評
価される乗員の衝撃度を抑えるために、袋体102の圧
力を大きくするには、ドアの厚みを大きなものとしなけ
ればならなかった。
【0005】この発明はこのような問題点に着目してな
されたもので、袋体が乗員に接触する直後に乗員が無駄
に袋体に侵入することを防止するとともに、ドアの厚み
を大きくすることなく、乗員の衝撃度を押えることがで
きるエアバッグ装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明にあっては、特定の荷重作用時に作動するイン
フレータと、該インフレータにより発生されるガスによ
り乗員へ向けて膨出される袋体とを備え、該袋体の一部
に、前記膨出に際して解除可能なように重ね合わされた
圧力吸収部が設けられたエアバッグ装置において、前記
乗員と接触する前記袋体の接触領域に質量体を塗布する
一方、前記圧力吸収部に、前記インフレータから離れる
方向に沿って複数の結合部を設け、該複数の結合部にお
ける結合力を前記インフレータから離れるに従い順次低
下させたものとした。
【0007】かかる構成では、袋体が接触した時点で乗
員に発生する加速度は従来よりも高くなが、その持続時
間は従来よりも短くなる。よって、袋体が接触した直後
における乗員に作用する衝撃度を上げることなく、乗員
が無駄に袋体に侵入することを防止でき、しかも、ドア
の厚みを大きくすることなく、乗員の衝撃度を押えるこ
とができる。
【0008】また、本発明にあっては、前記複数の結合
部を糸を用いた縫製構造とし、かつ前記複数の結合部に
おける前記糸の強度を前記インフレータから離れるに従
い順次低下させたものとした。係る構成においても、袋
体が接触した時点で乗員に発生する加速度は従来よりも
高くなが、その持続時間は従来よりも短くなる。よっ
て、袋体が接触した直後における乗員に作用する衝撃度
を上げることなく、乗員が無駄に袋体に侵入することを
防止でき、しかも、ドアの厚みを大きくすることなく、
乗員の衝撃度を押えることができる。
【0009】また、本発明にあっては、前記複数の結合
部を接着剤を用いた接着構造とし、かつ前記複数の結合
部における接着力を前記インフレータから離れるに従い
順次低下させたものとした。係る構成においても、袋体
が接触した時点で乗員に発生する加速度は従来よりも高
くなが、その持続時間は従来よりも短くなる。よって、
袋体が接触した直後における乗員に作用する衝撃度を上
げることなく、乗員が無駄に袋体に侵入することを防止
でき、しかも、ドアの厚みを大きくすることなく、乗員
の衝撃度を押えることができる。
【0010】また、本発明にあっては、前記袋体を、膨
出した状態における膨出方向の厚みが、前記接触領域の
側に比べて両端部側が厚くなるよう成形したものとし
た。係る構成においては、接触領域に比べ両端部は厚み
方向に余裕を持たされていることから、両端部は速やか
に膨出し、しかも膨出の初期から、最終形状である乗員
を覆う形状となる。従って、乗員と袋体の接触状況を見
たときに、より安定した最終形状が得られる。
【0011】また、本発明にあっては、前記袋体の内部
に、前記乗員へ向かう前記接触領域の最大膨出量を決め
る膨出量規制部材を設けたものとした。係る構成におい
ては、袋体の接触領域の部分における最大膨出量が決ま
るため、袋体の成型形状の如何に限らず、袋体の両端部
の膨出特性の影響を受けて、質量体が塗布された接触領
域が先に乗員に接触するという事態の発生が未然に防止
される。よって、吊り紐を設定することにより、袋体と
乗員とを、袋体の全面に渡って均等に接触させることが
できる。
【0012】また、本発明にあっては、特定の荷重作用
時に作動するインフレータと、該インフレータにより発
生されるガスにより乗員へ向けて膨出される袋体とを備
え、該袋体の一部に、前記膨出に際して解除可能なよう
に重ね合わされた圧力吸収部が設けられたエアバッグ装
置において、前記乗員と接触する前記袋体の接触領域に
質量体を塗布する一方、動作に伴い前記袋体のガスの排
出面積を可変する排出面積調整手段と、前記袋体の内圧
を検知する検知手段と、該検知手段により検知された内
圧に基づき前記排出面積調整手段の動作を制御する制御
手段とを設けたものとした。
【0013】かかる構成においては、検知手段が袋体の
内圧を検知すると、検知した内圧に基づき制御手段が排
出面積調整手段の動作を制御し、ガスの排出面積を可変
制御する。このため、乗員が袋体へ侵入する際における
ガスの排出速度が、袋体の内圧に応じて制御される。よ
って、袋体に対する乗員の侵入速度に応じて、乗員に発
生する加速度、すなわち乗員の衝撃度を適切に制御する
ことが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
に基づいて説明する。図1は、本発明に係るエアバッグ
装置を示す図である。このエアバッグ装置は、車室内側
部に配設されるものであって、特定の荷重作用時に作動
するインフレータ1と、インフレータ1から供給される
ガスにより車体と乗員との間に向けて膨出される袋体2
とを有している。インフレータ1は、乗員が着座する乗
員外側の車体にセットされており、インフレータ1のガ
ス排出口1a・・・は、ガス流が乗員に向かって斜め外
側に噴出されるよう設けられている。
【0015】袋体2は布材によって形成されており、そ
の一端には、布材がひだ状に折り曲げることによって相
対向する一対の圧力吸収部3,3が形成されている。ま
た、各圧力吸収部3,3には、インフレータ1から離れ
る方向に沿って、本発明の結合部である複数の縫着箇所
4が設けられている。各縫着箇所4に使用されている糸
5の強度は、袋体2の膨出に際して破断する程度である
とともに、インフレータ3に最も近い側が最も強く、か
つインフレータから遠ざかるに連れて順次弱く設定され
ている。また、袋体2には、膨出したとき乗員と接触す
る側を形成する布の内側であって乗員と接触する接触領
域2aに、質量体6が塗布、固着されている。
【0016】以上の構成からなるエアバッグ装置におい
ては、車体側面に所定の荷重が作用するとインフレータ
3が作動し、インフレータ3は袋体2を膨出させるガス
を発生する。すると、袋体2は、ガス流が乗員に向かっ
て斜めに噴出されるため、図2に示したように、その形
状を次第に変化させながら外側から膨出を始める(a参
照)。その後、次第に袋体2内部にガスが充填される
が、質量体6が塗布された乗員Mと接触する袋体2の接
触領域2aは、質量の影響で膨出速度が緩慢にならざる
を得ない(b参照)。一方、袋体2の両端部は、もとも
と袋体2の生地自体の質量しかなく、圧力の作用により
自由に膨出することから袋体2の両端部は素早く最終形
状になる。次第に質量体の塗布された領域の生地も動き
が加速されるが、内圧が所定の圧力になる時点では、袋
体2は乗員Mを包み込むよう湾曲形状となる(c参
照)。従って、図3に示したように、乗員Mと袋体2の
接触面積は、質量体が設定されない従来仕様(a)に比
べ大きくなる。
【0017】ここで、乗員Mと袋体2の接触部に発生す
る荷重は、下記式により表される。
【0018】(接触部に発生する反力)=(袋体内圧)
×(乗員と袋体の接触面積) 従って、乗員Mに作用する力は、袋体2が乗員に接触し
た瞬間で比較すると、従来仕様に比べ大きくなる。
【0019】また、質量体6は、内圧の上昇と袋体2の
膨出に伴い運動エネルギーを有する。乗員Mが袋体2に
接触した時に、この運動エネルギーも乗員に伝わること
となり、質量体6が設定されていない従来仕様に比べ、
乗員Mは更に加速されることとなる。
【0020】従って、乗員Mは、袋体2に接触した瞬間
から従来仕様に比べ大きな力で加速されることになる。
【0021】その後、車両側面に衝撃力が作用し続ける
影響で、乗員Mがさらに袋体2に侵入するため袋体2の
内圧が上昇する。そして、かかる内圧が設定された内圧
近辺になり、袋体2の生地に発生する張力が増大し、一
対に設けられた圧力吸収部3,3において最もインフレ
ータ1に近い距離にある1番目の縫着箇所4における破
断強度を上回ると、その縫着箇所4(具体的には糸5)
が破断する。これにより、図4に示したように、1番目
の縫着箇所4の破断の瞬間に、袋体2の内部容積が大き
くなり、内圧が急激に減少する。さらに乗員Mの侵入が
進み、内圧が上昇しはじめると1番目の縫着箇所4が破
断した内圧よりも低い内圧で、それよりもインフレータ
1から遠い箇所に位置する2番目の縫着箇所4が破断す
る。これに伴い、再び容積が増加し内圧が急激に減少す
る。その後内圧が上昇をはじめると2番目の縫着箇所4
が破断した内圧よりも低い内圧で、3番目の糸が破断
し、みたび容積が増加することにより内圧が急激に減少
する。そして、かかる作動を4番目・・・n番目という
ように(図5参照)、インフレータ1から最も遠い縫着
箇所4が破断するまで繰り返すことにより、図6に示す
ように、一度低下した内圧が再び上昇したり、一定圧に
なることなく、連続的に袋体2の内圧が低下する。
【0022】従って、乗員Mが袋体2に侵入するに従
い、乗員Mに発生する加速度も連続的に低下することに
なる。乗員Mに加わる衝撃力の厳しさを図る尺度である
衝撃度は、乗員Mに作用する加速度αとその加速度が持
続する時間Δtの積で表される。つまり、下記式のよう
になる。
【0023】衝撃度 = αm × Δt m: 定数 この関係から分かるように、乗員Mが袋体2に接触した
時点で乗員に加えられた荷重による乗員Mに発生する加
速度は、従来仕様に較べ高くなるが、乗員Mが袋体2に
侵入を始めた後の急激な内圧低下の作用により、加速度
の持続時間は、従来仕様よりも小さくすることができ
る。従って、乗員Mに作用する衝撃度は、従来仕様と変
わらないレベルにすることができる。
【0024】図7(a)に、従来のエアバッグ装置と本
発明に係るエアバッグ装置における時間〜乗員加速特性
を示す。すなわち、同図において前者の特性は(矩形
波)として示され、後者の特性は(前三角波)として
示される。参考までにとして後三角波を示す。図7
(b)に、乗員Mの保有する初期速度は、、で同
じであるとして、乗員Mの袋体2への侵入量と乗員加速
度との関係を計算した場合における乗員移動量〜乗員加
速度特性を示す。同図から、乗員Mの袋体2への最大侵
入量を比較すると、が最も小さく、が大きく、が
中間になっていることが分かる。
【0025】このように、本実施の形態におけるエアバ
ッグ装置においては、時間〜乗員加速度波形を前三角波
(図7(a)(b)で)とし、乗員Mに加わる衝撃度
を保ちながら、袋体2への侵入量を小さくさせることが
できる。その結果、袋体2が接触した直後における乗員
Mに作用する衝撃度を上げることなく、乗員Mが無駄に
袋体2に侵入することを防止でき、しかも、ドアの厚み
を大きくすることなく、乗員の衝撃度を押えることがで
きるという効果が得られる。
【0026】なお、本実施の形態においては、各圧力吸
収部3,3に、インフレータ1から離れる方向に沿って
複数の縫着箇所4、すなわち本発明の結合部が設けられ
たものを示したが、例えば、縫着箇所4の糸5を線状に
塗布された接着剤とし、複数の接着箇所における接着力
を、各縫着箇所4における糸5の強度と同様に変化させ
る構造としてもよい。その場合においても、同様の効果
が得られる。
【0027】図8は、本発明の第2の実施の形態を示す
図である。本実施の形態においては、袋体2の外形形状
として、袋体2の両端部の厚さl1が、乗員Mが接触す
る中央部すなわち接触領域2aが設けられた部分の厚さ
0に比べ、大きくなるように成型されている。従っ
て、袋体2に静かにガスを注入すると袋体2の形状は図
示したようになる。
【0028】かかる袋体2においては、インフレータ1
からガスが生成され、ガスが袋体2に送り込まれると、
袋体2の両端部は袋体2を成型する生地で張られるだけ
であり、質量体6の設けられた袋体2の接触領域2aと
異なり、質量が小さいこと、更に接触領域2aに比べ両
端部は厚み方向に余裕を持たされていることから、両端
部は速やかに膨出し、しかも膨出の初期から、最終形状
である乗員Mを覆う形状となる。従って、乗員Mと袋体
2の接触状況を見たときに、より安定した最終形状が得
られる。
【0029】図9は、本発明の第3の実施の形態を示す
図である。本実施のエアバッグ装置においては、袋体2
の内部に、本発明の膨出量規制部材である吊り紐11が
設けられている。この吊り紐11は、図において袋体2
の膨出方向に延在する一端側がインフレータ1の近傍に
結合され、かつ他端側が袋体2の前述した接触領域2a
に結合されている。これにより、袋体2は、その膨出時
における接触領域2aの部分最大膨出量を吊り紐11の
長さ寸法に決められている。
【0030】かかる構成によれば、袋体2の接触領域2
aの部分における最大膨出量が決まっているため、袋体
2の成型形状の如何に限らず、袋体2の両端部の膨出特
性の影響を受けて、質量体6が塗布された接触領域2a
が先に乗員Mに接触するという事態の発生が未然に防止
される。よって、吊り紐11を設定することにより、袋
体2と乗員Mとを、袋体2の全面に渡って均等に接触さ
せることができる。
【0031】図10は、本発明の第4の実施の形態を示
す図である。本実施のエアバッグ装置においては、図示
しないインフレータのガス排出部分に、袋体2の膨出方
向と直行するとともに袋体2の両端方向に延びる円筒部
材21が設けられており、円筒部材21の両端側には、
全周にわたり複数のガス吹き出し孔21a・・・がそれ
ぞれ設けられている。これにより、ガスが、図10に示
したように、袋体2の両端部に向かい、かつ袋体2が乗
員側に膨出できるように吹き出される。また、袋体2の
内部には、図9に示したものと同様の吊り紐22が、上
下方向に複数並んで設けられている。なお、図示しない
が、袋体2の乗員が接触する接触領域2aには、既説し
た質量体が塗布されている。
【0032】かかる構成においては、ガスの流れを袋体
2の両端部に集中できるため、袋体2の両端部の膨出が
速やかに進み、乗員と袋体2とが接触する時点で、袋体
2の内部全体に十分均等な内圧を得ることができる。し
かし、前述した複数の吊り紐22が設けられているた
め、袋体2の両端部の急速な膨出の影響を受け、乗員が
接触する接触領域2aが、袋体2の内圧が不均一の状態
のままで移動を始めようとする場合であっても、乗員と
袋体2の接触が不均一になることが防止できる。
【0033】図11及び図12に、本発明の第5の実施
の形態を示す。かかるエアバッグ装置においては、袋体
2には質量体6が設けられ、インフレータ1の近くに
は、圧力バルブ部31,31が設けられている。圧力バ
ルブ部31の拡大図を図12に示す。圧力バルブ部31
の設定部位には、袋体2の内部の圧力を計測する内圧セ
ンサ32と、袋体2の内部と外部との通気面積を可変に
するバルブ33が組み込まれている。バルブ33は、バ
ルブ33と噛み込む台座34を組み合わされており、こ
の両者の間に生じる隙間の大きさをアクチュエータ35
を用いて、バルブ33の位置を変えて調整する。アクチ
ュエータ35は、袋体2内の内圧センサ32から送られ
る情報Q(図11)と、ある時間間隔のΔtにおける内
圧の増減を圧力コントロールボックス36の中でコンピ
ュータにより予測し(図13参照)、決定された情報P
(図11)のもとに作動する。
【0034】かかる構成では、一般的に、乗員Mが袋体
2に接触したあと、乗員Mが袋体2に侵入する段階で
は、時間の経過に伴い、バルブ33と台座24の開口面
積を大きくすればよい。但し、乗員の侵入速度が遅い場
合のように、むしろバルブ33を閉じる操作を行った方
が乗員Mの衝撃度に有利な場合もあり、このような状況
をコンピュータで判断し、適切なバルブ操作量に設定、
乗員Mに発生する加速度を適切な状態に制御することが
可能である。
【0035】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明のエアバ
ッグ装置においては、乗員と接触する袋体の接触領域に
質量体を塗布する一方、袋体の圧力吸収部に、インフレ
ータから離れる方向に沿って複数の結合部を設け、複数
の結合部における係合力をインフレータから離れるに従
い順次低下させることにより、袋体が接触した時点で乗
員に発生する加速度が従来よりも高くなる一方、その持
続時間が従来よりも短くなるようにした。
【0036】よって、袋体が接触した直後における乗員
に作用する衝撃度を上げることなく、乗員が無駄に袋体
に侵入することを防止でき、しかも、ドアの厚みを大き
くすることなく、乗員の衝撃度を押えることができると
いう効果が得られる。
【0037】また、前記複数の結合部を糸を用いた縫製
構造とし、かつ前記複数の結合部における前記糸の強度
を前記インフレータから離れるに従い順次低下させた構
成においても、袋体が接触した直後における乗員に作用
する衝撃度を上げることなく、乗員が無駄に袋体に侵入
することを防止でき、しかも、ドアの厚みを大きくする
ことなく、乗員の衝撃度を押えることができるという効
果が得られる。
【0038】また、前記複数の結合部を接着剤を用いた
接着構造とし、かつ前記複数の結合部における接着力を
前記インフレータから離れるに従い順次低下させた構成
においても、袋体が接触した直後における乗員に作用す
る衝撃度を上げることなく、乗員が無駄に袋体に侵入す
ることを防止でき、しかも、ドアの厚みを大きくするこ
となく、乗員の衝撃度を押えることができるという効果
が得られる。
【0039】また、前記袋体を、膨出した状態における
膨出方向の厚みが、前記接触領域の側に比べて両端部側
が厚くなるよう成形した構成においては、接触領域に比
べ両端部は厚み方向に余裕を持たされていることから、
両端部は速やかに膨出し、しかも膨出の初期から、最終
形状である乗員を覆う形状となる。よって、乗員と袋体
の接触状況を見たときに、より安定した最終形状が得ら
れるという効果が得られる。
【0040】また、前記袋体の内部に、前記乗員へ向か
う前記接触領域の最大膨出量を決める膨出量規制部材を
設けた構成においては、袋体の接触領域の部分における
最大膨出量が決まるため、袋体の成型形状の如何に限ら
ず、袋体の両端部の膨出特性の影響を受けて、質量体が
塗布された接触領域が先に乗員に接触するという事態の
発生が未然に防止される。よって、吊り紐を設定するこ
とにより、袋体と乗員とを、袋体の全面に渡って均等に
接触させることができるという効果が得られる。
【0041】また、本発明のエアバッグ装置において
は、袋体の内圧を検知し、検知した内圧に基づき袋体の
ガスの排出面積を制御する構成とし、乗員が袋体へ侵入
する際におけるガスの排出速度を、袋体の内圧に応じて
制御できるようにした。よって、袋体に対する乗員の侵
入速度に応じて、乗員に発生する加速度、すなわち乗員
の衝撃度を適切に制御することが可能となる。
【0042】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示すエアバック装置の
作動前の状態を示す一部を破断した斜視図である。
【図2】同実施の形態における袋体の膨出過程を示す説
明図である。
【図3】従来の袋体(a)と本実施例の袋体(b)との
膨出形状を示す比較説明図である。
【図4】圧力吸収部が破断する前後における袋体形状を
示す模式平面図である。
【図5】圧力吸収部の拡大図である。
【図6】圧力吸収部における破断荷重概念図である。
【図7】(a)は時間〜乗員加速度特性図、(b)は移
動量〜乗員加速度特性図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態を示す、静かにガス
を注入したときの袋体形状を示す模式平面図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態を示す、インフレー
タからガスを注入したときの袋体形状を示す模式平面図
である。
【図10】本発明の第4の実施の形態を示すエアバック
装置の透視斜視図である。
【図11】本発明の第5の実施の形態を示すエアバック
装置を示す概念構成図である。
【図12】同実施の形態における圧力バルブ部を示す断
面図であって、(a)は全閉状態、(b)は全開状態を
示す図である。
【図13】圧力コントロールボックスの制御に係る時間
〜圧力図である。
【図14】従来技術を示す模式平面図である。
【符号の説明】
1 インフレータ 2 袋体 3 圧力吸収部 4 縫着部 5 糸 11 吊り紐 21 吊り紐 31 圧力バルブ部 32 内圧センサ 33 バルブ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 特定の荷重作用時に作動するインフレー
    タと、該インフレータにより発生されるガスにより乗員
    へ向けて膨出される袋体とを備え、該袋体の一部に、前
    記膨出に際して解除可能なように重ね合わされた圧力吸
    収部が設けられたエアバッグ装置において、 前記乗員と接触する前記袋体の接触領域に質量体を塗布
    する一方、前記圧力吸収部に、前記インフレータから離
    れる方向に沿って複数の結合部を設け、該複数の結合部
    における結合力を前記インフレータから離れるに従い順
    次低下させたことを特徴とするエアバッグ装置。
  2. 【請求項2】 前記複数の結合部を糸を用いた縫製構造
    とし、かつ前記複数の結合部における前記糸の強度を前
    記インフレータから離れるに従い順次低下させたことを
    特徴とする請求項1記載のエアバッグ装置。
  3. 【請求項3】 前記複数の結合部を接着剤を用いた接着
    構造とし、かつ前記複数の結合部における接着力を前記
    インフレータから離れるに従い順次低下させたことを特
    徴とする請求項1記載のエアバッグ装置。
  4. 【請求項4】 前記袋体を、膨出した状態における膨出
    方向の厚みが、前記接触領域の側に比べて両端部側が厚
    くなるよう成形したことを特徴とする請求項1,2又は
    3記載のエアバッグ装置。
  5. 【請求項5】 前記袋体の内部に、前記乗員へ向かう前
    記接触領域の最大膨出量を決める膨出量規制部材を設け
    たことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載
    のエアバッグ装置。
  6. 【請求項6】 特定の荷重作用時に作動するインフレー
    タと、該インフレータにより発生されるガスにより乗員
    へ向けて膨出される袋体とを備え、該袋体の一部に、前
    記膨出に際して解除可能なように重ね合わされた圧力吸
    収部が設けられたエアバッグ装置において、 前記乗員と接触する前記袋体の接触領域に質量体を塗布
    する一方、動作に伴い前記袋体のガスの排出面積を可変
    する排出面積調整手段と、前記袋体の内圧を検知する検
    知手段と、該検知手段により検知された内圧に基づき前
    記排出面積調整手段の動作を制御する制御手段とを設け
    たことを特徴とするエアバッグ装置。
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