JPH09284557A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JPH09284557A
JPH09284557A JP8086796A JP8679696A JPH09284557A JP H09284557 A JPH09284557 A JP H09284557A JP 8086796 A JP8086796 A JP 8086796A JP 8679696 A JP8679696 A JP 8679696A JP H09284557 A JPH09284557 A JP H09284557A
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image
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overflow
ccd
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JP8086796A
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English (en)
Inventor
Masabumi Kamei
正文 亀井
Takashi Sugiura
崇 杉浦
Noriyoshi Osozawa
憲良 遅澤
Tomoichirou Oota
智市郎 太田
Kazuhito Ohashi
一仁 大橋
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複写機で金属等の光り物をコピーする場合、
反射光により生じるCCDのオーバーフローによる画像
の白抜けをなくす。 【解決手段】 CCD110が原稿を読み取る際の白レ
ベルと黒レベルとを予め設定し、CCD110の出力を
ディジタル化する10ビットのA/Dコンバータ129
の出力のうち、上記白レベルの設定値までを8ビットの
ビデオ信号とし、上位2ビットをオーバーフロー検出信
号131とする。オーバーフローが検出されるとその対
象画素のデータを近傍の画素のデータを用いて画像補正
回路134で補正する

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディジタル式の複
写機等に用いられる画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ディジタル式の複写機などにおい
て、立体物である時計や宝石等の貴金属を複写したり、
フィルムプロジェクタの投影光を読み取る等の紙以外の
原稿対象物を複写できる画像形成装置があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種
の装置では、貴金属のように光源からの光を集束した強
い反射光として戻す場合があり、この集束光が光電変換
素子に直接入射されるような状況では、光電変換素子の
電荷が急増して電荷が溢れだし、画像が主走査方向に白
く抜けるような画像や、真っ黒な画像として読みとられ
るという問題があった。そこで本発明は上記の問題を解
決できる画像形成装置を得ることを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明において
は、原稿を光学的に画素毎に読み取り電気的な信号に変
換する光電変換手段と、上記原稿について白レベルを予
め設定する設定手段と、上記光電変換手段の画素毎の読
み取り値と上記設定手段による設定値とを比較する比較
手段と、上記読み取り値が上記設定値を越えたときの上
記比較手段の出力に応じて対応する画素の読み取り値を
上記対応する画素のラインにおける近傍の画素又は前後
のラインにおける近傍の画素の読み取り値を用いて補正
する補正手段とを設けている。
【0005】請求項2の発明においては、原稿を光学的
に画素毎に読み取り電気的な信号に変換する光電変換手
段と、上記原稿を照明する照明手段と、上記原稿につい
て白レベルを予め設定する設定手段と、上記光電変換手
段の画素毎の読み取り値と上記設定手段による設定値と
を比較する比較手段と、上記読み取り値が上記設定値を
越えたときの上記比較手段の出力に応じて上記照明手段
の光量を制御する制御手段と、上記制御手段の制御に応
じて上記光電変換手段の画素毎の読み取り値を対応する
画素のラインにおける近傍の画素又は前後のラインにお
ける近傍の画素の読み取り値を用いて補正する補正手段
とを設けている。
【0006】
【作用】請求項1の発明によれば、読み取り値が白レベ
ルの設定値を越えたときを光電変換手段にオーバーフロ
ーが発生したものとし、このとき対象画素のデータを近
傍画素のデータを用いて補正することにより、白抜けの
ない画像を形成することができる。
【0007】請求項2の発明によれば、オーバーフロー
が発生したとき、原稿を照明する光量を下げると共に、
対象画素のデータを近傍画素のデータを用いて補正する
ことにより、白抜けのない画像を形成することができ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の形態による
画像形成装置の構成図である。図1において、原稿を給
送するための給送装置101上に原稿をセットした状態
で図示しないコピースタートボタンを押すことによっ
て、上記原稿は原稿台ガラス102上にセットされる。
次に、所定の時間後、あるいは図示しない用紙検知手段
によって原稿のセットが検出されると移動光学系103
の移動制御を開始する。移動光学系103は光源ランプ
104、光源ランプの光を原稿に照射する反射板10
5、原稿からの反射光を第2の移動光学ミラー系へと反
射する反射ミラー106からなる。光源ランプ104は
ランプ制御装置124によって点灯電圧を調整しランプ
を点灯している。原稿からの反射光は反射ミラー10
7、108を介して集光レンズ109に送られた後に、
CCD110上に結像される。CCD駆動回路(図示せ
ず)ではCCD出力信号、即ち、光量に比例したアナロ
グ電気信号(例えば数百ミリボルト)をA/D変換器に
よってディジタルのビデオ信号に変換する。
【0009】ビデオ信号に変換された読み取り画像は、
画像処理部111によって、画像補正、画像編集等の画
像処理を施し、レーザ照射部112からのレーザ光によ
って、ミラー113を介して感光ドラム115上に潜像
を形成していく。次に現像器114により形成された潜
像上にトナーをのせた後、帯電器117により転写用紙
カセット120、121あるいは手差しトレー122か
ら搬送された転写用紙上に感光ドラム115上に形成さ
れた画像を転写する。次に搬送装置118により転写用
紙を定着器119に搬送し、定着器119は転写用紙上
に形成されたトナー像を転写用紙に定着させる。定着さ
れた出力用紙は排紙トレー123に排出される。また、
感光ドラム115は除電器116により残存電位を除去
される。
【0010】次に、本発明で改善する一般的な問題点を
説明する。従来、複写機、FAX、スキャナー等で使用
されている光電変換素子、例えばCCDラインセンサで
は、CCDの飽和光量を超える入射光が照射された場合
には、光が照射された特定画素のフォトセンサの電荷が
溢れだすことによって、隣接した画素に電荷が流れ込
み、本来ならば出力が出ないはずの隣接画素の出力が見
かけ上飽和レベルを超えたような出力信号となる場合が
ある。このような飽和レベルを超えた信号部分は画像処
理上では設定された白レベルよりもさらに白いことにな
るが、従来のディジタル複写機のように8ビット(25
6階調)で表現される画像データの形式では、FFで示
される白を超える白はやはりFFで表現されるために、
オーバーフローした画素の近傍画素は無階調の真っ白に
表現され、原稿に忠実な複写出力を得ることができなか
った。
【0011】その様子を図2に示す。図2でA、B、C
は各々CCD出力波形モデルを示しており、各々は図2
の下側の原稿台ガラス上にセットされた腕時計をA、
B、Cの3ポイントで読み取った時の波形である。特
に、CCD出力のオーバーフローの起こり方はCCDの
構造によって異なっている。そのため、オーバーフロー
が起こっても、隣接する数画素程度しか影響を与えない
場合もあれば、一気に後段の画素データが全て溢れてし
まう場合まで様々である。本発明では前者のタイプのC
CDのオーバーフローによる画像への影響を補正するこ
とを目的にしている。因みに出力画像としては、図3に
示すように、(a)が正常な画像、(b)が本発明で改
善しようとしている問題の画像を誇張した画像の一例で
ある。
【0012】図4に画像処理部11に関する構成を示
す。図4において、光電変換素子としてのCCD110
はランプ制御装置124によって設定された点灯電圧で
ハロゲンランプ等の光源ランプ104を点灯制御し、図
示しない原稿からの反射光を読み取る。尚、CCD11
0はCCD駆動回路を含むCCDドライブ装置125に
より駆動制御されている。CCD110で読み取った原
稿画像情報は電荷情報として伝送路126を通じてアナ
ログ伝送される。このアナログデータはアナログプロセ
ッサ127中にあるアナログ処理回路128に送られて
A/Dコンバータ129の入力レンジに対して予め決め
てあるレベルが白レベルとなるように信号レベルを決め
られる。
【0013】本実施の形態ではA/Dコンバータ129
の使い方を変えるようにしている。例えば通常の画像処
理を8ビットのデータで処理し、CCD110のオーバ
ーフローの様な白レベルを超えた値は、9ビット又は1
0ビットで処理し、その上位1又は2ビットのデータか
らオーバーフローを判断する。従って、A/Dコンバー
タ129からは、下位の画像処理用のビデオデータ13
0と上位のオーバーフロー信号131とが出力される。
これらのデータはイメージプロセッサ132に送信さ
れ、画像処理用データ130は画像処理回路133へ、
オーバーフロー信号131は画像補正回路134に送ら
れる。画像処理回路133に入力されたビデオ信号はC
PU135の指示に従い画像メモリ136に記憶され
る。
【0014】オーバーフロー信号131によりCCD1
10がオーバーフローを起こしていることが判別された
場合は、画像補正回路134によってオーバーフローを
起こしている読み取りラインの画素を特定する。そして
特定された画素のデータとその画素の近傍の画素のデー
タと比較し、その比較結果に応じて画像メモリ136の
データを適正値に補正する。補正処理の終わった画像デ
ータは、CPU135からの要請に従いプリンタ部13
7に送信され、出力画像としてプリントされる。
【0015】ここで、白レベルの設定であるが、これは
従来の方法と同様である。但し、白レベルのターゲット
の設定が異なっている。以下に、白レベルの調整を10
ビットのA/Dコンバータ129を用いた例で説明す
る。図5は画像形成装置の読み取り部の断面図である。
上述の白レベルの調整とは通常はシェーディング補正と
呼ばれており、目的としては図5の移動光学系103に
設けられた光源ランプ(ハロゲンランプ、蛍光灯、メタ
ルハライドランプ、e.t.c)104の長手方向の光
量分布ムラの補正、集光レンズ109による光量の影響
の除去、CCD110の各々の画素の感度不均一性の補
正、画像形成装置の読み取り性能の安定化等が挙げられ
る。このシェーディング補正では、図5に示すように白
の基準を複写対象である白紙138に設定し、その読み
取り値と、その白紙よりもやや暗い濃度の白色板139
の読み値とを比較して補正を行う。
【0016】次に補正の手順を説明する。まず、図示し
ないオペレーションパネルにより所定の補正モードを選
択し、原稿台ガラス102上に複写に用いる白紙138
を複数枚重ねてセットした後、図示しない補正開始ボタ
ンを押して補正を開始する。
【0017】補正開始時には光源ランプ104は消した
ままで、CCD出力のバランス調整及びオフセット調整
を行う。この調整はアナログプロセッサ127内の調整
回路によって行われる。即ち、図6(a)のような構成
を持ったフォトダイオードから成るCCDのラインセン
サの出力が偶数列、奇数列のように2つの転送レジスタ
から出力される。この2つの信号は図6(b)に示すよ
うに、あるオフセットを持って出てくる。上記バランス
調整は、この各々の出力のオフセットを合わせ込むもの
である。具体的には、図6(b)に示すように、片側
(ここでは奇数側)を固定電位にクランプし、他方のオ
フセットレベルを可変させて合わせ込んでいる。尚、2
つの信号をパラレルに処理する場合にはバランス調整は
必要なくなる。
【0018】さらに画像処理を簡略化するために、通常
は偶数列、奇数列の各々の信号は再度一繁がりのデータ
列に直される。この場合は、図7(a)(図6(b)と
同じ)において、各々の信号を交互にサンプルする倍速
度のサンプルパルスにより2つの信号を交互にセレクト
することによって図7(b)のような信号に並べる。こ
こで、読み取った信号の黒レベルが信号の振幅0となる
ので、論理の整合性を取るためにインバートし、図7
(c)の波形とする。
【0019】次に、上記オフセット調整は、CCD出力
信号をディジタル信号(ビデオ信号)に変換する際に、
黒から白までの読み取りレベルをA/Dコンバータ12
9の入力レンジにフルに入れ込むために、A/Dコンバ
ータ129のVRBのレベルにCCD出力の黒レベルを
合わせ込むDCオフセット調整を意味している。ここま
での手順は図5の光源ランプ104を点灯しない状態で
調整を行う。
【0020】次に白レベルをA/Dコンバータ129の
VRTに設定するために、移動光学系103を103′
で示す所定の場所まで移動させ、光源ランプ104′を
点灯させて白紙138の読み取り値をモニタする。モニ
タされた読み取り値は逐次画像処理を行うイメージプロ
セッサ132に送られ、読み取り値が所定の値になるま
で、アナログプロセッサ127内の可変増幅器の制御を
行い、図7(c)に示すVRTのレベルになるように図
5のランプ制御装置124をコントロールして合わせ込
む。
【0021】しかし、本発明では、例えば、10ビット
のA/Dコンバータの8ビット分のデータで画像調整を
行おうとしているので、調整目標レベルは以下に示す式
の通りである。 VRB+(VRT−VRB)/4 ………(1) (10ビット=1024、8ビット=256であるから
レベルは1/4)
【0022】即ち、白レベルとして調整するFF(H)
を超え、400(H)迄のデータ(9ビット、10ビッ
トデータ)は全てオーバーフローを検出するオーバーフ
ロー信号131となる。但し、図8(a)に示すように
白紙を原稿として読み取った場合でも、主走査方向の読
み取り信号は生データでは分布ムラを持っている。その
ため、白レベルへの調整はピークレベルを検出し、その
ピークレベルを持った画素の読み取り値がターゲットの
FF(H)となるように制御する。
【0023】また、本実施の形態では、光電変換素子と
してCCDを例に挙げて用いるが、CCDには入力光に
対してリニアな出力特性が保証されている領域が存在し
ており、実際に使用する際にはCCDの出力が飽和する
レベルの6〜7割程度のレベルが白レベルに成るように
用いている。また、CCDの構造によっても様々である
が、飽和レベルを超えたCCD出力はその後も少しリニ
アに出力を増加させて行くが、あるレベルを超えると隣
接画素へ電荷が流れ込むオーバーフローを生じる。光量
とA/Dコンバータ129の読み取り値としてのCCD
出力との関係を図8(b)に示す。
【0024】以上バランス、オフセット、ゲインの調整
を図5〜図8によって説明したが、次にCCD画素毎の
感度不均一性の補正について説明する。CCD出力信号
のモデルを図9に示す。図9(a)が各画素のバラツキ
を遮光時と光照射時とで図示したものである。これは、
図示した領域に均一な光を照射した場合であり、斜線で
示す蓄積電荷量は各画素共に同じレベルとなる。このよ
うなCCD出力のバラツキは、CCDの構造上の半導体
の作り込みによって生じるため厳密には0にはならな
い。そのため、画像形成装置のシェーディング調整の際
の白紙138及び白色板139の読み取りは、図9
(b)のように目標値C0(H)に対して、画素毎に所
定のレベル差を持って読みとられる。即ち、この斜線で
示された部分が各画素毎に固有に持っている出力のバラ
ツキの要因であり、この状態で目標値に達している画素
は、実際に白紙を読み取っても調整目標値FF(H)に
達するので、斜線で表されるレベル差を小さくし、バラ
ツキを吸収するためにシェーディング調整を行う。
【0025】図9のようにバラついた画素データを読み
取ると、図1の画像処理部111の内部のイメージプロ
セッサで処理が施され、シェーディング調整時に設定さ
れた光源ランプの点灯電圧での読み取り値を補正するた
めの変換テーブルが作られる。その変換テーブルを図1
0に示す。図10において、横軸が白色板139を読み
取った値になり、80(H)〜C0(H)の間の読み取
り値に対しては各々の変換値が一義的に対応している。
また、80(H)以下の読み値に対しては、最大限の変
換値であるFF(H)が対応する。この例では白色板1
39の読み取り値設定がC0(H)となっているため、
その値を越える画素は白紙138の読み取り値も目標の
FF(H)に達すると仮定している。この変換テーブル
によって、下記の変換式に変換係数を入力することによ
って、白色板139の読み取り値設定が80(H)以上
の画素のデータは一律FF(H):255(10進)に
補正されることになる。
【0026】 VDATA=Vin×(1+変換係数/255) ………(2)
【0027】但し、この式では係数として1〜2の範囲
になるので、画素間の補正量は信号レベル1/2までで
ある。尚、C0(H):192(10進)を越える画素
は、白紙読み取り値もFF(H):255(10進)に
達するので係数は0となる。また、設定上のゲインが2
倍までなので、80(H):128(10進)以下は最
大値のFF(H):255が係数となる。
【0028】また、変換係数を8ビットで規定すると読
み値に対する係数の値は2倍迄しか達しないため、80
(H)以下の読み値に対しては補正し切れない。しか
し、本実施の形態で用いているCCDを例にとれば、感
度不均一性の規格として、飽和出力に対して数%の範囲
に入っているものを良品としていることから、使用上で
は補正不可能な物は混入されないので、実際の使用上の
問題は生じない。
【0029】次に、実際のオーバーフローの検出につい
て説明する。図11は読み取ったCCDの信号がA/D
コンバータ129のどのビットデータに対応しているか
を示したものである。FF(H)を越えた読み取り値
(CCDのオーバーフローを含むが、CCDの飽和出力
内の場合もある。)はD8、D9の値として数値化され
る。
【0030】図12にオーバーフロー検出部の構成を示
す。図12において、オペレータのコピースタートキー
入力に応じてプレスキャンモードに入り、原稿画像の読
み取り動作が行われる。この時画像データ140はその
まま流れるが、OR回路141にD8、D9のデータが
入力されるとオーバーフロー検出回路142によってそ
の状況が検出され、ランプ制御装置124によるランプ
電源制御が行われる。さらに再度読み取り動作が行わ
れ、オーバーフロー検出回路142によってオーバーフ
ローが検出されなければ、画像データ140は画像処理
部111へ送られて画像形成される。
【0031】上述した系は予めプレスキャンを行ってい
るが、この構成を持つ画像形成装置では、通常のコピー
時にオーバーフロー検出回路142でオーバーフローを
検出した時のみランプ電源制御を行って、再度原稿スキ
ャンを行うこともでき、プレスキャンの必要性を自動判
断し、必要に応じてランプ電源制御後、再スキャンを行
い、画像形成することも可能である。このランプ電源制
御の方法は一般的であり、オーバーフロー検出手段を持
たない画像形成装置でも2次的な設定手段によって実現
できる。
【0032】この調整フローを図13、図14に示す。
図13はプレスキャンを自動化した例である。ステップ
S1でコピースタートをオペレータが開始指示すると、
画像形成装置はステップS2で原稿画像の読み込みを開
始する。読み取った画像データはステップS3の条件判
断によってオーバーフローの有無をデータD8、D9に
1があるか否かによって検出し、この結果がオーバーフ
ロー又は設定した白紙の読み取り値を越えている場合は
YESと判断してステップS4でランプの点灯電圧制御
を行って読み取り値から推測されるNGレベルを回避可
能な点灯電圧への制御を行う。その制御値が設定される
と、再度ステップS2で画像読み取りが開始され、ステ
ップS3の条件判断を介してステップS5での画像デー
タ画像処理が行われた後、ステップS6で画像出力とし
て排出される。尚、ステップS3の条件判断は、図示し
ない回数設定手段によってフィードバックの回数を規定
でき、これによって読み取り値が所定の白紙のレベルを
越えた場合のオーバー分の完全な補正を行うか、又は改
善された状態で画像形成を行うかは任意に設定可能とす
る。
【0033】図14は予めプレスキャンを想定した場合
のフローチャートである。ステップS11でコピースタ
ートをオペレータが指示すると、ステップS12でプレ
スキャンを行い、図11に示すようなイメージでD8、
D9のデータレベルを検出する。ここで、NOの場合は
ステップS15へ進み、原稿を読み取ってステップS1
6で画像データ処理を施した後、ステップS17で画像
形成を行い排出する。また、ステップS13でYESと
判断した場合は、ステップS14でランプ電源制御を行
って設定された白紙の読み取り、所定レベルを越えたレ
ベルを下げるべくランプの光量を下げるようにランプ点
灯電圧を下げる。ランプ点灯電圧を制御した後、再びス
テップS12のプレスキャンに戻り、ステップS13の
判断を行う。但し、画像形成装置の構成上はプレスキャ
ンと画像読み取りとでは画像データの流れは同じである
ので、ステップS13の判断の回数を設定することによ
ってステップS12とS13とを等価とみなし、ステッ
プS15を外した形でステップS16の画像データ処理
を行うことができる。画像形成を施された画像はステッ
プS17で画像形成されて排出される。
【0034】次に、ランプの点灯電圧制御を行わない画
像処理での補正について説明する。その場合のオーバー
フロー検出部の構成を図15に示す。構成としては図1
2のランプ制御装置124が省略される。但し、画像処
理部111には画像メモリ(ラインメモリを含む)を含
むことが必要条件となる。図15において、OR回路1
41を通ったデータD8、D9はオーバーフロー検出回
路142によって、CCDで読み取った画像データの画
素番号とレベルとを情報としてオーバーフローを検出
し、その結果を画像処理部111に送る。この図15の
ような回路は、画像形成装置では通常IP(イメージプ
ロセッサ)と言われる処理基板上に構成される。
【0035】オーバーフロー検出のフローチャートを図
16に示す。ステップS21でオペレータがコピースタ
ートを指示すると、ステップS22で通常の画像読み取
り動作を行う。次にステップS23によってオーバーフ
ローの有無が判断されNOと判断されれば、通常の通り
ステップS25で画像データ画像処理が行われた後、ス
テップS26で出力画像が排出される。また、ステップ
S23でYESと判断された場合は、ステップS24の
画像補正処理により数値データとしての補正を行い、以
下ステップS25、S26で出力画像を得る。
【0036】ここで、ステップS24の画像補正処理に
ついて図17により説明する。図17(a)はオーバー
フローが局部的に生じた場合のCCD出力信号を示して
いる。ここで、画像形成装置で初期設定している白紙の
読み取りレベルがFF(H)であり、図示した1A0
(H)のレベルはCCDのオーバーフローもしくは白紙
の読み取り設定レベルを越えていることを示している。
図17(b)は(a)を画素列方向に拡大した図であ
る。図示では、便宜上数画素単位で点線で区切った表記
をしている。画像データを数値的に補正する一番簡単な
方法としては、FF(H)を越えた部分のデータをFF
(H)に置き換える方法である。これは、数値演算処理
では、 IF VDATA > FF(H) THEN VDATA=FF(H) ………(3) と言う形で表記され、同様の記述で画像処理補正(デー
タ変換)することが可能となる。
【0037】しかし、現実的にはFF(H)で表される
画像データは白を意味し、原稿の色が白でないのに光を
強く反射したために部分的に白く出力されたり、ハーフ
トーンの中に真っ白な部分ができることがある。もちろ
ん、これが全てにおいてNGであるわけではなく、場合
によっては原稿対象物の輝きを表現しているような画像
を形成することもある。しかし、画像形成装置では原稿
対象物に忠実な複写画像を形成することを前提としてい
るため、数値置き換えだけでは目的にそぐわない。そこ
で、オーバーフローの対象画素の近隣画素のデータ及び
読み取りラインの前後のラインの対象画素データから導
き出し、対象画素のデータとして算出する方法を考え
る。
【0038】図17(c)に画像補正によって補正され
た画像データのイメージを示す。図17(d)より仮に
n+1 画素、Xn+2 画素、…の数画素がオーバーフロー
を起こした場合、各々の画素データは以下のような手法
で算出される。 Xn+1 =(0.3An +0.4An+1 +0.3An+2 +Xn )/2 …対象画素の前列と隣接1画素データによる補正 ………(4) 即ち、画像データの取り込み時にオーバーフロー画素を
検出し、その画素の1ライン前のラインの同じ画素及び
その前後の画素、さらには着目画素の隣の画素のデータ
を加重平均によって求める。この様な補正方法で有れ
ば、ラインメモリによって補正処理を行うことが可能で
ある。
【0039】この補正によって計算処理した結果を図1
8に示す。図18における補正例1、2について次に示
す。補正例1:N−0列、P+1番目の画素に着目した
場合、以下の式によって補正を行う。 VN,P+1 =(0.3×VN-1,P +0.4×VN-1,P+1 +0.3×VN-1,P+2 + VN-0,P )/2 ………(5) 補正例2:N−0列、P+2番目の画素に着目した場
合、以下の式によって補正を行う。 VN,P+2 =(0.1×VN-2,P +0.2×VN-2,P+1 +0.4×VN-2,P+2 + 0.2×VN-2,P+3 +0.1×VN-2,P+4 +0.05×VN-1,P +0.25×V N-1,P+1 +0.4×VN-1,P+2 +0.25×VN-2,P+3 +0.15×VN-2,P+4 +0.4×VN-0,P +0.6×VN-0,P+1 )/3 ………(6) これらの補正によって図17(c)のように画像データ
が補正される。
【0040】さらに前2列のデータを参照する場合は図
18の下表に示す。フルメモリ(ページメモリ)を持っ
た画像形成装置の場合には図17(d)に示す、後のラ
インのデータを参照することが可能となり、ラインメモ
リを使用する場合より確度の高いデータとなる。この場
合、例えば1ラインだけオーバーフローが発生していた
様な場合には次式のように算出できる。 Xn+1 =(0.3×An +0.4×An+1 +0.3×An+2 +Xn +0.3× Bn +0.4×Bn+1 +0.3×Bn+2 )/3 ………(7)
【0041】これらの係数は設定によって可変なもので
あり、一義的に決まるものではないが、オーバーフロー
を読み取ったライン数、オーバーフローの発生の仕方等
で微妙に変化するモードを持っているものとする。即
ち、D8、D9のデータ検出によってオーバーフローと
判断された画素数が少ない場合は、図18の上の表の補
正を行い、オーバーフローと判断された画素数が多い場
合には図18の下の表の補正を行うと言った形である。
上述したように、画像形成装置の画像データにオーバー
フローあるいは、設定したレベルを越えた読み込みデー
タを検出する手段を持つことによって、その現象部分だ
けを補正することが可能となる。
【0042】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、貴金属
のように光に対して強い反射光を返すような原稿に対し
ても、白抜けの無い、通常の紙原稿と同様なクリアな読
み取り画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による画像形成装置の実施の形態を示す
構成図である。
【図2】CCD出力の変化を示す波形図及び構成図であ
る。
【図3】オーバーフローが出力に与える影響を示す構成
図である。
【図4】画像形成装置の画像処理部の実施の形態を示す
ブロック図である。
【図5】画像読み取り部の構成図である。
【図6】シェーディング調整を示す構成図及び波形図で
ある。
【図7】シェーディング調整を示す波形図である。
【図8】CCD出力と信号レベルを説明する特性図であ
る。
【図9】シェーディング調整を説明する波形図及び構成
図である。
【図10】シェーディング調整を説明する特性図であ
る。
【図11】オーバーフロー検出を説明する特性図であ
る。
【図12】オーバーフロー検出部の実施の形態を示すブ
ロック図である。
【図13】オーバーフロー検出によりランプ電源制御を
行う動作を示すフローチャートである。
【図14】プレスキャンによるオーバーフロー検出によ
りランプ電源制御を行う動作を示すフローチャートであ
る。
【図15】オーバーフロー検出部の他の実施の形態を示
すブロック図である。
【図16】オーバーフロー検出により画像補正を行う動
作を示すフローチャートである。
【図17】オーバーフロー画素データの補正を説明する
特性図及び構成図である。
【図18】オーバーフローを補正する演算処理を説明す
る構成図である。
【符号の説明】
104 光源ランプ 110 CCD 111 画像処理部 124 ランプ制御部 129 A/Dコンバータ 131 オーバーフロー信号 133 画像処理回路 134 画像補正回路 135 CPU 136 画像メモリ 142 オーバーフロー検出回路
フロントページの続き (72)発明者 太田 智市郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 大橋 一仁 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原稿を光学的に画素毎に読み取り電気的
    な信号に変換する光電変換手段と、 上記原稿について白レベルを予め設定する設定手段と、 上記光電変換手段の画素毎の読み取り値と上記設定手段
    による設定値とを比較する比較手段と、 上記読み取り値が上記設定値を越えたときの上記比較手
    段の出力に応じて対応する画素の読み取り値を上記対応
    する画素のラインにおける近傍の画素又は前後のライン
    における近傍の画素の読み取り値を用いて補正する補正
    手段とを備えた画像形成装置。
  2. 【請求項2】 原稿を光学的に画素毎に読み取り電気的
    な信号に変換する光電変換手段と、 上記原稿を照明する照明手段と、 上記原稿について白レベルを予め設定する設定手段と、 上記光電変換手段の画素毎の読み取り値と上記設定手段
    による設定値とを比較する比較手段と、 上記読み取り値が上記設定値を越えたときの上記比較手
    段の出力に応じて上記照明手段の光量を制御する制御手
    段と、 上記制御手段の制御に応じて上記光電変換手段の画素毎
    の読み取り値を対応する画素のラインにおける近傍の画
    素又は前後のラインにおける近傍の画素の読み取り値を
    用いて補正する補正手段とを備えた画像形成装置。
  3. 【請求項3】 上記光電変換手段のアナログの読み取り
    値をディジタルの読み取り値に変換するA/D変換手段
    を設け、 上記比較手段は上記A/D変換手段から得られるディジ
    タルの読み取り値における所定の上位ビットと上記設定
    値とを比較するようにした請求項1又は2記載の画像形
    成装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010053175A1 (ja) 2008-11-07 2010-05-14 Necシステムテクノロジー株式会社 ベクター画像描画装置、ベクター画像描画方法および記録媒体
JP2017158091A (ja) * 2016-03-03 2017-09-07 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 画像読取装置及び画像形成装置

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