JPH09281907A - 磁気泳動表示装置 - Google Patents

磁気泳動表示装置

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JPH09281907A
JPH09281907A JP9228096A JP9228096A JPH09281907A JP H09281907 A JPH09281907 A JP H09281907A JP 9228096 A JP9228096 A JP 9228096A JP 9228096 A JP9228096 A JP 9228096A JP H09281907 A JPH09281907 A JP H09281907A
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dispersion medium
erasing
magnetic particles
display panel
writing
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JP9228096A
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Katsuyuki Konishi
勝之 小西
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表示パネルの表面側から書き込みや消去を行
うことができるとともに、常温において磁性粒子の分散
媒中での位置保持性を高める。 【解決手段】 表示パネル10内部の空隙に、磁性粒子
11と、常温で固体でありその融点が40〜60℃であ
る分散媒13とを封入して、分散媒13を加熱する発熱
体23と、磁性粒子11を磁気吸着する永久磁石25と
を一体にして設ける。書き込み時、発熱体23により分
散媒13を加熱して、分散媒13の流動性を高め、永久
磁石25の磁界を作用させて磁性粒子11を磁気吸着に
より表示パネル10の表面に向かって泳動させる。分散
媒13の冷却により磁性粒子11は表面側で保持され、
画像を表示する。消去時、分散媒13を加熱しながら永
久磁石25の磁気吸着力を低下させ、磁性粒子11を裏
面に向かって泳動させ、画像を消去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁性粒子を分散媒
に混在させ、この磁性粒子を磁気吸着により表示パネル
の表面あるいは裏面に向かって分散媒中を磁気泳動させ
ることによって、表面に濃淡を形成して文字等の画像を
表示する磁気泳動表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の磁気泳動表示装置では、図9に示
すように、表示パネル1は、非磁性かつ透明な表板2と
非磁性の裏板3とで挟まれて所定の大きさに区画された
個々のセル4の空隙に磁気表示用液体が封入されてな
る。この液体は、フェライト等の光吸収性磁性粒子5を
シリコーンオイル等の分散媒6に酸化チタン等の白色発
色体7とともに分散させたものである。
【0003】そして、画像の書き込みに際しては、図9
(a)に示すように表面から目的とする表示パターンに
応じて永久磁石からなる磁気ペンあるいは複数の電磁石
を配列したヘッドアレイ等の書込手段8を表面全面に掃
引すると、磁性粒子5が表面側に磁気吸着され、表板2
を通じてこの領域が黒く見えるようになり、磁気吸着さ
れていない領域は分散媒6ないしは白色発色体7等によ
り白色のまま残され、濃淡が形成されて画像が表示され
る。
【0004】一方、消去に際しては、図9(b)に示す
ように裏面から棒状永久磁石9あるいは電磁石等を掃引
すると、磁性粒子5が裏面に磁気吸着され、画像が全面
消去される。
【0005】また、磁気泳動を利用した表示装置の他の
従来例として、特開昭59−166985号公報、特開
昭62−92987号公報にそれぞれ開示されている。
前者では、重ね合わせたフレキシブルシート間に磁性粒
子および分散媒を封入した表示ベルトを回転させ、表示
ベルトを挟んで書き込み用の電磁石と消去用の永久磁石
とを設けている。後者では、磁性粒子が混入された分散
媒を充填した表示パネルを形成し、この表示パネルの表
面に当接する書込ヘッドを有するヘッドアレイユニット
を移動自在に設け、表示パネルの裏面に消去ヘッドを移
動自在に配設している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の如く従来の磁気
泳動表示装置では、表面側からの書き込みを行うための
手段と裏面側からの消去を行う手段が各々必要であり、
構造が複雑になる。また、書き込みは表面側から行い、
消去は裏面側から行うため、手作業による部分消去を行
うときには、裏面側の消去領域が表面から見えず、目標
を正確に定めることが困難となり、確実に部分消去でき
ない。さらに、表示面積が広い場合、手作業による部分
消去は事実上不可能である。
【0007】また、従来の分散媒であると、磁性粒子お
よび白色発色体は磁気吸着力以外に重力や熱エネルギー
振動等の影響により散乱されて分散媒中での保持位置が
変わってくる。そのため、次第に濃淡度が低下し、書き
込まれた文字等の画像の視認性が低下してくる。
【0008】本発明は、上記に鑑み、表面側から書き込
みや消去を行うことができるとともに、磁性粒子の分散
媒中での位置保持性を高めた磁気泳動表示装置の提供を
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による課題解決手
段は、表示パネルの内部に形成された空隙に、磁性粒子
を混入した分散媒を封入して、磁性粒子を磁気吸着によ
り表示パネルの表面あるいは裏面に向かって分散媒中を
泳動させることによって濃淡を形成して画像を表示する
磁気泳動表示装置において、分散媒は常温で流動性が低
い特性を有し、書き込みあるいは消去時に分散媒の流動
性を高めるために分散媒を加熱する加熱手段が設けられ
たものである。特に、分散媒は常温で固体であり、その
融点が40〜60℃である。
【0010】すなわち、温度による液体と固体の相変化
あるいは流動性の変化に着目し、常温下で固体あるいは
低流動性を呈し、常温より高温度で液体あるいは高流動
性となる特性を有しているものを分散媒として採用する
ものである。このような特性を有する分散媒を用いるこ
とにより、常温において磁性粒子は泳動することはな
く、磁性粒子の分散媒中での位置保持性を堅固なものに
できる。また、分散媒を加熱することにより磁気泳動が
可能となるので、表示パネルの一側から磁界を作用させ
るだけで、同一面側から書き込みや消去を行うことがで
きる。
【0011】そして、加熱手段に、書き込み時に磁性粒
子を磁気吸着する磁化手段が一体化されて設けられたも
のである。具体的には、加熱手段が書き込みあるいは消
去時に画像に応じて分散媒を加熱するための複数の発熱
体を有する加熱体アレイから構成され、磁化手段が加熱
体アレイに隣接して配された磁石から構成され、さらに
消去時に磁性粒子に対する磁石の磁気吸着力を低下させ
る消去手段が設けられたもの、あるいは磁化手段が画像
に応じて磁性粒子を磁気吸着するための複数の電磁石か
ら構成され、加熱手段が電磁石に隣接して配された発熱
体から構成されたもので、電磁石は書き込み時に選択的
にオンされ消去時にオフされる。
【0012】したがって、磁化手段により磁界を作用さ
せると同時ないしは直前に発熱体により表示パネルを加
熱すると、分散媒は液体ないしは高流動化されて、磁性
粒子の分散媒中での泳動が可能となり、表面側から書き
込みや消去を行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
(第一の実施形態)第一の実施形態の磁気泳動表示装置
は、図1の如く、表示パネル10の内部に形成された空
隙に磁性粒子11および発色体12を混入した分散媒1
3が封入されており、分散媒13は常温で流動性が低い
特性を有している。そして、書き込みあるいは消去時に
分散媒13の流動性を高めるために分散媒13を加熱す
る加熱手段と、書き込み時に磁性粒子11を磁気吸着す
る磁化手段とが一体化されて移動ユニット14に設けら
れており、磁性粒子11を磁気吸着により表示パネル1
0の表面あるいは裏面に向かって分散媒13中を泳動さ
せることによって濃淡を形成して画像が表示される。
【0014】表示パネル10は、非磁性なプラスチック
シートからなる表板20および裏板21とが一定の間隔
をおいて対向配置された平板構造であり、表示パネル1
0の周縁では表板20と裏板21とが密着されて、内部
に空隙が形成される。なお、表板20は、表示パネル1
0の内部を視認する必要性があるため透明であるが、裏
板21は透明でなくてもよい。また、表示パネル10
は、図2の如く、内部を複数のセル22に区切っておい
てもよく、このようにすることによって書き込み、消去
を繰り返すうちに磁性粒子11が移動して磁性粒子11
の分布が不均一になってしまうことを防止できる。
【0015】磁性粒子11は、光吸収性のある磁性体が
使用され、例えばフェライト粉、鉄粉、ステンレス粉と
される。発色体12は、消去時に磁性粒子11を完全に
隠蔽し、書き込み時に磁性粒子11とのコントラストを
高めるために分散媒13に配合されるものであり、磁性
粒子11が黒色であるため酸化チタン等の白色顔料が使
用される。
【0016】分散媒13は、40℃以下の常温で固体あ
るいは低流動性、40℃より高温で液体あるいは高流動
性を呈する特性を有し、表示パネル10と加熱手段との
熱バランスや低室温での使用を考慮すると、液体化ある
いは高流動化する温度は60℃以下が好ましい。すなわ
ち、その融点が40〜60℃であればよい。また、化学
的に安定であることも必要であることから、飽和炭化水
素(パラフィン系炭化水素)のドコサン(CH3(C
220CH3、融点44.5℃、比重0.778)やト
リコサン(CH3(CH221CH3、融点47.7℃、
比重0.779)あるいはテトラコサン(CH3(C
222CH3、融点51.1℃、比重0.779)等が
使用される。
【0017】加熱手段は、抵抗加熱、誘電加熱等を利用
した複数個の発熱体23を一列に並べた加熱体アレイ2
4からなり、磁化手段は、1個の棒状の永久磁石25
と、永久磁石25の磁力線を表示パネル10に導く磁性
材の枠体26とからなる。また、移動ユニット14は、
表示パネル10の表面上を直線運動するように設けられ
ており、モータ等の駆動によって一定速度で往復動され
る。
【0018】加熱体アレイ24は表示パネル10の表面
に微小な間隔をあけて対向するように移動ユニット14
に固定され、加熱体アレイ24の上方に永久磁石25が
配されている。永久磁石25に取り付けられた枠体26
は、加熱体アレイ24の両側を囲むように隙間をあけて
延び、表示パネル10の表面に微小な間隔をあけて対向
され、永久磁石25からの磁力線を発熱体23の近傍に
集中させている。さらに、枠体26を加熱体アレイ24
の両側に配置することにより、移動ユニット14の移動
方向に関係なく安定した磁気吸着が行える。なお、磁化
手段の永久磁石25の代わりに1本の電磁石を用いても
よい。
【0019】そして、永久磁石25および枠体26は、
表示パネル10に対して近接離間するように移動ユニッ
ト14に昇降自在に支持されており、ソレノイドあるい
はモータ等によって昇降され、書き込み時は表示パネル
10に近接され、消去時は離間される。このような機構
により消去時に磁性粒子11に対する永久磁石25の磁
気吸着力を低下させる消去手段を構成している。
【0020】なお、永久磁石25の代わりにソレノイド
コイル等の電磁石を用いた場合、書き込み時に電磁石を
オンして通電することにより磁界を発生させ、消去時に
電磁石をオフして通電を断つことにより消磁させる。さ
らに、他の消去手段として、図3の如く、枠体26と表
示パネル10の表板20との間に透磁性で熱伝導性のよ
いシャッタ27をモータあるいはソレノイド等によって
挿入できるようにしておき、書き込み時には別の位置に
移動させておき、消去時に挿入して、永久磁石25の磁
力線を遮断し、磁性粒子11に磁気吸着力が及ばないよ
うにする。
【0021】また、表示パネル10の裏側には、裏板2
1に対向してシート状の消去用永久磁石28が配設され
ており、裏板21全面にバイアス磁場を与え、消去時に
磁性粒子11を磁気吸着して裏面に向かうようにしてい
る。ところで、この消去用永久磁石28がなくても、磁
性粒子11に対する磁気吸着力が作用しなくなれば、磁
性粒子11と分散媒13との比重の違いにより、磁性粒
子11は表示パネル10が配置された状態に応じて重力
方向に空隙内を泳動して、表示パネル10の表面から離
れるため、外部から視認しにくくなり、結果的に消去さ
れることになる。
【0022】さらに、外部から入力された画像情報に基
づいて加熱手段の発熱体23、移動ユニット14、およ
び消去手段すなわち磁化手段の昇降をそれぞれ制御して
画像の書き込み、消去を行うマイクロコンピュータ等か
らなる制御手段が設けられている。書き込み時には、移
動ユニット14を移動させながら画像の表示パターンの
画素に応じて移動する移動ユニット14の座標に合わせ
て加熱体アレイ24の該当する発熱体23に通電を行
い、消去時には、移動ユニット14を移動させながら磁
化手段を表示パネル10から離間させ、加熱体アレイ2
4の発熱体23すべてに通電するか、あるいは書き込み
時に通電された発熱体23にのみ通電するような制御を
行っている。また、部分消去を行うときには、消去すべ
き画素に対応した特定の発熱体23に通電を行うように
制御する。
【0023】上記構成において、画像情報が入力されて
画像を書き込むとき、移動ユニット14を表示パネル1
0の表面に沿って一定速度で移動させながら画像の表示
パターンの画素に対応する発熱体23には通電を行い、
画素に対応しない発熱体23には通電しない。このよう
に移動しながら磁界を作用させると同時に分散媒13を
加熱することにより、図4に示すような温度分布とな
り、表面は分散媒13の融点よりも高い約50℃とな
り、分散媒13は液体となって高流動化される。
【0024】このとき、図2(a)に示すように発熱体
23を挟む枠体26から発生する磁場により、表示パネ
ル10の裏面側に位置する消去用永久磁石28による磁
場に抗して磁性粒子11は表面側に磁気吸着される。引
き続き移動ユニット14の通過に伴って、加熱された分
散媒13が冷却され、分散媒13の流動性が低くなり、
ついには固体となって、磁性粒子11が表面側に位置し
たまま保持される。その結果、表板20を通じて磁性粒
子11を視認でき、画素が黒く見えるようになり、加熱
されなかった領域は表板20を通じて発色体12が視認
されて白く見え、濃淡が形成されて画像が表示される。
【0025】一方、消去時には、図2(b)に示すよう
に消去用永久磁石28による磁場が優位になる位置まで
永久磁石25および枠体26を表示パネル10から離し
た状態で、移動ユニット14を掃引しながら目的とする
消去領域に対応する発熱体23に通電を行って加熱する
と、分散媒13は流動化し、磁性粒子11は裏面側に磁
気吸着され、分散媒13が固体になると磁性粒子11は
その状態で保持され、表板20を通して発色体12が視
認され、表示パネル10の表面が白く見え、画像が消去
されたことになる。
【0026】このように、分散媒13として、温度によ
る液体と固体の相変化あるいは流動性の変化に着目し、
常温下で固体あるいは低流動性を呈し、常温より高温度
で液体あるいは高流動性となる特性を有しているものを
採用することにより、常温における磁性粒子11や発色
体12の分散媒13中での位置保持性を堅固なものにで
きる。したがって、高温環境以外の屋内外、水中といっ
た環境下においては磁性粒子11は泳動することはな
く、画像の視認性の経時低下が発生せず、常に安定した
表示を行える。
【0027】また、加熱手段と磁化手段の一体化によ
り、表示パネル10の表面側から消去作業を書き込み作
業と同様に行うことができるので、磁気泳動表示装置の
構造が簡単となり、小型薄型化を図ることができる。さ
らに、加熱手段や磁化手段の駆動を制御することによ
り、容易に部分消去を行うことができる。
【0028】(第二の実施形態)本実施形態の磁気泳動
表示装置では、図5の如く、磁化手段が、画像に応じて
磁性粒子11を磁気吸着するために複数の電磁石30を
一列に並べた電磁石アレイ31と、各電磁石30に対応
して設けられた枠体32とから構成され、加熱手段が、
1個の発熱体23から構成される。なお、電磁石30お
よび枠体32が昇降しないことを除いてその他の構造は
第一の実施形態のものと同じである。
【0029】そして、この構成に対する制御手段では、
書き込み時には、移動ユニット14を移動させながら発
熱体23に通電し、さらに画像の表示パターンの画素に
応じて移動する移動ユニット14の座標に合わせて電磁
石アレイ31の該当する電磁石30を選択的にオンして
通電を行い、消去時には、移動ユニット14を移動させ
ながら発熱体23に通電し、電磁石アレイ31の電磁石
30すべてをオフして通電を断つような制御を行う。ま
た、部分消去を行うときには、消去すべき画素に対応し
た電磁石30はオフして通電を断ち、残しておく画素に
対応した電磁石30はオンして通電を行うといった制御
を行う。
【0030】上記構成において、画像を書き込むとき、
移動ユニット14を表示パネル10の表面に沿って一定
速度で移動させながら発熱体23に通電して表示パネル
10を加熱し、画像の表示パターンの画素に対応する電
磁石30には通電を行い、画素に対応しない電磁石30
には通電しない。このように移動しながら磁界を作用さ
せる直前に分散媒13を加熱して高流動化させ、表示す
べき領域だけを磁化することにより、図6(a)に示す
ように発熱体23を挟む枠体32から発生する磁場によ
り、消去用永久磁石28による磁場に抗して磁性粒子1
1は表面側に磁気吸着される。引き続き移動ユニット1
4の通過に伴って、加熱された分散媒13が冷却され、
低流動化さらには固体となり、磁性粒子11が表面側に
保持される。その結果、表板20を通じて磁性粒子11
を視認でき、画素が黒く見えて濃淡が形成され、画像が
表示される。
【0031】一方、消去時には、図6(b)に示すよう
に、すべての電磁石30への通電を断って、移動ユニッ
ト14を掃引しながら発熱体23に通電を行って加熱す
ると、分散媒13は流動化し、消去用永久磁石28によ
る磁場によって磁性粒子11は裏面側に磁気吸着され、
表板20を通して発色体12が視認され、表示パネル1
0の表面が白く見え、画像が消去されたことになる。
【0032】このように、本実施形態でも上記と同じ効
果を達成できる。さらに、磁化手段を昇降させる等の機
構を設けなくても電磁石30の簡単な駆動制御だけで消
去および部分消去を行うことができ、磁気泳動表示装置
の構造のより一層の単純化が可能となる。
【0033】ところで、上記の二つの実施形態では、書
き込み作業や消去作業は移動ユニット14の移動に伴っ
て自動的に行われているが、手作業にて書き込み、消去
を実行することも可能である。すなわち、図7の如く、
ペン型の筆記体40を設け、その先端に、発熱体41お
よび発熱体41の周りを取り囲むように巻かれた電磁石
42を一体にした書込消去ヘッド43を配設して、書込
消去ヘッド43の周囲を耐熱性の保護カバー44で覆っ
た構造にすることにより、筆記体40が任意の方向に動
かされても書き込みおよび消去できるようになる。な
お、筆記体40は表示パネル10にコードを介して接続
しておけばよく、失うことはない。
【0034】そして、筆記体40には、書き込み用ボタ
ンおよび消去用ボタンが設けられ、書き込み用ボタンを
操作すると、発熱体41および電磁石42に通電され、
表示パネル10を加熱して磁性粒子11を磁気吸着で
き、画像を書き込むことができる。また、消去用ボタン
を操作すると、発熱体41だけに通電され、上述の消去
作業と同様の原理で表示パネル10が白くなり、画像は
消去される。しかも、視覚で確認しながら消去するの
で、正確に部分消去を実行できる。
【0035】さらに、筆記体40の他の実施形態とし
て、電磁石42に代えて筒状の永久磁石を発熱体41に
被せてもよい。この場合、消去時には永久磁石を表示パ
ネル10から離す必要がある。そのため、永久磁石をば
ねで表示パネル10から離れる方向に付勢して、書き込
み用ボタンの操作により永久磁石が表示パネル10に近
接した状態で保持されるようにしておき、消去用ボタン
を操作すると、元の状態に復帰するようにしておけばよ
い。
【0036】また、手作業でより広い領域の部分消去が
必要な場合は、所定の長さの発熱体を用いた専用の消去
器を設ければよい。
【0037】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではなく、本発明の範囲内で上記実施形態に多く
の修正および変更を加え得ることは勿論である。例え
ば、移動ユニットや筆記体の構造として、発熱体を中央
にして磁化手段で囲むようになっているが、磁化手段の
永久磁石や電磁石を中央に配し、これを取り囲むように
発熱体を配してもよい。また、移動ユニットを表示パネ
ルに対して移動させる代わりに、加熱手段および磁化手
段を一体的に設けたユニットを固定とし、表示パネルを
例えば無端ベルト、円筒あるいは平板にして移動させる
機構としてもよい。
【0038】上記実施形態では、表示パネルの裏面側に
消去用永久磁石を設けているが、表示パネルの裏板とし
て、プラスチック磁石といった高分子磁性体を用いた
り、あるいは導電性プラスチックを用い、消去時に通電
して磁界を発生させるようにしたものでもよい。これに
よって、消去用永久磁石を廃止することができ、表示パ
ネルを薄型化できる。さらに、上記の導電性プラスチッ
クを透光性を有するフィルムとすることにより、表示パ
ネルの裏面側からも磁性粒子を視認することが可能とな
り、表面側と裏面側では同じ表示パターンながら白黒が
反転した画像を得ることが可能となる。このように、表
示パネルの表面側から画像の書き込みおよび消去ができ
るという利点を活かしながら両面を有効に活用でき、磁
気泳動表示装置の利用価値を高めることができる。
【0039】また、図8の如く、2枚の表示パネル10
で消去用永久磁石28を挟む構造にして、各表示パネル
10に対して上記実施形態で示した加熱手段および磁化
手段を備えた移動ユニット14を設ける。そして、各移
動ユニット14をそれぞれの表示パネル10に沿って移
動させることにより、両移動ユニット14に同じ画像情
報を入力すれば表側と裏側で同じ画像を表示でき、ある
いは各移動ユニット14に異なる画像情報を入力すれば
異なる画像を表示できる。また、移動ユニット14の代
わりに筆記体40にすると、表裏面を利用することがで
きる。このような構成によって、表示面積を2倍にで
き、容易に情報量の増大を図ることができる。
【0040】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、本発明に
よると、表示パネルの内部に形成された空隙に封入され
た分散媒は常温で流動性が低い特性を有し、書き込みあ
るいは消去時に分散媒の流動性を高めるために分散媒を
加熱する加熱手段が設けられているので、常温で分散媒
は固体あるいは低流動性となり、重力や熱エネルギー振
動等の影響による磁性粒子の泳動が起こらず、分散媒中
での磁性粒子の位置保持性が向上する。そのため、画像
の濃淡度が安定して、画像の視認性の経時低下を防止で
き、いつまでも鮮明な画像を保持できる。また、分散媒
を加熱することにより磁気泳動が可能となるので、従来
では不可能であった表示パネルの表面側からの書き込み
および消去を行うことができる。
【0041】そして、加熱手段に、書き込み時に磁性粒
子を磁気吸着する磁化手段を一体化して設けることによ
り、表面側からの消去を書き込みと同様容易に実施でき
る。したがって、裏面側に消去用の機構を設ける必要が
なくなり、構造を簡単にでき、小型薄型化を図ることが
できる。さらに、加熱手段と磁化手段との一体化により
手で持てる形状にすることも可能となるので、画像を見
ながら部分消去を容易に行うことができ、使用性の向上
を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態の磁気泳動表示装置の
一部破断斜視図
【図2】同じく磁気泳動表示装置の動作原理を示す図
で、(a)は書き込み時、(b)は消去時
【図3】他の消去手段を示す図
【図4】加熱時の表示パネル表面の温度分布図
【図5】第二の実施形態の磁気泳動表示装置の一部破断
斜視図
【図6】同じく磁気泳動表示装置の動作原理を示す図
で、(a)は書き込み時、(b)は消去時
【図7】手作業用の筆記体の構成図
【図8】他の実施形態の磁気泳動表示装置の構成図
【図9】従来の磁気泳動表示装置の動作原理を示す図
で、(a)は書き込み時、(b)は消去時
【符号の説明】
10 表示パネル 11 磁性粒子 13 分散媒 23 発熱体 24 加熱体アレイ 25 永久磁石 28 消去用永久磁石 30 電磁石 31 電磁石アレイ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表示パネルの内部に形成された空隙に、
    磁性粒子を混入した分散媒を封入して、前記磁性粒子を
    磁気吸着により前記表示パネルの表面あるいは裏面に向
    かって前記分散媒中を泳動させることによって濃淡を形
    成して画像を表示する磁気泳動表示装置において、前記
    分散媒は常温で流動性が低い特性を有し、書き込みある
    いは消去時に前記分散媒の流動性を高めるために分散媒
    を加熱する加熱手段が設けられたことを特徴とする磁気
    泳動表示装置。
  2. 【請求項2】 分散媒は常温で固体であり、その融点が
    40〜60℃であることを特徴とする請求項1記載の磁
    気泳動表示装置。
  3. 【請求項3】 加熱手段に、書き込み時に磁性粒子を磁
    気吸着する磁化手段が一体化されて設けられたことを特
    徴とする請求項1または2記載の磁気泳動表示装置。
  4. 【請求項4】 加熱手段が書き込みあるいは消去時に画
    像に応じて分散媒を加熱するための複数の発熱体を有す
    る加熱体アレイから構成され、磁化手段が前記加熱体ア
    レイに隣接して配された磁石から構成され、消去時に磁
    性粒子に対する前記磁石の磁気吸着力を低下させる消去
    手段が設けられたことを特徴とする請求項3記載の磁気
    泳動表示装置。
  5. 【請求項5】 磁化手段が画像に応じて磁性粒子を磁気
    吸着するための複数の電磁石から構成され、加熱手段が
    前記電磁石に隣接して配された発熱体から構成され、前
    記電磁石は書き込み時に選択的にオンされ消去時にオフ
    されることを特徴とする請求項3記載の磁気泳動表示装
    置。
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