JPH09281351A - 高分子光導波路の製造方法 - Google Patents
高分子光導波路の製造方法Info
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- JPH09281351A JPH09281351A JP9682096A JP9682096A JPH09281351A JP H09281351 A JPH09281351 A JP H09281351A JP 9682096 A JP9682096 A JP 9682096A JP 9682096 A JP9682096 A JP 9682096A JP H09281351 A JPH09281351 A JP H09281351A
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- optical waveguide
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- Polymerisation Methods In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、転写型を用いた高分子光導波路の
製造方法において、転写型からの光導波路の分離を容易
とすると共に、緻密で複雑なパターンを持つ矩形性の良
好な光導波路であっても欠陥を抑さえて低コストで作製
可能な高分子光導波路の製造方法を提供することを目的
とする。 【解決手段】 高屈折率透明樹脂をモノマー状態で転写
型6に流し込んで重合固化させ、重合固化した高屈折率
透明樹脂13の上に高屈折率透明樹脂13よりも屈折率
の低い低屈折率透明樹脂をモノマー状態で塗布して重合
固化させた後、重合固化した高屈折率透明樹脂13及び
低屈折率透明樹脂9を転写型11から分離させる工程を
含む高分子光導波路の製造方法において、転写型6が光
導波路コア部13の形状にパターニングされた感光性樹
脂膜4から構成され、前記分離操作を化学的処理により
行う。
製造方法において、転写型からの光導波路の分離を容易
とすると共に、緻密で複雑なパターンを持つ矩形性の良
好な光導波路であっても欠陥を抑さえて低コストで作製
可能な高分子光導波路の製造方法を提供することを目的
とする。 【解決手段】 高屈折率透明樹脂をモノマー状態で転写
型6に流し込んで重合固化させ、重合固化した高屈折率
透明樹脂13の上に高屈折率透明樹脂13よりも屈折率
の低い低屈折率透明樹脂をモノマー状態で塗布して重合
固化させた後、重合固化した高屈折率透明樹脂13及び
低屈折率透明樹脂9を転写型11から分離させる工程を
含む高分子光導波路の製造方法において、転写型6が光
導波路コア部13の形状にパターニングされた感光性樹
脂膜4から構成され、前記分離操作を化学的処理により
行う。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ファクシミリ、コ
ピー機、スキャナ等の読み取り光学系に使用されるイメ
ージセンサに用いられる高分子光導波路の製造方法に関
するものである。
ピー機、スキャナ等の読み取り光学系に使用されるイメ
ージセンサに用いられる高分子光導波路の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリマー材料を用いた高分子
光導波路は、無機材料を用いたものに比べてコストの低
減が可能で、量産に向いているので、活発に研究開発が
行われている。この高分子光導波路の製造方法として、
幾つかの方法が試みられている。その内の1つが選択重
合法である。これは、屈折率が1.59程度のポリカー
ボネート中に、重合後の屈折率が1.48〜1.49程
度の感光性材料であるアクリルモノマーを分散させた溶
液をフィルム状に形成しておく。そして、このフィルム
の上に光導波路パターンが描かれたフォトマスクを密着
させて紫外線を照射する。これにより、紫外線が照射さ
れた部分のアクリルモノマーがポリカーボネートと重合
し、屈折率が1.53程度の共重合体が形成される。次
に、紫外線の未照射部分に残っている未反応のアクリル
モノマーを真空乾燥して除去すると、ポリカーボネート
部がコア部となり、紫外線が照射された部分はクラッド
部となる。そして、このフィルムの両面を上記クラッド
材のフィルムで覆い、更にその両面に補強材を接着して
光導波路を作製する。
光導波路は、無機材料を用いたものに比べてコストの低
減が可能で、量産に向いているので、活発に研究開発が
行われている。この高分子光導波路の製造方法として、
幾つかの方法が試みられている。その内の1つが選択重
合法である。これは、屈折率が1.59程度のポリカー
ボネート中に、重合後の屈折率が1.48〜1.49程
度の感光性材料であるアクリルモノマーを分散させた溶
液をフィルム状に形成しておく。そして、このフィルム
の上に光導波路パターンが描かれたフォトマスクを密着
させて紫外線を照射する。これにより、紫外線が照射さ
れた部分のアクリルモノマーがポリカーボネートと重合
し、屈折率が1.53程度の共重合体が形成される。次
に、紫外線の未照射部分に残っている未反応のアクリル
モノマーを真空乾燥して除去すると、ポリカーボネート
部がコア部となり、紫外線が照射された部分はクラッド
部となる。そして、このフィルムの両面を上記クラッド
材のフィルムで覆い、更にその両面に補強材を接着して
光導波路を作製する。
【0003】また、クラッドとして用いる基板表面に形
成された溝にコア材料を充填、重合した後、その上部に
クラッド基板を貼り合わせる方法も行われている。これ
は、コア部に対応する溝状パターンが片面に形成されて
いる低屈折率ポリマー板に、この板よりも屈折率の高い
高屈折率樹脂をモノマーの状態で流し込んで硬化させ、
次に、高屈折率樹脂をクラッド面と樹脂面が同じ高さに
なるまで研磨し、最後に、研磨した面全体にクラッド板
と同じ屈折率のクラッド板を貼り合わせて光導波路を得
る方法である。また、この方法において、クラッドとし
て用いる基板表面に形成された溝に高屈折率樹脂を流し
込んだ後、クラッド板を上から押しつけて余分なコア材
料を押し出し、上下基板を接着して導波路を作製する方
法もある。
成された溝にコア材料を充填、重合した後、その上部に
クラッド基板を貼り合わせる方法も行われている。これ
は、コア部に対応する溝状パターンが片面に形成されて
いる低屈折率ポリマー板に、この板よりも屈折率の高い
高屈折率樹脂をモノマーの状態で流し込んで硬化させ、
次に、高屈折率樹脂をクラッド面と樹脂面が同じ高さに
なるまで研磨し、最後に、研磨した面全体にクラッド板
と同じ屈折率のクラッド板を貼り合わせて光導波路を得
る方法である。また、この方法において、クラッドとし
て用いる基板表面に形成された溝に高屈折率樹脂を流し
込んだ後、クラッド板を上から押しつけて余分なコア材
料を押し出し、上下基板を接着して導波路を作製する方
法もある。
【0004】これらの他、コスト低減が期待できる方法
として、転写型を用いた導波路の作製方法がある。これ
は、導波路コア部のパターンを形成した転写型(金型)
を用意し、この光導波路コア部に対応する凹パターンへ
コア材を注入した後硬化させ、その上へクラッド材料を
塗布して硬化、あるいはクラッド基板を接着した後、金
型から剥離して光導波路を作製する方法である。
として、転写型を用いた導波路の作製方法がある。これ
は、導波路コア部のパターンを形成した転写型(金型)
を用意し、この光導波路コア部に対応する凹パターンへ
コア材を注入した後硬化させ、その上へクラッド材料を
塗布して硬化、あるいはクラッド基板を接着した後、金
型から剥離して光導波路を作製する方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の高分子光導波路の製造方法には、以下のような問題
がある。まず、上記の選択重合法においては、紫外線の
照射による重合でクラッド部とコア部とを同時に作製す
る際、このクラッド部とコア部との境界が明確に出てこ
ないことや、厚さの均一なフィルム作製が困難というこ
と等の問題点がある。
来の高分子光導波路の製造方法には、以下のような問題
がある。まず、上記の選択重合法においては、紫外線の
照射による重合でクラッド部とコア部とを同時に作製す
る際、このクラッド部とコア部との境界が明確に出てこ
ないことや、厚さの均一なフィルム作製が困難というこ
と等の問題点がある。
【0006】そして、上記の溝を設けたクラッド基板を
用いる方法においては、研磨の工程に時間とコストがか
かる問題点がある。また、コア材を流し込んだ後にクラ
ッド基板を押しつける方法では、溝を設けたクラッド基
板表面に凹凸が存在した場合には上下基板間にすき問が
生ずるため、平坦性が極めて高い溝基板を作製しなけれ
ばならなく、これがかなり困難であるという問題があ
る。
用いる方法においては、研磨の工程に時間とコストがか
かる問題点がある。また、コア材を流し込んだ後にクラ
ッド基板を押しつける方法では、溝を設けたクラッド基
板表面に凹凸が存在した場合には上下基板間にすき問が
生ずるため、平坦性が極めて高い溝基板を作製しなけれ
ばならなく、これがかなり困難であるという問題があ
る。
【0007】さらに、上記の転写型を用いた光導波路の
製造方法は、コア部分が凹型の溝である金型があれば、
光導波路を容易に複数作製することができ、しかも、上
記2つの製造方法に比べると、手間がかからずコストが
低減できる利点がある。しかし、導波路コア部のパター
ンが綴密でコア部分の溝が深く、その断面形状の矩形性
が非常に良好である程、転写型に密着した状態で作製し
た光導波路を剥離する際にコアが転写型側に付着してし
まい、光導波路に欠陥を生じる問題が発生する。
製造方法は、コア部分が凹型の溝である金型があれば、
光導波路を容易に複数作製することができ、しかも、上
記2つの製造方法に比べると、手間がかからずコストが
低減できる利点がある。しかし、導波路コア部のパター
ンが綴密でコア部分の溝が深く、その断面形状の矩形性
が非常に良好である程、転写型に密着した状態で作製し
た光導波路を剥離する際にコアが転写型側に付着してし
まい、光導波路に欠陥を生じる問題が発生する。
【0008】本発明は、上記のような課題を解決するた
めになされたものであって、転写型を用いた高分子光導
波路の製造方法において、転写型からの光導波路の分離
を容易とすると共に、緻密で複雑なパターンを持つ矩形
性の良好な光導波路であっても欠陥を抑さえて低コスト
で作製可能な高分子光導波路の製造方法を提供すること
を目的とする。
めになされたものであって、転写型を用いた高分子光導
波路の製造方法において、転写型からの光導波路の分離
を容易とすると共に、緻密で複雑なパターンを持つ矩形
性の良好な光導波路であっても欠陥を抑さえて低コスト
で作製可能な高分子光導波路の製造方法を提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明では、高屈折率透明樹脂をモノマー状態で転
写型に流し込んで重合固化させ、その重合固化した高屈
折率透明樹脂の上にその高屈折率透明樹脂よりも屈折率
の低い低屈折率透明樹脂をモノマー状態で塗布して重合
固化させた後、重合固化した高屈折率透明樹脂及び低屈
折率透明樹脂を転写型から分離させる工程を含む高分子
光導波路の製造方法において、転写型が光導波路コア部
の形状にパターニングされた感光性樹脂膜から構成さ
れ、分離操作を化学的処理により行うこととしている。
め、本発明では、高屈折率透明樹脂をモノマー状態で転
写型に流し込んで重合固化させ、その重合固化した高屈
折率透明樹脂の上にその高屈折率透明樹脂よりも屈折率
の低い低屈折率透明樹脂をモノマー状態で塗布して重合
固化させた後、重合固化した高屈折率透明樹脂及び低屈
折率透明樹脂を転写型から分離させる工程を含む高分子
光導波路の製造方法において、転写型が光導波路コア部
の形状にパターニングされた感光性樹脂膜から構成さ
れ、分離操作を化学的処理により行うこととしている。
【0010】さらに、本発明では、上記の高分子導波路
の製造方法において、転写型を構成する感光性樹脂膜と
して露光及び現像することにより光導波路コア部の形状
にパターニングされたフォトレジスト膜を用い、パター
ニングされたフォトレジスト膜表面全体を金属薄膜にて
被覆する工程を含むこととしている。
の製造方法において、転写型を構成する感光性樹脂膜と
して露光及び現像することにより光導波路コア部の形状
にパターニングされたフォトレジスト膜を用い、パター
ニングされたフォトレジスト膜表面全体を金属薄膜にて
被覆する工程を含むこととしている。
【0011】さらに、本発明では、上記の高分子光導波
路の製造方法において、転写型表面に被覆された金属薄
膜を化学エッチングで除去することにより重合固化した
高屈折率透明樹脂及び低屈折率透明樹脂を転写型から分
離することとしている。
路の製造方法において、転写型表面に被覆された金属薄
膜を化学エッチングで除去することにより重合固化した
高屈折率透明樹脂及び低屈折率透明樹脂を転写型から分
離することとしている。
【0012】また、本発明では、上記の高分子光導波路
の製造方法において、転写型のフォトレジスト膜を露光
及び現像することにより転写型を除去した後、重合固化
した高屈折率透明樹脂及び低屈折率透明樹脂の表面に残
った金属薄膜を化学エッチングにて除去することによっ
て重合固化した高屈折率透明樹脂及び低屈折率透明樹脂
を転写型から分離することとしている。
の製造方法において、転写型のフォトレジスト膜を露光
及び現像することにより転写型を除去した後、重合固化
した高屈折率透明樹脂及び低屈折率透明樹脂の表面に残
った金属薄膜を化学エッチングにて除去することによっ
て重合固化した高屈折率透明樹脂及び低屈折率透明樹脂
を転写型から分離することとしている。
【0013】本発明では、高分子光導波路の製造方法に
おいて、例えば、光導波路コア部分の高さと同じ厚さの
感光性樹脂を基板上に塗布し、この膜を導波路コアパタ
ーンを持つフォトマスクを通して露光・現像を行う。こ
うして形成したパターンの表面全体に金属薄膜を蒸着し
て、コアに相当する部分が矩形の溝である光導波路の転
写型を作製する。次に、モノマー状態のコア材料を、転
写型の溝に注入して硬化させた後、モノマー状態のクラ
ッド材料を表面全体に塗布する。補強材としてPMMA
等の基板をこの上に貼り付けた後、クラッド材料を硬化
させて補強材との固定も行う。そして、金属薄膜を化学
エッチングで除去することで、転写型と作製した光導波
路とを分離(剥離)する。
おいて、例えば、光導波路コア部分の高さと同じ厚さの
感光性樹脂を基板上に塗布し、この膜を導波路コアパタ
ーンを持つフォトマスクを通して露光・現像を行う。こ
うして形成したパターンの表面全体に金属薄膜を蒸着し
て、コアに相当する部分が矩形の溝である光導波路の転
写型を作製する。次に、モノマー状態のコア材料を、転
写型の溝に注入して硬化させた後、モノマー状態のクラ
ッド材料を表面全体に塗布する。補強材としてPMMA
等の基板をこの上に貼り付けた後、クラッド材料を硬化
させて補強材との固定も行う。そして、金属薄膜を化学
エッチングで除去することで、転写型と作製した光導波
路とを分離(剥離)する。
【0014】また、剥離の方法としては、金属薄膜を化
学エッチングで除去する代わりに、転写型を構成する感
光性樹脂全体を、転写型を支持している基板裏面側から
再び露光・現像することで、この感光性樹脂全体を溶解
・除去し、転写型と光導波路とを分離する。
学エッチングで除去する代わりに、転写型を構成する感
光性樹脂全体を、転写型を支持している基板裏面側から
再び露光・現像することで、この感光性樹脂全体を溶解
・除去し、転写型と光導波路とを分離する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明による実施形態につ
いて、図面を参照して説明する。まず、感光性樹脂を用
いた転写型の作製方法について、図1を用いて説明す
る。初めに、ガラス基板1の表面に厚さ8μmでポジ型
フォトレジスト2を塗布する(a)。これをブリベーク
した後、光導波路のコアに相当する部分だけに光を通す
パターンを有するフォトマスク3を用いて、上記ポジ型
フォトレジスト2を露光し(b)、そして現像する
(c)。フォトマスク3の光を通す部分の幅は8μmで
ある。これにより、コア部分が、高さ8μm、幅8μm
の溝形状であるフォトレジストのパターン4が形成され
た。そしてこのパターン化されたレジスト2の表面全体
にTiの薄膜5を厚さ200nm蒸着して、光導波路転
写型を作製した(d)。この場合、用いるフォトレジス
トはポジ型に限らず、ネガ型であっても反転したフォト
マスクを用いればよい。
いて、図面を参照して説明する。まず、感光性樹脂を用
いた転写型の作製方法について、図1を用いて説明す
る。初めに、ガラス基板1の表面に厚さ8μmでポジ型
フォトレジスト2を塗布する(a)。これをブリベーク
した後、光導波路のコアに相当する部分だけに光を通す
パターンを有するフォトマスク3を用いて、上記ポジ型
フォトレジスト2を露光し(b)、そして現像する
(c)。フォトマスク3の光を通す部分の幅は8μmで
ある。これにより、コア部分が、高さ8μm、幅8μm
の溝形状であるフォトレジストのパターン4が形成され
た。そしてこのパターン化されたレジスト2の表面全体
にTiの薄膜5を厚さ200nm蒸着して、光導波路転
写型を作製した(d)。この場合、用いるフォトレジス
トはポジ型に限らず、ネガ型であっても反転したフォト
マスクを用いればよい。
【0016】次に、光導波路の作製方法について、図2
を用いて説明する。まず、上述のようにして作製した転
写型6の表面全体に、モノマー状態の透明樹脂から成る
コア材料7を滴下し(a)、これをスキージゴム8を用
いて掃き取り、転写型6の溝の中だけにコア材料7を充
填する(b)。コア材料7には、紫外線硬化樹脂である
サマーズオプティカル社のJ−91を用いた。コア材料
7充填後、紫外線を転写型6全面に照射してコア材料7
を重合させ(c)、コア材7硬化後、モノマー状態の透
明樹脂から成るクラッド材料9を、転写型6表面全体
に、スピンコート法により均一に塗布し(d)、補強材
としてPMMA基板10を貼り付け(e)、上記(c)
の工程と同様に紫外線照射によりクラッド層9を硬化さ
せてPMMA基板10を接着する(f)。クラッド材料
には、紫外線硬化樹脂であるサマーズオプティカル社の
SK9を用いた。なお、コア材料の屈折率は、クラッド
材料の屈折率よりも高いものである。
を用いて説明する。まず、上述のようにして作製した転
写型6の表面全体に、モノマー状態の透明樹脂から成る
コア材料7を滴下し(a)、これをスキージゴム8を用
いて掃き取り、転写型6の溝の中だけにコア材料7を充
填する(b)。コア材料7には、紫外線硬化樹脂である
サマーズオプティカル社のJ−91を用いた。コア材料
7充填後、紫外線を転写型6全面に照射してコア材料7
を重合させ(c)、コア材7硬化後、モノマー状態の透
明樹脂から成るクラッド材料9を、転写型6表面全体
に、スピンコート法により均一に塗布し(d)、補強材
としてPMMA基板10を貼り付け(e)、上記(c)
の工程と同様に紫外線照射によりクラッド層9を硬化さ
せてPMMA基板10を接着する(f)。クラッド材料
には、紫外線硬化樹脂であるサマーズオプティカル社の
SK9を用いた。なお、コア材料の屈折率は、クラッド
材料の屈折率よりも高いものである。
【0017】このようにして、転写型に密着した状態で
の光導波路を作製した。なお、光導波路作製時に照射す
る紫外線量は、フォトレジストのパターニング時に照射
する紫外線量の約20倍の量であるので、これが転写型
を構成するフォトレジストに照射されると、フォトレジ
ストが変質してしまう恐れがある。しかし、転写型表面
に形成されたTi薄膜が紫外線を遮断するのでレジスト
には紫外線は届かず、変質も防ぐことができる。また、
モノマー状態のコア材がレジストに接触すると、両材料
の組み合わせによってはレジストが溶解する可能性もあ
るが、Ti薄膜により両者は隔てられているので、コア
材料が転写型に影響を及ぼすこともない。
の光導波路を作製した。なお、光導波路作製時に照射す
る紫外線量は、フォトレジストのパターニング時に照射
する紫外線量の約20倍の量であるので、これが転写型
を構成するフォトレジストに照射されると、フォトレジ
ストが変質してしまう恐れがある。しかし、転写型表面
に形成されたTi薄膜が紫外線を遮断するのでレジスト
には紫外線は届かず、変質も防ぐことができる。また、
モノマー状態のコア材がレジストに接触すると、両材料
の組み合わせによってはレジストが溶解する可能性もあ
るが、Ti薄膜により両者は隔てられているので、コア
材料が転写型に影響を及ぼすこともない。
【0018】最後に、作製した光導波路部11を転写型
6から剥離する方法について、図3を用いて説明する。
光導波路部11と一体化した転写型6をエッチング液
(フッ化水素水溶液)12に浸し、フォトレジスト転写
型6と光導波路部11間を隔てているTi薄膜5をエッ
チングする(a)。そして、剥離した光導波路部のコア
部分13が、全面上記クラッド材料9と同じ材料によっ
て覆われる様に、モノマー状態のクラッド材料9’を塗
布し、補強材としてのPMMA基板10’を接着した後
(b)、紫外線照射を行い硬化させて高分子光導波路を
作製した(c)。
6から剥離する方法について、図3を用いて説明する。
光導波路部11と一体化した転写型6をエッチング液
(フッ化水素水溶液)12に浸し、フォトレジスト転写
型6と光導波路部11間を隔てているTi薄膜5をエッ
チングする(a)。そして、剥離した光導波路部のコア
部分13が、全面上記クラッド材料9と同じ材料によっ
て覆われる様に、モノマー状態のクラッド材料9’を塗
布し、補強材としてのPMMA基板10’を接着した後
(b)、紫外線照射を行い硬化させて高分子光導波路を
作製した(c)。
【0019】この高分子光導波路に波長570nmのレ
ーザーを入射させて、入射、出射損失を除いた透過損失
を測定したところ、0.2dB/cmと良好な特性を得
ることができた。
ーザーを入射させて、入射、出射損失を除いた透過損失
を測定したところ、0.2dB/cmと良好な特性を得
ることができた。
【0020】第2の実施形態として、転写型に密着した
光導波路部の剥離において、転写型全体を化学的に溶解
させることで容易に剥離のできる方法について、図4を
用いて説明する。まず、図1及び図2を用いて上述した
ように、上記第1の実施形態と同様にして、転写型6に
密着した状態の光導波路部11を作製する。ここで、転
写型6を構成するポジ型フォトレジストの残存部3’
は、転写型6に密着した光導波路部11が形成された時
点までは、転写型6表面に形成されたTi薄膜5に保護
されているため、紫外線には照射されていない。このレ
ジスト3’にガラス基板1側から紫外線照射を行い、レ
ジスト3’全面を露光する(a)。そして現像液14に
浸してレジスト3’を全て除去して、光導波路部11を
転写型6から分離する(b)。分離の際に光導波路部1
1側に付着してきたTi薄膜5をエッチング液(フッ化
水素溶液)15でエッチングし(c)、剥離した先導波
路部のコア部分13の全面が、クラッドと同様のクラッ
ド材料によって覆われる様に、再度モノマー状態のクラ
フド材料9’を塗布し、補強材としてのPMMA基板1
0’を付けた後(d)、紫外線照射を行い硬化させて高
分子光導波路を作製した(e)。
光導波路部の剥離において、転写型全体を化学的に溶解
させることで容易に剥離のできる方法について、図4を
用いて説明する。まず、図1及び図2を用いて上述した
ように、上記第1の実施形態と同様にして、転写型6に
密着した状態の光導波路部11を作製する。ここで、転
写型6を構成するポジ型フォトレジストの残存部3’
は、転写型6に密着した光導波路部11が形成された時
点までは、転写型6表面に形成されたTi薄膜5に保護
されているため、紫外線には照射されていない。このレ
ジスト3’にガラス基板1側から紫外線照射を行い、レ
ジスト3’全面を露光する(a)。そして現像液14に
浸してレジスト3’を全て除去して、光導波路部11を
転写型6から分離する(b)。分離の際に光導波路部1
1側に付着してきたTi薄膜5をエッチング液(フッ化
水素溶液)15でエッチングし(c)、剥離した先導波
路部のコア部分13の全面が、クラッドと同様のクラッ
ド材料によって覆われる様に、再度モノマー状態のクラ
フド材料9’を塗布し、補強材としてのPMMA基板1
0’を付けた後(d)、紫外線照射を行い硬化させて高
分子光導波路を作製した(e)。
【0021】この高分子光導波路に波長570nmのレ
ーザーを入射させて、入射、出射損失を除いた透過損失
を測定したところ、0.2dB/cmと良好な特性を得
ることが出来た。
ーザーを入射させて、入射、出射損失を除いた透過損失
を測定したところ、0.2dB/cmと良好な特性を得
ることが出来た。
【0022】なお、転写型としてのレジスト全体を覆う
金属薄膜は、Tiに限定されるものではなく様々な金属
材料が使用可能なものであり、金属薄膜のエッチングの
際にはその金属材料に応じたエッチング液を用いれば良
い。
金属薄膜は、Tiに限定されるものではなく様々な金属
材料が使用可能なものであり、金属薄膜のエッチングの
際にはその金属材料に応じたエッチング液を用いれば良
い。
【0023】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、光導波
路作製に用いる転写型として、パターニングしたフォト
レジスト膜等の感光性樹脂膜表面に金属薄膜を蒸着した
ものを用いることで、複雑で緻密な構造であっても、矩
形性の良好な転写型を簡便に作製することが可能とな
る。そして、転写型に密着した光導波路を転写型から分
離するのに、転写型を構成するフォトレジスト等の感光
性樹脂と光導波路の間に存在する金属薄膜を化学エッチ
ングにより除去することで、簡便に低コストで光導波路
を分離することができる。
路作製に用いる転写型として、パターニングしたフォト
レジスト膜等の感光性樹脂膜表面に金属薄膜を蒸着した
ものを用いることで、複雑で緻密な構造であっても、矩
形性の良好な転写型を簡便に作製することが可能とな
る。そして、転写型に密着した光導波路を転写型から分
離するのに、転写型を構成するフォトレジスト等の感光
性樹脂と光導波路の間に存在する金属薄膜を化学エッチ
ングにより除去することで、簡便に低コストで光導波路
を分離することができる。
【0024】また、本発明によれば、転写型に密着した
光導波路を転写型から分離するのに、転写型を構成する
フォトレジスト等の感光性樹脂を全面露光、現像して除
去することでも、簡便に低コストで光導波路を分離する
ことができる。
光導波路を転写型から分離するのに、転写型を構成する
フォトレジスト等の感光性樹脂を全面露光、現像して除
去することでも、簡便に低コストで光導波路を分離する
ことができる。
【図1】本発明の高分子光導波路の製造方法による実施
形態の転写型の作製を説明する図である。
形態の転写型の作製を説明する図である。
【図2】図1の転写型を用いた光導波路部の作製を説明
する図である。
する図である。
【図3】図2の転写型からの光導波路部の分離とその光
導波路部を用いた高分子光導波路の作製を説明する図で
ある。
導波路部を用いた高分子光導波路の作製を説明する図で
ある。
【図4】第2の実施形態における転写型からの光導波路
部の分離とその光導波路部を用いた高分子光導波路の作
製を説明する図である。
部の分離とその光導波路部を用いた高分子光導波路の作
製を説明する図である。
1 ガラス基板 2 フォトレジスト膜 3 フォトマスク 4 フォトレジスト膜のパターン 5 金属薄膜 6 転写型 7 コア(高屈折透明率樹脂) 8 スキージゴム 9,9’ クラッド(低屈折率透明樹脂) 10 PMMA基板 11 光導波路部 12,15 エッチング液 13 コア部 14 現像液
Claims (4)
- 【請求項1】 高屈折率透明樹脂をモノマー状態で転写
型に流し込んで重合固化させ、該重合固化した高屈折率
透明樹脂の上に該高屈折率透明樹脂よりも屈折率の低い
低屈折率透明樹脂をモノマー状態で塗布して重合固化さ
せた後、重合固化した高屈折率透明樹脂及び低屈折率透
明樹脂を転写型から分離させる工程を含む高分子光導波
路の製造方法において、 前記転写型が光導波路コア部の形状にパターニングされ
た感光性樹脂膜から構成され、前記分離操作を化学的処
理により行うことを特徴とする高分子光導波路の製造方
法。 - 【請求項2】 請求項1の高分子光導波路の製造方法に
おいて、 前記転写型を構成する感光性樹脂膜として露光及び現像
することにより光導波路コア部の形状にパターニングさ
れたフォトレジスト膜を用い、パターニングされたフォ
トレジスト膜表面全体を金属薄膜にて被覆する工程を含
むことを特徴とする高分子光導波路の製造方法。 - 【請求項3】 請求項2の高分子光導波路の製造方法に
おいて、 前記転写型表面に被覆された金属薄膜を化学エッチング
で除去することにより前記重合固化した高屈折率透明樹
脂及び低屈折率透明樹脂を転写型から分離することを特
徴とする高分子光導波路の製造方法。 - 【請求項4】 請求項2の高分子光導波路の製造方法に
おいて、 前記転写型を構成するフォトレジスト膜を露光及び現像
することにより転写型を除去した後、前記重合固化した
高屈折率透明樹脂及び低屈折率透明樹脂の表面に残った
金属薄膜を化学エッチングにて除去することによって前
記重合固化した高屈折率透明樹脂及び低屈折率透明樹脂
を転写型から分離することを特徴とする高分子光導波路
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9682096A JPH09281351A (ja) | 1996-04-18 | 1996-04-18 | 高分子光導波路の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9682096A JPH09281351A (ja) | 1996-04-18 | 1996-04-18 | 高分子光導波路の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09281351A true JPH09281351A (ja) | 1997-10-31 |
Family
ID=14175221
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9682096A Pending JPH09281351A (ja) | 1996-04-18 | 1996-04-18 | 高分子光導波路の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09281351A (ja) |
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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WO2012132634A1 (ja) | 2011-03-28 | 2012-10-04 | 日東電工株式会社 | Sprセンサセルおよびsprセンサ |
WO2012132633A1 (ja) | 2011-03-28 | 2012-10-04 | 日東電工株式会社 | Sprセンサセルおよびsprセンサ |
WO2013129378A1 (ja) | 2012-02-29 | 2013-09-06 | 日東電工株式会社 | Sprセンサセルおよびsprセンサ |
WO2013129379A1 (ja) | 2012-02-29 | 2013-09-06 | 日東電工株式会社 | Sprセンサセルおよびsprセンサ |
WO2013179900A1 (ja) | 2012-06-01 | 2013-12-05 | 日東電工株式会社 | Sprセンサセルおよびsprセンサ |
-
1996
- 1996-04-18 JP JP9682096A patent/JPH09281351A/ja active Pending
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