JPH09280792A - 機関砲の薬莢引抜き方法及びその装置 - Google Patents
機関砲の薬莢引抜き方法及びその装置Info
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- JPH09280792A JPH09280792A JP11974796A JP11974796A JPH09280792A JP H09280792 A JPH09280792 A JP H09280792A JP 11974796 A JP11974796 A JP 11974796A JP 11974796 A JP11974796 A JP 11974796A JP H09280792 A JPH09280792 A JP H09280792A
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- cam
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 薬莢の引抜きを遊底による引張力に頼るの
で、薬莢の引抜き抵抗が遊底の引抜き力よりも大の場
合、薬莢は抜けず、射撃が止まつてしまう。 【解決手段】 砲身1に装填された状態の薬莢5と係合
可能にレバー7を配置し、射撃後であつて遊底6が後退
行程に移行する前に、レバー7を薬莢5に衝撃的に作用
させて薬莢5を引抜き方向に移動させる。
で、薬莢の引抜き抵抗が遊底の引抜き力よりも大の場
合、薬莢は抜けず、射撃が止まつてしまう。 【解決手段】 砲身1に装填された状態の薬莢5と係合
可能にレバー7を配置し、射撃後であつて遊底6が後退
行程に移行する前に、レバー7を薬莢5に衝撃的に作用
させて薬莢5を引抜き方向に移動させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機関砲の薬莢引抜
き方法及びその装置に関するものであり、特に遊底をカ
ムドラムによつて駆動する方式の機関砲において、弾丸
の高発射速度、高初速化に伴う薬莢の引き抜き不良を解
消するものである。
き方法及びその装置に関するものであり、特に遊底をカ
ムドラムによつて駆動する方式の機関砲において、弾丸
の高発射速度、高初速化に伴う薬莢の引き抜き不良を解
消するものである。
【0002】
【従来の技術及びその課題】従来の機関砲において、砲
身に弾薬を装填して弾丸を発射した後に残つた空の薬莢
を砲身から引き抜く方法として、次のものが知られてい
る。
身に弾薬を装填して弾丸を発射した後に残つた空の薬莢
を砲身から引き抜く方法として、次のものが知られてい
る。
【0003】イ)ブローバック方式 これは、遊底を前進させて弾丸を砲身に装填するに際
し、遊底が最前進位置直前に到達したときに弾丸を発射
させる。この弾丸の発射に伴つて砲身内に高い圧力が発
生し、遊底の前進を妨げる方向に作用するので、遊底の
前進エネルギに打ち勝つことになつて遊底が停止する。
このようにして、遊底の前進エネルギを吸収し終わつた
後、まだ砲身内に残存している圧力によつて薬莢及び遊
底を後方に押し出す。
し、遊底が最前進位置直前に到達したときに弾丸を発射
させる。この弾丸の発射に伴つて砲身内に高い圧力が発
生し、遊底の前進を妨げる方向に作用するので、遊底の
前進エネルギに打ち勝つことになつて遊底が停止する。
このようにして、遊底の前進エネルギを吸収し終わつた
後、まだ砲身内に残存している圧力によつて薬莢及び遊
底を後方に押し出す。
【0004】ロ)遊底閉鎖方式 これは、遊底を前進させて弾薬を砲身内に押し込んだ
後、弾丸を発射し、砲身内の圧力が安全な値に降下する
まで遊底を砲身にロックし、安全な値になると同時にロ
ックを解除して遊底を後退させる。薬莢は、遊底が後退
するときに引つ掛けられて、砲身から引き抜かれる。
後、弾丸を発射し、砲身内の圧力が安全な値に降下する
まで遊底を砲身にロックし、安全な値になると同時にロ
ックを解除して遊底を後退させる。薬莢は、遊底が後退
するときに引つ掛けられて、砲身から引き抜かれる。
【0005】前記イの方式は、遊底の前進エネルギを砲
身内の圧力に対向させる必要から、遊底が大きな重量と
なる。このため、高発射速度、高初速化の妨げとなる。
また、砲身が完全な閉鎖状態とはなつていないため、確
実性に欠ける。以上のことから、この方式は、発射速度
が小さく、かつ、砲身内の圧力の低い極小口径の機関砲
に利用されているにすぎない。
身内の圧力に対向させる必要から、遊底が大きな重量と
なる。このため、高発射速度、高初速化の妨げとなる。
また、砲身が完全な閉鎖状態とはなつていないため、確
実性に欠ける。以上のことから、この方式は、発射速度
が小さく、かつ、砲身内の圧力の低い極小口径の機関砲
に利用されているにすぎない。
【0006】一方、ロの方式では、遊底を軽量化しても
確実な閉鎖状態を得ることができるため、小口径から中
口径の高発射速度の機関砲に利用されている。しかし、
この方式にあつては、薬莢の引抜きを遊底の引張力に頼
ることになるので、薬莢の引抜き抵抗が遊底の引抜き力
よりも大の場合には薬莢が抜けず、射撃停止の原因にな
るという技術的課題がある。
確実な閉鎖状態を得ることができるため、小口径から中
口径の高発射速度の機関砲に利用されている。しかし、
この方式にあつては、薬莢の引抜きを遊底の引張力に頼
ることになるので、薬莢の引抜き抵抗が遊底の引抜き力
よりも大の場合には薬莢が抜けず、射撃停止の原因にな
るという技術的課題がある。
【0007】薬莢の引抜き抵抗を小さくする試みは種々
行われてはいるが、薬莢の引抜き抵抗増大の根本原因
は、弾丸を発射するときの高い圧力によつて、砲身及び
薬莢が膨らみ、圧力が降下したときに砲身は弾性変形す
るのに対し、薬莢は塑性変形して元の寸法に戻らず、結
果として砲身によつて薬莢が締め付けられる、いわゆる
たが締めの現象によるところが大きい。
行われてはいるが、薬莢の引抜き抵抗増大の根本原因
は、弾丸を発射するときの高い圧力によつて、砲身及び
薬莢が膨らみ、圧力が降下したときに砲身は弾性変形す
るのに対し、薬莢は塑性変形して元の寸法に戻らず、結
果として砲身によつて薬莢が締め付けられる、いわゆる
たが締めの現象によるところが大きい。
【0008】近来、弾丸の高初速化を図るために砲身内
の圧力が益々高くなる傾向にあり、薬莢を抜くのが困難
になつているのが実状である。本発明は、機関砲に要求
される弾丸の高発射速度、高初速の目標を達成する上に
おいて、薬莢の引抜き抵抗が過大となるといつた問題が
あるので、たとえ薬莢の引抜き抵抗が過大になつた場合
でも、薬莢を砲身から確実に引き抜くことを可能にする
ことを目的とする。
の圧力が益々高くなる傾向にあり、薬莢を抜くのが困難
になつているのが実状である。本発明は、機関砲に要求
される弾丸の高発射速度、高初速の目標を達成する上に
おいて、薬莢の引抜き抵抗が過大となるといつた問題が
あるので、たとえ薬莢の引抜き抵抗が過大になつた場合
でも、薬莢を砲身から確実に引き抜くことを可能にする
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような従
来の技術的課題に鑑みてなされたものであり、その構成
は次の通りである。請求項1の発明の構成は、カムドラ
ム12の外周部に無端蔓巻状のカム溝12aを有し、フ
レーム2に摺動自在に配置した遊底6のローラ部6aを
該カム溝12aに係合させ、回転駆動源16によつてカ
ムドラム12を回転させることにより、弾薬を保持した
遊底6が前進行程を採り、遊底6が最も前進したときに
弾薬を砲身1内に装填して前方停止位置を採り、装填後
に弾丸を射撃し、射撃後に遊底6を後退させ、遊底6の
後退行程に際して空の薬莢5を遊底6に係止させて引き
抜く機関砲の薬莢引抜き方法において、砲身1に装填さ
れた状態の薬莢5と係合可能にレバー7を配置し、射撃
後であつて遊底6が後退行程に移行する前に、レバー7
を薬莢5に衝撃的に作用させて薬莢5を引抜き方向に移
動させることを特徴とする機関砲の薬莢引抜き方法であ
る。請求項2の構成は、遊底6が前方停止位置を採る際
であつて、少なくとも弾丸を射撃する際に、ロック部材
4を遊底6に係合させて遊底6を砲身1側に固定し、少
なくとも遊底6が後退行程及び前進行程を採る際に、ロ
ック部材4を遊底6から離脱させて遊底6の固定を解除
することを特徴とする請求項1の機関砲の薬莢引抜き方
法である。請求項3の発明の構成は、カムドラム12の
外周部に無端蔓巻状のカム溝12aを有し、フレーム2
に摺動自在に配置した遊底6のローラ部6aを該カム溝
12aに係合させ、回転駆動源16によつてカムドラム
12を回転させることにより、弾薬を保持した遊底6が
前進行程を採り、遊底6が最も前進したときに弾薬を砲
身1内に装填して前方停止位置を採り、装填後に弾丸を
射撃し、射撃後に遊底6を後退させ、遊底6の後退行程
に際して空の薬莢5を遊底6に係止させて引き抜く機関
砲において、中間部が砲身1の基端部付近のフレーム2
に揺動可能に支持され、先端部が砲身1に装填された状
態の薬莢5のつば部5aの前面と係合可能に配置された
レバー7を設けると共に、弾性体11によつて前方に向
けて弾性的に付勢され、レバー7の基端部の後面に向け
て突出可能なハンマ部材10をフレーム2に配置し、か
つ、ハンマ部材10に、弾性体11の弾発力を受けて前
方に突出した突出位置と、弾性体11を弾性的に圧縮変
形させて後退した没入位置とを採らせるカム9をカムド
ラム12に固設し、該カム9が、射撃後であつて遊底6
が後退行程に移行する前に、ハンマ部材10との係合を
解除する形状を有することを特徴とする機関砲の薬莢引
抜き装置である。請求項4の構成は、遊底6が前方停止
位置を採る際であつて、少なくとも弾丸を射撃する際
に、係合凹部6cに係合して遊底6を砲身1側に固定
し、遊底6が少なくとも後退行程及び前進行程を採る際
に係合凹部6cから離脱して、遊底6の固定を解除する
ロック部材4をフレーム2に備えることを特徴とする請
求項3の機関砲の薬莢引抜き装置である。
来の技術的課題に鑑みてなされたものであり、その構成
は次の通りである。請求項1の発明の構成は、カムドラ
ム12の外周部に無端蔓巻状のカム溝12aを有し、フ
レーム2に摺動自在に配置した遊底6のローラ部6aを
該カム溝12aに係合させ、回転駆動源16によつてカ
ムドラム12を回転させることにより、弾薬を保持した
遊底6が前進行程を採り、遊底6が最も前進したときに
弾薬を砲身1内に装填して前方停止位置を採り、装填後
に弾丸を射撃し、射撃後に遊底6を後退させ、遊底6の
後退行程に際して空の薬莢5を遊底6に係止させて引き
抜く機関砲の薬莢引抜き方法において、砲身1に装填さ
れた状態の薬莢5と係合可能にレバー7を配置し、射撃
後であつて遊底6が後退行程に移行する前に、レバー7
を薬莢5に衝撃的に作用させて薬莢5を引抜き方向に移
動させることを特徴とする機関砲の薬莢引抜き方法であ
る。請求項2の構成は、遊底6が前方停止位置を採る際
であつて、少なくとも弾丸を射撃する際に、ロック部材
4を遊底6に係合させて遊底6を砲身1側に固定し、少
なくとも遊底6が後退行程及び前進行程を採る際に、ロ
ック部材4を遊底6から離脱させて遊底6の固定を解除
することを特徴とする請求項1の機関砲の薬莢引抜き方
法である。請求項3の発明の構成は、カムドラム12の
外周部に無端蔓巻状のカム溝12aを有し、フレーム2
に摺動自在に配置した遊底6のローラ部6aを該カム溝
12aに係合させ、回転駆動源16によつてカムドラム
12を回転させることにより、弾薬を保持した遊底6が
前進行程を採り、遊底6が最も前進したときに弾薬を砲
身1内に装填して前方停止位置を採り、装填後に弾丸を
射撃し、射撃後に遊底6を後退させ、遊底6の後退行程
に際して空の薬莢5を遊底6に係止させて引き抜く機関
砲において、中間部が砲身1の基端部付近のフレーム2
に揺動可能に支持され、先端部が砲身1に装填された状
態の薬莢5のつば部5aの前面と係合可能に配置された
レバー7を設けると共に、弾性体11によつて前方に向
けて弾性的に付勢され、レバー7の基端部の後面に向け
て突出可能なハンマ部材10をフレーム2に配置し、か
つ、ハンマ部材10に、弾性体11の弾発力を受けて前
方に突出した突出位置と、弾性体11を弾性的に圧縮変
形させて後退した没入位置とを採らせるカム9をカムド
ラム12に固設し、該カム9が、射撃後であつて遊底6
が後退行程に移行する前に、ハンマ部材10との係合を
解除する形状を有することを特徴とする機関砲の薬莢引
抜き装置である。請求項4の構成は、遊底6が前方停止
位置を採る際であつて、少なくとも弾丸を射撃する際
に、係合凹部6cに係合して遊底6を砲身1側に固定
し、遊底6が少なくとも後退行程及び前進行程を採る際
に係合凹部6cから離脱して、遊底6の固定を解除する
ロック部材4をフレーム2に備えることを特徴とする請
求項3の機関砲の薬莢引抜き装置である。
【0010】
【作用】請求項1の発明によれば、射撃後であつて遊底
6が後退行程に移行する前、つまり遊底6による砲身1
の閉鎖状態が解除される直前に、レバー7を薬莢5に衝
撃的に作用させ、薬莢5を引抜き方向に移動させる。こ
れにより、薬莢5が射撃に伴つて変形して砲身1に固着
した状態が解除され、その後の引抜きに要する力が著し
く減少する。かくして、薬莢5が砲身1に固着状態のま
まとなり、薬莢の引抜き抵抗が過大となつて遊底6に過
大な引抜き力が作用することが防止され、遊底6によつ
て薬莢5が良好に引抜かれる。
6が後退行程に移行する前、つまり遊底6による砲身1
の閉鎖状態が解除される直前に、レバー7を薬莢5に衝
撃的に作用させ、薬莢5を引抜き方向に移動させる。こ
れにより、薬莢5が射撃に伴つて変形して砲身1に固着
した状態が解除され、その後の引抜きに要する力が著し
く減少する。かくして、薬莢5が砲身1に固着状態のま
まとなり、薬莢の引抜き抵抗が過大となつて遊底6に過
大な引抜き力が作用することが防止され、遊底6によつ
て薬莢5が良好に引抜かれる。
【0011】請求項2によれば、少なくとも弾丸を射撃
する際に、ロック部材4を遊底6に係合させて遊底6を
砲身1側に固定する。これにより、比較的軽量な遊底6
により、射撃時に遊底6が移動することを確実に防止で
きる。遊底6が少なくとも後退行程及び前進行程を採る
際には、ロック部材4を遊底6から離脱させて遊底6の
移動を自由とする。
する際に、ロック部材4を遊底6に係合させて遊底6を
砲身1側に固定する。これにより、比較的軽量な遊底6
により、射撃時に遊底6が移動することを確実に防止で
きる。遊底6が少なくとも後退行程及び前進行程を採る
際には、ロック部材4を遊底6から離脱させて遊底6の
移動を自由とする。
【0012】請求項3の発明によれば、射撃後であつて
遊底6が後退行程に移行する前、つまり遊底6による砲
身1の閉鎖状態が解除される直前に、レバー7を薬莢5
に衝撃的に作用させ、薬莢5を引抜き方向に移動させ
る。すなわち、カムドラム12の回転に伴つてカム9が
回転することにより、ハンマ部材10のカム9との係合
が解除され、弾性体11によつて突出位置を採る際のハ
ンマ部材10がレバー7の基端部の後面に激突する。こ
のハンマ部材10の激突によつてレバー7が揺動し、レ
バー7の先端部によつて薬莢5のつば部5aに衝撃力を
加え、薬莢5を引抜き方向に移動させる。これにより、
薬莢5が射撃に伴つて変形し、砲身1に固着した状態が
解除され、その後の引抜きに要する力が著しく減少す
る。かくして、薬莢5が砲身1に固着状態のままとな
り、薬莢の引抜き抵抗が過大となつて遊底6に過大な引
抜き力が作用することが防止され、薬莢5を良好に引抜
くことができる。
遊底6が後退行程に移行する前、つまり遊底6による砲
身1の閉鎖状態が解除される直前に、レバー7を薬莢5
に衝撃的に作用させ、薬莢5を引抜き方向に移動させ
る。すなわち、カムドラム12の回転に伴つてカム9が
回転することにより、ハンマ部材10のカム9との係合
が解除され、弾性体11によつて突出位置を採る際のハ
ンマ部材10がレバー7の基端部の後面に激突する。こ
のハンマ部材10の激突によつてレバー7が揺動し、レ
バー7の先端部によつて薬莢5のつば部5aに衝撃力を
加え、薬莢5を引抜き方向に移動させる。これにより、
薬莢5が射撃に伴つて変形し、砲身1に固着した状態が
解除され、その後の引抜きに要する力が著しく減少す
る。かくして、薬莢5が砲身1に固着状態のままとな
り、薬莢の引抜き抵抗が過大となつて遊底6に過大な引
抜き力が作用することが防止され、薬莢5を良好に引抜
くことができる。
【0013】請求項4によれば、少なくとも弾丸を射撃
する際に、ロック部材4を遊底6に係合させて遊底6を
砲身1側に固定する。これにより、比較的軽量な遊底6
により、射撃時に遊底6が移動することを確実に防止で
きる。遊底6が少なくとも後退行程及び前進行程を採る
際には、ロック部材4を遊底6から離脱させて遊底6の
移動を自由とする。
する際に、ロック部材4を遊底6に係合させて遊底6を
砲身1側に固定する。これにより、比較的軽量な遊底6
により、射撃時に遊底6が移動することを確実に防止で
きる。遊底6が少なくとも後退行程及び前進行程を採る
際には、ロック部材4を遊底6から離脱させて遊底6の
移動を自由とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1〜図6は、本発明に係
る機関砲の薬莢引抜き装置の1実施の形態を示す。先
ず、図1〜図3を参照して機関砲の要部について説明す
る。フレーム2の前端の砲尾部には、砲身1の基端部が
固着され、フレーム2内には、砲身1の中心軸線の延長
線上を摺動自在として遊底6が配設されている。
て図面を参照して説明する。図1〜図6は、本発明に係
る機関砲の薬莢引抜き装置の1実施の形態を示す。先
ず、図1〜図3を参照して機関砲の要部について説明す
る。フレーム2の前端の砲尾部には、砲身1の基端部が
固着され、フレーム2内には、砲身1の中心軸線の延長
線上を摺動自在として遊底6が配設されている。
【0015】フレーム2の下部には、カムドラム12が
回転自在に支持されている。カムドラム12は、図示を
省略した軸受を介して前後両端のカムドラム軸13a,
13bが回転自在に支持され、回転駆動源であるモータ
16によつて減速機構を含むコントロール部15を介し
て後側のカムドラム軸13bが回転駆動される。カムド
ラム12の外周部には、無端蔓巻状のカム溝12aが形
成され、遊底6の後端部から下方に突出するローラ部6
aが、カム溝12aに移動自在に係合している。しかし
て、カム溝12aにローラ部6aが係合する遊底6に
は、カムドラム12が1回転する間に、前進、前方停
止、後退の動きが与えられる。
回転自在に支持されている。カムドラム12は、図示を
省略した軸受を介して前後両端のカムドラム軸13a,
13bが回転自在に支持され、回転駆動源であるモータ
16によつて減速機構を含むコントロール部15を介し
て後側のカムドラム軸13bが回転駆動される。カムド
ラム12の外周部には、無端蔓巻状のカム溝12aが形
成され、遊底6の後端部から下方に突出するローラ部6
aが、カム溝12aに移動自在に係合している。しかし
て、カム溝12aにローラ部6aが係合する遊底6に
は、カムドラム12が1回転する間に、前進、前方停
止、後退の動きが与えられる。
【0016】また、遊底6の上部前端には爪部6bが下
向きに突設されている。この爪部6bは、遊底6が送弾
部3に対して最も後退した位置(図1に遊底6’として
示す位置)を採り、遊底6の前側に図外の弾薬装填装置
からの弾薬が供給された際、薬莢5の後端のつば部5a
の前方に位置する。しかして、遊底6の前側に弾薬が供
給された状態で、モータ16によつてコントロール部1
5及びカムドラム軸13bを介してカムドラム12を一
方向に回転駆動すれば、前進行程を採る遊底6の本体に
押されて弾薬が前進し、遊底6が最も前進した際に、弾
薬が砲身1内に装填される。弾薬が砲身1内に装填され
た後、遊底6が前方停止行程を採る状態で図外の撃発装
置の作動によつて弾丸が射撃され、その後、遊底6が後
退行程に移行する。この遊底6の後退行程に伴つて爪部
6bが薬莢5のつば部5aに引つ掛かるので、空の薬莢
5が砲身1から引き抜かれる。砲身1から引き抜かれた
薬莢5は、送弾部3から外部に排出されると共に、新た
な弾薬が遊底6の前側に供給される。
向きに突設されている。この爪部6bは、遊底6が送弾
部3に対して最も後退した位置(図1に遊底6’として
示す位置)を採り、遊底6の前側に図外の弾薬装填装置
からの弾薬が供給された際、薬莢5の後端のつば部5a
の前方に位置する。しかして、遊底6の前側に弾薬が供
給された状態で、モータ16によつてコントロール部1
5及びカムドラム軸13bを介してカムドラム12を一
方向に回転駆動すれば、前進行程を採る遊底6の本体に
押されて弾薬が前進し、遊底6が最も前進した際に、弾
薬が砲身1内に装填される。弾薬が砲身1内に装填され
た後、遊底6が前方停止行程を採る状態で図外の撃発装
置の作動によつて弾丸が射撃され、その後、遊底6が後
退行程に移行する。この遊底6の後退行程に伴つて爪部
6bが薬莢5のつば部5aに引つ掛かるので、空の薬莢
5が砲身1から引き抜かれる。砲身1から引き抜かれた
薬莢5は、送弾部3から外部に排出されると共に、新た
な弾薬が遊底6の前側に供給される。
【0017】フレーム2の送弾部3の前端部には、ロッ
ク部材4を摺動自在に受け入れる穴部3aが上下方向に
貫通して形成され、ロック部材4の下部が遊底6の上部
の係合凹部6cに係合可能である。ロック部材4の下部
は、係合凹部6cと適合する形状を有し、特に、図4,
図5に示すように下端部前面の傾斜面4aが係合凹部6
cの傾斜面からなる前壁6dと接するようになつてい
る。このロック部材4は、遊底6の行程に連動させて、
コントロール部15によつて駆動軸14及び図外の駆動
機構を介して上下に駆動される。すなわち、遊底6が図
1に実線で示すように前進行程を終えた際、ロック部材
4を降下させてロック部材4の下部を遊底6の係合凹部
6cに係合させ、遊底6を砲身1側に固定して射撃に伴
う砲身1内の圧力(腔圧)の上昇に対抗させ、また、射
撃後に砲身1内の圧力(腔圧)が安全な値にまで降下し
た際、ロック部材4を上昇駆動して解除させ、遊底6の
自由な移動を許容する。
ク部材4を摺動自在に受け入れる穴部3aが上下方向に
貫通して形成され、ロック部材4の下部が遊底6の上部
の係合凹部6cに係合可能である。ロック部材4の下部
は、係合凹部6cと適合する形状を有し、特に、図4,
図5に示すように下端部前面の傾斜面4aが係合凹部6
cの傾斜面からなる前壁6dと接するようになつてい
る。このロック部材4は、遊底6の行程に連動させて、
コントロール部15によつて駆動軸14及び図外の駆動
機構を介して上下に駆動される。すなわち、遊底6が図
1に実線で示すように前進行程を終えた際、ロック部材
4を降下させてロック部材4の下部を遊底6の係合凹部
6cに係合させ、遊底6を砲身1側に固定して射撃に伴
う砲身1内の圧力(腔圧)の上昇に対抗させ、また、射
撃後に砲身1内の圧力(腔圧)が安全な値にまで降下し
た際、ロック部材4を上昇駆動して解除させ、遊底6の
自由な移動を許容する。
【0018】詳述すれば、ロック部材4は、図6に示す
ように遊底6が前進行程を終了する直前に降下を開始
し、前進行程を終了した直後であつて射撃(腔圧が上昇
する)直前に降下を終了し、少なくとも弾丸を射撃する
際に降下状態を維持すると共に、砲身1内の圧力(腔
圧)が安全な値にまで降下した後であつて遊底6が後退
行程を開始する前に上昇を開始し、その後の遊底6の少
なくとも後退及び前進を可能とする。図6に示すS
L は、ロック部材4の昇降長さを示す。従つて、腔圧
は、遊底6が前方停止を採る間であつてロック部材4が
ロック動作を行つている間に上昇し、また、下降する。
ように遊底6が前進行程を終了する直前に降下を開始
し、前進行程を終了した直後であつて射撃(腔圧が上昇
する)直前に降下を終了し、少なくとも弾丸を射撃する
際に降下状態を維持すると共に、砲身1内の圧力(腔
圧)が安全な値にまで降下した後であつて遊底6が後退
行程を開始する前に上昇を開始し、その後の遊底6の少
なくとも後退及び前進を可能とする。図6に示すS
L は、ロック部材4の昇降長さを示す。従つて、腔圧
は、遊底6が前方停止を採る間であつてロック部材4が
ロック動作を行つている間に上昇し、また、下降する。
【0019】また、遊底6と前側のカムドラム軸13a
との間のフレーム2には、ハンマ部材10が前後に摺動
可能に配置されている。ハンマ部材10は、フレーム2
との間に圧縮して介装した弾性体であるばね11によつ
て常時前方に弾性的に付勢され、ばね11の弾発力を受
けて前方に突出した突出位置と、後記するカム9によつ
てばね11を弾性的に圧縮変形させて後退した没入位置
とを採り得る。ハンマ部材10は、ばね11によつて前
進することにより、後記するレバー7の基端部に後側か
ら激突して衝撃を加えるように配置されている。ハンマ
部材10の突出位置は、フレーム2のストック部2aに
当接して規制される。
との間のフレーム2には、ハンマ部材10が前後に摺動
可能に配置されている。ハンマ部材10は、フレーム2
との間に圧縮して介装した弾性体であるばね11によつ
て常時前方に弾性的に付勢され、ばね11の弾発力を受
けて前方に突出した突出位置と、後記するカム9によつ
てばね11を弾性的に圧縮変形させて後退した没入位置
とを採り得る。ハンマ部材10は、ばね11によつて前
進することにより、後記するレバー7の基端部に後側か
ら激突して衝撃を加えるように配置されている。ハンマ
部材10の突出位置は、フレーム2のストック部2aに
当接して規制される。
【0020】また、カムドラム12の前側のカムドラム
軸13aには、カム9が固着されている。カム9のカム
部9aは、図3に示すように所定角度範囲で形成され、
矢印Aで示すカム9の回転方向に、次第に厚さが薄くな
る形状を有している。すなわち、カム部9aは、遊底6
が前方停止行程を終えた後から前進行程を終える前の間
(実際には、図6に示すように遊底6が前進する間)に
ハンマ部材10の前面に薄い部分が係合し、ばね11の
弾発力に抗してハンマ部材10を次第にストロークSH
だけ後方に移動させ、遊底6が前方停止行程を採るほぼ
全期間はストロークSH の最後退位置を保持し、図6に
示すようにロック部材4が上昇移動をする途中であつて
遊底6が後退行程を開始する直前に、ハンマ部材10と
の係合を解除する形状を有している。ハンマ部材10が
カム9のカム部9aとの係合を離脱することにより、ば
ね11の弾発力を受けるハンマ部材10が前方に突出す
る。
軸13aには、カム9が固着されている。カム9のカム
部9aは、図3に示すように所定角度範囲で形成され、
矢印Aで示すカム9の回転方向に、次第に厚さが薄くな
る形状を有している。すなわち、カム部9aは、遊底6
が前方停止行程を終えた後から前進行程を終える前の間
(実際には、図6に示すように遊底6が前進する間)に
ハンマ部材10の前面に薄い部分が係合し、ばね11の
弾発力に抗してハンマ部材10を次第にストロークSH
だけ後方に移動させ、遊底6が前方停止行程を採るほぼ
全期間はストロークSH の最後退位置を保持し、図6に
示すようにロック部材4が上昇移動をする途中であつて
遊底6が後退行程を開始する直前に、ハンマ部材10と
の係合を解除する形状を有している。ハンマ部材10が
カム9のカム部9aとの係合を離脱することにより、ば
ね11の弾発力を受けるハンマ部材10が前方に突出す
る。
【0021】更に、フレーム2には、レバー7の中間部
がピン17によつて前後方向の揺動自在に支持されてい
る。レバー7は、図2に示すように先端部に一対のレバ
ー部7aが形成され、各レバー部7aは、ハンマ部材1
0がカム9によつて後退した没入位置を採る状態で、図
1に示すように砲身1内に装填された状態の薬莢5のつ
ば部5aの左右両側の前面に対向しており、レバー7の
基端部の後面が、ハンマ部材10の前方に対向してい
る。ハンマ部材10と非接触のレバー7には、自由状態
が与えられる。自由状態のレバー7は、その基端部とフ
レーム2との間に圧縮して介装した弾発力の比較的弱い
ばね8によつて反時計回り方向に揺動し、中間部前面が
砲身1の基端面に当接してほぼ直立状態に位置決めされ
ている。このようにレバー7がほぼ直立状態に位置決め
されることにより、弾薬を遊底6の前方に供給する際、
レバー7のレバー部7aが障害となることが防止され
る。
がピン17によつて前後方向の揺動自在に支持されてい
る。レバー7は、図2に示すように先端部に一対のレバ
ー部7aが形成され、各レバー部7aは、ハンマ部材1
0がカム9によつて後退した没入位置を採る状態で、図
1に示すように砲身1内に装填された状態の薬莢5のつ
ば部5aの左右両側の前面に対向しており、レバー7の
基端部の後面が、ハンマ部材10の前方に対向してい
る。ハンマ部材10と非接触のレバー7には、自由状態
が与えられる。自由状態のレバー7は、その基端部とフ
レーム2との間に圧縮して介装した弾発力の比較的弱い
ばね8によつて反時計回り方向に揺動し、中間部前面が
砲身1の基端面に当接してほぼ直立状態に位置決めされ
ている。このようにレバー7がほぼ直立状態に位置決め
されることにより、弾薬を遊底6の前方に供給する際、
レバー7のレバー部7aが障害となることが防止され
る。
【0022】そして、レバー7がほぼ直立状態におい
て、ハンマ部材10がばね11の弾発力によつて前方に
突出してレバー7の基端部の後面を叩くことにより、レ
バー7が時計回り方向に揺動し、レバー7の先端の一対
のレバー部7aによつて薬莢5のつば部5aの左右両側
を後方へ叩くようになる。なお、図6から分かるよう
に、ハンマ部材10がカム9のカム部9aとの係合を離
脱(図6の点X)してハンマ部材10がレバー7に当た
る際、ロック部材4はロック解除行程にある。このた
め、ロック部材4の傾斜面4aと遊底6の係合凹部6c
の前壁6dとの間には、図5に示す前後方向の隙間δ’
が形成されている。また、ハンマ部材10がレバー7に
当たる時点では、図6に示すように遊底6が前方停止か
ら後退行程に移行する直前であり、カム溝12aとロー
ラ部6aとの間には前後方向の隙間δ(図1に示す)を
ローラ部6aの後側に形成している。これにより、ハン
マ部材10がレバー7に当たつてレバー7の一対のレバ
ー部7aが薬莢5のつば部5aを叩く際、遊底6の若干
の後退移動が許容されている。その結果、ロック部材4
及びローラ部6aに無理な力が掛かることが防止され
る。
て、ハンマ部材10がばね11の弾発力によつて前方に
突出してレバー7の基端部の後面を叩くことにより、レ
バー7が時計回り方向に揺動し、レバー7の先端の一対
のレバー部7aによつて薬莢5のつば部5aの左右両側
を後方へ叩くようになる。なお、図6から分かるよう
に、ハンマ部材10がカム9のカム部9aとの係合を離
脱(図6の点X)してハンマ部材10がレバー7に当た
る際、ロック部材4はロック解除行程にある。このた
め、ロック部材4の傾斜面4aと遊底6の係合凹部6c
の前壁6dとの間には、図5に示す前後方向の隙間δ’
が形成されている。また、ハンマ部材10がレバー7に
当たる時点では、図6に示すように遊底6が前方停止か
ら後退行程に移行する直前であり、カム溝12aとロー
ラ部6aとの間には前後方向の隙間δ(図1に示す)を
ローラ部6aの後側に形成している。これにより、ハン
マ部材10がレバー7に当たつてレバー7の一対のレバ
ー部7aが薬莢5のつば部5aを叩く際、遊底6の若干
の後退移動が許容されている。その結果、ロック部材4
及びローラ部6aに無理な力が掛かることが防止され
る。
【0023】次に、作用について説明する。先ず、図外
の発射スイッチをONにすれば、モータ16が駆動され
てコントロール部15を介してカムドラム12が回転す
るので、ローラ部6aがカム溝12aと係合している遊
底6が駆動される。遊底6が最も後退した状態(図1に
仮想線で示す遊底6’)で送弾機構が作動し、弾薬が遊
底6の前方の装填準備位置に送られる。次いで、遊底6
が前進行程を採り、遊底6の前進行程の終了に際し、コ
ントロール部15からの制御信号によつてロック部材4
が降下して係合凹部6cに係合し、遊底6を閉鎖する。
このようにして弾薬が砲身1内に押し込まれた状態で、
図外の撃発装置によつて撃発することにより弾丸が発射
される。図6に示すSV は、遊底6のストローク長さを
示す。
の発射スイッチをONにすれば、モータ16が駆動され
てコントロール部15を介してカムドラム12が回転す
るので、ローラ部6aがカム溝12aと係合している遊
底6が駆動される。遊底6が最も後退した状態(図1に
仮想線で示す遊底6’)で送弾機構が作動し、弾薬が遊
底6の前方の装填準備位置に送られる。次いで、遊底6
が前進行程を採り、遊底6の前進行程の終了に際し、コ
ントロール部15からの制御信号によつてロック部材4
が降下して係合凹部6cに係合し、遊底6を閉鎖する。
このようにして弾薬が砲身1内に押し込まれた状態で、
図外の撃発装置によつて撃発することにより弾丸が発射
される。図6に示すSV は、遊底6のストローク長さを
示す。
【0024】弾丸が発射された後、砲身1内の圧力(腔
圧)が安全な値に降下すると、コントロール部15が動
作して、ロック部材4の解除動作、つまり上昇作動が開
始する。また、カムドラム12ひいては前側のカムドラ
ム軸13aの回転に伴つてカム9が一体回転し、ハンマ
部材10のカム9との係合が解除され(図6の点X)、
ハンマ部材10が前方に突出する。ハンマ部材10が前
方に突出するのは、ロック部材4が上昇する途中であつ
て遊底6が後退行程を開始する直前である。ハンマ部材
10は、ばね11の弾発力を受けて、フレーム2に対し
て摺動しながら前方に突出し、レバー7の基端部の後面
に衝突する。
圧)が安全な値に降下すると、コントロール部15が動
作して、ロック部材4の解除動作、つまり上昇作動が開
始する。また、カムドラム12ひいては前側のカムドラ
ム軸13aの回転に伴つてカム9が一体回転し、ハンマ
部材10のカム9との係合が解除され(図6の点X)、
ハンマ部材10が前方に突出する。ハンマ部材10が前
方に突出するのは、ロック部材4が上昇する途中であつ
て遊底6が後退行程を開始する直前である。ハンマ部材
10は、ばね11の弾発力を受けて、フレーム2に対し
て摺動しながら前方に突出し、レバー7の基端部の後面
に衝突する。
【0025】これにより、ピン17によつて揺動自在に
支持されるレバー7は、ばね8を弾性的に圧縮しながら
時計回り方向に回動し、レバー7の先端の一対のレバー
部7aが薬莢5のつば部5aを後方に向けて叩き、薬莢
5に衝撃力を加え、その後、ハンマ部材10はストック
部2aに当たつて止まる。レバー部7aが薬莢5を叩く
ことにより、薬莢5が衝撃力を受けて後方に移動するの
で、薬莢5が射撃に伴つて変形し、砲身1に固着した状
態が解除される。射撃後に砲身1に固着している薬莢5
は、静的に引く場合には大きな力を要する。しかし、薬
莢5が少しでも移動して固着が解除されれば、その後の
引抜きに要する力は急激に減少する。
支持されるレバー7は、ばね8を弾性的に圧縮しながら
時計回り方向に回動し、レバー7の先端の一対のレバー
部7aが薬莢5のつば部5aを後方に向けて叩き、薬莢
5に衝撃力を加え、その後、ハンマ部材10はストック
部2aに当たつて止まる。レバー部7aが薬莢5を叩く
ことにより、薬莢5が衝撃力を受けて後方に移動するの
で、薬莢5が射撃に伴つて変形し、砲身1に固着した状
態が解除される。射撃後に砲身1に固着している薬莢5
は、静的に引く場合には大きな力を要する。しかし、薬
莢5が少しでも移動して固着が解除されれば、その後の
引抜きに要する力は急激に減少する。
【0026】ハンマ部材10がレバー7に衝突すると
き、前述したようにロック部材4はロック解除行程にあ
り、また、遊底6は前方停止行程にある。このため、ロ
ック部材4と遊底6との間には図5に示す隙間δ’が形
成され、また、カム溝12aとローラ部6aとの間には
図1に示す隙間δが形成されている。従つて、ハンマ部
材10がレバー7に当たり、レバー7が薬莢5を叩く
際、遊底6の若干の後退移動が許容される。その結果、
ロック部材4及びローラ部6aに無理な力が掛かること
が防止される。
き、前述したようにロック部材4はロック解除行程にあ
り、また、遊底6は前方停止行程にある。このため、ロ
ック部材4と遊底6との間には図5に示す隙間δ’が形
成され、また、カム溝12aとローラ部6aとの間には
図1に示す隙間δが形成されている。従つて、ハンマ部
材10がレバー7に当たり、レバー7が薬莢5を叩く
際、遊底6の若干の後退移動が許容される。その結果、
ロック部材4及びローラ部6aに無理な力が掛かること
が防止される。
【0027】なお、ロック部材4の下部前面の傾斜面4
aが係合凹部6cの傾斜面からなる前壁6dと対向して
いるので、ロック部材4がわずかに上昇することによ
り、ロック部材4と遊底6との間に比較的大きな前後方
向の隙間δ’が形成される。また、一対のレバー部7a
が薬莢5のつば部5aの左右両側を均等に叩くようにな
るので、薬莢5が砲身1に固着した状態が良好に解除さ
れる。すなわち、弾丸の発射後に砲身1内に残つている
薬莢5を遊底6によつて引き出し始める直前に、カムド
ラム12の回転に連動させた部材であるハンマ部材10
を介して、レバー7に薬莢5を引き抜く方向の作動を与
え、その後の薬莢5の引き抜きを容易にする。
aが係合凹部6cの傾斜面からなる前壁6dと対向して
いるので、ロック部材4がわずかに上昇することによ
り、ロック部材4と遊底6との間に比較的大きな前後方
向の隙間δ’が形成される。また、一対のレバー部7a
が薬莢5のつば部5aの左右両側を均等に叩くようにな
るので、薬莢5が砲身1に固着した状態が良好に解除さ
れる。すなわち、弾丸の発射後に砲身1内に残つている
薬莢5を遊底6によつて引き出し始める直前に、カムド
ラム12の回転に連動させた部材であるハンマ部材10
を介して、レバー7に薬莢5を引き抜く方向の作動を与
え、その後の薬莢5の引き抜きを容易にする。
【0028】次いで、遊底6が後退行程を開始し、爪部
6bが薬莢5のつば部5aを引つ掛けて薬莢5を砲身1
から引き抜く。カム9は、遊底6が前進行程を終える前
に、ハンマ部材10に係合してハンマ部材10をストロ
ークSH だけ後方に移動させ、その後、前述したように
その状態を保持する。
6bが薬莢5のつば部5aを引つ掛けて薬莢5を砲身1
から引き抜く。カム9は、遊底6が前進行程を終える前
に、ハンマ部材10に係合してハンマ部材10をストロ
ークSH だけ後方に移動させ、その後、前述したように
その状態を保持する。
【0029】ところで、ロック部材4は、遊底6が前方
停止位置を採る際であつて、少なくとも弾丸を射撃する
際に、ロック部材4を遊底6に係合させて遊底6を砲身
1側に固定し、弾丸の発射に伴う衝撃力を支持し、ま
た、少なくとも遊底6が後退行程及び前進行程を採る際
に、ロック部材4を遊底6から離脱させて遊底6の固定
を解除して遊底6の移動を許容する機能を有すればよ
く、各種の機構によつてロック部材4を駆動することが
できる。
停止位置を採る際であつて、少なくとも弾丸を射撃する
際に、ロック部材4を遊底6に係合させて遊底6を砲身
1側に固定し、弾丸の発射に伴う衝撃力を支持し、ま
た、少なくとも遊底6が後退行程及び前進行程を採る際
に、ロック部材4を遊底6から離脱させて遊底6の固定
を解除して遊底6の移動を許容する機能を有すればよ
く、各種の機構によつてロック部材4を駆動することが
できる。
【0030】例えば、駆動軸14にカムドラム12と同
一の回転を与えると共に、駆動軸14に確動カムを固着
し、この確動カムの回転によつてロック部材4を昇降さ
せて遊底6の係合凹部6cと係合又は離脱させる。或い
は、ロック部材4をばねによつてフレーム2外方(上
方)に向けて付勢しておき、コントロール部15からの
電気信号をソレノイドに通電することにより、ソレノイ
ドによつて駆動される鉄心にてロック部材4を降下させ
て遊底6の係合凹部6cに係合させる。更には、ロック
部材4に複動式のシリンダ装置のピストンロッドを結合
しておき、コントロール部15からの電気信号によつて
切換えバルブを切換え、油圧源又は空気圧源からの作動
流体を切換えバルブの切換え操作によつてシリンダ装置
に導き、シリンダ装置のピストンロッドを往復駆動し、
ロック部材4を昇降させて同様の作用を得ることもでき
る。但し、ロック部材4を電気信号に基づいて駆動する
場合には、駆動軸14は不要である。なお、ロック部材
4は、弾丸の発射に伴う衝撃力を支持できればよく、遊
底6の係合凹部6cを省略して、遊底6の後端面に係合
させてもよい。
一の回転を与えると共に、駆動軸14に確動カムを固着
し、この確動カムの回転によつてロック部材4を昇降さ
せて遊底6の係合凹部6cと係合又は離脱させる。或い
は、ロック部材4をばねによつてフレーム2外方(上
方)に向けて付勢しておき、コントロール部15からの
電気信号をソレノイドに通電することにより、ソレノイ
ドによつて駆動される鉄心にてロック部材4を降下させ
て遊底6の係合凹部6cに係合させる。更には、ロック
部材4に複動式のシリンダ装置のピストンロッドを結合
しておき、コントロール部15からの電気信号によつて
切換えバルブを切換え、油圧源又は空気圧源からの作動
流体を切換えバルブの切換え操作によつてシリンダ装置
に導き、シリンダ装置のピストンロッドを往復駆動し、
ロック部材4を昇降させて同様の作用を得ることもでき
る。但し、ロック部材4を電気信号に基づいて駆動する
場合には、駆動軸14は不要である。なお、ロック部材
4は、弾丸の発射に伴う衝撃力を支持できればよく、遊
底6の係合凹部6cを省略して、遊底6の後端面に係合
させてもよい。
【0031】
【発明の効果】以上の説明によつて理解されるように、
本発明に係る機関砲の薬莢引抜き方法及びその装置によ
れば、砲身内に残つている薬莢に対し、遊底が後退行程
を開始する直前に引抜き方向の衝撃力が加えられ、薬莢
の固着状態が解除されるので、その後の遊底に作用する
薬莢引抜き力が著しく軽減される。これにより、薬莢引
抜き不良に起因する発射速度の低下、射撃の停止といつ
た事態を防止することができる。また、薬莢引抜きのた
めの遊底の堅牢化及び重量の増加を必要としない。その
結果、高発射速度、高初速化の達成が可能となる。加え
て、請求項2,4のように、ロック部材を設ければ、遊
底が確実に閉鎖されるため、高発射速度、高初速の機関
砲への適用が容易となる。
本発明に係る機関砲の薬莢引抜き方法及びその装置によ
れば、砲身内に残つている薬莢に対し、遊底が後退行程
を開始する直前に引抜き方向の衝撃力が加えられ、薬莢
の固着状態が解除されるので、その後の遊底に作用する
薬莢引抜き力が著しく軽減される。これにより、薬莢引
抜き不良に起因する発射速度の低下、射撃の停止といつ
た事態を防止することができる。また、薬莢引抜きのた
めの遊底の堅牢化及び重量の増加を必要としない。その
結果、高発射速度、高初速化の達成が可能となる。加え
て、請求項2,4のように、ロック部材を設ければ、遊
底が確実に閉鎖されるため、高発射速度、高初速の機関
砲への適用が容易となる。
【図1】 本発明の1実施の形態に係る機関砲を示す一
部断面図。
部断面図。
【図2】 同じく図1のII−II線断面図。
【図3】 同じく図1のIII−III線断面図。
【図4】 同じくロック部材の作用説明図。
【図5】 同じくロック部材の作用説明図。
【図6】 同じく腔圧並びにロック部材、ハンマ部材及
び遊底の各作動を示す線図。
び遊底の各作動を示す線図。
1:砲身、2:フレーム、4:ロック部材、5:薬莢、
5a:つば部、6:遊底、6a:ローラ部、6c:係合
凹部、7:レバー、9:カム、10:ハンマ部材、1
1:ばね(弾性体)、12:カムドラム、12a:カム
溝、16:モータ(回転駆動源)。
5a:つば部、6:遊底、6a:ローラ部、6c:係合
凹部、7:レバー、9:カム、10:ハンマ部材、1
1:ばね(弾性体)、12:カムドラム、12a:カム
溝、16:モータ(回転駆動源)。
【手続補正書】
【提出日】平成8年6月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
Claims (4)
- 【請求項1】 カムドラム(12)の外周部に無端蔓巻
状のカム溝(12a)を有し、フレーム(2)に摺動自
在に配置した遊底(6)のローラ部(6a)を該カム溝
(12a)に係合させ、回転駆動源(16)によつてカ
ムドラム(12)を回転させることにより、弾薬を保持
した遊底(6)が前進行程を採り、遊底(6)が最も前
進したときに弾薬を砲身(1)内に装填して前方停止位
置を採り、装填後に弾丸を射撃し、射撃後に遊底(6)
を後退させ、遊底(6)の後退行程に際して空の薬莢
(5)を遊底(6)に係止させて引き抜く機関砲の薬莢
引抜き方法において、砲身(1)に装填された状態の薬
莢(5)と係合可能にレバー(7)を配置し、射撃後で
あつて遊底(6)が後退行程に移行する前に、レバー
(7)を薬莢(5)に衝撃的に作用させて薬莢(5)を
引抜き方向に移動させることを特徴とする機関砲の薬莢
引抜き方法。 - 【請求項2】 遊底(6)が前方停止位置を採る際であ
つて、少なくとも弾丸を射撃する際に、ロック部材
(4)を遊底(6)に係合させて遊底(6)を砲身
(1)側に固定し、少なくとも遊底(6)が後退行程及
び前進行程を採る際に、ロック部材(4)を遊底(6)
から離脱させて遊底(6)の固定を解除することを特徴
とする請求項1の機関砲の薬莢引抜き方法。 - 【請求項3】 カムドラム(12)の外周部に無端蔓巻
状のカム溝(12a)を有し、フレーム(2)に摺動自
在に配置した遊底(6)のローラ部(6a)を該カム溝
(12a)に係合させ、回転駆動源(16)によつてカ
ムドラム(12)を回転させることにより、弾薬を保持
した遊底(6)が前進行程を採り、遊底(6)が最も前
進したときに弾薬を砲身(1)内に装填して前方停止位
置を採り、装填後に弾丸を射撃し、射撃後に遊底(6)
を後退させ、遊底(6)の後退行程に際して空の薬莢
(5)を遊底(6)に係止させて引き抜く機関砲におい
て、中間部が砲身(1)の基端部付近のフレーム(2)
に揺動可能に支持され、先端部が砲身(1)に装填され
た状態の薬莢(5)のつば部(5a)の前面と係合可能
に配置されたレバー(7)を設けると共に、弾性体(1
1)によつて前方に向けて弾性的に付勢され、レバー
(7)の基端部の後面に向けて突出可能なハンマ部材
(10)をフレーム(2)に配置し、かつ、ハンマ部材
(10)に、弾性体(11)の弾発力を受けて前方に突
出した突出位置と、弾性体(11)を弾性的に圧縮変形
させて後退した没入位置とを採らせるカム(9)をカム
ドラム(12)に固設し、該カム(9)が、射撃後であ
つて遊底(6)が後退行程に移行する前に、ハンマ部材
(10)との係合を解除する形状を有することを特徴と
する機関砲の薬莢引抜き装置。 - 【請求項4】 遊底(6)が前方停止位置を採る際であ
つて、少なくとも弾丸を射撃する際に、係合凹部(6
c)に係合して遊底(6)を砲身(1)側に固定し、遊
底(6)が少なくとも後退行程及び前進行程を採る際に
係合凹部(6c)から離脱して、遊底(6)の固定を解
除するロック部材(4)をフレーム(2)に備えること
を特徴とする請求項3の機関砲の薬莢引抜き装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11974796A JPH09280792A (ja) | 1996-04-17 | 1996-04-17 | 機関砲の薬莢引抜き方法及びその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11974796A JPH09280792A (ja) | 1996-04-17 | 1996-04-17 | 機関砲の薬莢引抜き方法及びその装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09280792A true JPH09280792A (ja) | 1997-10-31 |
Family
ID=14769155
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11974796A Pending JPH09280792A (ja) | 1996-04-17 | 1996-04-17 | 機関砲の薬莢引抜き方法及びその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09280792A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110940229A (zh) * | 2019-12-19 | 2020-03-31 | 徐州工程学院 | 一种大型喷滴灌车干冰炮弹发射装置 |
-
1996
- 1996-04-17 JP JP11974796A patent/JPH09280792A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110940229A (zh) * | 2019-12-19 | 2020-03-31 | 徐州工程学院 | 一种大型喷滴灌车干冰炮弹发射装置 |
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