JPH09279355A - 銅又は銅合金管内面へのめっき性に優れる無電解Snめっき液及びSnめっき方法 - Google Patents

銅又は銅合金管内面へのめっき性に優れる無電解Snめっき液及びSnめっき方法

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JPH09279355A
JPH09279355A JP11564596A JP11564596A JPH09279355A JP H09279355 A JPH09279355 A JP H09279355A JP 11564596 A JP11564596 A JP 11564596A JP 11564596 A JP11564596 A JP 11564596A JP H09279355 A JPH09279355 A JP H09279355A
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太郎 黒田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 銅又は銅合金管内面に変色のない均一なめっ
きを施す。 【解決手段】 pH調整剤、2価のSnイオン、銅イオ
ンとの錯形成剤、還元剤、界面活性剤を含み、該界面活
性剤がポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル系
又は/及びポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル
系の非イオン系界面活性剤であり、かつ2価のSnイオ
ンとこれら非イオン系界面活性剤の比(重量比)、すな
わち(2価のSnイオンの重量)/(界面活性剤の重
量)を10〜130とした無電解Snめっき液を銅又は
銅合金管に流通させ、管内面に均一なSnめっきを施
す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水道水や給湯水に対
する耐食性向上を目的とした内面錫被覆銅又は銅合金管
の製造に際して使用される無電解Snめっき液及びめっ
き方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水道用及び建築用銅管の銅イオン溶出対
策あるいは耐食性向上を目的として、銅管内面に錫被覆
を施したもの(特開平4−45282号公報、特開平4
−99180号公報、特開平4−131384号公報な
ど)が発明された。この内面錫被覆銅管は施工時におけ
るさまざまな加工に対して十分実用的であり、銅イオン
溶出対策あるいは耐食性向上といった目的においても十
分効果的であった。またその被覆方法が銅管内面に無電
解錫めっき液を流通させることにより行うため、管径に
対して長さの長い管にも適用でき、非常に有意義な技術
であるといえる。
【0003】このような銅管の内面にSn被覆を施す際
には、例えば特開平4−45282号公報に記されるよ
うな一般的に知られている置換型もしくは還元型の無電
解Snめっき液(下記表1参照)が用いられてきてお
り、特に管内面へのめっき性という観点でのめっき液や
めっき方法については研究されていなかった。
【0004】
【表1】
【0005】
【発明が解決しようとする課題】無電解Snめっき液及
び無電解Snめっき方法についての研究は従来から行わ
れてきた(特開平6−93459号公報、特開平5−2
63258号公報、特開平5−112875号公報、特
開平5−112874号公報、特開平4−289178
号公報、特開昭63−230883号公報、特開平5−
186878号公報等)。しかし、そのほとんどは電子
材料部品の半田付け性向上やボンディング性向上などが
目的で、被めっき体としては平面状の銅系材料であっ
た。
【0006】これらのめっき液を、水道水や給湯水に対
する耐食性向上を目的とした銅又は銅合金管の内面Sn
めっき用として使用した場合、変色、めっき膜厚のばら
つきなどのめっき不良が発生して管内面に均一なSnめ
っきが施せない問題を生じることがあった。この変色、
めっき膜厚のばらつきなどが存在すると、変色部やめっ
き膜厚の薄い部分で優先腐食を被ることがあり、そうな
ると内面錫被覆銅又は銅合金管は耐食性を目的として開
発されたものであるため、致命的であった。本発明は上
記従来の問題点に鑑みてなされたもので、従来知られて
いた無電解Snめっき液を用いて銅又は銅合金管内面に
めっきを施した場合に起こりうる変色、めっき膜厚のば
らつきなどのめっき不良を改善し、銅又は銅合金管内面
に変色のない均一なめっきを施すことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記問題を
解決するため種々研究を行った結果、銅又は銅合金管内
面へのめっき性は、めっき液中のpH調整剤の種類や濃
度、銅イオンとの錯形成剤の種類や濃度、還元剤の種類
や濃度にはほとんど左右されず、界面活性剤の種類及び
2価のSnイオンと界面活性剤の比(重量比)、すなわ
ち(2価のSnイオンの重量)/(界面活性剤の重量)
に大きく依存していることを見い出した。さらに、この
界面活性剤をポリオキシエチレンオクチルフェニルエー
テル系、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル系
と限定し、かつ(2価のSnイオンの重量)/(界面活
性剤の重量)を10〜130とすることにより変色、め
っき膜厚のばらつきなどのない銅又は銅合金管内面への
めっき性に優れる無電解Snめっき液を得ることができ
ることを確認し、本発明を得た。すなわち本発明は以下
のことを特徴とする。
【0008】(1)pH調整剤、2価のSnイオン、銅
イオンとの錯形成剤、還元剤、界面活性剤を含む無電解
Snめっき液において、界面活性剤がポリオキシエチレ
ンオクチルフェニルエーテル系又は/及びポリオキシエ
チレンノニルフェニルエーテル系の非イオン系界面活性
剤であり、かつ2価のSnイオンとこれら非イオン系界
面活性剤の比(重量比)、すなわち (2価のSnイオンの重量)/(界面活性剤の重量) が10〜130であることを特徴とする銅又は銅合金管
内面へのめっき性に優れる無電解Snめっき液。
【0009】(2)pH調整剤、2価のSnイオン、銅
イオンとの錯形成剤、還元剤、界面活性剤、アミノポリ
カルボン酸を含む無電解Snめっき液において、界面活
性剤がポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル系
又は/及びポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル
系の非イオン系界面活性剤であり、かつ2価のSnイオ
ンとこれら非イオン系界面活性剤の比(重量比)すなわ
ち (2価のSnイオンの重量)/(界面活性剤の重量) が10〜130であることを特徴とする銅又は銅合金管
内面へのめっき性に優れる無電解Snめっき液。
【0010】(3)上記(1)又は(2)に記載された
めっき液を銅又は銅合金管内に流通することにより銅又
は銅合金管内面にめっきを施すことを特徴とする銅又は
銅合金管内面へのSnめっき方法。 (4)めっき液に使用されているのと同じpH調整剤及
び銅イオンとの錯形成剤を含む水溶液を銅又は銅合金管
内へ流通した後に、上記(1)又は(2)に記載された
無電解Snめっき液を銅又は銅合金管内に流通すること
により銅又は銅合金管内面にめっきを施すことを特徴と
する銅又は銅合金管内面へのSnめっき方法。
【0011】(5)めっき液に使用されているのと同じ
pH調整剤及び銅イオンとの錯形成剤、さらにポリオキ
シエチレンオクチルフェニルエーテル系、ポリオキシエ
チレンノニルフェニルエーテル系の非イオン系界面活性
剤のうち少なくとも1種以上を合計で0.1〜5g/リ
ットル含む水溶液を流通した後に、上記(1)又は
(2)に記載された無電解Snめっき液を銅又は銅合金
管内に流通することにより銅又は銅合金管内面に均一な
めっきを施すことを特徴とする銅又は銅合金管内面への
Snめっき方法。
【0012】
【発明の実施の形態】無電解Snめっきはめっき液中の
Snイオンと母材の銅が置換してめっきされるか、めっ
き液中のSnイオンが還元されてめっきされるというも
のであるが、平面形状をしたものと管内表面とではSn
の析出反応が起こっているめっき表面の境膜の形態が異
なっているためにめっき性に差が生じ、そのため、電子
材料部品などの板状又は平面形状の銅系材料に対して行
った場合は変色、めっき膜厚のばらつきなどのめっき不
良が起こらなくても、銅又は銅合金管内面に適用した場
合にはめっき不良が発生する。この差は被めっき体の形
状の違いからくるものであるため、電子材料部品の半田
付け性向上やボンディング性向上などの目的で平面形状
を対象に研究された無電解Snめっきでは、めっき条件
すなわちめっき温度や管内流通速度を変更したのみでは
改善できないものと考えられる。
【0013】そこで本発明者が種々研究を行った結果、
めっき表面の境膜の形態を支配する因子は界面活性剤で
あり、管内面へのめっき性向上にはポリオキシエチレン
オクチルフェニルエーテル系、ポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテル系の非イオン系界面活性剤が有効で
あり、2価のSnイオンとの重量比、すなわち(2価の
Snイオンの重量)/(界面活性剤の重量)を10〜1
30とすることが極めて有効であることを見い出し、本
発明を完成するに至ったものである。
【0014】無電解Snメッキ液中にポリオキシエチレ
ンオクチルフェニルエーテル系、ポリオキシエチレンノ
ニルフェニルエーテル系の非イオン系界面活性剤以外の
界面活性剤を用いるか、あるいは界面活性剤を用いない
か、(2価のSnイオンの重量)/(界面活性剤の重
量)を130以上でめっきすると変色、膜厚のばらつき
等のめっき不良が生じる。また、本めっき液を用いての
めっきは40〜85℃で行うのが望ましい。
【0015】次に、本発明の無電解Snめっき液及びめ
っき方法についてより具体的に説明する。 <非イオン系界面活性剤及び2価のSnイオン>本発明
の無電解Snめっき液は、ポリオキシエチレンオクチル
フェニルエーテル系、ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテル系の非イオン系界面活性剤の1種以上を含有
すること、及び(2価のSnイオンの重量)/(界面活
性剤の重量)が10〜130であることを必須とする。
(2価のSnイオンの重量)/(界面活性剤の重量)が
130を越えるようだとめっき性向上に効果がなく10
未満であると効果が飽和して特に顕著な効果の増大は見
られないばかりでなくめっき液中に沈殿物が生成してめ
っき不良を起こすことがある。従って、(2価のSnイ
オンの重量)/(界面活性剤の重量)は10〜130で
あるものとする。特に有効な範囲は15〜130であ
る。
【0016】また、めっき液中の2価のSnイオン濃度
は、0.05mol/リットル未満となるとSnの析出
が起こらなくなり、一方、溶解度の関係から0.5mo
l/リットル以下が望ましい。2価のSnイオンの供給
源としては例えば塩化第一錫、硫酸第一錫、ホウフッ化
第一錫、p−フェノールスルホン酸錫、錫酸ナトリウム
などを用いることができる。
【0017】<pH調整剤>pH調整剤として無機酸
(例えば硫酸、塩酸、りん酸、スルファミン酸、ホウフ
ッ酸など)、有機酸(例えば酒石酸、クエン酸、p−ア
ミノベンゼンスルホン酸、p−フェノールスルホン酸、
メタンスルホン酸、グルコン酸など)などの酸や水酸化
ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリを用いて無
電解Snめっき液のpHを調整するが、pHが0.3未
満や13を越えると析出したSnがめっき液により浸食
される恐れがあるため、pHは0.3〜13に調整する
のが望ましい。
【0018】<銅イオンとの錯形成剤>銅イオンとの錯
形成剤はめっき液中の銅イオン活量を低下させ、めっき
液中でのSnとCuの電位を逆転させて置換を行うため
に加えるものである。この銅イオンとの錯形成剤として
は例えばチオ尿素、チオ尿素誘導体、シアン、ホウフッ
化イオンなどを使用することができる。しかしその濃度
が合計で0.5mol/リットル未満となるとSnの析
出が起こらなくなり、一方、溶解度の関係から4.0m
ol/リットル以下が望ましい。
【0019】<還元剤>還元剤はSnを安定に2価に保
つために加えるが、例えば次亜りん酸、亜りん酸、次亜
りん酸ナトリウム、亜りん酸ナトリウムなどを用いるこ
とができる。しかしその濃度が0.05mol/リット
ル未満であると効果がなく、一方、溶解度の関係から
1.0mol/リットル以下が望ましい。
【0020】<アミノポリカルボン酸>めっきの析出反
応促進剤としてアミノポリカルボン酸(例えばエチレン
ジアミン4酢酸、エチレンジアミン4酢酸のナトリウム
塩、エチレンジアミン4酢酸のカリウム塩、ニトリル3
酢酸など)を用いることができる。しかしその濃度が
0.01mol/リットル未満であると効果がなく、一
方、溶解度の関係から0.1mol/リットル以下が望
ましい。
【0021】以上述べた本発明の無電解Snめっき液
は、これを銅又は銅合金管内に流通することにより、銅
又は銅合金管内面に均一なめっき不良のないめっき皮膜
を形成させることができるが、さらに「めっき液に使用
されているのと同じpH調整剤及び銅イオンとの錯形成
剤を含んでいる水溶液」、あるいは「めっき液に使用さ
れているのと同じpH調整剤及び銅イオンとの錯形成
剤、さらにポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテ
ル系、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル系の
非イオン系界面活性剤のうち少なくとも1種以上を合計
で0.1〜5g/リットル含有している水溶液」を流通
した後、本無電解Snめっき液を流通すると、均一でめ
っき速度の速いSnめっき皮膜を得ることができる。上
記めっき前処理液におけるpH調整剤、銅イオンとの錯
形成剤、非イオン系界面活性剤の濃度は、めっき液のそ
れと同じ範囲内のものが望ましい。それはめっき前処理
液がめっき液に混入してもめっき液の成分範囲を規定範
囲から越えさせないためである。なお、このめっき前に
流通させる水溶液は40〜85℃で使用するのが望まし
い。
【0022】
【実施例】被めっき物として市販のりん脱酸銅管(JI
S H3300 C1220T、管径は22.22m
m、肉厚0.81mm、長さ4mの直管)及び95%C
u−5%Znの組成の合金で製管した材料(管径は2
2.22mm、肉厚0.81mm、長さ4mの直管)を
用いた。これらを用い、表2に示すめっき材を、アルカ
リ脱脂→水洗1→酸洗→水洗2→(めっき前処理)→め
っき→水洗3→乾燥、のめっき工程で作製した。ここで
各工程の詳細は以下のとおり。
【0023】
【表2】
【0024】<アルカリ脱脂で用いた液及び脱脂条件> ・水酸化ナトリウム:15g/リットル+りん酸3ナト
リウム:20g/リットル+ラウリルベンゼンスルホン
酸ナトリウム:4g/リットル+水 ・使用温度:70℃ ・脱脂条件:1.2m/sの流速で1分間アルカリ脱脂
液を流通
【0025】<水洗1、水洗2、水洗3の条件> ・水道水を1.2m/sの流速で2分間流通して管内を
洗浄した。 <酸洗液及び酸洗条件> ・硫酸:0.3mol/リットル+水 ・使用温度:70℃ ・酸洗条件:1.2m/sの流速で30秒間酸洗液を流
【0026】<めっき液及びめっき前処理液> ・表1中のめっき液A〜Pを表3〜6に示し、めっき前
処理液Q〜Vを表7に示す。 ・使用温度:めっき液及びめっき前処理液いずれも70
℃ ・めっき前処理条件:1.2m/sの流速でめっき前処
理液を流通 ・めっき条件:1.2m/sの流速でめっき液を流通
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】
【表5】
【0030】
【表6】
【0031】
【表7】
【0032】また、めっきした材料の評価として4mの
材料のめっき液流通入側、入側から0.5m、入側から
1m、入側から1.5m、入側から2.0m、入側から
2.5m、入側から3.0m、入側から3.5m、めっ
き液流通出側の9ケ所より長さ5cmの材料のサンプリ
ングを行い評価材とした。評価は外観検査、膜厚測定を
行った。評価の要領は下記に示す。
【0033】<外観検査>評価材を半割りにして画像解
析装置(画像解析ソフト:Mac.SCOPE(MIT
ANI CORPORATION))により、評価材の
全内表面積に占める変色部の割合を算出し、評価の対象
とした。 <めっき厚測定>各評価材を半割にしたものの内面を、
1評価材につき任意の10点を蛍光X線膜厚測定機によ
り膜厚を測定し、その平均値を膜厚とした。
【0034】めっき材の評価を表8及び表9に示す。な
お、表8の「変色の有無」の中の「○」は変色が無く画
像解析での変色部の占める割合が0%のものであり、
「△」は画像解析での変色部の占める割合が1〜20%
のものであり、「×」は画像解析での変色部の占める割
合が21%以上のものである。
【0035】
【表8】
【0036】
【表9】
【0037】表8から明らかなように、規定のめっき液
を用いた実施例1〜15では変色は全く見られなかった
が、界面活性剤を含んでいないめっき液を用いた比較例
16、17、18、19、20、28や、(2価のSn
イオンの重量)/(界面活性剤の重量)が10〜130
であってもポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテ
ル系、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル系以
外の非イオン系界面活性剤を含有するめっき液を用いた
比較例21、22、23、24や、ポリオキシエチレン
オクチルフェニルエーテル系、ポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテル系の非イオン系界面活性剤を用いて
いても(2価のSnイオンの重量)/(界面活性剤の重
量)が130を超えるめっき液を用いた比較例25、2
6においては全長もしくは一部に変色が発生した。さら
に、陽イオン界面活性剤を含有するめっき液を用いた比
較例27や陰イオン界面活性剤を含有するめっき液を用
いた比較例29においても同様に変色が発生した。
【0038】また、表9の膜厚測定結果からも明らかな
ように、規定のめっき液を用いた実施例1〜15では、
膜厚のばらつきが小さいのに対して、ポリオキシエチレ
ンオクチルフェニルエーテル系、ポリオキシエチレンノ
ニルフェニルエーテル系の非イオン系界面活性剤を含有
しないか、含有していても(2価のSnイオンの重量)
/(界面活性剤の重量)が130を超えるめっき液を用
いた比較例めっき材においては顕著な膜厚のばらつきが
確認された。さらに、規定のめっき液を用いたもので、
めっき前処理を行ったものでは、膜厚は均一でかつめっ
き速度が増大しているのが確認される。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、銅及び銅合金管内面へ
の無電解錫めっきにおいて、界面活性剤をポリオキシエ
チレンオクチルフェニルエーテル系、ポリオキシエチレ
ンノニルフェニルエーテル系の非イオン系界面活性剤と
限定して(2価のSnイオンの重量)/(界面活性剤の
重量)を10〜130とすることにより銅又は銅合金管
内面に均一なめっき皮膜を形成させることができ、内面
錫被覆銅管の信頼性を格段に増大させることができる。
また、本発明は特に管内面のめっき性という新しい観点
にたっての有意義な知見であり、きわめて有用な発明で
あるといえる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 pH調整剤、2価のSnイオン、銅イオ
    ンとの錯形成剤、還元剤、界面活性剤を含む無電解Sn
    めっき液において、界面活性剤がポリオキシエチレンオ
    クチルフェニルエーテル系又は/及びポリオキシエチレ
    ンノニルフェニルエーテル系の非イオン系界面活性剤で
    あり、かつ2価のSnイオンとこれら非イオン系界面活
    性剤の比(重量比)、すなわち (2価のSnイオンの重量)/(界面活性剤の重量) が10〜130であることを特徴とする銅又は銅合金管
    内面へのめっき性に優れる無電解Snめっき液。
  2. 【請求項2】 pH調整剤、2価のSnイオン、銅イオ
    ンとの錯形成剤、還元剤、界面活性剤、アミノポリカル
    ボン酸を含む無電解Snめっき液において、界面活性剤
    がポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル系又は
    /及びポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル系の
    非イオン系界面活性剤であり、かつ2価のSnイオンと
    これら非イオン系界面活性剤の比(重量比)、すなわち (2価のSnイオンの重量)/(界面活性剤の重量) が10〜130であることを特徴とする銅又は銅合金管
    内面へのめっき性に優れる無電解Snめっき液。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載されためっき液を
    銅又は銅合金管内に流通することにより銅又は銅合金管
    内面にめっきを施すことを特徴とする銅又は銅合金管内
    面へのSnめっき方法。
  4. 【請求項4】 めっき液に使用されているのと同じpH
    調整剤及び銅イオンとの錯形成剤を含む水溶液を銅又は
    銅合金管内へ流通した後に、請求項1又は2に記載され
    た無電解Snめっき液を銅又は銅合金管内に流通するこ
    とにより銅又は銅合金管内面にめっきを施すことを特徴
    とする銅又は銅合金管内面へのSnめっき方法。
  5. 【請求項5】 めっき液に使用されているのと同じpH
    調整剤及び銅イオンとの錯形成剤、さらにポリオキシエ
    チレンオクチルフェニルエーテル系、ポリオキシエチレ
    ンノニルフェニルエーテル系の非イオン系界面活性剤の
    うち少なくとも1種以上を合計で0.1〜5g/リット
    ル含む水溶液を流通した後に、請求項1又は2に記載さ
    れた無電解Snめっき液を銅又は銅合金管内に流通する
    ことにより銅又は銅合金管内面にめっきを施すことを特
    徴とする銅又は銅合金管内面へのSnめっき方法。
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