JPH09279221A - テーパー付き精錬用ランス - Google Patents

テーパー付き精錬用ランス

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JPH09279221A
JPH09279221A JP11956296A JP11956296A JPH09279221A JP H09279221 A JPH09279221 A JP H09279221A JP 11956296 A JP11956296 A JP 11956296A JP 11956296 A JP11956296 A JP 11956296A JP H09279221 A JPH09279221 A JP H09279221A
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JP
Japan
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lance
splash
tapered
taper
refining
Prior art date
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Application number
JP11956296A
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English (en)
Inventor
Toshiaki Miyamoto
敏明 宮本
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH09279221A publication Critical patent/JPH09279221A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶鋼あるいはスラグがスプラッシュとなって
ランスに飛散し,ランス表面に付着し肥大すると,ラン
スの昇降が不可能になり,さらにランスの気体噴出が不
可能になるため,操業を停止してランスのスプラッシュ
落としを実施する必要があった。 【解決手段】 精錬用の気体を噴出できるノズル孔を1
つ以上有する水冷式精錬用ランスにおいて,ランス先端
部の形状がテーパーをつけた構造であって,そのテーパ
ー部の形状が,テーパー部長さ400mm以上であり,
且つ下式(1)で算出されるテーパー角(度)が1.5
度以上5.0度以下のものであるテーパー付き精錬用ラ
ンス テーパー角(度)=tan- 1 {〔テーパー部最大半径
(mm)−テーパー部最小半径(mm)〕/テーパー部
長さ(mm)}・・・(1)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,溶鋼の精錬に使用
する気体を上吹するための,上昇および下降の可能な水
冷式ランスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】溶鋼の精錬に使用するランスは,ランス
中心部から気体を通し,その送気量に応じてノズル孔の
数を決定し,ノズル孔から気体を溶鋼に上吹するもので
ある。またランス本体は溶鋼中の高温にも耐えうるよう
に,ランス内部を冷却水により冷却している。そのた
め,従来はパイプ等を利用した3重管構造のものであ
り,中心部に気体を通し,外の2重管に冷却水を通して
本体を冷却しており,そのため従来のランスの形状は上
部から下部までストレートな円柱形状であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,従来の
ランスを使用して溶鋼の精錬を実施した場合,溶鋼ある
いはスラグがスプラッシュとなってランスに飛散する
が,スプラッシュの飛散量が少ない場合には,ランスの
表面にスプラッシュが付着したとき,スプラッシュは冷
却され収縮し,収縮するときに付着面にスプラッシュの
動きが生ずるため,スプラッシュは自然に剥離する。し
かしスプラッシュの飛散量が増えると,ランスの表面に
スプラッシュの付着する頻度が多くなり,剥離量を上回
るとスプラッシュはランス表面に堆積し,ランスがスプ
ラッシュにより肥大する。その結果,スプラッシュによ
り肥大したランスは,ランス昇降機の孔径より大きくな
り,ランスの上昇が不可能となる。
【0004】ランスの上昇が不可能となった状態で,ラ
ンス孔からの気体の噴出を停止すると,ランス孔の内部
にもスプラッシュが付着するためランス孔が埋められて
しまい,以後の気体の噴出が不可能となる。またランス
に付着したスプラッシュを除去するために外力を加える
と,ランスが変形もしくは損傷することがあり,外力を
加えてのスプラッシュの除去は好ましくない。
【課題を解決するための手段】
【0005】そのため本発明では,精錬用の気体を噴出
できるノズル孔を1つ以上有する水冷式精錬用ランスに
おいて,ランス先端部の形状がテーパーをつけた構造で
あって,そのテーパー部の形状が,テーパー部長さ40
0mm以上であり,且つ下式(1)で算出されるテーパ
ー角(度)が1.5度以上5.0度以下のものであるテ
ーパー付き精錬用ランスを提供するものである。 テーパー角(度)=tan- 1 {〔テーパー部最大半径(mm)−テーパー部最 小半径(mm)〕/テーパー部長さ(mm)}・・・(1)
【0006】このように,ランス先端部にテーパーが付
いていると,ランス先端部のノズル孔より気体を溶鋼表
面に噴出したときに,溶鋼表面から溶鋼あるいはスラグ
が多量のスプラッシュとなってランスに飛散しても,一
時的にランス表面に溶鋼あるいはスラグがスプラッシュ
となって付着しランスは肥大するが,ランス内部の冷却
水により,ランスに付着したスプラッシュが徐々に冷却
され,付着したスプラッシュの収縮時に亀裂を生じて,
スプラッシュが剥離し易い状態となる。このような状態
になったスプラッシュは自重でランスより剥離し,落下
するため,これ以上ランスが肥大しなくなる。
【0007】ここでテーパー角(度)が1.5度を下回
るとスプラッシュの剥離効果があまり認められず,また
テーパー角(度)が5度越えると,スブラッシュの剥離
効果は見られるが,ランス先端部が細くなり過ぎて,ラ
ンス内の冷却水の循環が悪くなり,ランスの冷却効果が
悪くなる。
【発明の実施の形態】
【0008】本発明の好ましい実施の形態を説明する。
図1は本発明のテーパー付き精錬用ランス1のテーパー
部の断面図であり,中央に気体を溶鋼部に噴出できるノ
ズル孔2を有しており,その先端部がテーパー部下部3
(ランス先端部でテーパー最小径)でテーパー部上部4
(その部分から上部は円筒状でテーパー最大径)までが
テーパーとなっており,その部分の長さがテーパー部長
さ5である。またテーパー部上部5のテーパー最大径の
延長線とノズルのなす角(度)6がテーパー角(度)で
ある。
【0009】本発明のランス形状はテーパー部長さ5が
400mm以上であり,テーパー角(度)6が0.5度
以上5.0度以下である。またノズル孔2は送気容量に
応じて複数個あってもよい。ノズル孔2の外側は冷却水
7によりランスを冷却しており,ノズル孔2の外側が冷
却水7の流入部であり,さらにその外側が冷却水7の流
出部である。
【0010】図2は溶鋼量80TのVODでの本発明の
テーパー付きランス1の使用中の状態である。溶鋼9を
入れた取鍋15を真空槽内14に設置し取鍋15を中蓋
16で覆った後に真空槽14にカバー17を取り付け密
閉し,真空槽14内を真空排気しながらランス昇降口1
3を通してテーパー付きランス1を下降し,溶鋼9表面
に向けて精錬用気体として酸素8を噴出する。溶鋼9は
取鍋15底部に設置したポーラスプラグ18を通してア
ルゴンガス19を流すことにより,攪拌されている。
【0011】図3は本発明の使用中のランス先端部2で
あり,溶鋼9を攪拌しているアルゴンガス19またはラ
ンスから噴出した酸素8により,溶鋼9あるいはスラグ
10がランス先端部2付近でスプラッシュ11となって
飛散し,その結果ランスにスプラッシュ11が付着して
いる状態を表したものである。またスプラッシュ11の
飛散する量が多くなるにつれランス1へのスプラッシュ
付着量も多くなりスプラッシュ11は肥大していく。図
4は本発明のランス1を使用した場合に,肥大したスプ
ラッシュ11が冷却されたときに収縮による亀裂12が
発生している状態を表したものである。この亀裂12に
よりランス1に付着したスプラッシュ11は自重により
容易に落下する。
【実施例】
【0012】本発明のテーパー付き精錬用ランスの効果
を調査するため,溶鋼量80TのVODで溶鋼を精錬し
たときのスプラッシュ落とし発生頻度(%)を従来のラ
ンスと比較した。溶鋼を精錬したときに,ランス先端部
に付着したスプラッシュが肥大した結果ランスの上昇が
不可能となった場合,操業を停止してスプラッシュ落と
しを実施する必要が生ずるが,このスプラッシュ落とし
を実施したチャージ数の操業全チャージ数に対する割合
を,スプラッシュ落とし発生頻度(%)として表した。
【0013】このスプラッシュ落とし発生頻度(%)は
ランスのテーパー角(度)およびランスのテーパー部長
さの条件別に調査した。なお本発明のランスはテーパー
部の材質としては付着したスプラッシュの冷却効率を高
めるため,比較的熱伝導率が高い金属である銅製とし,
スプラッシュの剥離性を向上するために表面を平滑にす
る目的で,テーパー部の表面にクロムメッキを施した。
スプラッシュ落とし発生頻度(%)は少なければ少ない
程良いが,5.0%以下であれば,溶鋼の精錬において
実操業上またランスの寿命上問題は無い。
【0014】図5はランスのテーパー角(度)条件別
の,テーパー部長さとスプラッシュ落とし発生頻度
(%)の関係を示したものである。ランスのテーパー部
長さが長い方がスプラッシュ落とし発生頻度(%)が低
くなっているが,テーパー角(度)が1.5度以上が最
も顕著であり,テーパー部長さが400mm以上になる
とスプラッシュ発生頻度は5%以下である。図6はテー
パー部長さが400mm以上における,テーパー角
(度)とスプラッシュ落とし発生頻度(%)の関係を示
したものである。テーパー角(度)が1.5度以上では
スプラッシュ発生頻度は5%以下である。
【発明の効果】
【0015】以上のように,本発明のテーパー付き精錬
用ランスを使用すれば,溶鋼の精錬中にランスに付着し
肥大したスプラッシュは,従来のランスに較べ容易に自
然落下するため,スプラッシュ落しの回数は大幅に減少
し,そのための作業時間が減少し,作業性が大幅に改善
された。また付着したスプラッシュがほとんど自然剥離
するために,ランスに外力を加えることも減少するた
め,ランスが変形もしくは損傷することがなく,ランス
の寿命を大幅に向上することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】テーパー部の断面図
【図2】VODでの使用中の状態
【図3】使用中のランス先端部
【図4】スプラッシュに亀裂が生じた状態
【図5】テーパー部長さとスプラッシュ落とし発生頻度
の関係
【図6】テーパー角度とスプラッシュ落とし発生頻度の
関係
【符号の説明】
1 ランス 2 ランス孔 3 テーパー部下面 4 テーパー部上面 5 テーパー部長さ 6 テーパー角(度) 7 冷却水 8 気体 9 溶鋼 10 スラグ 11 スプラッシュ 12 亀裂 13 ランス昇降口 14 真空槽 15 取鍋 16 中蓋 17 カバー 18 ポーラスプラグ 19 アルゴンガス

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 精錬用の気体を噴出できるノズル孔を1
    つ以上有する水冷式精錬用ランスにおいて,ランス先端
    部の形状がテーパーをつけた構造であって,そのテーパ
    ー部の形状が,テーパー部長さ400mm以上であり,
    且つ下式(1)で算出されるテーパー角(度)が1.5
    度以上5.0度以下のものであるテーパー付き精錬用ラ
    ンス テーパー角(度)=tan- 1 {〔テーパー部最大半径(mm)−テーパー部最 小半径(mm)〕/テーパー部長さ(mm)}・・・(1)
JP11956296A 1996-04-18 1996-04-18 テーパー付き精錬用ランス Pending JPH09279221A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11956296A JPH09279221A (ja) 1996-04-18 1996-04-18 テーパー付き精錬用ランス

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JP11956296A JPH09279221A (ja) 1996-04-18 1996-04-18 テーパー付き精錬用ランス

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Publication Number Publication Date
JPH09279221A true JPH09279221A (ja) 1997-10-28

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Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11956296A Pending JPH09279221A (ja) 1996-04-18 1996-04-18 テーパー付き精錬用ランス

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015522107A (ja) * 2012-07-10 2015-08-03 ルマール メタルズ エルティディエー. 金属製作用の吹き付けスピア、並びにローディング及び吹き付け操作条件のメンテナンス

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015522107A (ja) * 2012-07-10 2015-08-03 ルマール メタルズ エルティディエー. 金属製作用の吹き付けスピア、並びにローディング及び吹き付け操作条件のメンテナンス

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