JPH09278791A - コレスタノール化合物及びその製造方法 - Google Patents
コレスタノール化合物及びその製造方法Info
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- JPH09278791A JPH09278791A JP8660896A JP8660896A JPH09278791A JP H09278791 A JPH09278791 A JP H09278791A JP 8660896 A JP8660896 A JP 8660896A JP 8660896 A JP8660896 A JP 8660896A JP H09278791 A JPH09278791 A JP H09278791A
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- Japan
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- cholestanol
- galactopyranosyl
- acyl
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Abstract
(57)【要約】
【解決手段】 次の式(1)で表されるコレスタノール
化合物、及びその製造方法。 【化1】 〔式(1)中、コレスタン−3−イル基を示す〕 【効果】 細胞内に浸透し易く、しかも安全性も高く、
医薬等の成分として有用である。
化合物、及びその製造方法。 【化1】 〔式(1)中、コレスタン−3−イル基を示す〕 【効果】 細胞内に浸透し易く、しかも安全性も高く、
医薬等の成分として有用である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コレステロール化
合物よりも細胞内に浸透し易く、医薬、化粧料の成分と
して有用なコレスタノール化合物及びその製造方法に関
する。
合物よりも細胞内に浸透し易く、医薬、化粧料の成分と
して有用なコレスタノール化合物及びその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、生命発生の過程に見られる発生・
分化において糖鎖が重要な役割を果していることが明ら
かになるに伴い、糖鎖の生理的意義について多くの研究
者の注目を集めている。一方、コレステロールは動物細
胞の形質膜、リソゾーム膜、ゴルジ膜などの主要構成脂
質の1つである他に、ステロイドホルモン、ビタミン
D、胆汁酸の前駆体としても重要な役割を担っている。
分化において糖鎖が重要な役割を果していることが明ら
かになるに伴い、糖鎖の生理的意義について多くの研究
者の注目を集めている。一方、コレステロールは動物細
胞の形質膜、リソゾーム膜、ゴルジ膜などの主要構成脂
質の1つである他に、ステロイドホルモン、ビタミン
D、胆汁酸の前駆体としても重要な役割を担っている。
【0003】糖鎖とコレステロールとを結合させた化合
物としては、シアル酸誘導体としてコレステロールを用
いた例(特開昭61−243096号公報)、シアロシ
ルコレステロール(特開昭63−63697号公報)、
シアロシルラクトシルコレステロール等のシアロシルコ
レステロールのアナログ体(特開平3−161496号
公報)などが提案されている。糖鎖とコレステロールと
を結合させた化合物は多彩な薬理作用を有するものであ
り、例えばシアロコレステロールを含有する神経障害疾
患治療剤(特開昭62−265229号公報)、シアロ
コレステロールを含有する脱髄性疾患治療剤(特開平1
−93529号公報)、シアロコレステロールを含有す
る抗痴呆薬(特開平3−81287号公報)などが提案
されている。しかし、これらの化合物は細胞内に浸透し
難いため期待したほどの薬効が得られないという問題が
ある。
物としては、シアル酸誘導体としてコレステロールを用
いた例(特開昭61−243096号公報)、シアロシ
ルコレステロール(特開昭63−63697号公報)、
シアロシルラクトシルコレステロール等のシアロシルコ
レステロールのアナログ体(特開平3−161496号
公報)などが提案されている。糖鎖とコレステロールと
を結合させた化合物は多彩な薬理作用を有するものであ
り、例えばシアロコレステロールを含有する神経障害疾
患治療剤(特開昭62−265229号公報)、シアロ
コレステロールを含有する脱髄性疾患治療剤(特開平1
−93529号公報)、シアロコレステロールを含有す
る抗痴呆薬(特開平3−81287号公報)などが提案
されている。しかし、これらの化合物は細胞内に浸透し
難いため期待したほどの薬効が得られないという問題が
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、細胞内に浸透し易く、しかも安全性も高い化合物を
提供することにある。
は、細胞内に浸透し易く、しかも安全性も高い化合物を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような実情におい
て、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、コレステロー
ルのB環の二重結合が飽和されたコレスタノールに糖鎖
を結合させた化合物が水溶性も良好で、細胞浸透性に優
れ、医薬として有用であることを見出し、本発明を完成
した。
て、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、コレステロー
ルのB環の二重結合が飽和されたコレスタノールに糖鎖
を結合させた化合物が水溶性も良好で、細胞浸透性に優
れ、医薬として有用であることを見出し、本発明を完成
した。
【0006】すなわち、本発明は、次の式(1)
【0007】
【化2】
【0008】〔式(1)中、Cholはコレスタン−3−イ
ル基を示す〕で表されるコレスタノール化合物及びその
製造方法を提供するものである。
ル基を示す〕で表されるコレスタノール化合物及びその
製造方法を提供するものである。
【0009】また、本発明は、式(1)で表されるコレ
スタノール化合物を有効成分とする医薬を提供するもの
である。
スタノール化合物を有効成分とする医薬を提供するもの
である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のコレスタノール化合物、
すなわち前記式(1)で表される3−β−コレスタニル
O−(β−D−ガラクトピラノシル)−(1−4)−
α−D−グルコピラノシド〔化合物(1)〕は、例えば
次の反応により製造することができる。
すなわち前記式(1)で表される3−β−コレスタニル
O−(β−D−ガラクトピラノシル)−(1−4)−
α−D−グルコピラノシド〔化合物(1)〕は、例えば
次の反応により製造することができる。
【0011】
【化3】
【0012】(式中、Cholは前記と同じ意味を示し、Ac
はアシル基を示す)
はアシル基を示す)
【0013】すなわち、(β−D−ガラクトピラノシ
ル)−(1−4)−β−D−グルコピラノースに塩基の
存在下脂肪酸の反応性誘導体を反応させて(2,3,
4,6−テトラ−O−アシル−β−D−ガラクトピラノ
シル)−(1−4)−1,2,3,6−テトラ−O−ア
シル−β−D−グルコピラノースとし、当該化合物をβ
−コレスタノールと反応させて3−β−コレスタニル
O−(2,3,4,6−テトラ−O−アシル−β−D−
ガラクトピラノシル)−(1−4)−2,3,6−トリ
−O−アシル−α−D−グルコピラノシドとし、当該化
合物のアシル基を脱離せしめることによりコレスタノー
ル化合物(1)が製造される。
ル)−(1−4)−β−D−グルコピラノースに塩基の
存在下脂肪酸の反応性誘導体を反応させて(2,3,
4,6−テトラ−O−アシル−β−D−ガラクトピラノ
シル)−(1−4)−1,2,3,6−テトラ−O−ア
シル−β−D−グルコピラノースとし、当該化合物をβ
−コレスタノールと反応させて3−β−コレスタニル
O−(2,3,4,6−テトラ−O−アシル−β−D−
ガラクトピラノシル)−(1−4)−2,3,6−トリ
−O−アシル−α−D−グルコピラノシドとし、当該化
合物のアシル基を脱離せしめることによりコレスタノー
ル化合物(1)が製造される。
【0014】上記反応式中、アシル基としては通常の水
酸基の保護基であれば特に制限されないが、アセチル基
が特に好ましい。また当該保護に用いる脂肪酸の反応性
誘導体としては酸ハライド、酸無水物等が挙げられる
が、酸無水物、特に無水酢酸が好ましい。また塩基とし
ては第3級アミン類が好ましく、ピリジンが特に好まし
い。以下、塩基としてピリジンを、脂肪酸無水物として
無水酢酸を用いた場合を例にして上記反応を説明する。
酸基の保護基であれば特に制限されないが、アセチル基
が特に好ましい。また当該保護に用いる脂肪酸の反応性
誘導体としては酸ハライド、酸無水物等が挙げられる
が、酸無水物、特に無水酢酸が好ましい。また塩基とし
ては第3級アミン類が好ましく、ピリジンが特に好まし
い。以下、塩基としてピリジンを、脂肪酸無水物として
無水酢酸を用いた場合を例にして上記反応を説明する。
【0015】まず、(β−D−ガラクトピラノシル)−
(1−4)−β−D−グルコピラノース〔化合物
(2)〕1容にピリジンを6〜8倍容加えた後、氷冷下
で攪拌しながら無水酢酸を化合物(2)の4〜6倍容加
えて反応させる。その後、室温で2〜4日間攪拌して反
応させる。この反応液を減圧濃縮後、さらにトルエンを
加えて、酢酸臭がなくなるまで減圧濃縮を繰返す。この
減圧濃縮残渣にエタノールを加えて結晶を析出させ、濾
取することにより(2,3,4,6−テトラ−O−アセ
チル−β−D−ガラクトピラノシル)−(1−4)−
1,2,3,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グル
コピラノース〔化合物(3)〕が得られる。
(1−4)−β−D−グルコピラノース〔化合物
(2)〕1容にピリジンを6〜8倍容加えた後、氷冷下
で攪拌しながら無水酢酸を化合物(2)の4〜6倍容加
えて反応させる。その後、室温で2〜4日間攪拌して反
応させる。この反応液を減圧濃縮後、さらにトルエンを
加えて、酢酸臭がなくなるまで減圧濃縮を繰返す。この
減圧濃縮残渣にエタノールを加えて結晶を析出させ、濾
取することにより(2,3,4,6−テトラ−O−アセ
チル−β−D−ガラクトピラノシル)−(1−4)−
1,2,3,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グル
コピラノース〔化合物(3)〕が得られる。
【0016】このようにして得られた上記化合物(3)
に対し、β−コレスタノール約1/2量と、塩化メチレ
ン約10容、及びモレキュラーシーブAW−300(ユニ
オン昭和社製)を1/2量加え、アルゴン気流中氷冷下
で約10分間攪拌する。この反応液にトリメチルシリル
トリフラートを約1/2容滴下した後、反応液を室温に
もどしてさらに2時間攪拌する。反応液を水中(約15
0ml)にあけて炭酸水素ナトリウム粉末を適量加えて中
和し、クロロホルム(150ml×3回)で抽出する。抽
出液を硫酸マグネシウムで乾燥後減圧濃縮し、残渣をワ
コーゲルC−300(和光純薬工業社製、トルエン:ア
セトン=19:1)を用いてカラムクロマトグラフィー
で精製し、3−β−コレスタニル O−(2,3,4,
6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシ
ル)−(1−4)−2,3,6−トリ−O−アセチル−
α−D−グルコピラノシド〔化合物(4)〕が得られ
る。
に対し、β−コレスタノール約1/2量と、塩化メチレ
ン約10容、及びモレキュラーシーブAW−300(ユニ
オン昭和社製)を1/2量加え、アルゴン気流中氷冷下
で約10分間攪拌する。この反応液にトリメチルシリル
トリフラートを約1/2容滴下した後、反応液を室温に
もどしてさらに2時間攪拌する。反応液を水中(約15
0ml)にあけて炭酸水素ナトリウム粉末を適量加えて中
和し、クロロホルム(150ml×3回)で抽出する。抽
出液を硫酸マグネシウムで乾燥後減圧濃縮し、残渣をワ
コーゲルC−300(和光純薬工業社製、トルエン:ア
セトン=19:1)を用いてカラムクロマトグラフィー
で精製し、3−β−コレスタニル O−(2,3,4,
6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシ
ル)−(1−4)−2,3,6−トリ−O−アセチル−
α−D−グルコピラノシド〔化合物(4)〕が得られ
る。
【0017】この化合物(4)に対して、メタノール5
0mlとクロロホルム50mlの混液に溶かし、ナトリウム
メトキシド約1/2量加えて室温で1時間攪拌する。次
いで、酸性イオン交換樹脂アンバーリスト15を適量加
えて反応液を中和した後、イオン交換樹脂を除いて反応
液を減圧濃縮すると本発明の3−β−コレスタニルO−
(β−D−ガラクトピラノシル)−(1−4)−α−D
−グルコピラノシドを得ることができる。
0mlとクロロホルム50mlの混液に溶かし、ナトリウム
メトキシド約1/2量加えて室温で1時間攪拌する。次
いで、酸性イオン交換樹脂アンバーリスト15を適量加
えて反応液を中和した後、イオン交換樹脂を除いて反応
液を減圧濃縮すると本発明の3−β−コレスタニルO−
(β−D−ガラクトピラノシル)−(1−4)−α−D
−グルコピラノシドを得ることができる。
【0018】このようにして得られる化合物(1)は、
コレステロール化合物よりも細胞内に浸透し易く、しか
も安全性も高いので、医薬、化粧料などの成分として有
用である。
コレステロール化合物よりも細胞内に浸透し易く、しか
も安全性も高いので、医薬、化粧料などの成分として有
用である。
【0019】本発明化合物(1)を医薬や化粧料に配合
する場合には、当該分野で通常用いられている担体とと
もに配合し、医薬組成物、化粧料組成物とすることがで
きる。
する場合には、当該分野で通常用いられている担体とと
もに配合し、医薬組成物、化粧料組成物とすることがで
きる。
【0020】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定される
ものではない。
説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定される
ものではない。
【0021】製造例1 (2,3,4,6−テトラ−O
−アセチル−β−D−ガラクトピラノシル)−(1−
4)−1,2,3,6−テトラ−O−アセチル−β−D
−グルコピラノースの製造:(β−D−ガラクトピラノ
シル)−(1−4)−β−D−グルコピラノース)(シ
グマ社製)50.0gにピリジン450mlを加え、攪拌
しながら氷冷下で無水酢酸300mlを加えた。反応液を
室温にもどし、3日間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、
トルエンを加え、酢酸臭がなくなるまで減圧濃縮を繰返
した。この減圧濃縮残渣にエタノール300mlを加えて
結晶を析出させ、濾取することにより標記化合物を7
4.6g得た。なお、1H-NMR スペクトルは、日本電子
社製のJNM-A500を用いて室温で測定した。
−アセチル−β−D−ガラクトピラノシル)−(1−
4)−1,2,3,6−テトラ−O−アセチル−β−D
−グルコピラノースの製造:(β−D−ガラクトピラノ
シル)−(1−4)−β−D−グルコピラノース)(シ
グマ社製)50.0gにピリジン450mlを加え、攪拌
しながら氷冷下で無水酢酸300mlを加えた。反応液を
室温にもどし、3日間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、
トルエンを加え、酢酸臭がなくなるまで減圧濃縮を繰返
した。この減圧濃縮残渣にエタノール300mlを加えて
結晶を析出させ、濾取することにより標記化合物を7
4.6g得た。なお、1H-NMR スペクトルは、日本電子
社製のJNM-A500を用いて室温で測定した。
【0022】1H-NMR(CDCl3/TMS):1.96-2.16,m,Ac;3.7
6,ddd,glc・5,J4,5=9.7,J5,6a=4.9,J5,6b=1.8;3.85,t,
glc-4,J3,4=9.3;3.87,m,gal-5,J4,5=1.2,J5,6a=7.6J
5,6b =6.3;4.09,dd,gal・6a,J6a,6b=11.0;4.13,dd,gl
c・6a,J6a,6b=11.6;4.14,dd,gal・6b;4.46,dd,glc・6
b;4.48,d,gal・1J1,2=7.9;4.95,dd,gal・3,J2,3=10.
4,J3,4=3.4;5.05,t,glc・2,J1,2=8.8,J2,3=9.0;5.11,
dd,gal・2;5.25,t,glc・3;5.35,dd,gal・4;5.67,d,g
lc・1
6,ddd,glc・5,J4,5=9.7,J5,6a=4.9,J5,6b=1.8;3.85,t,
glc-4,J3,4=9.3;3.87,m,gal-5,J4,5=1.2,J5,6a=7.6J
5,6b =6.3;4.09,dd,gal・6a,J6a,6b=11.0;4.13,dd,gl
c・6a,J6a,6b=11.6;4.14,dd,gal・6b;4.46,dd,glc・6
b;4.48,d,gal・1J1,2=7.9;4.95,dd,gal・3,J2,3=10.
4,J3,4=3.4;5.05,t,glc・2,J1,2=8.8,J2,3=9.0;5.11,
dd,gal・2;5.25,t,glc・3;5.35,dd,gal・4;5.67,d,g
lc・1
【0023】製造例2 3−β−コレスタニル O−
(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガ
ラクトピラノシル)−(1−4)−2,3,6−トリ−
O−アセチル−α−D−グルコピラノシドの製造:製造
例1で得られた(2,3,4,6−テトラ−O−アセチ
ル−β−D−ガラクトピラノシル)−(1−4)−1,
2,3,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピ
ラノース8.15g及びβ−コレスタノール(東京化成
社製)3.89gに、塩化メチレン70mlとモレキュラ
ーシーブAW−300 を3g加えて、アルゴン雰囲気中氷冷
下10分攪拌した。この反応液にトリメチルシリルトリ
フラートを2.90ml滴下した後、反応液を室温にもど
して2時間攪拌した。反応液を水中(約50ml)にあけ
て炭酸水素ナトリウム粉末を適量加えて中和し、クロロ
ホルム(50ml×3回)で抽出した。抽出液を硫酸マグ
ネシウムで乾燥した後減圧濃縮し、残渣をワコーゲルC-
300(トルエン:アセトン=19:1、35φ−280m
m)を用いてカラムクロマトグラフィーで精製し標記化
合物を3.33g得た。
(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガ
ラクトピラノシル)−(1−4)−2,3,6−トリ−
O−アセチル−α−D−グルコピラノシドの製造:製造
例1で得られた(2,3,4,6−テトラ−O−アセチ
ル−β−D−ガラクトピラノシル)−(1−4)−1,
2,3,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピ
ラノース8.15g及びβ−コレスタノール(東京化成
社製)3.89gに、塩化メチレン70mlとモレキュラ
ーシーブAW−300 を3g加えて、アルゴン雰囲気中氷冷
下10分攪拌した。この反応液にトリメチルシリルトリ
フラートを2.90ml滴下した後、反応液を室温にもど
して2時間攪拌した。反応液を水中(約50ml)にあけ
て炭酸水素ナトリウム粉末を適量加えて中和し、クロロ
ホルム(50ml×3回)で抽出した。抽出液を硫酸マグ
ネシウムで乾燥した後減圧濃縮し、残渣をワコーゲルC-
300(トルエン:アセトン=19:1、35φ−280m
m)を用いてカラムクロマトグラフィーで精製し標記化
合物を3.33g得た。
【0024】1H-NMR(CDCl3/TMS):0.53-2.19,m,steroid
and Ac;3.42-3.48,m,steroid・3;3.70,t,glc・4,J
3,4=9.8,J4,5=10.0;3.86,m,gal・5,J4,5=1.2,J5,6a=7.
6,J5,6b=6.3;4.04,ddd,glc・5,J5,6a=5.0,J5,6b=2.2;
4.08,dd,gal・6a,J6a,6b=11.0;4.12,dd,glc・6a,J
6a,6b=11.9;4.15,dd,gal・6b;4.43,dd,glc・6b;4.4
8,d,gal・1,J1,2=7.8;4.71,dd,glc・2,J1,2=4.1;4.9
5,dd,gal・3,J2,3=10.5,J3,4=3.4;5.12,dd,gal・2;5.
12,d,glc・1;5.35,dd,gal・4;5.46,t,glc・3
and Ac;3.42-3.48,m,steroid・3;3.70,t,glc・4,J
3,4=9.8,J4,5=10.0;3.86,m,gal・5,J4,5=1.2,J5,6a=7.
6,J5,6b=6.3;4.04,ddd,glc・5,J5,6a=5.0,J5,6b=2.2;
4.08,dd,gal・6a,J6a,6b=11.0;4.12,dd,glc・6a,J
6a,6b=11.9;4.15,dd,gal・6b;4.43,dd,glc・6b;4.4
8,d,gal・1,J1,2=7.8;4.71,dd,glc・2,J1,2=4.1;4.9
5,dd,gal・3,J2,3=10.5,J3,4=3.4;5.12,dd,gal・2;5.
12,d,glc・1;5.35,dd,gal・4;5.46,t,glc・3
【0025】実施例1 3−β−コレスタニル O−
(β−D−ガラクトピラノシル)−(1−4)−α−D
−グルコピラノシドの製造:製造例2で得られた3−β
−コレスタニル O−(2,3,4,6−テトラ−O−
アセチル−β−D−ガラクトピラノシル)−(1−4)
−2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコピ
ラノシドの2.52gをメタノール50mlとクロロホル
ム50mlの混液に溶かし、ナトリウムメトキシド1.3
5gを加えて室温で1時間攪拌した。次いで、酸性イオ
ン交換樹脂アンバーリスト15(アルドリッチ社製)を
適量加えて反応液を中和した後、樹脂を除いて反応液を
減圧濃縮することにより標記化合物を1.07g得た。
(β−D−ガラクトピラノシル)−(1−4)−α−D
−グルコピラノシドの製造:製造例2で得られた3−β
−コレスタニル O−(2,3,4,6−テトラ−O−
アセチル−β−D−ガラクトピラノシル)−(1−4)
−2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコピ
ラノシドの2.52gをメタノール50mlとクロロホル
ム50mlの混液に溶かし、ナトリウムメトキシド1.3
5gを加えて室温で1時間攪拌した。次いで、酸性イオ
ン交換樹脂アンバーリスト15(アルドリッチ社製)を
適量加えて反応液を中和した後、樹脂を除いて反応液を
減圧濃縮することにより標記化合物を1.07g得た。
【0026】1H-NMR(DMSO-d6 2%D2O/TMS):0.56-1.95,
m,steroid;3.15-3.65,m,saccharide ring;4.15,d,gal
・1,J1,2=7.3;4.75,d,glc・1,J1,2=3.7.
m,steroid;3.15-3.65,m,saccharide ring;4.15,d,gal
・1,J1,2=7.3;4.75,d,glc・1,J1,2=3.7.
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、細胞内に浸透し易く、
しかも安全性も高く、医薬等の成分として有用な化合物
が得られる。
しかも安全性も高く、医薬等の成分として有用な化合物
が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 足立 正一 群馬県高崎市石原町3493−9
Claims (3)
- 【請求項1】 次の式(1) 【化1】 〔式(1)中、Cholはコレスタン−3−イル基を示す〕
で表されるコレスタノール化合物。 - 【請求項2】 (β−D−ガラクトピラノシル)−(1
−4)−β−D−グルコピラノースに塩基の存在下、脂
肪酸の反応性誘導体を反応させて(2,3,4,6−テ
トラ−O−アシル−β−D−ガラクトピラノシル)−
(1−4)−1,2,3,6−テトラ−O−アシル−β
−D−グルコピラノースとし、当該化合物をβ−コレス
タノールと反応させて3−β−コレスタニル O−
(2,3,4,6−テトラ−O−アシル−β−D−ガラ
クトピラノシル)−(1−4)−2,3,6−トリ−O
−アシル−α−D−グルコピラノシドとし、当該化合物
のアシル基を脱離せしめることを特徴とする請求項1記
載のコレスタノール化合物の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1記載のコレスタノール化合物を
有効成分とする医薬。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8660896A JPH09278791A (ja) | 1996-04-09 | 1996-04-09 | コレスタノール化合物及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8660896A JPH09278791A (ja) | 1996-04-09 | 1996-04-09 | コレスタノール化合物及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09278791A true JPH09278791A (ja) | 1997-10-28 |
Family
ID=13891738
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8660896A Pending JPH09278791A (ja) | 1996-04-09 | 1996-04-09 | コレスタノール化合物及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09278791A (ja) |
-
1996
- 1996-04-09 JP JP8660896A patent/JPH09278791A/ja active Pending
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