JPH09278428A - 炭化鉄の製造法 - Google Patents

炭化鉄の製造法

Info

Publication number
JPH09278428A
JPH09278428A JP8112195A JP11219596A JPH09278428A JP H09278428 A JPH09278428 A JP H09278428A JP 8112195 A JP8112195 A JP 8112195A JP 11219596 A JP11219596 A JP 11219596A JP H09278428 A JPH09278428 A JP H09278428A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
iron
reducing
carbon
iron carbide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP8112195A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Sawai
敏 澤井
Masaaki Naito
誠章 内藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP8112195A priority Critical patent/JPH09278428A/ja
Publication of JPH09278428A publication Critical patent/JPH09278428A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Manufacture Of Iron (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 還元性を有する炭素含有ガスで酸化鉄粉粒体
を還元炭化する際、粉化を抑制して炭化鉄を安定に製造
する。 【解決手段】 (1)3価の鉄を含む酸化鉄粉粒体を還
元性ガスにより750〜950℃で金属鉄を含まず、か
つ、Fe34 またはFeOまたは両者の混合物になる
まで予備還元し、次に、(2)(1)で予備還元された
粉粒体を還元性を有する炭素含有ガスにより500℃以
上700℃未満で還元と炭化を同時に行う。予備還元工
程を設けることにより、炭化や還元に使えないガスを再
利用したり、金属鉄の触媒反応を利用して改質すること
もできるので、従来よりもガス利用率を向上できる。ま
た、反応熱や燃焼熱を利用して、ガス利用率を著しく下
げることなく熱補償ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、還元鉄製造法の分
野に関連し、酸化鉄を含む粉粒体から炭化鉄(Fex
y ;x/y=1〜4)を安定に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の炭化鉄の製造方法として、(1)
CO含有ガスで粉鉄鉱石を400〜900℃で還元炭化
させるStelling法(米国特許第2780537
号公報)、(2)流動層で鉄鉱石を595〜705℃で
2 ガスで還元し、同時に炭素含有物質で浸炭するIr
on Carbide法(例えば、米国特許第4053
301号公報)がある。これらのプロセスは還元と炭化
を同時に行い炭化鉄を製造することで、流動層還元にお
いて従来から知られている操業中のスティッキングや成
品の発火性を防止している。しかし、成品が粉化し、配
管が詰まったり、粉の回収やハンドリングの効率が下が
るという問題が解決されていない。
【0003】一方、従来よりよく知られたことである
が、低温で赤鉄鉱石Fe23 を磁鉄鉱石Fe34
で還元すると粉化するが、これは750℃以上で還元を
行えば防がれる。例えば、FIOR法(例えば、特公昭
44−14461号公報、特公昭44−14462号公
報)では3段以上の流動層にして、赤鉄鉱石Fe23
から磁鉄鉱石Fe34 への還元を高温で行っており、
この原理を利用して粉化を防いでいる。しかし、むしろ
還元ガスは水素が多く、炭化反応を抑制することを特徴
としている。さらに、特公昭44−14462号公報に
は海綿鉄を製造する際のCOの(遊離炭素および鉄に化
合する炭素への)転化を抑制する方法として、426〜
816℃において還元ガスに1〜1000体積ppmの
硫黄化合物を添加する方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】炭化鉄の製造方法では
粉化の機構についてよく分かっておらず、配管や成品の
後処理設備の増設など行っており、根本的解決に至って
いない。さらに、炭化鉄の製造プロセスにおいて、Fe
34 またはFeOまでの還元過程を分離して高温で行
う例はない。本発明の目的は、鉄鉱石を還元炭化し炭化
鉄を製造する方法において、粉化とスティッキングを抑
制して炭化鉄の製造を安定させると共に、ガス利用率を
上げ、生産性を向上させる方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、炭素および還
元性気体を含むガスで酸化鉄粉粒体を還元炭化し、炭化
鉄を製造する方法において、(1)3価の鉄を含む酸化
鉄粉粒体を還元性ガスにより750〜950℃で金属鉄
を含まず、かつ、Fe34 またはFeOまたは両者の
混合物になるまで予備還元し、次に、(2)(1)で予
備還元された粉粒体を還元性を有する炭素含有ガスによ
り500℃以上700℃未満で還元と炭化を同時に行い
炭化鉄を製造することを特徴としている。ここで、3価
の鉄を含む酸化鉄粉粒体とは、Fe23 ・nH2
(n=0〜3)やFe34 などを含む鉄鉱石、鉄を含
むダストやスケールなどの粉粒体を指し、粒径が15m
m以下のものが望ましい。また、(1)の予備還元ガス
としてはCOまたはH2 のどちらか一方または両方を含
み、H2 とCOの分率の和が5〜60vol%である還
元性のガスが望ましい。還元炭化ガスは、(a)COま
たはH2 などの還元ガス、(b)COまたは炭化水素な
どの炭化材をそれぞれ1種類以上含むガスである。
【0006】
【発明の実施の形態】炭化鉄は次のような反応によって
鉄鉱石等を石炭ガス(CO−CO2 系)や天然ガス(H
2 −CH4 系)で還元炭化して得られる。
【0007】還元反応:
【数式1】
【0008】
【数式2】
【0009】
【数式3】
【0010】炭化反応:
【数式4】
【0011】
【数式5】
【0012】ここで、C* は活性炭素で、数原子以下の
炭素で構成されていると考えられている。上記(5)式
の反応からは条件によりχ−Fe52 、ε−Fe2-3
C(過炭化鉄)など、一般式Fexy (x/y=1〜
6)で表される鉄と炭素の化合物も得られる。全鉄質量
に対するこれらの炭化物に転換された鉄の質量の比を炭
化率と定義するが、炭化率が90%以上であるものを炭
化鉄と称している。これらの炭化物Fexy は全て準
安定物質で、セメンタイトFe3 Cが最も安定であると
いわれており、例えば、次のような反応により分解して
黒鉛、すなわち、遊離炭素を析出する。
【0013】逆反応:
【数式6】
【0014】
【数式7】
【0015】さて、粉化の原因として次のような説が唱
えられている。 (A)炭化鉄の脆性破壊(上記(5)式) (B)過炭化鉄の生成・分解反応の繰り返しによる炭化
鉄のネットワークの切断(上記(7)式) (C)遊離炭素の析出による体積膨張(上記(6)、
(7)式) (D)低温でのFe23 からFe34 への還元によ
る粉化(上記(1)式)
【0016】括弧内は主因となり得る反応を示してい
る。流動層は原料を完全に混合できることを特徴として
いるので、上記(1)〜(7)式までの反応をシャフト
炉のようにゾーンごとに分離するのは難しい。本発明者
らは上記(D)の機構で粉化に至らずとも鉱石にできた
無数の亀裂を起点として、鉱石は全て(A)〜(C)の
機構で破壊されてしまうと考えた。そこで、この仮設を
証明するために、表1に示す粒径0.25〜0.5mm
の緻密質赤鉄鉱を気泡型流動層を用いて600℃で1
00vol%COで100分還元炭化する実験と、8
00℃で50vol%CO−CO2 を用い5分還元し、
温度を600℃まで下げて100vol%COで90分
還元炭化する実験を行った。炭化率は両実験ともほぼ9
0%であった。
【0017】図1に還元炭化反応における粉率と遊離炭
素に対する予備還元の影響を示したが、実験後の試料の
粉化の指標として0.25mm以下の粉率を示すが、従
来の方法に相当するの実験では粉率が約50mass
%であったのに対し、の実験では粉率が約5mass
%以下に減少した。また、上記(1)式の反応と上記
(5)〜(7)の反応が分離されたことにより、過剰な
炭化反応が抑えられて、遊離炭素の析出量がの30m
ass%から、で2mass%以下に減少することが
わかった。
【0018】
【表1】
【0019】以上のような実験を繰り返し、本発明の範
囲を次のように決定した。予備還元は炭化反応を行わな
いことを前提としており、温度が950℃を超えたり、
還元ガス中の還元性気体の割合が60vol%を超える
と還元時間が短くなり、スティッキングの危険性があ
る。一方で、750℃未満にすると還元粉化が起こる。
そこで、予備還元条件を、(1)750〜950℃で金
属鉄を含まず、かつ、Fe34 またはFeOまたは両
者の混合物になるまでの時間とした。
【0020】表2に示すように、この時の予備還元率は
Fe23 基準で11〜33%になるが、多少のFe2
3 の混入は構わないが、金属鉄の混入は避けたいの
で、10〜30%が望ましい。また、還元ガス中の還元
性気体の割合が5vol%を割ると還元がほとんど進ま
なくなるので、COとH2 の分率の和は5〜60vol
%が望ましい。この時、還元ガスはCOまたはH2 のど
ちらかを含んでおればよい。次の還元炭化過程では、7
00℃以上ではFeOから発生した直後の金属鉄の表面
に炭素が析出しないので、スティッキングすることがわ
かった。一方、500℃未満では還元炭化反応が遅かっ
た。よって、還元炭化条件を(2)500℃以上700
℃未満で還元と炭化を同時に行うことと決定した。
【0021】
【表2】
【0022】
【実施例】表1に示す鉱石と同じ銘柄の粒径0.1〜1
5mmの鉱石を表3の操業条件により、高速循環流動層
により予備還元した後、気泡型流動層で還元炭化した。
表3に成品の炭化率、遊離炭素濃度、粉化の指標として
0.1mm以下の粉率を示す。表1と同じ鉱石を用いた
のは粉化し易いからで、粒径0.1mm以下をカットし
たのは粉化を明確にするためである。多孔質赤鉄鉱石を
用いた場合にもほぼ同様の結果が得られており、本発明
に何ら制限を加えるものではない。
【0023】
【表3】
【0024】〜の操業条件により予備還元率は10
〜30%で、炭化率は94%以上に達した。成品の各段
階における滞留時間は予備還元が、の条件で約2
分、還元炭化反応が2〜5時間と考えられるので、上記
の装置構成としている。予備還元時間が5〜10分程度
となる以降の条件では気泡型流動層も使用できるの
で、この装置構成は本発明に何ら制限を加えるものでは
ない。550℃以下では過炭化鉄が生成したが、それを
超えると、セメンタイトが主で過炭化鉄は確認できなか
った。それで、500℃の条件では全炭素と遊離炭素の
差、すなわち、結合炭素濃度が幾分高めとなっている。
遊離炭素濃度は1mass%以下で、粉化率も5mas
s%未満で、粉化を抑制できることがわかった。
【0025】また、以降の条件のようにガス条件を変
えた場合、一方の排ガスをそのまま、または改質して使
用できる。例えば、の条件は原料ガスの温度が100
0℃以上であるときに適用でき、予備還元ガスの排ガス
を冷却して還元炭化反応に使うことができる。、の
条件では還元炭化反応の排ガスを予備還元に利用する操
業に相当し、還元炭化の反応熱や、酸化ガス(O2 )の
導入による排ガスの燃焼熱で熱補償することができる。
の例は排ガスを循環し、その排ガスに天然ガスを吹き
込んで還元炭化反応に使用した操業に相当し、還元炭化
反応の過程で炭化水素の分解を触媒することもできる。
また、の条件のように予備還元ガスは炭素を含む必要
はなく、水素のみで行うこともできる。
【0026】
【発明の効果】本発明に従って、従来解決できなかった
粉化や遊離炭素の析出を抑制し安定に炭化鉄が製造でき
る。さらに、工程を2つに分けることにより、炭化や還
元に使えないガスを再利用したり、金属鉄の触媒反応を
利用して改質できるので、従来よりもガスの利用率を向
上できる。また、反応熱や燃焼熱を利用して、ガス利用
率を著しく下げることなく熱補償ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】還元炭化反応(600℃、COガス)における
粉率と遊離炭素に対する予備還元の影響を示す図
【数1】
【数2】
【数3】
【数4】
【数5】
【数6】
【数7】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 還元性を有する炭素含有ガスで酸化鉄粉
    粒体を還元炭化し、炭化鉄を製造する方法において、3
    価の鉄を含む酸化鉄粉粒体を、まず、(1)還元性気体
    を含むガスにより750〜950℃で金属鉄を含まず、
    かつ、Fe34 またはFeOまたは両者の混合物にな
    るまで予備還元し、次に、(2)(1)で予備還元され
    た粉粒体を還元性を有する炭素含有ガスにより500℃
    以上700℃未満で還元と炭化を同時に行い炭化鉄を得
    ることを特徴とする炭化鉄を製造する方法。
  2. 【請求項2】 還元性を有する炭素含有ガスで酸化鉄粉
    粒体を還元炭化し、炭化鉄を製造する方法において、無
    水換算でFe23 を30〜100mass%含む酸化
    鉄粉粒体を、まず、(1)還元性気体を含むガス、また
    は不活性ガスにより750〜950℃でFe23 を5
    〜20mass%含む混合物になるまで予備還元し、次
    に、(2)(1)で予備還元された粉粒体を還元性を有
    する炭素含有ガスにより500℃以上700℃未満で還
    元と炭化を同時に行い炭化鉄を得ることを特徴とする炭
    化鉄を製造する方法。
  3. 【請求項3】 予備還元ガス中のCO分率が0〜60v
    ol%で、かつ、H2 とCOの分率の和が5〜60vo
    l%であることを特徴とする請求項1または2記載の炭
    化鉄の製造方法。
JP8112195A 1996-04-10 1996-04-10 炭化鉄の製造法 Withdrawn JPH09278428A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8112195A JPH09278428A (ja) 1996-04-10 1996-04-10 炭化鉄の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8112195A JPH09278428A (ja) 1996-04-10 1996-04-10 炭化鉄の製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09278428A true JPH09278428A (ja) 1997-10-28

Family

ID=14580651

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8112195A Withdrawn JPH09278428A (ja) 1996-04-10 1996-04-10 炭化鉄の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09278428A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999028235A1 (fr) * 1997-12-04 1999-06-10 Kawasaki Jukogyo Kabushiki Kaisha Procede de fabrication de carbure de fer
JP4879743B2 (ja) * 2003-10-03 2012-02-22 タタ、スティール、ネダーランド、テクノロジー、ベスローテン、フェンノートシャップ 金属−酸素化合物を還元する方法および装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999028235A1 (fr) * 1997-12-04 1999-06-10 Kawasaki Jukogyo Kabushiki Kaisha Procede de fabrication de carbure de fer
JP4879743B2 (ja) * 2003-10-03 2012-02-22 タタ、スティール、ネダーランド、テクノロジー、ベスローテン、フェンノートシャップ 金属−酸素化合物を還元する方法および装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6328946B1 (en) Two step process for the conversion of iron oxide into iron carbide using gas recycle
US971206A (en) Process of producing hydrogen.
JP3299063B2 (ja) 炭化鉄の製造法
AU2005300680B2 (en) Process and plant for producing titania slag from ilmenite
JPH0360884B2 (ja)
WO2020261767A1 (ja) リン含有物質からのリンの除去方法、金属製錬用原料または金属精錬用原料の製造方法および金属の製造方法
JPH09278428A (ja) 炭化鉄の製造法
SU997610A3 (ru) Способ производства науглероженного губчатого железа
JPS63199832A (ja) 高純度金属クロムの製造方法
JP3294763B2 (ja) 炭化鉄の製法
JPH079015B2 (ja) 鉄鉱石の溶融還元方法
JP3964959B2 (ja) 炭化鉄の製造方法
RU2162820C1 (ru) Способ получения карбида железа
US6428763B1 (en) Process for the production of iron carbide from iron oxide using external sources of carbon monoxide
SU908867A1 (ru) Способ дефосфорации карбонатных марганцевых концентратов
JP3732024B2 (ja) 還元鉄ペレットの製造方法
JP6798654B1 (ja) リン含有物質からのリンの除去方法、金属製錬用原料または金属精錬用原料の製造方法および金属の製造方法
US4836998A (en) Production of partially calcined carbonaceous reductant using steam
WO2023171468A1 (ja) 炭材内装塊成鉱の製造方法および溶銑の製造方法
JP4879743B2 (ja) 金属−酸素化合物を還元する方法および装置
US4957722A (en) Production of partially calcined carbonaceous reductant using steam
JP3073386B2 (ja) 流動還元鉱石の再酸化およびスティッキングの防止方法
JPH08253307A (ja) 炭化鉄の製造法
JPH09194920A (ja) 低硫黄・高炭素含有還元鉄の製造方法
JP3141608B2 (ja) 焼結鉱製造用燃料及び該燃料の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20030701