JPH09276604A - 凝塊剤 - Google Patents

凝塊剤

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JPH09276604A
JPH09276604A JP9012441A JP1244197A JPH09276604A JP H09276604 A JPH09276604 A JP H09276604A JP 9012441 A JP9012441 A JP 9012441A JP 1244197 A JP1244197 A JP 1244197A JP H09276604 A JPH09276604 A JP H09276604A
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JP
Japan
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carrier
suspended particles
coagulant
sites
condensation
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JP9012441A
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Yutaka Tamaura
裕 玉浦
Takashi Kiryu
孝志 桐生
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CHIIKI SHINKO JIGYODAN KK
Original Assignee
CHIIKI SHINKO JIGYODAN KK
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B03SEPARATION OF SOLID MATERIALS USING LIQUIDS OR USING PNEUMATIC TABLES OR JIGS; MAGNETIC OR ELECTROSTATIC SEPARATION OF SOLID MATERIALS FROM SOLID MATERIALS OR FLUIDS; SEPARATION BY HIGH-VOLTAGE ELECTRIC FIELDS
    • B03DFLOTATION; DIFFERENTIAL SEDIMENTATION
    • B03D3/00Differential sedimentation
    • B03D3/06Flocculation
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F1/00Treatment of water, waste water, or sewage
    • C02F1/52Treatment of water, waste water, or sewage by flocculation or precipitation of suspended impurities
    • C02F1/5236Treatment of water, waste water, or sewage by flocculation or precipitation of suspended impurities using inorganic agents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 懸濁粒子をフロック化して急速に沈降させ
る。 【解決手段】 石膏とケイ酸化合物を主体とする凝集剤
に貝化石粉末を混合してこれを、懸濁液中に添加する。
凝集剤と貝化石粉末との混合比は3:1である。凝集剤
は凝結核Aとして機能し、貝化石粉末は、担持体Bとし
て懸濁液中の粒子を取り込み、凝結核Aに捕捉される。
担持体Bは、凝結核AのCa2+凝集サイトを有効に利用
する粒子であり、多量の懸濁粒子を取り込み、懸濁粒子
は凝結核Aに捕捉され、大きなフロックを形成して沈殿
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種廃水,汚泥,
ヘドロの凝集,脱水,浄化の処理に用いる凝塊剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】産業の集中,大規模化による産業廃水の
増大,都市への人口の集中による生活廃水の増大,下水
道整備の立遅れなどが原因となって、河川,湖沼,海洋
などの水質汚濁が進み、水道原水,工業用水の汚濁が深
刻な事態を招いている。
【0003】廃水の処理に関しては、新しい処理設備の
試みがあるが、処理すべき物質の完全な把握が困難であ
り、廃水の水質や排出量がきわめて多様で定常化できに
くいなどの問題がある。
【0004】廃水処理装置を操作の単位工程によって分
類すると、1)物理的処理法(スクリーニング,沈砂,
沈澱,濾過,浮上など),2)化学的処理法(中和,酸
化と還元,凝集処理など),3)生物化学的処理方法
(活性汚泥法,散水瀘床法,メタン発酵法)などに分類
される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】操作単位としての物理
的処理法は、要するに固液を物理的に分離する方法であ
り、沈降分離は、廃水処理における分離操作の主流をな
しており、物理的処理方法の中でも最も簡単な方法であ
る。沈降分離法には、自然沈殿法と、凝集沈殿法とがあ
る。凝集沈殿は、自然沈殿で経済時間内で沈降できない
ような水中の微粒子を凝集剤を添加して撹拌し、フロッ
クを生じさせて互いに結合し、大粒の凝塊に成長させ、
沈降性を増加させる方法である。凝集剤には水溶性の各
種の無機物,有機物が使用される。無機物は一般に低分
子の塩で、中性付近でのアルミニウム塩や鉄塩の作用は
低度の重合物の作用である。有機物の主体を占めるの
は、水溶性高分子物質である。
【0006】水の凝集沈殿処理の過程は、これを大別し
て次の3つの過程からなっている。 i)凝集剤が懸濁物質を凝集し、微小フロックを生成す
る凝集過程、 ii)凝集過程で生成した微小フロックが相互に衝突接
触して次第に大きなフロックを形成するフロック形成過
程、 iii)フロック形成過程で生成した大きなフロックと
清澄水とを分離する沈降分離過程、 以上の3つの過程の処理は、一般にそれぞれ別個の装置
で行われるため、水の凝集沈降処理によって懸濁液中の
固体粒子群の分離濃縮には長時間を必要とする。この3
つの過程を一つの装置で行うものとして急速凝集沈殿装
置があり、その一つとして、スラリー循環型ではすでに
生成している高濃度のスラリーを凝集およびフロック形
成部分へ循環し、微小フロックの大型フロックへのフロ
ック形成を促進して沈降分離しうる程度の大きさのフロ
ックまでに成長させる機能をもったものである。急速凝
集沈殿装置の沈降分離速度は、その原水の水質によって
異なるが、普通2〜3m/hr,滞留時間は50〜70
分の範囲で設計される(商品大辞典,東洋経済新報社
昭51,p512〜516参照)。
【0007】いずれにしても、沈降分離は、廃水処理に
おける分離操作の主流をなしているものの、その急速分
離は専ら凝集沈殿処理メカニズムを改善することによっ
て行われており、沈降分離速度には限界があり、凝集剤
の凝集機能そのものを改善して急速に大粒のフロックを
形成させることができるとは考えられていなかった。
【0008】本発明の目的は、特定の凝集剤にある種の
成分を担持体として捕捉させ、担持体の有する凝集サイ
トを有効に利用して懸濁液中の固体粒子群の凝集効果を
飛躍的に向上させた凝塊剤を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明による凝塊剤においては、凝結核と担持体と
の混合物からなり、懸濁粒子を凝集沈降させる凝塊剤で
あって、凝結核は、懸濁粒子及び担持体を捕捉する凝集
サイトを有する凝集剤であり、担持体は、凝結核に捕捉
され、凝集サイトに懸濁粒子を取り込むものであり、凝
結核が担持体を取り込む凝集サイトの数は、凝結核が懸
濁粒子を取り込む凝集サイトの数よりも多いものであ
る。
【0010】また、担持体が捕捉した懸濁粒子を沈降さ
せる機能は、凝結核が共存する条件の下で発現するもの
である。
【0011】また、凝結核は、その凝集サイトに担持体
と同時に懸濁粒子を取り込み、凝結核に捕捉された担持
体又は懸濁粒子は、他の凝結核の凝集サイトに取り込ま
れるものである。
【0012】また、凝結核及び担持体の有する凝集サイ
トは、Ca2+の凝集サイトである。
【0013】また、凝結核は、X線回折法により分析し
て結晶性のCaSO4(可溶性無水)石膏と、CaSO4
・2H2O(二水石膏)と、水に溶解して水ガラスとな
る非晶質成分を含むものであり、担持体は、炭酸カルシ
ウムを主体とする多孔質の粉末である。
【0014】また、担持体は、貝化石塊を粉砕した粉末
である。
【0015】また、凝結核の有する担持体を取り込む凝
集サイトの数は、懸濁粒子を取り込む凝集サイトの数の
約10倍である。
【0016】また、凝結核と担持体との混合物は、X線
回折法により分析して結晶性のCaSO4・2H2O(可
溶性無水石膏)と、CaSO4・2H2O(二水石膏)
と、水に溶解して水ガラスとなる非晶質成分との混合物
である。
【0017】また、凝塊剤は、硫酸バンド又は高分子凝
集剤を含み、硫酸バンド又は高分子凝集剤は、凝結核と
担持体との混合物に添加されたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明による凝塊剤は、凝結核と
担持体との混合物からなるものである。以下に凝結核及
び担持体について説明する。 1.凝結核A 本発明において、凝結核に用いる凝集剤は、二水石膏と
無水石膏とケイ素含有する白色の粉末であり、X線回折
の分析結果からはCaSO4(可溶性無水石膏)と、C
aSO4・2H2O(二水石膏)とが検出され、定性分析
(EPMA)の分析から検出された成分元素の構成比
は、表1のとおりである。
【表1】 表1の結果から、この凝集剤は、結晶性の主成分として
無水石膏と二水石膏が含まれ、その他にケイ酸ナトリウ
ムなどの水に溶解すると水ガラスとなるような非晶質成
分が含まれると同定されたものである。この条件に適合
する凝集剤としては、ある種のフライアッシュ例えば
(株)地域振興事業団製 汚泥処理用疎水化凝集剤(商
品名:ウォーターメイト)がある。本発明においてはこ
の凝集剤を凝結核Aに用いている。
【0019】2.担持体B 本発明に用いて好適な担持体Bは、一般に貝化石と称さ
れるものの微粉末である。貝化石は、古代の貝化石層を
採掘した貝化石塊であり、主成分は炭酸カルシウムであ
るが、その他に微量の酸化マグネシウム(MgO)や酸
化第二鉄(Fe23)をはじめ、各種の成分を含有し、
通常の貝殻とは異なり、微細に粉砕したものは多孔質で
あり、表面積が大きく、吸着力が強く、同容積の活性炭
の1/5の吸着力が得られる。
【0020】また、主成分である炭酸カルシウムは水に
溶け出しやすく、方解石の約10倍溶け出しやすい。殊
に炭酸ガス(CO2)を含んだ水に対しては更に大きい
溶解量を示す。実際に担持体の原料として用いた貝化石
塊は、貝化石層を採掘したもので、この貝化石層は、新
第三期中期(約1200万年前)に海生貝類、特に二枚
貝,巻き貝等および海棲生物の骨格,遺骸等が密集し埋
没堆積し、地下の高い圧力に伴う高温度によって粒状ま
たは網片状に固まり、地殻変動,隆起によって地上に現
われたものを対象とした。採掘した貝化石塊は、これを
微粉砕し、貝化石に含まれるケイ素成分を水洗除去し
た。得られた貝化石粉末の定性分析(EPMA)の分析
結果によれば、成分元素の構成比は表2のとおりであ
る。
【表2】 担持体Bは、必ずしも貝化石粉に限るものではない。麦
飯石を用いても同効の結果が得られている。
【0021】麦飯石と貝化石とは、化学組成においてカ
ルシウム含有量においては大きな違いがあるが、麦飯石
の特徴は、 (a)多孔性であること、 (b)強い吸着力を持つこと、 (c)ミネラルを溶出すること、 (d)水質調整 (e)溶存酸素量の向上 であるとされていることに担持体としての共通点がある
のかも知れない。そうだとすれば、ある種のセラミック
スも担持体として利用できる可能性は十分にある。
【0022】3.凝結核Aと、担持体Bとの構成比 凝結核Aに凝集剤を用い、担持体Bに貝化石粉末を用い
たときに両者の好ましい混合比は、A:B=3:1であ
る。したがって、その成分元素の構成比は表3のとおり
となる。
【表3】 この実施形態における凝結核Aと担持体Bとの好ましい
混合割合いの設定は、次に述べる実験の結果による。
【0023】図1は、凝結核Aに用いる凝集剤(以下A
という)と、担持体Bに用いる貝化石粉末(以下Bとい
う)との懸濁液に対する凝集沈降効果を測定したもので
ある。懸濁液は、100mlの水中に沖縄赤土を2g添
加して作成し、この懸濁液中にA,Bをそれぞれ0.0
2g,0.2gを添加して懸濁液中の粒子の沈降速度を
測定した。図中、▲で示す0gは、AもBも添加しない
とき、すなわち、懸濁粒子の自然沈降速度を示すもので
ある。図1に明らかなとおり、Aは添加量が多ければ多
い程急速な凝集沈降効果が得られるが、Bには、殆ど凝
集沈降作用がないことが分かる。
【0024】図2は、Aの添加量を一定(0.02g)
に固定し、Bの添加量を変化(0.02g〜0.4g)
させてAとBとを同時に懸濁液中に添加したときの粒子
の沈降速度を示す図である。
【0025】図2に明らかなようにAのみによる沈降速
度に比べてBを添加したときには、著しく沈降速度が向
上することがわかる。しかし、Bの添加量が多いほど必
ずしも沈降速度が早まるわけではない。この実験では、
Aの添加量0.02gに対し、Bを0.02g添加した
ときと、0.2g添加したときにほぼ同程度の沈降速度
が得られているが、Bの添加量の精度を上げ、反応容量
を5倍に設定して測定した結果、有効な混合比はA:B
=3:1であることが分かった。
【0026】4.凝集沈殿の実験 (実験1)100mlの水に沖縄赤土C(以下Cとい
う)2gを入れて懸濁し、この懸濁液にA1を50m
g,Bを150mgとして表2の組合せで添加し、上澄
みのCa2+濃度を原子吸光法により測定した。
【0027】単独の場合のCa2+遊離量と凝集沈殿が起
ったときのCa2+の残量との差から、凝集過程でCa2+
が取り込まれた量を算出した。この取り込み量が多いほ
ど凝集効果が大きいことが分かった。結果を表4にあわ
せて示す。
【0028】
【表4】
【0029】(実験2)凝集剤(A)と貝化石(B)と
を3:1の比率で混合したものに、硫酸バンドを10:
1の比率(重量比)で添加混合した。その混合物の成分
元素の構成比は表5の通りである。
【0030】
【表5】
【0031】100mlの水に沖縄赤土(C)2gを入
れて懸濁し、この懸濁液に上記混合物を100mg添加
し、懸濁粒子の沈降速度を測定した。沈降速度は図2の
□(0.02g)の結果とほぼ同じであったが、硫酸バ
ンドを添加しないものに比べてフロックが大きくなるこ
とが認められた。また、フロックの水切り性が向上し、
硫酸バンドを少量添加することにより、フロック形成機
構がさらに高まることが分かった。この結果は、高分子
凝集剤であっても得られる。
【0032】5.結果の考察 前記「4」の(実験1)において、同じCの量に対し、
A,Bのmg当りのCa2+量の取り込み量は、BC,A
Cの組合せを比較してBCでは0.082mgであるの
に対し、ACは0.33と4倍強の凝集サイト数のある
ことが分かった。つまり、貝化石の粉末よりも凝集剤の
方が4倍近く多くのCa2+に対する凝集サイトを有して
いるのである。
【0033】一方、同じC量,B量に対し、Aのmg当
りのCa2+の取り込み量は、AC,ABを比較して、C
に対しては0.33,Bに対しては3.8であり、約1
0倍のCa2+凝集サイトが形成されていることが分か
る。つまり、Cに対して、Aは、自己が所有している多
くのサイトのうち一つのサイトしか利用できないが、B
に対しては10のサイトを利用できるようになるのであ
る。このようにCa2+を介して粒子同士が結合するため
の凝集サイトがBやAの表面に多く存在するものと考え
ることによって「4」の実験結果を無理なく説明でき
る。このことは、目的とする懸濁粒子(沖縄赤土の懸濁
粒子)CをBに捕捉させれば捕捉された多くのCがあた
かもBのごとくに振舞い、AのCa2+凝集サイトが有効
に使われて懸濁粒子の凝集効果が高まることを意味して
いる。
【0034】このことは、A,B,Cの3者を混合する
ときにBC+A,AC+B,C+ABの3通りの組合せ
を比較すると、Ca2+の取り込み量はBC+Aが0.8
mgであるのに対し、他のAC+B,C+ABがそれぞ
れ0.26mg,0.19mgであり、BC+Aの組合
せがCa2+凝集サイトが多く(4倍)利用されるという
効果からも矛盾なく説明できる。
【0035】図3は懸濁粒子Cを担持体Bに捕捉(B/
C=1/1)させ、担持体Bを凝結核Aに捕捉(A/B
=1/40,B/C=1/1)させて巨大フロックを形
成するメカニズムを模式的に示したものである。参考ま
でにAにCを捕捉(A/C=1/4)させる例、BにC
を捕捉(B/C=1/1)させる例をあわせて示す。
【0036】したがって、凝結核Aとして担持体Bを捕
捉させれば、担持体Bに取り込まれた多量の懸濁粒子C
は凝結核Aに捕捉され、しかも、担持体B,懸濁粒子C
は、複数の凝結核Aに同時に捕捉されるために微小フロ
ックの生成による凝集過程を経ずに、直ちに巨大なフロ
ックを形成して急速に沈殿する。
【0037】本発明において、凝結核に硫酸カルシウム
を使用したときには、硫酸カルシウムは懸濁粒子に結合
し、Ca2+懸濁粒子結合体が形成される。その際の結合
体の数は、仮想したCa2+吸着サイトとの吸着平衡によ
って決定されるため、処理液中に溶解度以下の量の硫酸
カルシウムを添加し、反応後、上澄みのカルシウムの量
を分析することによって推定できる。実際に凝集剤とし
て使用する場合においても、硫酸カルシウムの溶解度以
下の量が添加されるため、仮想Ca2+吸着サイトの数
は、実際に使用される条件の下で凝集効果を調べること
が可能である。硫酸カルシウムは、懸濁粒子の凝集サイ
トをCa2+の吸着サイトとして作用させる点が特徴であ
る。
【0038】以上、本発明の実施の形態においては、凝
結核に凝集剤を用い、担持体に貝化石粉末を用いた例を
説明したが、この組合せに限られるものではない。凝集
剤は、石膏とケイ酸化合物であるために、硫酸カルシウ
ム(石膏)と何らかの珪藻土を含むものであれば、これ
を貝化石を担持体とする凝結核に用いることができる可
能性はある。担持体は貝化石に限らないが、凝結核に用
いる凝集剤との関係で捕捉した懸濁粒子が、凝集剤に対
する貝化石のようにあたかも担持体のように振舞い、凝
結核のCa2+凝集サイトを有効に使われて凝集効果を高
めるような材料が選定されなければならない。前述のよ
うに凝集剤を凝結核に用いたときに麦飯石は担持体の機
能を有しているが、そのほか、或る程度のセラミックス
も利用できる可能性がある。
【0039】前述の無水石膏と二水石膏とが含まれ、そ
の他に水に溶解して水ガラスとなる非晶質成分を含む凝
集剤(例えば商品名:ウォータメイト,クリヤナイト:
(株)地域振興事業団製)(以下硫酸カルシウム系無機
凝集剤という)は、そのままで凝結核と担持体の機能を
有し、本発明にいう凝結核と担持体との混合物と考えら
れる。したがって、上記硫酸カルシウム系無機凝集剤を
使用するときには、必ずしも担持体を別に添加する必要
はない。実際に、上記凝集剤中に含まれる「水に溶解し
て水ガラスとなる非晶質成分」そのものがいくつかのC
2+吸着サイトを有し、水中では非晶質水ガラスの凝集
が生じた。この凝集反応は懸濁粒子を取り込んだ担持体
が凝結核に捕捉されたものと考えて説明できる。
【0040】本発明の凝塊剤は、(実験2)のように凝
結核と担持体との混合物にさらに硫酸バンドもしくは高
分子凝集剤を添加し、凝塊剤の添加量を少なくして同様
の効果を得ることができる。また、色素を含む廃液の処
理には、珪藻土活性炭を併用してこれらの色素を吸着で
きる。
【0041】沈殿させるべき懸濁粒子は、沖縄赤土に限
るものではない。あらゆる懸濁液に本発明の凝塊剤を添
加するのみでpHの調整を必要とせずに短時間で粒子の
凝塊,沈降を完了させることができ、沈殿物質の凝集力
が強く、分離しにくいために、固液分離が容易であり、
処理水の清澄化を実現できる。
【0042】本発明は、砕石,砂利廃水の処理,赤土流
出防止,ヘドロ処理,トンネル工事廃水処理,活性汚泥
の脱水,生活雑廃水の凝集,脱水,工業廃水全般の凝
集,脱水処理などに広く活用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】凝集剤,貝化石による沖縄赤土の沈降特性を示
す図である。
【図2】凝集剤と貝化石との混合物による沖縄赤土の沈
降特性を示す図である。
【図3】本発明による凝塊剤のフロック形成メカニズム
を示す図である。
【符号の説明】
A 凝結核 B 担持体

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 凝結核と担持体との混合物からなり、懸
    濁粒子を凝集沈降させる凝塊剤であって、 凝結核は、懸濁粒子及び担持体を捕捉する凝集サイトを
    有する凝集剤であり、 担持体は、凝結核に捕捉され、凝集サイトに懸濁粒子を
    取り込むものであり、 凝結核が担持体を取り込む凝集サイトの数は、凝結核が
    懸濁粒子を取り込む凝集サイトの数よりも多いことを特
    徴とする凝塊剤。
  2. 【請求項2】 担持体が捕捉した懸濁粒子を沈降させる
    機能は、凝結核が共存する条件の下で発現するものであ
    ることを特徴とする請求項1に記載の凝塊剤。
  3. 【請求項3】 凝結核は、その凝集サイトに担持体と同
    時に懸濁粒子を取り込み、凝結核に捕捉された担持体又
    は懸濁粒子は、他の凝結核の凝集サイトに取り込まれる
    ものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の凝
    塊剤。
  4. 【請求項4】 凝結核及び担持体の有する凝集サイト
    は、Ca2+の凝集サイトであることを特徴とする請求項
    1,2又は3に記載の凝塊剤。
  5. 【請求項5】 凝結核は、X線回折法により分析して結
    晶性のCaSO4(可溶性無水石膏)と、CaSO4・2
    2O(二水石膏)と、水に溶解して水ガラスとなる非
    晶質成分を含むものであり、 担持体は、炭酸カルシウムを主体とする多孔質の粉末で
    あることを特徴とする請求項1,2,3又は4に記載の
    凝塊剤。
  6. 【請求項6】 担持体は、貝化石塊を粉砕した粉末であ
    ることを特徴とする請求項5に記載の凝塊剤。
  7. 【請求項7】 凝結核の有する担持体を取り込む凝集サ
    イトの数は、懸濁粒子を取り込む凝集サイトの数の約1
    0倍であることを特徴とする請求項1,2,3,4,5
    又は6に記載の凝塊剤。
  8. 【請求項8】 凝結核と担持体との混合物は、X線回折
    法により分析して結晶性のCaSO4・2H2O(可溶性
    無水石膏)と、CaSO4・2H2O(二水石膏)と、水
    に溶解して水ガラスとなる非晶質成分との混合物である
    ことを特徴とする請求項1,2,3,4,6又は7に記
    載の凝塊剤。
  9. 【請求項9】 凝塊剤は、硫酸バンド又は高分子凝集剤
    を含み、 硫酸バンド又は高分子凝集剤は、凝結核と担持体との混
    合物に添加されたものであることを特徴とする請求項1
    に記載の凝塊剤。
JP9012441A 1996-02-16 1997-01-27 凝塊剤 Pending JPH09276604A (ja)

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JP9012441A JPH09276604A (ja) 1996-02-16 1997-01-27 凝塊剤
US08/799,021 US5897810A (en) 1996-02-16 1997-02-10 Coagulating agent for wastewater
EP97300980A EP0790217A1 (en) 1996-02-16 1997-02-14 Coagulating agent
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ID=26348063

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