JPH09276393A - 人工血管及びその製造方法 - Google Patents
人工血管及びその製造方法Info
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- JPH09276393A JPH09276393A JP15388096A JP15388096A JPH09276393A JP H09276393 A JPH09276393 A JP H09276393A JP 15388096 A JP15388096 A JP 15388096A JP 15388096 A JP15388096 A JP 15388096A JP H09276393 A JPH09276393 A JP H09276393A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 小口径でも閉塞が少なく、開存率の高い人工
血管を提供する。 【解決手段】 延伸ポリテトラフルオロエチレンの多孔
質チューブからなり、その内面からの深さが壁厚の5%
以上96%未満の範囲の層に親水基を導入し、所望によ
りその層に抗血栓性物質および生体組織誘導性物質から
成る群から選択される少なくとも1種の物質を固定した
人工血管。
血管を提供する。 【解決手段】 延伸ポリテトラフルオロエチレンの多孔
質チューブからなり、その内面からの深さが壁厚の5%
以上96%未満の範囲の層に親水基を導入し、所望によ
りその層に抗血栓性物質および生体組織誘導性物質から
成る群から選択される少なくとも1種の物質を固定した
人工血管。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人工血管に関し、
さらに詳しくは、大動脈、冠状動脈、末梢血管などの疾
患の治療に用いる人工血管に関する。
さらに詳しくは、大動脈、冠状動脈、末梢血管などの疾
患の治療に用いる人工血管に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリエステル繊維の織物また
は編物や延伸ポリテトラフルオロエチレン(以下、eP
TFE)のチューブが人工血管として用いられている。
ePTFEチューブは、素材であるポリテトラフルオロ
エチレン自体が抗血栓性に優れる上、延伸によって得ら
れる繊維−結節からなる多孔質構造が生体適合性に優れ
るため、ポリエステルに比べてより小口径の人工血管に
適用されてきた。
は編物や延伸ポリテトラフルオロエチレン(以下、eP
TFE)のチューブが人工血管として用いられている。
ePTFEチューブは、素材であるポリテトラフルオロ
エチレン自体が抗血栓性に優れる上、延伸によって得ら
れる繊維−結節からなる多孔質構造が生体適合性に優れ
るため、ポリエステルに比べてより小口径の人工血管に
適用されてきた。
【0003】しかしながらePTFEでも抗血栓性が十
分ではなく、内径5mm以下、特に内径4mm以下の人工血
管では十分な開存率は得られていない。そこでこれらを
解決する方法として、材料自体の抗血栓性を高める方
法、人工血管を移植後に、内面に抗血栓性の組織形成
を促すように工夫する方法、人工血管内に、抗血栓性
の組織を培養(播種)する方法が検討されている。
分ではなく、内径5mm以下、特に内径4mm以下の人工血
管では十分な開存率は得られていない。そこでこれらを
解決する方法として、材料自体の抗血栓性を高める方
法、人工血管を移植後に、内面に抗血栓性の組織形成
を促すように工夫する方法、人工血管内に、抗血栓性
の組織を培養(播種)する方法が検討されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】具体的には、の方法
としては、ミクロ相分離構造の抗血栓性高分子材料や抗
血栓剤固定化材料の開発が検討されている(野色ら、ト
ランザクションズ・オブ・アサイオ(Trance.A.S.
A.I.O),23,253(1977)など)。の方
法としては、コラーゲンやフィブロネクチン等の細胞接
着性たんぱくを塗布後に架橋した人工血管が提案されて
いる(ルンドグレンら、トランザクションズ・オブ・ア
サイオ,32,346(1986))など。の方法と
しては、人工血管内面に血管内皮細胞を播種する方法が
検討されている(高木ら、人工臓器、17、679、
(1988)、特開平1−170466号報)など。
としては、ミクロ相分離構造の抗血栓性高分子材料や抗
血栓剤固定化材料の開発が検討されている(野色ら、ト
ランザクションズ・オブ・アサイオ(Trance.A.S.
A.I.O),23,253(1977)など)。の方
法としては、コラーゲンやフィブロネクチン等の細胞接
着性たんぱくを塗布後に架橋した人工血管が提案されて
いる(ルンドグレンら、トランザクションズ・オブ・ア
サイオ,32,346(1986))など。の方法と
しては、人工血管内面に血管内皮細胞を播種する方法が
検討されている(高木ら、人工臓器、17、679、
(1988)、特開平1−170466号報)など。
【0005】しかし、の方法は、ヒトの血管内皮細胞
の確保が困難でかつ、培養に数週間かかることが問題で
あり、実用化されていない。本発明者らは、ePTFE
表面を様々な材料、条件で複合化することでおよび
の方法に類似した研究を行った。その結果、単に抗血栓
材料や組織誘導性物質をePTFE全面に複合化しただ
けでは、使用する薬剤に唱われているような効果が得ら
れず、開存性は何も処理を施さない従来のePTFEと
同等かそれ以下でしかなかった。
の確保が困難でかつ、培養に数週間かかることが問題で
あり、実用化されていない。本発明者らは、ePTFE
表面を様々な材料、条件で複合化することでおよび
の方法に類似した研究を行った。その結果、単に抗血栓
材料や組織誘導性物質をePTFE全面に複合化しただ
けでは、使用する薬剤に唱われているような効果が得ら
れず、開存性は何も処理を施さない従来のePTFEと
同等かそれ以下でしかなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
した結果、移植直後に内壁に一定の血液が侵入するよう
な構造、例えば壁の半分を親水化処理した構造を有する
ePTFEチューブの開存性は、そのような処理を施さ
ないePTFEチューブに比べ開存性が高まることを発
見し、さらに、この親水化層に抗血栓性物質や細胞接着
性蛋白質を複合化すれば、薬剤の効果を有効に引き出す
ことが出来ることを見いだした。また、更に開存率を高
めるためには、抗血栓性物質または組織誘導性物質をそ
の親水化層に固定すればよいことを見いだした。
した結果、移植直後に内壁に一定の血液が侵入するよう
な構造、例えば壁の半分を親水化処理した構造を有する
ePTFEチューブの開存性は、そのような処理を施さ
ないePTFEチューブに比べ開存性が高まることを発
見し、さらに、この親水化層に抗血栓性物質や細胞接着
性蛋白質を複合化すれば、薬剤の効果を有効に引き出す
ことが出来ることを見いだした。また、更に開存率を高
めるためには、抗血栓性物質または組織誘導性物質をそ
の親水化層に固定すればよいことを見いだした。
【0007】すなわち、本発明は、延伸ポリテトラフル
オロエチレンの多孔質チューブからなり、その内面から
の深さが壁厚の5%以上96%未満の範囲の層を親水性
にし、所望により親水性層に抗血栓性物質および生体組
織誘導性物質から成る群から選択される少なくとも1種
の物質を固定した人工血管、および延伸ポリテトラフル
オロエチレンの多孔質チューブに、その外面から壁厚の
一部分に熱可塑性物質を浸透させた後、該熱可塑性物質
が浸透していない部分を親水処理する人工血管及びその
製造方法を提供する。
オロエチレンの多孔質チューブからなり、その内面から
の深さが壁厚の5%以上96%未満の範囲の層を親水性
にし、所望により親水性層に抗血栓性物質および生体組
織誘導性物質から成る群から選択される少なくとも1種
の物質を固定した人工血管、および延伸ポリテトラフル
オロエチレンの多孔質チューブに、その外面から壁厚の
一部分に熱可塑性物質を浸透させた後、該熱可塑性物質
が浸透していない部分を親水処理する人工血管及びその
製造方法を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】吻合部において生体血管と人工血
管との間に強固な結合を早期に形成するためには、eP
TFEの繊維長は20〜200μm、空隙率は50%以
上、好ましくは70%以上であることが望ましい。ま
た、ePTFEチューブの壁厚は、生体血管に合わせる
ために、300〜1000μmの間で選択すれば良い。
管との間に強固な結合を早期に形成するためには、eP
TFEの繊維長は20〜200μm、空隙率は50%以
上、好ましくは70%以上であることが望ましい。ま
た、ePTFEチューブの壁厚は、生体血管に合わせる
ために、300〜1000μmの間で選択すれば良い。
【0009】ePTFEチューブの内面から一定の深さ
の範囲で化学的に親水基を導入する方法としては、次に
ような方法が例示できす。ePTFEチューブの外面か
ら一定の深さの範囲をPTFEに対し親和性のあるパラ
フィン等でマスキングした後に、アルカリ金属を用いた
化学処理、またはγ線や電子線などの放射線放射やコロ
ナ放電、グロー放電処理などの物理的処理によりマスキ
ングされていない部分のePTFEを脱フッ素化し、次
いで、分子内にカルボキシル基、水酸基、アミノ基、エ
ポキシ基等を有する化合物を負荷させることで官能基を
導入後、マスキングに用いた物質を除去する。
の範囲で化学的に親水基を導入する方法としては、次に
ような方法が例示できす。ePTFEチューブの外面か
ら一定の深さの範囲をPTFEに対し親和性のあるパラ
フィン等でマスキングした後に、アルカリ金属を用いた
化学処理、またはγ線や電子線などの放射線放射やコロ
ナ放電、グロー放電処理などの物理的処理によりマスキ
ングされていない部分のePTFEを脱フッ素化し、次
いで、分子内にカルボキシル基、水酸基、アミノ基、エ
ポキシ基等を有する化合物を負荷させることで官能基を
導入後、マスキングに用いた物質を除去する。
【0010】このとき、開存率を高めるためには、パラ
フィン等によってマスキングされていない部分の厚さ
を、壁厚の5%以上95%以下、好ましくは50%以上
90%以下とするのが好ましい。この厚さの制御は、好
ましくは、チューブの内腔に流す冷却水の温度を制御す
ることで壁内の温度勾配を変化させると、溶融させたパ
ラフィンが侵入する深さが変化するのを利用して行う
か、壁全体にパラフィンを浸透させた後に内腔側のパラ
フィンを溶剤で抽出して行う。
フィン等によってマスキングされていない部分の厚さ
を、壁厚の5%以上95%以下、好ましくは50%以上
90%以下とするのが好ましい。この厚さの制御は、好
ましくは、チューブの内腔に流す冷却水の温度を制御す
ることで壁内の温度勾配を変化させると、溶融させたパ
ラフィンが侵入する深さが変化するのを利用して行う
か、壁全体にパラフィンを浸透させた後に内腔側のパラ
フィンを溶剤で抽出して行う。
【0011】化学処理に用いるアルカリ金属化合物とし
ては、例えばメチルリチウム、n−ブチルリチウム、t
−ブチルリチウム、ナトリウム−ナフタレン、ナフタレ
ン−ベンゾフェノン、ビニルリチウムなどが挙げられ、
これらを溶液として使用する。ナトリウム−ナフタレン
またはナトリウム−ベンゾフェノンは、処理によってP
TFE表面に黒褐色の層を形成する上、均一に処理する
ことが困難であるので、本発明の人工血管を作成するた
めにはメチルリチウム、n−ブチルリチウム、t−ブチ
ルリチウムを用いることが望ましい。メチルリチウム、
n−ブチルリチウム、t−ブチルリチウムはこれ自体で
はフッ素を引き抜く作用が弱いので、キレート試薬であ
るヘキサメチルリン酸トリアミドやN,N,N,N−テト
ラメチルエチレンジアミン等を添加することが必要であ
る。
ては、例えばメチルリチウム、n−ブチルリチウム、t
−ブチルリチウム、ナトリウム−ナフタレン、ナフタレ
ン−ベンゾフェノン、ビニルリチウムなどが挙げられ、
これらを溶液として使用する。ナトリウム−ナフタレン
またはナトリウム−ベンゾフェノンは、処理によってP
TFE表面に黒褐色の層を形成する上、均一に処理する
ことが困難であるので、本発明の人工血管を作成するた
めにはメチルリチウム、n−ブチルリチウム、t−ブチ
ルリチウムを用いることが望ましい。メチルリチウム、
n−ブチルリチウム、t−ブチルリチウムはこれ自体で
はフッ素を引き抜く作用が弱いので、キレート試薬であ
るヘキサメチルリン酸トリアミドやN,N,N,N−テト
ラメチルエチレンジアミン等を添加することが必要であ
る。
【0012】分子内に水酸基、カルボキシル基、エポキ
シ基またはアミノ基を含有する物質としては、グリセロ
ール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレ
ート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アク
リル酸、アリルアミン、2−アミノエチル(メタ)アク
リレート、アクリルアミド等が挙げられる。また、無水
マレイン酸等の無水物を付加し、その後に加水分解して
もよい。
シ基またはアミノ基を含有する物質としては、グリセロ
ール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレ
ート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アク
リル酸、アリルアミン、2−アミノエチル(メタ)アク
リレート、アクリルアミド等が挙げられる。また、無水
マレイン酸等の無水物を付加し、その後に加水分解して
もよい。
【0013】より具体的には、アルゴン雰囲気下、PT
FEチューブをメチルリチウムのジエチルエーテル溶液
に浸漬しておき、ここへヘキサメチルリン酸トリアミド
を添加して−10℃で30分間放置してPTFEのフッ
素原子を引き抜いた後、反応液を除去し、ここにアクリ
ル酸の水溶液を加えて80℃で10時間反応させる。反
応後に余剰のアクリル酸とその重合体を洗浄除去してア
クリル酸のグラフト体を得ることが出来る。
FEチューブをメチルリチウムのジエチルエーテル溶液
に浸漬しておき、ここへヘキサメチルリン酸トリアミド
を添加して−10℃で30分間放置してPTFEのフッ
素原子を引き抜いた後、反応液を除去し、ここにアクリ
ル酸の水溶液を加えて80℃で10時間反応させる。反
応後に余剰のアクリル酸とその重合体を洗浄除去してア
クリル酸のグラフト体を得ることが出来る。
【0014】PTFEにこれらの官能基を導入するため
に、γ線や電子線などの放射線照射やグロウ放電を用い
てもよい。しかし公知の事実より、放射線による処理で
は、PTFEの結晶内部までPTFEが分解されるた
め、PTFEの分子量が低下し強度が著しく低下するの
で、人工血管として実用に供するのは困難である。また
グロー放電処理では延伸PTFEの多孔質内部まで処理
を施すことは困難である。
に、γ線や電子線などの放射線照射やグロウ放電を用い
てもよい。しかし公知の事実より、放射線による処理で
は、PTFEの結晶内部までPTFEが分解されるた
め、PTFEの分子量が低下し強度が著しく低下するの
で、人工血管として実用に供するのは困難である。また
グロー放電処理では延伸PTFEの多孔質内部まで処理
を施すことは困難である。
【0015】これに対し、アルカリ金属化合物により処
理すると、厚さ約数百オングストロームのごく表層だけ
が処理されるため、チューブの強度の低下はなく、更に
ePTFEのような多孔質体であっても均一に処理する
ことが可能である。
理すると、厚さ約数百オングストロームのごく表層だけ
が処理されるため、チューブの強度の低下はなく、更に
ePTFEのような多孔質体であっても均一に処理する
ことが可能である。
【0016】抗血栓性物質および/または組織誘導性物
質を固定するためには、単に物理的に塗布しても良い
し、予め導入した官能基に化学結合させてもよい。目的
の物質が化学結合によっても活性を失わない物質であれ
ば、導入した官能基に化学結合させる方法を用いた方が
より好ましい。その方法はその官能基に適した方法を選
択すればよく、好ましくは固定することによって活性を
失うことがない方法を選択すればよい。
質を固定するためには、単に物理的に塗布しても良い
し、予め導入した官能基に化学結合させてもよい。目的
の物質が化学結合によっても活性を失わない物質であれ
ば、導入した官能基に化学結合させる方法を用いた方が
より好ましい。その方法はその官能基に適した方法を選
択すればよく、好ましくは固定することによって活性を
失うことがない方法を選択すればよい。
【0017】例えば、水酸基、カルボキシル基およびア
ミノ基に対しては脱水縮合により、エポキシ基に対して
は付加反応により、共有結合を形成させる。水酸基に対
しては、そのままカルボジイミドを触媒として脱水縮合
により結合させてもよいし、水酸基に例えばトリフルオ
ロメタンスルホニル基等の脱離基を導入して反応性を上
げておいてから組織誘導性物質のアミノ基と反応させて
もよい。またカルボキシル基に対しては、そのままカル
ボジイミド等の脱水縮合触媒を用いて結合してもよい
し、N−ヒドロキシコハク酸イミドを反応させて活性エ
ステルを導入して反応性を上げておいてから抗血栓性物
質または組織誘導性物質のアミノ基と反応させてもよ
い。
ミノ基に対しては脱水縮合により、エポキシ基に対して
は付加反応により、共有結合を形成させる。水酸基に対
しては、そのままカルボジイミドを触媒として脱水縮合
により結合させてもよいし、水酸基に例えばトリフルオ
ロメタンスルホニル基等の脱離基を導入して反応性を上
げておいてから組織誘導性物質のアミノ基と反応させて
もよい。またカルボキシル基に対しては、そのままカル
ボジイミド等の脱水縮合触媒を用いて結合してもよい
し、N−ヒドロキシコハク酸イミドを反応させて活性エ
ステルを導入して反応性を上げておいてから抗血栓性物
質または組織誘導性物質のアミノ基と反応させてもよ
い。
【0018】複合化する抗血栓性物質には、例えばヒル
ジン、ヘパリン等の抗凝固薬、t-PAやウロキナーゼ等
のプラスミノーゲンアクチベータ、プラスミンやスブチ
リシン等の線溶酵素、プロスタサイクリン、アスピリン
等の抗血小板剤を用いればよいが、特にヘパリンが最も
好ましい。その固定量は、チューブ1cmあたり、300
〜2000μg(約60〜400単位)が良い。
ジン、ヘパリン等の抗凝固薬、t-PAやウロキナーゼ等
のプラスミノーゲンアクチベータ、プラスミンやスブチ
リシン等の線溶酵素、プロスタサイクリン、アスピリン
等の抗血小板剤を用いればよいが、特にヘパリンが最も
好ましい。その固定量は、チューブ1cmあたり、300
〜2000μg(約60〜400単位)が良い。
【0019】複合化する組織誘導性物質には、例えばコ
ラーゲン、ゼラチン、ラミニンやフィブロネクチン等の
細胞接着性を有する蛋白質を用いればよいが、特にフィ
ブロネクチンが好ましい。その固定量は、チューブ1cm
あたり、50μg〜500μgが良い。
ラーゲン、ゼラチン、ラミニンやフィブロネクチン等の
細胞接着性を有する蛋白質を用いればよいが、特にフィ
ブロネクチンが好ましい。その固定量は、チューブ1cm
あたり、50μg〜500μgが良い。
【0020】以上のような処理によって、延伸PTFE
からなるチューブ内面からの深さが壁厚の5%以上96
%未満の範囲の層を親水性にした人工血管、およびその
親水基を導入した層に抗血栓性物質および/または組織
誘導性物質を固定した、開存性が改善された人工血管が
得られる。
からなるチューブ内面からの深さが壁厚の5%以上96
%未満の範囲の層を親水性にした人工血管、およびその
親水基を導入した層に抗血栓性物質および/または組織
誘導性物質を固定した、開存性が改善された人工血管が
得られる。
【0021】
【実施例】以下の実施・比較例で述べるePTFEの繊
維長とは、走査型電子顕微鏡で測定した結節間距離の平
均値である。次に、実施例を示し、本発明を具体的に説
明するが、本発明の範囲は、これら実施例により限定さ
れるものではない。実施例1 内径2.0mm、外径3.0mm、長さ20mm、平均繊維長3
0μm、空隙率75%のePTFEチューブの外表面か
ら約50μmの深さまでパラフィンを含浸した後、−1
0℃でアルゴン雰囲気下、メチルリチウムのエーテル溶
液(1.4M)20mlとヘキサメチルリン酸アミド2ml
の混合溶液に30分間浸漬した。その後、溶液だけを除
去し、アクリル酸1gの水20ml中溶液を加え、80℃
で10時間反応させた。次いで、余剰のアクリル酸と重
合したアクリル酸とパラフィンを洗浄除去し、アクリル
酸グラフト化ePTFEチューブを得た。重量変化から
計算したところ、アクリル酸のグラフト量は、チューブ
1cm当たり約235μgであった。
維長とは、走査型電子顕微鏡で測定した結節間距離の平
均値である。次に、実施例を示し、本発明を具体的に説
明するが、本発明の範囲は、これら実施例により限定さ
れるものではない。実施例1 内径2.0mm、外径3.0mm、長さ20mm、平均繊維長3
0μm、空隙率75%のePTFEチューブの外表面か
ら約50μmの深さまでパラフィンを含浸した後、−1
0℃でアルゴン雰囲気下、メチルリチウムのエーテル溶
液(1.4M)20mlとヘキサメチルリン酸アミド2ml
の混合溶液に30分間浸漬した。その後、溶液だけを除
去し、アクリル酸1gの水20ml中溶液を加え、80℃
で10時間反応させた。次いで、余剰のアクリル酸と重
合したアクリル酸とパラフィンを洗浄除去し、アクリル
酸グラフト化ePTFEチューブを得た。重量変化から
計算したところ、アクリル酸のグラフト量は、チューブ
1cm当たり約235μgであった。
【0022】実施例2 内径2.0mm、外径3.0mm、長さ20mm、平均繊維長3
0μm、空隙率75%のePTFEチューブの外表面か
ら約100μmの深さまでパラフィンを含浸した後、−
10℃でアルゴン雰囲気下、メチルリチウムのエーテル
溶液(1.4M)20mlとヘキサメチルリン酸アミド2m
lの混合溶液に30分間浸漬した。その後、溶液だけを
除去し、アクリル酸1gの水20ml中溶液を加え、80
℃で10時間反応させた。次いで、余剰のアクリル酸と
重合したアクリル酸とパラフィンを洗浄除去し、アクリ
ル酸グラフト化ePTFEチューブを得た。重量変化か
ら計算したところ、アクリル酸のグラフト量は、チュー
ブ1cm当たり約195μgであった。
0μm、空隙率75%のePTFEチューブの外表面か
ら約100μmの深さまでパラフィンを含浸した後、−
10℃でアルゴン雰囲気下、メチルリチウムのエーテル
溶液(1.4M)20mlとヘキサメチルリン酸アミド2m
lの混合溶液に30分間浸漬した。その後、溶液だけを
除去し、アクリル酸1gの水20ml中溶液を加え、80
℃で10時間反応させた。次いで、余剰のアクリル酸と
重合したアクリル酸とパラフィンを洗浄除去し、アクリ
ル酸グラフト化ePTFEチューブを得た。重量変化か
ら計算したところ、アクリル酸のグラフト量は、チュー
ブ1cm当たり約195μgであった。
【0023】実施例3 内径2.0mm、外径3.0mm、長さ20mm、平均繊維長3
0μm、空隙率75%のePTFEチューブの外表面か
ら約300μmの深さまでパラフィンを含浸した後、−
10℃でアルゴン雰囲気下、メチルリチウムのエーテル
溶液(1.4M)20mlとヘキサメチルリン酸アミド2m
lの混合溶液に30分間浸漬した。その後、溶液だけを
除去し、アクリル酸1gの水20ml中溶液を加え、80
℃で10時間反応させた。次いで、余剰のアクリル酸と
重合したアクリル酸とパラフィンを洗浄除去し、アクリ
ル酸グラフト化ePTFEチューブを得た。重量変化か
ら計算したところ、アクリル酸のグラフト量は、チュー
ブ1cm当たり約90μgであった。
0μm、空隙率75%のePTFEチューブの外表面か
ら約300μmの深さまでパラフィンを含浸した後、−
10℃でアルゴン雰囲気下、メチルリチウムのエーテル
溶液(1.4M)20mlとヘキサメチルリン酸アミド2m
lの混合溶液に30分間浸漬した。その後、溶液だけを
除去し、アクリル酸1gの水20ml中溶液を加え、80
℃で10時間反応させた。次いで、余剰のアクリル酸と
重合したアクリル酸とパラフィンを洗浄除去し、アクリ
ル酸グラフト化ePTFEチューブを得た。重量変化か
ら計算したところ、アクリル酸のグラフト量は、チュー
ブ1cm当たり約90μgであった。
【0024】実施例4 内径2.0mm、外径3.0mm、長さ20mm、平均繊維長3
0μm、空隙率75%のePTFEチューブの外表面か
ら約480μmの深さまでパラフィンを含浸した後、−
10℃でアルゴン雰囲気下、メチルリチウムのエーテル
溶液(1.4M)20mlとヘキサメチルリン酸アミド2m
lの混合溶液に30分間浸漬した。その後、溶液だけを
除去し、アクリル酸1gの水20ml中溶液を加え、80
℃で10時間反応させた。次いで、余剰のアクリル酸と
重合したアクリル酸とパラフィンを洗浄除去し、アクリ
ル酸グラフト化ePTFEチューブを得た。重量変化か
ら計算したところ、アクリル酸のグラフト量は、チュー
ブ1cm当たり約20μgであった。
0μm、空隙率75%のePTFEチューブの外表面か
ら約480μmの深さまでパラフィンを含浸した後、−
10℃でアルゴン雰囲気下、メチルリチウムのエーテル
溶液(1.4M)20mlとヘキサメチルリン酸アミド2m
lの混合溶液に30分間浸漬した。その後、溶液だけを
除去し、アクリル酸1gの水20ml中溶液を加え、80
℃で10時間反応させた。次いで、余剰のアクリル酸と
重合したアクリル酸とパラフィンを洗浄除去し、アクリ
ル酸グラフト化ePTFEチューブを得た。重量変化か
ら計算したところ、アクリル酸のグラフト量は、チュー
ブ1cm当たり約20μgであった。
【0025】実施例5 実施例3と同じチューブを0.5%ヘパリン(SANO
FI社)水溶液に10分浸漬した後、凍結乾燥し、ヘパ
リン複合化ePTFEチューブを得た。重量変化から計
算したところ、固定されたヘパリンの量は、チューブ1
cm当たり約550μgであった。
FI社)水溶液に10分浸漬した後、凍結乾燥し、ヘパ
リン複合化ePTFEチューブを得た。重量変化から計
算したところ、固定されたヘパリンの量は、チューブ1
cm当たり約550μgであった。
【0026】実施例6 0.05%フィブロネクチン(牛血漿由来、日本ハム)
及び0.5%1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプ
ロピル)カルボジイミドの水溶液を1N塩酸でpH5に
調整し、この溶液に、実施例3で製造したアクリル酸グ
ラフト化ePTFEを24時間浸漬した後、水で洗浄
し、フィブロネクチン結合ePTFEを得た。重量変化
から計算したところ、結合しているフィブロネクチンの
量は、チューブ1cm当たり160μgであった。
及び0.5%1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプ
ロピル)カルボジイミドの水溶液を1N塩酸でpH5に
調整し、この溶液に、実施例3で製造したアクリル酸グ
ラフト化ePTFEを24時間浸漬した後、水で洗浄
し、フィブロネクチン結合ePTFEを得た。重量変化
から計算したところ、結合しているフィブロネクチンの
量は、チューブ1cm当たり160μgであった。
【0027】実施例7 実施例6でフィブロネクチン結合ePTFEチューブ
を、0.5%ヘパリン(SANOFI社)水溶液に10
分浸漬した後、凍結乾燥し、ヘパリン複合化ePTFE
チューブを得た。重量変化から計算したところ、固定さ
れたヘパリンの量は、チューブ1cm当たり約550μg
であった。
を、0.5%ヘパリン(SANOFI社)水溶液に10
分浸漬した後、凍結乾燥し、ヘパリン複合化ePTFE
チューブを得た。重量変化から計算したところ、固定さ
れたヘパリンの量は、チューブ1cm当たり約550μg
であった。
【0028】比較例1 内径2.0mm、外径3.0mm、長さ20mm、平均繊維長3
0μm、空隙率75%のePTFEチューブをそのまま
人工血管として用いた。。
0μm、空隙率75%のePTFEチューブをそのまま
人工血管として用いた。。
【0029】比較例2 内径2.0mm、外径3.0mm、長さ20mm、平均繊維長3
0μm、空隙率75%のePTFEチューブを、アルゴ
ン雰囲気下、メチルリチウムのエーテル溶液(1.4
M)20mlとヘキサメチルリン酸アミド2mlの混合溶液
に30分間浸漬した。その後、溶液だけを除去し、アク
リル酸1gの水20ml中溶液を加え、80℃で10時間
反応させた。次いで、余剰のアクリル酸と重合したアク
リル酸を洗浄除去し、アクリル酸グラフト化ePTFE
チューブを得た。重量変化から計算したところ、アクリ
ル酸のグラフト量は、チューブ1cm当たり約250μg
であった。
0μm、空隙率75%のePTFEチューブを、アルゴ
ン雰囲気下、メチルリチウムのエーテル溶液(1.4
M)20mlとヘキサメチルリン酸アミド2mlの混合溶液
に30分間浸漬した。その後、溶液だけを除去し、アク
リル酸1gの水20ml中溶液を加え、80℃で10時間
反応させた。次いで、余剰のアクリル酸と重合したアク
リル酸を洗浄除去し、アクリル酸グラフト化ePTFE
チューブを得た。重量変化から計算したところ、アクリ
ル酸のグラフト量は、チューブ1cm当たり約250μg
であった。
【0030】比較例3 比較例2と同じチューブを0.5%ヘパリン(SANO
FI社)水溶液に10分浸漬した後、凍結乾燥し、ヘパ
リン複合化ePTFEチューブを得た。重量変化から計
算したところ、固定されたヘパリンの量は、チューブ1
cm当たり約920μgであった。
FI社)水溶液に10分浸漬した後、凍結乾燥し、ヘパ
リン複合化ePTFEチューブを得た。重量変化から計
算したところ、固定されたヘパリンの量は、チューブ1
cm当たり約920μgであった。
【0031】比較例4 0.05%フィブロネクチン(牛血漿由来、日本ハ
ム)、及び0.5%1−エチル−3−(3−ジメチルア
ミノプロピル)カルボジイミドの水溶液を1N塩酸でp
H5に調整し、この溶液に、比較例2で製造したアクリ
ル酸グラフト化ePTFEチューブを24時間浸漬した
後、水で洗浄し、フィブロネクチン結合ePTFEチュ
ーブを得た。重量変化から計算したところ、結合してい
るフィブロネクチンの量は、チューブ1cm当たり290
μgであった。
ム)、及び0.5%1−エチル−3−(3−ジメチルア
ミノプロピル)カルボジイミドの水溶液を1N塩酸でp
H5に調整し、この溶液に、比較例2で製造したアクリ
ル酸グラフト化ePTFEチューブを24時間浸漬した
後、水で洗浄し、フィブロネクチン結合ePTFEチュ
ーブを得た。重量変化から計算したところ、結合してい
るフィブロネクチンの量は、チューブ1cm当たり290
μgであった。
【0032】比較例5 比較例4で製造したフィブロネクチン結合ePTFEチ
ューブを、0.5%ヘパリン(SANOFI社)水溶液
に10分浸漬した後、凍結乾燥し、フィブロネクチン/
ヘパリン複合化ePTFEを得た。重量変化から計算し
たところ、固定されたヘパリンの量は、チューブ1cm当
たり約920μgであった。
ューブを、0.5%ヘパリン(SANOFI社)水溶液
に10分浸漬した後、凍結乾燥し、フィブロネクチン/
ヘパリン複合化ePTFEを得た。重量変化から計算し
たところ、固定されたヘパリンの量は、チューブ1cm当
たり約920μgであった。
【0033】比較例6 内径2.0mm、外径3.0mm、長さ20mm、平均繊維長3
0μm、空隙率75%のePTFEチューブの外表面か
ら約20μmの深さまでパラフィンを含浸した。その
後、−10℃でアルゴン雰囲気下、メチルリチウムのエ
ーテル溶液(1.4M)20mlとヘキサメチルリン酸ア
ミド2mlの混合溶液に30分間浸漬した後、溶液だけを
除去し、アクリル酸1gの水20ml中溶液を加え、80
℃で10時間反応させた。この後、余剰のアクリル酸と
重合したアクリル酸とパラフィンを洗浄除去し、アクリ
ル酸グラフト体を得た。重量変化から計算したところ、
アクリル酸のグラフト量はチューブ1cm当たり約250
μgであった。
0μm、空隙率75%のePTFEチューブの外表面か
ら約20μmの深さまでパラフィンを含浸した。その
後、−10℃でアルゴン雰囲気下、メチルリチウムのエ
ーテル溶液(1.4M)20mlとヘキサメチルリン酸ア
ミド2mlの混合溶液に30分間浸漬した後、溶液だけを
除去し、アクリル酸1gの水20ml中溶液を加え、80
℃で10時間反応させた。この後、余剰のアクリル酸と
重合したアクリル酸とパラフィンを洗浄除去し、アクリ
ル酸グラフト体を得た。重量変化から計算したところ、
アクリル酸のグラフト量はチューブ1cm当たり約250
μgであった。
【0034】実施例および比較例で製造した人工血管そ
れぞれを、ウサギの頚動脈に置換移植し、1週間後およ
び1カ月後の開存率を調べた。結果を表1に示す。これ
らの結果から明らかなように、親水層の厚さが壁厚の5
%から95%である人工血管の開存率は、何も処理を施
さないePTFEチューブの開存率に比べて高く、壁全
体の約半分まで親水層を設けた人工血管の開存率が最も
高かった。また、このチューブに抗血栓剤を塗布したも
のは初期の開存率がよく、細胞接着性蛋白質を複合化し
たものは長期で開存率が高まることが分かる。さらに抗
血栓剤と細胞接着性蛋白質の両方を複合化したものは他
のどの人工血管よりも、初期から長期にわたって、開存
率が高い結果となった。ちなみに、全面に親水基を導入
し、抗血栓剤または細胞接着性蛋白質を複合化したもの
は開存率が良くない。
れぞれを、ウサギの頚動脈に置換移植し、1週間後およ
び1カ月後の開存率を調べた。結果を表1に示す。これ
らの結果から明らかなように、親水層の厚さが壁厚の5
%から95%である人工血管の開存率は、何も処理を施
さないePTFEチューブの開存率に比べて高く、壁全
体の約半分まで親水層を設けた人工血管の開存率が最も
高かった。また、このチューブに抗血栓剤を塗布したも
のは初期の開存率がよく、細胞接着性蛋白質を複合化し
たものは長期で開存率が高まることが分かる。さらに抗
血栓剤と細胞接着性蛋白質の両方を複合化したものは他
のどの人工血管よりも、初期から長期にわたって、開存
率が高い結果となった。ちなみに、全面に親水基を導入
し、抗血栓剤または細胞接着性蛋白質を複合化したもの
は開存率が良くない。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】従来より延伸ポリテトラフルオロエチレ
ン(以下PTFEと略記)のチューブが人工血管として
用いられている。しかしながらこの材料自体は抗血栓性
が十分ではなく、特に内径4mm以下の小口径領域では血
栓による閉塞が頻発する。本発明では、ePTFEから
なるチューブ内面より深さが壁厚の5〜95%の範囲で
化学的に親水基を導入した人工血管とその親水基を導入
した層に抗血栓性物質または組織誘導性物質を物理的ま
たは化学的に固定することによって、開存性が高まる。
ン(以下PTFEと略記)のチューブが人工血管として
用いられている。しかしながらこの材料自体は抗血栓性
が十分ではなく、特に内径4mm以下の小口径領域では血
栓による閉塞が頻発する。本発明では、ePTFEから
なるチューブ内面より深さが壁厚の5〜95%の範囲で
化学的に親水基を導入した人工血管とその親水基を導入
した層に抗血栓性物質または組織誘導性物質を物理的ま
たは化学的に固定することによって、開存性が高まる。
Claims (3)
- 【請求項1】 延伸ポリテトラフルオロエチレンの多孔
質チューブからなり、その内面からの深さが壁厚の5%
以上96%未満の範囲の層を親水性にした人工血管。 - 【請求項2】 延伸ポリテトラフルオロエチレンの多孔
質チューブからなり、その内面からの深さが壁厚の5%
以上96%未満の範囲の層に親水基を導入し、その層に
抗血栓性物質および生体組織誘導性物質から成る群から
選択される少なくとも1種の物質を固定した人工血管。 - 【請求項3】 延伸ポリテトラフルオロエチレンの多孔
質チューブに、その外面から壁厚の一部分に熱可塑性物
質を浸透させた後、該熱可塑性物質が浸透していない部
分を親水処理する請求項1の人工血管の製造方法。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15388096A JP3014325B2 (ja) | 1996-02-15 | 1996-06-14 | 人工血管及びその製造方法 |
CA002197375A CA2197375C (en) | 1996-02-15 | 1997-02-12 | Artificial blood vessel |
US08/800,685 US6053939A (en) | 1996-02-15 | 1997-02-14 | Artificial blood vessel |
DE69725198T DE69725198T2 (de) | 1996-02-15 | 1997-02-14 | Künstliches Blutgefäss |
EP97102455A EP0790042B1 (en) | 1996-02-15 | 1997-02-14 | Artificial blood vessel |
AU12682/97A AU709305B2 (en) | 1996-02-15 | 1997-02-14 | Artificial blood vessel |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8-27824 | 1996-02-15 | ||
JP2782496 | 1996-02-15 | ||
JP15388096A JP3014325B2 (ja) | 1996-02-15 | 1996-06-14 | 人工血管及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09276393A true JPH09276393A (ja) | 1997-10-28 |
JP3014325B2 JP3014325B2 (ja) | 2000-02-28 |
Family
ID=26365803
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15388096A Expired - Fee Related JP3014325B2 (ja) | 1996-02-15 | 1996-06-14 | 人工血管及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3014325B2 (ja) |
-
1996
- 1996-06-14 JP JP15388096A patent/JP3014325B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3014325B2 (ja) | 2000-02-28 |
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Date | Code | Title | Description |
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