JPH0927627A - 薄膜太陽電池およびその製造方法 - Google Patents

薄膜太陽電池およびその製造方法

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JPH0927627A
JPH0927627A JP7176273A JP17627395A JPH0927627A JP H0927627 A JPH0927627 A JP H0927627A JP 7176273 A JP7176273 A JP 7176273A JP 17627395 A JP17627395 A JP 17627395A JP H0927627 A JPH0927627 A JP H0927627A
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JP
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silicon layer
layer
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amorphous
solar cell
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JP7176273A
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English (en)
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Hitoshi Nishio
仁 西尾
Kenji Yamamoto
憲治 山本
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】i層成膜時の基板温度を上げることでi層膜質
の最適化とその評価を十分に行い、もって変換効率の向
上と光劣化の低減を可能にする薄膜太陽電池およびその
製造方法を提供すること。 【構成】透光性基板上に、透明電極層、p型またはn型
多結晶シリコン層、i型非晶質シリコン層、非晶質また
は微結晶と非晶質が混在したn型またはp型シリコン
層、裏面電極層が、この順に積層された薄膜太陽電池
で、多結晶シリコン層を、透明電極層上にドーパントを
含む第1の非晶質シリコン層を形成した後、この第1の
非晶質シリコン層よりも低濃度のドーパントを含む第2
の非晶質シリコン層の形成と水素プラズマ処理とを繰り
返して作製するか、または透明電極層上に形成した非晶
質シリコン層に対して、エネルギー密度が40〜240
mJ/cm2 の範囲のレーザー光を照射して作製するこ
と。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透光性基板上に形成さ
れる薄膜シリコン太陽電池とその製造方法に関し、光照
射による出力劣化率の低減と変換効率の向上を目的とし
ている。
【0002】
【従来の技術】一般的に薄膜シリコン太陽電池は、図3
に示すような構造を有し、基板50上に金属酸化物から
なる透明電極層52を形成した後、この上に水素化非晶
質シリコン層54をp層→i層→n層またはn層→i層
→p層の順に、プラズマCVD法によって積層してp−
i−nまたはn−i−p接合を形成し、さらにその上に
金属電極層56を形成している。ここでp層にはホウ素
が、n層にはリンが不純物としてそれぞれドーピングさ
れている。そして、これらの薄膜を順に積層するに当た
っては、p型不純物のホウ素またはn型不純物のリン
がi層中に拡散することを防止する、透明電極層52
の金属酸化物が水素プラズマと温度の影響によって還元
され、この還元物質がp層またはn層中に拡散する、
この酸化物の還元によって透明電極層52の透過率が低
下する、といった諸現象を防止するため、通常はi層を
250℃以下の基板温度で成膜している。ここで、
の現象が起こるのは、例えp層やn層があったとして
も、i層の成膜時の水素プラズマが透明電極層52に容
易に到達し、温度が高いことと相まって、透明電極層5
2を構成している金属酸化物の還元が促進されるためで
ある。このようにして作製されたi層のバンドギャップ
は約1.8eVであり、また光照射による変換効率の劣
化率は一般に30〜50%である。なおこの劣化は、短
絡電流と曲線因子の低下によるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、これまで
の薄膜シリコン太陽電池のバンドギャップからその光吸
収の限界波長を求めると、1240÷1.8≒689
(nm)となる。すなわち理論的には波長が689nm
以上の光は発電に寄与せず、単に薄膜を透過するだけと
なる。このため、変換効率向上のためには、この限界波
長を長くすることが望まれている。また光劣化について
は、光電変換層(i層)内で発生した電子と正孔が再結
合するときに発生するエネルギーによって、準安定状態
にある結合手が切断されて不結合手となり、電子や正孔
の捕獲割合が増大することによるものと考えられてい
る。そしてこれはプラズマCVD法において、発生した
プラズマにより分解された原料ガスの解離種が、その極
めて速い冷却速度のために安定な構造を形成する前にネ
ットワークが構成され、原子間結合に構造歪みが生じて
いるためと考えられ、より安定な構造のi層を成膜する
ことが望まれている。そして、これら2つの要請を満足
させるためには、i層成膜時の基板温度を上げることが
効果的と考えられる。しかしながら、上記〜の要因
により、i層の成膜温度を上げることは不可能である。
従って現在では、変換効率と光劣化に対するi層の最適
化とその評価すら十分に行うことができない状況であ
り、このことが、薄膜シリコン太陽電池の変換効率向上
と光劣化の抑制に対して大きな壁となっている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような現状
のもとで成されたものであり、その目的は、i層成膜時
の基板温度を上げることでi層膜質の最適化とその評価
を十分に行い、もって変換効率の向上と光劣化の低減を
可能にする薄膜太陽電池およびその製造方法を提供する
ところにある。このような本発明は、透光性基板上に、
透明電極層、p型多結晶シリコン層、i型非晶質シリコ
ン層、非晶質または微結晶と非晶質が混在したn型シリ
コン層、裏面電極層が、この順に積層された薄膜太陽電
池、また、透光性基板上に、透明電極層、n型多結晶シ
リコン層、i型非晶質シリコン層、非晶質または微結晶
と非晶質が混在したp型シリコン層、裏面電極層が、こ
の順に積層された薄膜太陽電池とすることで実現でき
る。ここで、多結晶シリコン層が700Å以下の膜厚
で、400nmの単波長光に対する吸収係数が105
-1以下とするとよい。
【0005】そしてこれらの薄膜太陽電池の製造方法と
しては、透光性基板上に、透明電極層、p型多結晶シリ
コン層、i型非晶質シリコン層、非晶質または微結晶と
非晶質が混在したn型シリコン層、裏面電極層を、この
順に積層したり、透光性基板上に、透明電極層、n型多
結晶シリコン層、i型非晶質シリコン層、非晶質または
微結晶と非晶質が混在したp型シリコン層、裏面電極層
を、この順に積層するものである。ここで、400nm
の単波長光に対する吸収係数が105 cm-1以下となる
多結晶シリコン層を、700Å以下の膜厚で形成した
り、透明電極層上にドーパントを含む第1の非晶質シリ
コン層を形成した後、この第1の非晶質シリコン層より
も低濃度のドーパントを含む第2の非晶質シリコン層の
形成と水素プラズマ処理とを繰り返して多結晶シリコン
層を得たり、透明電極層上に形成した非晶質シリコン層
に対して、エネルギー密度が40〜240mJ/cm2
の範囲のレーザー光を照射して多結晶シリコン層を得た
りするとよい。
【0006】
【作用】本発明の薄膜太陽電池は、透明電極層上にp型
またはn型多結晶シリコン層が存在しており、i型非晶
質シリコン層の成膜時に、水素プラズマが透明電極層に
まで到達することがない。従って、i型非晶質シリコン
層の成膜時にその基板温度を上げても、透明電極層を構
成している金属酸化物が容易に還元されてしまうことは
ない。また、上記多結晶シリコン層は、その膜厚が70
0Å以下に設定され、かつ400nmの単波長光に対す
る吸収係数が105 cm-1以下であるため、発電に寄与
する波長域の太陽光が、有効にi層まで導かれる。
【0007】このような本発明の薄膜太陽電池は、透光
性基板上に、透明電極層、p型多結晶シリコン層、i型
非晶質シリコン層、非晶質または微結晶と非晶質が混在
したn型シリコン層、裏面電極層を、この順に積層す
る、あるいは透光性基板上に、透明電極層、n型多結晶
シリコン層、i型非晶質シリコン層、非晶質または微結
晶と非晶質が混在したp型シリコン層、裏面電極層を、
この順に積層することで製造され、上記多結晶シリコン
層が400nmの単波長光に対する吸収係数が105
-1以下となるように調製される。そしてこの多結晶シ
リコン層は、透明電極層上にドーパントを含む第1の非
晶質シリコン層を形成した後、この第1の非晶質シリコ
ン層よりも低濃度のドーパントを含む第2の非晶質シリ
コン層の形成と水素プラズマ処理とを繰り返すことで得
ることができる。すなわち、第1の非晶質シリコン層
の形成→第1の非晶質シリコン層よりも低濃度のドー
パントを含む第2の非晶質シリコン層の形成→水素プ
ラズマ処理を行い、以降は所望の膜厚に達するまでと
とを繰り返す。別の方法としては、透明電極層上に形
成した非晶質シリコン層に対して、エネルギー密度が4
0〜240mJ/cm2 の範囲のレーザー光を照射して
多結晶シリコン層を得るものである。レーザー光の照射
により、非晶質シリコンを溶融させるとともに、膜中の
水素を離脱させて多結晶を得ることができる。
【0008】
【実施例】以下、添付図面を参照しながら本発明を実施
例に基づいて説明するが、本発明は以下の実施例のみに
限定されるものではない。図1は、本発明の薄膜太陽電
池の構造を表す断面説明図である。図例は、透光性基板
1上に、透明電極層3、p型多結晶シリコン層5、i型
非晶質シリコン層7、非晶質または微結晶と非晶質が混
在したn型シリコン層9、裏面電極層11が、この順に
積層された薄膜太陽電池13である。またこれとは逆
に、透光性基板1上に、透明電極層3、n型多結晶シリ
コン層5a、i型非晶質シリコン層7、非晶質または微
結晶と非晶質が混在したp型シリコン層9a、裏面電極
層11が、この順に積層されたものでもよい。ここで、
p型多結晶シリコン層5は、その膜厚が700Å以下
に、400nmの単波長光に対する吸収係数が105
-1以下にそれぞれ調製されている。これは、p層5を
多結晶化することによって、透明電極層3を構成する金
属酸化物の還元、およびホウ素のi層7中への拡散を防
止すること、並びにp型多結晶シリコン層5での光吸収
を低減することによって、光活性層であるi型非晶質シ
リコン層7での光吸収量を増加させるためである。以
下、透明電極層3、p型多結晶シリコン層5、・・・の
順に積層した場合を例に、その製造方法とともに詳細を
説明する。
【0009】透明電極層3については、酸化錫(SnO
2 )、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム錫(IT
O)等が用いられ、「光の閉じ込め効果」を得るため表
面に適度な凹凸を設けることもできる。
【0010】次に、本発明におけるp型多結晶シリコン
層5の、2つの形成方法について説明する。なお、n型
多結晶シリコン層5aの場合も同様である。 (1) 非晶質シリコン層の形成と水素プラズマ処理とを繰
り返して多結晶シリコン層を得る方法。 RFプラズマCVD法を用い、100℃〜200℃の基
板温度のもとで、ホウ素を高濃度にドーピングした第一
の水素化非晶質シリコン層を、透明電極層3の上に約5
0Åの膜厚に成膜した後、この上に同じく100℃〜2
00℃の基板温度のもとで、ホウ素をドーピングした第
二の水素化非晶質シリコン層を5〜50Åの膜厚に成膜
する。そしてこれに続いて、ECR水素プラズマ処理を
10〜60秒行う。この水素プラズマ処理において重要
な点は、基板表面すなわち第二の水素化非晶質シリコン
層の表面に到達する水素原子フラックス量を、4×10
15atom/cm2 以上、好ましくは1×1016ato
m/cm2 以上とする点である。この範囲を下回ると、
十分な水素プラズマ効果が得られない。すなわち、本方
法では水素ラジカルの持つエネルギーによって、非晶質
シリコンから多結晶シリコンを固相成長させているため
である。この第二の水素化非晶質シリコン層の成膜と水
素プラズマ処理とを繰り返し、p型の多結晶シリコン層
5を得る。この多結晶シリコン層の膜厚は、50Å〜3
00Å、好ましくは50Å〜100Åがよい。 (2) レーザー光を照射して多結晶シリコン層を得る方
法。 RFプラズマCVD法を用い、100℃〜200℃の基
板温度のもとで、ホウ素をドーピングした水素化非晶質
シリコン層を400Å〜1000Åの膜厚に成膜し、エ
ネルギー密度が40mJ/cm2 〜240mJ/cm2
のエキシマレーザー光を照射し、結晶化する。ここで、
エキシマレーザーとしては、KrF、ArF、XeC
l、F2 が用いられる。またレーザー光の照射時の基板
温度は、室温〜500℃の範囲がよい。上記のエネルギ
ー密度は、安定して多結晶を得るために設定されるもの
で、この範囲より低いと十分に結晶化されず、またこの
範囲を越えると、エネルギーが強すぎて蒸散してしま
う。さらに結晶化のためには、水素化非晶質シリコン層
の上記膜厚が、KrFエキシマレーザー(波長249n
m)の場合で700Å程度、ArFエキシマレーザー
(波長193nm)場合で400Å程度必要であり、こ
れ以下となると結晶化が困難となる。
【0011】このようにして形成されたp型多結晶シリ
コン層5の上に、RFプラズマCVD法によってi型の
水素化非晶質シリコン層7を形成する。このi層7の成
膜においては、透明電極層3の上にp型多結晶シリコン
層5が形成されているので、基板温度を500℃まで上
昇させることができるが、具体的には250℃〜450
℃の範囲から選択される。これ以上の温度であると、i
層7中の膜中水素量が極端に減少して数atm%以下に
なり、欠陥準位密度の増加によって膜質が低下してしま
うので好ましくない。そしてこのi型非晶質シリコン層
7の上に、RFプラズマCVD法によって、リンをドー
ピングした非晶質または微結晶と非晶質が混在したn型
シリコン層9を形成する。最後にスパッタリング法や真
空蒸着法によって、銀やアルミニウム等の裏面電極層1
1を形成し、薄膜太陽電池13の基本的構造が完成す
る。
【0012】こうして作製された薄膜太陽電池13で
は、p型多結晶シリコン層5の上にi型の水素化非晶質
シリコン層7を従来よりも高温で成膜するので、i型非
晶質シリコン層7中の水素量が少なく、高品質のi層と
なる。そのため、太陽電池の光劣化現象を改善する上で
重要となる、p/i界面での光劣化が少なくなる。な
お、透明電極層3の上にn層→i層→p層の順に成膜す
る場合も、n層とp層の順序が入れ替わるだけで、上記
製造方法と同じである。以下、具体的実施例について説
明する。
【0013】(実施例1)ガラス基板上に、フッ素がド
ーピングされたSnO2 を透明電極層として形成し、こ
の上にRFプラズマCVD法によってp型の水素化非晶
質シリコン層を700Åの膜厚で形成した。この時の成
膜条件は、モノシラン(SiH4 )を20sccm、水
素で1000ppmに希釈したジボラン(B2 6 )を
2sccm、反応圧力を0.1torr、基板温度を2
00℃、RFパワー密度を50mW/cm2 とした。次
いで、真空中で基板温度を500℃とし、波長248n
m、エネルギー密度200mJ/cm2 のKrFエキシ
マレーザーを照射し、このp型の水素化非晶質シリコン
層を結晶化してp型多結晶シリコン層を得た。続いて、
このp型多結晶シリコン層の上に、RFプラズマCVD
法によってi型の水素化非晶質シリコン層を、3000
Åの膜厚で形成した。この時の成膜条件は、モノシラン
(SiH4 )を20sccm、反応圧力を0.2tor
r、基板温度を250℃、RFパワー密度を20mW/
cm2 とした。さらにこのi層の上に、RFプラズマC
VD法によって、微結晶と非晶質が混在したn型シリコ
ン層を300Åの膜厚で形成した。この時の成膜条件
は、モノシラン(SiH4)を10sccm、水素で1
000ppmに希釈したホスフィン(PH3 )を100
sccm、水素を200sccm、反応圧力を1tor
r、基板温度を250℃、RFパワー密度を0.2W/
cm2 とした。最後に、このn層の上に膜厚800Åの
ZnOと、膜厚2000Åのアルミニウム(Al)の積
層体よりなる裏面電極層を形成し、実施例1の薄膜太陽
電池とした。この実施例1の薄膜太陽電池の、AM1.
5−100mW/cm2 の疑似太陽光下における特性
は、有効受光面積3.14mm2 にて短絡電流密度(J
sc)が11.6mA/cm2 、開放電圧(Voc)が
0.819V、曲線因子(FF)が66.5%、変換効
率(η)が6.3%であった。 (比較例1)ガラス基板上に、フッ素がドーピングされ
たSnO2 を透明電極層として形成し、この上にRFプ
ラズマCVD法によってp型の水素化非晶質シリコン層
を700Åの膜厚で形成した。この時の成膜条件は、モ
ノシラン(SiH4 )を20sccm、水素で1000
ppmに希釈したジボラン(B2 6 )を2sccm、
反応圧力を0.1torr、基板温度を200℃、RF
パワー密度を50mW/cm2 とした。次いで、実施例
1と同様の条件でi型の水素化非晶質シリコン層と、微
結晶と非晶質が混在したn型シリコン層と、裏面電極層
を形成し、比較例1の薄膜太陽電池とした。この比較例
1の薄膜太陽電池のAM1.5−100mW/cm2
疑似太陽光下における特性は、有効受光面積3.14m
2 にて短絡電流密度(Jsc)が6.52mA/cm
2 、開放電圧(Voc)が0.827V、曲線因子(F
F)が33.7%、変換効率(η)が1.81%であっ
た。
【0014】(実施例2)ガラス基板上に、実施例1と
同様の条件で、透明電極層とp型多結晶シリコン層を形
成した。続いて、このp型多結晶シリコン層の上に、R
FプラズマCVD法によってi型の水素化非晶質シリコ
ン層を3000Åの膜厚で形成した。この時の成膜条件
は、モノシラン(SiH4 )を20sccm、反応圧力
を0.2torr、基板温度を350℃、RFパワー密
度を20mW/cm2 とした。さらにこのi層の上に実
施例1と同様の条件で、微結晶と非晶質が混在したn型
シリコン層と裏面電極層を形成し、実施例2の薄膜太陽
電池とした。この実施例2の薄膜太陽電池のAM1.5
−100mW/cm2 の疑似太陽光下における特性は、
有効受光面積3.14mm2 にて短絡電流密度(Js
c)が11.6mA/cm2 、開放電圧(Voc)が
0.712V、曲線因子(FF)が52.7%、変換効
率(η)が4.39%であった。 (比較例2)ガラス基板上に、比較例1と同様の条件で
透明電極層とp型の水素化非晶質シリコン層を形成し、
次いで実施例2と同様の条件でi型の水素化非晶質シリ
コン層と、微結晶と非晶質が混在したn型シリコン層
と、裏面電極層を形成し、比較例2の薄膜太陽電池とし
た。この比較例2の薄膜太陽電池のAM1.5−100
mW/cm2 の疑似太陽光下における特性は、有効受光
面積3.14mm2 にて短絡電流密度(Jsc)が4.
7mA/cm2 、開放電圧(Voc)が0.647V、
曲線因子(FF)が24.5%、変換効率(η)が0.
75%であった。
【0015】(実施例3)ガラス基板上に、実施例1と
同様の条件で、透明電極層とp型多結晶シリコン層を形
成した。続いて、このp型多結晶シリコン層の上に、R
FプラズマCVD法によってi型の水素化非晶質シリコ
ン層を3000Åの膜厚で形成した。この時の成膜条件
は、モノシラン(SiH4 )を20sccm、反応圧力
を0.2torr、基板温度を400℃、RFパワー密
度を20mW/cm2 とした。さらにこのi層の上に実
施例1と同様の条件で、微結晶と非晶質が混在したn型
シリコン層と裏面電極層を形成し、実施例3の薄膜太陽
電池とした。この実施例3の薄膜太陽電池のAM1.5
−100mW/cm2 の疑似太陽光下における特性は、
有効受光面積3.14mm2 にて短絡電流密度(Js
c)が10.5mA/cm2 、開放電圧(Voc)が
0.690V、曲線因子(FF)が49.8%、変換効
率(η)が3.63%であった。 (比較例3)ガラス基板上に、比較例1と同様の条件で
透明電極層とp型の水素化非晶質シリコン層を形成し、
次いで実施例3と同様の条件でi型の水素化非晶質シリ
コン層と、微結晶と非晶質が混在したn型シリコン層
と、裏面電極層を形成し、比較例3の薄膜太陽電池とし
た。この比較例3の薄膜太陽電池のAM1.5−100
mW/cm2 の疑似太陽光下における特性は、有効受光
面積3.14mm2 にて短絡電流密度(Jsc)が3.
26mA/cm2 、開放電圧(Voc)が0.642
V、曲線因子(FF)が17.2%、変換効率(η)が
0.36%であった。
【0016】上記実施例1〜3および比較例1〜3の薄
膜太陽電池を、AM1.5−100mW/cm2 の疑似
太陽光下に500時間暴露し、光劣化後の諸特性を測定
し、初期特性とともに表1に示した。
【0017】
【表1】
【0018】表1より明らかなように、i型非晶質シリ
コン層の成膜時における基板温度が高いほど、ηの光劣
化率が小さいことが分かる。また、比較例1〜3で初期
特性が大幅に低くなっているが、これはp型の水素化非
晶質シリコン層の膜厚が700Åと厚く、シリーズ抵抗
が増大しているためと考えられる。さらに比較例2、3
では、i型の水素化非晶質シリコン層の成膜時の基板温
度が高いため、水素プラズマの作用と相まって透明電極
層の金属酸化物が還元されていること、およびp型の水
素化非晶質シリコン層の不純物であるホウ素が拡散して
いること、による悪影響であると推察される。
【0019】このような本発明の効果をさらに確認する
ため、i型非晶質シリコン層を単層で評価した。表2に
は、i型非晶質シリコン層の成膜時の基板温度別の、暗
伝導度、光伝導度、バンドギャップを表している。ここ
で光伝導度は、AM1.5−100mW/cm2 の疑似
太陽光下での値である。この評価結果から明らかなよう
に、本発明によって得ることのできる、高い基板温度で
成膜したi型非晶質シリコン層は、バンドギャップが小
さくなっていることがわかる。よって、本発明によれ
ば、長波長の光に対する感度を向上させ、薄膜太陽電池
の変換効率を向上させることができる。
【0020】
【表2】
【0021】そしてさらに、これらのi型非晶質シリコ
ン層の光劣化特性を光伝導度によって評価し、その結果
を図2に示した。なお、ここでの光照射は、AM1.5
−100mW/cm2 の疑似太陽光により行っており、
縦軸はこの照射光下での光伝導度の相対値、横軸は光照
射時間(秒)をそれぞれ表している。図から明らかなよ
うに、本発明によって得ることのできる高い基板温度で
成膜したi型非晶質シリコン層は、光劣化率が低くなっ
ていることがわかる。
【0022】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、透明電極
層上にp型またはn型多結晶シリコン層が存在してお
り、i型非晶質シリコン層の成膜時に、水素プラズマが
透明電極層にまで到達することがないので、i型非晶質
シリコン層を従来より高い基板温度で成膜しても、透明
電極層を構成している金属酸化物が容易に還元されな
い。従って、光劣化の改善という課題に対して、i型非
晶質シリコン層を他の要因に制約されること無く最適化
できる。これより、光劣化の少ない薄膜太陽電池が実現
できる。また、本発明における多結晶シリコン層は、そ
の膜厚が700Å以下に設定され、かつ400nmの単
波長光に対する吸収係数が105 cm-1以下であり、発
電に寄与する波長域の太陽光が有効にi層まで導かれる
ので、変換効率に悪影響を及ぼすこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜太陽電池の構造を表す断面説明図
【図2】i型非晶質シリコン層の成膜時の基板温度と光
劣化率の関係を表す説明図
【図3】従来の薄膜太陽電池の構造を表す断面説明図
【符号の説明】
1 透光性基板 3 透明電極層 5 p型多結晶シリコン層 7 i型非晶質シリコン層 9 n型シリコン層 11 裏面電極層 13 薄膜太陽電池 50 基板 52 透明電極層 54 水素化非晶質シリコン層 56 金属電極層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透光性基板上に、透明電極層、p型多結晶
    シリコン層、i型非晶質シリコン層、非晶質または微結
    晶と非晶質が混在したn型シリコン層、裏面電極層が、
    この順に積層された薄膜太陽電池。
  2. 【請求項2】透光性基板上に、透明電極層、n型多結晶
    シリコン層、i型非晶質シリコン層、非晶質または微結
    晶と非晶質が混在したp型シリコン層、裏面電極層が、
    この順に積層された薄膜太陽電池。
  3. 【請求項3】多結晶シリコン層が700Å以下の膜厚
    で、400nmの単波長光に対する吸収係数が105
    -1以下である請求項1または2記載の薄膜太陽電池。
  4. 【請求項4】透光性基板上に、透明電極層、p型多結晶
    シリコン層、i型非晶質シリコン層、非晶質または微結
    晶と非晶質が混在したn型シリコン層、裏面電極層を、
    この順に積層する薄膜太陽電池の製造方法。
  5. 【請求項5】透光性基板上に、透明電極層、n型多結晶
    シリコン層、i型非晶質シリコン層、非晶質または微結
    晶と非晶質が混在したp型シリコン層、裏面電極層を、
    この順に積層する薄膜太陽電池の製造方法。
  6. 【請求項6】400nmの単波長光に対する吸収係数が
    105 cm-1以下となる多結晶シリコン層を、700Å
    以下の膜厚で形成する請求項4または5記載の薄膜太陽
    電池の製造方法。
  7. 【請求項7】透明電極層上にドーパントを含む第1の非
    晶質シリコン層を形成した後、この第1の非晶質シリコ
    ン層よりも低濃度のドーパントを含む第2の非晶質シリ
    コン層の形成と水素プラズマ処理とを繰り返して多結晶
    シリコン層を得る、請求項4〜6のいずれか1項に記載
    の薄膜太陽電池の製造方法。
  8. 【請求項8】透明電極層上に形成した非晶質シリコン層
    に対して、エネルギー密度が40〜240mJ/cm2
    の範囲のレーザー光を照射して多結晶シリコン層を得
    る、請求項4〜6のいずれか1項に記載の薄膜太陽電池
    の製造方法。
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