JPH09272804A - 熱可塑性樹脂組成物および摺動部品 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物および摺動部品

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JPH09272804A
JPH09272804A JP8291796A JP8291796A JPH09272804A JP H09272804 A JPH09272804 A JP H09272804A JP 8291796 A JP8291796 A JP 8291796A JP 8291796 A JP8291796 A JP 8291796A JP H09272804 A JPH09272804 A JP H09272804A
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thermoplastic resin
weight
parts
resin composition
viscosity
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JP8291796A
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Tomonori Sato
智徳 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 摺動性を向上させるために熱可塑性樹脂に添
加するジメチルシリコーンオイルの溶解性を増大して、
経時的な摺動性を確保する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂100重量部に対し、流動
粘度が300,000cSt以上あるいは平均分子量が
100,000以上である高粘度ポリジメチルオルガノ
シロキサンオイルが0.5重量部以上3.0重量部以下
と、平均粒径0.5μm以上10μm以下のシリコーン
レジン粉体が0.5重量部以上3.0重量部以下とを配
合する。シリコーンレジン粉体の表面にポリシメチルオ
ルガノシロキサンが担持した状態となり、熱可塑性樹脂
の均一に分散する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高い摺動性が要求
される樹脂成形部品に適用される熱可塑性樹脂組成物お
よびこの熱可塑性樹脂組成物を用いることにより高い摺
動性を有した摺動部品に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹
脂、塩化ビニル系樹脂およびポリカーボネート系樹脂の
熱可塑性樹脂は、それぞれの優れた特性からプラスチッ
ク成形品、フィルム、シートなどの樹脂成形部品の材料
として広く利用されている。しかしこれらの熱可塑性樹
脂は静摩擦抵抗が大きい、動摩擦抵抗が大きいまたは自
己潤滑性が低いといった低摺動性の欠点を有していた。
これらの摺動性を改良する目的で特開平4−18566
2号公報、特開平6−256632号公報、特開平2−
91158号公報、特公平5−70243号公報では、
これらの樹脂に高粘度ジメチルシリコーンオイルを添加
することがなされている。これにより静摩擦抵抗あるい
は動摩擦抵抗が低下して、摺動性が向上されている。
【0003】
【発明が解決しよとする課題】しかしながら、ポリエス
テル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂お
よびポリカーボネート系樹脂などの熱可塑性樹脂に対し
ては高粘度ジメチルシリコーンオイルが溶解しにくいた
めに、熱可塑性樹脂内で高粘度ジメチルシリコーンオイ
ル相が生じて不均一に分散する。このため熱可塑性樹脂
成形品の表面での摺動性が高い部分と低い部分が生じ、
全体的には期待するように摺動性を向上できるものでは
なかった。
【0004】また溶解しにくいために高粘度ジメチルシ
リコーンオイルが熱可塑性樹脂成形品表面へと移行し易
い。この表面移行性が高いことにより高粘度ジメチルシ
リコーンオイルの添加量が極少量でも初期的には高い摺
動性を示す利点があるが、経時的には高粘度ジメチルシ
リコーンオイルが表面から抜け出てしまうので摺動性向
上の効果が消失する問題を有していた。さらに熱可塑性
樹脂成形品の表面から抜け出た高粘度ジメチルシリコー
ンオイルが熱可塑性樹脂成形品が摺動する相手部材に付
着したり、周辺雰囲気に飛散して周辺部品に付着して汚
損する問題も有していた。
【0005】本発明は、このような従来の問題点を考慮
してなされたものあり、初期的にも、経時的にも高い摺
動性を有する熱可塑性樹脂組成物およびこの熱可塑性樹
脂組成物を用いた摺動部品を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の熱可塑性樹脂組
成物は、流動粘度が300,000cSt以上あるいは
平均分子量が100,000以上である高粘度ポリジメ
チルオルガノシロキサンオイルと、平均粒径0.5μm
以上10μm以下のシリコーンレジン粉体と、熱可塑性
樹脂と、からなり、熱可塑性樹脂組成物100重量部あ
たり、ポリジメチルオルガノシロキサンオイルを0.5
重量部以上3.0重量部以下、シリコーンレジンを0.
5重量部以上3.0重量部以下、その他を熱可塑性樹脂
としたことを特徴とする。
【0007】本発明で使用する熱可塑性樹脂は、溶解度
パラメーターが9.0以上11.0以下であり、この樹
脂としては例えばポリエチレンテレフタレート系樹脂、
ポリブチレンテレフタレート系樹脂のようなポリエステ
ル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂およ
び低分子量芳香族ポリカーボネート樹脂のようなポリカ
ーボネート系樹脂を選択することができる。本発明で
は、これらの熱可塑性樹脂に対しては、必要に応じてガ
ラスビーズ、ガラスフレークの様な充填材あるいは酸化
防止剤、難燃剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、カーボン
ブラック、着色剤、可塑剤或いは弾性を有する熱可塑性
有機材料等の添加材を配合することができる。
【0008】本発明における高粘度ジメチルシリコーン
オイルはポリジメチルオルガノシロキサンに分類される
有機珪素系化合物であり、その中でも特に、上述したよ
うに流動粘度が300,000cSt以上であるか、ま
たは平均分子量が100,000以上のものである。こ
れは、流動粘度が300,000cStに満たない、あ
るいは平均分子量が100,000に満たない場合、つ
まり、低粘度のポリジメチルオルガノシロキサンオイル
を含む熱可塑性樹脂組成物によって摺動部品を成形する
と、ポリジメチルオルガノシロキサンオイルが表面から
抜け出てしまい、摺動性を向上する効果が消失するため
である。
【0009】ここでポリジメチルオルガノシロキサン
は、下記する式1で表されるブロックを有する有機珪素
系化合物の内で常温で流動性、チクソトロピック性また
はガム性状を有するものである。
【0010】
【化1】
【0011】シリコーンレジンとは、末端にシラノール
基を残したオルガノポリシロキサン類を重合して架橋さ
せた三次元網状構造を有した高分子重合体である。末端
にシラノール基を残したオルガノポリシロキサン類は、
下記する式2で表現されるオルガノハロシラン類を加水
分解してオルガノシラノール類を得、さらにこのオルガ
ノシラノール類を脱水縮合することで作製される。 R4-n SiXn …式2 (式中、Rはメチル基又はフェニル基、Xはハロゲン、
nは1〜4の自然数である。)
【0012】高粘度ジメチルシリコーンオイルを単体で
前記熱可塑性樹脂に添加する場合にいては、高粘度ジメ
チルシリコーンオイルと熱可塑性樹脂との溶解度パラメ
ーターの差が大きいため、高粘度ジメチルシリコーンオ
イルが熱可塑性樹脂に溶解しにくい。このため熱可塑性
樹脂内部に溶解しなかった高粘度ジメチルシリコーンオ
イルの分離相が生じ、熱可塑性樹脂内部における高粘度
ジメチルシリコーンオイルの濃度が不均一になる。そし
て高粘度ジメチルシリコーンオイルの濃度が低い部分で
は摺動性の向上効果が得られなくなるため、全体として
は期待されるほど摺動性が向上しない。
【0013】これに対し本発明では、高粘度ジメチルシ
リコーンオイルを表面に担持可能なシリコーンレジン粉
体と高粘度ジメチルシリコーンオイルとを遊星式混練
機、ボールミル、スクリュー式攪拌機などで均一に混練
しペースト状混合物を得る。次にこのペースト状混合物
を熱可塑性樹脂に混練及び溶融する。これによりジメチ
ルシリコーンオイルを表面に担持したシリコーンレジン
粉体の相が微小な粒子状相となって熱可塑性樹脂内部に
均一に分散される。このため高い摺動性を保持した熱可
塑性樹脂組成物を得ることができる。
【0014】またシリコーンレジン粉体は熱可塑性樹脂
組成物内に固定されることから、シリコーンレジン部粉
体の表面に担持されているジメチルシリコーンオイルが
成形部品表面へと抜け出ることを抑制できる。これによ
ってジメチルシリコーンオイルが抜け出して消失するこ
とによる熱可塑性樹脂組成物の摺動性の劣化を防止で
き、高粘度ジメチルシリコーンオイルが熱可塑性樹脂成
形品の対摺動物に付着したり周辺雰囲気に飛散して周辺
部品に付着して汚損することもなくなる。
【0015】しかしこのジメチルシリコーンオイルとシ
リコーンレジン粉体の添加量が上記範囲量より小さい場
合は充分に高い摺動性が得られないことは当然である
が、逆に添加量が上記範囲より大きくなった場合には熱
可塑性樹脂組成物の材料強度を著しく損なうことにな
る。
【0016】このような本発明では、経時的に安定した
高い摺動性を有し周辺を汚損することのない熱可塑性樹
脂組成物及びその摺動部品を得られる。また、熱可塑性
樹脂組成物を構成するシリコーンレジン粉末の平均粒径
を0.5μm以上10μm以下としたのは、平均粒径が
0.5μmに満たないような極微小径の場合にはその製
造が困難なために全体的にコスト高になるとともに、平
均粒径が10μmを越えるような場合、成形性が低下し
て実用的でないからである。
【0017】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)熱可塑性樹脂として、カーボン繊維強
化ポリカーボネートである商品名「パンライトBP73
30」(帝人(株)製)を97重量部、高粘度ジメチル
シリコーンオイルとして、流動粘度が100万cStで
ある商品名「SH200」(東レ・ダウコーニング・シ
リコーン(株)製)を1重量部、シリコーンレジン粉体
として、平均粒径3μmを有した商品名「トレフィルR
−902」(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)
製)を2重量部によって熱可塑性樹脂組成物100重量
部とし試験片を作成した。
【0018】すなわち、まず高粘度ジメチルシリコーン
オイルであるSH200とシリコーンレジン粉体である
トレフィルR−902とを遊星式液体攪拌装置MS−S
NB350(松尾産業(株)製)によって、1時間程度
攪拌を行いペースト状の混合物とした。このペースト状
混合物とポリカーボネートであるBP7330とをSU
S(ステンレス)タンク中でスクリュー式攪拌機によっ
て10分間混練した。次にタンク中を80℃にして5時
間攪拌した後に、商品名「NEDMAT150/75
A」(住友重機械工業(株)製)の射出成形機に投入し
て長さ100mm、幅15mm、厚さ4mmの試験片を
成形した。
【0019】以上の操作によって作成した試験片に対し
て本発明の効果を確認するため、動摩擦係数の測定と耐
性試験および曲げ試験を行った。結果を表1に示す。
【0020】動摩擦係数の測定は、商品名「HEIDO
N−14」(新東科学(株)製)の表面性試験機を使用
し、以下の条件で測定した。 摩擦荷重…100g、接触子…スチールボール圧子、摩
擦速度…100mm/min
【0021】耐性試験は、試験片を清浄なガラス瓶に入
れ通気孔を作成して栓をし、このガラス瓶を温度80
℃、湿度70%RHの環境下で100時間放置し、試験
片表面の状態を観察することで行った。
【0022】曲げ試験は、「JIS K7055 ガラ
ス繊維強化プラスチックの曲げ試験方法」に準拠し、商
品名「島津オートグラフAG−2000B」((株)島
津製作所製)の万能試験機を使用して測定した。
【0023】(実施の形態2)熱可塑性樹脂として、実
施の形態1で使用したカーボン繊維強化ポリカーボネー
トである商品名「パンライトBP7330」95重量部
と、高粘度ジメチルシリコーンオイルとして、商品名
「BY16−140」(東レ・ダウコーニング・シリコ
ーン(株)製)2重量部と、シリコーンレジン粉体とし
て、実施の形態1で使用した商品名「トレフィルR−9
02」3重量部とを用いて熱可塑性樹脂組成物100重
量部とし試験片を作成した。なお、高粘度ジメチルシリ
コーンオイルはガム状の性状を呈するものである。
【0024】試験片の作成方法は、実施の形態1と同様
に行った。この試験片に対し本発明の効果を確認するた
め、動摩擦係数の測定と耐性試験および曲げ試験を行
い、その結果を表1に示す。これらの測定方法は実施の
形態1と同様に行った。
【0025】(実施の形態3)熱可塑性樹脂として、実
施の形態1で使用した商品名「パンライトBP733
0」94重量部と、高粘度ジメチルシリコーンオイルと
して、実施の形態2で使用した商品名「BY16−14
0」3重量部と、シリコーンレジン粉体として、平均粒
径2μmの商品名「シリコーンパウダーKMP−59
0」(信越化学工業(株)製)3重量部とを用いて熱可
塑性樹脂組成物100重量部とし試験片を作成した。
【0026】試験片の作成は実施の形態1と同様に行っ
た。又、この試験片に対し本発明の効果を確認するた
め、動摩擦係数の測定と耐性試験および曲げ試験を行
い、その結果を表1に示す。測定方法は実施の形態1と
同様に行った。
【0027】(実施の形態4〜6)実施の形態4では、
熱可塑性樹脂として、ポリブチレンテレフタレートであ
る商品名「ジュラネックXD499」(ポリプラスチッ
ク(株)製)、実施の形態5では、熱可塑性樹脂とし
て、ポリ塩化ビニルである商品名「アロンTS700」
(東亜合成化学(株)製)、実施の形態6では熱可塑性
樹脂として、ポリスチレンである商品名「出光スチロー
ルHT50」(出光石油化学(株)製)をそれぞれ94
重量部選択した。この熱可塑性樹脂以外の高粘度ジメチ
ルシリコーンオイル及びシリコーンレジン粉体は実施の
形態3と同一のものを、同一の組成で試験片を作成し
た。
【0028】試験片の作成方法は、実施の形態1の試験
片と同様に行った。この試験片に対し本発明の効果を確
認するため、動摩擦係数の測定と耐性試験および曲げ試
験を行い、その結果を表1に示す。測定方法は実施の形
態1と同様に行った。
【0029】(比較例1)熱可塑性樹脂として、商品名
「パンライトBP7330」99.5重量部と、高粘度
ジメチルシリコーンオイルとして、流動粘度が100万
cStである商品名「SH200」0.25重量部と、
シリコーンレジン粉体として、平均粒径3μmである商
品名「トレフィルR−902」0.25重量部とを用い
て熱可塑性樹脂組成物100重量部とし、試験片を作成
した。
【0030】試験片の作成方法は、実施の形態1と同様
に行った。この試験片に対し、実施の形態1と同様な方
法で動摩擦係数の測定と耐性試験および曲げ試験を行っ
た。結果を表1に示す。
【0031】(比較例2)熱可塑性樹脂として商品名
「パンライトBP7330」92重量部と、高粘度ジメ
チルシリコーンオイルとして流動粘度が100万cSt
である商品名「SH200」4重量部と、シリコーンレ
ジン粉体として商品名「トレフィルR−902」4重量
部とを用いて熱可塑性樹脂組成物100重量部とし、試
験片を作成した。
【0032】試験片の作成方法は、実施の形態1と同様
に行った。この試験片に対し、実施の形態1と同様の方
法で動摩擦係数の測定と耐性試験および曲げ試験を行
い、その結果を表1に示す。
【0033】(比較例3〜6)比較例3では熱可塑性樹
脂として、商品名「パンライトBP7330」を、比較
例4では熱可塑性樹脂として、商品名「ジュラネックス
XD499」を、比較例5では熱可塑性樹脂として、商
品名「アロンTS700」を、比較例6では熱可塑性樹
脂として、商品名「出光スチロールHT50」をそれぞ
れ98重量部選択し、高粘度ジメチルシリコーンオイル
として、流動粘度が100万cStである商品名「KF
96H」(信越化学工業(株)製)を2重量部用いて熱
可塑性樹脂組成物100重量部とし、試験片を作成し
た。
【0034】試験片の作成方法は、実施の形態1と同様
に行った。又、実施の形態1と同様な方法で、動摩擦係
数の測定と耐性試験および曲げ試験を行った。結果を表
1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】(実施の形態7〜10)熱可塑性樹脂とし
て実施の形態7では、カーボン繊維強化ポリカーボネー
トである商品名「パンライトBP7330」を、実施の
形態8ではポリブチレンテレフタレートである商品名
「ジェラネックスXD499(ポリプラスチック(株)
製)を、実施の形態9ではポリ塩化ビニルである商品名
「アロンTS700」(東亜合成化学(株)製)を、実
施の形態10ではポリスチレンである商品名「出光スチ
ロールHT50」(出光石油化学(株)製)をそれぞれ
97重量部選択した。これに対して、高粘度ジメチルシ
リコーンオイルとして商品名「BY16−140」(東
レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)を1重量
部、シリコーンレジン粉体として平均粒径2μmの商品
名「シリコーンパウダーKMP−590」(東レ・ダウ
コーニング・シリコーン(株)製)を2重量部を用いて
熱可塑性樹脂組成物100重量部とした。
【0037】以上の熱可塑性樹脂組成物を用いてカメラ
鏡枠を作成した。図1におけるAはこのカメラ鏡枠であ
る。カメラ鏡枠Aの作成方法は、まず高粘度のジメチル
シリコーンオイルBY16−140とシリコーンレジン
粉体E−603を商品名「MS−SNB350」(松尾
産業(株)製)の遊星式液体攪拌装置を使用して1時間
程度攪拌して混合することでペースト状の混合物とす
る。次に、このペースト状の混合物と、ポリカーボネー
トBP7330をSUSタンク中でスクリュー式攪拌機
によって10分間混練し、その後、タンク中を80℃に
して5時間攪拌した後、商品名「NEDMAT150/
75A」(住友重機械工業(株)製)からなる射出成形
機に投入して、外径35mm、筒長50mmのカメラ鏡
枠Aとするものである。なお図1において、Bはこのカ
メラ鏡枠Aの外面に形成されたガイド溝である。このカ
メラ鏡枠Aに対し本発明の効果を確認するために動摩擦
力の測定と耐性試験を行った。結果を表2に示す。
【0038】動摩擦力の測定方法は、以下のように設定
した。図1には図示していないが「通過方向」側にカメ
ラ鏡枠Aがそれぞれ連結され可動ステージ上に固定され
たデジタルトルクメーターを設置し、可動ステージが
「通過方向」へ移動することでカメラ鏡枠Aがシリコー
ンゴムからなるY型リングC内を通過させる。この時の
デジタルトルクメーターの指示値の時間平均値を動摩擦
力とした。
【0039】耐性試験は、試験片を清浄なガラス瓶に入
れ通気孔を作成した栓をし、このガラス瓶を温度80
℃、湿度70%RHの環境下で100時間放置し、試験
片の表面の状態を観察することで行った。
【0040】(比較例7〜10)比較例7〜10は実施
の形態7〜10に対する比較例である。熱可塑性樹脂と
して比較例7では商品名「パンライトBP7330」
を、比較例8では商品名ジュラネックスXD499を、
比較例9では商品名「アロンTS700」を、比較例1
0では商品名「スチロールHT50」をそれぞれ98重
量部選択し、高粘度ジメチルシリコーンオイルとして流
動粘度が100万cStである商品名「KF96H」を
2重量部用いて熱可塑性樹脂組成物100重量部とし、
図1に示すカメラ鏡枠Aを作成した。
【0041】このカメラ鏡枠の作成は実施の形態7〜1
0と同様に行い、このカメラ鏡枠Aに対する摩擦力の測
定と耐性試験を実施の形態7〜10とどうように行っ
た。結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】
【発明の効果】以上のように熱可塑性樹脂、特に溶解度
パラメーターが9.0以上11.0以下である熱可塑性
樹脂100重量部に対し、流動粘度300,000cS
t以上または分子量100,000以上の高粘度ジメチ
ルシリコーンオイル0.5重量部以上3.0重量部以下
と平均粒径0.5μm以上10μm以下のシリコーンレ
ジン粉体の0.5重量部以上3.0重量部以下を加えた
熱可塑性樹脂組成物およびその摺動部品は、ジメチルシ
リコーンオイルとシリコーンレジン粉体の混合相が熱可
塑性樹脂中に均一に分散されることにより安定して優れ
た摺動効果を有し、しかも経時的にも樹脂表面へのジメ
チルシリコーンオイルの抜け出しがなく、これにより清
浄でしかも周辺部品を汚損することがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カメラ鏡枠の斜視図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流動粘度が300,000cSt以上あ
    るいは平均分子量が100,000以上である高粘度ポ
    リジメチルオルガノシロキサンオイルと、 平均粒径0.5μm以上10μm以下のシリコーンレジ
    ン粉体と、 熱可塑性樹脂と、 からなる熱可塑性樹脂組成物において、 熱可塑性樹脂組成物100重量部あたり、ポリジメチル
    オルガノシロキサンオイルを0.5重量部以上3.0重
    量部以下、シリコーンレジンを0.5重量部以上3.0
    重量部以下、その他を熱可塑性樹脂としたことを特徴と
    する熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性樹脂の溶解度パラメーター
    が9.0以上11.0以下であることを特徴とする請求
    項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 流動粘度が300,000cSt以上あ
    るいは平均分子量が100,000以上である高粘度ポ
    リジメチルオルガノシロキサンオイルと、 平均粒径0.5μm以上10μm以下のシリコーンレジ
    ン粉体と、 熱可塑性樹脂と、 からなる熱可塑性樹脂組成物を材料とする摺動部品にお
    いて、 熱可塑性樹脂組成物100重量部あたり、ポリジメチル
    オルガノシロキサンオイルを0.5重量部以上3.0重
    量部以下、シリコーンレジンを0.5重量部以上3.0
    重量部以下、その他を熱可塑性樹脂としたことを特徴と
    する摺動部品。
  4. 【請求項4】 前記熱可塑性樹脂の溶解度パラメーター
    が9.0以上11.0以下であることを特徴とする請求
    項3記載の摺動部品。
JP8291796A 1996-04-04 1996-04-04 熱可塑性樹脂組成物および摺動部品 Withdrawn JPH09272804A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7070903B2 (en) 2001-04-27 2006-07-04 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Coating formulation for printing plate precursor, printing plate precursor, printing press, fabrication process of printing plate, and regeneration process of printing plate

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7070903B2 (en) 2001-04-27 2006-07-04 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Coating formulation for printing plate precursor, printing plate precursor, printing press, fabrication process of printing plate, and regeneration process of printing plate

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