JPH09272344A

JPH09272344A - 電気自動車用バッテリトレイ

Info

Publication number: JPH09272344A
Application number: JP8082706A
Authority: JP
Inventors: Toyohiko Eto; 豊彦江藤
Original assignee: Toyota Motor Corp
Current assignee: Toyota Motor Corp
Priority date: 1996-04-04
Filing date: 1996-04-04
Publication date: 1997-10-21

Abstract

(57)【要約】【課題】バッテリトレイの形状が冷却風送風方向に直
交する寸法が狭い小幅部と、これより広い大幅部を有す
るような、複雑な形状の場合でも、納められている個々
のバッテリに均一に冷却風を導き、むらなく冷却を行
う。【解決手段】バッテリトレイ１０の下部に、各バッテ
リの下部に冷却風を導くエアギャラリ２０を設ける。エ
アギャラリ２０は、大幅部１６の小幅部１４より突出し
た部分に冷却風を導く導風路３０を有している。これに
よって、各バッテリの下部に均一に冷却風が導かれ、十
分に冷却されないバッテリを無くすことができる。した
がって、加熱によるバッテリの劣化を抑制することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、電気自動車のバッ
テリを納めるバッテリトレイに関し、特に前記バッテリ
を冷却するための構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】電気自動車は、その電源として複数のバ
ッテリを搭載している。これらのバッテリは、充電時や
高出力時には発熱する。この発熱は、バッテリの性能低
下を招くので、風を送って、冷却する技術が知られてい
る（特開平５−１９３３７０号公報）。

【０００３】また、電気自動車は現状その航続距離を確
保するために、多数のバッテリを搭載する必要がある。
電気自動車を、従来の内燃機関により駆動される車両と
同等の形状・寸法とすると、従来の燃料タンクの位置だ
けでは足りず、フロア下などに搭載する必要がある。前
記公報においても、この位置にバッテリを搭載する技術
が開示されており、フロアパネルのセンタトンネル内、
フロントシートとリアシートの下の部分にバッテリが搭
載されている。

【０００４】図５には、このようにバッテリを配置する
場合の、バッテリを納めるバッテリトレイ１１０が示さ
れている。図５においては、右方向が車両の前方にあた
り、トレイ１１０の前方からファン１１２によって冷却
風が送られてくる。また、バッテリトレイ１１０の形状
は、乗員の足元のスペースを確保するために、フロアの
センタトンネル内に納まる小幅部１１４と、センタトン
ネルから左右に張り出してシートの下まで延びた大幅部
１１６を有するものとなっている。すなわち、大幅部１
１６は、冷却風の送風方向に直交する方向において、小
幅部１１４より幅が広くなっている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】前述のような、バッテ
リトレイ１１０内に前方より冷却風を送る場合、冷却風
は図５の矢印Ｆで示すように流れる。このとき、大幅部
１１６の小幅部１１４より突出した部分の前方側には、
冷却風が回り込まずに空気が澱む領域１１８（澱み領
域）が発生する。この部分に配置されたバッテリは、冷
却風が当らないので、十分な冷却が行われず、過熱する
という問題があった。また、通風路が凸凹となるので、
流路抵抗が増し、風量が減少するという問題があった。

【０００６】本発明は前述の問題点を解決するためにな
されたものであり、バッテリをフロア下に配置した場合
において、バッテリの各々に十分冷却風を当てることが
でき、過熱を防止することのできる電気自動車用バッテ
リトレイを提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前述の目的を達成するた
めに、本発明にかかる電気自動車用バッテリトレイは、
車両のフロアパネル下に配置され、冷却風送風方向に直
交する寸法が狭い小幅部と、これより広い大幅部を有
し、内部にバッテリを納める電気自動車用バッテリトレ
イであって、バッテリトレイ下部に配置され、冷却風を
バッテリ下部に導くエアギャラリを有し、当該エアギャ
ラリは前記バッテリトレイの大幅部の小幅部より突出し
た部分に冷却風を導く導風路を有している。

【０００８】この構成によれば、バッテリ周辺の冷却風
の流れが下から上に流れ、冷却風の流れに対し、下流の
バッテリが十分冷却されないということがなくなる。ま
た、導風路によって、大幅部の突出した部分に冷却風を
導き、前記のバッテリ周辺の冷却風の流れを下から上と
したことと相俟って、バッテリが配置された位置に関係
なく、均一に冷却することができる。

【０００９】さらに、バッテリトレイの上部に冷却風を
抜くための風抜き穴を配し、前記エアギャラリによりバ
ッテリ下部に導かれた冷却風を上方に抜けるようにする
こともできる。

【００１０】これによって、流路抵抗を減少させて、冷
却風の良好な流れを確保することができる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明にかかるバッテリト
レイの好適な実施の形態（以下、実施形態と記す）を図
面に従って説明する。

【００１２】図１には、本実施形態のバッテリトレイ１
０の斜視図が示されており、図２には図１に示したＡ−
Ａ線のフロアパネル２２を含む断面図が示されている。
バッテリトレイ１０は、前述の従来のものと同様に、セ
ンタトンネル内に納まる小幅部１４と、シート下にも配
置される大幅部１６を有している。図２に示されるよう
に、小幅部１４の側方のくびれた部分によって、乗員の
足元のスペースが確保されている。バッテリトレイ１０
の下部には、エアギャラリ２０が配置されている。この
エアギャラリ２０は、車幅方向にくびれた部分がない。
すなわち、ファン１２から冷却風を導くダクト２４の接
続部位から徐々に幅が広がり、フロントシート２６下の
大幅部１６ａまでに、この大幅部１６ａの幅とほぼ等し
い幅まで広がる。そして、その後はほぼ同一の幅でリア
シート２８下の大幅部１６ｂまで延びている。したがっ
て、大幅部１６の突出した部分に冷却風を導く、導風路
３０が形成されることになる。このエアギャラリ２０に
よって、バッテリトレイ１０内に納められた各バッテリ
３２の下方に冷却風を導くことができる。

【００１３】また、バッテリトレイ１０の上面には、冷
却風を抜く風抜き穴３４が適所に配置され、エアギャラ
リ２０によりバッテリ３２の下方に導かれた冷却風が上
方に抜けるようにしている。これにより、個々のバッテ
リ３２にまんべんなく冷却風があたる。

【００１４】前述のように、バッテリ３２は充電時や高
負荷時には発熱する。温度センサ（不図示）が、バッテ
リ３２の温度が所定温度以上となったことを検出する
と、ファン１２が送風を開始する。ファン１２から送り
出された冷却風は、徐々に広がる扇形のダクト２４によ
り、エアギャラリ２０の先端に導かれる。ダクト２４の
端部、すなわちエアギャラリ２０との接続部分での幅
は、小幅部１４ａの幅より広くなっている。これによっ
て、冷却風が小幅部１４ａの下方にのみに導かれること
を防止して、大幅部１６の突出部分にも冷却風が十分導
かれる。

【００１５】エアギャラリ２０の先端は、ダクト２４の
扇形に続いて徐々に広がった形状となっており、これに
よって大幅部１６の左右の端部に十分に冷却風が導かれ
る。小幅部１４ａの下方に導かれた冷却風の一部は、エ
アギャラリ２０の上面に設けられた通風孔からバッテリ
３２の側方またはバッテリ３２のセルの間に設けられた
通気路を通って、風抜き穴３４より上方に抜ける。小幅
部１４ａより上方に抜けなかった冷却風は、車両長手方
向に沿って後方に流れ、大幅部１６ａ，１６ｂのセンタ
トンネル内の部分または小幅部１４ｂを通って上方に抜
ける。

【００１６】また、ダクト２４から続く導風路３０ａに
よって大幅部１６ａの下方に導かれた冷却風の一部は、
通風孔３６を通ってバッテリ３２の側方などを抜け、さ
らに風抜き穴３４を通って上方に抜ける。大幅部１６ａ
の下方に導かれた冷却風の一部は、さらに導風路３０ｂ
内を後方に流れ、後方の大幅部１６ｂの下方に導かれ
る。そして、ここから通風孔３６を通り、バッテリ３２
の側方などを流れ、上方に抜ける。このように導風路３
０によって、冷却風の流れをスムースなものとなり、冷
却風が澱む部分がなくなり、個々のバッテリ３２に均等
に冷却風が導かれる。

【００１７】図３には、前述の実施形態と異なる形状の
エアギャラリの導風路４０が示されている。バッテリを
納める部分の形状は、前述の実施形態の形状と同一であ
る。エアギャラリ先端から前方の大幅部１６ａの突出部
分に冷却風を導く導風路４０ａは、断面積がほとんど変
化しない管形状を有している。また、その幅は大幅部１
６ａの幅全体にわたるものではない。しかしながら、冷
却風の回り込まない澱み領域がごく小さければ、実用上
ほとんど問題ない。また、図示するようにエアギャラリ
の形状にやや凹凸があっても小さければ、澱み領域は生
じない場合もある。後方の大幅部１６ｂの突出部分に冷
却風を導く導風路４０ｂは、矩形断面の管形状である。
図１に示す実施形態のように、乗員の足元スペースに対
応する部分全体にわたって、導風路が設けられてはいな
い。前方の導風路４０ａと同様、大幅部１６ｂの幅全体
にわたって冷却風を導く構造とはなっていないが、実質
的には澱み部分は生じない。

【００１８】図４には、さらに形状の異なるエアギャラ
リの導風路５０が示されている。前方の導風路５０ａ
は、図１に示す導風路３０ａとほぼ同様の形状である。
一方、後方の導風路５０ｂの形状は、図１および図３の
ように、大幅部１６ａ，１６ｂを連絡するものではな
く、小幅部１４ａの下方を抜けてきた冷却風を左右に広
げて大幅部１６ｂの突出部分に導く形状となっている。
また、冷却風を十分に左右に広げるために、導風板５２
がエアギャラリ内に配置されている。

【００１９】図３および図４に示すように、導風路の形
状は適宜選択することができ、冷却風が導かれない澱み
領域が実質的に形成されないように配置されれば良い。

【００２０】以上の実施形態において、小幅部１４ａ，
１４ｂはその幅がほぼ等しく、また大幅部１６ａ，１６
ｂも幅が等しい場合について説明したが、これに限るも
のではなく、車両の他の構成部材との関連において適宜
変更されることが可能である。

【００２１】

【発明の効果】本発明によれば、導風路によって、大幅
部の突出した部分に冷却風を導き、バッテリ周辺の冷却
風の流れを下から上としたことと相俟って、バッテリが
配置された位置に関係なく、均一にこれを冷却すること
ができる。また、バッテリトレイの上方に冷却風の風抜
き穴を設けることによって、よりスムースに冷却風を流
すことができ、より効果的に冷却することができる。よ
って、バッテリの性能劣化を抑えることができ、バッテ
リの寿命が延びる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかるバッテリトレイの好適な実施
の形態を示す斜視図である。

【図２】図１に示すバッテリトレイおよび車体の一部
ののＡ−Ａ線断面図である。

【図３】エアギャラリの他の形状を示す図である。

【図４】エアギャラリのさらに他の形状を示す図であ
る。

【図５】従来のバッテリトレイを示す斜視図である。

【符号の説明】

１０バッテリトレイ、１２ファン、１４小幅部、
１６大幅部、２０エアギャラリ、３０，４０，５０
導風路、３２バッテリ、３４風抜き穴、５２導風
板。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】車両のフロアパネル下に配置され、冷却
風送風方向に直交する寸法が狭い小幅部と、これより広
い大幅部を有し、内部にバッテリを納める電気自動車用
バッテリトレイであって、バッテリトレイ下部に配置され、冷却風をバッテリ下部
に導くエアギャラリを有し、当該エアギャラリは前記バ
ッテリトレイの大幅部の小幅部より突出した部分に冷却
風を導く導風路を有している、電気自動車用バッテリト
レイ。
【請求項２】請求項１に記載のバッテリトレイであっ
て、その上部に冷却風を抜くための風抜き穴を配し、前
記エアギャラリによりバッテリ下部に導かれた冷却風を
上方に抜けるようにした、電気自動車用バッテリトレ
イ。