JPH09271943A - パルスアーク溶接のアーク長制御方法及び装置 - Google Patents

パルスアーク溶接のアーク長制御方法及び装置

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JPH09271943A
JPH09271943A JP11025996A JP11025996A JPH09271943A JP H09271943 A JPH09271943 A JP H09271943A JP 11025996 A JP11025996 A JP 11025996A JP 11025996 A JP11025996 A JP 11025996A JP H09271943 A JPH09271943 A JP H09271943A
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welding
voltage
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JP11025996A
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Toshiro Uesono
敏郎 上園
Toshiaki Nakamata
利昭 中俣
Kougun Dou
紅軍 仝
Tsuneo Takeda
恒雄 武田
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Daihen Corp
Original Assignee
Daihen Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 アーク長の変動に対してアーク長制御の応答
性を向上させる。 【解決手段】 ディジタル信号Vddの検出電圧値を積算
して、その値の積算電圧ディジタル信号Vi を出力する
検出電圧積算回路VIと、積算電圧ディジタル信号Vi
の平均溶接電圧値を算出し、その値の平均溶接電圧信号
Va(n-1)を出力する平均溶接電圧値演算回路VAと、平
均溶接電圧信号Va(n-1)の平均溶接電圧値と溶接電圧設
定信号Vs の溶接電圧設定値Vs とから次回のベース期
間Tbnを算出し、その値のベース期間制御信号Tbnを出
力するベース期間算出回路TBとから成り、通電指令信
号が終了するまで、設定したピーク期間に、設定したピ
ーク電流値の電流を通電し、設定した回数のパルス周期
ごとに算出したベース期間に、設定したベース電流値の
電流を通電するパルスアーク溶接装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、消耗電極(以下、
ワイヤという)を定速度送給し、パルス電流を通電して
アーク長を制御するパルスアークのアーク長制御方法及
び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本発明は、パルスアーク溶接機のアーク
長制御を高速に行ない、溶接作業者の手振れによるチッ
プ、母材間距離の変化その他外乱によってアーク長が変
化したときに、アークの安定の向上をはかる制御方法及
び装置に関する発明である。
【0003】図1は、従来技術の溶接装置が出力する溶
接電流の制御方式を説明する図である。ワイヤは、定速
度送給されているので、アーク長を制御するためには、
溶接電流の平均値を制御してワイヤ溶融速度を増減させ
ている。パルスアーク溶接の溶接電流は、ピーク電流値
Ipの電流とベース電流値Ibの電流とを、それぞれピ
ーク期間Tpとベース期間Tbとの周期で、交互に繰り
返し通電する。
【0004】図1の溶接装置は、パルス周波数fを増減
させることによって、溶接電流の平均値を変化させてワ
イヤ溶融速度を増減させている。同図(A)は、パルス
周波数f=f1 が、同図(B)のパルス周波数f=f2
よりも大であるので、溶接電流の平均値Ia=Ia1が同
図(B)の溶接電流の平均値Ia=Ia2よりも小にな
り、ワイヤ溶融速度が大きい。なお、同図(A)及び同
図(B)のパルスの周期Tは、それぞれT1 =1/f1
及びT2 =1/f2である。
【0006】従来から、アークを安定にするために、パ
ルス周波数f、パルス幅(ピーク期間)Tp、ピーク電
流値Ip又はベース電流値Ibを制御することによって
アーク長制御が行われている。
【0008】以下、ピーク電流値Ipの設定値及びベー
ス電流値Ibの設定値を一定にした定電流特性の溶接電
源を使用したパルスアーク溶接において、パルス周波数
fを制御して溶接電流を変化させる従来技術のアーク長
制御方法及び装置について説明する。
【0010】図2は、アーク長制御を考慮しないで、ピ
ーク電流値Ip、ベース電流値Ib、ピーク期間Tp及
びベース期間Tbのパルス電流を周期的に繰り返して通
電して溶接したときに、溶接電圧V、溶接電流I及び平
均アーク長Lの関係を示す図である。以下、図2を参照
して、段差を通過させたとき、従来技術のアーク長制御
方法について説明する。定電流特性の電流を通電してい
るので、段差を通過した前後で、溶接電流値は変化しな
い。段差を通過した後も、定電圧特性の溶接電源のよう
に電源の特性から直接に出力電流が値が変化しないため
に、ワイヤの溶融速度も変化しない。したがって、アー
ク長は、段差の変化前のアーク長L1から段差の変化後
のアーク長L2まで、段差の高さだけ変化する。このと
き、溶接電圧の平均値Va(以下、平均溶接電圧値とい
う)は、段差変化前の平均溶接電圧値Va1から段差変化
後の平均溶接電圧値Va2に上昇するので、平均溶接電圧
値Vaは、アーク長の変化を示すパラメータとして使用
されている。
【0012】そこで、従来技術は、後述する図3に示す
ように、溶接電圧の瞬時値を検出して平滑した検出電圧
平滑信号Vdaと、アーク長に対応する溶接電圧値が設定
された溶接電圧設定信号Vs とを比較して、その差の設
定・検出電圧比較信号Cm2によって、パルス数fを制御
してワイヤ溶融速度を変化させ、設定した溶接電圧値と
検出した溶接電圧値とが等しくなるように制御してい
る。
【0014】図3は、パルス電流を通電して、パルス周
波数を制御することによってアーク長制御をする従来の
パルスアーク溶接装置のブロック図である。以下、図3
を参照して、従来の溶接装置のアーク長制御方法につい
て説明する。同図において、パルス溶接電源PSは、商
用電源ACを入力して溶接用電力をワイヤ1と被溶接物
2に出力する。ワイヤ送給速度設定回路WSは、設定し
たワイヤ送給速度のワイヤ送給速度設定信号Ws をワイ
ヤ送給モータWMに出力する。
【0016】溶接電圧瞬時値検出回路VDは、溶接電圧
の瞬時値を検出して溶接電圧瞬時値検出信号Vd を出力
する。検出電圧平滑回路VDAは、溶接電圧の瞬時値を
平滑して検出電圧平滑信号Vdaを出力する。溶接電圧設
定回路VSは、溶接電圧設定信号Vs を出力する。設定
・検出電圧比較回路CM2は、検出電圧平滑信号Vdaと
溶接電圧設定信号Vs とを入力として、設定・検出電圧
比較信号Cm2を出力する。
【0018】電圧・周波数変換回路VFは、設定・検出
電圧比較信号Cm2を入力して、パルス周波数fに対応し
た周波数制御信号Vf を出力する。パルス幅設定回路T
Pは、設定したパルス幅のパルス幅設定信号Tp を出力
する。パルス周波数・幅制御回路DFは、周波数制御信
号Vf 及びパルス幅設定信号Tp を入力して、周波数制
御信号Vf のパルス周波数に同期して、設定したパルス
幅のパルス周波数・幅制御信号Df を出力する。
【0020】ベース電流値設定回路IBSは、ベース電
流値設定信号Ibsを出力し、ピーク電流値設定回路IP
Sは、ピーク電流値設定信号Ipsを出力する。ピーク・
ベース電流値切換回路SW1は、ピーク電流値設定信号
Ipsとベース電流値設定信号Ibsとを切換えて、ピーク
・ベース電流値切換信号Sw1を出力する。このピーク・
ベース電流値切換信号Sw1は、後述する図4の経過時間
tに示すように、パルス周波数・幅制御信号Df の周波
数に同期して、ピーク期間Tpのときはパルス電流値設
定信号Ipsを出力し、ベース期間Tb のときはベース電
流値設定信号Ibsを出力する。
【0022】設定・検出電流比較回路CM1は、溶接電
流検出信号Id とピーク・ベース値電流切換信号Sw1と
を入力して、その差の溶接電流制御信号Cm1を出力し
て、例えばPWM制御のインバータ回路を含むパルス溶
接電源PSに出力して溶接電流値を制御する。
【0024】溶接条件は、次の回路で設定する。溶接電
圧設定回路VSは出力(アーク)電圧を設定し、パルス
幅設定回路TPはパルス幅を設定し、ピーク電流値設定
回路IPSはピーク電流値を設定し、ベース電流値設定
回路IBSはベース電流値を設定する。
【0026】図4は、図3に示す従来の溶接装置の各動
作信号と経過時間tとの関係を示す図である。同図
(A)は溶接電圧瞬時値検出信号Vd を示し、同図
(B)は検出電圧平滑信号Vda及び溶接電圧設定信号V
s を示し、同図(C)は周波数制御信号Vf を示し、同
図(D)はパルス周波数・幅制御信号Df を示す。同図
(E)は、パルス周波数・幅制御信号Df を入力したピ
ーク・ベース電流値切換回路SW1から出力されるピー
ク・ベース電流値切換信号Sw1を示す。同図(F)は、
溶接電流検出信号Id を示す。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来のアーク長
制御方法は、以下の問題がある。アーク長の変動に対し
てアーク長制御の応答性を向上させるために、従来のア
ナログ信号のフィードバック制御回路を使用した溶接装
置においては、溶接電圧瞬時値検出信号Vd を直接又は
平滑を小さくして設定・検出電圧比較回路CM2に入力
てフィードバック制御するとハンチングが生じる。そこ
で、溶接電圧瞬時値検出信号Vd をアナログの平滑回路
によってハンチングをしない程度に平滑してフィードバ
ックいる。
【0031】図5は、溶接中の経過時間tの時刻t1
で、アークが段差のある位置を通過したとき、アーク長
に対応した平均溶接電圧値Va、平均溶接電流値Ia及
び平均アーク長Laの変化を示す図である。同図(A)
は、溶接中の経過時間tの時刻t1で、段差のある位置
を通過したとき、パルス電流波形に対応した溶接電圧の
瞬時値及びアーク長に対応した平均溶接電圧値Vaの変
化の応答性を示す図であり、同図(B)は、制御された
パルス周波数f(ピーク電流Ipの通電周期T)の時間
的変化を示す図であり、同図(C)は、平均アーク長L
aの変化の応答性を示す図である。
【0032】溶接中の経過時間tの時刻t1で、段差の
ある位置を通過したとき、同図(C)に示すように、ア
ーク長が段差変化前のアーク長L1から段差変化後のア
ーク長L2に変化するので、前述した図3の溶接装置の
動作によって、周波数制御信号Vf がパルス周波数fを
減少させるので、同図(B)に示すように、パルス電流
のピーク電流Ipの通電周期T=1/fが長くなって、
平均溶接電流値Iaが徐々に低下して、同図(C)に示
すように、平均アーク長Laが徐々に短くなって、時刻
t5で、段差変化前のアーク長L1に復帰する。
【0033】このように、従来のアナログ信号のフィー
ドバック制御回路を使用した溶接装置では、溶接電圧瞬
時値検出信号Vd をアナログの平滑回路によってハンチ
ングをしない程度に平滑しているために、段差のある位
置を通過した直後のアーク長L2が、段差変化前のアー
ク長L1に復帰するまでの時間が長くなり応答性が優れ
ていない。
【0034】図6は、従来のアーク長制御によって溶接
をしてアークが段差を通過したときの溶接ビード外観の
変化状態を示す図である。同図に示すように、段差通過
後にアーク長が長くなって、被溶接物がアーク熱を受け
る範囲が広くなってビード幅Wが広がる。このときに、
従来の装置では、アーク長Laを速やかに復帰させるこ
とができないので、広いビード幅の部分が長くなる。そ
の結果、従来の装置では、溶接ビード幅Wが広がる期間
が長くなって溶け込み形状の変化が大きくなって溶接結
果の均一性が低下する。
【0040】
【課題を解決するための手段】本発明のパルスアーク溶
接のアーク長制御方法は、溶接電圧の瞬時値を検出して
平滑しないで、パルス電流の1周期又は短周期ごとに平
均電圧値を計算し、設定された溶接電圧の設定値と比較
し、その比較値によって、次の周期のベース期間を制御
して、アーク長が変動したときハンチングを生じない
で、高速にアーク長を復帰させるアーク長制御方法及び
装置である。
【0041】請求項1のパルスアーク溶接のアーク長制
御方法は、溶接電圧の瞬時値を検出して平滑しないで、
パルス電流の設定した1周期又は短周期ごとに平均電圧
値を計算し、設定された溶接電圧設定値と比較し、その
比較値によって、次の周期のベース期間を制御して、ア
ーク長が変動したときアーク長を復帰させるパルスアー
ク溶接のアーク長制御方法である。
【0042】請求項2のパルスアーク溶接のアーク長制
御方法は、溶接中のピーク期間Tp及びベース期間Tb
が設定したピーク期間Tp及び算出したベース期間Tb
(n-1)に達したかどうかを判別して、ピーク期間Tpに
達していないときは、設定したピーク電流値Ipの値を
出力して達するまで繰り返し、設定したピーク期間Tp
に達していたときは、設定したベース電流値Ibの値を
出力し、算出したベース期間Tbに達していないときは
ベース電流値Ibの値を出力して達するまで繰り返し、
達したときは次の周期終了判別ステップを実行する周期
終了判別ステップと、パルス周期の1周期が終了したと
き、検出電圧値Vddを積算した積算電圧値Vi から、そ
の周期の平均溶接電圧値Va(n-1)を算出し、その平均溶
接電圧値Va(n-1)と溶接電圧設定値Vs とから、その周
期のベース期間を算出して次回の周期のベース期間Tbn
とするベース期間演算ステップとから成り、通電指令信
号が終了するまで、設定したピーク期間に、設定したピ
ーク電流値の電流を通電し、設定した回数のパルス周期
ごとに算出したベース期間に、設定したベース電流値の
電流を通電するパルスアーク溶接のアーク長制御方法で
ある。
【0043】請求項3のパルスアーク溶接のアーク長制
御方法は、溶接中のピーク期間Tpが設定したピーク期
間Tpの設定値に達したかどうかを判別して、ピーク期
間Tpに達していないときは、設定したピーク電流値I
pの値を出力して達するまで繰り返し、設定したピーク
期間Tpに達していたときは、設定したベース電流値I
bの値を出力するピーク期間終了判別ステップと、ベー
ス期間Tbが、算出したベース期間Tb(n-1)に達したか
どうかを判別し、ピーク期間Tpに達していないとき
は、ベース電流値Ibの値を出力して達するまで繰り返
ベース期間終了判別ステップと、算出したベース期間T
b(n-1)に達してパルス周期の1周期が終了したとき、検
出電圧値Vddを積算した積算電圧値Vi から、その周期
の平均溶接電圧値Va(n-1)を算出する平均溶接電圧値演
算ステップと、平均溶接電圧値Va(n-1)と溶接電圧設定
値Vs との差電圧及び前回の周期のベース期間Tb(n-1)
から、次回の周期のベース期間Tbnを算出するベース期
間演算ステップとから成り、通電指令信号が終了するま
で、設定したピーク期間に、設定したピーク電流値の電
流を通電し、設定した回数のパルス周期ごとに算出した
ベース期間に、設定したベース電流値の電流を通電する
パルスアーク溶接のアーク長制御方法である。
【0044】請求項4のパルスアーク溶接のアーク長制
御方法は、ピーク期間(パルス幅)Tp、ピーク電流値
Ip及びベース電流値Ibを設定する初期設定ステップ
と、溶接中のピーク期間Tpが設定したピーク期間Tp
に達したかどうかを判別して、ピーク期間Tpに達して
いないときは、ピーク電流値Ipの値を出力して達する
まで繰り返し、設定したピーク期間Tpに達していたと
きは、ベース電流値Ibの値を出力するピーク期間終了
判別ステップと、検出電圧値Vddを積算して積算電圧値
Vi を記憶する検出電圧積算ステップと、ベース期間T
bが、算出したベース期間Tb(n-1)に達したかどうかを
判別し、ピーク期間Tpに達していないときは、ベース
電流値Ibの値を出力して達するまで繰り返すベース期
間終了判別ステップと、算出したベース期間Tb(n-1)に
達してパルス周期の1周期が終了したとき、検出電圧値
Vddを積算した積算電圧値Vi から、その周期の平均溶
接電圧値Va(n-1)を算出する平均溶接電圧値演算ステッ
プと、平均溶接電圧値Va(n-1)と溶接電圧設定値Vs と
から、その差の平均・設定差電圧値e(n-1) を算出する
平均・設定差電圧値演算ステップと、平均・設定差電圧
値e(n-1) を、ベース期間の変化率を算出する関数Fに
代入し、その周期のベース期間Tb(n-1)と乗算して算出
し、次回の周期のベース期間Tbnとするベース期間演算
ステップとから成り、通電指令信号が終了するまで、設
定したピーク期間に、設定したピーク電流値の電流を通
電し、設定した回数のパルス周期ごとに算出したベース
期間に、設定したベース電流値の電流を通電するパルス
アーク溶接のアーク長制御方法である。
【0045】請求項5のパルスアーク溶接のアーク長制
御方法は、ピーク期間(パルス幅)Tp、ピーク電流値
Ip及びベース電流値Ibを設定し、ピーク期間カウン
ト値Tpcとベース期間カウント値Tbcと検出電圧ディジ
タル信号Vddの積分電圧値Viとをリセットする初期設
定ステップと、クロック信号Ck の周期ごとに制御割込
みの有無を判別する制御割込み判別ステップと、溶接中
のピーク期間Tpに入力されるクロック信号Ck の回数
をカウントし、カウントした(n−1)回目のピーク期
間のカウント値Tpcが、設定したピーク期間Tpのカウ
ント回数に達したかどうかを判別して、ピーク期間のカ
ウント値Tpcが、設定したピーク期間Tpのカウント回
数に達していないときは、ピーク電流値Ipの値を制御
電流ディジタル信号Icdの値として、達するまで繰り返
し、ピーク期間のカウント値Tpcが、設定したピーク期
間Tpに達していたときは、ベース電流値Ibの値を制
御電流ディジタル信号Icdの値とするピーク期間終了判
別ステップと、ピーク電流値Ipの値とした制御電流デ
ィジタル信号Icdを出力する制御電流出力ステップと、
クロック信号Ck ごとに、検出電圧値Vddを読み込み、
(n−1)回目の周期中のm番目のクロック信号Ck の
ときにサンプリングした検出電圧値Vdd=Vmを、1回
前の(m−1)番目までに積算した積算電圧値に加算し
て積算電圧値Vi を記憶する検出電圧積算ステップと、
カウントしたベース期間のカウント値Tbcが、算出した
ベース期間Tb(n-1)のカウント回数に達したかどうかを
判別し、ベース期間のカウント値Tbcが、算出したベー
ス期間Tb(n-1)のカウント値に達していないときは、達
するまで繰り返すベース期間終了判別ステップと、ベー
ス期間のカウント値Tbcが、算出したベース期間Tb(n-
1)のカウント値に達してパルス周期の1周期が終了した
とき、積算電圧値Vi を、サンプリング個数mで除算し
て、その周期の平均溶接電圧値Va(n-1)を算出する平均
溶接電圧値演算ステップと、平均溶接電圧値Va(n-1)と
溶接電圧設定値Vs とを引算し、その差の平均・設定差
電圧値e(n-1) を算出する平均・設定差電圧値演算ステ
ップと、平均・設定差電圧値e(n-1) を、ベース期間の
変化率を算出する関数Fに代入し、その周期のベース期
間Tb(n-1)と乗算して算出し、その算出したベース期間
を次回の周期のベース期間Tbnとするベース期間演算ス
テップと、ピーク期間カウント値Tpcとベース期間カウ
ント値Tbcと検出電圧ディジタル信号Vddを積分した積
分電圧Viとをリセットするカウント値リセットステッ
プとから成り、通電指令信号が終了するまで、設定した
ピーク期間に、設定したピーク電流値の電流を通電し、
設定した回数のパルス周期ごとに算出したベース期間
に、設定したベース電流値の電流を通電するパルスアー
ク溶接のアーク長制御方法である。
【0046】請求項6の溶接装置は、設定電圧ディジタ
ル信号Vsdと設定された時間間隔で検出された検出電圧
ディジタル信号Vddとを入力して、その設定された時間
間隔ごとに、差の信号から演算したベース期間Tbを算
出して、その算出したベース期間Tbに相当するベース
期間制御信号Tbnを出力するベース期間演算回路TBN
と、設定されたパルス幅のピーク期間Tp に設定され
たピーク電流Ipを出力し、算出されたベース期間Tb
に、設定されたベース電流Ibを出力するピーク期間設
定・ベース期間制御回路TPBとから成り、通電指令信
号が終了するまで、設定したピーク期間に、設定したピ
ーク電流値の電流を通電し、設定した回数のパルス周期
ごとに算出したベース期間に、設定したベース電流値の
電流を通電するパルスアーク溶接装置である。
【0047】請求項7の溶接装置は、設定電圧ディジタ
ル信号Vsdと設定された時間間隔で検出された検出電圧
ディジタル信号Vddとを入力して、その設定された時間
間隔ごとに、差の信号から演算したベース期間Tbを算
出して、その算出したベース期間Tbに相当するベース
期間制御信号Tbnを出力するベース期間演算回路TBN
と、設定されたピーク期間Tpに、ピーク電流Ipを通
電させるパルス幅設定信号Tp を出力し、算出されたベ
ース期間Tbに、ベース期間信号Tbnを出力するピーク
期間設定・ベース期間制御回路TPBと、パルス幅設定
信号Tp を入力して設定されたピーク期間Tpに設定さ
れたピーク電流値設定信号Ipsを出力し、次に、演算さ
れたベース期間制御信号Tbnを入力して、そのベース期
間制御信号Tbnに対応したベース期間Tbnにベース電流
値設定信号Ibsを出力するピーク・ベース電流値制御回
路IPB回路と、制御電流ディジタル信号Icdを入力し
て制御電流アナログ信号Icaを出力する溶接電流ディジ
タル/アナログ変換回路DA1と、溶接電流検出信号I
d と制御電流アナログ信号Icaとを入力して、その差の
溶接電流制御信号Cm1をパルス溶接電源PSに出力して
溶接電流値を制御する設定・検出電流比較回路CM1と
から成り、通電指令信号が終了するまで、設定したピー
ク期間に、設定したピーク電流値の電流を通電し、設定
した回数のパルス周期ごとに算出したベース期間に、設
定したベース電流値の電流を通電するパルスアーク溶接
装置である。
【0048】請求項8の溶接装置は、請求項7のベース
期間演算回路TBNが、 検出電圧ディジタル信号Vdd
の検出電圧値を積算して、その値の積算電圧ディジタル
信号Vi を出力する検出電圧積算回路VIと、積算電圧
ディジタル信号Vi の平均溶接電圧値を算出し、その値
の平均溶接電圧信号Va(n-1)を出力する平均溶接電圧値
演算回路VAと、平均溶接電圧信号Va(n-1)の平均溶接
電圧値と溶接電圧設定信号Vs の溶接電圧設定値Vs と
から次回のベース期間Tbnを算出し、その値のベース期
間制御信号Tbnを出力するベース期間算出回路TBとか
ら成るパルスアーク溶接装置である。
【0049】請求項9の溶接装置は、請求項7のベース
期間演算回路TBNが、検出電圧ディジタル信号Vddの
検出電圧値を積算して、その値の積算電圧ディジタル信
号Vi を出力する検出電圧積算回路VIと、積算電圧デ
ィジタル信号Vi の平均溶接電圧値を算出し、その値の
平均溶接電圧信号Va(n-1)を出力する平均溶接電圧値演
算回路VAと、平均溶接電圧信号Va(n-1)の平均溶接電
圧値と溶接電圧設定信号Vs の溶接電圧設定値Vs とを
引算し、その値の平均・設定差電圧信号e(n-1) を出力
する平均・設定差電圧値演算回路VEと、平均・設定差
電圧信号e(n-1) の値の平均・設定差電圧値を、ベース
期間の変化率を算出する関数Fに代入して、次回のベー
ス期間Tbnを算出し、その値のベース期間制御信号Tbn
を出力するベース期間算出回路TBとから成るパルスア
ーク溶接装置である。
【0050】請求項10の溶接装置は、請求項7のベー
ス期間演算回路TBNが、クロック信号Ck ごとに読み
込んだ検出電圧ディジタル信号Vddの検出電圧値を積算
して積算電圧値Vi を算出し、その値の積算電圧ディジ
タル信号Vi を出力する検出電圧積算回路VIと、ベー
ス期間完了信号Tbkが入力されたときに積算電圧ディジ
タル信号Vi を入力して、その積算電圧値Vi を積算し
た個数mで除算して平均溶接電圧値Va(n-1)を算出し、
その値の平均溶接電圧信号Va(n-1)を出力する平均溶接
電圧値演回路VAと、平均溶接電圧信号Va(n-1)と溶接
電圧設定信号Vs とを入力して、それらの値の平均溶接
電圧値Va(n-1)と溶接電圧設定値Vs とを引算してその
差の平均・設定差電圧値e(n-1) =Va(n-1)−Vs を算
出し、その値の平均・設定差電圧信号e(n-1) を出力す
る平均・設定差電圧値演算回路VEと、平均・設定差電
圧信号e(n-1) を入力して、その値の平均・設定差電圧
値e(n-1) を、ベース期間の変化率を算出する関数Fに
代入して前回の周期のベース期間Tb(n-1)と乗算し、次
回のベース期間Tbn=Tb(n-1)*F(e(n-1) )を算出
し、その値のベース期間制御信号Tbnを出力するベース
期間算出回路TBとから成るパルスアーク溶接装置であ
る。
【0051】
【発明の実施の形態】図7は、本発明のパルスアーク溶
接のアーク長制御方法を実施する溶接装置の実施例のブ
ロック図である。本発明のアーク長制御方法と従来のア
ーク長制御方法との相違は、つぎのとおりである。
【0052】前述した従来のアーク長制御方法は、アナ
ログ信号のフィードバック制御回路を使用し、溶接電圧
の瞬時値を検出して平滑した検出電圧平滑信号Vdaと、
アーク長に対応する溶接電圧値が設定された溶接電圧設
定信号Vs とを比較して、その差の設定・検出電圧比較
信号Cm2によってパルス数fを増減させ、平均溶接電流
値Iaを変化させて、アーク長を制御している。
【0053】上記の従来技術に対して、本発明のパルス
アーク溶接のアーク長制御方法は、ピーク・ベース電流
制御回路ICの機能を実行するソフトウェアの制御回路
又はハードウエアの制御回路を使用して、溶接電圧の瞬
時値を検出して平滑しないで、パルス電流の1周期又は
短周期ごとに平均電圧値を計算し、設定された溶接電圧
の設定値と比較して、その比較値によって、次の周期の
ベース期間を算出してベース期間を増減させ、平均溶接
電流値Iaを変化させて、アーク長を制御している。以
下、図3と異なる回路について説明する。
【0054】溶接電圧瞬時値検出回路VDは、溶接電圧
の瞬時値を検出して溶接電圧瞬時値検出信号Vd を出力
する。検出電圧アナログ/ディジタル変換回路(以下、
A/D変換回路という)AD1は、溶接電圧瞬時値検出
信号Vd を入力して検出電圧ディジタル信号Vddを出力
する。設定電圧A/D変換回路AD2は、溶接電圧設定
信号Vs を入力して設定電圧ディジタル信号Vsdを出力
する。
【0055】ピーク・ベース電流制御回路ICは、この
回路ICの機能を実行するソフトウェアの制御回路又は
ハードウエアの制御回路で構成される。ソフトウェアの
制御回路の機能は、図8及び図9に示すフローチャート
(1/2)及び(2/2)の手順で実行される。また、
ハードウエアの制御回路は、後述する図13及び図14
に示す回路で構成される。図13に示すハードウエアの
制御回路は、ベース期間演算回路TBNとピーク期間設
定・ベース期間制御回路TPB及びピーク・ベース電流
値制御回路IPB回路で構成される。
【0056】ベース期間演算回路TBNは、設定電圧デ
ィジタル信号Vsdと設定された時間間隔で検出された検
出電圧ディジタル信号Vddとを入力して、その設定され
た時間間隔ごとに、差の信号に対応した(差の信号から
演算した)ベース期間Tbを算出して、その算出したベ
ース期間Tbに相当するベース期間制御信号Tbnを出力
する。
【0057】ピーク期間設定・ベース期間制御回路TP
Bは、設定されたピーク期間Tpに、ピーク電流Ipを
通電させるパルス幅設定信号Tp を出力し、算出された
ベース期間Tbに、ベース電流Ibを通電させるベース
期間信号Tbnを出力する。
【0058】ピーク・ベース電流値制御回路IPB回路
は、パルス幅設定信号Tp を入力して設定されたピーク
期間Tpに設定されたピーク電流値設定信号Ipsを出力
し、次に、演算されたベース期間制御信号Tbnを入力し
て、そのベース期間制御信号Tbnに対応したベース期間
Tbnにベース電流値設定信号Ibsを出力する。
【0059】溶接電流ディジタル/アナログ変換回路
(以下、D/A変換回路という)DA1は、制御電流デ
ィジタル制御信号Icdを入力して制御電流アナログ信号
Icaを出力する。
【0060】設定・検出電流比較回路CM1は、溶接電
流検出信号Id と制御電流アナログ信号Icaとを入力し
て、その差の溶接電流制御信号Cm1を出力して、例えば
PWM制御のインバータ回路を含むパルス溶接電源PS
に出力して溶接電流値を出力する。
【0061】
【実施例】図8及び図9は、図7の本発明のアーク長制
御方法を実施する溶接装置のブロック図において、ピー
ク・ベース電流制御回路ICの機能をソフトウェアで実
行するフローチャート(1/2)及び(2/2)であ
る。以下、図8及び図9を参照して、溶接開始後のパル
ス周期の「(n−1)回目の周期からn回目の周期ま
で」の動作にしたがって、本発明のパルスアーク溶接の
アーク長制御方法について説明する。 (1)初期設定ステップ(ST1) a.ピーク期間(パルス幅)Tp、ピーク電流値Ip及
びベース電流値Ibを設定する。 b.ピーク期間カウンタTPCのカウント値Tpc(以
下、ピーク期間カウント値Tpcという)及びベース期間
カウンタTBCのカウント値Tbc(以下、ベース期間カ
ウント値Tbcという)と検出電圧ディジタル信号Vddの
積分した電圧Viのリセットを行なう。 c.制御割込みタイマの出力信号(以下、クロック信号
Ck という)の周期を100μs に設定する。これらの
設定は、溶接開始前に行う動作である。なお、ベース期
間Tbは、後述するステップで算出する。
【0062】以下、溶接開始後の動作について説明す
る。 (2)制御割込み判別ステップ(ST2) クロック信号Ck の100μs になるまで期間待ちを
し、制御割込みの有無を判別する。以下のディジタル回
路は、このタイミングごとに動作する。
【0063】(3)ピーク期間終了判別ステップ(ST
3) a.ピーク期間カウンタTPCは、溶接開始後の通電指
令信号が継続している溶接中において、ピーク期間Tp
に入力されるクロック信号Ck の回数をカウントし、カ
ウントした(n−1)回目のピーク期間のカウント値T
pcが、設定したピーク期間Tpの設定回数に達したかど
うかを判別する。 b.ピーク期間のカウント値Tpcが、設定したピーク期
間Tpの回数に達していないときは、ピーク電流値Ip
の値を制御電流ディジタル信号Icdの値とする。 c.ピーク期間カウント値Tpcを1だけインクリメント
(加算)する。
【0064】(4)制御電流ディジタル信号出力ステッ
プ(ST4) ピーク電流値Ipの値とした制御電流ディジタル信号I
cdを、制御電流D/A変換回路DA1に出力する。
【0065】(5)検出電圧ディジタル信号の積算ステ
ップ(ST5) a.クロック信号Ck ごとに、検出電圧ディジタル信号
Vddを、検出電圧A/D変換回路AD1から読込む。説
明の時点では、(n−1)回目の周期中のクロック信号
Ck 、例えばm番目のクロック信号Ck のときにサンプ
リングした検出電圧ディジタル信号Vddである。 b.上記の タイミングのm番目のクロック信号Ck の
ときにサンプリングした検出電圧ディジタル信号Vdd=
Vm を、1回前の(m−1)番目までに積算した積算電
圧ディジタル信号V1 +V2 +…+V(m-1) に加算し、
加算した積算電圧ディジタル信号Vi を記憶する。積算
電圧ディジタル信号Vi は、Vi =(V1 +V2 +…+
V(m-1) )+Vmとなる。
【0066】(6)ベース期間終了判別ステップ(ST
6) a.前述した(3)のピーク期間終了判別ステップにお
いて、ピーク期間のカウント値Tpcが、設定したピーク
期間Tpに達していたときは、ベース電流値Ibの値を
制御電流ディジタル信号Icdの値とする。 b.ベース期間カウント値Tbcを1だけインクリメント
する。 c.ベース期間カウンタTBCは、溶接中のベース期間
Tbに入力されるクロック信号Ck の回数をカウント
し、カウントした(n−1)回目のベース期間のカウン
ト値Tbcが、後述する算出したベース期間Tbnの設定回
数に達したかどうかを判別する。 d.ピーク期間のカウント値Tpcが、設定したピーク期
間Tpに達した後に、ベース期間のカウント値Tbcが、
後述する算出したベース期間Tbnの設定回数に達してい
ないときは、達するまで、上記の(2)乃至(5)のス
テップを繰り返す。 e.ピーク期間のカウント値Tpcが、設定したピーク期
間Tpに達した後に、ベース期間のカウント値Tbcが、
後述する算出したベース期間Tbの設定回数に達したと
きは、溶接開始後のパルス周期の(n−1)回目の周期
が終了したので、次のn回目の周期のベース期間Tbを
算出するステップ(ST7)を実行する。
【0068】(7)n回目の周期のベース期間Tbの算
出ステップ(ST7) a.溶接開始後のパルス周期の(n−1)回目の周期が
終了したときは、上記の(6)のステップで積算してお
いた(n−1)回目の周期の積算電圧ディジタル信号V
i を、サンプリング個数m、[ただし、m=(Tpc+T
bc)/100μs]で除算して、(n−1)回目の周期
の平均溶接電圧値Va(n-1)を算出する。この(n−1)
回目の周期の平均溶接電圧値は、Va(n-1)=Vi/mで
ある。 b.この平均溶接電圧値Va(n-1)と溶接電圧設定値Vs
とを引算し、その差の平均・設定差電圧値e(n-1) を算
出する。この(n−1)回目の周期の平均・設定差電圧
値は、e(n-1) =Va(n-1)−Vsdである。 c.この平均・設定差電圧値e(n-1) を、ベース期間の
変化率を算出する関数Fに代入し、溶接開始後のパルス
周期の(n−1)回目の周期のベース期間Tb(n-1)と乗
算する。この算出したTbnを、次回のn周期目のベース
期間Tbとして採用する。このn回目の周期のベース期
間は、Tbn=Tb(n-1)*F(e(n-1) )である。
【0070】(8)カウント値のリセットステップ ピーク期間カウント値Tpc及びベース期間カウント値T
bcと検出電圧ディジタル信号Vddを積分した積分電圧V
iのリセットを行なう。 (9)制御停止の判定ステップ 通電指令信号が停止の場合は終了し、それ以外のとき
は、前述した(2)のステップに戻る。
【0072】図10は、溶接開始後のパルス周期の(n
−1)回目の周期の平均溶接電圧値Va(n-1)及び(n−
1)回目の周期のベース期間Tb(n-1)を算出する手順の
一部を示す図である。同図において、溶接開始後のパル
ス周期のn周期目のベース期間Tbnは、その1周期前の
(n−1)回目の周期の平均溶接電圧値Va(n-1)と設定
電圧ディジタル信号Vsdとの差の平均・設定差電圧値e
(n-1) をベース期間の変化率を算出する関数Fに代入し
て算出したF(e)となる。次のn周期目のベース期間
Tbnは、その算出したF(e)と(n−1)回目の周期
のベース期間Tb(n-1)とを乗算して算出する。このn周
期目のベース期間Tbnは、Tbn=Tb(n-1)*F(e(n-
1) )である。(n−1)回目の周期の平均溶接電圧値
Va(n-1)は、図11に示す点Vad1 ・・・ Vadm のと
なり、設定られたクロック信号の周期(100μ)でサ
ンプリングし、それら積算して、積算した積算電圧ディ
ジタル信号Vi をサンプリンク個数mで除算して算出す
る。
【0074】図11は、ベース期間の変化率を算出する
関数Fの特性を示す図である。関数Fは、1周期前の
(n−1)回目の周期の平均溶接電圧値Va(n-1)と設定
電圧ディジタル信号Vsdとの差の平均・設定差電圧値e
(n-1) を変数とする関数であり、ワイヤの種類、ワイヤ
径、ガスの種類等によって異なる。
【0076】図12は、本発明の溶接装置が出力する溶
接電流の制御方式を説明する図である。同図の溶接装置
は、ベース期間Tbnを増減させることによって、溶接電
流の平均値を変化させてワイヤ溶融速度を増減させてい
る。同図(A)は、ベース期間Tbn=Tb1 が、同図
(B)のベース期間Tbn=Tb2 よりも大であるので、溶
接電流の平均値Ia=Ia1が同図(B)の溶接電流の平
均値Ia=Ia2よりも大になり、ワイヤ溶融速度が大き
くなる。
【0080】このハードウエアの制御回路は、ベース期
間演算回路TBNとピーク期間設定・ベース期間制御回
路TPBとピーク・ベース電流値制御回路IPB回路と
から構成され、各回路の動作は、次のとおりである。
【0081】ベース期間演算回路TBNの実施例は、後
述する図14で説明する。
【0082】ピーク期間設定・ベース期間制御回路TP
Bは、設定されたピーク期間Tpに、ピーク電流Ipを
通電させるパルス幅設定信号Tp を出力し、算出された
ベース期間Tbnに、ベース電流Ibを通電させるベース
期間制御信号Tbnを出力する。
【0083】以下、図13を参照してピーク期間設定・
ベース期間制御回路TPBについて説明する。クロック
信号発生回路CKは、例えば、100μs の周期のクロ
ック信号Ckを発生する。後述する各ディジタル回路
は、このタイミングごとに動作する。回路AND1は、
溶接開始の通電指令信号Tsが入力されている間、クロ
ック信号Ck を出力する。
【0084】最初に、ピーク期間カウンタTPCのピー
ク期間カウント値Tpc及びベース期間カウンタTBCの
ベース期間カウント値Tbcと後述する検出電圧ディジタ
ル信号Vddの積分電圧Viとをリセットする。
【0085】ピーク期間カウンタTPCは、ピーク期間
Tpに入力されるクロック信号Ckの回数をカウント
し、カウントしたパルス周期のピーク期間カウント値T
pcが、設定したピーク期間Tpのサンプリング回数に達
したかどうかを判別する。ピーク期間カウント値Tpc
が、設定したピーク期間Tpの回数に達していないとき
は、ピーク期間カウント信号Tpcを出力し、ピーク期間
カウント値Tpcを1だけインクリメント(加算)する。
【0086】ピーク期間のカウント値Tpcが、設定した
ピーク期間Tpに達していたときは、ピーク期間カウン
ト完了信号Tpkを出力し、ベース期間カウント値Tbcを
1だけインクリメントする。
【0087】ベース期間カウンタTBCは、溶接中のパ
ルス周期のベース期間Tbに入力されるクロック信号C
k の回数をカウントし、カウントしたパルス周期のベー
ス期間カウント値Tbcが、後述する算出したベース期間
Tbnの算出回数に達したかどうかを判別する。ベース期
間カウント値Tbcが、算出したピーク期間Tbnに達して
いないときは、ベース期間カウント信号Tbcを出力し、
ベース期間カウント値Tbcを1だけインクリメント(加
算)する。
【0088】ベース期間カウント値Tbcが、算出したベ
ース期間Tbnに達していたときは、ベース期間カウント
完了信号Tbkを出力し、またピーク期間カウンタTPC
とベース期間カウンタTBCと後述する検出電圧積算回
路VIとをリセットする。以上で、溶接開始後のパルス
周期の(n−1)回目の周期が終了したので、次のn回
目のパルス周期の動作を繰り返す。
【0090】ピーク・ベース電流値制御回路IPB回路
は、パルス幅設定信号Tp を入力して設定されたピーク
期間Tpに設定されたピーク電流値設定信号Ipsを出力
し、次に、算出されたベース期間制御信号Tbnを入力し
て、そのベース期間制御信号Tbnに対応したベース期間
Tbnにベース電流値設定信号Ibsを出力する。このピー
ク・ベース電流値制御回路IPBは、ピーク電流値記憶
回路IPMとベース電流値記憶回路IBMと電流ディジ
タル信号出力回路ICDとから構成され、各回路の動作
は、次のとおりである。
【0091】ピーク電流値記憶回路IPMは、設定され
たピーク電流値Ipを記憶して、ピーク期間のカウント
信号Tpcが入力されるごとに、ピーク電流値信号Ipsを
制御電流ディジタル信号出力回路ICDに出力する。ベ
ース電流値記憶回路IBMは、設定されたベース電流値
Ibを記憶して、ベース期間のカウント信号Tbcが入力
されるごとに、ベース電流値信号Ibsを制御電流ディジ
タル信号出力回路ICDに出力する。
【0092】制御電流ディジタル信号出力回路ICD
は、ピーク電流値Ips又はベース電流値Ibsの制御電流
ディジタル信号Icdを、制御電流D/A変換回路DA1
に出力する。上記の構成から成る装置によって、通電指
令信号が終了するまで、設定したピーク期間に、設定し
たピーク電流値の電流を通電し、算出したベース期間
に、設定したベース電流値の電流を通電してパルスアー
ク溶接のアーク長制御をする。
【0093】図14は、図13のベース期間演算回路T
BNの実施例を示す図である。同図において、ベース期
間演算回路TBNは、設定電圧ディジタル信号Vsdと設
定された時間間隔で検出された検出電圧ディジタル信号
Vddとを入力して、その設定された時間間隔ごとに、差
の信号に対応した(差の信号から演算した)ベース期間
Tbを算出して、その算出したベース期間Tbに相当す
るベース期間制御信号Tbnを出力する。
【0094】検出電圧積算回路VIは、検出電圧ディジ
タル信号Vddを入力し、(n−1)回目の周期のm番目
のクロック信号Ck のときにサンプリングした検出電圧
ディジタル信号Vddの電圧値Vm を、1回前の(m−
1)番目までに積算した積算電圧値V1 +V2 +…+V
(m-1) に加算し、その加算した積算電圧値Vi の積算電
圧ディジタル信号Vi を出力する。
【0095】平均・設定差電圧値演算回路VEは、ベー
ス期間完了信号Tbkが入力されたとき、(n−1)回目
の周期の積算電圧ディジタル信号Vi の積算電圧値Vi
を、サンプリング個数m、[ただし、m=(Tpc+Tb
c)/100μs ]で除算して(n−1)回目の周期の
平均溶接電圧値Va(n-1)=Vi/mを算出し、その算出
した値の平均溶接電圧信号Va(n-1)を出力する。
【0096】平均・設定差電圧値演算回路VEは、平均
溶接電圧信号Va(n-1)と溶接電圧設定信号Vs とを入力
して、(n−1)回目の周期の平均溶接電圧値Va(n-1)
と溶接電圧設定値Vs とを引算し、その差の平均・設定
差電圧値e(n-1) =Va(n-1)−Vs を算出し、その算出
した値の平均・設定差電圧信号をe(n-1) 出力する。
【0097】ベース期間演算回路TBNは、平均・設定
差電圧信号e(n-1) を入力して、その値の平均・設定差
電圧値e(n-1) を、ベース期間の変化率を算出する関数
Fに代入して前回の周期のベース期間Tb(n-1)と乗算
し、次回のベース期間Tbn=Tb(n-1)*F(e(n-1) )
を算出し、その値のベース期間制御信号Tbnを出力す
る。
【0100】
【本発明の効果】図15は、溶接中の経過時間tの時刻
t1で、アークが段差のある位置を通過したとき、アー
ク長に対応した平均溶接電圧値Va、平均溶接電流値I
a及び平均アーク長の変化Laを示す図である。同図
(A)は、溶接中の経過時間tの時刻t1で、アークが
段差のある位置を通過したとき、パルス電流波形に対応
した溶接電圧の瞬時値及びアーク長に対応した平均溶接
電圧値Vaの変化の応答性を示す図であり、同図(B)
は、制御されたベース期間Tbの時間的変化を示す図で
あり、同図(C)は、平均アーク長Laの変化の応答性
を示す図である。
【0101】溶接中の経過時間tの時刻t1で、アーク
が段差のある位置を通過したとき、同図(C)に示すよ
うに、アーク長が段差変化前のアーク長L1から段差変
化後のアーク長L2に変化するので、前述した図8及び
図9又は図13及び図14の溶接装置の動作によって、
ベース期間制御信号Tbnによってベース期間Tbを増加
させるので、同図(B)に示すように、平均溶接電流値
Iaが急激に低下して、同図(C)に示すように、平均
アーク長Laが速やかに短くなって、時刻t3で、段差
変化前のアーク長L1に復帰する。
【0102】図16は、本発明のアーク長制御によって
溶接をしてアークが段差を通過したときの溶接ビード外
観の変化状態を示す図である。同図に示すように、段差
通過後に、一時的に、アーク長が長くなって、被溶接物
がアーク熱を受ける範囲が広くなってビード幅Wが広が
る。しかし、このときに、本発明の方法及び装置では、
図6の従来の装置よりも短時間でアーク長Laを速やか
に復帰させることができるので、広いビード幅の部分が
短くなる。その結果、本発明の方法及び装置では、溶接
ビード幅Wが広がる期間がわずかで、溶け込み形状の変
化がほとんどなく、溶接結果の均一性が維持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、従来技術の溶接装置が出力する溶接電
流の制御方式を説明する図である。
【図2】図2は、アーク長制御を考慮しないで、ピーク
電流値Ip、ベース電流値Ib、ピーク期間Tp及びベ
ース期間Tbのパルス電流を周期的に繰り返して通電し
て溶接したときに、溶接電圧V、溶接電流I及びアーク
長Lの関係を示す図である。
【図3】図3は、パルス電流を通電して、パルス周波数
を制御することによってアーク長制御をする従来のパル
スアーク溶接装置のブロック図である。
【図4】図4は、図3に示す従来の溶接装置の各動作信
号と経過時間tとの関係を示す図である。
【図5】図5は、溶接中の経過時間tの時刻t1で、ア
ークが段差のある位置を通過したとき、アーク長に対応
した平均溶接電圧値Va、平均溶接電流値Ia及び平均
アーク長Laの変化を示す図である。
【図6】図6は、従来のアーク長制御によって溶接をし
てアークが段差を通過したときの溶接ビード外観の変化
状態を示す図である。
【図7】図7は、本発明のパルスアーク溶接のアーク長
制御方法を実施する溶接装置の実施例のブロック図であ
る。
【図8】図8は、図7の本発明のアーク長制御方法を実
施する溶接装置のブロック図において、ピーク・ベース
電流制御回路ICの機能をソフトウェアで実行するフロ
ーチャート(1/2)である。
【図9】図9は、図7の本発明のアーク長制御方法を実
施する溶接装置のブロック図において、ピーク・ベース
電流制御回路ICの機能をソフトウェアで実行するフロ
ーチャート(2/2)である。
【図10】図10は、溶接開始後のパルス周期の(n−
1)回目の周期の平均溶接電圧値Va(n-1)及び(n−
1)回目の周期のベース期間Tb(n-1)を算出する手順の
一部を示す図である。
【図11】図11は、ベース期間の変化率を算出する関
数Fの特性をを示す図である。
【図12】図12は、本発明の溶接装置が出力する溶接
電流の制御方式を説明する図である。
【図13】図13は、本発明のアーク長制御方法を実施
する溶接装置のブロック図のピーク・ベース電流制御回
路ICを、ハードウエアで構成した制御回路である。
【図14】図14は、図12のベース期間演算回路TB
Nの実施例を示す図である。
【図15】図15は、溶接中の経過時間tの時刻t1
で、アークが段差のある位置を通過したとき、アーク長
に対応した平均溶接電圧値Va、平均溶接電流値Ia及
びアーク長の変化Laを示す図である。
【図16】図16は、本発明のアーク長制御によって溶
接をしてアークが段差を通過したときの溶接ビード外観
の変化状態を示す図である。
【符号の説明】
1…ワイヤ 2…被溶接物 AC…商用電源 AD1…検出電圧A/D変換回路 AD2…設定電圧A/D変換回路 CM1…設定・検出電流比較回路 CM2…設定・検出電圧比較回路 DA1…溶接電流D/A変換回路 DF…パルス周波数・幅制御回路 F…ベース期間の変化率を算出する関数 IBS…ベース電流値設定回路 IC…ピーク・ベース電流制御回路 IPB…ピーク・ベース電流値制御回路 IPS…ピーク電流値設定回路 L1…段差変化前のアーク長 L2…段差変化後のアーク長 PS…パルス溶接電源 SW1…ピーク・ベース電流値切換回路 TB…ベース期間算出回路 TBC…ベース期間カウンタ TBN…ベース期間演算回路 TP…パルス幅設定回路 TPB…ピーク期間設定・ベース期間制御回路 TPC…ピーク期間カウンタ VA…平均溶接電圧値演算回路 VE…平均・設定差電圧値演算回路 VD…溶接電圧瞬時値検出回路 VDA…検出電圧平滑回路 VF…電圧・周波数変換回路 VI…検出電圧積算回路 WM…ワイヤ送給モータ WS…ワイヤ送給速度設定回路 Ck …クロック信号 Cm1…溶接電流制御信号 Cm2…設定・検出電圧比較信号 Df …パルス周波数・幅制御信号 e(n-1) …平均・設定差電圧信号/平均・設定差電圧値 Ia…平均溶接電流/平均溶接電流値 Ib…ベース電流/ベース電流値 Ibs…ベース電流値設定信号 Ica…制御電流アナログ信号 Icd…制御電流ディジタル信号 Id …溶接電流検出信号 Ip…ピーク電流値 Ips…ピーク電流値設定信号 ISd…溶接電流ディジタル制御信号 La…平均アーク長 m…サンプリング個数 Sw1…ピーク・ベース電流値切換信号 Tb…ベース期間 Tbc…ベース期間カウント値 Tbk…ベース期間完了信号 Tbn…n周期目のベース期間/ベース期間制御信号 Tb(n-1)…(n−1)回目の周期のベース期間 Tp…ピーク期間 Tp …パルス幅設定信号 Tpc…ピーク期間カウント値 Tpk…ピーク期間完了信号 Ts …通電指令信号 Va…平均溶接電圧/平均溶接電圧値 Va1…段差変化前の平均溶接電圧値 Va2…段差変化後の平均溶接電圧値 Va(n-1)…平均溶接電圧信号/(n−1)回目の周期の
平均溶接電圧値 Vd …溶接電圧瞬時値検出信号 Vda…検出電圧平滑信号 Vdd…検出電圧ディジタル信号/検出電圧値 Vf …周波数制御信号 Vi …積算電圧ディジタル信号/積算電圧値 Vs …溶接電圧設定信号 Vsd…設定電圧ディジタル信号 Ws …ワイヤ送給速度設定信号
フロントページの続き (72)発明者 武田 恒雄 大阪市淀川区田川2丁目1番11号 株式会 社ダイヘン内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 消耗電極にパルス電流とベース電流と繰
    り返し通電して溶接するパルスアークのアーク長制御方
    法において、溶接電圧の瞬時値を検出して平滑しない
    で、パルス電流の設定した1周期又は短周期ごとに平均
    電圧値を計算し、設定された溶接電圧設定値と比較し、
    その比較値によって、次の周期のベース期間を制御し
    て、アーク長が変動したときアーク長を復帰させるパル
    スアーク溶接のアーク長制御方法。
  2. 【請求項2】 消耗電極にパルス電流とベース電流と繰
    り返し通電して溶接するパルスアークのアーク長制御方
    法において、溶接中のピーク期間及びベース期間が設定
    したピーク期間及び算出したベース期間に達したかどう
    かを判別して、ピーク期間に達していないときは、設定
    したピーク電流値の値を出力して達するまで繰り返し、
    設定したピーク期間に達していたときは、設定したベー
    ス電流値の値を出力し、算出したベース期間に達してい
    ないときはベース電流値の値を出力して達するまで繰り
    返し、達したときは次の周期終了判別ステップを実行す
    る周期終了判別ステップと、 パルス周期の1周期が終了したとき、検出電圧値を積算
    した積算電圧値から、その周期の平均溶接電圧値を算出
    し、その平均溶接電圧値と溶接電圧設定値Vsとから、
    その周期のベース期間を算出して次回の周期のベース期
    間とするベース期間演算ステップとから成り、 通電指令信号が終了するまで、設定したピーク期間に、
    設定したピーク電流値の電流を通電し、設定した回数の
    パルス周期ごとに算出したベース期間に、設定したベー
    ス電流値の電流を通電するパルスアーク溶接のアーク長
    制御方法。
  3. 【請求項3】消耗電極にパルス電流とベース電流と繰り
    返し通電して溶接するパルスアークのアーク長制御方法
    において、溶接中のピーク期間が設定したピーク期間の
    設定値に達したかどうかを判別して、ピーク期間に達し
    ていないときは、設定したピーク電流値の値を出力して
    達するまで繰り返し、設定したピーク期間に達していた
    ときは、設定したベース電流値Ibの値を出力するピー
    ク期間終了判別ステップと、 ベース期間が、算出したベース期間に達したかどうかを
    判別し、ピーク期間に達していないときは、ベース電流
    値の値を出力して達するまで繰り返ベース期間終了判別
    ステップと、 算出したベース期間に達してパルス周期の1周期が終了
    したとき、検出電圧値を積算した積算電圧値から、その
    周期の平均溶接電圧値を算出する平均溶接電圧値演算ス
    テップと、 平均溶接電圧値と溶接電圧設定値との差電圧及び前回の
    周期のベース期間から、次回の周期のベース期間を算出
    するベース期間演算ステップとから成り、 通電指令信号が終了するまで、設定したピーク期間に、
    設定したピーク電流値の電流を通電し、設定した回数の
    パルス周期ごとに算出したベース期間に、設定したベー
    ス電流値の電流を通電するパルスアーク溶接のアーク長
    制御方法。
  4. 【請求項4】 消耗電極にパルス電流とベース電流と繰
    り返し通電して溶接するパルスアークのアーク長制御方
    法において、ピーク期間、ピーク電流値及びベース電流
    値を設定する初期設定ステップと、 溶接中のピーク期間が設定したピーク期間に達したかど
    うかを判別して、ピーク期間に達していないときは、ピ
    ーク電流値の値を出力して達するまで繰り返し、設定し
    たピーク期間に達していたときは、ベース電流値の値を
    出力するピーク期間終了判別ステップと、検出電圧値を
    積算して積算電圧値を記憶する検出電圧積算ステップ
    と、 ベース期間が、算出したベース期間に達したかどうかを
    判別し、ピーク期間に達していないときは、ベース電流
    値の値を出力して達するまで繰り返すベース期間終了判
    別ステップと、 算出したベース期間に達してパルス周期の1周期が終了
    したとき、検出電圧値を積算した積算電圧値から、その
    周期の平均溶接電圧値を算出する平均溶接電圧値演算ス
    テップと、 平均溶接電圧値と溶接電圧設定値とから、その差の平均
    ・設定差電圧値を算出する平均・設定差電圧値演算ステ
    ップと、平均・設定差電圧値を、ベース期間の変化率を
    算出する関数に代入し、その周期のベース期間と乗算し
    て算出し、次回の周期のベース期間とするベース期間演
    算ステップとから成り、 通電指令信号が終了するまで、設定したピーク期間に、
    設定したピーク電流値の電流を通電し、設定した回数の
    パルス周期ごとに算出したベース期間に、設定したベー
    ス電流値の電流を通電するパルスアーク溶接のアーク長
    制御方法。
  5. 【請求項5】 消耗電極にパルス電流とベース電流と繰
    り返し通電して溶接するパルスアーク溶接溶接装置にお
    いて、ピーク期間、ピーク電流値及びベース電流値を設
    定し、ピーク期間カウント値とベース期間カウント値と
    検出電圧ディジタル信号の積分電圧値とをリセットする
    初期設定ステップと、 クロック信号の周期ごとに制御割込みの有無を判別する
    制御割込み判別ステップと、 溶接中のピーク期間に入力されるクロック信号の回数を
    カウントし、カウントした(n−1)回目のピーク期間
    のカウント値が、設定したピーク期間のカウント回数に
    達したかどうかを判別して、ピーク期間のカウント値
    が、設定したピーク期間のカウント回数に達していない
    ときは、ピーク電流値の値を制御電流ディジタル信号の
    値として、達するまで繰り返し、ピーク期間のカウント
    値が、設定したピーク期間に達していたときは、ベース
    電流値の値を制御電流ディジタル信号の値とするピーク
    期間終了判別ステップと、 ピーク電流値の値とした制御電流ディジタル信号を出力
    する制御電流出力ステップと、 クロック信号ごとに、検出電圧値Vddを読み込み、(n
    −1)回目の周期中のm番目のクロック信号Ck のとき
    にサンプリングした検出電圧値を、1回前の(m−1)
    番目までに積算した積算電圧値に加算して積算電圧値を
    記憶する検出電圧積算ステップと、カウントしたベース
    期間のカウント値が、算出したベース期間のカウント回
    数に達したかどうかを判別し、ベース期間のカウント値
    が、算出したベース期間のカウント値に達していないと
    きは、達するまで繰り返すベース期間終了判別ステップ
    と、 ベース期間のカウント値が、算出したベース期間のカウ
    ント値に達してパルス周期の1周期が終了したとき、積
    算電圧値を、サンプリング個数mで除算して、その周期
    の平均溶接電圧値を算出する平均溶接電圧値演算ステッ
    プと、 平均溶接電圧値と溶接電圧設定値とを引算し、その差の
    平均・設定差電圧値を算出する平均・設定差電圧値演算
    ステップと、平均・設定差電圧値を、ベース期間の変化
    率を算出する関数に代入し、その周期のベース期間と乗
    算して算出し、その算出したベース期間を次回の周期の
    ベース期間とするベース期間演算ステップと、 ピーク期間カウント値とベース期間カウント値と検出電
    圧ディジタル信号を積分した積分電圧とをリセットする
    カウント値リセットステップとから成り、 通電指令信号が終了するまで、設定したピーク期間に、
    設定したピーク電流値の電流を通電し、設定した回数の
    パルス周期ごとに算出したベース期間に、設定したベー
    ス電流値の電流を通電するパルスアーク溶接のアーク長
    制御方法。
  6. 【請求項6】 消耗電極にパルス電流とベース電流と繰
    り返し通電して溶接するパルスアーク溶接装置におい
    て、設定電圧ディジタル信号と設定された時間間隔で検
    出された検出電圧ディジタル信号とを入力して、その設
    定された時間間隔ごとに、差の信号から演算したベース
    期間を算出して、その算出したベース期間に相当するベ
    ース期間制御信号を出力するベース期間演算回路と、 設定されたパルス幅のピーク期間に設定されたピーク電
    流を出力し、算出されたベース期間に、設定されたベー
    ス電流を出力するピーク期間設定・ベース期間制御回路
    とから成り、 通電指令信号が終了するまで、設定したピーク期間に、
    設定したピーク電流値の電流を通電し、設定した回数の
    パルス周期ごとに算出したベース期間に、設定したベー
    ス電流値の電流を通電するパルスアーク溶接装置。
  7. 【請求項7】 消耗電極にパルス電流とベース電流と繰
    り返し通電して溶接するパルスアーク溶接装置におい
    て、設定電圧ディジタル信号と設定された時間間隔で検
    出された検出電圧ディジタル信号とを入力して、その設
    定された時間間隔ごとに、差の信号から演算したベース
    期間を算出して、その算出したベース期間に相当するベ
    ース期間制御信号を出力するベース期間演算回路と、 設定されたピーク期間に、ピーク電流を通電させるパル
    ス幅設定信号を出力し、算出されたベース期間に、ベー
    ス期間信号を出力するピーク期間設定・ベース期間制御
    回路と、 パルス幅設定信号を入力して設定されたピーク期間に設
    定されたピーク電流値設定信号を出力し、次に、演算さ
    れたベース期間制御信号を入力して、そのベース期間制
    御信号に対応したベース期間にベース電流値設定信号を
    出力するピーク・ベース電流値制御回路回路と、 制御電流ディジタル信号を入力して制御電流アナログ信
    号を出力する溶接電流ディジタル/アナログ変換回路
    と、 溶接電流検出信号と制御電流アナログ信号とを入力し
    て、その差の溶接電流制御信号をパルス溶接電源に出力
    して溶接電流値を制御する設定・検出電流比較回路とか
    ら成り、通電指令信号が終了するまで、設定したピーク
    期間に、設定したピーク電流値の電流を通電し、設定し
    た回数のパルス周期ごとに算出したベース期間に、設定
    したベース電流値の電流を通電するパルスアーク溶接装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項7のベース期間演算回路が、検出
    電圧ディジタル信号の検出電圧値を積算して、その値の
    積算電圧ディジタル信号を出力する検出電圧積算回路
    と、 積算電圧ディジタル信号の平均溶接電圧値を算出し、そ
    の値の平均溶接電圧信号を出力する平均溶接電圧値演算
    回路と、 平均溶接電圧信号の平均溶接電圧値と溶接電圧設定信号
    の溶接電圧設定値とから次回のベース期間を算出し、そ
    の値のベース期間制御信号を出力するベース期間算出回
    路とから成るパルスアーク溶接装置。
  9. 【請求項9】 請求項7のベース期間演算回路が、検出
    電圧ディジタル信号の検出電圧値を積算して、その値の
    積算電圧ディジタル信号を出力する検出電圧積算回路
    と、 積算電圧ディジタル信号の平均溶接電圧値を算出し、そ
    の値の平均溶接電圧信号を出力する平均溶接電圧値演算
    回路と、 平均溶接電圧信号の平均溶接電圧値と溶接電圧設定信号
    の溶接電圧設定値とを引算し、その値の平均・設定差電
    圧信号を出力する平均・設定差電圧値演算回路と、 平均・設定差電圧信号の値の平均・設定差電圧値を、ベ
    ース期間の変化率を算出する関数に代入して、次回のベ
    ース期間を算出し、その値のベース期間制御信号を出力
    するベース期間算出回路とから成るパルスアーク溶接装
    置。
  10. 【請求項10】 請求項7のベース期間演算回路が、ク
    ロック信号ごとに読み込んだ検出電圧ディジタル信号の
    検出電圧値を積算して積算電圧値を算出し、その値の積
    算電圧ディジタル信号を出力する検出電圧積算回路と、 ベース期間完了信号が入力されたときに積算電圧ディジ
    タル信号を入力して、その積算電圧値を積算した個数m
    で除算して平均溶接電圧値を算出し、その値の平均溶接
    電圧信号を出力する平均溶接電圧値演回路と、 平均溶接電圧信号と溶接電圧設定信号を入力して、それ
    らの値の平均溶接電圧値と溶接電圧設定値とを引算して
    その差の平均・設定差電圧値を算出し、その値の平均・
    設定差電圧信号を出力する平均・設定差電圧値演算回路
    と、 平均・設定差電圧信号を入力して、その値の平均・設定
    差電圧値を、ベース期間の変化率を算出する関数に代入
    して前回の周期のベース期間と乗算し、次回のベース期
    間を算出し、その値のベース期間制御信号を出力するベ
    ース期間算出回路とから成るパルスアーク溶接装置。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11216568A (ja) * 1998-01-30 1999-08-10 Daihen Corp 消耗電極パルスアーク溶接のアーク長制御方法
KR100506854B1 (ko) * 2002-08-30 2005-08-08 한국전기연구원 펄스 아크 용접 방법
JP2009178773A (ja) * 2009-05-22 2009-08-13 Panasonic Corp レーザハイブリッドアーク溶接機とレーザハイブリッドアーク溶接システム
CN104772554A (zh) * 2015-03-30 2015-07-15 天津大学 步进电弧焊接式的脉冲钨极氩弧焊弧压传感熔透控制方法
CN112894079A (zh) * 2021-01-18 2021-06-04 南通博锐泰焊接科技有限公司 数字化脉冲式直流手工电弧焊方法及应用其的电弧焊机
CN114309887A (zh) * 2021-12-27 2022-04-12 唐山松下产业机器有限公司 逆变焊机的控制方法及控制装置

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