JPH09271837A - アルミニウム押出材の冷却方法及び冷却装置 - Google Patents

アルミニウム押出材の冷却方法及び冷却装置

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JPH09271837A
JPH09271837A JP11312396A JP11312396A JPH09271837A JP H09271837 A JPH09271837 A JP H09271837A JP 11312396 A JP11312396 A JP 11312396A JP 11312396 A JP11312396 A JP 11312396A JP H09271837 A JPH09271837 A JP H09271837A
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cooling
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aluminum extruded
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Shigenobu Yasunaga
繁信 安永
Toshinori Meki
利教 目木
Sunao Aiura
直 相浦
Takashi Oka
貴志 岡
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルミニウム押出材の押し出し方向のみなら
ず周方向の冷却の不均一性をも解消し、機械的性質と形
状・寸法精度に優れたアルミニウム押出材が得られ、し
かも生産性に優れた冷却方法の提供を課題とする。 【解決手段】 押出機から押し出される複数の面を有す
る中空のアルミニウム押出材の周りに周方向及び押出方
向に複数の冷却ノズルを配置し、前記冷却ノズルから噴
射される冷却媒体によって前記押出材を冷却するアルミ
ニウム押出材の冷却方法であって、前記アルミニウム押
出材の各面に対向して設けられた冷却ノズルを作動さ
せ、前記各冷却ノズルから前記各対向面に対して噴射さ
れる冷却媒体の噴射幅が前記対向面幅を超えないように
制御することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、押し出しにより成
形されるアルミニウム押出材の冷却方法及び冷却装置に
関し、さらに詳しくは、押出機から押し出されるアルミ
ニウム押出材の周方向の冷却条件を制御して機械的性質
と形状・寸法精度に優れたアルミニウム押出材を効率よ
く製造し得るアルミニウム押出材の冷却方法及び冷却装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム押出材は、周知のように押
出後の冷却速度によってその製品の機械的性質及び生産
性が大きく左右される。従来、一般的に採用されている
冷却方法としては、(イ)アルミニウム押出材に冷却用
空気を吹きつける空冷法、(ロ)アルミニウム押出材を
水槽中に通して冷却する水冷法、(ハ)水と空気若しく
は炭酸ガスを混合又は溶解状態にしてアルミニウム押出
材に噴射する気液混合のミスト冷却法などがある。
(イ)の空冷法では、冷却に時間がかかり、生産性が悪
いだけでなく高温領域に長時間保持されるため、押出材
の表面再結晶が進行したり析出物の粗大化が生じ、製品
の機械的性質が低下するという欠点がある。(ロ)の水
冷法でも、押し出し直後の高温のアルミニウム押出材の
表面に膜沸騰が生じ押出材と水との間の熱交換が阻害さ
れるため、沸騰膜が破壊されるまでの間、冷却速度はあ
まり向上せず、その間に表面再結晶が進行する。(ハ)
のミスト冷却法でも、一般に水冷法と同様膜沸騰を生
じ、初期冷却速度はあまり向上しない。そこで、水量と
ノズル先端の空気圧力が一定の条件を満たすようにして
水と空気の混合体を高速で吹きつけることにより、水滴
が大きな運動エネルギーをもって押出材表面に衝突する
ようにし、沸騰膜を破壊して、1000℃/分以上の冷
却速度を得る方法が提案されている(特開昭59−22
0212号公報)。
【0003】しかし、冷却速度が速くなると不均一冷却
に起因する熱応力により、歪みや曲がりが発生するとい
う問題がある。そこで、その解決策として、例えば水と
空気との混合割合を変えた冷却媒体をアルミニウム押出
材の押出方向に段階的に噴射する方法が提案されている
(特開昭49−104812号公報)。
【0004】上記の冷却方法は、アルミニウム押出材の
押出方向における不均一冷却に着目し、それに起因する
問題点を解決するものであるが、なお次のような問題が
解決されていなかった。すなわち、バンパービーム、メ
ンバー及びスペースフレーム用などに代表される自動車
用構造部材についての従来の冷却方法は、冷却ノズルを
図4乃至図6に示すように配置して行われていた。図4
乃至図6において、冷却ノズル5a,5b・・・5hは
アルミニウム押出材1の周りに周方向に均等に配置され
ており、それぞれ噴射角度α1 ,α2 ,・・・α8 でア
ルミニウム押出材1に冷却媒体Lを吹き付けている。
【0005】ところが、上記自動車用構造部材は、断面
が大きく、中空であり、且つウェブやフランジは厚さが
2mm以下と薄いため、ソリッド材或いは軸対象形状材
に比較して不均一冷却による永久変形量の感受性が強
く、後述するように断面形状の変形や捩じれ、撓み等を
生じ、必要とされる形状・寸法精度を満たさないという
問題があった。その原因を鋭意検討した結果、周方向に
おける冷却の不均一性に問題があり、特に複数の面を有
するアルミニウム押出材のコーナー部、すなわち各面の
端部の過冷却による熱応力の増大に起因することがわか
った。
【0006】すなわち、図4においては8つの冷却ノズ
ル5a,5b・・・5hのうち、アルミニウム押出材1
の断面のコーナー部C(C2,C4,C6,C8)に近
い冷却ノズル5b,5d,5f,5hが作動しているの
で、例えば面1aは冷却ノズル5bと冷却ノズル5hか
らの冷却水LbとLhを受けるだけであるが、コーナー
部C2はそれらのほかに冷却ノズル5dからの冷却水L
dの影響を受け、コーナーC8は冷却ノズル5fからの
冷却水Lfの影響を受けるので、強く冷却される。他の
コーナー部C4,C6についても同様である。図5の場
合は、冷却ノズル5a,5b・・・5h全部が作動して
いるが、例えば面1aは三つの冷却ノズル5b,5a,
5hからの冷却水Lb,La,Lhによって冷却される
のに対しコーナー部C2は、それれのほかに冷却ノズル
5c,5dからの冷却水Lc,Ldの影響を受け、同様
にコーナー部C8は冷却ノズル5g,5fからの冷却水
Lg,Lfの影響を受け、やはりアルミニウム押出材1
のコーナー部が過冷却になる。図6のようにアルミニウ
ム押出材1の各面1a,1c,1e,1gに対向する冷
却ノズル5a,5c,5e,5gのみを作動させても、
面1aは冷却水Laを受けるだけであるが、コーナー部
C2には冷却水Lcも加わり、相対的に強く冷却される
ことになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記知見に
基づいてなされたもので、請求項1記載の発明は、アル
ミニウム押出材の押し出し方向のみならず周方向の冷却
の不均一性をも解消し、機械的性質と形状・寸法精度に
優れたアルミニウム押出材が得られ、しかも生産性に優
れた冷却方法の提供を課題とする。
【0008】また、請求項2記載の発明は、請求項1の
課題に加えて、特にアルミニウム押出材が、矩形断面の
自動車用構造部材であっても、機械的性質と形状・寸法
精度にすぐれた製品が得られる冷却方法の提供を課題と
する。
【0009】請求項3記載の発明は、請求項1の発明の
冷却方法を実施するのに適したアルミニウム押出材の冷
却装置の提供を課題とする。
【0010】請求項4記載の発明は、請求項3の発明の
課題に加えて、アルミニウム押出材の各面に対する冷却
媒体の噴射幅の調整が容易なアルミニウム押出材の冷却
装置の提供を課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明のうちで請求項1記載の発明は、押出機から
押し出される複数の面を有する中空のアルミニウム押出
材の周りに周方向及び押出方向に複数の冷却ノズルを配
置し、前記冷却ノズルから噴射される冷却媒体によって
前記押出材を冷却するアルミニウム押出材の冷却方法で
あって、前記アルミニウム押出材の各面に対向して設け
られた冷却ノズルを作動させ、前記各冷却ノズルから前
記各対向面に対して噴射される冷却媒体の噴射幅が前記
対向面幅を超えないように制御することを特徴とするも
のである。
【0012】アルミニウム押出材の各面に対向する冷却
ノズルのみを作動させ、前記各冷却ノズルから前記各対
向面に対して噴射される冷却媒体の噴射幅が前記対向面
幅を超えないように制御するので、複数の面を有するア
ルミニウム押出材のコーナー部、すなわち各面の端部が
過冷却されない。
【0013】請求項2の発明は、請求項1の発明の構成
のうち、前記アルミニウム押出材は、断面が矩形の自動
車用構造部材であって、前記各対向面幅に対する前記噴
射幅の比率を90%以上100%以下としたことを特徴
とするものである。すなわち、各対向面幅に対する前記
噴射幅の比率を90%以上100%以下とすると、過冷
却にならないだけでなく、機械的性質に優れた製品が得
られる。噴射幅が、各対向面幅の90%未満であると、
冷却不足により機械的性質が低下し、100%を超える
と過冷却による熱応力の増大によって変形が生じる。
【0014】また、請求項3の発明は、押出機から押し
出される複数の面を有する中空のアルミニウム押出材の
押出方向軸の周りに周方向及び押出方向に配置され、冷
却媒体を噴射する複数の冷却ノズルを備えたアルミニウ
ム押出材の冷却装置において、前記アルミニウム押出材
の複数の面に対向する冷却ノズルを選択して使用するノ
ズル選択手段と、前記冷却ノズルから噴射される冷却媒
体の前記面に対する噴射幅を調整する噴射幅調整手段と
が設けられたことを特徴とするものである。
【0015】前記ノズル選択手段によって、アルミニウ
ム押出材の複数の面に対向して設けられた冷却ノズルが
選択され、選択された冷却ノズルから前記面に噴射され
る噴射幅は、噴射幅調整手段によって調整される。
【0016】請求項4の発明は、請求項3の発明の構成
のうち、前記噴射幅調整手段が、前記冷却ノズルと前記
対向面との間に設けられ、前記対向面と平行な平面上
に、間隔調整可能に設けられた2枚の遮蔽板を有するこ
とを特徴とするものである。冷却ノズルの噴射角が大き
くても上記2枚の遮蔽板の間に形成される間隙を調整す
ることにより、前記対向面に対して噴射される冷却媒体
の噴射幅を所定の範囲内に簡単に調整することができ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
を参照しつつ説明する。図1は、本発明のアルミニウム
押出材の冷却方法と冷却装置の説明図である。先ず、冷
却装置と冷却方法の概要について説明する。1はアルミ
ニウム押出材、2は押出機である。押出機2の出側には
プラテン3が設けられ、プラテン3内には、強制冷却装
置4が設けられている。強制冷却装置4には、アルミニ
ウム押出材1の押出方向軸の周りに周方向及び押出方向
に複数の冷却ノズル5が配置されている。複数の冷却ノ
ズル5は、例えば、押出方向に3つの冷却ゾーンA,
B,Cに分割され、円周方向にさらに8列(a,b,・
・・h)に配置されて、合計24の制御単位に構成さ
れ、それぞれの制御単位Aa,Ab・・・Ah,Ba,
Bb,・・・Bh,Ca,Cb・・・Chには1列あた
り例えば4個の冷却ノズルが設けられている。そして、
各制御単位ごとに、流量制御弁、噴射幅制御手段などの
制御手段が独立して設けられている。押出機2から押し
出されたアルミニウム押出材1は、冷却ノズル3から噴
射される冷却水によって強制冷却され、プラテン3の出
側のテーブルガイド6を経て図示されないランアウトテ
ーブルへ搬送される。
【0018】次に、図2に基づいて本発明の冷却方法の
詳細を説明する。図2は、図1の冷却装置のY−Y断面
図である。図2において、アルミニウム押出材1の断面
は、長辺の幅がWa(=We)、短辺の長さがWc(=
Wg)の矩形である。アルミニウム押出材1の周りの円
周上には8つの冷却ノズル5a,5b,・・・5hが配
置されているが、前記矩形断面に対向する四つの冷却ノ
ズル5a,5c,5e,5gだけを選択し、作動させ
る。冷却ノズル5a,5e及び5c,5gの噴射幅D
a,De及びDc,Dgがそれぞれ対応する面の幅W
a,We及びWc,Wgを超えないように制御する。そ
うするとコーナー部Cだけが過冷却されることがなく、
したがって熱応力の集中が抑制され変形が防止される。
噴射幅Da,De及びDc,Dgの対応する面の幅W
a,We及びWc,Wgに対する比率が小さ過ぎるとコ
ーナー部C周辺が冷却不足のため機械的性質が低下す
る。この比率の下限はアルミニウム押出材の形状や板厚
さと対向面幅との比率によって異なるが、断面が矩形の
自動車用構造部材の場合は90%以上とするのが好まし
い。
【0019】さらに、アルミニウム押出材の冷却方法を
実施するために用いる冷却装置について説明する。図1
において、冷却ノズル5は、合計24の制御単位ごと
に、例えばオン・オフバルブ13(13Aa ・・・13
h )、流量制御弁14(14Aa ・・・14Ch )を
介して冷却水供給管15に接続され、オン・オフバルブ
13及び流量制御弁14は、制御盤20に設けられたバ
ルブ開閉スイッチ21(21Aa ・・・21Ch )、バ
ルブ開閉表示部22(22Aa ・・・22Ch )及び流
量調節用つまみ23(23Aa ・・・23Ch )、流量
表示部24(24Aa ・・・24Ch )が設けられてい
る。オン・オフバルブ13は、バルブ開閉スイッチ21
に接続され、このオン・オフバルブ13とバルブ開閉ス
イッチ21とがノズル選択手段を構成する。そして、流
量制御弁14は、図示されない流量制御部とそれに結合
された流量調整用つまみ23に接続され、この流量制御
弁14と流量制御部と流量調節用つまみ23とが流量調
整手段を構成する。
【0020】図3は、噴射幅制御手段の一例を示す図で
ある。図3において、アルミニウム押出材1の矩形断面
に対向する四つの冷却ノズル5a,5c,5e,5gと
対向面Wa,Wc,We,Wgとの間に遮蔽板17が間
隔調整可能に設けられており、冷却ノズル5a,5c,
5e,5gから噴射される冷却水Lを間隙部分18だけ
通過させ、この間隙部分18の幅G(G1,3, 5,G
7 )によって対向面の幅W(Wa,Wc,We,Wg)
への噴射幅D(Da,Dc,De,Dg)を制御する。
遮蔽板17の間隔Gは図示されない遮蔽板駆動部に結合
された遮蔽板間隔調整用つまみ25(25Aa・・・2
5Ch)によって制御され、その間隔Gは間隔表示部2
6(26Aa・・・26Ch)に表示される。遮蔽板1
7と遮蔽板駆動部と遮蔽板間隔調整用つまみ25とが噴
射幅調整手段を構成する。この噴射幅調整手段を用いれ
ば、例えば、噴射幅Daは、冷却ノズル先端P1 から対
向面までの距離H1 と遮蔽板17までの距離h1の比と遮
蔽板の間隔G1 とから容易に求められる。即ち、Da=
1 ×H1 /h1である。噴射幅調整手段は、上記のよう
に遮蔽板17を用いるものに限定されるものではなく、
噴射角度α(α1,α3,α5,α7 )を調整できる冷却ノズ
ルを用いてもよい。また冷却ノズルの対向面に対する距
離H(H1,3,5,7 )を変える位置調整機構を設け
たものでもよい。
【0021】噴射幅Dの適正値は、アルミニウム押出材
1の断面形状及び押出条件により異なるが、初期設定値
を対向面幅Wの90%乃至100%の範囲内の適当な値
に設定して形状・寸法の実績値を集積し、より適正な値
に補正すればよい。そして、一つの押出条件及び一つの
形状・寸法ごとに対応する噴射幅の適正値をテーブル化
する。データが多くなるにしたがってこのテーブルを修
正することにより、精度を向上させることができる。
【0022】なお、図1において、上記テーブルを予め
コンピュータ27に記憶させるとともに、押出条件とこ
のテーブルとを比較照合し、押出条件の変動に応じて、
噴射幅調整手段を通じて適正な噴射幅に修正するよう自
動制御することもできる。また、噴射幅に関連する押出
条件(例えば温度)を押出条件センサー7で検知し、コ
ンピュータ27に入力する。その値をコンピュータ27
に予め記憶させたテーブルと比較し、必要な命令を図示
されない遮蔽板駆動部Kに送る。同様に、冷却前の形状
・寸法センサー8aと冷却後形状・寸法センサー8bの
検知信号をコンピュータ27に送る。コンピュータ27
は冷却前後の形状・寸法を比較し、その差をゼロに近づ
けるために必要な命令を遮蔽板駆動部Kに送る。形状・
寸法センサーとしては、例えば赤外線センサーなどの非
接触形センサーを用い、これを水平方向と垂直方向に設
ければ、矩形断面の各辺の長さを測定することができ
る。
【0023】さらに、冷却前温度センサー9aと冷却後
温度センサー9bの出力信号をコンピュータ27に送
る。コンピュータ27は冷却前後の温度変化に応じてこ
の冷却が適正行なわれるよう必要な命令を流量制御部に
送る。温度センサー9としては、非接触放射温度計など
が用いられる。
【0024】以上の実施の形態では、アルミニウム押出
材の断面が中空で矩形の場合を示したが、上記冷却方法
及び冷却装置によればソリッドのチャンネル材、L形材
等形状・寸法精度が重要なアルミニウム押出材に対して
も周方向の冷却を均一にして同様の効果が得られること
は言うまでもない。
【0025】
【実施例】本発明の効果を実証するため、上記遮蔽板1
7を有するアルミニウム押出材の冷却装置を用いて、断
面が矩形のアルミニウム押出材からなる自動車用構造部
材を試作し、機械的性質及び形状・寸法の変化を調べ
た。アルミニウム押出材1はウェブ幅Wa=We=10
0mm,フランジ高さWc=Wg=70mmで中リブの
ある日の字形断面の長方形タイプの中空形材で、各肉厚
は2mmである。各冷却ノズル5からの冷却水の吐出量
は、アルミニウム押出材1の各辺長Wa=We又はWc
=Wgに対して噴射幅Da=De又はDc=Dgがほぼ
90%になるように設定し、所定の流量密度で噴射する
ようにした。その結果得られたアルミニウム押出材の耐
力のばらつきは28±0.5kgf/mm2 の範囲内にあっ
た。
【0026】また、各コーナーcの直角度は図4乃至図
6に示される従来の噴射パターンで冷却したものが90
±0.5〜1.0°であるのに対し、90±0.2°の
範囲内にあった。さらに、平坦度、捩じれに対してもJ
ISの特殊級の1/2〜1/3の高精度押出材の製造が
可能となった。比較例として噴射幅を対向面幅の90%
未満にして冷却したものは、各コーナーc部分で所定の
耐力と伸びが得られず、構造部材としての必要特性を満
足しないのみならず、曲げ加工時にコーナー部を起点に
破断を生じた。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のうち請求
項1記載の発明は、冷却用ノズルが、アルミニウム押出
材の周りにその各面に対向して設けられ、各対向面に対
する冷却媒体の直接噴射幅の前記対向面幅幅に対する比
率が100%以下となるよう制御されるので、複数の面
を有するアルミニウム押出材のコーナー部、すなわち各
面の端部が過冷却されることはない。したがって、アル
ミニウム押出材の押し出し方向のみならず周方向の冷却
の不均一性をも解消し、機械的性質と形状・寸法精度に
優れたアルミニウム押出材を効率よく生産することがで
きるものである。
【0028】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の発明の効果に加え、直接噴射幅の各対向面幅に対す
る比率を90パーセント以上100パーセント以下にす
るので、特に断面の辺の長さが不均一な薄肉の中空形材
でも機械的性質と形状・寸法精度にすぐれた製品が得ら
れるものである。
【0029】さらに、請求項3記載の発明は、ノズル選
択手段によってアルミニウム押出材の複数の面に対向す
る冷却ノズルのみを作動させることができ、噴射幅制御
手段によって、噴射幅の各対向面に対する比率を容易に
調整できるので、請求項1の発明の冷却方法を実施する
のに適している。
【0030】請求項4記載の発明は、請求項3の発明の
効果に加えて、冷却用ノズルの噴射幅が大きくても上記
2枚の遮蔽板の間隔を調整することにより、冷却用ノズ
ルの対向面上の噴射幅を所定の範囲内に簡単に調整する
ことができ、自動車用構造部材のコーナー部を過冷却し
たり、逆に冷却不足を生じることがないように容易に制
御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアルミニウム押出材の冷却方法及び冷
却装置の説明図である。
【図2】本発明のアルミニウム押出材の冷却方法の説明
図である。
【図3】本発明のアルミニウム押出材の冷却装置の説明
図である。
【図4】従来の冷却方法の説明図である。
【図5】従来の冷却方法の説明図である。
【図6】従来の冷却方法の説明図である。
【符号の説明】
1 アルミニウム押出材 2 押出機 3 プラテン 4 強制冷却装置 5 冷却用ノズル 6 テーブルガイド 7 条件センサー 8 形状・寸法センサー 9 温度センサー 10,11 空冷手段(扇風機) 13 オン・オフバルブ 14 流量調整弁 17 遮蔽板 20 制御盤 21 バルブ開閉スイッチ 23 流量調節用つまみ 25 遮蔽板間隔調整用つまみ 27 コンピュータ W 対向面幅 D 噴射幅 α 噴射角度 G 遮蔽板の間隔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡 貴志 山口県下関市長府港町14番1号 株式会社 神戸製鋼所長府製造所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 押出機から押し出される複数の面を有す
    る中空のアルミニウム押出材の周りに周方向及び押出方
    向に複数の冷却ノズルを配置し、前記冷却ノズルから噴
    射される冷却媒体によって前記押出材を冷却するアルミ
    ニウム押出材の冷却方法であって、 前記アルミニウム押出材の各面に対向して設けられた冷
    却ノズルを作動させ、前記各冷却ノズルから前記各対向
    面に対して噴射される冷却媒体の噴射幅が前記対向面幅
    を超えないように制御することを特徴とするアルミニウ
    ム押出材の冷却方法。
  2. 【請求項2】 前記アルミニウム押出材は、断面が矩形
    の自動車用構造部材であって、前記各対向面幅に対する
    前記噴射幅の比率を90%以上100%以下としたこと
    を特徴とする請求項1記載のアルミニウム押出材の冷却
    方法。
  3. 【請求項3】 押出機から押し出される複数の面を有す
    る中空のアルミニウム押出材の押出方向軸の周りに周方
    向及び押出方向に配置され、冷却媒体を噴射する複数の
    冷却ノズルを備えたアルミニウム押出材の冷却装置にお
    いて、 前記アルミニウム押出材の複数の面に対向する前記冷却
    ノズルを選択して使用するノズル選択手段と、 前記冷却ノズルから噴射される冷却媒体の前記面に対す
    る噴射幅を調整する噴射幅調整手段とが設けられたこと
    を特徴とするアルミニウム押出材の冷却装置。
  4. 【請求項4】 前記噴射幅調整手段は、前記冷却ノズル
    と前記対向面との間に設けられ、前記対向面と平行な平
    面上に、間隔調整可能に設けられた2枚の遮蔽板を有す
    ることを特徴とする請求項3記載のアルミニウム押出材
    の冷却装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101329555B1 (ko) * 2012-06-05 2013-11-14 주식회사 코레스 압출성형장치 및 그 제어방법

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101329555B1 (ko) * 2012-06-05 2013-11-14 주식회사 코레스 압출성형장치 및 그 제어방법

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