JPH09271748A - プリント基板の処理方法 - Google Patents

プリント基板の処理方法

Info

Publication number
JPH09271748A
JPH09271748A JP8672496A JP8672496A JPH09271748A JP H09271748 A JPH09271748 A JP H09271748A JP 8672496 A JP8672496 A JP 8672496A JP 8672496 A JP8672496 A JP 8672496A JP H09271748 A JPH09271748 A JP H09271748A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
printed circuit
circuit board
polyester resin
aqueous solution
copper foil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8672496A
Other languages
English (en)
Inventor
Toru Shiino
徹 椎野
Yoshikazu Yamagata
芳和 山縣
Takahiko Terada
貴彦 寺田
Hiroshi Onishi
宏 大西
Nobuo Sonoda
信雄 園田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP8672496A priority Critical patent/JPH09271748A/ja
Publication of JPH09271748A publication Critical patent/JPH09271748A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/22Secondary treatment of printed circuits
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

Landscapes

  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 半田から鉛が溶出することによる環境問題を
生じさせず、また銅などの有価金属類を回収できるプリ
ント基板の処理方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 少なくともポリエステル樹脂を含むプリ
ント基板を、アルカリ性水溶液に浸漬処理するプリント
基板の処理方法。ポリエステル樹脂を膨潤させ、基板か
ら銅箔などの金属箔の分離を容易にすることができる。
また、アルカリ性水溶液に浸漬した後、水に浸漬するこ
とで、浸透圧差を利用してポリエステル樹脂の膨潤を促
進して、金属箔や部品の分離除去をより容易にできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくともポリエ
ステル樹脂を含むプリント基板を処理する方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】一般の民生用電気機器などのプリント基
板として、紙基材ポリエステル樹脂積層板や布基材ポリ
エステル樹脂積層板が広く使用されている。これらの基
板は、製品廃棄時には、製品と一緒にあるいは製品から
分離した後に、破砕し、あるいはそのまま土中に埋め立
て処理するのが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】紙基材ポリエステル樹
脂積層板や布基材ポリエステル樹脂積層板等のプリント
基板には、銅配線が施された銅張積層板が多く使用さ
れ、ICチップやコンデンサ、抵抗、スイッチ類、コネ
クタ類等が、主に半田を用いて実装されている。このよ
うなプリント基板をその状態のまま、破砕、埋め立て処
理すると、半田から鉛が溶出するなど環境問題が生じ
る。また、銅などの有価金属類などの回収も行われない
ため、資源の有効利用という点からも問題となってい
る。しかしながら、このようなプリント基板は、単純に
破砕処理しただけでは十分に金属と樹脂とを分離するこ
とができず、リサイクルは困難である。そこで、本発明
は、廃棄時の処理が容易なプリント基板の処理方法を提
供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のプリント基板の
処理方法は、少なくともポリエステル樹脂を含むプリン
ト基板を、アルカリ性水溶液に浸漬することを特徴とす
る。また、少なくともポリエステル樹脂を含むプリント
基板を、アルカリ性水溶液に浸漬した後に水に浸漬する
という浸漬処理工程を少なくとも1回以上行う。また、
金属配線部に単数または複数の部品が実装されているポ
リエステル樹脂を含むプリント基板については、前記部
品の少なくとも一部を取り除いた後に、アルカリ性水溶
液に浸漬し、前記金属配線部を剥離する。プリント基板
は、紙基材または布基材であることが好ましい。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明に供されるプリント基板
は、ポリエステル樹脂を含むプリント基板であれば何れ
でもよく、例えば、紙基材ポリエステル樹脂積層板、布
基材ポリエステル樹脂積層板、ガラス布基材ポリエステ
ル樹脂積層板、石綿基材ポリエステル樹脂積層板、合成
繊維基材ポリエステル樹脂積層板などが挙げられる。こ
れらのプリント基板には、勿論ICチップやコンデン
サ、抵抗、スイッチ類、コネクタ類などの部品が実装さ
れていてもよいし、また、フォトレジストやスクリーン
印刷型レジストなどのレジストや接着テープなどがつい
ているものでもよい。さらに、これらのプリント基板
は、アルカリによって侵され易いコーティング材でコー
ティングされていてもよい。このアルカリによって侵さ
れ易いコーティング材としては、例えば、ポリウレタ
ン、シリコーン、アクリル樹脂、ブチルゴムなどが挙げ
られる。
【0006】また、プリント基板の配線には、大部分は
銅箔が用いられるが、それ以外にも、例えば、銀、アル
ミニウム、ニッケルなどの導電性金属箔を用いてもよ
い。また、これらの金属箔と基板を張り合わせている接
着剤には、一般に使用されている接着剤でよく、熱硬化
性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹
脂、レジルシノール樹脂などがあり、熱可塑性樹脂とし
ては、ポリビニルブチラールやニトリルゴムなどがあ
る。さらに具体的には、例えば、ポリビニルブチラール
変性フェノール樹脂、アクリルニトリルゴム変性フェノ
ール樹脂、変性エポキシ樹脂などが挙げられる。
【0007】本発明に供されるアルカリ性水溶液は、ア
ルカリ性アルカリ金属化合物あるいはアルカリ性アルカ
リ土類金属化合物を含んでいる水溶液である。アルカリ
性アルカリ金属化合物あるいはアルカリ性アルカリ土類
金属化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化バリウム、ナトリウムエトキシド、
カリウムブトキシド等が挙げられる。これらのアルカリ
性アルカリ金属化合物あるいはアルカリ性アルカリ土類
金属化合物の溶液の濃度は、高いほどポリエステル樹脂
やレジスト、配線用金属箔と基板とを張り合わせている
接着剤などを侵す。しかし、ナトリウムイオンやカリウ
ムイオン等が多くなるため溶液の粘度も高くなり、プリ
ント基板中への液の浸透性は低下する。そのため、十分
樹脂などを侵し、かつ液の浸透性も低下させないような
濃度が好ましい。そこで、アルカリ性アルカリ金属化合
物あるいはアルカリ性アルカリ土類金属化合物の溶液濃
度は、10N以下が好ましく、特に0.5〜7Nがより
好ましく、更に好ましくは1〜5Nである。なお、これ
らのアルカリ性アルカリ金属化合物あるいはアルカリ性
アルカリ土類金属化合物は、単成分のみならず、複数含
まれていてもよい。
【0008】また、溶液のプリント基板に対する浸透性
を改善するために、例えば、メチルアルコールやエチル
アルコールなどのアルコール類、アセトンやメチルエチ
ルケトンなどのケトン類、テトラヒドロフランなどのフ
ラン類、エチレングリコールやジエチレングリコール、
プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの
グリコール類、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレング
リコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエ
チルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエ
ーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エ
チレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレング
リコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノ
イソペンチルエーテルなどのエチレングリコールモノア
ルキルエーテルまたはエチレングリコールジアルキルエ
ーテル類、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレング
リコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジ
エチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレング
リコールモノイソペンチルエーテルなどのジエチレング
リコールモノアルキルエーテルまたはジエチレングリコ
ールジアルキルエーテル類、トリエチレングリコールモ
ノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエ
ーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、
トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレ
ングリコールモノイソプロピルエーテル、トリエチレン
グリコールモノプロピルエーテルなどのトリエチレング
リコールモノアルキルエーテルまたはトリエチレングリ
コールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモ
ノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエー
テル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロ
ピレングリコールジエチルエーテルなどのプロピレング
リコールモノアルキルエーテルまたはプロピレングリコ
ールジアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールモ
ノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエ
ーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、
ジプロピレングリコールジエチルエーテルなどのジプロ
ピレングリコールモノアルキルエーテルまたはジプロピ
レングリコールジアルキルエーテル類、ジメチルホルム
アミド、ジメチルアミン、陽イオン、陰イオン、非イオ
ン系の各種界面活性剤を添加してもよい。
【0009】また、処理温度は、高温の方がより大きな
浸透速度が得られるため、水の沸点以下(常圧では10
0℃以下)の範囲内で加温した方が好ましい。アルコー
ル類が含まれている場合は、それらの沸点以下が好まし
い。アルカリ性水溶液浸漬後に水に浸漬する場合は、そ
の水の温度も沸点以下でできるだけ高い温度の方がよ
い。本発明のアルカリ性水溶液に浸漬する処理方法で
は、ポリエステル樹脂やレジスト、配線用金属箔と基板
の接着剤、コーティングなどがアルカリによって侵さ
れ、分解、溶解、膨潤などが起きる。そのため、プリン
ト基板の膨潤、軟化、積層板の剥離、配線用金属箔の剥
離、コーティングの剥離などが促進され、容易にプリン
ト基板と配線用金属箔を分離することが可能になる。こ
れによって、プリント基板に実装されている部品も容易
に取り外せるようになり、実装部品と配線用金属箔とポ
リエステル樹脂基板を分離できる。分離した個々のもの
は各々別々に処理できるため、適切な処理と再生、再利
用が可能となる。特に、大部分の半田は金属箔に付着し
ているため、適切に処理することによって、環境への負
荷を小さくでき、また、銅などの金属箔のリサイクルも
可能になる。
【0010】また、本発明のアルカリ性水溶液に浸漬し
た後に水に浸漬するという浸漬処理工程を少なくとも1
回以上行う処理方法では、アルカリ性水溶液をプリント
基板中に浸透させた状態で、水に浸漬することによっ
て、プリント基板内部と外部の液に浸透圧差を生じさ
せ、その浸透圧差を解消しようとしてプリント基板内部
に多量の水が浸入して、プリント基板の膨潤、軟化、積
層板の剥離等がさらに促進され、より容易にプリント基
板から配線用金属箔を剥離除去することが可能になる。
なお、前記水の温度は、沸点以下であればよく、加温状
態であれば、より浸透性が増すためにより好ましい。ま
た、処理した後のポリエステル樹脂基板は硬度が大きく
低下しているため、容易に粉砕でき、低エネルギーで微
粉砕品を作成できる。この粉砕には、例えば、グライン
ダーなどの摩砕式粉砕機やハンマーミルなどの衝撃式粉
砕機、ボールミル、ミキサーなどに、処理後の湿ったま
まの状態のポリエステル樹脂基板を入れて、容易に粉砕
できる。また、微粉砕品の乾燥時の凝固などを避けるた
めに、スプレー式乾燥機の使用が好ましい。このように
して作成した微粉砕品は、充填材などに再利用できる。
また、分離された金属は溶融処理により、半田と銅を分
離回収すること可能である。
【0011】
【実施例】以下、具体的実施例を挙げて、本発明をより
詳細に説明する。 《実施例1》本実施例では、プリント基板として、紙基
材ポリエステル樹脂積層板、布基材ポリエステル樹脂積
層板、およびガラス基材ポリエステル樹脂積層板を用い
た。いずれもサイズは、大きさ30×30mm、厚み
1.5mmである。これらの基板の片面に、厚み35μ
mの銅箔をポリビニルブチラール変性フェノール樹脂
(ポリビニルブチラール(積水化学工業(株)製商品名
エスレックB)とフェノール樹脂の混合物)を用いて接
着させ、0.3mmピッチの櫛形電極を作成し、その数
カ所に共晶半田を付着させた。これら3種類のプリント
基板を5Nの水酸化ナトリウム水溶液に80℃で20時
間浸漬処理した。浸漬処理前後の基板の厚み、及び重量
を測定した。浸漬処理前の基板に対する浸漬処理後の基
板の厚み変化率及び重量変化率を表1に示す。
【0012】
【表1】
【0013】この結果より、どの基板も厚み及び重量と
もに増加がみられ、膨潤し、少し変形した。また、どの
基板も銅箔の一部が剥離してめくれあがったため、そこ
をピンセットで引っ張ると容易に銅箔を剥離することで
き、また半田も銅箔に付着したまま除去できた。特に、
紙基材ポリエステル樹脂積層板や布基材ポリエステル樹
脂積層板は、ガラス基材ポリエステル樹脂積層板に比
べ、より容易に銅箔の剥離、除去ができた。これによっ
て、容易にプリント基板を積層板と導電性金属箔とに分
離できる。
【0014】次に、上記と同様のプリント基板を5Nの
水酸化カリウム水溶液に80℃で20時間浸漬処理し
た。浸漬処理前後の基板の厚み、及び重量を測定した。
浸漬処理前の基板に対する浸漬処理後の基板の厚み変化
率及び重量変化率を表2に示す。
【0015】
【表2】
【0016】この結果より、水酸化カリウム水溶液を用
いた場合も上記の水酸化ナトリウムを用いた場合と同様
の効果が得られることが示された。
【0017】上記と同様の紙基材プリント基板を0.1
N、0.5N、1N、3N、5N、7N、および10N
の水酸化ナトリウム水溶液に80℃で20時間浸漬処理
した。浸漬処理前の基板に対する浸漬処理後の基板の厚
み変化率を測定した。その結果を表3に示す。
【0018】
【表3】
【0019】表3における判定基準は次のとおりであ
る。 ◎:厚み変化率220%以上 ○:厚み変化率200%以上220%未満 △:厚み変化率150%以上200%未満 ×:厚み変化率150%未満 この結果より、0.5N以上7N以下のアルカリ水溶液
を用いるのがより好ましく、さらに1N以上5N以下が
最も好ましい。
【0020】《実施例2》本実施例では、大きさ50×
50mm、厚み1.5mmの紙基材ポリエステル樹脂積
層板に、実施例1に用いた銅箔で適当な配線を作成し
て、ICチップ1個、抵抗10個、コンデンサ3個、コ
ネクタ1個を基板の片面に半田付けで実装したプリント
基板を作成した。このプリント基板を5Nの水酸化ナト
リウム水溶液に80℃で20時間浸漬処理した。その結
果、プリント基板が膨潤して、レジストは完全に剥が
れ、積層板の一部は剥離した。また、銅箔の一部も剥離
した部分がみられ、その剥離部分をピンセットで引っ張
ると、銅箔が半田と共に剥離できた。そのため、実装し
た部品をピンセットで引っ張ると、容易に取り外すこと
ができ、積層板と部品と半田が付着した銅箔に分離でき
た。このように部品を実装したプリント基板を本発明の
処理方法で処理することで、容易に部品の取り外し、銅
箔などの金属類の回収が可能となる。
【0021】《実施例3》本実施例では、実施例2と同
様の部品実装プリント基板を以下のように処理した。ま
ず、実装部品のうちワイヤにより接続されている抵抗と
コンデンサのワイヤ部、及びICチップとコネクタの接
続足部を切断して、部品をプリント基板から分離除去し
た。その後、部品を除去した基板を5Nの水酸化ナトリ
ウム水溶液に80℃で20時間浸漬処理した。その結
果、プリント基板が膨潤して、レジストは完全に剥が
れ、積層板の一部は剥離した。また、銅箔の一部も剥離
したため、その面をポリプロピレンブラシでこすると、
銅箔と半田と部品のワイヤ部や足部が一緒に剥離除去で
き、ポリエステル樹脂基板と銅箔などの金属部に分離で
きた。このようにアルカリ性水溶液で処理する前に、あ
らかじめ実装部品を取り除いておくことにより、後の剥
離工程を容易にすることができる。
【0022】《実施例4》本実施例では、実施例1と同
様の3種類のプリント基板を用いて、これらを80℃で
15時間、5Nの水酸化ナトリウム水溶液に浸漬処理し
た後、80℃の水に浸漬して3時間処理した。各浸漬処
理後の基板の厚み、及び重量を測定した。浸漬処理前の
基板に対する浸漬処理後の基板の厚み変化率及び重量変
化率を表4に示す。
【0023】
【表4】
【0024】この結果と実施例1の結果を比較すること
により、アルカリ性水溶液で長時間浸漬処理するより
も、アルカリ性水溶液浸漬処理の後、水に移して浸漬処
理する方が、大きな膨潤、重量増加をすることがわか
る。このような基板の大きな変化によって、銅箔の剥離
した部分も多くなり、銅箔の分離がより容易になった。
どの基板もピンセットを用いて容易に銅箔を分離でき
た。
【0025】《実施例5》本実施例では、実施例2と同
様の部品実装プリント基板を用いて、5Nの水酸化ナト
リウム水溶液に80℃で15時間浸漬した後、80℃の
水に移して3時間浸漬処理した。その結果、プリント基
板が膨潤し、レジストは完全に剥がれ、積層板の一部は
剥離した。また、銅箔の一部も剥離しかけた部分がみら
れ、その剥離部分から容易に銅箔が半田と共に剥離でき
た。そのため、実装した部品も容易に取り外すことがで
き、積層板と部品と半田が付着した銅箔に分離できた。
なお、銅箔の剥離し易さは、実施例2よりも容易であ
り、より短時間で処理できた。
【0026】《実施例6》本実施例では、実施例2と同
様の部品実装プリント基板を、実施例3と同様にまず、
実装部品をプリント基板から分離除去した。その後、部
品を除去した基板を5Nの水酸化ナトリウム水溶液に8
0℃で15時間浸漬処理した後、80℃の水に移して3
時間浸漬処理した。その結果、プリント基板が膨潤し
て、レジストは完全に剥がれ、積層板の一部は剥離し
た。また、銅箔の一部も剥離しかけたため、その面をポ
リプロピレンブラシでこすると、銅箔と半田と部品のワ
イヤ部や足部が一緒に剥離除去でき、ポリエステル樹脂
基板と銅箔などの金属部に分離できた。この剥離除去
は、実施例3よりも剥離部分が多いため、より容易であ
った。
【0027】《実施例7》本実施例では、実施例2と同
様の部品実装プリント基板をウレタン系のコーティング
材(商品名:ヒュミシール(ボクスイ・ブラウン
(株)))によって、表面を被覆した。このプリント基板
を5Nの水酸化ナトリウム水溶液に80℃で20時間浸
漬した後、80℃の水に移して3時間浸漬処理した。そ
の結果、コーティング材は、アルカリ性水溶液に浸漬処
理している間に剥離し、プリント基板の膨潤、レジスト
の剥離、積層板の一部の剥離などがみられた。また、銅
箔の一部も剥離しかけた部分がみられ、その剥離部分か
ら容易に銅箔が半田と共に剥離できた。そのため、実装
した部品も容易に取り外すことができ、積層板と部品と
半田が付着した銅箔に分離できた。このようにコーティ
ングを施したプリント基板でも同様に処理することがで
きた。
【0028】なお、以上の実施例では、アルカリ性水溶
液として水酸化ナトリウム水溶液を用いたが、これに限
定されるものではなく、前述したような水酸化カリウム
水溶液やナトリウムエトキシド水溶液などを用いてもよ
い。また、以上の実施例ではアルカリ性水溶液や水にプ
リント基板を浸漬処理している間、静置していたが、こ
の方法に限定されるものではなく、例えば、撹拌した
り、液中でブラシをかけるなどして、レジストやコーテ
ィングの剥離除去等を行ってもよい。さらに、超音波や
圧力をかけるなどして液の浸透性を向上させたり、実装
部品の除去などを促進させたりすることができる。ま
た、部品の実装されたプリント基板の場合、アルカリ性
水溶液による処理の前にあらかじめ実装部品を除去する
方法として、例えば、熱をかけて半田を溶融させるなど
の方法を用いてもよい。さらに、部品が面実装されてい
るプリント基板を処理する場合、あらかじめ部品を熱を
かけるなどして除去しない場合は、部品は金属箔と一緒
にプリント基板から除去されるため、プリント基板と部
品の付着した金属箔とに分離できる。
【0029】
【発明の効果】以上のように本発明のよれば、少なくと
もポリエステル樹脂を含むプリント基板をアルカリ性水
溶液に浸漬処理することで、ポリエステル樹脂を膨潤さ
せ、基板から銅箔を剥離しやすい状態にして、これらの
分離を容易にすることができる。また、アルカリ性水溶
液に浸漬した後、水に浸漬することで、浸透圧差を利用
してポリエステル樹脂の膨潤を促進して、より容易に銅
箔や部品を分離除去できる。本発明の処理方法によれ
ば、従来の破砕処理などのような騒音の発生もなく、基
板から金属箔を容易に回収でき、その再利用もできる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大西 宏 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 園田 信雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともポリエステル樹脂を含むプリ
    ント基板を、アルカリ性水溶液に浸漬する工程を有する
    ことを特徴とするプリント基板の処理方法。
  2. 【請求項2】 少なくともポリエステル樹脂を含むプリ
    ント基板を、アルカリ性水溶液に浸漬した後水に浸漬す
    る浸漬処理工程を少なくとも1回以上行うことを特徴と
    するプリント基板の処理方法。
  3. 【請求項3】 金属配線部に単数または複数の部品が実
    装されているポリエステル樹脂を含むプリント基板を、
    前記部品の少なくとも一部を取り除いた後に、アルカリ
    性水溶液に浸漬し、前記金属配線部を剥離することを特
    徴とするプリント基板の処理方法。
  4. 【請求項4】 前記プリント基板が、紙または布基材か
    らなる請求項1〜3のいずれかに記載のプリント基板の
    処理方法。
JP8672496A 1996-04-09 1996-04-09 プリント基板の処理方法 Pending JPH09271748A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8672496A JPH09271748A (ja) 1996-04-09 1996-04-09 プリント基板の処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8672496A JPH09271748A (ja) 1996-04-09 1996-04-09 プリント基板の処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09271748A true JPH09271748A (ja) 1997-10-21

Family

ID=13894823

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8672496A Pending JPH09271748A (ja) 1996-04-09 1996-04-09 プリント基板の処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09271748A (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0942070A1 (de) * 1998-03-13 1999-09-15 Delphi Technologies, Inc. Rückgewinnung von Wertmetallen aus Polyester-Leiterplatten durch Aufbereitung in einer alkalischen Lösung mehrwertiger Alkohole
WO2003097317A1 (fr) * 2002-05-16 2003-11-27 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Procede et appareil de liberation d'un joint metal-resine
JPWO2005049710A1 (ja) * 2003-11-21 2007-06-07 株式会社クレハ 積層成形物のリサイクル方法
JP2010502034A (ja) * 2007-11-16 2010-01-21 コリア インスティチュート オブ ジオサイエンス アンド ミネラル リソースズ 有機溶液を用いた廃印刷回路基板から金属を回収する方法
KR101141542B1 (ko) * 2010-04-09 2012-05-03 한국지질자원연구원 유기용매를 이용한 폐인쇄회로기판의 해중합에 의한 유리섬유의 분리방법
JP2013226708A (ja) * 2012-04-25 2013-11-07 Daikyo Kasei Kogyo Kk 基布と樹脂層との積層体シートからの基布と樹脂層の分別回収方法
JP2021160351A (ja) * 2020-03-31 2021-10-11 三菱ケミカル株式会社 ポリエステルのリサイクルシステム及びリサイクル方法
JP2021160350A (ja) * 2020-03-31 2021-10-11 三菱ケミカル株式会社 ポリエステルフィルムの回収方法、回収装置及び機能層除去剤
JP2022095499A (ja) * 2020-12-16 2022-06-28 三菱ケミカル株式会社 ポリエステルフィルムの回収方法、回収装置及び機能層除去剤
JP2022095500A (ja) * 2020-12-16 2022-06-28 三菱ケミカル株式会社 ポリエステルフィルムの回収方法、回収装置及び機能層除去剤
JP2022095599A (ja) * 2020-12-16 2022-06-28 三菱ケミカル株式会社 ポリエステルフィルムの回収方法、回収装置及び機能層除去剤

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0942070A1 (de) * 1998-03-13 1999-09-15 Delphi Technologies, Inc. Rückgewinnung von Wertmetallen aus Polyester-Leiterplatten durch Aufbereitung in einer alkalischen Lösung mehrwertiger Alkohole
WO2003097317A1 (fr) * 2002-05-16 2003-11-27 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Procede et appareil de liberation d'un joint metal-resine
US7431819B2 (en) 2002-05-16 2008-10-07 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Method and apparatus for releasing metal-resin joint
JPWO2005049710A1 (ja) * 2003-11-21 2007-06-07 株式会社クレハ 積層成形物のリサイクル方法
JP4571587B2 (ja) * 2003-11-21 2010-10-27 株式会社クレハ 積層成形物のリサイクル方法
JP2010502034A (ja) * 2007-11-16 2010-01-21 コリア インスティチュート オブ ジオサイエンス アンド ミネラル リソースズ 有機溶液を用いた廃印刷回路基板から金属を回収する方法
KR101141542B1 (ko) * 2010-04-09 2012-05-03 한국지질자원연구원 유기용매를 이용한 폐인쇄회로기판의 해중합에 의한 유리섬유의 분리방법
JP2013226708A (ja) * 2012-04-25 2013-11-07 Daikyo Kasei Kogyo Kk 基布と樹脂層との積層体シートからの基布と樹脂層の分別回収方法
JP2021160351A (ja) * 2020-03-31 2021-10-11 三菱ケミカル株式会社 ポリエステルのリサイクルシステム及びリサイクル方法
JP2021160350A (ja) * 2020-03-31 2021-10-11 三菱ケミカル株式会社 ポリエステルフィルムの回収方法、回収装置及び機能層除去剤
JP2021175812A (ja) * 2020-03-31 2021-11-04 三菱ケミカル株式会社 ポリエステルのリサイクルシステム及びリサイクル方法
JP2022095499A (ja) * 2020-12-16 2022-06-28 三菱ケミカル株式会社 ポリエステルフィルムの回収方法、回収装置及び機能層除去剤
JP2022095500A (ja) * 2020-12-16 2022-06-28 三菱ケミカル株式会社 ポリエステルフィルムの回収方法、回収装置及び機能層除去剤
JP2022095599A (ja) * 2020-12-16 2022-06-28 三菱ケミカル株式会社 ポリエステルフィルムの回収方法、回収装置及び機能層除去剤

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH09271748A (ja) プリント基板の処理方法
US5120371A (en) Process of cleaning soldering flux and/or adhesive tape with terpenet and monobasic ester
CN110023435A (zh) 粘合片和其剥离方法
CN101601124B (zh) 一种利用有机溶液从废印刷电路板中释放金属的新型预处理工艺
US6351871B1 (en) Aqueous quaternary ammonium hydroxide as a screening mask cleaner
JP2003101179A (ja) キャリア付銅箔及び該銅箔を使用したプリント基板
CN103999558A (zh) 树脂组合物,由其制备的介电层和电容器
JPH09187751A (ja) プリント基板の処理方法
CN103898498A (zh) 黑化药水及透明印刷电路板的制作方法
JPH0697614A (ja) 積層基板
DE19946645B4 (de) Verfahren zum Ablösen eines Foliensystems von einem elektrostatischen Haltesystem
TW201521097A (zh) 膠體之去除方法
US6818086B2 (en) Method for repairing circuit connection part, and structure and method for connecting circuit terminal of circuit repaired by the method
US6174561B1 (en) Composition and method for priming substrate materials
CN111448521A (zh) 抗蚀剂的剥离液
JP4404137B2 (ja) 回路接続部の接着剤剥離用組成物およびそれを用いた剥離方法
US11826992B2 (en) Composite structure
JP3483051B2 (ja) プリント基板用インキおよび電子部品用インキの除去用洗浄剤
JP2009074015A (ja) 異方性導電膜剥離液
JP2813321B2 (ja) 洗浄方法
JPH10314984A (ja) ソルダペースト
CN117801889A (zh) 除胶剂、除胶剂的制备方法及除胶剂的使用方法
JPH05283832A (ja) 端面保護膜を含む金属ベース基板及びその製造方法
JP2000252594A (ja) 両面プリント配線板
JP2023053494A (ja) ポリエステル系支持体の回収方法