JPH09271546A - 硬靱フェースを有するクラブヘッド、およびその製造方法 - Google Patents
硬靱フェースを有するクラブヘッド、およびその製造方法Info
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- JPH09271546A JPH09271546A JP8082931A JP8293196A JPH09271546A JP H09271546 A JPH09271546 A JP H09271546A JP 8082931 A JP8082931 A JP 8082931A JP 8293196 A JP8293196 A JP 8293196A JP H09271546 A JPH09271546 A JP H09271546A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 フェース打球面が硬くて秀れた靱性を有し、
しかも加工性の秀れた硬靱フェースを有するクラブヘッ
ド、およびそのようなクラブヘッドを簡単かつ確実に能
率よく製造できる方法を提供すること。 【解決手段】 所定厚の硬靱性金属層1が軟質母材金属
層2の表面に圧鍛接合されたクラッド材から成り、前記
硬靱性金属層1がフェース面1aを形成して軟質母材金
属層2に接合一体化されているという技術的手段、およ
び硬靱性金属層1となるべき硬靱性金属材Fを軟質母材
金属層2となるべき軟質母材Bの表面に圧鍛接合したク
ラッド材Cを製して、そのクラッド材Cをクラブヘッド
形状に成形加工するという方法的手段を採用した。 【効果】 ゴルフボールの飛距離を増大でき、かつ、ク
ラブヘッドの耐久性を向上できるうえに、クラブヘッド
の加工作業の能率を大幅に向上できる。
しかも加工性の秀れた硬靱フェースを有するクラブヘッ
ド、およびそのようなクラブヘッドを簡単かつ確実に能
率よく製造できる方法を提供すること。 【解決手段】 所定厚の硬靱性金属層1が軟質母材金属
層2の表面に圧鍛接合されたクラッド材から成り、前記
硬靱性金属層1がフェース面1aを形成して軟質母材金
属層2に接合一体化されているという技術的手段、およ
び硬靱性金属層1となるべき硬靱性金属材Fを軟質母材
金属層2となるべき軟質母材Bの表面に圧鍛接合したク
ラッド材Cを製して、そのクラッド材Cをクラブヘッド
形状に成形加工するという方法的手段を採用した。 【効果】 ゴルフボールの飛距離を増大でき、かつ、ク
ラブヘッドの耐久性を向上できるうえに、クラブヘッド
の加工作業の能率を大幅に向上できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴルフクラブのヘ
ッドの改良、更に詳しくは、フェース打球面が硬くて秀
れた靱性を有し、しかも加工性の秀れた「硬靱フェース
を有するクラブヘッド」、およびそのようなクラブヘッ
ドを簡単かつ確実に能率よく製造できる製造方法に関す
るものである。
ッドの改良、更に詳しくは、フェース打球面が硬くて秀
れた靱性を有し、しかも加工性の秀れた「硬靱フェース
を有するクラブヘッド」、およびそのようなクラブヘッ
ドを簡単かつ確実に能率よく製造できる製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】余暇の増大とともに各種スポーツを楽し
む機会が増え、例えばゴルフ、野球、テニス、スキーな
どはその愛好者が多いスポーツである。このうち、ゴル
フは、一般のゴルフ愛好者がスポーツとして楽しむだけ
でなく、接待ゴルフとしてビジネス上も頻繁に利用され
ている。
む機会が増え、例えばゴルフ、野球、テニス、スキーな
どはその愛好者が多いスポーツである。このうち、ゴル
フは、一般のゴルフ愛好者がスポーツとして楽しむだけ
でなく、接待ゴルフとしてビジネス上も頻繁に利用され
ている。
【0003】ところで、このゴルフを行う際に用いるア
イアンやウッド等のゴルフクラブには、飛距離や方向安
定性などの諸要素が求められる。これら諸要素のうち特
に飛距離はプロゴルファーや一般のゴルフ愛好者にとっ
て最大の関心事であり、この飛距離アップのために、ゴ
ルフクラブ製造業者はクラブの素材や製造方法に種々の
工夫を凝らしているのである。
イアンやウッド等のゴルフクラブには、飛距離や方向安
定性などの諸要素が求められる。これら諸要素のうち特
に飛距離はプロゴルファーや一般のゴルフ愛好者にとっ
て最大の関心事であり、この飛距離アップのために、ゴ
ルフクラブ製造業者はクラブの素材や製造方法に種々の
工夫を凝らしているのである。
【0004】このような工夫の一つとして金属製のアイ
アンクラブにあっては、そのアイアンのヘッドの硬度を
高める工夫が為されている。一般的に、アイアンヘッド
の硬度と飛距離とは相関関係にあるため、そのヘッドの
素材に硬質材を使用しこの硬質材を出来るだけ硬くして
飛距離を増大させているのである。ところが、アイアン
ヘッドの素材である硬質材は硬くて鍛造加工や切削加工
などの加工性が悪いため、所要形状のアイアンヘッドに
加工するのが困難であり、作業能率が大幅に低下すると
いう問題があった。
アンクラブにあっては、そのアイアンのヘッドの硬度を
高める工夫が為されている。一般的に、アイアンヘッド
の硬度と飛距離とは相関関係にあるため、そのヘッドの
素材に硬質材を使用しこの硬質材を出来るだけ硬くして
飛距離を増大させているのである。ところが、アイアン
ヘッドの素材である硬質材は硬くて鍛造加工や切削加工
などの加工性が悪いため、所要形状のアイアンヘッドに
加工するのが困難であり、作業能率が大幅に低下すると
いう問題があった。
【0005】かと言って、アイアンヘッドの素材として
硬質材でなく軟質材を使用すれば、素材の加工性が悪い
という問題は解決できるけれども、硬質材によるアイア
ンヘッドに比してどうしても飛距離が低下してしまう。
この飛距離低下の影響を少しでも無くすために、軟質材
から成るアイアンヘッドに浸炭法や窒化法等の表面硬化
処理を施してヘッド表面を硬くするという方法が考えら
れる。
硬質材でなく軟質材を使用すれば、素材の加工性が悪い
という問題は解決できるけれども、硬質材によるアイア
ンヘッドに比してどうしても飛距離が低下してしまう。
この飛距離低下の影響を少しでも無くすために、軟質材
から成るアイアンヘッドに浸炭法や窒化法等の表面硬化
処理を施してヘッド表面を硬くするという方法が考えら
れる。
【0006】しかしながら、この表面硬化処理にあって
は、アイアンヘッドの全表面が硬化されてしまい、打球
面となるフェースのみを局所的に均一に硬化させること
は非常に困難であった。例えば、アイアンヘッドの薄肉
部であるネック等が硬くなると、その薄肉部において脆
くなり、打球時の衝撃による金属疲労が蓄積してくる
と、当該薄肉部にクラックが生じて最悪の場合には其処
で折れてしまうという問題があった。また、表面硬化処
理では、得られる硬化層の深さが不均一になって打球し
たフェース面の位置によって飛距離が変動して安定的で
なく、そうかと言って最適の深さの硬化層を均一に生成
することは全く困難で、しかも、浸炭法や窒化法等の処
理に要する時間が長くてコストが増大するという問題も
あった。
は、アイアンヘッドの全表面が硬化されてしまい、打球
面となるフェースのみを局所的に均一に硬化させること
は非常に困難であった。例えば、アイアンヘッドの薄肉
部であるネック等が硬くなると、その薄肉部において脆
くなり、打球時の衝撃による金属疲労が蓄積してくる
と、当該薄肉部にクラックが生じて最悪の場合には其処
で折れてしまうという問題があった。また、表面硬化処
理では、得られる硬化層の深さが不均一になって打球し
たフェース面の位置によって飛距離が変動して安定的で
なく、そうかと言って最適の深さの硬化層を均一に生成
することは全く困難で、しかも、浸炭法や窒化法等の処
理に要する時間が長くてコストが増大するという問題も
あった。
【0007】また、従来のアイアンヘッドの製造方法と
しては、溶融金属を鋳型に注入して所要形状の製品を得
る鋳造法、または打球面となるフェース材をヘッド材の
凹部に焼ばめや接着剤等で機械的に接合する方法が多く
採用されている。前者の鋳造法にあっては、複雑な形状
のアイアンヘッドを1工程で製造できるという利点はあ
るけれども、アイアンヘッド自体が所謂「鋳造組織」に
なってしまうため、鋳巣、収縮孔、偏析などが生じて、
靱性や強度等の点で十分な物理的性質を有していないと
いう欠点があった。また、後者の機械的接合法にあって
は、ヘッド材とフェース材との間の接合部位に不可避的
に僅かな隙間が生じたり、その間に接着剤という介在物
が存在したりすることになるため、打球時の飛びのエネ
ルギーが前記接合部位の隙間や介在物を通して逃げてし
まい、ゴルフボールに十分に伝わらないという問題があ
った。
しては、溶融金属を鋳型に注入して所要形状の製品を得
る鋳造法、または打球面となるフェース材をヘッド材の
凹部に焼ばめや接着剤等で機械的に接合する方法が多く
採用されている。前者の鋳造法にあっては、複雑な形状
のアイアンヘッドを1工程で製造できるという利点はあ
るけれども、アイアンヘッド自体が所謂「鋳造組織」に
なってしまうため、鋳巣、収縮孔、偏析などが生じて、
靱性や強度等の点で十分な物理的性質を有していないと
いう欠点があった。また、後者の機械的接合法にあって
は、ヘッド材とフェース材との間の接合部位に不可避的
に僅かな隙間が生じたり、その間に接着剤という介在物
が存在したりすることになるため、打球時の飛びのエネ
ルギーが前記接合部位の隙間や介在物を通して逃げてし
まい、ゴルフボールに十分に伝わらないという問題があ
った。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のゴル
フクラブのヘッドに上記の如き問題があったことに鑑み
て為されたものであり、フェース打球面が硬くて秀れた
靱性を有し、しかも加工性の秀れた硬靱フェースを有す
るクラブヘッドを提供することを目的としたものであ
る。
フクラブのヘッドに上記の如き問題があったことに鑑み
て為されたものであり、フェース打球面が硬くて秀れた
靱性を有し、しかも加工性の秀れた硬靱フェースを有す
るクラブヘッドを提供することを目的としたものであ
る。
【0009】また、本発明は、従来のクラブヘッドにお
ける飛びのエネルギーロスを抑えて飛距離を増大でき、
しかもフェース厚みを均一にして安定した飛距離が得ら
れる硬靱フェースを有するクラブヘッドを提供すること
を目的としたものである。
ける飛びのエネルギーロスを抑えて飛距離を増大でき、
しかもフェース厚みを均一にして安定した飛距離が得ら
れる硬靱フェースを有するクラブヘッドを提供すること
を目的としたものである。
【0010】さらに、本発明は、上記の如きクラブヘッ
ドを簡単かつ確実に能率よく製造できるクラブヘッドの
製造方法を提供することを目的としたものである。
ドを簡単かつ確実に能率よく製造できるクラブヘッドの
製造方法を提供することを目的としたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者が上記技術的課
題を解決するために採用した手段を、添附図面を参照し
て説明すれば、次のとおりである。
題を解決するために採用した手段を、添附図面を参照し
て説明すれば、次のとおりである。
【0012】即ち、本発明は、所定厚の硬靱性金属層1
が軟質母材金属層2の表面に圧鍛接合されたクラッド材
から成り、前記硬靱性金属層1がフェース面1aを形成
して軟質母材金属層2に接合一体化されているという技
術的手段を採用することによって、上記課題を解決した
点に特徴がある。
が軟質母材金属層2の表面に圧鍛接合されたクラッド材
から成り、前記硬靱性金属層1がフェース面1aを形成
して軟質母材金属層2に接合一体化されているという技
術的手段を採用することによって、上記課題を解決した
点に特徴がある。
【0013】また、本発明は、硬靱性金属層1となるべ
き硬靱性金属材Fを軟質母材金属層2となるべき軟質母
材Bの表面に圧鍛接合したクラッド材Cを製し、このク
ラッド材Cを所要形状に切断し、表面所要位置に前記硬
靱性金属材Fを有するワーク片Wを得た後、このワーク
片Wに成形加工を施してフェース面1aに硬靱性金属層
1が層着されたクラブヘッドを作製するという方法的手
段を採用することによって、上記課題を解決した点に特
徴がある。ここに、硬靱性金属とは、打球面となるフェ
ースに適した物理的性質を有する硬くて靱性の秀れた金
属のことをいい、例えば、高炭素鋼、高張力鋼、バネ
鋼、ベリリウム銅、チタン合金、あるいは更にニッケル
・チタン系超弾性合金などを含む。
き硬靱性金属材Fを軟質母材金属層2となるべき軟質母
材Bの表面に圧鍛接合したクラッド材Cを製し、このク
ラッド材Cを所要形状に切断し、表面所要位置に前記硬
靱性金属材Fを有するワーク片Wを得た後、このワーク
片Wに成形加工を施してフェース面1aに硬靱性金属層
1が層着されたクラブヘッドを作製するという方法的手
段を採用することによって、上記課題を解決した点に特
徴がある。ここに、硬靱性金属とは、打球面となるフェ
ースに適した物理的性質を有する硬くて靱性の秀れた金
属のことをいい、例えば、高炭素鋼、高張力鋼、バネ
鋼、ベリリウム銅、チタン合金、あるいは更にニッケル
・チタン系超弾性合金などを含む。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添附図面に示す実
施形態に基いて更に詳しく説明する。なお、図1は本発
明の第1実施形態であるアイアンヘッドの斜視図、図2
は図1のアイアンヘッドを適用して作製したアイアンの
斜視図、図3は本発明の第2実施形態であるアイアンヘ
ッドの斜視図、図4〜図9は本発明方法の第1実施形態
の各工程を経時的に示した斜視説明図、図10〜図11は本
発明方法の第2実施形態の工程の一部を示した斜視説明
図、図12〜図14は本発明方法の第3実施形態の工程の一
部を示した斜視説明図である。
施形態に基いて更に詳しく説明する。なお、図1は本発
明の第1実施形態であるアイアンヘッドの斜視図、図2
は図1のアイアンヘッドを適用して作製したアイアンの
斜視図、図3は本発明の第2実施形態であるアイアンヘ
ッドの斜視図、図4〜図9は本発明方法の第1実施形態
の各工程を経時的に示した斜視説明図、図10〜図11は本
発明方法の第2実施形態の工程の一部を示した斜視説明
図、図12〜図14は本発明方法の第3実施形態の工程の一
部を示した斜視説明図である。
【0015】まず、本発明の第1実施形態であるアイア
ンヘッドを図1および図2に基いて説明する。図中、符
号1で指示するものは、アイアンでゴルフボールを打つ
際の打球面となるフェース面1aを有する硬靱性金属層
であり、高炭素鋼から成る。この硬靱性金属層1は焼入
れなどの熱処理を施して硬化してあり、そのビッカース
硬さHvは約600 〜700 である。そして、前記硬靱性金
属層1の厚さは約1.0mmであり、その厚さは全体に亙
って略均一に形成してある。硬靱性金属層1の素材とし
ては、硬くて靱性の秀れたものであれば何れの金属材で
もよく、高炭素鋼以外に、高張力鋼、バネ鋼、ベリリウ
ム銅、チタン合金、ニッケル・チタン系超弾性合金など
も採択可能である。
ンヘッドを図1および図2に基いて説明する。図中、符
号1で指示するものは、アイアンでゴルフボールを打つ
際の打球面となるフェース面1aを有する硬靱性金属層
であり、高炭素鋼から成る。この硬靱性金属層1は焼入
れなどの熱処理を施して硬化してあり、そのビッカース
硬さHvは約600 〜700 である。そして、前記硬靱性金
属層1の厚さは約1.0mmであり、その厚さは全体に亙
って略均一に形成してある。硬靱性金属層1の素材とし
ては、硬くて靱性の秀れたものであれば何れの金属材で
もよく、高炭素鋼以外に、高張力鋼、バネ鋼、ベリリウ
ム銅、チタン合金、ニッケル・チタン系超弾性合金など
も採択可能である。
【0016】符号2で指示するものは、前記硬靱性金属
層1が表面に接合される軟質母材金属層であり、軟鉄か
ら成る。この軟質母材金属層2には、トウ(toe )部2
aとヒール(heel)部2bとネック(neck)部2cとが
あり、このネック部2c端部には連結孔Jが形成してあ
る。軟質母材金属層2の素材としては、炭素含有量の少
ない低炭素鋼やステンレス鋼なども採択可能である。本
実施形態においては、前記硬靱性金属層1と軟質母材金
属層2とを圧鍛接合してクラッド材を製することによ
り、その軟質母材金属層2のトウ部2aとヒール部2b
との間の前面に所定幅の硬靱性金属層1が冶金的に接合
一体化された図1の如きアイアンヘッドHとして作製さ
れてある。
層1が表面に接合される軟質母材金属層であり、軟鉄か
ら成る。この軟質母材金属層2には、トウ(toe )部2
aとヒール(heel)部2bとネック(neck)部2cとが
あり、このネック部2c端部には連結孔Jが形成してあ
る。軟質母材金属層2の素材としては、炭素含有量の少
ない低炭素鋼やステンレス鋼なども採択可能である。本
実施形態においては、前記硬靱性金属層1と軟質母材金
属層2とを圧鍛接合してクラッド材を製することによ
り、その軟質母材金属層2のトウ部2aとヒール部2b
との間の前面に所定幅の硬靱性金属層1が冶金的に接合
一体化された図1の如きアイアンヘッドHとして作製さ
れてある。
【0017】このように硬靱性金属層1が軟質母材金属
層2に接合一体化されて成るアイアンヘッドHの連結孔
JにグリップGを有するシャフトSの一端を挿着する
と、図2の如き形状のアイアンクラブが得られる。
層2に接合一体化されて成るアイアンヘッドHの連結孔
JにグリップGを有するシャフトSの一端を挿着する
と、図2の如き形状のアイアンクラブが得られる。
【0018】本第1実施形態のアイアンヘッドHの最大
の特徴は、所定厚の硬靱性金属層1を軟質母材金属層2
の表面に圧鍛接合したクラッド材を使用した点に存す
る。これにより、従来の硬靱性金属材のみから成るアイ
アンヘッドにおける鍛造加工や切削加工等の加工性が悪
いという問題、従来の軟質金属材のみから成るアイアン
ヘッドにおける飛距離低下の問題、あるいは、従来の軟
質金属材のみから成るヘッド素材に浸炭法や窒化法等の
表面硬化処理を施したアイアンヘッドにおいて硬化層の
深さが不均一になったりネック等の薄肉部が硬化され脆
くなってクラックが生じて折れ易くなったりするという
種々の問題を見事に解決することが可能となった。
の特徴は、所定厚の硬靱性金属層1を軟質母材金属層2
の表面に圧鍛接合したクラッド材を使用した点に存す
る。これにより、従来の硬靱性金属材のみから成るアイ
アンヘッドにおける鍛造加工や切削加工等の加工性が悪
いという問題、従来の軟質金属材のみから成るアイアン
ヘッドにおける飛距離低下の問題、あるいは、従来の軟
質金属材のみから成るヘッド素材に浸炭法や窒化法等の
表面硬化処理を施したアイアンヘッドにおいて硬化層の
深さが不均一になったりネック等の薄肉部が硬化され脆
くなってクラックが生じて折れ易くなったりするという
種々の問題を見事に解決することが可能となった。
【0019】つまり、本発明のアイアンヘッドHにあっ
ては、打球面となるフェース面1aを有する硬靱性金属
層1が硬く秀れた反発性を有して飛距離を増大でき、か
つ、圧鍛接合によって靱性を高めて耐久性を向上できる
うえに、ヘッドの大部分を構成する軟質母材金属層2が
軟らかくて加工し易く、かつ、その軟質母材金属層2の
一部であるネック等の薄肉部が軟らかく秀れた衝撃吸収
性を有して当該薄肉部で折れ難いという軟質金属材の利
点も同時に得られるのである。また、前記フェース面1
aを有する硬靱性金属層1は、従来の浸炭法や窒化法等
の表面硬化処理のように硬化層の深さが決して不均一に
ならず所定の均一な厚みを有しているため、打球したフ
ェース面1aの位置によって飛距離が変動することはな
く、安定した飛距離が確実に得られる。さらに、前記硬
靱性金属層1と軟質母材金属層2とを機械的接合でなく
圧鍛接合によって冶金的に接合一体化しているため、そ
の接合部位において打球時の飛びのエネルギーが損失す
ることなくスムーズに硬靱性金属層1のフェース面1a
からゴルフボールに伝達されて飛距離を確実に向上でき
るうえに、接合一体化された軟質母材金属層2によるク
ッション効果と両金属の共振作用とが相俟ってフェース
面1aの反発性が増大して理想的な飛距離アップを図る
ことができる。
ては、打球面となるフェース面1aを有する硬靱性金属
層1が硬く秀れた反発性を有して飛距離を増大でき、か
つ、圧鍛接合によって靱性を高めて耐久性を向上できる
うえに、ヘッドの大部分を構成する軟質母材金属層2が
軟らかくて加工し易く、かつ、その軟質母材金属層2の
一部であるネック等の薄肉部が軟らかく秀れた衝撃吸収
性を有して当該薄肉部で折れ難いという軟質金属材の利
点も同時に得られるのである。また、前記フェース面1
aを有する硬靱性金属層1は、従来の浸炭法や窒化法等
の表面硬化処理のように硬化層の深さが決して不均一に
ならず所定の均一な厚みを有しているため、打球したフ
ェース面1aの位置によって飛距離が変動することはな
く、安定した飛距離が確実に得られる。さらに、前記硬
靱性金属層1と軟質母材金属層2とを機械的接合でなく
圧鍛接合によって冶金的に接合一体化しているため、そ
の接合部位において打球時の飛びのエネルギーが損失す
ることなくスムーズに硬靱性金属層1のフェース面1a
からゴルフボールに伝達されて飛距離を確実に向上でき
るうえに、接合一体化された軟質母材金属層2によるク
ッション効果と両金属の共振作用とが相俟ってフェース
面1aの反発性が増大して理想的な飛距離アップを図る
ことができる。
【0020】つぎに、図3に示す第2実施形態のアイア
ンヘッドHは、打球面となるフェース面1aを有する硬
靱性金属層1を軟質母材金属層2の前面全体に接合一体
化した点が上記第1実施形態のアイアンヘッドHと異な
る。このような幅広のフェース面1aを有するアイアン
ヘッドHを使用すれば、スイング軌道の安定しない初心
者でも、ゴルフボールをフェース面1aに確実に当てて
安定した飛距離を稼ぐことができる。
ンヘッドHは、打球面となるフェース面1aを有する硬
靱性金属層1を軟質母材金属層2の前面全体に接合一体
化した点が上記第1実施形態のアイアンヘッドHと異な
る。このような幅広のフェース面1aを有するアイアン
ヘッドHを使用すれば、スイング軌道の安定しない初心
者でも、ゴルフボールをフェース面1aに確実に当てて
安定した飛距離を稼ぐことができる。
【0021】ここで、図1のような第1実施形態アイア
ンヘッドの製造方法を図4〜図9に基いて経時的に説明
する。まず、図4に示すように、高炭素鋼(JIS SK-5相
当)から成る硬靱性金属材F(厚さ3mm×幅60mm×
長さ630 mm)および軟鉄(SAE 1006)から成る軟質母
材B(厚さ60mm×幅100 mm×長さ650 mm)を準備
する。前記硬靱性金属材Fは打球面となるフェース面1
aを有する硬靱性金属層1を構成する素材であり、軟質
母材Bは軟質母材金属層2を構成する素材である。ま
た、第1実施形態の硬靱性金属材Fとしては、単一の素
材から成る高炭素鋼を使用しているけれども、多層のク
ラッド材から成る素材(例えば、高炭素鋼と軟鉄とのク
ラッド材やベリリウム銅と低炭素鋼とのクラッド材等)
を採択することも可能である。
ンヘッドの製造方法を図4〜図9に基いて経時的に説明
する。まず、図4に示すように、高炭素鋼(JIS SK-5相
当)から成る硬靱性金属材F(厚さ3mm×幅60mm×
長さ630 mm)および軟鉄(SAE 1006)から成る軟質母
材B(厚さ60mm×幅100 mm×長さ650 mm)を準備
する。前記硬靱性金属材Fは打球面となるフェース面1
aを有する硬靱性金属層1を構成する素材であり、軟質
母材Bは軟質母材金属層2を構成する素材である。ま
た、第1実施形態の硬靱性金属材Fとしては、単一の素
材から成る高炭素鋼を使用しているけれども、多層のク
ラッド材から成る素材(例えば、高炭素鋼と軟鉄とのク
ラッド材やベリリウム銅と低炭素鋼とのクラッド材等)
を採択することも可能である。
【0022】つぎに、硬靱性金属材Fと軟質母材Bの各
接合面にショットおよびワイヤバフで清浄処理を施し、
軟質母材Bの上面に硬靱性金属材Fを載せてこれらを密
封溶接して、図5に示すような組合せスラブKを得る。
そして、この組合せスラブKを約1050℃〜1100℃の加熱
温度で熱間圧延を行うことにより、硬靱性金属材Fが軟
質母材B表面に減り込みつゝ長さ方向に延びて、図6に
示すように、両部材が互いに圧鍛接合されたクラッド材
C(厚さ20mm×幅120 mm×長さ1670mm)を形成す
る。このクラッド材Cのうち硬靱性金属材Fのサイズ
は、厚さ0.95mm×幅60mm×長さ1670mmである。
接合面にショットおよびワイヤバフで清浄処理を施し、
軟質母材Bの上面に硬靱性金属材Fを載せてこれらを密
封溶接して、図5に示すような組合せスラブKを得る。
そして、この組合せスラブKを約1050℃〜1100℃の加熱
温度で熱間圧延を行うことにより、硬靱性金属材Fが軟
質母材B表面に減り込みつゝ長さ方向に延びて、図6に
示すように、両部材が互いに圧鍛接合されたクラッド材
C(厚さ20mm×幅120 mm×長さ1670mm)を形成す
る。このクラッド材Cのうち硬靱性金属材Fのサイズ
は、厚さ0.95mm×幅60mm×長さ1670mmである。
【0023】このように、材料製造の段階で予め硬靱性
金属層1となるべき硬靱性金属材Fと軟質母材金属層2
となるべき軟質母材Bとを熱間圧延により圧鍛して冶金
的に接合一体化しているので、後述の図9に示すように
アイアンヘッドHの構成部材である硬靱性金属層1と軟
質母材金属層2とを強固に密着接合でき、しかも、フェ
ース面1aとなる硬靱性金属層1の厚みを均一に形成で
きる。
金属層1となるべき硬靱性金属材Fと軟質母材金属層2
となるべき軟質母材Bとを熱間圧延により圧鍛して冶金
的に接合一体化しているので、後述の図9に示すように
アイアンヘッドHの構成部材である硬靱性金属層1と軟
質母材金属層2とを強固に密着接合でき、しかも、フェ
ース面1aとなる硬靱性金属層1の厚みを均一に形成で
きる。
【0024】次いで、前記クラッド材Cを切取線Lに沿
って硬靱性金属層1となるべき硬靱性金属材Fを含むよ
うに打抜き、図7に示すように、フェース形成予定位置
に硬靱性金属材Fが位置した所定形状のワーク片Wを形
成する。この場合、クラッド材Cの大部分が軟質母材B
から成るため、軟らかくて切取り易く非常に切取り作業
を能率よく行える。
って硬靱性金属層1となるべき硬靱性金属材Fを含むよ
うに打抜き、図7に示すように、フェース形成予定位置
に硬靱性金属材Fが位置した所定形状のワーク片Wを形
成する。この場合、クラッド材Cの大部分が軟質母材B
から成るため、軟らかくて切取り易く非常に切取り作業
を能率よく行える。
【0025】その後、図8に示すようなアイアンヘッド
形状のキャビティVa・Vbが各々刻設された上型Ma
と下型Mbとから成る金型を用いて、ワーク片Wを約95
0 ℃〜1000℃の加熱温度で熱間型鍛造を行うことによ
り、図9に示すような形状の硬靱性金属層1(硬靱性金
属材Fに相当する部分)と軟質母材金属層2(軟質母材
Bに相当する部分)とから成るアイアンヘッドHを作製
する。この熱間型鍛造による成形作業も上記の切取り作
業と同様、ワーク片Wの殆どが軟質母材Bから成るた
め、非常に鍛造性がよく成形作業が容易である。本実施
形態の製造方法においては、熱間型鍛造による成形作業
を採用しているけれども、鍛造加工を行わずに、例えば
切削加工を施してアイアンヘッド形状に成形してもよ
い。
形状のキャビティVa・Vbが各々刻設された上型Ma
と下型Mbとから成る金型を用いて、ワーク片Wを約95
0 ℃〜1000℃の加熱温度で熱間型鍛造を行うことによ
り、図9に示すような形状の硬靱性金属層1(硬靱性金
属材Fに相当する部分)と軟質母材金属層2(軟質母材
Bに相当する部分)とから成るアイアンヘッドHを作製
する。この熱間型鍛造による成形作業も上記の切取り作
業と同様、ワーク片Wの殆どが軟質母材Bから成るた
め、非常に鍛造性がよく成形作業が容易である。本実施
形態の製造方法においては、熱間型鍛造による成形作業
を採用しているけれども、鍛造加工を行わずに、例えば
切削加工を施してアイアンヘッド形状に成形してもよ
い。
【0026】そして、上記の如きアイアンヘッドHの表
面の荒仕上げ(バリ取り等)を行った後、焼入れ(加熱
温度約820 ℃、油浴による冷却)および焼戻し(加熱温
度約150 ℃〜180 ℃、加熱時間約1時間)等の熱処理を
施す。すると、アイアンヘッドHの硬靱性金属層1の硬
度はビッカース硬さHv約650 〜700 となり、軟質母材
金属層2の硬度はビッカース硬さHv約100 〜120 とな
る。
面の荒仕上げ(バリ取り等)を行った後、焼入れ(加熱
温度約820 ℃、油浴による冷却)および焼戻し(加熱温
度約150 ℃〜180 ℃、加熱時間約1時間)等の熱処理を
施す。すると、アイアンヘッドHの硬靱性金属層1の硬
度はビッカース硬さHv約650 〜700 となり、軟質母材
金属層2の硬度はビッカース硬さHv約100 〜120 とな
る。
【0027】このように、硬靱性金属層1となるべき硬
靱性金属材Fと軟質母材金属層2となるべき軟質母材B
とが圧鍛接合されたクラッド材Cを製した後、そのクラ
ッド材Cを成形加工してフェース面1aに硬靱性金属層
1を層着するという製造方法を採用したことにより、フ
ェース面1aとなる硬靱性金属層1を軟質母材金属層2
に強固に密着接合して飛距離アップを図れるうえに、ク
ラッド材Cは軟らかくて安価な軟質母材Bを多く有して
いるため、アイアンヘッド形状に成形する作業を容易に
行うことができ、製造コストも大幅に低減できる。
靱性金属材Fと軟質母材金属層2となるべき軟質母材B
とが圧鍛接合されたクラッド材Cを製した後、そのクラ
ッド材Cを成形加工してフェース面1aに硬靱性金属層
1を層着するという製造方法を採用したことにより、フ
ェース面1aとなる硬靱性金属層1を軟質母材金属層2
に強固に密着接合して飛距離アップを図れるうえに、ク
ラッド材Cは軟らかくて安価な軟質母材Bを多く有して
いるため、アイアンヘッド形状に成形する作業を容易に
行うことができ、製造コストも大幅に低減できる。
【0028】また、図3の如き第2実施形態アイアンヘ
ッドの製造方法を図10および図11に基いて説明する。こ
の製造方法にあっては、上記製造方法の図7に示すワー
ク片Wの代わりに、図10に示すように、硬靱性金属材F
の片端がアイアンヘッドHのトウ部2aまで延出するよ
うにクラッド材Cからワーク片Wを切取った後、そのワ
ーク片Wを熱間型鍛造などにより成形して、図11に示す
ように、打球面となるフェース面1aを有する硬靱性金
属層1が軟質母材金属層2の前面全体に接合一体化され
たアイアンヘッドHを製造している。
ッドの製造方法を図10および図11に基いて説明する。こ
の製造方法にあっては、上記製造方法の図7に示すワー
ク片Wの代わりに、図10に示すように、硬靱性金属材F
の片端がアイアンヘッドHのトウ部2aまで延出するよ
うにクラッド材Cからワーク片Wを切取った後、そのワ
ーク片Wを熱間型鍛造などにより成形して、図11に示す
ように、打球面となるフェース面1aを有する硬靱性金
属層1が軟質母材金属層2の前面全体に接合一体化され
たアイアンヘッドHを製造している。
【0029】このようにフェース面1aを有する硬靱性
金属層1となるべき硬靱性金属材Fの切取り方を変える
ことにより、フェース面1aを軟質母材金属層2の所要
部位に適宜配置することが可能となる。
金属層1となるべき硬靱性金属材Fの切取り方を変える
ことにより、フェース面1aを軟質母材金属層2の所要
部位に適宜配置することが可能となる。
【0030】さらに、アイアンヘッドの別の製造方法を
図12〜図14に基いて説明する。この製造方法にあって
は、図6に示すクラッド材Cから硬靱性金属材Fを含む
ように図12に示す如き略直方体のワーク片Wを切取り、
このワーク片Wに鍛造加工または切削加工を施して、図
13に示すように、ネック部2cを除く軟質母材金属層2
と硬靱性金属層1とを形成し、これとは別個に図14に示
す如きネック部2cをロストワックス法による鋳造加工
にて形成している。そして、そのネック部2cを前記軟
質母材金属層2のヒール部2b端部に溶接してアイアン
ヘッドHを作製している。このように鍛造加工、切削加
工または鋳造加工等の種々の加工を組み合わせてアイア
ンヘッドHを製造することも可能である。
図12〜図14に基いて説明する。この製造方法にあって
は、図6に示すクラッド材Cから硬靱性金属材Fを含む
ように図12に示す如き略直方体のワーク片Wを切取り、
このワーク片Wに鍛造加工または切削加工を施して、図
13に示すように、ネック部2cを除く軟質母材金属層2
と硬靱性金属層1とを形成し、これとは別個に図14に示
す如きネック部2cをロストワックス法による鋳造加工
にて形成している。そして、そのネック部2cを前記軟
質母材金属層2のヒール部2b端部に溶接してアイアン
ヘッドHを作製している。このように鍛造加工、切削加
工または鋳造加工等の種々の加工を組み合わせてアイア
ンヘッドHを製造することも可能である。
【0031】本発明の実施形態は概ね上記のとおりであ
るが、本発明は前述の実施形態に限定されるものでは決
してなく、「特許請求の範囲」の記載内において種々の
変更が可能であって、例えば、本実施形態においては、
硬靱フェースを金属製のアイアンクラブのヘッドに適用
しているけれども、木製のウッドクラブのヘッドに適用
することも可能であり、また、ゴルフクラブのヘッドに
必要な飛距離や安定性等の諸条件に応じて、打球面とな
るフェース面1aを有する硬靱性金属層1の厚み、幅、
形状等を適宜変えることも可能であり、このような変更
態様も本発明の技術的範囲に属することはいうまでもな
い。
るが、本発明は前述の実施形態に限定されるものでは決
してなく、「特許請求の範囲」の記載内において種々の
変更が可能であって、例えば、本実施形態においては、
硬靱フェースを金属製のアイアンクラブのヘッドに適用
しているけれども、木製のウッドクラブのヘッドに適用
することも可能であり、また、ゴルフクラブのヘッドに
必要な飛距離や安定性等の諸条件に応じて、打球面とな
るフェース面1aを有する硬靱性金属層1の厚み、幅、
形状等を適宜変えることも可能であり、このような変更
態様も本発明の技術的範囲に属することはいうまでもな
い。
【0032】
【発明の効果】以上実施形態を挙げて説明したとおり、
本発明のゴルフクラブのヘッドにあっては、硬靱性金属
材を軟質金属材の表面に圧鍛接合したクラッド材を使用
しているので、打球面となるフェース面を有する硬靱性
金属材が硬く秀れた反発性を有して飛距離を増大でき、
かつ、圧鍛接合によって靱性を高めて耐久性を向上でき
るうえに、そのクラッド材の大部分が軟らかい軟質金属
材から成るので、加工性に秀れて作業能率を大幅に向上
できる。
本発明のゴルフクラブのヘッドにあっては、硬靱性金属
材を軟質金属材の表面に圧鍛接合したクラッド材を使用
しているので、打球面となるフェース面を有する硬靱性
金属材が硬く秀れた反発性を有して飛距離を増大でき、
かつ、圧鍛接合によって靱性を高めて耐久性を向上でき
るうえに、そのクラッド材の大部分が軟らかい軟質金属
材から成るので、加工性に秀れて作業能率を大幅に向上
できる。
【0033】また、フェース面を有する硬靱性金属材
を、従来の浸炭法や窒化法等の表面硬化処理のように硬
化層の深さが不均一になることなく所定の均一な厚みに
形成できるので、打球したフェース面の位置によって飛
距離が変動することはなく、安定した飛距離が確実に得
られる。
を、従来の浸炭法や窒化法等の表面硬化処理のように硬
化層の深さが不均一になることなく所定の均一な厚みに
形成できるので、打球したフェース面の位置によって飛
距離が変動することはなく、安定した飛距離が確実に得
られる。
【0034】さらに、フェース面を有する硬靱性金属材
と軟質金属材とを機械的接合でなく圧鍛接合によって冶
金的に接合一体化しているので、その接合部位において
打球時の飛びのエネルギーが損失することなくスムーズ
に硬靱性金属材のフェース面からゴルフボールに伝達さ
れて飛距離を確実に向上できるうえに、接合一体化され
た軟質金属材によるクッション効果と両金属の共振作用
とが相俟ってフェース面の反発性が増大して理想的な飛
距離アップを図ることができる。
と軟質金属材とを機械的接合でなく圧鍛接合によって冶
金的に接合一体化しているので、その接合部位において
打球時の飛びのエネルギーが損失することなくスムーズ
に硬靱性金属材のフェース面からゴルフボールに伝達さ
れて飛距離を確実に向上できるうえに、接合一体化され
た軟質金属材によるクッション効果と両金属の共振作用
とが相俟ってフェース面の反発性が増大して理想的な飛
距離アップを図ることができる。
【0035】さらにまた、本発明のクラブヘッドの製造
方法にあっては、クラブヘッドの構成部材となるべき硬
靱性金属材と軟質金属材とが圧鍛接合されたクラッド材
を製した後にそのクラッド材を成形加工しているので、
上記の如き多数のメリットを有するクラブヘッドを簡単
かつ確実に能率よく製造できる。よって、ゴルフクラブ
およびその製造における実用価値は頗る大である。
方法にあっては、クラブヘッドの構成部材となるべき硬
靱性金属材と軟質金属材とが圧鍛接合されたクラッド材
を製した後にそのクラッド材を成形加工しているので、
上記の如き多数のメリットを有するクラブヘッドを簡単
かつ確実に能率よく製造できる。よって、ゴルフクラブ
およびその製造における実用価値は頗る大である。
【図1】本発明の第1実施形態であるアイアンヘッドの
斜視図である。
斜視図である。
【図2】図1のアイアンヘッドを適用して作製したアイ
アンの斜視図である。
アンの斜視図である。
【図3】本発明の第2実施形態であるアイアンヘッドの
斜視図である。
斜視図である。
【図4】本発明方法の第1実施形態の工程の一部を示し
た斜視説明図である。
た斜視説明図である。
【図5】本発明方法の第1実施形態の工程の一部を示し
た斜視説明図である。
た斜視説明図である。
【図6】本発明方法の第1実施形態の工程の一部を示し
た斜視説明図である。
た斜視説明図である。
【図7】本発明方法の第1実施形態の工程の一部を示し
た斜視説明図である。
た斜視説明図である。
【図8】本発明方法の第1実施形態の工程の一部を示し
た斜視説明図である。
た斜視説明図である。
【図9】本発明方法の第1実施形態の工程の一部を示し
た斜視説明図である。
た斜視説明図である。
【図10】本発明方法の第2実施形態の工程の一部を示し
た斜視説明図である。
た斜視説明図である。
【図11】本発明方法の第2実施形態の工程の一部を示し
た斜視説明図である。
た斜視説明図である。
【図12】本発明方法の第3実施形態の工程の一部を示し
た斜視説明図である。
た斜視説明図である。
【図13】本発明方法の第3実施形態の工程の一部を示し
た斜視説明図である。
た斜視説明図である。
【図14】本発明方法の第3実施形態の工程の一部を示し
た斜視説明図である。
た斜視説明図である。
【符号の説明】 1 硬靱性金属層 1a フェース面 2 軟質母材金属層 2a トウ部 2b ヒール部 2c ネック部 H アイアンヘッド J 連結孔 S シャフト G グリップ C クラッド材 B 軟質母材 F 硬靱性金属材 K 組合せスラブ W ワーク片 L 切取線 Ma 上型 Mb 下型 Va キャビティ Vb キャビティ
Claims (9)
- 【請求項1】 所定厚の硬靱性金属層1が軟質母材金属
層2の表面に圧鍛接合されたクラッド材から成り、前記
硬靱性金属層1がフェース面1aを形成して軟質母材金
属層2に接合一体化されていることを特徴とした硬靱フ
ェースを有するクラブヘッド。 - 【請求項2】 硬靱性金属層1の素材として高張力鋼を
使用している請求項1記載の、硬靱フェースを有するク
ラブヘッド。 - 【請求項3】 硬靱性金属層1の素材として高炭素鋼を
使用している請求項1または2記載の、硬靱フェースを
有するクラブヘッド。 - 【請求項4】 軟質母材金属層2の素材として低炭素鋼
を使用している請求項1記載の、硬靱フェースを有する
クラブヘッド。 - 【請求項5】 硬靱性金属層1となるべき硬靱性金属材
Fを軟質母材金属層2となるべき軟質母材Bの表面に圧
鍛接合したクラッド材Cを製し、このクラッド材Cを所
要形状に切断し、表面所要位置に前記硬靱性金属材Fを
有するワーク片Wを得た後、このワーク片Wに成形加工
を施してフェース面1aに硬靱性金属層1が層着された
クラブヘッドを作製することを特徴とした硬靱フェース
を有するクラブヘッドの製造方法。 - 【請求項6】 熱間圧延加工を施すことにより圧鍛接合
してクラッド材Cを製する請求項5記載の、硬靱フェー
スを有するクラブヘッドの製造方法。 - 【請求項7】 ワーク片Wに熱間型鍛造加工を施して所
要形状のクラブヘッドを得る請求項5または6記載の、
硬靱フェースを有するクラブヘッドの製造方法。 - 【請求項8】 ワーク片Wに切削加工を施して所要形状
のクラブヘッドを得る請求項5〜7の何れか一つに記載
の、硬靱フェースを有するクラブヘッドの製造方法。 - 【請求項9】 成形加工されたクラブヘッドに熱処理を
施している請求項5〜8の何れか一つに記載の、硬靱フ
ェースを有するクラブヘッドの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8082931A JPH09271546A (ja) | 1996-04-04 | 1996-04-04 | 硬靱フェースを有するクラブヘッド、およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8082931A JPH09271546A (ja) | 1996-04-04 | 1996-04-04 | 硬靱フェースを有するクラブヘッド、およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09271546A true JPH09271546A (ja) | 1997-10-21 |
Family
ID=13787986
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8082931A Pending JPH09271546A (ja) | 1996-04-04 | 1996-04-04 | 硬靱フェースを有するクラブヘッド、およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09271546A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017535668A (ja) * | 2014-10-02 | 2017-11-30 | ティッセンクルップ スチール ヨーロッパ アクチェンゲゼルシャフトThyssenKrupp Steel Europe AG | 多層平鋼製品および多層平鋼製品から製造された構成要素 |
WO2020116093A1 (ja) * | 2018-12-03 | 2020-06-11 | ヨネックス株式会社 | ゴルフ用クラブヘッド、及び、ゴルフ用クラブヘッドの製造方法 |
JP2022108923A (ja) * | 2021-01-14 | 2022-07-27 | 基宏 蘇 | 軟鉄鍛造製ゴルフクラブヘッド製造方法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07222830A (ja) * | 1994-02-15 | 1995-08-22 | Takefu Tokushu Kozai Kk | クラッドパターヘッド、その製造方法 |
-
1996
- 1996-04-04 JP JP8082931A patent/JPH09271546A/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07222830A (ja) * | 1994-02-15 | 1995-08-22 | Takefu Tokushu Kozai Kk | クラッドパターヘッド、その製造方法 |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017535668A (ja) * | 2014-10-02 | 2017-11-30 | ティッセンクルップ スチール ヨーロッパ アクチェンゲゼルシャフトThyssenKrupp Steel Europe AG | 多層平鋼製品および多層平鋼製品から製造された構成要素 |
WO2020116093A1 (ja) * | 2018-12-03 | 2020-06-11 | ヨネックス株式会社 | ゴルフ用クラブヘッド、及び、ゴルフ用クラブヘッドの製造方法 |
JP2020089413A (ja) * | 2018-12-03 | 2020-06-11 | ヨネックス株式会社 | ゴルフ用クラブヘッド、及び、ゴルフ用クラブヘッドの製造方法 |
CN113056339A (zh) * | 2018-12-03 | 2021-06-29 | 尤尼克斯株式会社 | 高尔夫球杆头及高尔夫球杆头的制造方法 |
JP2022108923A (ja) * | 2021-01-14 | 2022-07-27 | 基宏 蘇 | 軟鉄鍛造製ゴルフクラブヘッド製造方法 |
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