JPH09271217A - 播種機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 泥土の上方に水面がある場合にも、圧力空気
導管からの空気圧を強くして、種子に勢いを付けること
により、種子を土中へ埋没させることが可能であり、精
度の高い繰出装置を使用すれば、田植えをするのと同等
の播種位置を確保するものである。 【解決手段】 繰出ロールＡ又は繰出目皿等により構成
された繰出装置から繰り出された種子Ｓを、ブロワファ
ン５等の発生した圧力空気流と共に落下させ、水田面付
近に接地された圧力空気導管４から、水田面に圧力空気
流と種子Ｓを、一緒に吹き付けるものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は種籾を、直接に代掻
きした水田に落下させて播種する直播装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来種子を代掻きした水田に播種する技
術において、種子の埋没深さが地表面から１〜２ｃｍ程
度が最も発芽し易いのである。しかし、従来のシュータ
イプやディスクタイプの作溝器では、１〜２ｃｍの深さ
に安定した作溝をすることが難しいために、発芽精度を
上げることが困難となっていたのである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】代掻き後の地表面は水
分を多く含んでいる為に、空気圧で泥を凹ませることが
可能であり、そして圧力空気導管からの空気圧が無くな
れば、直ぐに元の泥土地表面に戻るのである。この現象
を利用して、種子を１〜２ｃｍの一定の深さに埋没させ
ることが出来るのである。また、泥土の上方に水面があ
る場合にも、圧力空気導管からの空気圧を強くして、種
子に勢いを付けることにより、種子を土中へ埋没させる
ことが可能であり、精度の高い繰出装置を使用すれば、
田植えをするのと同等の播種位置を確保することが可能
となるのである。

【０００４】本発明の解決しようとする課題は以上の如
くであり、次に該課題を解決するための手段を説明す
る。繰出ロール又は繰出目皿等により構成された繰出装
置から繰り出された種子を、ブロワファン５等の発生し
た圧力空気流と共に落下させ、水田面付近に接地された
圧力空気導管４から、水田面に圧力空気流と種子Ｓを、
一緒に吹き付けるものである。

【０００５】

【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を説明す
る。図１は本発明の播種機を付設したトラクタＴの斜視
図、図２は同じくトラクタＴの後部に、本発明の播種機
を装着した状態の側面断面図、図３は繰出装置と圧力空
気導管４とホッパーＨの部分の拡大断面図である。

【０００６】図１と図２において、トラクタＴの後部に
本発明の播種機を装着した状態を説明する。トラクタＴ
は本実施例においては、乗用田植機の走行部をそのまま
使用した形態としている。その為に、走行輪はタイヤで
はなくて、ラグ付き車輪により構成している。このよう
に、ラグ付き車輪による走行装置としたことにより、水
を張った水田を自由に走行することが出来るのである。

【０００７】該トラクタＴの後部に作業機装着装置７を
付設し、該作業機装着装置７に本発明の播種機を装着し
ている。本発明の播種機は、ブロワファン５とホッパー
Ｈと繰出ロールＡと圧力空気導管４等により構成されて
いる。そして、ブロワファン５は電動モータＭにより駆
動すべく構成しており、作業機装着装置７により、播種
機と共に上下可能としている。

【０００８】ホッパーＨは、トラクタＴの進行方向に対
して直角方向に長いタンクに構成し、この中に種子Ｓと
して湛水直播装置の場合には、種籾を配置している。該
種籾の一定粒数を繰出ロールＡにより繰出して、ブロワ
ファン５からの圧力空気流と共に、代掻き後の泥土状態
の水田表面に吹き付けるのである。

【０００９】上記繰出ロールＡはロール駆動軸６により
駆動されており、該ロール駆動軸６は播種条数だけ設け
られた繰出ロールＡの全てを貫通して、共に駆動すべく
構成している。そして、種子落下口２も植付条数と同じ
数だけ垂設されている。ブロワファン５からの圧力空気
流は、播種条数だけ設けられた圧力空気導管４に分岐す
る必要があり、圧力空気流供給パイプ８の部分で分岐さ
れている。そして、圧力空気流供給パイプ８の先端が、
各播種装置の圧力空気導管４に連通されている。

【００１０】該圧力空気導管４は、種子落下口２と一体
的に構成されて同じ位置に設けられており、圧力空気導
管４が前であり、種子落下口２が後部に配置されてい
る。この構成により、先ず圧力空気導管４からの圧力空
気流により、泥土を押し退けて１〜２ｃｍの凹部Ｂを構
成し、この凹部Ｂの中に、次に繰出ロールＡから落下し
てくる、一定粒数の種子Ｓを種子落下口２から嵌入させ
るのである。

【００１１】該種子落下口２から種子Ｓを落下した後の
行程には、覆土板や覆土ディスクは別に設けられておら
ず、泥土が自然に凹部Ｂを水平状態に復元する操作をそ
のまま、覆土作用に利用しているのである。そして、代
掻き直後であれば、水田の表面は水と泥に分離していな
いが、代掻き後に時間が経過している場合には、必ず水
田の表面は表面の水層と、下方の泥の層に分離している
のである。このように、水と泥が分離されている場合で
も、圧力空気導管４から圧力空気流を吹き付けることに
より、水の部分か吹き飛ばされて、泥の部分も巻き上げ
ることになるので、この圧力空気流により水と泥を混合
させて泥土を作り上げる効果があるのである。

【００１２】図３においては、ホッパーＨと繰出ロール
Ａと掻き落としブラシ３と種子落下口２の部分の拡大側
面図が開示されている。該掻き落としブラシ３は、繰出
ロールＡの種子嵌入凹部に嵌入した種子の余剰部分を掻
き落とす役目をしている。そして、種子嵌入凹部の内部
に一定粒数だけ残された種子Ｓが、種子落下口２から凹
部Ｂ内に落下するのである。また、前記繰出ロールＡに
代えて、繰出目皿を配設し、繰出装置を構成することも
可能である。

【００１３】本発明において、圧力空気導管４からの圧
力空気流により泥土内に出来る凹部Ｂは、約１〜２ｃｍ
の深さであり、それ以上の深さには成らないのである。
そして、該１〜２ｃｍの内部に、一定の粒数の種子Ｓを
重力により落下させるのである。該種子Ｓが落下した後
に、機体がそのまま進行すると、一旦凹部Ｂを構成する
為に、近辺に逃げた泥土が戻ってくることにより、種子
Ｓへの覆土が出来るのである。

【００１４】

【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、次の
ような効果を奏するのである。繰出ロールＡ又は繰出目
皿等により構成された繰出装置から繰り出された種子Ｓ
を、ブロワファン５等の発生した圧力空気流と共に落下
させ、水田面付近に接地された圧力空気導管４から、水
田面に圧力空気流と種子Ｓを、一緒に吹き付けるので、
この圧力空気流により構成される凹部Ｂは、常時１〜２
ｃｍの深さの精度の高い穴となり、この中に播種された
種子Ｓは、深すぎる位置に播種した場合に発生する発芽
不能状態を発生することがなく、発芽率を１００％にす
ることが出来るのである。逆に、地上に露出した地表面
に種子Ｓが落下することにより、乾燥状態が続いて発芽
不能となることも無くなったのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の播種機を付設したトラクタＴの斜視
図。

【図２】同じくトラクタＴの後部に、本発明の播種機を
装着した状態の側面断面図。

【図３】繰出装置と圧力空気導管４とホッパーＨの部分
の拡大断面図。

【符号の説明】

Ａ 繰出ロール Ｈ ホッパー ２ 種子落下口 ３ 掻き落としブラシ ４ 圧力空気導管 ５ ブロワファン ６ ロール駆動軸

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 繰出ロールＡ又は繰出目皿等により構成
   された繰出装置から繰り出された種子Ｓを、ブロワファ
   ン５等の発生した圧力空気流と共に落下させ、水田面付
   近に接地された圧力空気導管４から、水田面に圧力空気
   流と種子Ｓを、一緒に吹き付けることを特徴とする播種
   機。