JPH09270317A - 超電導磁石装置 - Google Patents

超電導磁石装置

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JPH09270317A
JPH09270317A JP9967396A JP9967396A JPH09270317A JP H09270317 A JPH09270317 A JP H09270317A JP 9967396 A JP9967396 A JP 9967396A JP 9967396 A JP9967396 A JP 9967396A JP H09270317 A JPH09270317 A JP H09270317A
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JP
Japan
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magnet device
superconducting magnet
superconducting
convex cylindrical
magnetic field
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JP9967396A
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Inventor
Hajime Kawano
川野  源
Munetomo Kotabe
宗倫 小田部
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Hitachi Healthcare Manufacturing Ltd
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Hitachi Medical Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】複数個の超電導体円筒からなる静磁場発生源を
もつ超電導磁石装置で、超電導体円筒のうちの一部の円
筒に他の円筒とは逆方向の電流を流す手段を提供すると
共に、広い均一磁場をもちかつ小型の超電導磁石装置を
提供する。 【解決手段】超電導材からなる複数個の円筒をほぼ同心
に配置した静磁場発生源と、この静磁場発生源を超電導
状態に冷却する冷却手段とを具備する超電導磁石装置に
おいて、隣接して配置された2個の円筒(41A,42
A)を各々の周方向の近接する位置で切断し、その切断
箇所の異なる円筒の端面間を、平行かつ近接して配置し
た2個の超電導材の板(41AA,41AB)で2端面
ずつ接続して、1個の超電導材からなる二重円筒の閉ル
ープを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は静磁場発生源として
超電導体を利用した超電導磁石装置、特に磁気共鳴イメ
ージング装置用などに適した静磁場均一度の高い小型の
超電導磁石装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図8(a)に従来の磁気共鳴イメージン
グ装置(以下、MRI装置という)等に使用される超電
導磁石装置の一例を示す。この超電導磁石装置は超電導
コイル13A,13Bを均一磁場領域18を挟んで対向
して配置したものである。超電導コイル13A,13B
は、NbTiやNb3Sn などの超電導材料の線材をコ
イル状に巻いたものであり、これらのコイルは支持体1
4に支持されて、冷媒容器11A,11B内に保持され
る。冷媒容器11A,11Bはそれぞれ真空容器10
A,10Bに保持されている。また、超電導コイル13
A,13Bは冷媒容器11A,11Bに充填された液体
ヘリウム等の超電導用冷媒12によって冷却される。真
空容器10Aは、2本の支柱20で支持されている。
【0003】超電導コイル13A,13Bには、励磁電
源16からコネクタ部15を経由して着磁電流が導入さ
れて、両コイルの着磁が行われ、均一磁場領域18内に
中心軸19に沿った均一な静磁場が形成される。図8
(b)にその静磁場の磁束密度分布例を示す。図8
(b)において縦軸は均一磁場領域18の中心軸19に
沿った方向の磁場強度を示し、横軸には中心軸19を基
準とした位置(軸17に沿った位置)を示している。グ
ラフ21Aは小さなコイル半径R1の場合の磁束密度分
布を示したもので、中心部が凸の分布をしている。グラ
フ21Bは大きなコイル半径R2の場合の磁束密度分布
を示したもので、外周部では凸になっているが、中心部
では均一な磁束密度分布をしている。このことは、1組
の超電導コイルで静磁場を形成する場合、静磁場空間の
中心部に均一な静磁場を作るためには、超電導コイルの
外径を大きくしなければならないことを示している。
【0004】図9(a)には静磁場発生源とし超電導コ
イルを採用した超電導磁石装置の他の従来例を示す。こ
の例では2組の超電導コイル13A,13B,22A,
22Bを支持体14Aに支持して、冷媒容器11A,1
1Bに配置されている。この例では、内側の超電導コイ
ル22A,22Bに、外側の超電導コイル13A,13
Bに流れる電流とは逆方向の電流を流すことにより、超
電導コイルの外径を大きくしないで、均一磁場領域18
の磁場均一度を向上させている。
【0005】図9(b)はその均一磁場領域18におけ
る磁束密度分布を示したものである。縦軸,横軸の表示
は図6(b)と同じである。グラフ23は中程度のコイ
ル半径R1をもつ超電導コイル13A,13Bが形成す
る磁束密度分布を示したもので、中心部が正方向に凸の
分布をしている。グラフ24は小さなコイル半径R2
もつ超電導コイル22A,22Bが形成する磁束密度分
布を示したものである。超電導コイル22A,22Bで
は、超電導コイル13A,13Bとは逆方向に電流を流
しているので、負方向に凸の分布を示している。グラフ
25は2組のコイルが形成する磁束密度分布を合成した
もので、均一磁場領域18に均一な静磁場が得られてい
る。この例の如く、逆方向に電流を流すコイルを組合せ
ることにより、超電導コイルの外径を大きくすることな
く、均一な静磁場領域を得ることができる。
【0006】図10(a)には静磁場発生源として超電
導体の円筒の組合せを採用した超電導磁石装置の第3の
従来例を示す。この超電導磁石装置の静磁場発生源は、
NbTiなどの超電導物質の板材から作った円筒30
A,30B,31A,31B,32A,32Bからな
り、支持体33に支持されて冷媒容器11A,11B内
に配置されている。静磁場発生源の着磁は、均一磁場領
域18を含む部分に着磁コイル34を配設して間接的に
行われる。着磁方法の一例を説明すると、先ず超電導体
円筒30A〜32Bを常電導状態に保持し、着磁コイル
34に励磁電源16より励磁電流を導入し、着磁コイル
34に着磁のための磁束を発生させる。この磁束は超電
導体円筒30A〜32Bの内外を通過する。この状態で
冷媒容器11A,11Bに超電導用冷媒12を導入し、
超電導体円筒30A〜32Bを超電導状態になるまで冷
却し、その後超電導状態に保持する。次に、着磁コイル
34に流れる電流を徐々に減少させて零になるまで下げ
る。着磁コイル34に流れる電流が減少するにつれて、
超電導体円筒30A〜32Bには誘導電流が発生し増加
する。着磁コイル34に流れる電流が零になったとき
に、超電導体円筒30A〜32Bに誘導されている電流
はその後永久電流として保持され、超電導電流となる。
ここまでの手順で、超電導体円筒30A〜32Bの着磁
は完了となるので、あと着磁コイル34を均一磁場領域
18から取り除くことにより、均一磁場領域18は被検
者のための撮影空間として利用できるようになる。
【0007】図10(b)には、上側の静磁場発生源の
超電導体円筒30A,31A,32Aの配置を均一磁場
領域18の側から(下から)見た図を示す。着磁後にお
いては、各々の超電導体円筒30A,31A,32Aに
は図示の方向にそれぞれI1,I2,I3の超電導電流が
流れ、均一磁場領域18に下向きの静磁場が形成され
る。図10(a)の如き配置の超電導体円筒30A〜3
2Bを上記の方法で着磁した場合には、各々の超電導体
円筒30A,31A,32Aに流れる電流の向きは図1
0(b)に示す如く円じ方向となる。
【0008】図10(c)には、図10(a)に示した
超電導磁石装置において、均一磁場領域18に形成され
る磁束密度分布例を示す。図示の縦軸および横軸の表示
は図9(b)と同じである。グラフ35は超電導体円筒
30A,30Bにより形成された磁束密度分布、グラフ
36は超電導体円筒31A,31Bにより形成された磁
束密度分布、グラフ37は超電導体円筒32A,32B
により形成された磁束密度分布である。破線で示したグ
ラフ38は、3組の超電導体円筒30A〜32Bで形成
された磁束密度分布である。図10(c)から見て判る
ように、3組の超電導体円筒を組合せているにもかかわ
らず、静磁場空間での均一磁場領域18の範囲が狭いと
いうことである。この理由は、各々の超電導体円筒30
A〜32Bに流れている超電導電流が同じ方向であるた
めである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来例で述べた如く、
超電導体の円筒を使用した超電導磁石装置においては、
複数組の超電導体円筒を同心で対向して配置した場合、
各々の超電導体円筒に同じ方向の電流を流したときに
は、広い均一磁場領域を得ようとすると、超電導体円筒
の外径が大きくなってしまい、小型の超電導磁石装置を
作るのが困難であった。
【0010】このため、本発明では、超電導体円筒に逆
方向の電流を流す手段を提供すると共に、広い均一磁場
をもち、かつ小型の超電導磁石装置を提供することを目
的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は次の解決
手段により達成される。本発明の超電導磁石装置は、超
電導材からなる複数個の輪郭が外側に凸である図形の筒
状体(以下、凸形筒状体という。)をほぼ同心に配置し
た静磁場発生源と、該静磁場発生源を超電導状態に冷却
する冷却手段とを具備する超電導磁石装置において、隣
接して配置された2個の凸形筒状体を各々の周方向の近
接する位置で切断し、該切断箇所の異なる凸形筒状体の
端面間を、平行かつ近接して配置した2個の前記超電導
材の板で2端面ずつ接続して、1個の超電導材からなる
二重凸形筒状体閉ループを形成したことを特徴とする
(請求項1)。
【0012】本発明の超電導磁石装置はさらに、前記二
重凸形筒状体閉ループを前記凸形筒状体の中心軸にほぼ
同心に複数個形成したことを特徴とする(請求項2)。
【0013】本発明の超電導磁石装置はさらに、2個の
凸形筒状体の切断箇所を複数個とし、複数個の超電導材
からなる二重凸形筒状体閉ループを形成したことを特徴
とする(請求項3)。
【0014】本発明の超電導磁石装置はさらに、前記二
重凸形筒状体閉ループを、前記凸形筒状体の中心軸方向
に沿って複数個配列したことを特徴とする(請求項
4)。
【0015】本発明の超電導磁石装置はさらに、前記凸
形筒状体が円筒であることを特徴とする(請求項5)。
【0016】本発明の超電導磁石装置はさらに、前記凸
形筒状体が楕円筒であることを特徴とする(請求項
6)。
【0017】本発明の超電導磁石装置はさらに、前記凸
形筒状体が長方形筒であることを特徴とする(請求項
7)。
【0018】本発明の超電導磁石装置はさらに、超電導
材からなる複数個の小型凸形筒状体を含む静磁場発生源
と、該静磁場発生源を超電導状態に冷却する冷却手段と
を備えた超電導磁石装置において、前記静磁場発生源の
中心軸を中心とする円周上にほぼ等間隔で互いに重なり
合わないように前記小型凸形筒状体を配列した小型凸形
筒状体の環状列を1個以上具備することを特徴とする
(請求項8)。
【0019】本発明の超電導磁石装置はさらに、前記静
磁場発生源が超電導材からなる1個以上の円筒と1個以
上の前記小型凸形筒状体の環状列を前記中心軸を中心に
して配列したことを特徴とする(請求項9)。
【0020】本発明の超電導磁石装置はさらに、前記静
磁場発生源を構成する小型凸形筒状体の環状列のうちの
少なくとも1個の環状列が大きな周をもつ小型凸形筒状
体と小さな周をもつ小型凸形筒状体とからなる二重小型
凸形筒状体で構成されていることを特徴とする(請求項
10)。
【0021】本発明の超電導磁石装置はさらに、前記小
型凸形筒状体の環状列の少なくとも1個について、それ
を構成する前記小型凸形筒状体の中心軸を、前記静磁場
発生源の中心軸に対し、かつ、該中心軸方向に傾けたこ
とを特徴とする(請求項11)。
【0022】本発明の超電導磁石装置はさらに、前記小
型凸形筒状体の環状列を、前記静磁場発生源の中心軸方
向に沿って2個以上重ねたことを特徴とする(請求項1
2)。
【0023】本発明の超電導磁石装置はさらに、前記小
型凸形筒状体が小円筒であることを特徴とする(請求項
13)。
【0024】本発明の超電導磁石装置はさらに、前記小
型凸形筒状体が小型楕円筒であることを特徴とする(請
求項14)。
【0025】本発明の超電導磁石装置はさらに、前記小
型凸形筒状体が小型長方形筒であることを特徴とする
(請求項15)。
【0026】本発明の磁気共鳴イメージング装置用超電
導磁石装置は、前記の超電導磁石装置2個を、撮影空間
として使用する均一磁場領域を挟んで、両者の前記中心
軸を一致させて対向配置して構成したことを特徴とする
(請求項16)。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を添付図に
沿って説明する。図1に本発明の超電導磁石装置の第1
の実施例を示す。図1(a)は超電導磁石装置の概略構
成を示す断面図である。図1(b)は超電導磁石装置の
静磁場発生源を構成する超電導体円筒の配列および超電
導電流の流れ方を示したものである。また、図1(c)
は上記静磁場発生源によって均一磁場領域に形成される
磁束密度分布を示したものである。
【0028】図1(a)および図1(b)に示す本発明
の第1の実施例は、図8(a)に示した従来例と類似の
構成をしている。異なる点は静磁場発生源の構成が図1
(b)の如くなっていることである。静磁場発生源は、
超電導体円筒40A,40B,41A,41B,42
A,42Bからなる。超電導体円筒40A〜42Bは支
持体43に支持されて冷媒容器11A,11Bに配置さ
れている。その他の部分は図8(a)の従来例の構成と
同じである。超電導体円筒40A〜42BはNbTiや
Nb3Snなどの板材を円筒に加工したものである。ま
た、超電導体円筒40A〜42Bの冷却には液体ヘリウ
ムなどの超電導用冷媒12が用いられるが、超電導体の
材料としてNb3Snなどを用いる場合には、冷却方式
として直接冷凍機で冷却しても良く、この場合には冷媒
容器11A,11Bは省略され、代りに熱シールドが用
いられる。また、着磁は図8(a)に示した従来例と同
様に行う。
【0029】本実施例の静磁場発生源の構成は図1
(b)の如くなっている。即ち、静磁場発生源のうちの
上部側のものは超電導体円筒40A,41A,42Aか
らなる。この中の超電導体円筒41Aと42Aは各々1
箇所で切断され、各々の切断された端面はそれぞれ、超
電導体円筒41Aと42Aとの間に近接して平行に配置
された超電導体の板材からなる接続部41AA,41A
Bによって接続されている。静磁場発生源のうちの下部
側も同様に超電導体円筒41Bと42Bが接続部41B
Aと41BBで接続されている。このような構成の静磁
場発生源を着磁したときには、各々の超電導体円筒に流
れる電流としては、円筒40Aには電流I1,円筒41
Aには電流I2,円筒42Aに電流−I2(円筒41Aと
逆方向の電流)がそれぞれ流れ、さらに接続部41AA
と41ABに電流I2が流れることになる。しかし、接
続部41AAと41ABに流れる電流は同量で方向が逆
になっている。このことと接続部41AAと41ABと
が近接していることにより、両接続部の電流によって形
成される磁場はキャンセルされ、外部には現われないこ
とになる。その結果、超電導体円筒41Aと42Aとは
独立な円筒で存在するものとみなすことができ、電流I
2が流れる超電導体円筒41Aと電流−I2が流れる超電
導体円筒42Aとが独立に存在する場合と等価になる。
静磁場発生源を以上の如き構成にすることにより、他の
超電導体円筒とは逆方向に流れる電流をもつ超電導体円
筒を得ることができる。
【0030】図1(c)には、図1(b)の静磁場発生
源によって均一磁場領域18に形成される磁束密度分布
例を示す。図示の縦軸および横軸の表示は図7(b)と
同じである。グラフ44は超電導体円筒40A,40B
によって形成された磁束密度分布、グラフ45は超電導
体円筒41A,41Bによって形成された磁束密度分
布、グラフ46は超電導体円筒42A,42Bによって
形成された磁束密度分布、グラフ47(破線で示したも
の)は静磁場発生源としての合成された磁束密度分布で
ある。図から判るように、超電導体円筒42A,42B
には逆方向の電流が流れるために逆方向の磁場が形成さ
れること、その結果として超電導体円筒40A,40B
の外径が小さいにもかかわらず広い均一磁場領域が得ら
れることという従来と異なる大きな特徴が得られる。
【0031】次に、超電導体円筒41A,42Aに対す
る着磁の効果について説明する。着磁コイル34で発生
させられた磁束は、超電導体円筒40A,41A,42
Aの内外を通過するが、その中で超電導体円筒41Aと
42Aの間を通過する磁束は両円筒が接続されていて閉
ループを作っているため、着磁後も保持され、超電導体
円筒41A,42Aにはその磁束を維持するための循環
する超電導電流I2が流れることになる。
【0032】また、超電導体円筒41Aの部分にI2
りも大きな電流を流したい場合には、同じ位置にもう1
個の超電導体円筒(他の超電導体円筒と接続しないも
の)を配設すればよいし、超電導体円筒42Aの部分を
流れる電流をI2よりも小さくしたい場合にも、同じ位
置にもう1個の超電導体円筒を配設すればよい。
【0033】図2に本発明の超電導磁石装置の第2の実
施例を示す。図2は超電導磁石装置の要部である静磁場
発生源の断面を示したものである。静磁場発生源は超電
導体円筒50,51,52から構成される。超電導体円
筒51と52は第1の実施例と同様に一部で接続されて
いるが、本実施例の場合には両円筒を4個ずつに切断
し、この切断された端面を両円筒の間に近接して平行に
配置された2個の接続部によって接続したものである。
その結果4個の閉ループが形成されている。各閉ループ
はそれぞれ超電導体円筒51の一部51−1,51−
2,51−3,51−4と超電導体円筒52の一部52
−1,52−2,52−3,52−4と接続部とから構
成される。
【0034】図2に示した構成の静磁場発生源は第1の
実施例と同様に着磁されるが、着磁の際超電導体円筒5
1と52とで作られる4個の閉ループを通過する磁束は
第1の実施例と同様に着磁後も保持される。図2におい
ては、超電導体円筒を4分割した場合について説明した
が、この分割数は4個に限定されず何個に分割してもよ
いことは言うまでもない。
【0035】図3に本発明の超電導磁石装置の第3の実
施例を示す。図3は超電導磁石装置の要部である静磁場
発生源の断面を示したものである。静磁場発生源は超電
導体円筒55,56,57,58,59から構成されて
いる。超電導体円筒56と57,58と59は第1の実
施例と同様に1箇所で切断され、両円筒は接続部で接続
されており、2つの閉ループが形成されている。超電導
体円筒55には電流I1が、超電導体円筒56には電流
2が、超電導体円筒57には電流−I2が、超電導体円
筒58には電流I3が、超電導体円筒59には電流−I3
が、それぞれ流れている。
【0036】本実施例の場合、電流I1が流れる超電導
体円筒55の内側に、電流I2が流れる超電導体円筒の
閉ループと、電流I3が流れる超電導体円筒の閉ループ
とが形成されている。本実施例は第1の実施例に比べ
て、超電導体円筒内の半径方向の面積を細分化したこと
に相当する。
【0037】本実施例においては、超電導体円筒の閉ル
ープの数を2個にした場合について説明したが、この閉
ループの数は2個に限定されることなく、3個以上にし
てよいことは言うまでもなく、また、第2の実施例と第
3の実施例とを組合せて、各々の超電導体円筒の閉ルー
プを複数個に分割することも可能である。
【0038】図4に本発明の超電導磁石装置の第4の実
施例を示す。図4は超電導磁石装置の要部である静磁場
発生源の半分を示したものである。静磁場発生源は大径
の超電導体円筒60とその内側に円周に沿って等間隔に
配列したn個の小径の超電導体円筒61−1〜61−n
の列(環状列)とから構成されている。本実施例は、第
2の実施例に類似するもので、第2の実施例で細分化し
た四角形の超電導体の筒を小径の円筒としたものであ
る。この場合、大径の超電導体円筒60には電流I
1が、小径の超電導体円筒61−1〜61−nには電流
2が流れる。
【0039】本実施例の場合には、大径の超電導体円筒
60の内側に小径の円筒61−1〜61−nの環状列を
配列していることにより、着磁後の均一磁場領域18内
の磁束密度分布は第1の実施例または第2の実施例と同
様なものとなるが、小径の超電導体円筒を多数個使用し
ていることにより、第1または第2の実施例の超電導体
の筒のループと比べて形状が単純化されているので加工
が容易になり、大幅な加工費の低減を図ることができ
る。また、超電導磁石装置の加工精度の点でも向上を図
ることができる。
【0040】図5に本発明の超電導磁石装置の第5の実
施例を示す。本実施例は第4の実施例における原則を拡
張したものである。図5は超電導磁石装置の要部である
静磁場発生源の半分を示したものである。静磁場発生源
は外周に大径の3個の超電導体円筒70,71,72が
配列され、その内側に多数個の小径の超電導体円筒73
−1〜73−mの環状列が配列され、さらにその内側に
中径の超電導体円筒74が配列され、最も内側には2重
の小径の超電導体円筒75−1〜75−n,76−1〜
76−nの環状列が配列されている。また超電導体円筒
に流れる電流としてはそれぞれ円筒70には電流I
1が、円筒71には電流I2が、円筒72には電流I
3が、円筒73−1〜73−mには電流I4が、円筒74
には電流I5が、円筒75−1〜75−nには電流I
6が、円筒76−1〜76−nには電流I7が流れる。各
々の超電導体円筒には、第1乃至第4の実施例で述べた
如く、着磁したときにその円筒の内側を通過する磁束を
保持するように電流が流れ、その後その電流が維持され
る。
【0041】本実施例は、第4の実施例と比べた場合、
大径または中径の超電導体円筒の個数を増加したこと、
小径の超電導体円筒の配列を2段にしたこと、最小内周
に配列した小径の超電導体円筒がそれぞれ2層になって
いることの点で相違する。これらの相違点は均一磁場領
域の磁場均一度を向上するために寄与するものである。
【0042】本実施例の多数個の小径の超電導体円筒の
配列については、図5に示したものに限定されず、小径
単層の超電導体円筒を複数段配列したり、小径複数層の
超電導体円筒を複数段配列したり、両者を組合せたりし
て、磁場均一度の向上を図ることができる。
【0043】図6及び図7に本発明の超電導磁石装置の
第6及び第7の実施例を示す。図6及び図7は共に超電
導磁石装置の要部である静磁場発生源の半分を示したも
のである。第6の実施例,第7の実施例とも図1に示し
た第1の実施例の一変形である。
【0044】図6の第6の実施例は、第1の実施例の超
電導体円筒を超電導体楕円筒にしたものである。図6に
おいて、静磁場発生源は超電導体楕円筒80,81,8
2からなり、楕円筒81と82がそれぞれ1箇所切断さ
れて接続部81A,81Bで接続されている。このよう
な構成の超電導磁石装置では楕円形の均一磁場領域を必
要とする場合に有効である。
【0045】図7の第7の実施例は、第1の実施例の超
電導体円筒を超電導体長方形筒にしたものである。図7
において、静磁場発生源は超電導体長方形筒85,8
6,87からなり、長方形筒86と87がそれぞれ1箇
所切断されて接続部86A,86Bで接続されている。
このような構成の超電導磁石装置では長方形の均一磁場
領域を必要とする場合に有効である。
【0046】第6,第7の実施例においても、超電導体
円筒を用いた場合と同様に、第2,第3の実施例の如
く、周方向及び径方向に閉ループの数を増加させること
ができる。また、静磁場発生源の中心軸方向(筒の長さ
方向)に沿って、筒の数を増やすこともできる。さら
に、超電導体筒の形状は、円筒,楕円筒,長方形筒に限
定されず、外側に凸になった形の筒(凸形筒状体と呼
ぶ。)であれば、同様の機能を発揮できるので、本発明
はこのような超電導材からなる凸形筒状体で構成された
超電導磁石装置に適用できる。
【0047】また、第4,第5の実施例における小径の
超電導体円筒の形状は円筒に限定されず、楕円筒や長方
形筒であっても良く、小型の凸形筒状体であれば、第
4,第5の実施例と同じ機能を発揮することができる。
【0048】また、第2,第4などの実施例の説明で
は、超電導体円筒の閉ループを複数個に分割した小閉ル
ープや小径の超電導体円筒の環状列については静磁場発
生源の中心軸19と平行に配列してあったが、均一磁場
領域18の作り方によっては上記の小閉ループや小径円
筒の中心軸を傾けてもよい。例えば、均一磁場領域18
における磁束密度を高くしたい場合には、小閉ループや
小径円筒の中心軸の均一磁場領域18に向っている側が
静磁場発生源の中心軸19に近づくように傾ければよ
い。また、均一磁場領域18における磁束密度を低くし
たい場合には逆方向に傾ければよい。
【0049】また、本発明についての以上の実施例で
は、2個の静磁場発生源を対向配置した、MRI装置な
どに適した構成の超電導磁石装置について説明して来た
が、本発明の超電導磁石装置は1個の静磁場発生源のみ
でも十分な機能を発揮することができ、磁気浮上用磁石
などに使用することができる。この場合の着磁方法も図
10(a)の第3の従来例で説明した方法が適用でき
る。着磁コイルは静磁場空間18に置く他に、静磁場発
生源を挟んでいる反対側にもう1個配置して、2個の着
磁コイルを使用して着磁するのも有効である。
【0050】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明によれば、2
つの同軸に配置した超電導体円筒を一部で接続すること
により、内周側の円筒に逆方向の超電導電流を流すこと
ができるので、このような超電導体円筒を静磁場発生源
に用いることにより、広い均一磁場をもち、かつ小型の
超電導磁石装置を提供することができる。また、同じ原
理を適用した多数個の小径の超電導体円筒等を用いて
も、上記と同様な効果を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超電導磁石装置の第1の実施例。
【図2】本発明の超電導磁石装置の第2の実施例。
【図3】本発明の超電導磁石装置の第3の実施例。
【図4】本発明の超電導磁石装置の第4の実施例。
【図5】本発明の超電導磁石装置の第5の実施例。
【図6】本発明の超電導磁石装置の第6の実施例。
【図7】本発明の超電導磁石装置の第7の実施例。
【図8】静磁場発生源として超電導コイルを採用した超
電導磁石装置の従来例。
【図9】静磁場発生源として超電導コイルを採用した超
電導磁石装置の他の従来例。
【図10】静磁場発生源として超電導体の円筒の組合せ
を採用した超電導磁石装置の第3の従来例。
【符号の説明】
10A,10B 真空容器 11A,11B 冷媒容器 12 超電導用冷媒 13A,13B,22A,22B 超電導コイル 14,14A,33,43 支持体 16 励磁電源 17 軸 18 静磁場空間 19 中心軸 20 支柱 21A,21B,23,24,25,35,36,3
7,38,44,45,46,47 グラフ 30A,30B,31A,31B,32A,32B,4
0A,40B,41A,41B,42A,42B,5
0,51,52,55,56,57,58,59,6
0,61,70,71,72,73,74,75,76
超電導体円筒 34 着磁コイル 41AA,41AB,81A,81B,86A,86B
接続部 80,81,82 超電導体楕円筒 85,86,87 超電導体長方形筒

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】超電導材からなる複数個の輪郭が外側に凸
    である図形の筒状体(以下、凸形筒状体という。)をほ
    ぼ同心に配置した静磁場発生源と、該静磁場発生源を超
    電導状態に冷却する冷却手段とを具備する超電導磁石装
    置において、隣接して配置された2個の凸形筒状体を各
    々の周方向の近接する位置で切断し、該切断箇所の異な
    る凸形筒状体の端面間を、平行かつ近接して配置した2
    個の前記超電導材の板で2端面ずつ接続して、1個の超
    電導材からなる二重凸形筒状体閉ループを形成したこと
    を特徴とする超電導磁石装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の超電導磁石装置において、
    前記二重凸形筒状体閉ループを前記凸形筒状体の中心軸
    にほぼ同心に複数個形成したことを特徴とする超電導磁
    石装置。
  3. 【請求項3】請求項1及び2記載の超電導磁石装置にお
    いて、2個の凸形筒状体の切断箇所を複数個とし、複数
    個の超電導材からなる二重凸形筒状体閉ループを形成し
    たことを特徴とする超電導磁石装置。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3記載の超電導磁石装置にお
    いて、前記二重凸形筒状体閉ループを、前記凸形筒状体
    の中心軸方向に沿って複数個配列したことを特徴とする
    超電導磁石装置。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4記載の超電導磁石装置にお
    いて、前記凸形筒状体が円筒であることを特徴とする超
    電導磁石装置。
  6. 【請求項6】請求項1乃至4記載の超電導磁石装置にお
    いて、前記凸形筒状体が楕円筒であることを特徴とする
    超電導磁石装置。
  7. 【請求項7】請求項1乃至4記載の超電導磁石装置にお
    いて、前記凸形筒状体が長方形筒であることを特徴とす
    る超電導磁石装置。
  8. 【請求項8】超電導材からなる複数個の小型凸形筒状体
    を含む静磁場発生源と、該静磁場発生源を超電導状態に
    冷却する冷却手段とを具備する超電導磁石装置におい
    て、前記静磁場発生源の中心軸を中心とする円周上にほ
    ぼ等間隔で互いに重なり合わないように前記小型凸形筒
    状体を配列した小型凸形筒状体の環状列を1個以上具備
    することを特徴とする超電導磁石装置。
  9. 【請求項9】請求項8記載の超電導磁石装置において、
    前記静磁場発生源が超電導材からなる1個以上の円筒と
    1個以上の前記小型凸形筒状体の環状列を前記中心軸を
    中心にして配列したことを特徴とする超電導磁石装置。
  10. 【請求項10】請求項8及び9記載の超電導磁石装置に
    おいて、前記静磁場発生源を構成する小型凸形筒状体の
    環状列のうちの少なくとも1個の環状列が大きな周をも
    つ小型凸形筒状体と小さな周をもつ小型凸形筒状体とか
    らなる二重小型凸形筒状体で構成されていることを特徴
    とする超電導磁石装置。
  11. 【請求項11】請求項8乃至10記載の超電導磁石装置
    において、前記小型凸形筒状体の環状列の少なくとも1
    個について、それを構成する前記小型凸形筒状体の中心
    軸を、前記静磁場発生源の中心軸に対し、かつ、該中心
    軸方向に傾けたことを特徴とする超電導磁石装置。
  12. 【請求項12】請求項8乃至10記載の超電導磁石装置
    において、前記小型凸形筒状体の環状列を、前記静磁場
    発生源の中心軸方向に沿って2個以上重ねたことを特徴
    とする超電導磁石装置。
  13. 【請求項13】請求項8乃至12記載の超電導磁石装置
    において、前記小型凸形筒状体が小円筒であることを特
    徴とする超電導磁石装置。
  14. 【請求項14】請求項8乃至12記載の超電導磁石装置
    において、前記小型凸形筒状体が小型楕円筒であること
    を特徴とする超電導磁石装置。
  15. 【請求項15】請求項8乃至12記載の超電導磁石装置
    において、前記小型凸形筒状体が小型長方形筒であるこ
    とを特徴とする超電導磁石装置。
  16. 【請求項16】請求項1乃至15記載の超電導磁石装置
    2個を、撮影空間として使用する均一磁場領域を挟ん
    で、両者の前記中心軸を一致させて対向配置して構成し
    たことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置用超電導
    磁石装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1097917A (ja) * 1996-09-20 1998-04-14 Hitachi Ltd 超電導磁石装置
EP2511917A4 (en) * 2009-12-08 2017-08-30 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Oxide superconducting bulk magnet member

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JPH1097917A (ja) * 1996-09-20 1998-04-14 Hitachi Ltd 超電導磁石装置
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