JPH09268131A - 高濃度核磁気共鳴造影剤 - Google Patents
高濃度核磁気共鳴造影剤Info
- Publication number
- JPH09268131A JPH09268131A JP8122424A JP12242496A JPH09268131A JP H09268131 A JPH09268131 A JP H09268131A JP 8122424 A JP8122424 A JP 8122424A JP 12242496 A JP12242496 A JP 12242496A JP H09268131 A JPH09268131 A JP H09268131A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- concentration
- magnetic resonance
- nuclear magnetic
- complex
- contrast agent
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 高速撮像法、特に高速撮像法を用いたダイナ
ミックスキャンに期待される有効な情報を提供できる高
濃度核磁気共鳴造影剤、及びその中間体であるキレート
剤の製造方法を提供する。 【解決手段】 DOTMAのGd錯体と、メグルミン、
ナトリウム、カリウム、リチウム、リジン、アルギニ
ン、オルチニン又はジエタノールアミンの群から選択さ
れる1種以上のカウンターイオンからなる錯塩を必須成
分とし、かつ、該錯塩は水性溶剤中にGd錯体濃度とし
て0.7〜0.8M、特に0.75Mで溶解されている
ことを特徴とする生理学的に認容性のある高濃度核磁気
共鳴造影剤、及び1, 4, 7, 10−テトラアザシクロ
ドデカン又はその塩と2−ハロプロピオン酸のエステル
体を反応させることを特徴とするDOTMA又はその塩
の製造方法をその内容とする。
ミックスキャンに期待される有効な情報を提供できる高
濃度核磁気共鳴造影剤、及びその中間体であるキレート
剤の製造方法を提供する。 【解決手段】 DOTMAのGd錯体と、メグルミン、
ナトリウム、カリウム、リチウム、リジン、アルギニ
ン、オルチニン又はジエタノールアミンの群から選択さ
れる1種以上のカウンターイオンからなる錯塩を必須成
分とし、かつ、該錯塩は水性溶剤中にGd錯体濃度とし
て0.7〜0.8M、特に0.75Mで溶解されている
ことを特徴とする生理学的に認容性のある高濃度核磁気
共鳴造影剤、及び1, 4, 7, 10−テトラアザシクロ
ドデカン又はその塩と2−ハロプロピオン酸のエステル
体を反応させることを特徴とするDOTMA又はその塩
の製造方法をその内容とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、核磁気共鳴診断に
おいて、スピンエコー撮像法のみならず高速撮像法、特
に高速撮像法を用いたダイナミックスキャンに対して好
適に使用し得るガドリニウム(Gd)錯塩を含有する造
影剤、及びその中間体であるキレート剤を高収率で得る
製造方法に関する。
おいて、スピンエコー撮像法のみならず高速撮像法、特
に高速撮像法を用いたダイナミックスキャンに対して好
適に使用し得るガドリニウム(Gd)錯塩を含有する造
影剤、及びその中間体であるキレート剤を高収率で得る
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、生体内に存在するプロトンの緩和
時間の差をコントラストとして画像化した核磁気共鳴画
像診断が盛んに行われている。撮像法としては、従来か
らスピンエコー撮像法が用いられ、造影剤との組み合せ
により、主に中枢神経系腫瘍の存在位置及び進展範囲の
確認等の形態学的診断に利用されている。しかしなが
ら、スピンエコー撮像法は撮像時間が数分〜数十分と長
いため、患者に対する負担が大きくなる他、肝臓などの
腹部臓器においては、造影剤による病巣と周囲組織との
コントラスト差が不明瞭になることが指摘されてきた。
時間の差をコントラストとして画像化した核磁気共鳴画
像診断が盛んに行われている。撮像法としては、従来か
らスピンエコー撮像法が用いられ、造影剤との組み合せ
により、主に中枢神経系腫瘍の存在位置及び進展範囲の
確認等の形態学的診断に利用されている。しかしなが
ら、スピンエコー撮像法は撮像時間が数分〜数十分と長
いため、患者に対する負担が大きくなる他、肝臓などの
腹部臓器においては、造影剤による病巣と周囲組織との
コントラスト差が不明瞭になることが指摘されてきた。
【0003】このような背景からグラジエントエコー
法、エコープラナー法などの高速撮像法が開発され、臨
床の場でも用いられるようになってきた。これらの高速
撮像法では、数十ミリ秒〜数十秒と飛躍的に撮像時間が
短縮された。そこで、このような高速撮像法に造影剤を
組み合わせて、造影剤投与前及び直後より高速撮像法を
連続的に行うダイナミックスキャンが新たに開発され、
中枢神経のみならず、肝臓などの腹部臓器も含めて、血
流動態に基づく病態の診断が行われるようになってき
た。
法、エコープラナー法などの高速撮像法が開発され、臨
床の場でも用いられるようになってきた。これらの高速
撮像法では、数十ミリ秒〜数十秒と飛躍的に撮像時間が
短縮された。そこで、このような高速撮像法に造影剤を
組み合わせて、造影剤投与前及び直後より高速撮像法を
連続的に行うダイナミックスキャンが新たに開発され、
中枢神経のみならず、肝臓などの腹部臓器も含めて、血
流動態に基づく病態の診断が行われるようになってき
た。
【0004】現在、臨床の場においては、従来からスピ
ンエコー撮像法に適用されているGd錯体、例えばGd
−DTPA錯塩を含有する造影剤をそのままダイナミッ
クスキャンに流用している。これらの造影剤は、何れも
Gd錯体濃度として0.5Mに調製され、更に製剤とし
ての安定性を確保するために安定化剤あるいは緩衝剤な
どが添加されているのが一般的である。しかしながら、
これらの造影剤を用いて得られる画像は、必ずしも病巣
と周囲組織のコントラストが良好ではない。そこで、ス
ピンエコー撮像法にはもとより、高速撮像法、特に高速
撮像法を用いたダイナミックスキャンにも好適に使用し
得る核磁気共鳴造影剤の開発に対する要望が高まってき
た。
ンエコー撮像法に適用されているGd錯体、例えばGd
−DTPA錯塩を含有する造影剤をそのままダイナミッ
クスキャンに流用している。これらの造影剤は、何れも
Gd錯体濃度として0.5Mに調製され、更に製剤とし
ての安定性を確保するために安定化剤あるいは緩衝剤な
どが添加されているのが一般的である。しかしながら、
これらの造影剤を用いて得られる画像は、必ずしも病巣
と周囲組織のコントラストが良好ではない。そこで、ス
ピンエコー撮像法にはもとより、高速撮像法、特に高速
撮像法を用いたダイナミックスキャンにも好適に使用し
得る核磁気共鳴造影剤の開発に対する要望が高まってき
た。
【0005】これらの要望に基づき、よりダイナミック
スキャンに適した造影剤の研究開発が行われている。例
えば、Gd−butriol錯体のように、現在臨床使
用されている造影剤の2倍の濃度である1Mに高濃度化
された造影剤の開発(Johannes Platzak et al, Invest
igative Radiology, Vol. 29, No.7, p 709-715, (199
4)/ Rolf W Gunther et al, Dynamic Contrast-Enhanc
ed MR Imaging, Vol.32, p622-628, (1994))も行われ
ている。これにより、投与早期時相における血中造影剤
濃度が高く保持され、ダイナミックスキャンにおけるコ
ントラストの向上が実現された。しかしながら、該錯体
は1Mという高濃度にするために、Gd錯体の安定性を
保持すべく、安定化剤が必要になり、患者に対する負担
が大きくなるなどの新たな問題を呈した。
スキャンに適した造影剤の研究開発が行われている。例
えば、Gd−butriol錯体のように、現在臨床使
用されている造影剤の2倍の濃度である1Mに高濃度化
された造影剤の開発(Johannes Platzak et al, Invest
igative Radiology, Vol. 29, No.7, p 709-715, (199
4)/ Rolf W Gunther et al, Dynamic Contrast-Enhanc
ed MR Imaging, Vol.32, p622-628, (1994))も行われ
ている。これにより、投与早期時相における血中造影剤
濃度が高く保持され、ダイナミックスキャンにおけるコ
ントラストの向上が実現された。しかしながら、該錯体
は1Mという高濃度にするために、Gd錯体の安定性を
保持すべく、安定化剤が必要になり、患者に対する負担
が大きくなるなどの新たな問題を呈した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の状況に鑑み、スピンエコー撮像法のみならず高速
撮像法、特に高速撮像法を用いたダイナミックスキャン
に期待される有効な情報を提供でき、かつ水性溶剤に溶
解した際に、安定化剤等の余計な添加剤を必要としない
高い安定性を有する高濃度核磁気共鳴造影剤、及びその
中間体であるキレート剤の工業的生産が可能で、かつ高
収率である製造方法の提供を目的とする。
技術の状況に鑑み、スピンエコー撮像法のみならず高速
撮像法、特に高速撮像法を用いたダイナミックスキャン
に期待される有効な情報を提供でき、かつ水性溶剤に溶
解した際に、安定化剤等の余計な添加剤を必要としない
高い安定性を有する高濃度核磁気共鳴造影剤、及びその
中間体であるキレート剤の工業的生産が可能で、かつ高
収率である製造方法の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、核磁気共
鳴診断の主たる撮像技術であるスピンエコー撮像法に有
用と考えられるGdとα,α',α'', α''' −テトラメ
チル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−
1,4,7,10−テトラキスメチル酢酸よりなる錯体
を高速撮像法、特にダイナミックスキャンに適用すべく
鋭意研究を行った結果、造影剤中のGd錯体濃度と撮像
時間に関連性を有することを見出し、本発明を完成し
た。
鳴診断の主たる撮像技術であるスピンエコー撮像法に有
用と考えられるGdとα,α',α'', α''' −テトラメ
チル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−
1,4,7,10−テトラキスメチル酢酸よりなる錯体
を高速撮像法、特にダイナミックスキャンに適用すべく
鋭意研究を行った結果、造影剤中のGd錯体濃度と撮像
時間に関連性を有することを見出し、本発明を完成し
た。
【0008】即ち、本発明は、α,α',α'', α''' −
テトラメチル−1,4,7,10−テトラアザシクロド
デカン−1,4,7,10−テトラキスメチル酢酸のガ
ドリニウム錯体と、メグルミン、ナトリウム、カリウ
ム、リチウム、リジン、アルギニン、オルチニン又はジ
エタノールアミンの群から選択される1種以上のカウン
ターイオンからなる錯塩を必須成分とし、かつ、該錯塩
は水性溶剤中にガドリニウム錯体濃度として0.7〜
0.8M(mol/l)で溶解されていることを特徴と
する生理学的に認容性のある高濃度核磁気共鳴造影剤、
および、高速撮像法に使用される上記高濃度核磁気共鳴
造影剤、特に、高速撮像法を用いたダイナミックスキャ
ンに使用される上記高濃度核磁気共鳴造影剤に関するも
のである。また、1,4,7,10−テトラアザシクロ
ドデカン又はその塩と2−ハロプロピオン酸エステルを
反応させることを特徴とするα,α',α'', α''' −テ
トラメチル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデ
カン−1,4,7,10−テトラキスメチル酢酸又はそ
の塩の製造方法、特に、1,4,7,10−テトラアザ
シクロドデカン又はその塩と2−ハロプロピオン酸エス
テルとを炭酸塩の存在下、アセトニトリル中で反応さ
せ、次いで、得られたエステル体をメタノール溶媒中で
水酸化ナトリウムによりけん化することを特徴とする上
記α,α',α'', α''' −テトラメチル−1,4,7,
10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−
テトラキスメチル酢酸又はその塩の製造方法、更には、
上記製法によって製造したα,α',α'', α''' −テト
ラメチル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカ
ン−1,4,7,10−テトラキスメチル酢酸又はその
塩を用いた上記高濃度核磁気共鳴造影剤に関するもので
ある。
テトラメチル−1,4,7,10−テトラアザシクロド
デカン−1,4,7,10−テトラキスメチル酢酸のガ
ドリニウム錯体と、メグルミン、ナトリウム、カリウ
ム、リチウム、リジン、アルギニン、オルチニン又はジ
エタノールアミンの群から選択される1種以上のカウン
ターイオンからなる錯塩を必須成分とし、かつ、該錯塩
は水性溶剤中にガドリニウム錯体濃度として0.7〜
0.8M(mol/l)で溶解されていることを特徴と
する生理学的に認容性のある高濃度核磁気共鳴造影剤、
および、高速撮像法に使用される上記高濃度核磁気共鳴
造影剤、特に、高速撮像法を用いたダイナミックスキャ
ンに使用される上記高濃度核磁気共鳴造影剤に関するも
のである。また、1,4,7,10−テトラアザシクロ
ドデカン又はその塩と2−ハロプロピオン酸エステルを
反応させることを特徴とするα,α',α'', α''' −テ
トラメチル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデ
カン−1,4,7,10−テトラキスメチル酢酸又はそ
の塩の製造方法、特に、1,4,7,10−テトラアザ
シクロドデカン又はその塩と2−ハロプロピオン酸エス
テルとを炭酸塩の存在下、アセトニトリル中で反応さ
せ、次いで、得られたエステル体をメタノール溶媒中で
水酸化ナトリウムによりけん化することを特徴とする上
記α,α',α'', α''' −テトラメチル−1,4,7,
10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−
テトラキスメチル酢酸又はその塩の製造方法、更には、
上記製法によって製造したα,α',α'', α''' −テト
ラメチル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカ
ン−1,4,7,10−テトラキスメチル酢酸又はその
塩を用いた上記高濃度核磁気共鳴造影剤に関するもので
ある。
【0009】
【発明の実施の形態】該高濃度核磁気共鳴造影剤の必須
成分であるGd錯塩を構成するキレート剤のDOTMA
又はその塩は、図1に示した公知の方法(J. F. Esreux
et al, Inorg. Chem., Vol.23, pp4459-4466, (1984)
)によって合成することができるが、この方法では、
DOTMA又はその塩の収率が低く、工業的な生産には
不適当であった。図2に示した本発明の1,4,7,1
0−テトラアザシクロドデカン及び無水炭酸カリウムを
アセトニトリルの存在下、2−ブロモプロピオン酸エチ
ルを反応させ、次いで、得られたエステル体をメタノー
ル溶媒中で水酸化ナトリウムによりけん化する方法によ
れば、前述の公知方法に比べ高い収率で目的とするDO
TMA又はその塩を製造することができる。即ち、従来
法では、DOT・4HClからDOTMAを合成する際
に、2−ハロプロピオン酸を用いて1工程でDOTMA
の合成を行っている。この際のDOT・4HClの重量
に対するDOTMAの収率は63%であった。しかし、
DOT・4HClからDOTMAを合成する際に、2−
ハロプロピオン酸のエステル体を用いる本発明のDOT
MAの合成を行う方法によれば、DOT・4HClの重
量に対するDOTMAの収率は79%に向上し、工業的
スケールでの製造に有用であることが示唆された。本方
法における2−ハロプロピオン酸のエステル体は、2−
ブロモプロピオン酸体、2−クロロプロピオン酸体であ
ってもよく、メチルエステル体でもよい。本方法によれ
ば、該2−ハロプロピオン酸は、光学活性又は不活性の
いずれでも適用が可能である。
成分であるGd錯塩を構成するキレート剤のDOTMA
又はその塩は、図1に示した公知の方法(J. F. Esreux
et al, Inorg. Chem., Vol.23, pp4459-4466, (1984)
)によって合成することができるが、この方法では、
DOTMA又はその塩の収率が低く、工業的な生産には
不適当であった。図2に示した本発明の1,4,7,1
0−テトラアザシクロドデカン及び無水炭酸カリウムを
アセトニトリルの存在下、2−ブロモプロピオン酸エチ
ルを反応させ、次いで、得られたエステル体をメタノー
ル溶媒中で水酸化ナトリウムによりけん化する方法によ
れば、前述の公知方法に比べ高い収率で目的とするDO
TMA又はその塩を製造することができる。即ち、従来
法では、DOT・4HClからDOTMAを合成する際
に、2−ハロプロピオン酸を用いて1工程でDOTMA
の合成を行っている。この際のDOT・4HClの重量
に対するDOTMAの収率は63%であった。しかし、
DOT・4HClからDOTMAを合成する際に、2−
ハロプロピオン酸のエステル体を用いる本発明のDOT
MAの合成を行う方法によれば、DOT・4HClの重
量に対するDOTMAの収率は79%に向上し、工業的
スケールでの製造に有用であることが示唆された。本方
法における2−ハロプロピオン酸のエステル体は、2−
ブロモプロピオン酸体、2−クロロプロピオン酸体であ
ってもよく、メチルエステル体でもよい。本方法によれ
ば、該2−ハロプロピオン酸は、光学活性又は不活性の
いずれでも適用が可能である。
【0010】Gd錯体の合成は、常法によりGd又はG
d化合物とDOTMA又はその塩とを水性溶剤中にて反
応させればよい。Gd化合物は塩化物あるいは酸化物が
使用できる。例えば、図3に示したようにDOTMAの
ナトリウム塩とGd化合物として酸化物を使用する場
合、DOTMAのナトリウム塩をGd2 O3 とともにp
H5〜7、50〜90℃の条件で水性溶剤中で反応させ
た後、脱塩操作により、目的とするGd−DOTMAを
合成することが可能である。
d化合物とDOTMA又はその塩とを水性溶剤中にて反
応させればよい。Gd化合物は塩化物あるいは酸化物が
使用できる。例えば、図3に示したようにDOTMAの
ナトリウム塩とGd化合物として酸化物を使用する場
合、DOTMAのナトリウム塩をGd2 O3 とともにp
H5〜7、50〜90℃の条件で水性溶剤中で反応させ
た後、脱塩操作により、目的とするGd−DOTMAを
合成することが可能である。
【0011】本発明のGd錯塩には、無機あるいは有機
の生理学的に許容されるカチオンをカウンターイオンと
して含有する中性の塩が包含される。該Gd−DOTM
Aは、一個の遊離酸基を含むためカウンターイオンで中
和することにより、その溶解性向上を図ることができ
る。これにより高濃度化の範囲も拡大することとなる。
尚、Gd錯塩の調製は、常法によりGd−DOTMAと
カウンターイオンとを水性溶剤中で混合すればよい。
の生理学的に許容されるカチオンをカウンターイオンと
して含有する中性の塩が包含される。該Gd−DOTM
Aは、一個の遊離酸基を含むためカウンターイオンで中
和することにより、その溶解性向上を図ることができ
る。これにより高濃度化の範囲も拡大することとなる。
尚、Gd錯塩の調製は、常法によりGd−DOTMAと
カウンターイオンとを水性溶剤中で混合すればよい。
【0012】該Gd−DOTMA錯塩を形成させるカウ
ンターイオンの代表例としては、メグルミン、ナトリウ
ム、カリウム、リチウム、リジン、アルギニン、オルチ
ニン、ジエタノールアミン等をあげることができ、好ま
しくはメグルミン又はナトリウム、特に好ましくはメグ
ルミンをあげることができる。又、該カウンターイオン
は、複数を組み合わせて使用することもできる。好まし
い組合せとしては、メグルミン及びナトリウムの組合せ
をあげることができる。更に、Gd錯塩におけるカウン
ターイオンの含有率は、Gd錯体濃度と同じ割合で含有
させることが好ましく、具体的には、Gd錯体1に対
し、メグルミン、ナトリウム、カリウム、リチウム、リ
ジン、アルギニン、オルチニン又はジエタノールアミン
の群から選択される1種以上のカウンターイオンを1含
むことが好ましい。
ンターイオンの代表例としては、メグルミン、ナトリウ
ム、カリウム、リチウム、リジン、アルギニン、オルチ
ニン、ジエタノールアミン等をあげることができ、好ま
しくはメグルミン又はナトリウム、特に好ましくはメグ
ルミンをあげることができる。又、該カウンターイオン
は、複数を組み合わせて使用することもできる。好まし
い組合せとしては、メグルミン及びナトリウムの組合せ
をあげることができる。更に、Gd錯塩におけるカウン
ターイオンの含有率は、Gd錯体濃度と同じ割合で含有
させることが好ましく、具体的には、Gd錯体1に対
し、メグルミン、ナトリウム、カリウム、リチウム、リ
ジン、アルギニン、オルチニン又はジエタノールアミン
の群から選択される1種以上のカウンターイオンを1含
むことが好ましい。
【0013】Gd錯体濃度として0.7〜0.8M、特
に0.75Mで使用される本発明の造影剤は、スピンエ
コー撮像法にも好適に使用され得るが、グラジエントエ
コー法やエコープラナー法のような数十ミリ秒〜数十秒
で高速的に撮像する高速撮像法に適しており、特に、該
高速撮像法を連続的に繰り返すダイナミックスキャンに
適している。これは従来知られていなかったことであ
る。スピンエコー撮像法において標準的に使用される
0.5MのGd−DOTMA濃度の造影剤を上記ダイナ
ミックスキャンに用いた場合においては、投与早期時相
の血中濃度が比較的低いことから、血中動態の差による
病変と周囲組織とのコントラスト差が不明瞭になりやす
く、ダイナミックスキャンに期待される効果を必ずしも
十分に得ることができないためである。又、Gd−DO
TMA濃度が1Mの造影剤では注射液の粘性が著しく高
くなることから投与後の血管内におけるボーラス効果が
減弱し、病巣における所望の造影剤濃度を確保できな
い。事実、後述の実施例に示すようにGd−DOTMA
錯塩においては、驚くべきことに一律的な高濃度化が必
ずしもダイナミックスキャンに期待される効果を生むと
は限らず、0.75Mを用いたダイナミックスキャンに
おけるコントラスト効果が、0.5M及び1Mよりも高
くなることが判明した。更には、従来、臨床的に汎用さ
れているGd−DTPA錯塩(0.5M)の病巣造影効
果をも明らかに上回るものであった。
に0.75Mで使用される本発明の造影剤は、スピンエ
コー撮像法にも好適に使用され得るが、グラジエントエ
コー法やエコープラナー法のような数十ミリ秒〜数十秒
で高速的に撮像する高速撮像法に適しており、特に、該
高速撮像法を連続的に繰り返すダイナミックスキャンに
適している。これは従来知られていなかったことであ
る。スピンエコー撮像法において標準的に使用される
0.5MのGd−DOTMA濃度の造影剤を上記ダイナ
ミックスキャンに用いた場合においては、投与早期時相
の血中濃度が比較的低いことから、血中動態の差による
病変と周囲組織とのコントラスト差が不明瞭になりやす
く、ダイナミックスキャンに期待される効果を必ずしも
十分に得ることができないためである。又、Gd−DO
TMA濃度が1Mの造影剤では注射液の粘性が著しく高
くなることから投与後の血管内におけるボーラス効果が
減弱し、病巣における所望の造影剤濃度を確保できな
い。事実、後述の実施例に示すようにGd−DOTMA
錯塩においては、驚くべきことに一律的な高濃度化が必
ずしもダイナミックスキャンに期待される効果を生むと
は限らず、0.75Mを用いたダイナミックスキャンに
おけるコントラスト効果が、0.5M及び1Mよりも高
くなることが判明した。更には、従来、臨床的に汎用さ
れているGd−DTPA錯塩(0.5M)の病巣造影効
果をも明らかに上回るものであった。
【0014】更に、Gd−DOTMA濃度0.75Mに
対して、カウンターイオン濃度0.75Mの造影剤が特
に好ましい。この場合のカウンターイオンは、複数のイ
オンを組み合わせても同様の効果を得ることができる。
具体的には、Gd−DOTMA濃度0.75Mに対して
メグルミン濃度として0.75M、あるいはメグルミン
及びナトリウムの混和濃度として0.75Mである。こ
のように、該造影剤は高濃度化にあたり、他のGd錯塩
のように安定化剤や緩衝剤など、その他の医薬上許容さ
れる任意の添加成分を必要としないことも利点であり、
患者に対する負荷の軽減にもつながる。
対して、カウンターイオン濃度0.75Mの造影剤が特
に好ましい。この場合のカウンターイオンは、複数のイ
オンを組み合わせても同様の効果を得ることができる。
具体的には、Gd−DOTMA濃度0.75Mに対して
メグルミン濃度として0.75M、あるいはメグルミン
及びナトリウムの混和濃度として0.75Mである。こ
のように、該造影剤は高濃度化にあたり、他のGd錯塩
のように安定化剤や緩衝剤など、その他の医薬上許容さ
れる任意の添加成分を必要としないことも利点であり、
患者に対する負荷の軽減にもつながる。
【0015】かくして、本発明の高濃度核磁気共鳴造影
剤に用いられるGd錯塩は、以下のように表される。
剤に用いられるGd錯塩は、以下のように表される。
【0016】
【化1】 (式1中、Ciはカウンターイオンである無機又は有機
のカチオンを意味する。)
のカチオンを意味する。)
【0017】上記化学式から容易に理解できるように、
本発明は、DOTMAの4つの不斉炭素の偏光性を自由
に選択でき、又それらのGd錯体ならびに錯塩の立体構
造をも含有するものである。
本発明は、DOTMAの4つの不斉炭素の偏光性を自由
に選択でき、又それらのGd錯体ならびに錯塩の立体構
造をも含有するものである。
【0018】上記のような特性を有する本発明のGd−
DOTMA錯塩を必須成分とする高濃度核磁気共鳴造影
剤は、静脈内投与等の一般的に用いられる非経口手段に
より投与でき、その投与量は患者の体重、年齢及び対象
疾患状態等の諸条件を考慮し投与量が決定される。通
常、成人には、0.1mmol/kgを投与するが、G
d−DOTMA錯塩の安全性を考慮すれば2〜3倍量の
投与も可能であり、このことは自ずと高速撮像法を用い
たダイナミックスキャンにおける投与早期時相での高コ
ントラスト効果を更に向上させることになる。
DOTMA錯塩を必須成分とする高濃度核磁気共鳴造影
剤は、静脈内投与等の一般的に用いられる非経口手段に
より投与でき、その投与量は患者の体重、年齢及び対象
疾患状態等の諸条件を考慮し投与量が決定される。通
常、成人には、0.1mmol/kgを投与するが、G
d−DOTMA錯塩の安全性を考慮すれば2〜3倍量の
投与も可能であり、このことは自ずと高速撮像法を用い
たダイナミックスキャンにおける投与早期時相での高コ
ントラスト効果を更に向上させることになる。
【0019】尚、本発明の高濃度核磁気共鳴造影剤の必
須成分であるGd錯塩を形成するキレート剤であるDO
TMAの安全性、錯体安定性については、同一出願人に
よる特願平2−278661号にて詳細に記載されてい
る。
須成分であるGd錯塩を形成するキレート剤であるDO
TMAの安全性、錯体安定性については、同一出願人に
よる特願平2−278661号にて詳細に記載されてい
る。
【0020】
【実施例】次に、実施例をあげて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明の技術的範囲はこれらに限定されるも
のではない。
明するが、本発明の技術的範囲はこれらに限定されるも
のではない。
【0021】(実施例1) Gd−DOTMAの製法 a)α,α',α'', α''' −テトラメチル−1,4,
7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,1
0−テトラキスメチル酢酸テトラエチルエステル(以
下、DOTMA−テトラエチルエステルという)の合成 1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン・4塩酸
(以下、DOT・4HClという)2.00g及び無水
炭酸カリウム3.65gをアセトニトリル40mlに懸
濁させた後、2−ブロモプロピオン酸エチル5.50g
を加えて室温で72時間反応させた。反応溶液を濃縮
し、残渣に酢酸エチルを加えて溶解、水で洗浄した後、
0.1M塩酸を加えて抽出した。有機層を飽和食塩溶液
にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、濃縮
した後、目的物2.99gを得た。収率は、用いたDO
T・4HClの重量に対して81%であった。
7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,1
0−テトラキスメチル酢酸テトラエチルエステル(以
下、DOTMA−テトラエチルエステルという)の合成 1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン・4塩酸
(以下、DOT・4HClという)2.00g及び無水
炭酸カリウム3.65gをアセトニトリル40mlに懸
濁させた後、2−ブロモプロピオン酸エチル5.50g
を加えて室温で72時間反応させた。反応溶液を濃縮
し、残渣に酢酸エチルを加えて溶解、水で洗浄した後、
0.1M塩酸を加えて抽出した。有機層を飽和食塩溶液
にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、濃縮
した後、目的物2.99gを得た。収率は、用いたDO
T・4HClの重量に対して81%であった。
【0022】1H−NMR(99.8% soluti
on in CDCl3 )δ:1.20(24H,CH
3 )、2.58(t,8H,CH2 −CH2 )、2.8
0(t,8H,CH2 −CH2 )、3.41(q,4
H,H(CH3 )CO)、4.08(q,8H,CH2
−CH3 ) FAB−MS m/z:572(M+H)+
on in CDCl3 )δ:1.20(24H,CH
3 )、2.58(t,8H,CH2 −CH2 )、2.8
0(t,8H,CH2 −CH2 )、3.41(q,4
H,H(CH3 )CO)、4.08(q,8H,CH2
−CH3 ) FAB−MS m/z:572(M+H)+
【0023】b)α、α’、α’’、α’’−テトラメ
チル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−
1,4,7,10−テトラキスメチル酢酸・4ナトリウ
ム塩(以下、DOTMA−4Naという)の合成 DOTMA−テトラエチルエステル1.19gをメタノ
ール40mlに溶解した。氷冷下にて1M水酸化ナトリ
ウム9.15mlを加えた後、加熱還流下にて8時間反
応させた。反応溶液を濃縮し、残渣に水を加えて溶解し
た後、酢酸エチルにて洗浄した。水層を回収、濃縮して
目的物1.26gを得た。収率は、用いたDOTMA−
テトラエチルエステルの重量に対して98%であった。
チル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−
1,4,7,10−テトラキスメチル酢酸・4ナトリウ
ム塩(以下、DOTMA−4Naという)の合成 DOTMA−テトラエチルエステル1.19gをメタノ
ール40mlに溶解した。氷冷下にて1M水酸化ナトリ
ウム9.15mlを加えた後、加熱還流下にて8時間反
応させた。反応溶液を濃縮し、残渣に水を加えて溶解し
た後、酢酸エチルにて洗浄した。水層を回収、濃縮して
目的物1.26gを得た。収率は、用いたDOTMA−
テトラエチルエステルの重量に対して98%であった。
【0024】1H−NMR(99.8% soluti
on in CDCl3 )δ:1.30(12H,CH
3 )、3.00(s,8H,CH2 −CH2 )、3.3
0(s,8H,CH2 −CH2 )、4.10(s,4
H,H(CH3 )CO) FAB−MS m/z:571(M+5Na−4
H)+ 、549(M+4Na−3H)+ 元素分析 Found:C,35.2%;H,6.0
%;N,8.3%;Na,14% Calcd for C20H46N4 015Na4 :C,3
5.6%;H,6.9%;N,8.3%;Na,13.
6%
on in CDCl3 )δ:1.30(12H,CH
3 )、3.00(s,8H,CH2 −CH2 )、3.3
0(s,8H,CH2 −CH2 )、4.10(s,4
H,H(CH3 )CO) FAB−MS m/z:571(M+5Na−4
H)+ 、549(M+4Na−3H)+ 元素分析 Found:C,35.2%;H,6.0
%;N,8.3%;Na,14% Calcd for C20H46N4 015Na4 :C,3
5.6%;H,6.9%;N,8.3%;Na,13.
6%
【0025】c)Gd−DOTMAの合成 DOTMA−4Naの1.00gに水30mlを加えて
溶解した。ここに2Mのギ酸を適量加えてpHを6〜7
に調製した後、酸化ガドリニウム0.29mgを加えて
50℃の水浴中で6時間反応させた。反応溶液を陽イオ
ン交換樹脂(樹脂:AG50W−X4、溶離液:水)に
通した後、溶出液を濃縮し、目的物0.62gを得た。
収率は、用いたDOTMA−4Naの重量に対して59
%であった。
溶解した。ここに2Mのギ酸を適量加えてpHを6〜7
に調製した後、酸化ガドリニウム0.29mgを加えて
50℃の水浴中で6時間反応させた。反応溶液を陽イオ
ン交換樹脂(樹脂:AG50W−X4、溶離液:水)に
通した後、溶出液を濃縮し、目的物0.62gを得た。
収率は、用いたDOTMA−4Naの重量に対して59
%であった。
【0026】FAB−MS m/z:614(M−H)
- 元素分析 Found:C,36.8%;H,5.7
%;N,8.7%;Gd,24.6% Calcd for C20H37N4 O10Gd:C,3
6.9%;H,5.7%;N,8.6%;Gd,24.
2%
- 元素分析 Found:C,36.8%;H,5.7
%;N,8.7%;Gd,24.6% Calcd for C20H37N4 O10Gd:C,3
6.9%;H,5.7%;N,8.6%;Gd,24.
2%
【0027】(実施例2) 0.5MGd−DOTMA・0.5Mメグルミン溶液の
調製 実施例1で得られたGd−DOTMA16.3gにメグ
ルミン4.9gを添加し、水を加えて溶解させた。更
に、8Nの水酸化ナトリウムを少量加えてpH7.0と
した後、水を加えて全量を50mlとした。この溶液の
生理食塩液に対する浸透圧比は3.7、粘度は37℃に
おいて2.7cP、20℃において4.6cPであっ
た。
調製 実施例1で得られたGd−DOTMA16.3gにメグ
ルミン4.9gを添加し、水を加えて溶解させた。更
に、8Nの水酸化ナトリウムを少量加えてpH7.0と
した後、水を加えて全量を50mlとした。この溶液の
生理食塩液に対する浸透圧比は3.7、粘度は37℃に
おいて2.7cP、20℃において4.6cPであっ
た。
【0028】(実施例3) 0.75MGd−DOTMA・0.75Mメグルミン溶
液の調製 実施例1で得られたGd−DOTMA24.8gにメグ
ルミン7.3gを添加し、水を加えて溶解させた。更
に、水酸化ナトリウムを少量加えて、pH7.3とした
後、水を加えて全量を50mlとした。この溶液の生理
食塩液に対する浸透圧比は5.6、粘度は37℃におい
て7.3cP、20℃において13.8cPであった。
液の調製 実施例1で得られたGd−DOTMA24.8gにメグ
ルミン7.3gを添加し、水を加えて溶解させた。更
に、水酸化ナトリウムを少量加えて、pH7.3とした
後、水を加えて全量を50mlとした。この溶液の生理
食塩液に対する浸透圧比は5.6、粘度は37℃におい
て7.3cP、20℃において13.8cPであった。
【0029】(実施例4) 0.75MGd−DOTMA・0.5Mメグルミン・
0.25M水酸化ナトリウム溶液の調製 実施例1で得られたGd−DOTMA24.4gにメグ
ルミン4.9gを添加し、水を加えて溶解させた。更
に、8N水酸化ナトリウム1.5mlを加えてpH7.
7とした後、水を加えて全量を50mlとした。この溶
液の生理食塩液に対する浸透圧比は5.5、粘度は37
℃において5.4cP、20℃において9.5cPであ
った。
0.25M水酸化ナトリウム溶液の調製 実施例1で得られたGd−DOTMA24.4gにメグ
ルミン4.9gを添加し、水を加えて溶解させた。更
に、8N水酸化ナトリウム1.5mlを加えてpH7.
7とした後、水を加えて全量を50mlとした。この溶
液の生理食塩液に対する浸透圧比は5.5、粘度は37
℃において5.4cP、20℃において9.5cPであ
った。
【0030】(実施例5) 0.75MGd−DOTMA・0.38Mメグルミン・
0.38M水酸化ナトリウム溶液の調製 実施例1で得られたGd−DOTMA24.4gにメグ
ルミン3.7gを添加し、水を加えて溶解させた。更
に、8N水酸化ナトリウム2.3mlを加えてpH7.
9とした後、水を加えて全量を50mlとした。この溶
液の生理食塩液に対する浸透圧比は5.6、粘度は37
℃において5.0cP、20℃において8.5cPであ
った。
0.38M水酸化ナトリウム溶液の調製 実施例1で得られたGd−DOTMA24.4gにメグ
ルミン3.7gを添加し、水を加えて溶解させた。更
に、8N水酸化ナトリウム2.3mlを加えてpH7.
9とした後、水を加えて全量を50mlとした。この溶
液の生理食塩液に対する浸透圧比は5.6、粘度は37
℃において5.0cP、20℃において8.5cPであ
った。
【0031】(実施例6) 0.95MGd−DOTMA・0.95Mメグルミン溶
液の調製 実施例1で得られたGd−DOTMA32.5gにメグ
ルミン9.8gを添加し、水を加えて溶解させた。更
に、8N水酸化ナトリウムを少量加えて、pH7.5と
した後、水を加えて全量を50mlとした。この溶液の
生理食塩液に対する浸透圧比は7.8、粘度は37℃に
おいて34.2cP、20℃において83.5cPであ
った。このような高粘度、高浸透圧の溶液は、静脈内投
与が難しく、又血管内でボーラス効果も減弱すると考え
られた。
液の調製 実施例1で得られたGd−DOTMA32.5gにメグ
ルミン9.8gを添加し、水を加えて溶解させた。更
に、8N水酸化ナトリウムを少量加えて、pH7.5と
した後、水を加えて全量を50mlとした。この溶液の
生理食塩液に対する浸透圧比は7.8、粘度は37℃に
おいて34.2cP、20℃において83.5cPであ
った。このような高粘度、高浸透圧の溶液は、静脈内投
与が難しく、又血管内でボーラス効果も減弱すると考え
られた。
【0032】(実施例7) 0.75MGd−DOTMA・0.5Mメグルミン・
0.25M水酸化ナトリウム溶液の安定性 実施例4記載の方法に従い、0.75MGd−DOTM
A・0.5Mメグルミン・0.25M水酸化ナトリウム
溶液を調製し、室温、遮光下で2カ月間の安定性の評価
を行った。その結果、Gd−DOTMAは、分解すると
錯体中からGdが遊離し、それに伴いpHが低下する傾
向にあるが、0.75MGd−DOTMA・0.5Mメ
グルミン・0.25M水酸化ナトリウム溶液は、調製2
カ月後においても、pH、遊離Gdともに評価開始時点
と同一範囲内であり、本発明の高濃度化されたGd−D
OTMA溶液の高い安定性が示された。
0.25M水酸化ナトリウム溶液の安定性 実施例4記載の方法に従い、0.75MGd−DOTM
A・0.5Mメグルミン・0.25M水酸化ナトリウム
溶液を調製し、室温、遮光下で2カ月間の安定性の評価
を行った。その結果、Gd−DOTMAは、分解すると
錯体中からGdが遊離し、それに伴いpHが低下する傾
向にあるが、0.75MGd−DOTMA・0.5Mメ
グルミン・0.25M水酸化ナトリウム溶液は、調製2
カ月後においても、pH、遊離Gdともに評価開始時点
と同一範囲内であり、本発明の高濃度化されたGd−D
OTMA溶液の高い安定性が示された。
【0033】(実施例8) ラット静脈内投与による反復投与毒性試験 予めチオペンタール麻酔を施したSprague−Da
wley(SD)系ラット(雌:n=6、雄:n=6)
に0.75MGd−DOTMA・0.75Mメグルミン
溶液と0.5MGd−DOTMA・0.5Mメグルミン
溶液の1.2、3.0、7.5mmol/kgを1回/
日、2週間反復静脈内投与し、ラット静脈内投与による
反復投与による毒性評価を行った。その結果、7.5m
mol/kgの連投においても死亡例は認められず、主
な毒性兆候は、7.5mmol/kg投与群において投
与直後から約30分後までに見られる呼吸促迫であっ
た。この呼吸促迫は、化合物を大量投与した際によく見
られる症状であり、Gd−DOTMAに特異的な毒性兆
候ではないと考えられた。よって、Gd−DOTMAの
濃度差がもたらす全身的な毒性兆候にほとんど差は見ら
れず、高濃度化に伴う毒性は発現しないと判断された。
wley(SD)系ラット(雌:n=6、雄:n=6)
に0.75MGd−DOTMA・0.75Mメグルミン
溶液と0.5MGd−DOTMA・0.5Mメグルミン
溶液の1.2、3.0、7.5mmol/kgを1回/
日、2週間反復静脈内投与し、ラット静脈内投与による
反復投与による毒性評価を行った。その結果、7.5m
mol/kgの連投においても死亡例は認められず、主
な毒性兆候は、7.5mmol/kg投与群において投
与直後から約30分後までに見られる呼吸促迫であっ
た。この呼吸促迫は、化合物を大量投与した際によく見
られる症状であり、Gd−DOTMAに特異的な毒性兆
候ではないと考えられた。よって、Gd−DOTMAの
濃度差がもたらす全身的な毒性兆候にほとんど差は見ら
れず、高濃度化に伴う毒性は発現しないと判断された。
【0034】(実施例9) ウサギを用いた血管刺激性試験 0.75MGd−DOTMA・0.75Mメグルミン溶
液及び0.5MGd−DOTMA・0.5Mメグルミン
溶液を用い、以下の投与方法により、NewZeala
nd White種雌性ウサギ(4カ月齢、n=2)を
用いた血管刺激性に関する比較検討を行った。ウサギを
円筒型固定器で固定し、耳介内側縁を走る後耳介静脈中
央部で小血管分岐の少ない部位をクリップで止血し、耳
端に近い部位から心臓側に注射器を押入して投与液を
0.025ml注入した。注射針はそのままの状態で、
局所血管が投与液で満たされ透明になるのを確認した
後、止血部から心臓側3cmの部位をクリップで止血
し、更に0.025mlの投与液を注入して注射針を抜
き、投与液を3分間貯留させた後にクリップをはずし
た。以上の操作を1回/日、8日間反復した。尚、陽性
対照物質にスルホブロモフタレインナトリウム注射液
(5%BSP)を、陰性対照物質に生理食塩液を用いた
〔(府川ら:日薬理誌、71、307−315、(19
75)〕。その結果、0.75MGd−DOTMA・
0.75Mメグルミン溶液及び0.5MGd−DOTM
A・0.5Mメグルミン溶液のいずれを用いた場合も、
投与期間を通して、投与部位及びその周辺組織に肉眼的
変化は認められず、高濃度化がもたらす血管刺激性はな
いと判断された。
液及び0.5MGd−DOTMA・0.5Mメグルミン
溶液を用い、以下の投与方法により、NewZeala
nd White種雌性ウサギ(4カ月齢、n=2)を
用いた血管刺激性に関する比較検討を行った。ウサギを
円筒型固定器で固定し、耳介内側縁を走る後耳介静脈中
央部で小血管分岐の少ない部位をクリップで止血し、耳
端に近い部位から心臓側に注射器を押入して投与液を
0.025ml注入した。注射針はそのままの状態で、
局所血管が投与液で満たされ透明になるのを確認した
後、止血部から心臓側3cmの部位をクリップで止血
し、更に0.025mlの投与液を注入して注射針を抜
き、投与液を3分間貯留させた後にクリップをはずし
た。以上の操作を1回/日、8日間反復した。尚、陽性
対照物質にスルホブロモフタレインナトリウム注射液
(5%BSP)を、陰性対照物質に生理食塩液を用いた
〔(府川ら:日薬理誌、71、307−315、(19
75)〕。その結果、0.75MGd−DOTMA・
0.75Mメグルミン溶液及び0.5MGd−DOTM
A・0.5Mメグルミン溶液のいずれを用いた場合も、
投与期間を通して、投与部位及びその周辺組織に肉眼的
変化は認められず、高濃度化がもたらす血管刺激性はな
いと判断された。
【0035】(実施例10) ラットにおける血中Gd濃度の測定 予めチオペンタール麻酔を施したSD系雌性ラット(7
週齢、136〜164g)の右内頸静脈より、0.75
MGd−DOTMA及び0.5MGd−DOTMA溶液
の0.2mmol/kgを急速投与し、投与後の任意の
時間点で下行大動脈より採血を行い、致死せしめた。各
時間点において3匹ずつ採血を行い、採血した血液中の
Gd濃度をICP発光分光分析法を用いて測定した。以
下に、0.75M及び0.5MGd−DOTMA溶液投
与後、1、10、90分点におけるラットの血中Gd濃
度を示す。
週齢、136〜164g)の右内頸静脈より、0.75
MGd−DOTMA及び0.5MGd−DOTMA溶液
の0.2mmol/kgを急速投与し、投与後の任意の
時間点で下行大動脈より採血を行い、致死せしめた。各
時間点において3匹ずつ採血を行い、採血した血液中の
Gd濃度をICP発光分光分析法を用いて測定した。以
下に、0.75M及び0.5MGd−DOTMA溶液投
与後、1、10、90分点におけるラットの血中Gd濃
度を示す。
【0036】
【表1】
【0037】いずれの濃度のGd−DOTMAも血中濃
度は速やかに減少し、投与90分後にはほとんど血中よ
り排出された。但し、投与後1分点での血中濃度につい
て、0.75Mと0.5MGd−DOTMA溶液との間
で有意差(p<0.05)が認められ、0.75MGd
−DOTMA溶液群の方が0.5MGd−DOTMA溶
液投与群に比べてラットにおける血中Gd濃度が高くな
った。投与早期時相における血中Gd濃度が高いことか
ら、高速撮像法を用いたダイナミックスキャンにおい
て、0.75Mに高濃度化したGd−DOTMAが0.
5MGd−DOTMA溶液よりも造影効果が高くなり、
診断能が向上すると考えられた。
度は速やかに減少し、投与90分後にはほとんど血中よ
り排出された。但し、投与後1分点での血中濃度につい
て、0.75Mと0.5MGd−DOTMA溶液との間
で有意差(p<0.05)が認められ、0.75MGd
−DOTMA溶液群の方が0.5MGd−DOTMA溶
液投与群に比べてラットにおける血中Gd濃度が高くな
った。投与早期時相における血中Gd濃度が高いことか
ら、高速撮像法を用いたダイナミックスキャンにおい
て、0.75Mに高濃度化したGd−DOTMAが0.
5MGd−DOTMA溶液よりも造影効果が高くなり、
診断能が向上すると考えられた。
【0038】(実施例11) 正常ラット脳のダイナミックスキャン 予め、チオペンタール麻酔を施したSD系雌性ラット
(8週齢、230〜250g)を2テスラの核磁気共鳴
装置の磁場内に伏臥位固定した後、0.5MGd−DO
TMA・0.5Mメグルミン溶液、0.75MGd−D
OTMA・0.5Mメグルミン溶液・0.25M水酸化
ナトリウム溶液、及び1MGd−DOTMA・1Mメグ
ルミン溶液のそれぞれを静脈よりボーラス投与(0.2
mmol/kg)し、投与1秒前より1秒間隔で連続的
(6枚)に頭部イメージ(横断像)をエコープラナー法
により撮像した。
(8週齢、230〜250g)を2テスラの核磁気共鳴
装置の磁場内に伏臥位固定した後、0.5MGd−DO
TMA・0.5Mメグルミン溶液、0.75MGd−D
OTMA・0.5Mメグルミン溶液・0.25M水酸化
ナトリウム溶液、及び1MGd−DOTMA・1Mメグ
ルミン溶液のそれぞれを静脈よりボーラス投与(0.2
mmol/kg)し、投与1秒前より1秒間隔で連続的
(6枚)に頭部イメージ(横断像)をエコープラナー法
により撮像した。
【0039】得られたイメージの脳全体に関心領域を設
定し、信号強度の経時変化をグラフ(図4)に示した。
図4からGd−DOTMA溶液投与後の脳における信号
強度の減弱は、0.75MGd−DOTMA・0.5M
メグルミン溶液・0.25M水酸化ナトリウム溶液が最
も大きかった。正常部位の信号強度の減弱が大きいほ
ど、虚血部位などの疾患部位とのコントラストが大きく
なり、診断能が向上すると考えられることから、高速撮
像法を用いたダイナミックスキャンにおけるGd−DO
TMA溶液の至適濃度は、0.75M付近にあると考え
られた。
定し、信号強度の経時変化をグラフ(図4)に示した。
図4からGd−DOTMA溶液投与後の脳における信号
強度の減弱は、0.75MGd−DOTMA・0.5M
メグルミン溶液・0.25M水酸化ナトリウム溶液が最
も大きかった。正常部位の信号強度の減弱が大きいほ
ど、虚血部位などの疾患部位とのコントラストが大きく
なり、診断能が向上すると考えられることから、高速撮
像法を用いたダイナミックスキャンにおけるGd−DO
TMA溶液の至適濃度は、0.75M付近にあると考え
られた。
【0040】(実施例12) 正常ラット下垂体のダイナミックスキャン 予め、チオペンタール麻酔を施したSD系雌性ラット
(9週齢、280〜310g)を2テスラの核磁気共鳴
装置の磁場内に伏臥位固定した後、0.75MGd−D
OTMA・0.75Mメグルミン溶液と0.5MGd−
DOTMA・0.5Mメグルミン溶液のそれぞれを静脈
よりボーラス投与(0.2mmol/kg)し、投与8
秒前より8秒間隔で連続的(32枚)に頭部イメージ
(横断像)をターボ法により撮像した。
(9週齢、280〜310g)を2テスラの核磁気共鳴
装置の磁場内に伏臥位固定した後、0.75MGd−D
OTMA・0.75Mメグルミン溶液と0.5MGd−
DOTMA・0.5Mメグルミン溶液のそれぞれを静脈
よりボーラス投与(0.2mmol/kg)し、投与8
秒前より8秒間隔で連続的(32枚)に頭部イメージ
(横断像)をターボ法により撮像した。
【0041】得られたイメージの下垂体に関心領域を設
定し、信号強度の経時変化を図5に示した。図5からG
d−DOTMA溶液の投与後の下垂体ににおける最大信
号強度は、0.75MGd−DOTMA・0.75Mメ
グルミン溶液投与後のイメージの方が、0.5MGd−
DOTMA・0.5Mメグルミン溶液投与後のイメージ
より大きいことから、頭部領域においてダイナミックス
キャンが最も有用であるとされている下垂体の診断にお
いて、0.75Mに高濃度化されたGd−DOTMA溶
液が、0.5MGd−DOTMA溶液よりも高い造影効
果を発揮し、診断能が向上すると考えられた。
定し、信号強度の経時変化を図5に示した。図5からG
d−DOTMA溶液の投与後の下垂体ににおける最大信
号強度は、0.75MGd−DOTMA・0.75Mメ
グルミン溶液投与後のイメージの方が、0.5MGd−
DOTMA・0.5Mメグルミン溶液投与後のイメージ
より大きいことから、頭部領域においてダイナミックス
キャンが最も有用であるとされている下垂体の診断にお
いて、0.75Mに高濃度化されたGd−DOTMA溶
液が、0.5MGd−DOTMA溶液よりも高い造影効
果を発揮し、診断能が向上すると考えられた。
【0042】(実施例13) 脳腫瘍ラットの核磁気共鳴診断 予め、チオペンタール麻酔を施したエチルニトロソウレ
ア誘発脳腫瘍ラット(Fischer系雌性ラット、2
15g)を2テスラの核磁気共鳴装置の磁場内に伏臥位
固定した後、0.75MGd−DOTMA・0.75M
メグルミン溶液と0.5MGd−DTPA・1Mメグル
ミン溶液を静脈よりボーラス投与(0.2mmol/k
g)し、投与8秒前より8秒間隔で連続的(32枚)に
頭部イメージ(横断像)をターボ法により撮像した。
ア誘発脳腫瘍ラット(Fischer系雌性ラット、2
15g)を2テスラの核磁気共鳴装置の磁場内に伏臥位
固定した後、0.75MGd−DOTMA・0.75M
メグルミン溶液と0.5MGd−DTPA・1Mメグル
ミン溶液を静脈よりボーラス投与(0.2mmol/k
g)し、投与8秒前より8秒間隔で連続的(32枚)に
頭部イメージ(横断像)をターボ法により撮像した。
【0043】得られたイメージの神経膠腫に関心領域を
設定し、信号強度の経時適変化をグラフ(図6)に示し
た。各測定時間点における信号強度は、〔(投与後の各
測定時間点の信号強度)−(投与前の信号強度)〕/
(脳実質の信号強度)で表した。
設定し、信号強度の経時適変化をグラフ(図6)に示し
た。各測定時間点における信号強度は、〔(投与後の各
測定時間点の信号強度)−(投与前の信号強度)〕/
(脳実質の信号強度)で表した。
【0044】又、図7及び図8には代表例として0.7
5MGd−DOTMA・0.75Mメグルミン溶液、
0.5MGd−DTPA・1Mメグルミン溶液を投与後
96秒の時間点にて撮像した脳腫瘍ラットの頭部イメー
ジ(横断像)を示した。 造影剤投与後の神経膠腫にお
ける最大信号強度は、0.75MGd−DOTMA・
0.75Mメグルミン溶液投与後の方が0.5MGd−
DTPA・1Mメグルミン溶液投与後よりも大きくなっ
た。このことより、脳腫瘍の診断においても0.75M
Gd−DOTMA・0.75Mメグルミン溶液の方が、
現在広く用いられている0.5MGd−DTPA・1M
メグルミン溶液よりも検出能向上の点で有用であること
が示唆された。
5MGd−DOTMA・0.75Mメグルミン溶液、
0.5MGd−DTPA・1Mメグルミン溶液を投与後
96秒の時間点にて撮像した脳腫瘍ラットの頭部イメー
ジ(横断像)を示した。 造影剤投与後の神経膠腫にお
ける最大信号強度は、0.75MGd−DOTMA・
0.75Mメグルミン溶液投与後の方が0.5MGd−
DTPA・1Mメグルミン溶液投与後よりも大きくなっ
た。このことより、脳腫瘍の診断においても0.75M
Gd−DOTMA・0.75Mメグルミン溶液の方が、
現在広く用いられている0.5MGd−DTPA・1M
メグルミン溶液よりも検出能向上の点で有用であること
が示唆された。
【0045】
【発明の効果】本発明により、スピンエコー撮像法のみ
ならず高速撮像法、特に高速撮像法を用いたダイナミッ
クスキャンに期待される有効な情報を提供でき、かつ水
性溶剤に溶解した際に、安定化剤等の余計な添加剤を必
要としない高い安定性を有する高濃度核磁気共鳴造影
剤、及びその中間体であるDOTMAを高収率で得る製
造方法の提供が可能となった。
ならず高速撮像法、特に高速撮像法を用いたダイナミッ
クスキャンに期待される有効な情報を提供でき、かつ水
性溶剤に溶解した際に、安定化剤等の余計な添加剤を必
要としない高い安定性を有する高濃度核磁気共鳴造影
剤、及びその中間体であるDOTMAを高収率で得る製
造方法の提供が可能となった。
【図1】 1,4,7,10−テトラアザシクロドデカ
ンと2−ハロプロピオン酸の反応によるDOTMAの合
成経路を示す図である。
ンと2−ハロプロピオン酸の反応によるDOTMAの合
成経路を示す図である。
【図2】 1,4,7,10−テトラアザシクロドデカ
ンと2−ハロプロピオン酸のエステル体の反応によるD
OTMAの合成経路を示す図である。
ンと2−ハロプロピオン酸のエステル体の反応によるD
OTMAの合成経路を示す図である。
【図3】 DOTMAと酸化ガドリニウムによるGd−
DOTMAの合成経路を示す図である。
DOTMAの合成経路を示す図である。
【図4】 正常ラット脳のダイナミックスキャンにおけ
る信号強度の経時的変化を示すグラフである。
る信号強度の経時的変化を示すグラフである。
【図5】 正常ラット下垂体のダイナミックスキャンに
おける信号強度の経時的変化を示すグラフである。
おける信号強度の経時的変化を示すグラフである。
【図6】 脳腫瘍ラットの神経膠腫における信号強度の
経時的変化を示すグラフである。
経時的変化を示すグラフである。
【図7】 0.75MGd−DOTMA・0.75Mメ
グルミン溶液を投与96秒後に撮像した脳腫瘍ラット頭
部の核磁気共鳴画像を示す写真(生物の形態)である。
グルミン溶液を投与96秒後に撮像した脳腫瘍ラット頭
部の核磁気共鳴画像を示す写真(生物の形態)である。
【図8】 0.5MGd−DTPA・1Mメグルミン溶
液を投与96秒後に撮像した脳腫瘍ラット頭部の核磁気
共鳴画像を示す写真(生物の形態)である。
液を投与96秒後に撮像した脳腫瘍ラット頭部の核磁気
共鳴画像を示す写真(生物の形態)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 世利 重実 千葉県袖ケ浦市北袖3番地1 日本メジフ ィジックス株式会社中央研究所内
Claims (18)
- 【請求項1】 α,α',α'', α''' −テトラメチル−
1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,
4,7,10−テトラキスメチル酢酸のガドリニウム錯
体と、メグルミン、ナトリウム、カリウム、リチウム、
リジン、アルギニン、オルチニン又はジエタノールアミ
ンの群から選択される1種以上のカウンターイオンから
なる錯塩を必須成分とし、かつ、該錯塩は水性溶剤中に
ガドリニウム錯体濃度として0.7〜0.8M(mol
/l)で溶解されていることを特徴とする生理学的に認
容性のある高濃度核磁気共鳴造影剤。 - 【請求項2】 上記ガドリニウム錯体と上記カウンター
イオンのモル濃度の比が1:1であることを特徴とする
請求項1記載の高濃度核磁気共鳴造影剤。 - 【請求項3】 上記錯塩が、ガドリニウム錯体濃度とし
て0.75Mである請求項1又は2記載の高濃度核磁気
共鳴造影剤。 - 【請求項4】 上記錯塩が、ガドリニウム錯体濃度とし
て0.75M、カウンターイオン濃度として0.75M
含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
高濃度核磁気共鳴造影剤。 - 【請求項5】 上記錯塩が、ガドリニウム錯体濃度とし
て0.75M、メグルミン濃度として0.75M含むこ
とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高濃度
核磁気共鳴造影剤。 - 【請求項6】 上記錯塩が、ガドリニウム錯体濃度とし
て0.75M、メグルミン及びナトリウムの混和濃度と
して0.75M含むことを特徴とする請求項1〜3のい
ずれかに記載の高濃度核磁気共鳴造影剤。 - 【請求項7】 高速撮像法に使用される請求項1〜6の
いずれかに記載の高濃度核磁気共鳴造影剤。 - 【請求項8】 高速撮像法を用いたダイナミックスキャ
ンに使用される請求項1〜6のいずれかに記載の高濃度
核磁気共鳴造影剤。 - 【請求項9】 1,4,7,10−テトラアザシクロド
デカン又はその塩と2−ハロプロピオン酸エステルを反
応させることを特徴とするα,α',α'', α''' −テト
ラメチル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカ
ン−1,4,7,10−テトラキスメチル酢酸又はその
塩の製造方法。 - 【請求項10】 1,4,7,10−テトラアザシクロ
ドデカン又はその塩と2−ハロプロピオン酸エステルと
を炭酸塩の存在下、アセトニトリル中で反応させ、次い
で、得られたエステル体をメタノール溶媒中で水酸化ナ
トリウムによりけん化することを特徴とする請求項9記
載のα,α',α'', α''' −テトラメチル−1,4,
7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,1
0−テトラキスメチル酢酸又はその塩の製造方法。 - 【請求項11】 請求項9又は10記載の方法によって
製造されたα,α',α'', α''' −テトラメチル−1,
4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,
7,10−テトラキスメチル酢酸のガドリニウム錯体
と、メグルミン、ナトリウム、カリウム、リチウム、リ
ジン、アルギニン、オルチニン又はジエタノールアミン
の群から選択される1種以上のカウンターイオンからな
る錯塩を必須成分とし、かつ、該錯塩は水性溶剤中にガ
ドリニウム錯体濃度として0.7〜0.8M(mol/
l)で溶解されていることを特徴とする生理学的に認容
性のある高濃度核磁気共鳴造影剤。 - 【請求項12】 上記ガドリニウム錯体と上記カウンタ
ーイオンのモル濃度の比が1:1であることを特徴とす
る請求項11記載の高濃度核磁気共鳴造影剤。 - 【請求項13】 上記錯塩が、ガドリニウム錯体濃度と
して0.75Mである請求項11又は12記載の高濃度
核磁気共鳴造影剤。 - 【請求項14】 上記錯塩が、ガドリニウム錯体濃度と
して0.75M、カウンターイオン濃度として0.75
M含むことを特徴とする請求項11〜13のいずれかに
記載の高濃度核磁気共鳴造影剤。 - 【請求項15】 上記錯塩が、ガドリニウム錯体濃度と
して0.75M、メグルミン濃度として0.75M含む
ことを特徴とする請求項11〜13のいずれかに記載の
高濃度核磁気共鳴造影剤。 - 【請求項16】 上記錯塩が、ガドリニウム錯体濃度と
して0.75M、メグルミン及びナトリウムの混和濃度
として0.75M含むことを特徴とする請求項11〜1
3のいずれかに記載の高濃度核磁気共鳴造影剤。 - 【請求項17】 高速撮像法に使用される請求項11〜
16のいずれかに記載の高濃度核磁気共鳴造影剤。 - 【請求項18】 高速撮像法を用いたダイナミックスキ
ャンに使用される請求項11〜16のいずれかに記載の
高濃度核磁気共鳴造影剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8122424A JPH09268131A (ja) | 1996-01-31 | 1996-04-19 | 高濃度核磁気共鳴造影剤 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3719096 | 1996-01-31 | ||
JP8-37190 | 1996-01-31 | ||
JP8122424A JPH09268131A (ja) | 1996-01-31 | 1996-04-19 | 高濃度核磁気共鳴造影剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09268131A true JPH09268131A (ja) | 1997-10-14 |
Family
ID=26376298
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8122424A Pending JPH09268131A (ja) | 1996-01-31 | 1996-04-19 | 高濃度核磁気共鳴造影剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09268131A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019143073A1 (ko) * | 2018-01-19 | 2019-07-25 | 주식회사 엔지켐생명과학 | 가도테리돌 중간체 및 이를 이용한 가도테리돌 제조방법 |
-
1996
- 1996-04-19 JP JP8122424A patent/JPH09268131A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019143073A1 (ko) * | 2018-01-19 | 2019-07-25 | 주식회사 엔지켐생명과학 | 가도테리돌 중간체 및 이를 이용한 가도테리돌 제조방법 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2548436B2 (ja) | Nmr−診断剤 | |
RU2596495C2 (ru) | Визуализирующие агенты для фиброзных заболеваний | |
JP2894879B2 (ja) | 診断用造影剤 | |
JPS6016936A (ja) | 腸管のプロトン核スピン断層撮影用造影剤及びその製法 | |
CN105636924A (zh) | 前列腺特异性膜抗原(psma)的标记的抑制剂,它们作为显影剂和用于治疗前列腺癌的药剂的用途 | |
JPH06506468A (ja) | メラニン系画像強調剤 | |
JPS63502834A (ja) | 核磁気共鳴画像増強剤およびその使用 | |
WO2016062370A1 (en) | 18f-tagged inhibitors of prostate specific membrane antigen (psma), their use as imaging agents and pharmaceutical agents for the treatment of prostate cancer | |
WO1994001393A1 (en) | Novel chelating agent, complex compound composed of said agent and metallic atom, and diagnostic agent containing said compound | |
JPH04154729A (ja) | 磁気共鳴造影剤 | |
JPH03173858A (ja) | 5―ヒドロキシアセトアミド―2,4,6―トリヨード―イソフタル酸―(2,3―ジヒドロキシ―n―メチル―プロピル)―(2―ヒドロキシ―エチル)―ジアミド、その製造方法、およびそれを含有するレントゲン造影剤 | |
CN110357828B (zh) | 一种核磁共振造影剂及其制备方法和用途 | |
JPH09268131A (ja) | 高濃度核磁気共鳴造影剤 | |
JP2901787B2 (ja) | 核磁気共鳴造影剤 | |
ES2393780T3 (es) | Procedimiento de toma de imágenes por resonancia magnética y compuestos para uso en el procedimiento | |
EP3011976A1 (en) | 18F-tagged inhibitors of prostate specific membrane antigen (PSMA), their use as imaging agents | |
ES2259299T3 (es) | Uso de agentes de contraste en la fabricacion de agentes de diagnostico para la visualizacion del lumen intestinal. | |
JPH05186372A (ja) | 脂肪乳剤及びmri診断用造影剤 | |
US2269489A (en) | Contrast agent for X-ray diagnoses | |
JP2001504120A (ja) | 磁気共鳴血液プール剤 | |
RU2208454C2 (ru) | Препараты для медицинского применения, обеспечивающие возможность диагностики с использованием ядерного магнитного резонанса, с помощью скалярного взаимодействия | |
JP3170192B2 (ja) | 画像診断用造影剤 | |
JPH03284629A (ja) | Mri用造影剤 |