JPH09267394A - 摩擦溶接装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡素な構成を採用し、製造コストの低い駆動
モータを備える摩擦溶接装置を提供すること。 【解決手段】 被加工部品を接合するための摩擦溶接装
置であって、固定支持部と、振動プラットフォームと、
支持部とプラットフォームとを接続する複数の屈曲性棒
状部材と、固定支持部に対してプラットフォームを軌道
運動で駆動するための電磁駆動モータとを備え、被加工
部品はそれぞれ、被加工部品を互いにクランプ止めする
ための手段を含む支持部及びプラットフォーム上に載置
される摩擦溶接装置において、電磁駆動モータが、円筒
形ロータ及びステータを有する電気モータによって規定
され、円筒形ロータとステーターとの間の空気間隙は、
軌道運動の振動振幅よりも大きく、ステーターのスロッ
ト内にはワインディングが設けられ、ワインディングは
ロータに一方向の吸引力を作用させる回転磁場を発生す
ることを特徴とする摩擦溶接装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は被加工部品、好まし
くは熱可塑性材料製の被加工部品を接合するための摩擦
溶接装置に関し、この摩擦溶接装置は、固定支持部、振
動プラットフォーム、及び支持部とプラットフォームと
を接続する複数の屈曲性棒状部材、並びにプラットフォ
ームを軌道運動で駆動するための電磁駆動モータとを備
える。

【０００２】

【従来の技術】欧州特許第０ ５０４ ４９４号は、屈曲
性棒状部材に載置されたプレートを往復運動又は軌道運
動させる電磁駆動モータを備える摩擦溶接装置を開示
し、このプレートは、固定支持部に固定保持される被加
工部品に対して溶接される別の被加工部品を担持してい
る。溶接時には、二つの被加工部品は互いにクランプ止
めされる。軌道運動とは円形又は楕円形運動を意味し、
つまり振動している被加工部品は所定の振幅で、運動停
止時の振動プレートの中心位置によって規定される中心
の周囲を連続的に移動する。この形式の軌道溶接装置
は、振動プラットフォームが運動を反転する前に各振動
幅の端部で停止する移動往復運動を行うにすぎない溶接
装置、並びに軸対称である被加工部品を溶接する際の操
作半径に応答して回転速度が変化する回転溶接装置より
も優れている。

【０００３】欧州特許第０ ５０４ ４９４号に記載され
る電磁駆動モータは、突出芯を有するステータを備え、
該突出芯はステータ内にワインディング及び多角形のア
ーマチュアを含み、アーマチュアは振動プラットフォー
ムを担持する。互いに対向するアーマチュアと突出芯の
どちらの面も平坦である。アーマチュア及びステータは
積層鉄シートで構成される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明の主要な目的
は、簡素な構成を採用し、製造コストの低い駆動モータ
を備える摩擦溶接装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、電磁駆
動モータは、商業的に入手可能な電気モータ部品、つま
り積層鉄シートで構成されるドラム式円筒形ロータ、好
ましくはかご形のロータと、内周面に沿ってスロットを
有するステータとを備えるが、これらの部品は、非同期
モータの製造時に大量生産されるものであるので、全て
廉価に入手可能である。ロータは単に回転するのではな
く、軌道運動するので、ステータのワインディングは、
非同期モータの通常のワインディングとは対照的に、ロ
ータを一方向に引き付ける周面伝搬磁界を発生させるよ
うに設計しなければならず、よって軌道運動で駆動され
る。標準的な電気モータとさらに異なる点は、ロータと
ステータとの間の空気間隙が、軌道運動の望ましい半径
方向振幅よりも大きいという点にある。商業的に入手可
能な電気モータ部品を使用することにより、駆動モータ
のコストを実質的に削減することができ、突出芯及び多
角形のアーマチュアを備える駆動モータと比べて寸法も
小さくすることができる。さらに、本発明の駆動モータ
において、均一な回転のために、芯の数を容易に増加す
ることができる。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下に本発明の構成及び実施態様
を列挙する。

【０００７】１．被加工部品、好ましくは熱可塑性材料
製の被加工部品を接合するための摩擦溶接装置であっ
て、該摩擦溶接装置は固定支持部と、振動プラットフォ
ームと、該支持部と該プラットフォームとを接続する複
数の屈曲性棒状部材と、該固定支持部に対して該プラッ
トフォームを軌道運動で駆動するための電磁駆動モータ
とを備え、前記被加工部品はそれぞれ、該被加工部品を
互いにクランプ止めするための手段を含む前記支持部及
び前記プラットフォーム上に載置される摩擦溶接装置に
おいて、電磁駆動モータが、円筒形ロータ（５）及びス
テータ（４）を有する電気モータによって規定され、該
円筒形ロータと該ステーターとの間の空気間隙は、前記
軌道運動の振動振幅よりも大きく、前記ステーターのス
ロット内にはワインディングが設けられ、該ワインディ
ングは前記ロータに一方向の吸引力を作用させる回転磁
場を発生することを特徴とする摩擦溶接装置。

【０００８】２．前記電磁駆動モータが、三相ＡＣネッ
トワークに電気的に接続され、相のコイルの各コンダク
タが、外周方向に連なる一対の組の隣接するスロット
（１０、１１、１２、１３；１４、１５、１６、１７）
内に配置され、前記コンダクタ中の電流の方向は、前記
一対の組で互いに反対方向であることを特徴とする、上
記１に記載の摩擦溶接装置。

【０００９】３．第一のステーター面について、前記第
一の組の第一のスロット（１０）から出るコンダクタ
が、前記第二の組の最後のスロット（１７）内のコンダ
クタに接続され、前記第一の組の第二のスロット（１
１）から出るコンダクタが、前記第二の組等の最後であ
るが最小ではないスロット（１６）内のコンダクタに接
続され、対向ステーター面について、前記第二の組の最
後のスロット（１７）から出るコンダクタが、前記第一
の組の第二のスロット（１１）内のコンダクタに接続さ
れ、前記第二の組の最後であるが最小ではないスロット
（１６）から出るコンダクタが、前記第一の組等の第三
のスロット（１２）から出るコンダクタに接続されるこ
とを特徴とする上記２に記載の摩擦溶接装置（図３）。

【００１０】４．第一のステーター面について、前記第
一の組の第一のスロット（１０）から出るコンダクタ
が、前記第二の組の第一のスロット（１４）内のコンダ
クタに接続され、前記第一の組の第二のスロット（１
１）から出るコンダクタが、前記第二の組等の第二のス
ロット（１５）内のコンダクタに接続され、対向ステー
ター面について、前記第一の組の第二のスロット（１
１）から出るコンダクタが、前記第二の組の第二のスロ
ット（１５）内のコンダクタに接続され、前記第一の組
の第三のスロット（１２）から出るコンダクタが、前記
第二の組等の第三のスロット（１６）内のコンダクタに
接続されることを特徴とする上記２に記載の摩擦溶接装
置。

【００１１】５．ワインディングの芯の数が三つよりも
多い又は少ない、上記１に記載の摩擦溶接装置。

【００１２】６．前記屈曲性部材（２）が、固定支持プ
ラットフォーム（３）の下面に載置され、前記ステータ
（４）の上面は、前記屈曲性部材内部で前記支持プラッ
トフォームの下面に載置され、振動プラットフォーム
（２）が、前記屈曲性部材の自由端に載置され、該振動
プラットフォームは電気駆動モータのロータ（５）を載
置する、上記１に記載の摩擦溶接装置。

【００１３】

【実施例】図１に示すように、振動プラットフォーム１
は、周方向に離隔した複数の屈曲性ロッド２を介して固
定支持板３に取付けられる。図面には二本のロッド２の
みを示す。振動プラットフォーム１は、第一の被加工部
品（図示せず）を固定するための支持部（図示せず）を
担持する。第二の被加工部品を固定するための手段を備
える固定支持板は、振動プラットフォーム１の下方に位
置し、第一の被加工部品に対して可動に配置され、二つ
の被加工部品を接着面で接合するために二つの被加工部
品が互いにクランプ止めされ、二つの被加工部品の接合
面は、軌道運動によって誘発された摩擦エネルギーの影
響によってやわらかくなる。接着工程の詳細は、例えば
米国特許第３，９２０，５０４号「摩擦溶接装置（Fric
tion Welding Apparatus）」に記載される。ステータ４
は、屈曲性ロッド２内部で支持板３の下面に堅固に固定
される上端面を有する。ステータ４は円筒形であり、図
２に示すように、その内表面に沿って設けられた複数の
スロット１０、１１、１２等を有し、このスロットはワ
インディングのコンダクタを収容する。ステータ４内に
は円筒形ロータ５、つまりドラムロータ式のロータ５が
設けられ、このロータはボルト手段６によって振動プレ
ート１の上面に固定される。支持板３は、枠７又は振動
溶接の上方ヨークに載置される。ステータとロータとの
間に空気間隙８がもうけられる。

【００１４】駆動モータが、ロータ５、よって振動板１
を軌道運動させる力を発生すると、屈曲性ロッド２は軌
道運動の方向に曲がる。軌道運動は、実質的に一つの平
面で行われる。溶接中に、接合すべき二つの被加工部品
の接着面で材料、好ましくは熱可塑性材料がやわらかく
なったらすぐに駆動モータを停止し、屈曲性ロッドは振
動板を静止位置に戻し、運動停止時に被加工部品が所定
の整合で接合される。

【００１５】図２は、円筒形内周面に沿って設けられた
複数のスロット１０を備えるステータの断面である。図
示する実施態様において、ステータは合計２４本のスロ
ットを有し、その８本つづがそれぞれコイルを形成する
コンダクタによって占められており、合計３つのコイル
が形成され、各コイルは三相交流回路ネットワークの相
に電気的に接続される。ワインディングの構成、つまり
スロット内のコンダクタの配置計画は、電界が回転する
際に、磁界によって発生する磁力が連続的に一つの面に
向けられているように、つまり一方向となるように構成
しなければならない。従って、ロータは中心静止位置に
対して軌跡を描き、よってまさに作動したばかりのステ
ータの側に向かって移動する。従って図２は三相システ
ムを示す。各相はさらに一対のスロットの組に分割され
る。各組において、スロットは互いに隣接して配置さ
れ、各組のコンダクタを流れる電流の方向は、互いに逆
方向である。三相ワインディングの組の電流の方向を図
２に示す。電流方向は三相交流電流ネットワークに従っ
て交流である。

【００１６】図３は、図２のＡ−Ａ線に沿った三相ＡＣ
ネットワークのうちの一つの相のワインディングを示す
図である。従って、スロット１０〜１３は、矢印で示す
方向に電流が流れるコンダクタを収容する第一の組を規
定し、スロット１４〜１７は、反対方向に電流が流れる
コンダクタを収容するこの相の第二の組を規定する。ス
テーターの各面のコンダクタの電気的接続は図３に示す
通りであり、図４は同じ目的の別の接続を示す。この両
方の実施態様によれば、交互に反対方向となる複数の隣
接するスロットからなる両方の組中のコンダクタを通し
て電流が流れ、よってローターに一方向の吸引力が作用
する。この形式の三つのワインディングコイルは、三相
ＡＣネットワークに接続されるステーターの外周面に沿
って設けられるため、回転磁場が生じ、よってローター
の一方向の吸引力が、外周面方向に伝搬し、ローターは
所望の軌道運動を行う。

【００１７】明らかに、スロットの数及び芯の数は、芯
の数を多くした場合に、軌道運動の均一性が改良される
ように変更可能である。ローター自体は積層鉄シートの
みで構成することもできるが、所望によりローターにか
ご形ワインディングを設けてもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、摩擦溶接装置の、振動ヘッド駆動モー
タの断面図である。

【図２】図２は、電磁駆動モータの断面図であり、ステ
ータコンダクタ中を流れる電流の方向を示す。

【図３】図３は、軌道運動を得るために使用されるワイ
ンディングの図解の一部を示す。

【図４】図４は、軌道運動を得るために使用されるワイ
ンディングの図３とは異なる図解の一部を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 被加工部品、好ましくは熱可塑性材料製
   の被加工部品を接合するための摩擦溶接装置であって、
   該摩擦溶接装置は固定支持部と、振動プラットフォーム
   と、該支持部と該プラットフォームとを接続する複数の
   屈曲性棒状部材と、該固定支持部に対して該プラットフ
   ォームを軌道運動で駆動するための電磁駆動モータとを
   備え、前記被加工部品はそれぞれ、該被加工部品を互い
   にクランプ止めするための手段を含む前記支持部及び前
   記プラットフォーム上に載置される摩擦溶接装置におい
   て、電磁駆動モータが、円筒形ロータ及びステータを有
   する電気モータによって規定され、該円筒形ロータと該
   ステーターとの間の空気間隙は、前記軌道運動の振動振
   幅よりも大きく、前記ステーターのスロット内にはワイ
   ンディングが設けられ、該ワインディングは前記ロータ
   に一方向の吸引力を作用させる回転磁場を発生すること
   を特徴とする摩擦溶接装置。