JPH09264799A - 半導体センサ - Google Patents

半導体センサ

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JPH09264799A
JPH09264799A JP8077353A JP7735396A JPH09264799A JP H09264799 A JPH09264799 A JP H09264799A JP 8077353 A JP8077353 A JP 8077353A JP 7735396 A JP7735396 A JP 7735396A JP H09264799 A JPH09264799 A JP H09264799A
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JP
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cmos
circuit
output
sensor
input
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Application number
JP8077353A
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English (en)
Inventor
Toshitaka Shibata
俊隆 柴田
Tadashi Adachi
正 足立
Isao Takizawa
功 滝沢
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Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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Publication date
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  • Pressure Sensors (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 CMOS技術を用いた簡単な回路構成で高感
度ディジタル出力を得ることを可能とした半導体センサ
を提供する。 【解決手段】 CMOSセンサ回路5は、チャネルコン
ダクタンスが圧力により変調されるPMOSトランジス
タQP1とNMOSトランジスタQN1とからなり、CMO
Sインバータの入出力を短絡した構成を有し、その動作
点の圧力による変動を出力とする。このCMOSセンサ
回路5の出力を増幅する第1のCMOS回路6は、CM
OSセンサ回路5と隣接して同じ素子パラメータをもっ
て形成される。このCMOS回路6と出力端を共通接続
した第2のCMOS回路21の入力には三角波信号が供
給され、その出力OUT1は、2段のCMOSインバー
タ22a,22bからなるコンパレータ22に入力され
て、所定の論理しきい値でパルス化したパルス幅変調出
力OUT2が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、高感度でかつ直
接コンピュータ等に入力可能なディジタル化出力を得る
半導体センサに関する。
【0002】
【従来の技術】圧力センサや加速度センサ等の半導体セ
ンサは通常アナログ出力である。この種のセンサ出力を
コンピュータに入力して処理するためには、センサ出力
を増幅した後、A/Dコンバータでディジタル信号に変
換することが必要である。微弱なセンサ出力信号をノイ
ズの影響を受けずに処理するには、信号処理回路を極力
センサ回路の近傍に設ける必要があり、好ましくは信号
処理回路をセンサチップ上に集積形成することが望まし
い。
【0003】この様な観点から、直接ディジタル出力が
得られるA/D変換機能付きの半導体センサが既に開発
されている。この種のセンサに搭載するA/Dコンバー
タとして、論理しきい値の異なる複数のCMOSインバ
ータを並列接続した簡易型A/Dコンバータも提案され
ている(特願平2−284681号、特願平4−373
18号等参照)。また、機械的ギャップを利用した静電
容量及びこの静電容量の充放電を利用した発振回路をチ
ップ上に集積形成して、周波数変調したパルス出力を得
るようにした静電容量型圧力センサも提案されている
(例えば、「センサ技術」Vol.12,No.10,pp.52-55(1
992年9月号)参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者は
出力ビット数を増やそうとすると集積すべきCMOSイ
ンバータの数も増さなくてはならず、各CMOSインバ
ータのしきい値設定も難しくなるという問題がある。ま
た、後者は静電容量を形成するために素子の構造が複雑
となり、歩留まりの低下やコスト増大を招く。この発明
は、この様な点に鑑みなされたもので、従来とは異なる
着想に基づいて、CMOS技術を用いた簡単な回路構成
で高感度ディジタル出力を得ることを可能とした半導体
センサを提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明に係る半導体セ
ンサは、半導体基板と、この基板上に形成されて入出力
端子を短絡したCMOSインバータによって構成され、
測定すべき物理量に感応して動作点を変動させることに
よりセンサ信号を出力するCMOSセンサ回路と、前記
基板上に前記CMOSセンサ回路と同じ素子パラメータ
をもって形成されて前記CMOSセンサ回路から出力さ
れるセンサ信号又はそれを増幅した信号が入力される第
1のCMOS回路と、前記基板上に前記第1のCMOS
回路と同じ素子パラメータをもって形成されて前記第1
のCMOS回路と出力端子が共通接続され入力端子に三
角波信号が供給される第2のCMOS回路と、前記基板
上に形成されて前記第1及び第2のCMOS回路の出力
を所定の論理しきい値でパルス化して前記CMOSセン
サ回路の出力レベルに応じたパルス幅のパルス幅変調信
号を出力するコンパレータとを備えたことを特徴として
いる。この発明おいてはまた、前記基板上に形成されて
前記コンパレータから出力されるパルス幅変調出力と基
準クロックとの論理積をとってディジタル出力を得る論
理ゲートを更に備えたことを特徴としている。この発明
において好ましくは、前記CMOSセンサ回路、前記第
1のCMOS回路及び第2のCMOS回路は、近接して
配置される。
【0006】この発明による半導体センサは、CMOS
インバータ形式のセンサ回路と共に、このセンサ回路と
同様の素子パラメータをもつ第1及び第2のCMOS回
路及びコンパレータを半導体基板に集積形成して構成さ
れる。センサ回路の出力(以下、センサ出力という)を
処理する第1及び第2の二つのCMOS回路は、特性の
等しい二つのCMOS回路の出力端子を共通接続したと
き、等価的に、ひとつのCMOS回路に二つの入力電圧
の平均値を与えたときと同じ入出力特性が得られるとい
う性質を利用したものである。第1のCMOS回路にセ
ンサ出力を入力し、第2のCMOS回路に三角波信号を
入力すると、CMOS回路の入出力伝達特性曲線がセン
サ出力により可変制御されたと等価の効果が得られる。
そしてこれらのCMOS回路の出力を所定の論理しきい
値のコンパレータによりパルス化すると、センサ出力に
よりパルス幅が変調されたパルス幅変調出力が得られ
る。更にこのパルス幅変調出力と基準クロックとの論理
積をとることにより、センサ出力レベルに対応したパル
ス数をもつディジタル出力を得ることができる。
【0007】またこの発明においては、入出力を短絡し
たCMOSインバータ構造のCMOSセンサ回路と、そ
の出力を増幅する第1のCMOS回路とを、基板上の隣
接する位置に同じ素子パラメータで形成すれば、製造条
件のばらつきの影響がなくなり、特性がほぼ完全に揃っ
たものとなるので、これらの回路の動作点はCMOSイ
ンバータの論理しきい値に自動的に初期設定される。従
って、微小なセンサ出力を高精度に高いS/N比をもっ
て検出増幅する事ができる。また、製造条件のばらつき
や温度変化の影響を受けにくく、高感度ディジタル出力
を得ることができる。また特に、CMOSセンサ回路と
そのセンサ出力を処理するための第1及び第2のCMO
S回路とを基板上の近接位置に配置すれば、ほぼ完全に
同じ特性とすることができ、温度変化等の外部環境変化
に対して全てのCMOS回路の動作点が同じ方向に変化
し、結局外部環境変化の影響を受けない極めて高精度の
ディジタル化センサ出力が得られる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の実施例を説明する。図1(a)(b)は、この発明の
一実施例に係る半導体圧力センサチップを示す平面図と
そのA−A′断面図である。シリコン基板1は、主面が
(100)面のn型シリコン基板であり、裏面がエッチ
ング加工されてダイアフラム2が設けられている。この
基板1のダイアフラム2の周辺厚肉部3との境界4の近
傍に、CMOSセンサ回路5が形成され、これに隣接し
て周辺厚肉部3にCMOSセンサ回路5の出力を増幅す
るCMOS増幅回路(第1のCMOS回路)6が形成さ
れている。周辺厚肉部3にはまた、CMOS増幅回路6
に後続する信号処理回路20が形成されている。
【0009】図2(a)(b)(c)は、図1のCMO
Sセンサ回路5及びCMOS増幅回路6の部分を拡大し
て示す素子レイアウトとそのA−A′及びB−B′断面
図である。CMOSセンサ回路5は、圧力センサ素子と
してのPMOSトランジスタQP1とNMOSトランジス
タQN1により構成される。CMOS増幅回路6は、圧力
には感応しないPMOSトランジスタQP2とNMOSト
ランジスタQN2により構成されている。
【0010】図2のレイアウトにおいて重要なことは、
第1に、CMOSセンサ回路5が、ダイアフラム2に加
わる応力をチャネルコンダクタンスの変化として検出す
るために、ダイアフラム2にチャネル領域が形成されて
いることである。第2に、CMOSセンサ回路5を構成
するPMOSトランジスタQP1、NMOSトランジスタ
QN1ともに、それらのチャネル方向がダイアフラム2と
周辺厚肉部3との境界4に垂直になるように、レイアウ
トされていることである。そして第3に、周辺厚肉部3
に形成されるCMOS増幅回路6がCMOSセンサ回路
5と同一設計条件で作られていること、即ちゲート酸化
膜厚、しきい値、チャネル長、チャネル幅等の素子パラ
メータが同じであって、かつ、PMOSトランジスタQ
P1とQP2とは電源VDDに接続されるp+型ソース拡散層
7を共有し、NMOSトランジスタQN1とQN2とは接地
VSSに接続されるn+型ソース拡散層8を共有して、隣
接配置されていることである。なおNMOSトランジス
タQN1,QN2は、図2(c)に示したように、シリコン
基板1にp型ウエル9を形成してこの中に作られる。
【0011】図2に模式的な配線を示したように、CM
OSセンサ回路5は、PMOSトランジスタQP1のp+
型ドレイン拡散層10及びNMOSトランジスタQN1の
+型ドレイン拡散層11をゲートに共通接続して、C
MOSインバータの入出力を短絡した構成としている。
また、CMOS増幅回路6は、PMOSトランジスタQ
P2のp+型ドレイン拡散層12とNMOSトランジスタ
QN2のn+型ドレイン拡散層13を共通接続して出力端
子としている。これにより、図3に示す等価回路が得ら
れる。CMOS増幅回路6の入出力端間には、必要に応
じて、図3に示すように直列抵抗RS と帰還抵抗RF を
接続する。
【0012】この実施例のCMOSセンサ回路5は、ダ
イアフラム2に応力が加わったときの、PMOSトラン
ジスタQP1とNMOSトランジスタQN1のチャネルコン
ダクタンス変化が互いに逆方向になる。具体的に、図1
(b)の断面においてダイヤフラム2に下方から圧力が
かかったとき、NMOSトランジスタQN1ではチャネル
コンダクタンスが減少し、PMOSトランジスタQP1で
はチャネルコンダクタンスが増大する。この結果CMO
Sセンサ回路5の動作点が変動し、この動作点変動をセ
ンサ出力として取り出すことができる。
【0013】図3の回路は、アナログ出力を取り出すま
での回路であるが、その動作を具体的に図4を用いて説
明すると次の通りである。図4(a)は、CMOSセン
サ回路5の特性であり、同図(b)はCMOS増幅回路
6の特性である。CMOSセンサ回路5の無応力時の直
流動作点P1は、この回路をCMOSインバータとして
みたときの入出力伝達特性と、VIN=VOUT なる直線の
交点、即ち、CMOSインバータの論理しきい値に相当
する電圧VS となる。CMOS増幅回路6はCMOSセ
ンサ回路5と素子条件が同じであるため、無応力時の動
作点P2は、図4(b)に示すように、CMOSセンサ
回路5の動作点P1と等しく、VS である。なお図4
(b)は、直列抵抗RS と帰還抵抗RF がない場合の特
性を示しているが、直列抵抗RS と帰還抵抗RF が接続
された場合には、入出力伝達特性の遷移領域の傾斜が緩
くなる。
【0014】ダイアフラム2に圧力が印加されると、C
MOSセンサ回路5を構成するPMOSトランジスタQ
P1及びNMOSトランジスタQN1ともに、キャリア移動
度が変調されてチャネルコンダクタンスが変化し、応力
が引張応力か圧縮応力かに応じて、入出力伝達特性が、
破線イあるいはロで示すように変化する。このときのC
MOSセンサ回路5の動作点変化がCMOS増幅回路6
の入力信号となり、図4(b)に示すように、入出力伝
達特性の遷移領域の傾斜で決まる増幅度で増幅されて、
出力端子OUTに大きなセンサ出力電圧が得られること
になる。なお以上の動作原理は、特開平7−32677
1号公報において既に開示されている。
【0015】この実施例においては、前述のようにCM
OSセンサ回路5とCMOS増幅回路6が、PMOSト
ランジスタQP1とQP2とでソース拡散層7を共有し、N
MOSトランジスタQN1とQN2とでソース拡散層8を共
有して、可能な限り近接した位置に配置され、かつ同一
素子設計条件で作られているため、製造上のばらつきの
影響を受けることなく特性が揃う。従って、論理しきい
値の絶対値を正確に制御することなく、微小な検出出力
信号を高いS/N比をもって増幅することができ、高感
度特性を得ることができる。また同様の理由で、CMO
Sセンサ回路5とCMOS増幅回路6において温度変動
の影響やノイズの影響が互いに相殺されるため、高いS
/Nが得られ、またセンサ感度の温度特性も優れたもの
となる。
【0016】次に、CMOS増幅回路6に後続する信号
処理回路20の部分を含めて、センサ出力をディジタル
化して取り出す全体回路構成を図5に示す。センサ出力
を処理してディジタル化出力を得る信号処理回路20の
初段には、上述のCMOS増幅回路(即ち第1のCMO
S回路)6と出力端子OUT1を共通接続して併設さ
れ、入力端子に三角波信号Vt が供給される第2のCM
OS回路21を有する。この第2のCMOS回路21を
構成するPMOSトランジスタQP3は、CMOSセンサ
回路5及び第1のCMOS回路6のPMOSトランジス
タQP1,QP2と同じ素子パラメータをもって形成され、
同様にNMOSトランジスタQN3は、NMOSトランジ
スタQN1,QN2と同じ素子パラメータをもって形成され
たものとする。
【0017】第1及び第2のCMOS回路6,21の共
通出力端子OUT1には更に、その出力を所定の論理し
きい値でパルス化してパルス幅変調出力を得るための2
段のCMOSインバータ22a,22bからなるコンパ
レータ22と、このコンパレータ22の出力端OUT2
に得られるパルス幅変調出力と基準クロックCLKとの
論理積をとって得られたディジタル出力を出力端子OU
T3を介して外部に出力するANDゲート23が設けら
れている。なおこの実施例では、CMOSセンサ回路5
に対して一段のCMOS増幅回路6のみを用い、その出
力端OUT1を第2のCMOS回路21と共通接続して
パルス幅変調回路を構成しているが、必要に応じて同様
のCMOS増幅回路を多段に設けること、即ちパルス幅
変調回路を構成するための第1,第2のCMOS回路
6,21とは別に、所定段数のCMOS増幅回路を設け
ることも可能である。具体的にCMOS増幅回路6の後
段にこれとは別個に第1のCMOS回路を設け、この第
1のCMOS回路と第2のCMOS回路2とを同じ特性
とするようにしてもよい。
【0018】図6(a)は、第1及び第2のCMOSセ
ンサ回路6,21、及びコンパレータ22の部分をより
簡単な等価回路で示したものである。第1及び第2のC
MOS回路6,21は前述のように同じ入出力特性を有
し、出力端子を共通接続している。このため、これら二
つのCMOS回路6,21は、機能的に見れば、図6
(b)に示すように、チャネルコンダクタンスが2倍の
ひとつのCMOS回路26を用いて、これに二つの入力
電圧(この実施例の場合、センサ出力電圧Vsと三角波
信号電圧Vt)の平均値を入力したのと等価になる。い
ま、例えば三角波信号Vtとして図7(a)に示すよう
な信号が与えられ、センサ出力Vsとして図7(b)の
ように、2つのレベルVs1及びVs2(但しVs1>Vs2)
が与えられた場合を考えると、CMOS回路26には、
図7(c)に示すように、2つの出力レベルの平均値
(Vt+Vs)/2が入力されたことになり、その入力
レベルを増幅した出力を特定のしきい値レベルVTHでパ
ルス化すれば、図7(d)に示すように、センサ出力V
sのレベルに応じたパルス幅変調信号OUT2が得られ
る。この実施例では、CMOS回路26が入力レベルを
反転させるので、高いレベルのセンサ出力Vs1が入力さ
れた場合の出力パルスの幅は、低いレベルのセンサ出力
Vs2が入力された場合の出力パルスの幅よりも狭くな
る。即ち、デューティ比が小さくなる。
【0019】このパルス幅変調の動作を別の観点から図
8を用いて説明すると次のようになる。図に示すよう
に、等価的に一つで表されるCMOS回路26の入出力
伝達特性が一方の入力であるセンサ出力Vsにより変調
される。このように入出力伝達特性が変化するCMOS
回路26に三角波信号Vtが入力されたのと等価になる
から、あるセンサ出力レベルVs2に対応する実線の入出
力伝達特性と、他のセンサ出力レベルVs1に対応する破
線の入出力伝達特性により、それぞれ実線で示す出力O
UT1−2と破線で示す出力OUT1−1が得られる。
これらの出力を論理しきい値VTHのCMOSインバータ
22a,22bに入力すると、図8に示したように、パ
ルス幅変調された出力OUT2が得られることになる。
【0020】図9は、以上のようなパルス幅変調を行う
図5の回路各部の動作波形を示している。即ち第1,第
2のCMOS回路6,21にそれぞれセンサ出力VS1,
VS2と三角波信号Vt が入力されることにより、三角波
の増幅された出力信号OUT1が得られ、これを論理し
きい値VTHのコンパレータ22を通すことによって、パ
ルス幅変調された出力OUT2が得られる。この出力O
UT2を基準クロックCLKが入力されるANDゲート
23を通すことによって、パルス幅に対応したパルス数
をもつ出力OUT3が得られる。この出力OUT3が圧
力センサチップの外部出力となるから、これを直接コン
ピュータに取り込んで計数すれば、パルス幅をディジタ
ル的に計測する事ができる。
【0021】図10は、具体的にチップサイズ5.2mm
×5.2mmのセンサチップを用いたときの実測波形例を
示している。図10(a)が三角波信号Vt の波形であ
り、同図(b)〜(d)がパルス幅変調出力OUT2の
波形である。図10(b)は印加圧力がP=0[g/c
2]の場合、同図(c)は印加圧力がP=5[g/c
2]の場合、同図(d)は印加圧力がP=10[g/
cm2]の場合である。図から明らかなように、この実
施例により良好なパルス幅変調出力が得られる。
【0022】次に、この実施例によるCMOSセンサ回
路5の感度特性及び、その後のパルス幅変調の変調効率
を含めた総合的な感度特性について、理論解析結果を説
明する。総合的なセンサ感度S(単位圧力当たりのパル
ス幅変動量)は、CMOSセンサ回路5の感度をSS
(単位圧力当たりのセンサ出力変動)、パルス幅の変調
効率をSP として、S=SS ×SPで表される。
【0023】CMOSセンサ回路5の感度SS について
は、次のようになる。先ず、PMOSトランジスタQP
1,NMOSトランジスタQN1のチャネルでのキャリア
移動度μp ,μn の応力効果は、初期値をそれぞれμp
0,μn0、単位圧力当たりのキャリア移動度の変化率を
αp ,αn 、圧力P[g/cm2]として、次式数1で
表される。
【0024】
【数1】
【0025】参考までに、チップサイズ2.6mm角、ダ
イヤフラム厚20μm の場合、圧縮応力時のキャリア移
動度の変化率は、次式数2のようになる。
【0026】
【数2】
【0027】一方、CMOSセンサ回路5のCMOSイ
ンバータとしての論理しきい値Vthの近似式は、電源電
圧VDD、PMOSトランジスタQP1のゲートしきい値V
tp、NMOSトランジスタQN1のゲートしきい値Vtnと
して、次の数3で表される。
【0028】
【数3】
【0029】但し数3におけるβr は、PMOSトラン
ジスタのチャネル長Lp 、チャネル幅Wp 、NMOSト
ランジスタのチャネル長Ln 、チャネル幅Wn 、ゲート
容量Cとして、次の数4で表される。
【0030】
【数4】
【0031】数4から、βr を書き換えると、次の数5
のようになる。
【0032】
【数5】
【0033】数1を数5に代入してテーラー展開し、か
つ微圧の場合、即ちαp ・P《1、αn ・P《1を仮定
して、αp ・P、αn ・Pの2次以上の項を消去する
と、次の数6が得られる。
【0034】
【数6】
【0035】数6において、αn =−αp 、K=1を仮
定すると、数7が得られる。
【0036】
【数7】
【0037】数7を数3に代入し、Vtn=−Vtp、再度
αn ・P《1なる仮定を入れると、次の近似式数8が得
られる。
【0038】
【数8】
【0039】数8において、αn =−2×10-5[cm
2/g]とし、一例として、VDD=2V、Vtn=0.5
Vとすると、下記数9が得られる。
【0040】
【数9】
【0041】このとき、センサ感度SS は、下記数10
となる。
【0042】
【数10】
【0043】一方、パルス幅変調効率SP は、三角波の
周期をW0[sec]、振幅をV0[V]として、SP
=W0/V0となるから、総合感度Sは、下記数11と
なる。
【0044】
【数11】
【0045】一例として、V0=VDD=2[V]とする
と、総合感度は数12のようになる。
【0046】
【数12】
【0047】例えば、W0=100[msec](即ち
10[Hz])の場合、1[g/cm2]の圧力で、2
50[nsec]だけパルス幅が変化することになる。
【0048】更に、センサの分解能をパルス幅を計測す
る基準クロック(サンプリングクロック)の周期Tに等
しいパルス幅変調をもたらす圧力量で定義すると、数1
2から、次のように算出される。即ちサンプリング周波
数をF[Hz]、最大分解能をG[g/cm2]、回路
の増幅率をAとすると、下記数13の関係が得られる。
【0049】
【数13】
【0050】数13に代表的なW0,F,Aの数値例を
入れると、分解能は下表1及び表2のようになる。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】以上のようにこの実施例によると、圧力セ
ンサ素子としてのPMOSトランジスタとNMOSトラ
ンジスタが圧力により逆方向にチャネルコンダクタンス
が変化するようなCMOSセンサ回路5を構成し、更に
その信号処理回路をCMOS構成としてセンサチップ上
に集積する事により、ノイズの影響等を最小限に抑えて
コンピュータに直接入力できる高感度ディジタル出力を
得ることができる。しかも全体にCMOS構成を用いて
いるため、低電圧駆動が可能であり、低消費電力で動作
可能である。特に、CMOSセンサ回路5とその出力を
増幅する第1のCMOS回路6とが隣接して同じ素子パ
ラメータをもって形成され、更にセンサ出力が入力され
る第1のCMOS回路6と三角波信号が入力される第2
のCMOS回路21とは同じ入出力特性をもつものが出
力端子を共通接続して構成されているため、製造上のば
らつきの影響を受けることなく、微小なセンサ出力を高
感度にパルス幅変調して取り出すことができる。
【0054】製造上のばらつきやノイズの影響、温度依
存性の影響を更に低減するためには、第1,第2のCM
OS回路6,21についてもセンサチップ上で互いに近
接した位置に配置することがより好ましい。その様な好
ましい実施例の素子レイアウトを、図2に対応させて、
図11に示す。第1,第2のCMOS回路6,21は、
それぞれのPMOSトランジスタQP2,QP3のp+ドレ
イン拡散層12を共有し、同様にNMOSトランジスタ
QN2,QN3のn+ドレイン拡散層13を共有して、同じ
素子パラメータをもって近接配置される。これらのp+
ドレイン拡散層12とn+ドレイン拡散層13が共通接
続されて、共通の出力端子OUT1とされる。この様な
レイアウトを用いることにより、一層優れた高感度特性
が得られる。
【0055】ここまでは圧力センサの実施例を説明した
が、この発明はこれに限られない。例えば、ダイアフラ
ムに重錘体を設けた加速度センサに対しても、この発明
を同様に適用することが可能である。また実施例では、
CMOSセンサ回路として、PMOSトランジスタ及び
NMOSトランジスタそのものがセンサ素子である場合
を説明したが、図12に示すCMOSセンサ回路を用い
ることができる。これは先の実施例と同様に入出力を短
絡したインバータ構成のPMOSトランジスタQP1とN
MOSトランジスタQN1を用いているが、いずれのトラ
ンジスタも圧力等に感応しないものとし、これにフォト
ダイオード(又はフォトトランジスタ)PDを接続し
て、光センサ回路を構成したものである。即ち、併設し
たフォトダイオードPDによって、実効的にPMOSト
ランジスタQP1のチャネルコンダクタンスを変調するの
と等価の効果を得るようにしたものであり、このセンサ
回路にやはり先の実施例と同様の信号処理回路を接続す
ることにより、ディジタル出力センサを得ることができ
る。この場合、センサ回路を構成するCMOSトランジ
スタQP1,QN1を、先の実施例と同様に、後続の第1,
第2のCMOS回路と同じ素子設計条件として同じ基板
上に集積することにより、高感度特性を得ることができ
る。
【0056】
【発明の効果】以上述べたようにこの発明によれば、入
出力を短絡したCMOSインバータ形式のセンサ回路
と、その出力を増幅するCMOS回路とを同じ素子パラ
メータをもって隣接させて形成すると共に、センサ出力
をパルス幅変調を利用してディジタル化する回路を集積
形成して、微小なセンサ出力を高精度にディジタル化し
て出力することを可能とした半導体センサを提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例にかかるセンサチップの
構造を示す。
【図2】 同実施例の要部構造を拡大して示す。
【図3】 同実施例のセンサ回路5及び増幅回路6の等
価回路を示す。
【図4】 同実施例のセンサ出力検出の動作を説明する
ための図である。
【図5】 同実施例のセンサ回路及び信号処理回路の全
体構成を示す等価回路である。
【図6】 同実施例のパルス幅変調の原理を説明するた
めの図である。
【図7】 同実施例のパルス幅変調の原理を説明するた
めの図である。
【図8】 同実施例のパルス幅変調の原理を説明するた
めの図である。
【図9】 図5の各部動作波形を示す図である。
【図10】 実測によるパルス幅変調出力波形を示す。
【図11】 他の実施例のセンサチップ要部構造を示
す。
【図12】 他の実施例のセンサ回路の構成を示す。
【符号の説明】
1…シリコン基板、2…ダイアフラム、3…周辺厚肉
部、4…境界、5…CMOSセンサ回路、6…CMOS
増幅回路(第1のCMOS回路)、21…第2のCMO
S回路、22…コンパレータ、23…ANDゲート、Q
P1,QP2,QP3…PMOSトランジスタ、QN1,QN2,
QN3…NMOSトランジスタ、7,8…ソース拡散層、
10,11,12,13…ドレイン拡散層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H03M 1/56

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板と、 この基板上に形成されて入出力端子を短絡したCMOS
    インバータによって構成され、測定すべき物理量に感応
    して動作点を変動させることによりセンサ信号を出力す
    るCMOSセンサ回路と、 前記基板上に前記CMOSセンサ回路と同じ素子パラメ
    ータをもって形成されて前記CMOSセンサ回路から出
    力されるセンサ信号又はそれを増幅した信号が入力され
    る第1のCMOS回路と、 前記基板上に前記第1のCMOS回路と同じ素子パラメ
    ータをもって形成されて前記第1のCMOS回路と出力
    端子が共通接続され入力端子に三角波信号が供給される
    第2のCMOS回路と、 前記基板上に形成されて前記第1及び第2のCMOS回
    路の出力を所定の論理しきい値でパルス化して前記CM
    OSセンサ回路の出力レベルに応じたパルス幅のパルス
    幅変調信号を出力するコンパレータとを備えたことを特
    徴とする半導体センサ。
  2. 【請求項2】 前記基板上に形成されて前記コンパレー
    タから出力されるパルス幅変調出力と基準クロックとの
    論理積をとってディジタル出力を得る論理ゲートを更に
    備えたことを特徴とする請求項1記載の半導体センサ。
  3. 【請求項3】 前記CMOSセンサ回路、前記第1のC
    MOS回路及び第2のCMOS回路は、近接して配置さ
    れていることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導
    体センサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015173680A (ja) * 2014-03-13 2015-10-05 コニカミノルタ株式会社 音響センサー、及び、超音波探触子
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