JPH09264277A - ルーツ式流体機械 - Google Patents

ルーツ式流体機械

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JPH09264277A
JPH09264277A JP7242796A JP7242796A JPH09264277A JP H09264277 A JPH09264277 A JP H09264277A JP 7242796 A JP7242796 A JP 7242796A JP 7242796 A JP7242796 A JP 7242796A JP H09264277 A JPH09264277 A JP H09264277A
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rotor
rotors
teeth
base circle
tooth
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JP7242796A
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Hayashi Kageyama
夙 影山
Akihiro Masuyama
昭浩 増山
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GKN Driveline Japan Ltd
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Tochigi Fuji Sangyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロータ間での流体の閉じ込みを防止し、ロー
タの慣性モーメントを小さくし、吐出量を増加させる。 【解決手段】 山歯5、9と谷歯7、11とが噛み合う
ロータ1、3の各基礎円直径をDとし、軸間距離Lを2
1/2 Dとしたルーツ式流体機械であって、山歯5、9の
形状を、相手側ロータの基礎円13、15と自身側山歯
とが交わる2交点と、相手側基礎円から基礎円半径Rの
貫入率S%だけ相手側に貫入した貫入点との3点を結ぶ
円弧にし、谷歯7、11の形状を、自身の基礎円と相手
側ロータの山歯5、9とが交わる2交点と、自身側基礎
円から基礎円半径Rの貫入率S%だけ自身側に貫入した
貫入点との3点を結ぶ円弧にし、山歯5、9と谷歯7、
11の他の部分の形状をインボリュート歯形にし、S%
をロータ1、3の間で干渉が生じない範囲である34<
S<40に設定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、車両用
スーパーチャージャのコンプレッサに用いられるルーツ
式流体機械に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ルーツブロワのようなルーツ式
流体機械に用いられるロータの歯形は、図6に示したロ
ータ201、203のように、エピサイクロイド曲線と
ハイポサイクロイド曲線とを組み合わせた歯形のもの
と、エンベロープ曲線の歯形のものと、図7に示したロ
ータ205、207のように、インボリュート曲線の歯
形のものなどがある。
【0003】また、図8ないし図10は特開平4−72
490号公報に記載された過給機のロータ209、21
1を示しており、これらはインボリュート曲線の歯形を
持った例である。
【0004】サイクロイド曲線のロータ201、203
は、回転中に互いの歯面の一点が常時接触しているか
ら、気体の洩れが少なく効率がよいと共に、気体が閉じ
込められる空間が形成されないから、騒音が低い。
【0005】また、インボリュート曲線のロータ20
5、207、209、211は、各図のように、先端部
分が細く形成され、慣性モーメントが小さいから、高速
回転させることが可能であると共に、先端部分が細くロ
ータ断面積が小さい分1回転当たりの吐き出し容量が大
きくなり、充分な流体の吐出量が得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、サイクロイド
曲線のロータ201、203やエンベロープ曲線のロー
タは、先端部分が太い繭型になり、慣性モーメントが大
きい。従って、高速回転させることが難しい上に、エン
ジンとの連結をベルト伝動機構で行う場合は、ベルトの
滑りが生じ易く、エンジンとの断続を電磁クラッチで行
う場合は、この電磁クラッチを大型にする必要がある。
【0007】また、先端部分が太いからそれだけロータ
断面積が大きくなり、ロータ室が狭くなる。例えば、図
6と図7のようにロータの外径をそれぞれ80mmにし
たとき、図7のインボリュート曲線の例では、ロータ2
05、207の断面積を差し引いたロータ室の断面積は
約1532mm2 であるのに対して、図6のサイクロイ
ド曲線の例では、ロータ201、203の断面積を差し
引いたロータ室の断面積は約1273mm2 まで狭くな
る。
【0008】このように、サイクロイド曲線のロータ2
01、203の場合、ロータ室が狭く1回転当たりの吐
き出し容量が小さいから、充分な流体の吐出量が得られ
ない。
【0009】また、インボリュート曲線の場合は、各ロ
ータの歯元に相手側ロータの歯先の逃げを作る必要があ
り、図8ないし図10に示すように、この逃げによっ
て、例えば、ロータ209の歯先とロータ211の歯元
との間に閉じ込み空間213が生じる。この空間213
に閉じ込められた吸気は、図8と図9のようにロータ2
09、211の回転に伴って圧縮され、次いで図10の
ように膨張し、矢印215の箇所で開放され、このとき
大きな騒音を発生する。また、閉じ込められた気体がこ
のように圧縮と膨張とを繰り返す間に、ロータ209、
211には回転抵抗(圧縮時)と回転を促す力(膨張
時)とが働き、回転数が細かく変動し、過給機を振動さ
せる。
【0010】そこで、この発明は、ロータ間での流体の
閉じ込みによる騒音を防止すると共に、ロータが軽量で
慣性モーメントが小さく、吐出量の多いルーツ式流体機
械の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1のルーツ式流体
機械は、互いに噛み合う山歯と谷歯とを有する一対のロ
ータの基礎円直径をDとし、各ロータの軸間距離Lを2
1/2 Dとしたインボリュート形のロータを有するルーツ
式流体機械であって、各ロータの山歯の形状を、この山
歯の頂点が両ロータの中心線上にある状態で、相手側ロ
ータの基礎円と自身側山歯とが交わる2箇所の交点と、
相手側基礎円から基礎円半径Rの貫入率S%だけ相手側
に貫入した貫入点との3点を結ぶ円弧にし、各ロータの
谷歯の形状を、この谷歯の鞍部(最も低い点)が両ロー
タの中心線上にある状態で、自身の基礎円と相手側ロー
タの山歯とが交わる2箇所の交点と、自身の基礎円から
基礎円半径Rの貫入率S%だけ自身側に貫入した貫入点
との3点を結ぶ円弧にし、山歯と谷歯の他の部分の形状
をインボリュート歯形にし、前記の貫入率S%を各ロー
タ間で干渉が生じない範囲に設定したことを特徴とす
る。
【0012】このように、請求項1のルーツ式流体機械
は、各ロータの山歯の歯先形状を、相手側ロータの基礎
円と自身側山歯とが交わる2箇所の交点と、相手側基礎
円から基礎円半径Rの貫入率S%だけ相手側に貫入した
貫入点との3点を結ぶ円弧にすると共に、谷歯の形状
を、自身の基礎円と相手側ロータの山歯とが交わる2箇
所の交点と、自身の基礎円から基礎円半径Rの貫入率S
%だけ自身側に貫入した貫入点との3点を結ぶ円弧に
し、この貫入率S%を各ロータ間で干渉が生じない範囲
に設定したことによって、各ロータの歯先と歯元とを互
いに干渉させず、所定の間隔で対向させることができ
る。
【0013】従って、インボリュート歯形のロータと異
なって、ロータ間に流体の閉じ込み空間が形成されず、
騒音や振動が防止される。
【0014】更に、上記の円弧形状部(山歯の歯先と谷
歯)を除いた部分をインボリュート曲線にしたから、サ
イクロイド曲線のものやエンベロープ曲線のものと較べ
て、ロータの先端部が細いから、慣性モーメントが小さ
いと共に、断面積が小さくロータ室が広い。
【0015】従って、高速回転させることが可能であ
り、1回転当たりの吐き出し容量が大きいから、充分な
吐出量が得られ、それだけ流体機械を小型軽量にでき
る。
【0016】また、エンジンからの駆動力伝達をベルト
伝動機構で行う場合はベルトの滑りが防止され、エンジ
ンとの断続を電磁クラッチで行う場合はこの電磁クラッ
チを小型にできる。
【0017】請求項2のルーツ式流体機械は、請求項1
のルーツ式流体機械において、各ロータがそれぞれ2個
の山歯と谷歯とを有する2葉ロータであり、山歯と谷歯
の貫入率S%を、それぞれ、34%<S<40%の範囲
内の値に設定したものであって、請求項1の構成と同等
の効果を得る。
【0018】これに加えて、2葉ロータの場合、貫入率
を34%<S<40%と大きくできるから、ロータの先
端部が細くなり、あるいは、ロータの外径(ロータ室の
内径)が大きくなるから、1回転当たりの吐き出し容量
がそれだけ更に増加する。
【0019】請求項3のルーツ式流体機械は、請求項1
のルーツ式流体機械において、各ロータがそれぞれ3個
の山歯と谷歯とを有する3葉ロータであり、山歯と谷歯
の貫入率S%を、それぞれ、27%≦S≦33%の範囲
内の値に設定したものであって、請求項1の構成と同等
の効果を得る。
【0020】これに加えて、3葉ロータの場合、貫入率
が27%≦S≦33%と比較的小さいから、ロータの外
径が小さくなり、慣性モーメントをそれだけ更に小さく
できる。
【0021】
【発明の実施の形態】図1ないし図4によって本発明の
第1実施形態を説明する。この実施形態は請求項1、2
の特徴を備えている。この実施形態は車両のスーパーチ
ャージャに用いられており、各図はこのスーパーチャー
ジャのロータ1とロータ3を示している。また、符号を
与えていない部材等は図示されていない。
【0022】各図のように、これらのロータ1、3は2
葉ロータであり、ロータ1には2個の山歯5、5と2個
の谷歯7、7(山歯5、5の歯元)とが形成され、ロー
タ3には2個の山歯9、9と2個の谷歯11、11(山
歯9、9の歯元)とが形成されている。
【0023】各ロータ1、3の基礎円13、15の基礎
円直径はそれぞれDであり、各ロータ1、3はケーシン
グのロータ室17の内部で、軸間距離L=21/2 Dの間
隔に配置されたインボリュート形である。
【0024】このスーパーチャージャは、電磁クラッチ
とベルト伝動機構とを介してエンジンに駆動される。各
ロータ1、3は、タイミングギヤ組を介して、互いに接
触しない状態で噛み合いながら回転する。
【0025】ロータ1の山歯5の歯先形状は、図1のよ
うに、山歯5の頂点がロータ1、3の中心線19上にあ
る状態で、ロータ3の基礎円15と山歯5とが交わる2
箇所の交点21、23と、基礎円15からその基礎円半
径Rの貫入率S%だけ基礎円15の内部に貫入した貫入
点25との3点を結ぶ円弧状(円筒状)にしてある。
【0026】ロータ3の山歯9も、この山歯5と同様に
3点を結ぶ円弧状(円筒状)にしてある。
【0027】また、ロータ3の谷歯11の形状は、図1
の状態で、ロータ3の基礎円15とロータ1の山歯5と
が交わる上記の2交点21、23と、基礎円15からそ
の基礎円半径Rの貫入率S%だけ基礎円15の内部に貫
入する上記の貫入点25との3点を結ぶ円弧状(円筒
状)にしてある。
【0028】ロータ1の谷歯7も、この谷歯11と同様
に3点を結ぶ円弧状(円筒状)にしてある。
【0029】各山歯5、9と谷歯7、11の貫入率S%
は、34%<S<40%の範囲内の値に設定されてい
る。
【0030】こうして成形された山歯5、9の歯先と谷
歯7、11の各円弧状部の間には、0〜0.2mmの隙
間を設けてある。
【0031】図2ないし図4は、ロータの基礎円直径を
D(基礎円半径R=D/2)にし、ロータ間で干渉が生
じない範囲に貫入率S%を決定するための実験的なロー
タを示す例である。
【0032】図2のロータ27、29は貫入率S%を3
4%にし、図3のロータ31、33は貫入率S%を40
%にしてある。また、図4はロータ1、3であり、貫入
率S%を34%<S<40%の範囲内の37%にしてあ
る。なお、各図は各ロータを図1のロータ位置から矢印
の方向に5°回転させた状態を示している。
【0033】図2と図3のように、貫入率34%の場合
と貫入率40%の場合は、いずれも各ロータ間に干渉が
生じるが、図4のように、貫入率37%の場合ロータ
1、3間に干渉は生じていない。
【0034】こうして、ロータ1、3を用いたスーパー
チャージャが構成されている。上記のように、各ロータ
1、3は、山歯5、9の歯先と谷歯7、11の形状を、
自身の基礎円13、15と相手側ロータの山歯の歯先と
が交わる2交点と、相手側基礎円から基礎円半径Rの貫
入率S%だけ相手側(山歯の場合)と自身側(谷歯の場
合)にそれぞれ貫入した貫入点との3点を結ぶ円弧に
し、この貫入率S%を2葉ロータの場合に各ロータ間で
干渉が生じないように解析された34%<S<40%の
範囲から選んだ。
【0035】従って、各ロータ1、3の歯先と歯元とを
互いに干渉させず、所定の間隔で対向させることがで
き、従来のインボリュート歯形のロータと異なって、ロ
ータ1、3の間に吸気の閉じ込み空間が形成されないか
ら、スーパーチャージャの騒音や振動が防止される。
【0036】これに加えて、上記の円弧状部(山歯の歯
先と谷歯)を除いた部分をインボリュート曲線にしたか
ら、サイクロイド曲線のものやエンベロープ曲線のもの
と較べて、ロータ1、3の先端部が細く、断面積が小さ
い。因みに、各ロータ1、3の外径を図6と図7の各従
来例と同じ80mmにしたとき、ロータ1、3の断面積
を差し引いたロータ室17の断面積は約1373mm2
になり、ロータ室断面積が約1273mm2 であった図
6のサイクロイド曲線のロータ201、203に較べて
8%程度ロータ室17の断面積を広くすることができ
た。
【0037】このように、各ロータ1、3は、先端部が
細いから、慣性モーメントが小さく高速回転させること
が可能であると共に、ロータ室17の断面積が大きいか
ら、1回転当たりの吐き出し容量がそれだけ大きく、充
分な過給気量が得られる。
【0038】また、過給気量が増加しただけ、スーパー
チャージャを小型軽量にできる。更に、慣性モーメント
が小さいから、エンジンと連結するベルト伝動機構のベ
ルトの滑りが防止され、エンジンとの断続を行う電磁ク
ラッチを小型にできる。
【0039】これに加えて、ロータ1、3のような2葉
ロータの場合、貫入率を34%<S<40%と大きくで
きるから、それだけロータ1、3の先端部が細くなり、
あるいは、ロータ1、3の外径(ケーシング17の内
径)が大きくなり、1回転当たりの吐き出し容量は更に
増加する。
【0040】次に、図5によって本発明の第2実施形態
を説明する。この実施形態は請求項1、3の特徴を備え
ている。この実施形態は車両のスーパーチャージャに用
いられており、図5はこのスーパーチャージャのロータ
35とロータ37とを示している。また、符号を与えて
いない部材等は図示されていない。
【0041】このスーパーチャージャは、電磁クラッチ
とベルト伝動機構とを介してエンジンに駆動される。各
ロータ35、37は、タイミングギヤ組を介して、互い
に接触しない状態で噛み合いながら回転する。
【0042】図5のように、各ロータ35、37は、ロ
ータ本体39、41とこれらのロータ孔43、45に固
定されたロータ軸47、49から構成されている。
【0043】これらのロータ35、37は3葉ロータで
あり、ロータ35のロータ本体39には3個の山歯5
1、51、51と3個の谷歯53、53、53(各山歯
51の歯元)とが形成され、ロータ37のロータ本体4
1には3個の山歯55、55、55と3個の谷歯57、
57、57(各山歯55の歯元)とが形成されている。
なお、各山歯51、55には軸方向に中空部58、60
が設けられている。
【0044】各ロータ35、37の基礎円59、61の
直径をDとしている。図5のように、各ロータ35、3
7はケーシングのロータ室63の内部で、軸間距離L=
1/ 2 Dの間隔で配置されている。また、各ロータ3
5、37の外径をdとしてある。
【0045】ロータ35の谷歯53の形状は、図5のよ
うに、谷歯53の鞍部(最も低い点)がロータ35、3
7の中心線65上にある状態で、ロータ35の基礎円5
9とロータ37の山歯55とが交わる2箇所の交点6
7、69と、基礎円59からその基礎円半径Rの貫入率
S%だけ基礎円59の内部に貫入した貫入点71との3
点を結ぶ円弧状(円筒状)にしてある。
【0046】ロータ37の谷歯57も、この谷歯53と
同様に3点を結ぶ円弧状(円筒状)にしてある。
【0047】また、ロータ37の山歯55の歯先形状
は、図5の状態で、ロータ35の基礎円59とロータ3
7の山歯55とが交わる上記の2交点67、69と、基
礎円59からその基礎円半径Rの貫入率S%だけ基礎円
59の内部に貫入した上記の貫入点71との3点を結ぶ
円弧状(円筒状)にしてある。
【0048】ロータ35の山歯51も、この山歯55と
同様に3点を結ぶ円弧状(円筒状)にしてある。
【0049】各山歯51、55と谷歯53、57の貫入
率S%は、27%≦S≦33%の範囲内で同一の値に設
定されている。
【0050】こうして成形された山歯51、55の歯先
と谷歯53、57の各円弧状部の間には、0〜0.2m
mの隙間を設けてある。
【0051】この貫入率S%と図5に示す貫入値Xとを
種々変えて、ロータ35、37間の干渉の有無を実験す
ると、貫入率S%が27%に満たない範囲と33%を超
える範囲では干渉が生じるが、27%≦S≦33%の範
囲内では大きな干渉が発生せず、特に、27%≦S≦3
3%の中間値である30%で干渉が最も小さく、ロータ
35、37間の閉じ込み空間が最も小さい。
【0052】こうして、ロータ35、37を用いたスー
パーチャージャが構成されている。
【0053】上記のように、各ロータ35、37は、山
歯51、55の歯先と谷歯53、57の形状を、自身の
基礎円59、61と相手側ロータの山歯の歯先とが交わ
る2交点と、相手側基礎円から基礎円半径RのS%(貫
入率)だけ相手側(山歯の場合)と自身側(谷歯の場
合)にそれぞれ貫入した貫入点との3点を結ぶ円弧に
し、この貫入率S%を3葉ロータの場合に各ロータ間で
干渉が生じないように解析された27%≦S≦33%の
範囲から選んだ。
【0054】従って、各ロータ35、37の歯先と歯元
とを互いに干渉させず、所定の間隔で対向させることが
でき、従来のインボリュート歯形のロータと異なって、
ロータ35、37の間に吸気の閉じ込み空間が形成され
ず、スーパーチャージャの騒音や振動が防止される。
【0055】これに加えて、上記の円弧状部(山歯の歯
先と谷歯)を除いた部分をインボリュート曲線にしたか
ら、サイクロイド曲線のものやエンベロープ曲線のもの
と較べて、ロータ35、37の先端部が細く、断面積が
小さい。
【0056】このように、各ロータ35、37は、先端
部が細いから、慣性モーメントが小さく高速回転させる
ことが可能であると共に、ロータ室63の断面積が大き
いから、1回転当たりの吐き出し容量がそれだけ大き
く、充分な過給気量が得られる。
【0057】また、吐出量が増加しただけ、スーパーチ
ャージャを小型軽量にできる。
【0058】更に、慣性モーメントが小さいから、エン
ジンと連結するベルト伝動機構のベルトの滑りが防止さ
れ、エンジンとの断続を行う電磁クラッチを小型にでき
る。
【0059】これに加えて、ロータ35、37のような
3葉ロータの場合、貫入率が27%≦S≦33%と比較
的小さいから、それだけロータ35、37の外径が小さ
くなり、慣性モーメントを更に小さくできる。
【0060】なお、本発明のルーツ式流体機械におい
て、各ロータは軸方向に捩じれたスクリューロータでも
よい。
【0061】また、本発明のルーツ式流体機械は、コン
プレッサやブロワーだけでなく、流体圧を与えて回転を
取り出すモータとして用いてもよい。
【0062】
【発明の効果】請求項1のルーツ式流体機械は、各ロー
タの山歯の歯先と谷歯の形状を、自身の基礎円と相手側
ロータの山歯の歯先とが交わる2交点と、相手側基礎円
から基礎円半径Rの貫入率S%だけ相手側(山歯)ある
いは自身側(谷歯)に貫入した点との3点を結ぶ円弧状
にし、この貫入率S%を各ロータ間で干渉が生じない範
囲に設定したことにより、インボリュート歯形の従来の
ロータと異なって、ロータ間に流体の閉じ込み空間が形
成されず、騒音や振動が防止される。
【0063】また、この円弧状部を除いた部分をインボ
リュート曲線にしたから、サイクロイド曲線のものやエ
ンベロープ曲線のものと較べて、ロータの先端部が細
く、断面積が小さい。
【0064】従って、各ロータの慣性モーメントが小さ
く、高速回転させることが可能であると共に、ロータ室
の断面積が大きいから、1回転当たりの吐き出し容量が
それだけ大きく、充分な流体の吐出量が得られる。ま
た、吐出量が増加しただけ、ルーツ式流体機械を小型軽
量にできる。
【0065】更に、エンジンとの連結をベルト伝動機構
で行う場合はベルトの滑りが防止され、エンジンとの断
続を電磁クラッチで行う場合はこの電磁クラッチを小型
にできる。
【0066】請求項2のルーツ式流体機械は、請求項1
の構成と同等の効果を得ると共に、2葉ロータの場合、
貫入率S%が34%<S<40%と大きく、それだけロ
ータの先端部が細くなり、あるいは、ロータの外径(ケ
ーシングの内径)が大きくなるから、1回転当たりの吐
き出し容量が更に増加する。
【0067】請求項3のルーツ式流体機械は、請求項1
の構成と同等の効果を得ると共に、3葉ロータの場合、
貫入率S%が27%≦S≦33%と比較的小さいから、
それだけロータの外径が小さくなり、慣性モーメントを
更に小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のロータを示す説明図で
ある。
【図2】第1実施形態の動作説明図である。
【図3】第1実施形態の動作説明図である。
【図4】第1実施形態の動作説明図である。
【図5】本発明の第2実施形態のロータを示す説明図で
ある。
【図6】第1の従来例のロータを示す説明図である。
【図7】第2の従来例のロータを示す説明図である。
【図8】第3の従来例の動作説明図である。
【図9】第3の従来例の動作説明図である。
【図10】第3の従来例の動作説明図である。
【符号の説明】
1、3 ロータ(2葉ロータ) 5、9、51、55 山歯 7、11、53、57 谷歯 13、15、59、61 基礎円 19、65 中心線 21、23、67、69 交点 25、55 貫入点 35、37 ロータ(3葉ロータ)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに噛み合う山歯と谷歯とを有する一
    対のロータの基礎円直径をDとし、各ロータの軸間距離
    Lを21/2 Dとしたインボリュート形のロータを有する
    ルーツ式流体機械であって、 各ロータの山歯の形状を、この山歯の頂点が両ロータの
    中心線上にある状態で、相手側ロータの基礎円と自身側
    山歯とが交わる2箇所の交点と、相手側基礎円から基礎
    円半径Rの貫入率S%だけ相手側に貫入した貫入点との
    3点を結ぶ円弧にし、 各ロータの谷歯の形状を、この谷歯の鞍部が両ロータの
    中心線上にある状態で、自身の基礎円と相手側ロータの
    山歯とが交わる2箇所の交点と、自身の基礎円から基礎
    円半径Rの貫入率S%だけ自身側に貫入した貫入点との
    3点を結ぶ円弧にし、 山歯と谷歯の他の部分の形状をインボリュート歯形に
    し、 前記の貫入率S%を各ロータ間で干渉が生じない範囲に
    設定したことを特徴とするルーツ式流体機械。
  2. 【請求項2】 各ロータがそれぞれ2個の山歯と谷歯と
    を有する2葉ロータであり、山歯と谷歯の貫入率S%
    を、それぞれ、34<S<40の範囲内の値に設定した
    ことを特徴とする請求項1のルーツ式流体機械。
  3. 【請求項3】 各ロータがそれぞれ3個の山歯と谷歯と
    を有する3葉ロータであり、山歯と谷歯の貫入率S%
    を、それぞれ、27≦S≦33の範囲内の値に設定した
    ことを特徴とする請求項1のルーツ式流体機械。
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