JPH0926395A - 石留検査方法及び石留検査装置 - Google Patents

石留検査方法及び石留検査装置

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JPH0926395A
JPH0926395A JP7350664A JP35066495A JPH0926395A JP H0926395 A JPH0926395 A JP H0926395A JP 7350664 A JP7350664 A JP 7350664A JP 35066495 A JP35066495 A JP 35066495A JP H0926395 A JPH0926395 A JP H0926395A
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JP
Japan
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stone
vibration
ring
fixed
support base
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JP7350664A
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English (en)
Inventor
Yasuko Shinoda
康子 篠田
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SHINODA KK
Original Assignee
SHINODA KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 宝飾装身具に施されている宝石の石留固定状
態を検査し、不完全なもののみを短時間で特定可能に
し、正確な検査結果を得る。 【解決手段】 発振器2を内蔵する外箱1の上面板3の
上に振動子4を設け、その振動子4の上部において、宝
飾装身具を支え、且つ、押圧固定させるための押圧具5
を設け、振動を宝飾装身具に伝達させて、宝石の石留固
定状態が不完全で弛んでいるもののみをキラキラと駆動
させ特定可能にさせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、貴金属宝飾品業界
で製造される宝飾装身具の加工工程で行われる宝石の石
留固定状態の完全、不完全を検査する分野において使用
する石留検査装置及び石留検査方法に係わり、さらにい
えば、宝飾装身具に施した宝石が貴金属地金でしっかり
と石留固定されずに弛んでいるもののみを特定可能にす
ることができる石留検査装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の石留検査方法としては、
宝飾装身具を手あるいはバイスに把握させ、例えば、先
端を細く尖らせた、食品に使用する竹串のようなものを
検査棒として手に持ち、宝飾装身具に石留されている宝
石の上面を軽く揺すり、弛んでいるものを見つける方法
が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術に述べた、
検査棒で宝飾装身具に石留されている多数の宝石の上面
を一つ一つ揺すって石留固定状態を検査する方法は非常
に時間がかかり、更に、検査する人の熟練度、疲労度等
により見間違えたり見落としたりする誤りが多々あると
いう問題点を有していた。
【0004】本発明は、従来の技術が有するこのような
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、宝飾装身具などの支持台の凹部に嵌入された宝
石の石留固定の良否を検査するにあたり、短時間で行う
ことができ、熟練を要さずに正確な検査結果を得ること
のできる石留検査方法及び石留検査装置を提供すること
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の石留検査方法は、支持台に設けられた凹部
に嵌入された宝石の石留固定の良否を検査するための石
留検査方法において、前記支持台を固定した状態で前記
支持台を微小振動させることにより、前記宝石のうち石
留固定が不良のものだけを駆動するようにしたことを特
徴とする。本発明によると、支持台を固定した状態で微
小振動させて宝石のうち石留固定が不良のものだけを駆
動することにより、支持台を目に見える状態で振動させ
ることなく、石留固定が不良な宝石だけを短時間で目視
により正確に特定することができる。
【0006】また、本発明において、好ましくは、超音
波振動源から前記支持台に直接的に振動を与えることに
より、前記宝石を駆動する。これにより、支持台には実
質的に超音波振動源に固有(またはその近傍)の周波数
の超音波振動だけが与えられることになる。超音波振動
は、5〜20μm程度の小さな振幅で周波数が比較的高
く且つエネルギーが大きいために、支持台の凹部に嵌入
された宝石のうち石留固定が不良のものだけを容易に駆
動することができる。なお、本発明において、「直接的
に」とは、超音波振動源と支持台との間に、これらのい
ずれにも固定されていない状態で振動を伝達することが
できる介在物が存在しないことをいうものとする。
【0007】また、本発明において、好ましくは、超音
波振動源に固定されていない状態で振動を伝達すること
が可能な介在物から前記支持台に間接的に振動を与える
ことにより前記宝石を駆動する。このような介在物を用
いることにより、支持台には超音波振動源に固有の周波
数(またはその近傍)の超音波振動とともに、可聴周波
をも含む2以上の異なる周波数の振動が与えられる。超
音波周波と可聴周波とを含む2以上の異なる周波数の振
動が支持台に与えられると、石留固定が不良の宝石のう
ち超音波振動だけによっては駆動することができなかっ
た宝石をも駆動することができるようになる。これは、
指向性の強い超音波振動だけでは宝石を一方向に単調に
(言い換えれば、滑らかな振動で浮き上がらせるよう
に)駆動することができるに過ぎないが、振幅が大きく
指向性の弱い可聴周波振動をも与えることにより宝石を
複数の方向に複雑に(言い換えれば、弾き飛ばすよう
に)駆動させることができるようになるからであると推
定される。なお、本発明において、「間接的に」とは、
超音波振動源と支持台との間に、上述のような介在物が
存在していることをいうものとする。
【0008】また、本発明の石留検査方法は、支持台に
設けられた凹部に嵌入された宝石の石留固定の良否を検
査するための石留検査方法において、前記支持台を固定
した状態で、前記支持台に少なくとも超音波周波と可聴
周波とを含む2以上の異なる周波数の振動を与えて前記
支持台を微小振動させることにより、前記宝石のうち石
留固定が不良のものだけを駆動するようにしたことを特
徴とする。
【0009】また、本発明の石留検査装置は、宝石が嵌
入された凹部が設けられた支持台を固定するための固定
手段と、前記支持台に微小振動を与えることにより、前
記宝石のうち石留固定が不良のものだけを駆動する振動
付与手段とを具備している。
【0010】また、本発明において、前記振動付与手段
は、超音波振動源から前記支持台に直接的に振動を与え
ることができるように構成されていることが好ましい。
【0011】また、本発明において、前記振動付与手段
は、超音波振動源に固定されていない状態で振動を伝達
することが可能な介在物から前記支持台に間接的に振動
を与えることができるように構成されていることが好ま
しい。
【0012】なお、本発明の一態様においては、前記宝
石を拡大して観察するための拡大鏡をさらに具備してい
てもよい。これによると、拡大鏡により宝石を拡大して
観察することができるので、石留固定が不良な宝石だけ
をより容易に目視により特定することができる。
【0013】本発明の一つの具体的な構成に基づく動作
を説明すると、石留検査装置の外箱の上面板において、
振動子(先端振動部)の上部に載せた宝飾装身具(支持
台)を押圧具で振動子に接触固定して振動を与える。す
ると、宝飾装身具に施してある宝石の石留のなかで、貴
金属地金からなる爪のような形をした押え部と宝石との
間に空間を持たずにしっかりと止められている宝石の様
子に変化は起こらない。一方で、押え部と宝石との間に
空間を持ち弛んで留められている宝石、即ち、石留固定
が不良な宝石は与えられた振動を受け、前記空間の中で
駆動される。これに光線を照射すれば、揺らめいている
宝石のカット面で光線が反射してキラキラ輝いて見える
ので、これを見て確実に石留不良の宝石を特定すること
が可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。
【0015】まず、本発明の第1の実施の形態を図1〜
図5に基づいて説明する。図1は、本実施の形態の石留
検査装置の構成を示す断面図である。図1において、外
箱1の中には超音波振動を発生するための高周波電流の
発振器2が納められており、その出力は15W、周波数
は19kHzである。なお、出力は弛んでいる宝石を揺
らすために少なくとも5W以上必要である。また、宝飾
装身具の貴金属地金は用い方により各部分で厚さ、薄
さ、太さ、細さ等が均一ではなく、且つ、鋳造製作によ
る貴金属地金の密度も均一ではないため、その構造上、
弱い部分に損傷を与えることを防止するために、出力は
40W以下が好ましい。
【0016】外箱1の上面板3から突出するように、先
端振動子としてのπ型の磁歪振動子4が周波数19kH
zでもって設置されている。この磁歪振動子4は、発振
器2から送られてくる高周波電流によって振動する。
尚、振動子4の上面には被検査体である宝飾装身具の貴
金属地金に疵がつくのを防止するために、合成樹脂11
を密着させてある。また、振動子4の近くには宝飾装身
具を合成樹脂11に対して押圧固定するスプリング式の
押圧具5が設けてあるが、その先端の押圧部5aは宝飾
装身具を押圧固定する際に疵等がついてしまうのを防ぐ
ためにゴムで包まれている。
【0017】図2は、宝飾装身具の一種であって宝石の
支持台としての指輪6が、図1の石留検査装置の振動子
4の上に載せられている様子を示している。この指輪6
には多数の細厘宝石が石留めされている。指輪6は、押
圧具5の押圧部5aによって振動子4の上に設けられた
合成樹脂11に対して押圧固定されている。
【0018】本実施の形態において石留検査を行う際に
は、電源電流を発振器2に供給して高周波電流を発振さ
せ、これにより振動子4を励振して振動子4を介して指
輪6に微細な超音波振動を与える。本実施の形態では、
指輪6は押圧具5で固定されており、指輪6には振動子
4から合成樹脂11を介して直接的に振動が与えられ
る。
【0019】ここで、図3により、図2の指輪6に石留
されている宝石の形状について説明する。図3(A)は
宝石13の平面図であり、(B)は宝石13の側面図で
ある。図3からも明らかなように、宝石13はいわゆる
カット加工されており、その表面は多数の多角形(カッ
ト面)の集合体である。このような多数のカット面から
構成された宝石13に光線が照射されると、カット面で
反射した光線がキラキラと輝いて見えることになる。
【0020】図4は、図2の指輪6に施されている宝石
13の石留を説明するための断面図であり、指輪6に設
けられた凹部12に宝石13が嵌入されている様子を説
明するための図である。図4(A)は、石留固定状態が
完全な状態を示し、この場合には、宝石13と指輪6に
設けられた貴金属地金の押え部14との間には不必要な
空間(間隙)がない。したがって、このとき指輪6に振
動が与えられても宝石13は駆動されず静止したままで
ある。
【0021】図4(B)は、石留固定状態が不完全な状
態を示し、この場合には、宝石13と貴金属地金の押え
部14との間には不必要な空間(間隙)が形成されてい
る。したがって、このとき指輪6に振動が与えられる
と、図4(C)に示すように、上記した空間の中で宝石
13が駆動され、その空間の中で宝石13が揺れてカッ
ト面で反射した光がキラキラ輝いて見える。
【0022】つまり、本実施の形態によると、振動子4
からの振動を指輪6に直接的に与えることにより、指輪
6には実質的に振動子4および発振器2に固有の周波数
(20kHz)の超音波振動だけが与えられる。この点
について、図5を参照して説明する。図5は、本実施の
形態において、指輪6に与えられる振動の周波数(kH
z)と振動加速度スペクトルレベル(dB)との関係を
示すグラフである。この図から明らかなように、振動子
4からの振動を指輪6に直接的に与えると、2次的(副
次的)な振動が発生しないために、指輪6に与えられる
振動の周波数は振動子4および発振器2に固有の周波数
である19kHzにピークをもち、それ以外の周波数に
はほとんどピークが表れない。そして、この19kHz
の超音波振動は、振幅が5〜20μm程度と小さく周波
数が比較的高く且つエネルギーが大きいために、指輪6
の凹部12に嵌入された宝石13のうち押え部14での
石留固定が不良のものだけを容易に駆動することができ
る。このとき、指輪6は固定されているために目に見え
る状態で振動することがなく、駆動された宝石13は、
上述したように、そのカット面がキラキラと揺れるよう
に輝いてみえるので、これを容易に特定することが可能
である。なお、本実施の形態において、指輪6に与えら
れる振動の周波数は、装置の設計条件などによって、振
動子4および発振器2に固有の周波数の近傍の周波数で
ある17〜21kHz程度に変動することがある。
【0023】次に、本発明の第2の実施の形態につい
て、図6を参照して説明する。図6は、図2の外箱1に
拡大鏡7を取り付けて石留検査を行う状況を示してい
る。拡大鏡7のアームは柔軟性を持ち、アームの下付根
にはマグネットが埋設され、外箱1に施した鉄板部の任
意の場所へ取り付けられ、この拡大鏡7を介して指輪6
の石留部が拡大される。したがって、宝飾装身具の石留
内容が細厘宝石、極細厘宝石であっても、また、石留数
量が多い場合などでも、石留固定状態の不完全な駆動さ
れた宝石を容易に見つけることができる。
【0024】また、交流電源のない場所においても検査
作業を行うことができる携帯可能な装置にもなるよう
に、電池と商用交流電源との切換回路を設け、電池及び
交流電源を切り換えて使用できるような回路構成を採っ
てもよい。
【0025】上記の実施の形態では、振動付与手段とし
て、超音波振動を発生させる発振器2と磁歪振動子4と
を用いたが、振動付与手段としては、発振器と電歪振動
子の組み合わせや、一般的なバイブレータなどの公知の
ものを用いてもよい。ただし、上述したように、振幅が
小さく指向性の強い超音波振動を支持台に与えることに
より、より多くの石留不良の宝石を容易に駆動すること
が可能になるという利点がある。
【0026】また、上記の実施の形態では、固定手段と
して、スプリング式の押圧具5を用いたが、固定手段と
しては、これに限らず粘着テープ、螺子などの公知のも
のを用いてもよい。ただし、本実施の形態のようなスプ
リング式の押圧具5を用いることにより、支持台を容易
に固定することができるとともに、支持台の交換が短時
間で行えるために石留検査の作業効率が向上するという
利点が得られる。
【0027】まず、本発明の第3の実施の形態を図7〜
図9に基づいて説明する。図7(a)は、本実施の形態
の石留検査装置のうちの振動付与手段側の構成を示す断
面図である。図7(a)において、外箱31の中には超
音波振動を発生するための高周波電流の発振器32が納
められており、その出力は15W、周波数は19kHz
である。なお、出力は第1の実施の形態と同様の理由に
より5W以上40W以下が好ましい。
【0028】外箱31の上面板33から突出するよう
に、先端振動子としてのπ型の磁歪振動子34が周波数
19kHzでもって設置されている。この磁歪振動子3
4は、発振器32から送られてくる高周波電流によって
振動する。また、振動子34の上には、硬質合成樹脂製
で直径10〜30mm程度のリング35が載置されてい
る(つまり、リング35は振動子4に固定されていな
い)。そして、リング35の周囲には、リング35の外
周面と0.25mm程度の間隙が形成されるような円形
の開口部36aを有するプラスチック製の円柱部材36
が配置されており、この円柱部材36は、外箱31の上
面板33に固定されている。また、リング35は円柱部
材36の上面から2〜10mm程度突出するように設け
られており、リング35の上面には後述する支持棒の断
面形状に沿ったくぼみが形成されている。
【0029】図7(b)は、本実施の形態の石留検査装
置のうちの固定手段側の構成を示す図である。図7
(b)において、固定手段である支持棒40は、合成樹
脂製で円柱形状の指輪保持部38と、長さ3〜10cm
程度で直径10〜30mm程度の鉄製の把握部37とか
ら構成されている。把握部37は指輪保持部38の両側
にそれぞれ螺子止めされている。この支持棒40は全体
としてテーパー形状に形成されることにより、支持棒4
0の一端側から挿入された指輪が指輪保持部38におい
て固定できるようになっている。なお、上述したリング
35および指輪保持部38を合成樹脂で形成するのは、
指輪に疵がつくのを防止するためである。
【0030】図8は、宝飾装身具の一種であって宝石の
支持台としての指輪39が、図7(b)の支持棒40に
装着され且つ図7(a)のリング35の上に載置された
様子を示している。この指輪39には多数の細厘宝石が
石留めされている。指輪39は支持棒40の指輪保持部
38に挿入されて装着されることにより支持棒40に対
して固定されている。また、支持棒40は例えば手で把
握部37を把握されることにより、指輪39とリング3
5とがわずかな圧力で接触するような定位置に保持され
ている。
【0031】本実施の形態において石留検査を行う際に
は、電源電流を発振器32に供給して高周波電流を発振
させ、これにより振動子34を励振して振動子34から
リング35を介して指輪39に微細な振動を与える。本
実施の形態では、指輪39は支持棒40で固定されてお
り、また、指輪39には振動子34に固定されていない
状態で振動を伝達することが可能なリング35から間接
的に振動が与えられる。
【0032】つまり、本実施の形態によると、振動子3
4からの振動を指輪39に間接的に与えることにより、
指輪39には振動子34および発振器32に固有の周波
数の近傍の周波数(20kHz)の超音波振動ととも
に、可聴周波をも含む2以上の異なる周波数の振動が与
えられる。この点について、図9を参照して説明する。
図9は、本実施の形態において、指輪39に与えられる
振動の周波数(Hz)と振動加速度スペクトルレベル
(dB)との関係を示すグラフである。この図から明ら
かなように、振動子34からの振動を指輪39に間接的
に与えると、振動子34に固定されていないリング35
が円柱部材36の開口部36a内で自由に往復運動を行
うことにより2次的(副次的)な振動が多数発生するた
めに、指輪39に与えられる振動の周波数は20kHz
以外に可聴周波の750Hz、4625Hz、1275
0Hzのほか、超音波周波領域の33250Hz、40
125Hzなどの多くのピークをもつようになる。
【0033】そして、超音波周波と可聴周波とを含む2
以上の異なる周波数の振動が指輪39に与えられると、
宝石を複数の方向に複雑に駆動させることができるよう
になるために、石留固定が不良の宝石のうち超音波振動
だけによっては駆動することができなかった宝石をも駆
動することができるようになる。この駆動された宝石1
3は、上述したように、そのカット面がキラキラと揺れ
るように輝いてみえるので、容易に特定することが可能
である。なお、このときも、指輪39を支持棒40で固
定しているために、指輪39自体は目に見える状態で振
動しないので、石留不良の宝石を特定するにが容易であ
る。
【0034】以上説明したように、本実施の形態では、
第1の実施の形態よりもより正確に石留不良の宝石を特
定することが可能になるという利点がある。また、本実
施の形態では、振動子34に固定されていない状態で振
動を伝達することが可能なリング35から指輪39に間
接的に振動を与えることにより、超音波周波と可聴周波
とを含む2以上の異なる周波数の振動を指輪39に与え
たが、発振周波数がそれぞれ異なる2以上の振動源を用
い、各振動源から指輪39へ直接的に振動をそれぞれ与
えることにより、これを実現してもよい。ただし、本実
施の形態では、1つの振動源を用いるだけでよいので、
装置の構成が簡略化されるという利点がある。
【0035】次に、本発明の第4の実施の形態につい
て、図10を参照して説明する。図10は、本実施の形
態で石留検査を行っている様子を示す概略図である。図
10において、外箱31には、図7(a)で説明したの
と同様の発振器32および振動子34が内蔵されてお
り、振動子34の上にも図7(a)で説明したのと同様
のリング35および円柱部材36が配置されている。そ
して、リング35の上には固定手段としての支持棒44
が載置されている。支持棒44は、長さ3〜10cm程
度で直径10〜30mm程度の鉄製の把握部41と、こ
の把握部41に挟まれるように設けられた合成樹脂製で
両端部が円柱形状の保持部42とから構成されている。
保持部42の中央部には平坦部42aが設けられてお
り、この平坦部42aには両面接着テープ(図示せず)
が貼付され、この両面接着テープの上に多数の細厘宝石
が石留めされたブローチ43が配置されて固定されてい
る。また、支持棒44は例えば手でその両端の把握部4
1を把握されることにより、保持部42とリング35と
がわずかな圧力で接触するような定位置に保持されてい
る。
【0036】本実施の形態においても、上記第3の実施
の形態と同様に、振動子34からの振動をリング35を
介してブローチ43に間接的に与えることにより、ブロ
ーチ43には振動子34および発振器32に固有の周波
数の近傍の周波数(20kHz)の超音波振動ととも
に、可聴周波をも含む2以上の異なる周波数の振動が与
えられる。したがって、石留固定が不良の宝石のうち超
音波振動だけによっては駆動することができなかった宝
石をも駆動することができるようになる。
【0037】また、本実施の形態では、保持部42に平
坦部42aが設けられており、この平坦部42aに両面
接着テープでブローチ43やペンダントなどの宝飾装身
具を固定することができるので、指輪のような円環部分
を有する宝飾装身具だけではなくあらゆる形状の宝飾装
身具の石留検査を行うことができる。
【0038】次に、本発明の第5の実施の形態につい
て、図11を参照して説明する。図11は、本実施の形
態で石留検査を行っている様子を示す概略図である。図
11において、超音波振動子を内蔵するハンドピース5
1の先端にはホルダ55が取り付けられており、このホ
ルダ55に設けられた孔には、ホルダ55側がステンレ
ス製で先端側がデルリン製の検査用棒52が差し込まれ
ている。この検査用棒52は、ホルダ55の超音波振動
が直接伝達される部分には固定されておらず、その中間
部に設けられた円盤状のつば部52aがホルダ55の端
面と接触可能に構成されている。これにより、検査用棒
52は、ホルダ55の端面を一方の振動終端として孔の
内部を自由に運動可能になっている。このようにホルダ
55の端面を一方の振動終端としているので、孔の底部
を振動終端としたときのように検査用棒52が振動する
ことによって孔の中にバリが発生し検査用棒52が抜け
なくなってしまうことがない。ハンドピース51は図示
しない発振器に接続されている。また、本実施の形態で
は、宝石が多数石留された指輪53が、固定手段として
の万力54に挟持されることによって固定されている。
【0039】本実施の形態においても、上記第3、第4
の実施の形態と同様に、振動子からの振動を検査用棒5
2を介して指輪53に間接的に与えることにより、指輪
53には振動子および発振器に固有の周波数の超音波振
動とともに、可聴周波をも含む2以上の異なる周波数の
振動が与えられる。したがって、石留固定が不良の宝石
のうち超音波振動だけによっては駆動することができな
かった宝石をも駆動することができるようになる。
【0040】以上本発明の実施の形態について説明した
が、本発明はこれらに限定されることなく、特許請求の
範囲に記載された範囲内において様々な設計変更を行う
ことが可能である。例えば、超音波振動の周波数として
は、一般的な超音波振動源から発生する周波数であれば
どのような周波数でもよい。また、第3〜第5の実施の
形態においても、第2の実施の形態で用いた拡大鏡7を
用いるようにしてよい。
【0041】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されているような効果を奏す
る。
【0042】本発明に係る石留検査方法及び石留検査装
置は、押圧具等で宝飾装身具を固定させ振動を与えると
宝石の石留のうち石留固定状態が不完全で弛んでいるも
ののみを駆動させ特定可能にすることを特徴としている
から、今まで煩わしい業務として扱われてきた石留検査
は容易で明らかな業務となり、石留検査結果の正確度は
高く、検査に要する時間は短くてすみ、したがって、品
質管理の中で重要な役割を担う石留検査に携わる人のス
トレス、疲労は軽減される。また、石留検査の結果、石
留不完全なものを特定すれば、その宝飾装身具は石留技
術者の許へ戻され手が加えられて完全な石留とすること
は必至であり、さかのぼれば、石留技術者にとって、も
し時間的負担が極く僅かであれば自己の仕事の終了時に
石留検査を行うことが自然となり、技術者が自己の仕事
の不調に対して直に善処するところからもより活発な技
術の向上があり、同時に石留固定状態が完全であること
を確認することは製造者としても責任も明確に果たせ
る。そして、石留不完全な宝石のほとんどは、そのまま
着用することにより遅かれ早かれ脱落することをふまえ
れば、市場に出す以前に石留不完全なものを減ずること
は有益なことになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態により、石留検査装
置の固定手段に押圧具を備えた縦断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態において、石留検査
装置の押圧具で指輪を振動子に固定させた状態を示す斜
視図である。
【図3】指輪に石留してある宝石の平面図と正面図であ
る。
【図4】石留固定状態を説明するための断面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態において、指輪に与
えられる振動の周波数と加速度との関係を示すグラフで
ある。
【図6】本発明の第2の実施の形態により、石留検査装
置に拡大鏡を取り付けた状態を示す斜視図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態の石留検査装置を示
す図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態の石留検査装置で石
留検査を行っている状態を示す斜視図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態において、指輪に与
えられる振動の周波数と加速度との関係を示すグラフで
ある。
【図10】本発明の第4の実施の形態の石留検査装置で
石留検査を行っている状態を示す斜視図である。
【図11】本発明の第5の実施の形態の石留検査装置で
石留検査を行っている状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 外箱 2 発振器 3 上面板 4 振動子 5 押圧具 6 指輪 7 拡大鏡

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持台に設けられた凹部に嵌入された宝
    石の石留固定の良否を検査するための石留検査方法にお
    いて、 前記支持台を固定した状態で前記支持台を微小振動させ
    ることにより、前記宝石のうち石留固定が不良のものだ
    けを駆動するようにしたことを特徴とする石留検査方
    法。
  2. 【請求項2】 超音波振動源から前記支持台に直接的に
    振動を与えることにより、前記宝石を駆動することを特
    徴とする請求項1に記載の石留検査方法。
  3. 【請求項3】 超音波振動源に固定されていない状態で
    振動を伝達することが可能な介在物から前記支持台に間
    接的に振動を与えることにより、前記宝石を駆動するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の石留検査方法。
  4. 【請求項4】 支持台に設けられた凹部に嵌入された宝
    石の石留固定の良否を検査するための石留検査方法にお
    いて、 前記支持台を固定した状態で、前記支持台に少なくとも
    超音波周波と可聴周波とを含む2以上の異なる周波数の
    振動を与えて前記支持台を微小振動させることにより、
    前記宝石のうち石留固定が不良のものだけを駆動するよ
    うにしたことを特徴とする石留検査方法。
  5. 【請求項5】 宝石が嵌入された凹部が設けられた支持
    台を固定するための固定手段と、 前記支持台に微小振動を与えることにより、前記宝石の
    うち石留固定が不良のものだけを駆動する振動付与手段
    とを具備していることを特徴とする石留検査装置。
  6. 【請求項6】 前記振動付与手段は、超音波振動源から
    前記支持台に直接的に振動を与えることができるように
    構成されていることを特徴とする請求項5に記載の石留
    検査装置。
  7. 【請求項7】 前記振動付与手段は、超音波振動源に固
    定されていない状態で振動を伝達することが可能な介在
    物から前記支持台に間接的に振動を与えることができる
    ように構成されていることを特徴とする請求項5に記載
    の石留検査装置。
JP7350664A 1995-05-11 1995-12-14 石留検査方法及び石留検査装置 Pending JPH0926395A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1088765C (zh) * 1996-07-17 2002-08-07 松下电器产业株式会社 等离子体处理装置
WO2014068389A2 (en) * 2012-10-31 2014-05-08 Sahajanand Technologies Private Limited Counting gemstones using image processing

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