JPH09263862A - 高温放置後の接触抵抗が低い端子用銅合金 - Google Patents

高温放置後の接触抵抗が低い端子用銅合金

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JPH09263862A
JPH09263862A JP9778496A JP9778496A JPH09263862A JP H09263862 A JPH09263862 A JP H09263862A JP 9778496 A JP9778496 A JP 9778496A JP 9778496 A JP9778496 A JP 9778496A JP H09263862 A JPH09263862 A JP H09263862A
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JP
Japan
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contact resistance
copper alloy
standing
alloy
reduced
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JP9778496A
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English (en)
Inventor
Motohisa Miyato
元久 宮藤
Tetsuzo Ogura
哲造 小倉
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 めっきを省略しても、端子の使用温度である
120〜200℃放置後の接触抵抗の上昇が抑制され通
電不良を起こすことのない端子用銅合金を得る。 【解決手段】 Fe:0.05〜0.5wt%、P:
0.02〜0.2wt%、Zn:0.1〜5.0wt%
を含有し、残部が銅および不可避不純物からなる端子用
銅合金。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、使用温度が120
〜200℃の端子、接触子などの端子用銅合金に関す
る。
【0002】
【従来の技術】端子用銅合金は、近年その使用環境が益
々過酷になり、自動車のエンジン周りの電装部品、例え
ばワイヤーハーネスなどはその雰囲気温度が160℃以
上に達する場合もあり、そこに組み込まれる雄雌端子も
その温度に長時間曝される。また、電装部品は軽薄短小
化と実装密度の向上が図られ、端子自体からのジュール
熱発生量も増加する傾向にある。このように電装部品の
使用温度は益々高くなってきているのが現状である。端
子用銅合金は、接点部が加熱などにより酸化すると接触
抵抗が上がり通電不良のトラブルを起こすことがあるた
め、通常Sn又はSn合金などのめっきが雄端子および
雌端子の双方に施される。さらに高い信頼性を要求され
る場合は、金、銀などの貴金属めっきが施される場合も
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、接触抵抗
特性の信頼性の面から、従来は雄、雌嵌合用端子の各々
にSn又はSn合金等のめっきを施しているため、生産
性の低下あるいはめっき不良による歩留り低下などの問
題点があった。本発明は従来技術の上記問題点に鑑みて
なされたもので、通電不良の問題を起こすことなく銅合
金からなる雌雄端子どちらかの、あるいは両方のめっき
を省略し、もって生産性の向上及び歩留りの向上を図る
ことを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】電気・電子部品用銅合金
として機械的特性と導電率の両特性を兼備するCu−F
e−P合金(C19210)は、端子として用いられるとき通
常Snめっきが施されている。本発明者らはこの銅合金
に関し種々の実験を重ねた結果、これに適正量のZnを
添加することにより、Snめっきを省略しても端子の使
用温度である120〜200℃放置後の接触抵抗の上昇
が抑制されることを見い出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0005】すなわち、本発明に関わる銅合金は、F
e:0.05〜0.5wt%、P:0.02〜0.2w
t%、Zn:0.1〜5.0wt%を含有し、残部が銅
および不可避不純物からなり、120〜200℃の高温
放置後の接触抵抗が低く、上記使用条件において無めっ
きの状態で端子として使用することができる。本発明の
銅合金を端子として使用すれば、雌雄端子両方のめっき
を省略することも可能であるが、信頼性の面からいずれ
か一方をSnまたはSn合金めっき材とするのが好まし
い。また、これまで用途により貴金属めっき又はNiめ
っきなどを施していたケースでも、いずれか一方又は双
方のめっきを省略できるようになる。
【0006】次に本発明合金の各成分の添加理由及びそ
の組成限定理由について説明する。
【0007】Fe:0.05〜0.5wt% FeはPとともにFe2P析出物を形成し強度を向上さ
せる元素である。しかし、0.05wt%未満ではその
効果が小さく、一方、0.5wt%を越えると導電率が
低下する。従って、Feの含有量は0.05〜0.5w
t%とする。導電率を高く保つ意味から0.05〜0.
35%の範囲がより好ましい。
【0008】P:0.02〜0.2wt% PはFeとともにFe2P析出物を形成させ強度を向上
させ、また溶湯の脱酸効果を有する元素である。しか
し、0.02wt%未満ではその効果が小さく、一方、
0.2wt%を越えると鋳造時CuとPの低融点化合物
が粒界に偏析しやすくなり、鋳塊段階又は熱間加工時に
割れが発生しやすくなる。従って、Pの含有量は0.0
2〜0.2wt%とする。導電率を高く保つとともに良
好な熱間加工性を維持する意味から0.02〜0.15
%の範囲がより好ましい。
【0009】Zn:0.1〜5.0wt% Znは120〜200℃の高温放置時のCuの酸化皮膜
成長を抑制し、接触抵抗上昇を抑制する効果を有する。
これは、銅合金がZnを含有する場合、上記温度におい
てZnが優先的に酸化されるためCuの酸化が抑制さ
れ、Znの酸化速度はCuの酸化速度より小さいため酸
化膜厚さの成長速度が小さくなり、そして酸化膜厚さが
薄いほど接触抵抗が小さくなるためである。しかし、
0.1wt%未満ではその効果が小さく、5.0wt%
を越えて含有しても効果が飽和するとともに、導電率の
低下及び耐応力腐食割れ性の劣化をまねく。従って、Z
nの含有量は0.1〜5.0wt%とする。導電率を高
く保つ意味から0.1〜2.0%とするのがより好まし
い。
【0010】
【実施例】次に本発明の実施例に関わる端子用銅合金に
ついて、比較例と比較して説明する。
【0011】
【表1】
【0012】表1に示す組成の銅合金を電気炉により大
気中で木炭被覆下で溶融し、厚さ50mm、幅80m
m、長さ180mmの鋳塊を溶製した。この鋳塊を用い
て、880℃で熱間圧延し15mm厚さの板材とした
後、水冷にて焼き入れした。さらに、これを1.28m
mの厚さまで冷間圧延し、500℃で2時間の焼鈍を施
した後、0.64mmの厚さまで冷間圧延した材料を供
試材とし、各々の機械的性質、導電率及び120〜20
0℃に加熱後の接触抵抗を下記の要領で測定した。な
お、試験材はSnめっき省略を想定して裸材のままとし
た。
【0013】・機械的性質;圧延方向に平行に採取した
JIS5号試験片(t=0.64mm)を用い、JIS
Z2241に規定する金属材料引張試験方法に準じ、引
張強さ及び伸びを測定した。硬さは、JISZ2244
のビッカース硬さ試験方法に準じ測定した。 ・導電率;JISH0505の導電率測定方法に準じ、
ダブルブリッジを用いて電気抵抗を測定し導電率を算出
した。 ・接触抵抗;120〜200℃で120時間加熱後の接
触抵抗を測定した。電極として、端子嵌合時の相手材を
想定し、黄銅(C2600)の裸材および黄銅に1.2
μmの光沢剤入りの電気Snめっきを施したものを用い
た。電極先端径は端子の接点を想定し3mmRに調整し
た。測定条件は、開放電圧12V、電流1A、接触荷重
1kgfとし、各々10点測定した。
【0014】試験材の機械的性質及び導電率を表2に、
接触抵抗(mΩ)の平均値を表3に示す。
【0015】
【表2】
【0016】
【表3】
【0017】表2より、実施例合金は機械的性質が優れ
るとともに、導電率も55%IACS以上と良好であ
る。また、表3より、実施例合金の接触抵抗は、Zn無
添加の比較例合金7と比べると、特に160℃以上の加
熱温度において低く良好である。 これに対し、比較例
合金8はZn添加量が本発明に規定する範囲より少ない
ため、Znによる接触抵抗の上昇抑制効果が小さい。Z
n添加量が本発明に規定する範囲より多い比較例合金9
は、接触抵抗の上昇抑制効果が飽和しているばかりでな
く、導電率が低くなっている。比較例合金10は、Sn
めっき被覆した黄銅であり、接触抵抗値は低いが、導電
率が低いという問題があり、またSnめっきを施すこと
による生産性及び歩留りの低下という問題点も有する。
【0018】次に、実施例合金において電極を黄銅の裸
材とした場合とSnめっき材とした場合を比較すると、
Zn添加による接触抵抗の上昇抑制効果はいずれの場合
も認められるが、Snめっき材とした方が接触抵抗値が
低い。これは、雌雄両端子のうち、片方のSnめっきを
省略した方が両方省略するより信頼性が優れることを示
している。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、従来より電気・電
子部品用銅合金として知られるCu−Fe−P系合金へ
適正量のZnを添加することにより、120〜200℃
の高温放置後の接触抵抗の上昇抑制が可能である。従っ
て、本発明によれば、雌雄両端子のいずれか又は両方の
Sn、Sn合金などのめっきを省略することが可能な端
子用銅合金を提供することができ、生産性の向上及び歩
留りの向上に寄与し得るものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Fe:0.05〜0.5wt%、P:
    0.02〜0.2wt%、Zn:0.1〜5.0wt%
    を含有し、残部が銅および不可避不純物からなることを
    特徴とする120〜200℃の高温放置後の接触抵抗が
    低い無めっき端子用銅合金。
  2. 【請求項2】 Sn又はSn合金めっき材と接触する端
    子に適用することを特徴とする請求項1に記載された1
    20〜200℃の高温放置後の接触抵抗が低い無めっき
    端子用銅合金。
JP9778496A 1996-03-26 1996-03-26 高温放置後の接触抵抗が低い端子用銅合金 Pending JPH09263862A (ja)

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