JPH0926333A - モータの位置検出装置 - Google Patents

モータの位置検出装置

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JPH0926333A
JPH0926333A JP17588495A JP17588495A JPH0926333A JP H0926333 A JPH0926333 A JP H0926333A JP 17588495 A JP17588495 A JP 17588495A JP 17588495 A JP17588495 A JP 17588495A JP H0926333 A JPH0926333 A JP H0926333A
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豊 小泉
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 位相差カウンタの検出分解能を高めることな
く位置検出分解能を向上させることができるモータの位
置検出装置を実現する。 【構成】 モータの回転に伴って位相が変調される位相
変調信号と、位相が変調されない基準信号との位相差を
計測し、計測値からモータの回転位置を算出するモータ
の位置検出装置に関するものである。モータの回転位置
が位置決めされた状態にあるときに、位相差カウンタの
1計測周期毎に異なるレベルのディザ信号をつごうn周
期にわたって位相変調信号に加える。これによって、位
相変調信号は位相差カウンタの検出分解能程度の範囲で
n通りに変動させられる。上述したn回の計測周期にわ
たって位相差カウンタが計測したn個の計測値の平均値
を求め、求めた平均値からモータの回転位置を求める。
リニアモータの位置検出装置でも同様にして移動子の位
置を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転形のモータの回転
位置や、リニアモータの移動子の位置を検出するモータ
の位置検出装置に関するものである。更に詳しくは、位
相変調型のエンコーダを用いて回転位置や移動子の位置
を検出するモータの位置検出装置の検出分解能の向上に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】位置制御ループを有するモータの制御シ
ステムでは、エンコーダによりモータの位置(回転位置
または移動子の位置)を検出し、指令位置と検出位置の
偏差をもとに、偏差が0になるようにモータを位置フィ
ードバック制御する。モータの制御システムに用いられ
るエンコーダの1つに位相変調型のエンコーダがある。
【0003】従来、位相変調型のエンコーダを用いたモ
ータの位置検出装置として、例えば図6に示す構成のも
のがあった。図6において、1は位相変調型のエンコー
ダ、2はエンコーダ1の検出信号をもとに位置検出を行
う位置検出回路である。
【0004】エンコーダ1で、11はスリット板であ
り、リニアパルスモータ(図示せず)の固定子に固定さ
れていて、一定ピッチでスリット12が配列されてい
る。13はフォトダイオードアレイ(以下、PDAとす
る)で、スリット12と対向配置されている。PDA1
3は、スリット12の1ピッチに8個のフォトダイオー
ドPD1〜PD8をアレイ状に配列した構成になってい
る。図示しないが、光源がスリット12を挟んでPDA
13と対向配置されている。PDA13と光源はリニア
パルスモータの移動子に固定されていて、移動子の移動
に伴ってPDA13と光源はスリット12の配列方向に
沿って移動する。移動子が固定子の歯の1ピッチ分だけ
移動すると、PDA13と光源はスリット12の1ピッ
チ分だけ移動する。
【0005】位置検出回路2で、SW1〜SW8はスイ
ッチである。クロック発生器21から与えられる8相ク
ロックによって一定のタイミングでスイッチSW1〜S
W8順序を閉じることによりフォトダイオードPD1〜
PD8の光検出信号を走査する。スイッチの開閉は、例
えば、1回目のタイミングでは、スイッチSW1,SW
2,SW3,SW4を閉じ、2回目のタイミングでは、
スイッチSW2,SW3,SW4,SW5を閉じ、以下
同様にして4個ずつ閉じるスイッチをずらしていく。2
2は各スイッチSW1〜SW8を介して得られる信号を
増幅するOPアンプ、23はOPアンプの出力の低周波
成分を抽出するローパスフィルタ(以下、LPFとす
る)、24はLPF23の出力を波形整形するコンパレ
ータである。25はクロック発生器21の8相クロック
のいずれか1相を取り出すクロック取出し回路、26は
クロック発生器21の8相クロックを1/8に分周する
分周回路である。27は位相差カウンタで、コンパレー
タ24から与えられる位相変調信号と、クロック取出し
回路25で取り出した位相が変調されない基準信号との
位相差を、分周回路26の分周クロックのタイミングで
計測する。分周クロックの周期は8個のスイッチSW1
〜SW8の走査周期に相当する。28は位相差カウンタ
27で計測した位相差の変化分を走査周期毎に積算して
モータの移動子の位置を検出する積算回路である。29
はF/V変換器であり、コンパレータ24の出力の変動
周波数に比例した電圧信号を出力する。この信号は速度
検出信号となる。
【0006】図6の装置の動作を説明する。クロック発
生器21は、8相クロックのタイミングでスイッチSW
1〜SW8を開閉してフォトダイオードPD1〜PD8
の光検出信号を走査する。フォトダイオードPD1〜P
D8は、スリット像を映すセンサである。このため、P
DA13とLEDがスリット12の1ピッチ分移動する
と、走査により得られた階段状波形の信号(OPアンプ
22の出力)の位相は、360°変化する。従って、階
段状波形信号にLPF23とコンパレータ24を通過さ
せて得た信号は、次式で与えられる位相変調信号にな
る。 f(t)=Asin{ωt+2π(x/P)} A:振幅,t:時間,x:PDA13とLEDの移動
量,ω=2πfSS:クロック発生器21の8相クロックの周波数 また、クロック取出し回路25で取り出した基準信号の
位相はωtになる。スイッチSW1〜SW8が8回切り
換わると、1回の走査周期が終了するため、分周回路2
6の分周クロックの周期が走査周期と等しい。位相差カ
ウンタ27は、分周クロックのタイミングで1走査周期
毎に、位相変調信号と基準信号の位相差を計測する。こ
の位相差は式より2π(x/P)である。ここで、エ
ンコーダのスリット12のピッチと、リニアパルスモー
タの固定子の歯のピッチとは等しいため、位相差カウン
タ27で計測した位相差からリニアパルスモータの固定
子の歯と移動子の歯の位相ずれが求められる。積算回路
28は位相差カウンタ27で計測した位相差の変化分を
分周クロックのタイミングで積算し、モータの移動子の
位置を求める。積算回路28の出力が位置検出信号とな
る。
【0007】図7は基準信号と位相変調信号のタイムチ
ャートである。位相差カウンタ27は基準信号と位相変
調信号の位相差Δを計数クロックで計測する。計測した
位相差Δから移動子の位置が求められる。
【0008】上述した従来例では、位相差カウンタの計
数クロックにより位相差を計測し、移動子の位置を求め
ているため、計数クロックの1周期よりも小さい値は切
り捨てられて検出できない。計数クロックの周波数を高
くすれば位相差カウンタの検出分解能が高くなり、位置
検出分解能を向上することができるが、高周波のクロッ
ク発生器が必要になり、回路のコストが高くなるという
問題点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述した問題
点を解決するためになされたものであり、位相変調信号
にディザ信号を加え、そのときに計測した位相差の平均
値をとることにより、位相差カウンタの検出分解能を高
めることなく位置検出分解能を向上させることができる
モータの位置検出装置を実現することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は次のとおりの構
成になったモータの位置検出装置である。 (1)モータの回転に伴って位相が変調される位相変調
信号を出力するエンコーダと、前記位相変調信号と、位
相が変調されない基準信号との位相差を一定周期毎に計
測する位相差カウンタと、を備え、前記位相差カウンタ
の計測値からモータの回転位置を算出するモータの位置
検出装置において、周期は前記位相差カウンタの計測周
期のn倍(ただし、nは2以上の整数)で、振幅は位相
変調信号の位相を前記位相差カウンタの検出分解能程度
の範囲で変動させるレベルになったディザ信号を発生す
るディザ信号発生手段と、このディザ信号発生手段が発
生するディザ信号を位相変調信号に加える加算手段と、
モータの回転位置が位置決めされた状態にあるときに、
前記位相差カウンタがn回の計測周期にわたって計測し
たn個の計測値の平均値を求め、求めた平均値からモー
タの回転位置を求める位置検出手段と、を具備したこと
を特徴とするモータの位置検出装置。 (2)リニアモータの移動子の移動に伴って位相が変調
される位相変調信号を出力するエンコーダと、前記位相
変調信号と、位相が変調されない基準信号との位相差を
一定周期毎に計測する位相差カウンタと、を備え、前記
位相差カウンタの計測値から前記移動子の位置を算出す
るモータの位置検出装置において、周期は前記位相差カ
ウンタの計測周期のn倍で、振幅は位相変調信号の位相
を前記位相差カウンタの検出分解能程度の範囲で変動さ
せるレベルになったディザ信号を発生するディザ信号発
生手段と、このディザ信号発生手段が発生するディザ信
号を位相変調信号に加える加算手段と、移動子が位置決
めされた状態にあるときに、前記位相差カウンタがn回
の計測周期にわたって計測したn個の計測値の平均値を
求め、求めた平均値から移動子の位置を求める位置検出
手段と、を具備したことを特徴とするモータの位置検出
装置。
【0011】
【作用】このような本発明では、モータの回転位置が位
置決めされた状態にあるときに、位相差カウンタの1計
測周期毎に異なるレベルのディザ信号をつごうn周期に
わたって位相変調信号に加える。これによって、位相変
調信号は位相差カウンタの検出分解能程度の範囲でn通
りに変動させられる。上述したn回の計測周期にわたっ
て位相差カウンタが計測したn個の計測値の平均値を求
め、求めた平均値からモータの回転位置を求める。リニ
アモータの位置検出装置でも同様にして移動子の位置を
検出する。
【0012】
【実施例】以下、図面を用いて本発明を説明する。図1
は本発明の一実施例を示した構成図である。図1で図6
と同一のものは同一符号を付ける。図1において、30
はディザ信号を発生するディザ信号発生手段である。こ
のディザ信号は、周期は位相変調信号の周期のn倍(た
だし、nは2以上の整数)で、振幅は位相変調信号の位
相を位相差カウンタの検出分解能程度の範囲で変動させ
るレベルである。また、ディザ信号の周波数は、モータ
の位置制御のサーボ系が応答する帯域よりも十分に高い
帯域の周波数である。31はディザ信号発生手段30が
発生するディザ信号をLPF23の出力に加算する加算
手段、32は加算手段31の加算信号を波形整形して位
相差カウンタ27に与えるコンパレータである。33は
位置検出手段で、移動子が位置決めされた状態にあると
きに、位相差カウンタ27がn回の計測周期にわたって
計測したn個の計測値の平均値を求め、求めた平均値か
ら移動子の位置を求める。
【0013】このように構成した装置の動作を説明す
る。位相変調信号にディザ信号を加えることにより、位
相変調信号が変動する。例えば、図2に示すような位相
変調信号にディザ信号を加えると、図2のA部分の位相
変調信号は図3の破線に示すように変動する。すなわ
ち、位相変調信号のゼロクロス位置(時間軸と交わる位
置)が変動する。この変動は位相差カウンタ27の検出
分解能程度である。図3のdは位相差カウンタ27の検
出分解能である。ディザ信号は基準信号には加えない。
従って、位相変調信号と基準信号の位相差もディザ信号
により変動する。
【0014】位相差カウンタ27のカウントφ(t)
は、分周回路26の分周クロックの周期T毎にサンプリ
ングされる。従って、カウントφ(t)の時系列データ
を、t=kT(ただし、k=0,1,2,3,…)とし
てφ(k)で表す。ただし、φ(k)<2πである。従
来例の位置検出装置では、検出位置x(t)は次式のと
おりになる。 x(t)=C・φ(k) C:位相差カウンタ27の検出分解能[m/digi
t] x(t)のディメンションは[m] φ(k)ディメンションは[digit] 検出分解能Cは位相差カウンタ27の計数クロックの周
期に相当する。一方、本発明の位置検出装置では、検出
位置x(t)は次式のとおりになる。 式では、Cを最小単位として検出位置x(t)が求め
られる。式では、C/nを最小単位として検出位置x
(t)が求められる。従って、本発明の位置検出装置は
従来例に比べて検出分解能がn倍向上することになる。
なお、本発明では式で検出位置x(t)が求められる
ときにはモータは位置決めされた状態にある。
【0015】位置検出のしかたを具体例を挙げて説明す
る。n=5の場合について説明する。モータが位置決め
された状態で、例えば、図4に示すように、基準信号と
位置検出信号の位相差の真の値が2.5のとき、位相差
カウンタ27は小数点以下は検出できないため、カウン
トは2である。従って、従来例ではカウント2から位置
を検出する。一方、本発明では、n=5から図5に示す
ディザ信号を位相変調信号に加える。図5に示すディザ
信号は周期が5Tである。周期T毎にとった時刻t1
2,t3,t4,t5における信号レベルa1,a2
3,a4,a5は、位相変調信号の位相を位相差カウン
タの検出分解能の0.1, 0.3, 0.5, 0.
7,0.9倍だけそれぞれ変動させる信号レベルになっ
ている。このようなディザ信号を位相変調信号に加える
ことにより、分周クロックの1周期毎に異なるレベルの
ディザ信号がつごう5周期にわたって位相変調信号に加
えられる。これにより位相差は、2.6, 2.8,
3.0, 3.1, 3.3となる。従って、位相差カ
ウンタ27のカウントは、2, 2, 3, 3, 3
となる。これら5つのカウントの平均値をとると、位相
差は2.6になる。本発明では0.2を分解能にして位
相差を求めているため、1を分解能にして位相差を求め
ている従来例に比べて検出分解能が5倍向上する。
【0016】なお、位相変調信号の位相を位相差カウン
タの検出分解能の0, 0.2,0.4, 0.6,
0.8, 0.1, 0.3, 0.5, 0.7,
0.9倍だけそれぞれ変動させるディザ信号を位相変調
信号に加えてもよい。このようなディザ信号の発生は遅
延回路を設けることにより実現できる。この場合、位相
差カウンタのカウントは、3,3,3,4,4,3,
3,4,4,4となる。n=5の場合は、位相差は3.
4と3.6が交互に求められる。この位相差から求めた
検出位置x(t)はフィードバック信号として位置制御
系へ帰還されるため、位相差3.5の近傍へ位置決めが
される。ディザ信号の周波数は、モータの位置制御のサ
ーボ系が応答する帯域よりも十分に高い帯域の周波数に
なっているため、3.4と3.6が交互に求められるこ
とによりモータの位置が振動することはない。このよう
にディザ信号を位相変調信号に加えることにより、位相
差カウンタの検出分解能よりも高い検出分解能で位相差
を検出できる。
【0017】また、モータはリニアパルスモータに限ら
ず回転型のモータであってもよい。リニアパルスモータ
に限らず他のリニアモータ、例えばリニア型のACモー
タ等であってもよい。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、位相変調信号にディザ
信号を加え、位相変調信号の位相を位相差カウンタの検
出分解能程度の範囲で変動させる。そして、変動させた
ときに計測した位相差の平均値をとることにより、位相
差を求めている。これにより、実質的に位相差カウンタ
の小数点以下の分解能で位相差が検出される。このた
め、位相差カウンタの検出分解能を高めることなく位置
検出分解能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示した構成図である。
【図2】本発明の動作説明図である。
【図3】本発明の動作説明図である。
【図4】本発明の動作説明図である。
【図5】本発明の動作説明図である。
【図6】従来におけるモータの位置検出装置の構成例を
示した図である。
【図7】図6の装置の信号タイムチャートである。
【符号の説明】
1 エンコーダ 2 位置検出回路 27 位相差カウンタ 30 デイザ信号発生手段 31 加算手段 33 位置検出手段

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータの回転に伴って位相が変調される
    位相変調信号を出力するエンコーダと、 前記位相変調信号と、位相が変調されない基準信号との
    位相差を一定周期毎に計測する位相差カウンタと、 を備え、前記位相差カウンタの計測値からモータの回転
    位置を算出するモータの位置検出装置において、 周期は前記位相差カウンタの計測周期のn倍(ただし、
    nは2以上の整数)で、振幅は位相変調信号の位相を前
    記位相差カウンタの検出分解能程度の範囲で変動させる
    レベルになったディザ信号を発生するディザ信号発生手
    段と、 このディザ信号発生手段が発生するディザ信号を位相変
    調信号に加える加算手段と、 モータの回転位置が位置決めされた状態にあるときに、
    前記位相差カウンタがn回の計測周期にわたって計測し
    たn個の計測値の平均値を求め、求めた平均値からモー
    タの回転位置を求める位置検出手段と、を具備したこと
    を特徴とするモータの位置検出装置。
  2. 【請求項2】 リニアモータの移動子の移動に伴って位
    相が変調される位相変調信号を出力するエンコーダと、 前記位相変調信号と、位相が変調されない基準信号との
    位相差を一定周期毎に計測する位相差カウンタと、を備
    え、前記位相差カウンタの計測値から前記移動子の位置
    を算出するモータの位置検出装置において、 周期は前記位相差カウンタの計測周期のn倍で、振幅は
    位相変調信号の位相を前記位相差カウンタの検出分解能
    程度の範囲で変動させるレベルになったディザ信号を発
    生するディザ信号発生手段と、 このディザ信号発生手段が発生するディザ信号を位相変
    調信号に加える加算手段と、 移動子が位置決めされた状態にあるときに、前記位相差
    カウンタがn回の計測周期にわたって計測したn個の計
    測値の平均値を求め、求めた平均値から移動子の位置を
    求める位置検出手段と、を具備したことを特徴とするモ
    ータの位置検出装置。
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